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やる夫は異世界の戦士になるようです101

5768 : ◆x0SRSoJXe.:2016/05/29(日) 23:29:54 ID:aqXCi/iE0

    /||ミ
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 |:::::::::::::::||___ : : :丿         有給使用しようと交渉した結果惨敗した>>1だ。
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 |::::::::::::::(_ノ / . . . ||          あの性悪ハゲめ、残った後頭部もマハラギオンしてやりたいね。
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    \||


5770 : ◆x0SRSoJXe.:2016/05/29(日) 23:35:14 ID:aqXCi/iE0

       , -‐   ‐- 、
     /: : : : : : : : : : ::',
    , ': : : : : : : : : : : : : : :',        人事部解体して、従業員機械化プロジェクトでも始めたらどうかしら。
  /: : : : : : : : : : : : : : :○:',
  ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',       ま、学歴なしの底辺人間の運命だね。ファンタジー小説の農奴にでもされた気分だよ。
 .  `ト : : : : : : : : : : : _,-‐'`iヽ _
    i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : `ヽ   乱暴に言うと、底辺だからこそ農奴程度にしかなり得ないのだけど。
    | : : :ト: : : : `-‐´ : : : : : : 、: : : 丶
    | : : :'、j`-‐ : : : : : : : : : : : \: : : ヽ
    丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
          `ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
             ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ





                  . . .-─‐-. ミ
                     |: : : : : : : : : : `: ..
                     |: : : : : : : : : : : : /
                    }Ο : : : ◯: : : :,′      さて、今日は一日中起きてることに決めた。
                   : : : : : : : : : : : :i
                      { -===- 、: : :. :.|        寝ると起きれないからね。体力消費は度外視だ。
                    〉: : : : : : : : : :ノ
                  i: :`ニニニ´: : : : ‘,        二十一連勤がなんだバカヤロウコノヤロウ。
                 __/ : : : : : : : : : : : : i
      ___        /.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|        はじめてくよウィーアーチャンピオン。
     / :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
     .′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/ | : : ‘,
.    ‘::::::::::::::ノ: : : : : :ハ \{/: : : :/⌒゙ヽ : : :‘
.       ゝ-=彡-──<¨¨゚‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
                 \: :′:::::::::::/______」
                     弋:::::: /
                       `¨´


5772 : ◆x0SRSoJXe.:2016/05/29(日) 23:39:03 ID:aqXCi/iE0

【1月25日】

          (三二ニ=-{                  ハマニ==-爻{    }rーュ≦ア爻
⌒⌒⌒⌒ ー - 斗 三二ニi                爻爻}ハhハh爻爻爻rく去り爻r=ュ
     _      `ヽニ=- {_              __爻爻爻爻三二ニ==-==ニ丶三二\
⌒⌒⌒{ニ=-  _⌒三_      |_        __爻メz__爻Y       ん爻爻爻爻爻爻\三二
    _|          ̄ 三二{      爻爻爻爻爻 }_  _三二ニ=-爻爻爻爻爻爻爻.\三
  _(_二ニ=-_ -=ニ二三_  |__    爻爻メハイク爻爻メi|:::::i|:::::i|_三二ニ==--     ̄ハ
. /  //  ̄ ̄ マム            {         }}比 }}爻爻爻爻ヽ  八 ヽ  八 ヽ  八爻爻メ
/  // [] [] [] マム=-=ニ二三_ | ____    ___  マムメ爻爻爻爻 i i| i| i| i| i| i| i| 爻爻爻
  // ニニニニニニニ.マム}| ̄|     ̄{_i:::::i_______i::::i爻爻爻爻爻爻爻 i i| i| i| i| i| i| i| 爻爻爻
._// [] [] [] [] .マム.  !二ニ==- {::爻二ニ==--爻爻爻爻爻爻爻-―――――――爻爻爻爻
 ̄土土土土土{_}/ニニニニニニ爻}_____.!爻爻爻爻爻爻爻爻________________爻爻爻爻爻イ
孑爻爻爻爻z _i.\_|三二ニ=---爻ハ_______________i___爻爻爻爻 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄爻爻爻爻爻リ
ハ }ニ{: : .\\\ \i_|____|メ、三}爻メノ .ノ 爻爻=--―――爻爻爻------------- 爻爻爻爻
三二ニマ=マ二二ニニ==___爻爻爻爻ハ{ { 爻爻彡v ハハハヽY´彡イY⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y爻爻爻爻爻
_______} マ∩マ  _________爻爻爻爻爻ム. ∨ 爻爻イ  } | } }リイ  } |   |   |   |   |爻爻爻爻
 ̄\  ̄ ̄  ̄ \=-==爻爻爻爻爻| | |イ}i{:八 -イ .イ | |ゞ爻 {::|   |   |   |   |爻爻 / /
: : : : : : ̄ ̄ ̄ ̄ : : : : : : : : :}i{:笊爻爻,! ! !ー----ミj:i:i{: | | |:.....| |   |   |   |   | 爻/ /__
: : : : : : : : : : 爻_: : : : : : : : : : ヾ: : 爻}i|i{| | |ゝ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i} | | |::::::| |   |   |   |   | / ̄ ' --
: : : : : : :爻爻メ⌒ヽ >-====爻.j{j ! ! !爻f≧:i:i:i:i:i:i:|:...| | |::::::| |   |   |   l ./   /______
v: :ハ : : :⌒彳{ハ⌒_}_(_(_ ̄ Y´;從從從從從從 水メ:i:i:i:i:{::::| | |::::::| |   |   |   /   /  ̄
仆仆イj: : : ∧} }:::`< ̄   ` <從從從從//__ゞ:イ//j:iイ<:..! !:: ::| |   |   | /____./ ---
==匕: : : : :从 }<  ` <     ` <從從|:i:i|__j:{三二ニ={ ` <:: :| |   l> ´   ゙_______
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___介ー―爻.}::i i 斗 >======≧ー:} {:.‐≦.         > ´__________  ̄ ̄
     .イ 爻r―爻三}\  \        _ゝ-i i-イ_ __ > ´  ______ ̄  ̄  ̄
ー―<  爻、∨爻爻:!  \  \------->      <       ̄  ̄  ̄  ̄
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鉄馬車を止める。
晴天の下のディアナの町は、自分が最初に来た時と何も変わらない姿で
そこにあった。

声高に鳴く鳥たちも、のどかな街並みも、全てそのままだ。
駐屯地に馬を入れ、門の内側でアンゼロットを降ろした。

「ごめんなさい」

車椅子を先に降ろし、それからアンゼロットを抱きかかえる。
あれから、アンゼロットから発せられる言葉は、聞きなれた皮肉や冗談ではなく、
悲しげな謝罪の言葉がほとんどだった。
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5775 : ◆x0SRSoJXe.:2016/05/29(日) 23:44:53 ID:aqXCi/iE0

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.            、     ゝ-‐ ー- '      /
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           /V,l / \ V   」/////〉
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            /.:.|///ゝ、 `ヽ./ f⌒o 7¨´///}
            >、:ヽ/ ` `Y !  _! [`__'7´////,j
.      __ /   〉′j .イ /} } / _/ ∨//////,|
     / f´ | ト、` 、ゞ / { {//   У//////|
.     { l  | |  ` ー'‐ = Tl _  〈/>z/_∧,|
     ヾ.、 | |      二 l |   `゙` </_/_j
.          ` ┘^  .   二 //      /  ̄
                ` < {.{ 、 __ ノ

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時刻は午後の二時。日もまだ高く、風も冷たくなる前だ。
アンゼロットは気持ちよさそうに風を受けながら、「ここに来るのも久しぶりですね。
数か月のはずなのに、何年も前のよう」と呟いた。

それについては、同感だった。
あの時とは、いろいろと変わった。たくさんのものを失った。
そして、かけがえのないものを得た。

二人分の荷物が入った鞄を背負い、車椅子を押す。
駐屯地にはかつての活気はなく、ぱたぱたと小柄な魔道ゴレムたちが
通路を歩いている姿が散見される程度だ。

ナノハたちは今頃、オルフェオで何をやっているのだろうか。
ふと、首都で分かれた仲間たちのことを考える。
思えば、ここにアンゼロットと二人で来ることになった経緯も、
だいぶ突然な形だった。
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5777 : ◆x0SRSoJXe.:2016/05/29(日) 23:46:23 ID:aqXCi/iE0

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         イ !:::::::::l,',..=!、ヽl l l  l l  !   '.   l                ,.
          iハ:: ,:::::: ' !ァ ,.l l l !. l l 、.j   !. ヽ.   l                  /        おはようございます。
          ヽ!::::::l  辷ノ '、! !ヽ|ヽ'、.ヽ`''.!.、. \,!   !            .'
          ヽ':::::ハ       ヽl     ,ゝ==l、ヽ` ‐ \   ゙.         '          怪我、大丈夫……じゃないですよね。
           l:::::i    ,          |::::::::::ヾ,\ ` ,..ヽ   ヽ     /
           l:::::ヘ   ヽ         ゝゝ:ハハ'::\::\:\ ,\   /            「平気ですよ、痛みはありませんから」
           ノ!:::::ハ    _          `"´ /::::/::::::`,:::::::::::':::::::::ヽ, '
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落ち着いたアンゼロットを部屋まで送った後で、その日は自室に戻った。
自分の突然の言葉に混乱していたのもそうだが、今まで抑えに抑えてきた
感情が一時的に溢れだしたともとれる彼女の姿は、見るに堪えなかった。

朝になり、いつかのように食堂へと向かう懐かしい感覚を噛みしめながら、
ラピスたちと顔を合わせた。

アンゼロットは、足のことを怪我だと説明しているようだ。
魔力の限界出力、つまりはリミッターを外されているせいで
体が石化している、などと説明するわけにもいくまい。

どれだけ心配をかけたとしても、体はもとには戻らないのだ。
なら、余計な負担を背負わせることはない。そう、彼女の目は語っていた。
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5780 : ◆x0SRSoJXe.:2016/05/29(日) 23:54:01 ID:aqXCi/iE0

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         l:.ヽ:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.:.:匕:チ |:.≠.l/  ||,イう。,/:.!:|:.:.:ヽ:.:.:.:i  ヽ        何か困ったりしたら、いつでも言ってね。
         ヽ:.ヽ:.|:.:.:.:.:.メ´:||:.yヒて个/   / .{::::j."i/|:|:.:.:.|.i:.:.:.:|
        ヽ:./=ヽ:.|:.:.:i:.:i,イ7::::::゚::|       b:y /:.l/:|i:.:.i .|:.:.:|           近くに誰もいなかったら、鴉を飛ばしてくれて
         ゝ .个:.::.:ヽ|ヽ らツ少      ̄ |:.:i:.|||:.:| |:.:|
          \ .|:.:.:|\\. ゝ¨        、 . |:.:.|:.| |:.|  |:|            構わないから。
            ヽ:.:.:|                イ|:.:|:ヘ/   |
             ヽ:.ヽ.       ` ´ /:.:.|:/:.:.ヘ
                  丶:.丶> 、    イ、:.:.:/:.:ヽ:.ヘ
               \ミ    ` ≧´   !\:.:.:.:.丶:ヘ
               ,>.|ヽ   ><   / .i:`>x.ヽ:ヘ
             ,、r´:/ | >‐、´     /  |::::::::::::::::::::`ヽ 、
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ナノハは、予想していた悲哀さとは裏腹に、明るい表情だった。
彼女からしてみれば、こうして部隊の仲間たち全員が生存し、
こうして食卓を共にできるだけで奇跡のようなものなのだ。
それは彼女の過去が、彼女の手から零れ落ちていったものが暗にそれを
表している。たとえ足がなくなろうと、命があれば、こうしてまた笑える。

自分だって同じだ。体の感覚がなくなり、いずれ魂が死に、人として
死ねなくなったとしても、これは変わらない。
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5781 : ◆x0SRSoJXe.:2016/05/30(月) 00:00:06 ID:PUKTQqKI0

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.     ,   ;              ゙:,    ,
    ′   ′     、        ゙,   ′
.    {     |      |乂 ___   トミ,斗}:  }
.   !   :|      トX{≧=-ト} 抖z|  .′            あら、おはようございます。
.   ! :| |:       |k抖抒    rリ | /{
     。| | l     | Vrツ     `¨ }イ{ :{ヽ            「隣、いいですか」
      ゚, | | |     |        / ̄ \:{ ゚。
.       }| | | i|   |..,,_    ーく       }:{.  ',           ……遠慮させていただきますわ。
.      l| | | l|  !{「うぅ =/^y    / :{  }i
.      l| | ./il|   ‘*≧=-/  ̄〉 =≦  {   |l
.      l| :.{ /=八    ∨/{     )⌒ヽ {  |l
   __rzzl| : /ニニニミト   〈 ∧   }∨ |:∧、ノ
/羽羽羽;} /ニニニニニニニヽ ∨:∧   .}\}  ∧\
 /7/7/7//ニニニニニニニニ'∧ },勹┐ ,勹. ヽ  ∧. 丶
===- ⌒〈=ニニニニニニニニニ∧∧ 勹 ./ 勹 .}ニ   ゙.  \
 ̄ ̄`Y^ ; ∨ニニニニニニニニニ/ニ{  勹┐,勹┘=   iト.   ヽ
zzzzzzzz′ -=ニニニニニニ/ニニ\  勹勹:ニニ  i{  ヽ  ゚。
 |/|   ./   . i|:Vニニニニ/ニニニニニ\  ,}_)ニニニ .八\}}   }
 |/|  /     . :i|:.:∨ニニ/ニニニニニニニ\__}ニニニ  \ヽ  /          ____,,..
 |/| ./    . .i|: : :Vニ/ニニニニニニニニニ/ニニニニニ..,,___,,,..  =-‐     ~ ̄
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挨拶を交わし、アンゼロットの隣に腰を下ろそうとしたものの、拒否されてしまった。
以前の関係であれば、また意地悪かと肩をすくめてみせたのだが、
今は彼女に惚れた男の一人だ。ちょっとした拒否の言葉でも胸に突き刺さる。

大人しく別の席に座り、時々会話をしながら食事を口に入れる。
味はしない。スープはどろどろの水で、パンは渇きかけの粘土だ。
味覚が残っていた頃の味を思い出しながら、無理やり嚥下していく。
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5782 : ◆x0SRSoJXe.:2016/05/30(月) 00:12:18 ID:PUKTQqKI0

                       > ´  ̄ ` <
                 /         ヽ
                /      ,   !   ',
                   ,:    i   / /  /  /  !
                 / ,   |ハ/!/| ノイ/i , ,
              / / .i  i! 代iナ´ ィiナi/ /
                / /  |  .ト!     ,  ハ/!
            〃,:  i!  |ヽ  、_ _  イ!  ,       おお、おお、やる夫ではないか。
           / / /  |   ! > __,/  i i ',
              /  , / __,.ヘ ∨    { ミ:ー-| |__       昨夜は随分と夜更かししたようではないか、ん?
          / /,<´   ヽ ヾ ∨ヽ-r メ!::::::| |:::::ヽ
            /  ,:   \  \',. ,:::i::::ハ:::}:::::::| |::::::::}     ま、それは置いといて、だ。
        ,   j     ヽ.  ',∨:::::::::::::::::::ヾミ .、:!
         / < ヽ     ',  ハ∨::::::::ヽ:::::::::::\\    アンゼロットよ、貴様に通達だ。
        / _ノ ヽ \   .ソ:::::',∨::::::::::',::::::::::::::::.. ミ、
      ,    ゞ..、    =--.:::´::i::::::::',∨:::::::::i:::::::::::::::::::::', ヾ
     ./  ./:::::::::>イ j::::::::::/:!:::::::::',∨::::::::!:::、:::;;;:::r''-}  \
    /  /::';:::::::::::/  ,}ハ''  ヽ ̄ ', ', ̄ノ   、 __ ノ    \
   ./  }二ニミ、/     ヽ    ` ー} }イ      i
     く /  _{__       \    | |       ヽ !
      {,.ィ::::/  \         ',.   ! !       .,
        `ヘ/ < `ー- ⌒ヽ   rィ..,,  ル!         i,..
          ゝ. ヽ     \__/:::::/ィ、        }ソi

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どうにか食事を終えると、背後から声をかけられた。
昨夜に散々聞かされた、高圧的なあの声だ。

振り返ると、朝から絶好調なギルガメッシュがふんぞり返っていた。
周囲の兵士たちがざわついている。師団長ギルガメッシュが食堂に現れること
自体見慣れないことだが、それ以上に、アラディア軍屈指の曲者として知られる
アンゼロットに話しかけていることが、彼らの緊張と好奇心を煽っていた。

「ご足労いただき感謝いたします、師団長。して、ご用向きは?」

アンゼロットは眉一つ動かさない。ここは流石と言うべきだろう。
ナノハですら一瞬頬をひくつかせたのに対し、アンゼロットは一切動じなかった。

無論、ラピスと自分は慌てふためいていた。
ギルガメッシュが一人で絡んできたならまだしも、あのアンゼロットとの接触だ。
嫌な予感しかしないというものである。
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5783 : ◆x0SRSoJXe.:2016/05/30(月) 00:18:51 ID:PUKTQqKI0

                , -―-  、
               /       ヽ
              / .,  |       ',
               ,  ハ. ! ト.! | i  i
            / i .代ナヾ !弋ナ ハ  ',         なに、大したことではない。妾が出張る必要があるかどうか
              /イ ゝ     jイ/_ ',  i
                 乂! ヽ  -   /!__!   ,         疑わしいくらいに大したことはない。
              i ー' > - イ ,.ィフ   ヽ
                  ,     r<},.ィ::::::::ヽ    \      今日の昼までに荷物をまとめ、ディアナに向かえ。
              /   ノ三彡''"´:::::ヽ.    ヽ
                / ,  /::::::/:::::::::::::::::::i     、    そこで医療班の検査を受けてもらう。
            / , ./:::::::ノ:::::::::::::::::::ィ::::i    ',  ,
              , __rく Y⌒ヽ::::::::::::::;::::::::::::;    ',.  ',
          厂rヽ )    ';::::::/:::::::::::::',    !  i
           ムィ/::::::!    }<:::::::::::::::::::::>  ., } /
          } i::::::::::',   .ノ   `  ̄ .i ´    / ./
          人>=-::>- ´       /     ,
            /        |  マー 、  /     {
         /  /     | ; r'   ` ヘ      ',
         ,  ./    r{-- >=-.、__r\      ,
        ,   /     ノ           \  /

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わざわざディアナで検査をする必要があるのか、ここの医療班に頼めば
いいじゃないか、と口を開く直前に、目で射抜かれた。
赤い瞳の中の、大樹に穿たれた罅のような漆黒の瞳孔が僅かに見開き、
人の持つありとあらゆる敵意の類をぶつけてくる。

脳よりも先に体がそれを理解し、やる夫は硬直した。
出過ぎた真似をすれば首が飛ぶ。ギルガメッシュがそれを実行に移すかどうかは
別問題として、その眼は殺意を宿していた。それも、強い敵対心などではない。

子供が玩具にしていた蟻に噛まれた時に見せる、酷薄な怒りだ。
その絶対的な自信と冷酷さに、ただ肝を冷やす。

「して、その足では何かと不自由であろ? よって、随伴を一人つけることとする。
……そうさな、やる夫、貴様がゆくがよい」
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5785 : ◆x0SRSoJXe.:2016/05/30(月) 00:25:51 ID:PUKTQqKI0
ミスった。もう一度だ。


                    > ´ ̄ ̄ <
                     / !        ヽ
                    /  |         \
                    ,   |  .i    i   ',
                     i  ト、ト. {ヽ!___| !  }   、
                     | i ,r=z、ヾ '´ ̄!ィ , .ハ   \
                     | |ハ.{   '  _   ! /./ i    个ヽ         貴様も、顔も知らぬ者と二人きりよりかは、
                     人{.rヾ  r', --i 从/__j i    ',
                     !i__\.ヽ  ′/ |   |    ',          気心が知れた男と二人の方がよかろう?
                   ノイ  >-- ´   i  !    ',
                     / ,   __)  __ノ  ノー-.、    、        ほれ、ちょうど夜を共にした仲だ。
                   / r- /::ー-.:´/ /::::::::::::::',      、
               ,      / //7TTi´/ /::::::::::::::::::::::',      \    旅の友には打ってつけではないか。
           /   ./ /:::::>== 彡::{::::::::::::::::::::::::::::::i   ト.   ',
          /  r''⌒ヾ./:::::::::::_..r-< ´  ̄ `ヽ::::::::::;:::::!   ! ヽ   i
         /   /    く:::::,r'' へソヽ         ';/::::::{   ',   }  ,
         , ,   >=- ''"7  -マ''´::::::} ヽ    /::::::::::::!   |  / /
          { /  / /     {..イ⌒´:::::::::::ゝ _ \ .イ:::::::::::::::',.   ! ./ イ
         /  .,: {    /、   ';::::::::::::::::::/ ̄´ヽ::::::::::::::::::ヽ. ,: 〃

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そして、食堂が、そこにいるすべての兵士たちが凍り付いた。
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5787 : ◆x0SRSoJXe.:2016/05/30(月) 00:29:00 ID:PUKTQqKI0

            。o-―――-ミ_
             /: : : : : : : : : : : :  ̄: : : `ヽ、
        /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ミ=― '
          /: : : : : : : : : : , : : : : : : : , : : : : : : : :.\
       /: : : : : : : : : : /.: : : : : : :./|: : : : : : : : : ハ
.      /.: : : : : : : : : :./: : : :_:_ ム弋: : : : : : : : : :ハ
     /.: : : : : : : : : :./ : : : : : :/   |.:.|!: : : : : : : : :}
     {|: : : : : : : : /イ: : : :/ ___-l:.:lハ.: .:.|: : : :ハ:}
     リ!.:. : : :.:./:´: ;': :./ 〈 ̄ら:i`!:! Ⅵ:|: : : | .}}
      八.: : : : : : : : :.{/ { u.  弋ソ 从 .ィ刈: : :/.ノ
       \: : : : : : : {!: :.∧ .:::::::::..    レ/.: :/
        ヽ.: : : : : : : :.{ \        ′!/:}
          }\\: : : : }  u      _   八:.从
            \\: :.|>。     。イ : : : } \ ヽ
         r 、/ ̄\゚ :{   .≧≦: : ハ} ヽ: /     ),
      /( )     _ \ ̄    \  .}/  _ 彡
        {::( )     ハ          >'>、
    ハ |( )_  /介 \、     (  ):::::ヽ
  _ { ∨///∧7ト、l | \_≫   (  )´::::::::::}
 ノ    //////∧//∧`ヽ      r' r'::::::::::::::{
.f \ \///////∧//∧/∧    )  ):::::::::::::: |
{ \ \_)///////∧//∧/∧  ( (::::::::::::::::: |
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 ∨//>- {             `ヽ'::::::::::::::::::::::::::::::::::>
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           ___
            ´ 二ゝ、\-‐:::--..,   ,. -‐-、
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         /://::::::!::∧:::::::::::::::::::{l{:::::::::::::::::::l
         i/:::{{::::/ノi/  ∨ヽ:|:!:!::::}ヘ:::::::::::::::::|   ━━┓┃┃
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       -== 三      ≦。l/  /  |::::::::|
    .  。 -=≦       ,ァ-"ヘ、__∧  |:::::::l
  ゚ ・ ゚。  三<      、,Jト 〉{ヾ:::彡'  |:::::::|
       ≦ ッ     ッV´≧
      。 ゚ 。 ミ´ 、、 ハト・。゙i ゚。

5788 : ◆x0SRSoJXe.:2016/05/30(月) 00:44:09 ID:PUKTQqKI0

                 |  l│└ ┐
           ┌‐┘ ノ./ー─┘                      \
            .└―〃/ | ̄ ̄|             /             ヽ
           ./ ̄ ̄|│ 「 ̄  .!   /     〃               、
            ,  ヽ/ ̄| │.ヽ_>   | / |   /{/               ,
.         ,′ / l{'.└┘ .{ ─-| / │ //| |'    |           ヘ ',
        /   { ⌒ト、   从 / j/  `lメ、 | |    '|           |
.        /    ∧、{| \ヘ{ V    │   | |  / | j          } !
        /   / ヘ. |   l\ ===ミ 、    | |  /ナメ、}     i   .′i      あら、お戯れが過ぎるのでは?
      /   / /  `l|   |      `     |//jノ ,′    |  ′/
.      /    / /   l|   |                =ミ、   ′     | /         私とそこの彼の関係に、師団長殿のおっしゃるような
.    /   /   _ァ‐-|  │                 ヾ/    イ リノ
    /     '  // ト、 /li   │    丶._  ´   <.__  ノ// '′           ことはなにもございませんが。
  /    ,厶∠... | `¨|i   | \      ` `      ,ハ//´ レ′
 /  /..:::.::.:::::..`ヽ  |    |、  \     ,..r  ´  |
/ ,/..::.::.::.::.:::::::::::::::..\|    |て /ト、`r l |  丿|   |
 /..: : :.::.::.::.::.::::::::::::::::::::..\ │ `スrく}r‐┴く  |   |
'/.:.:.::.::.::.::.:::.:::.:::::::::::::::::::::::::::} | /  }\j::::.:::.::..\   |

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ナノハが噴き出し、ラピスが帽子を落とした。
穏やかな食堂には、戦闘中さながらの騒然とした雰囲気が漂っている。

アンゼロットはというと、にこりと笑いながらも、今まで目にしたこともないような
殺気を放っていた。笑っている。笑っているのだが、目が氷の刃のようだ。
心なしか声も鋭い。下手すれば、今にも師団長に砲撃を放ちかねない
勢いだった。

「こともなにも、屋上で熱い抱擁を交わしていたではないか、ん?
ともあれ、これは命令だ。くれぐれも反故にするでないぞ」

ギルガメッシュはその殺気をものともせず、言いたいことだけ言い終わると、
背を翻しさっさと食堂から姿を消してしまった。

後に残るは、質問攻めの嵐を喉まで出しかかっているナノハたちと、
それらを見て蒼ざめる自分とアンゼロットだけだった。
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5789 : ◆x0SRSoJXe.:2016/05/30(月) 00:52:55 ID:PUKTQqKI0

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          /   /           ,   /         ヽ
            /         /   ./  /   ′
          ′   レ{  i  ′__′´′ .,.:゙   }         Ⅵ
            /⌒{  |  {   /{ ` { 、/ i    ;             Ⅵ
.         {i   { 7从  :|: 八 斗午ミ、{/゙   |  /  ;         ‘,.  Ⅵ
.        从  八  ;   :|'゙  { ハ刎 '    | ./」_ /i       }ハ }
         ゙     / ヽ′ :l.    辷 ッ      | / i /`i            }゙
            /       .|             泛弐 ノ    }   .;       お待たせしました。
      /    /   i   |            戈ツ/    ァ゙ ; /
.     /    /r‐'7^i|   |          '    /   才゙ /{/        他で待っていてもよかったのに。
    /    / .|乂___|   |      ` ‐    ⌒ァ=≦ {/
.   /  jIニニ=-ミ i |   |   、       .。s 升                 「二十分程度だったし、平気です」
  / /ニニニニ‐` 、|   |  介=- 七 ノi   |
.  ァ'ニニニニニニニ\   |`'くr '⌒7__ / |    |
 /ニニニニニニニニニ‐ヽ :|  ノ⌒7゙ニニ≧x |    |
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検査は数時間とかかるものとばかり思っていたが、アンゼロットは医務室から
数十分で出てきた。検査といっても、自分の考えていたような大規模な
中世版人間ドックといったものではなく、簡易的なものなのかもしれない。

「まあ、ディアナに来たのも、施設の問題などではなく、単に秘匿性の問題ですから。
魔力の限界出力を故意に外された者は、体が次第に物になっていき、
死に至る。なんて知れたら、そうでない者にも混乱が広がるでしょう?
事実、私の同期も皆、死ぬか口封じされてるかの二つに一つですからね」

車椅子の上でアンゼロットがやれやれと手を上げる。
虐げられた者たちの集まりとはいえ、組織は組織。それ相応の
腐敗や暗部はあってしかるべきだが、それが命に関わるとなる事柄だと、
公になった時の混乱は計り知れない。

自分たちは、その暗部に触れ、あまつさえ力としている。
ギルガメッシュが使いをよこさず、自ら連絡しにきた理由もそれかもしれない。
だが、あんな公衆の面前で言うことはなかったと思う。
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