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やる夫は異世界の戦士になるようです95

2016/04/19
01:31

5595 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2016/04/03(日) 21:20:10 ID:Y81V.7bc0
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5597 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2016/04/03(日) 21:24:49 ID:Y81V.7bc0

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　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　　女子高生誘拐事件、犯人はオタクだとかどーたら報道されてるらしいね。
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　　そんなこと言ったら秋葉原は修羅の国だよ。世紀末趣味人伝説だね。
　　　　/ : : : : : : :┌─┐
　　　　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ
　　　　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　と_ : : : : : : ノ : :ノ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : :○ : : : ○: :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : : : : : : : : : |　　　　　　　　ま、ここにはメディアの悪意も影響なし。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j: : : -=＝=- : :.i
　　　　　　　　 r―--┐　　　 i: : : : : : : : : : : :l　　　　　　　　頭空っぽでブギウギさ。はっじまっるよー。
　　　　　　　　　 i: : : : : ',　　　ゝ : : : : : : : : :t´
　　　　　　　　 ',: : : : : i　 , f: : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　＼: : : :y: : : :Υ: : : : : : : : : : :y: : '..,
　　　　　　　　　　　　 ',_: :: :／　 i: : : : : : : : : : : :l丶 : : :ヽ
　　　　　　　　　　　￣　　　l: : : : : : : : : : : .i　　＼ : : :丶

5598 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2016/04/03(日) 21:37:56 ID:Y81V.7bc0

　　　　　　　　/　　 /　　　　　　　　ｉ　　 .! ｌ　ｉ　　　　　　　＼
　　　　　　　 .′　 ,′　　　　　　　　ｌ　　 /ｌ | 　i　　 !　　　　　＼
　　　　　 ′ 　.　　　　　　　Ｌ厶_../　ｉｉ　 l　　 !　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　ｉ　　,　　　　　　　 | l_Lムﾆミヽ､ .! 　　.!　ｉ　　　　　 '
　　　　　　　|　ｉ　ｉ　　　　八　　ｌV ｨ'て乙(｀ヽ l 　　 !　i 　　 /　　　　,′
　　　　　　　|　|　|　　　　　＼　 |::::: ｈ( ｨ'ﾘ:::::::ヽ　f'うﾐメ、 .'　　} i　/
　　　　　　　|　l　从　　　　　 {ヽｉ　　`ﾆ´´::::::::::: ヽｈr!Y´　' 　 '　ﾚ′　
　　　　　　　|　i 　八ヽ､　　 !　　　　　　　　　 lcﾘ |　/　 / 八　　　　　　　ぜえっ……後衛は空の敵を！
　　　　　　　|　　ｉ　ｲ＼j＼　＼　　　　　　　　　　 '　　|ノ　/ /
　　　　　　　ｉ　　　!　{　　ｌ　＞ｰヽ　u 　　　　 _ 　　 !厶ｲ /　　　　　　　　　地上の敵は私が片づけます！
　　　　　　　ｉ　　　ヽ､`ｰ |　　 |　　　　　　　　 ´ ’　　ハ　/
　　　　　　 '　　　　　｀ｱ,|　　 |　　　　　　　　　　　 .ｲ　|
　　　　　　.′　　　　 // |　　 | へ、　　　　　　　ｲ　ｌ　 |
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　　　　/　　　　　　 { j.　|　　| 　　　 |／二ﾆミ.　|　　i　 |
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弾丸のように突進してくる狼の群れを捉える。
その後ろには竜騎兵、更に後続にはエリヌスの歩兵。
彼らが一斉にこちらに向かってくる様に、やる夫は狂気を見た。

自分たちを殺しつくし、アラディアを消した後は、彼らはまた殺し合いを再開するの
だろう。今日は歩みを共にしても、明日には刃を向け合う。
自らの神のために、どちらかが絶滅する遠い未来まで。

自分のためでもなく、家族のためでもなく、友達のためでもなく、恋人のためでもなく、
富や名声のためでもなく、ただ神のために彼らは血を流す。

こんな奴らに。

こんな奴らに、町を奪わせてたまるものか。
こんな奴らの神様に、くれてやる命などありはしない。

狼は疾走してきた勢いのまま、兵士たちの首元目がけて飛びかかってきた。
自分も例外ではなく、二匹の狼が食らいつこうとしてくる。
恐怖を押し殺し、腕を振るう。最初に距離を詰めてきた狼を斬り伏せると、
左手で後続の狼の頭を鷲掴みにし、そのまま腹を貫いた。

肉を引き裂き、骨を抉る感触がする。
串刺しになった狼は、そのままぐったりと絶命した。
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5599 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2016/04/03(日) 21:47:57 ID:Y81V.7bc0

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視線は前に向けたまま、剣に刺さった狼を投げ捨てる。
狼たちに追いついてきた竜騎兵たちが、餌に群がる鳩のように押し寄せる。
それらと入り乱れる形で、残った狼たちも襲い掛かってきた。

敵の津波を防ぐように、壁になる形で前衛たちが前に出る。
結界は既に破られているようで、幾つもの弾丸が肩や腹の肉をこそぎ落としていく。
全身の毛穴が開き、汗が噴出する。体中に熱した鉄の棒を押し付けられている。
熱と衝撃が体の感覚を支配する。

怯むまいと歯を食いしばり、弾丸を受けながら剣を振りかぶる。
地竜の上から槍の穂先が突き出されるが、気にしている暇はない。
怯んだら、別の方向からやられる。

現に、悲鳴を上げながら倒れ込み、食い散らされていく兵士たちもいた。
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5600 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2016/04/03(日) 21:55:35 ID:Y81V.7bc0

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　.ル .､ .|　　　 /　ズバッ＿＿＿　　　／_ノ　ヽ､　＼　　三三
　　'ﾄyﾑﾞ.|!l　.〃　　　＿＿＿　＿＿／（●）三（●）)　＼　三三
　　 '|l|j||lｔｉレ'/レ'´　　　　＿＿＿　 |　　（__人__）　　　　|　三三
　　　::: ￣~'''!デ￣＼　　　　＿＿　　＼__ヽ|r┬-|　/　／　三三三
　　 :::::::::::::::::::|::　　　 !　`゛ヽ　＿＿＿　　ヽ　-､　＼　＼三三三
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この乱戦の中に置いて、やる夫の体に起こった異変は大いにその身を助けた。
傷を負っても、十秒もすれば塞がる。血も止まるから、失血の恐怖も減る。
痛覚のない右腕を盾にすれば、敵の攻撃を受けても何も感じない。
痛みと恐怖だけはどうしようもなかったが、耐えるしかない。
耐えられなくても、耐えるしかないのだ。

竜騎兵の脚を掴み、そのまま引きずり下ろす。
別の竜騎兵が妨害の槍を突き出し、腹を突くが、構わずに地面に倒れた
竜騎兵のこめかみの辺りを思い切り突き刺した。
堅い頭蓋が割れる感触と共に、竜騎兵の体が跳ねる。
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5601 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2016/04/03(日) 22:02:52 ID:Y81V.7bc0

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剣を振り回す中で、段々と世界の輪郭が揺らいでくる。
興奮に身を任せて敵に斬りかかり、腹に刃を叩きつける。
悲鳴は聞こえない。味方と敵の怒号にすべてが呑み込まれていく。

乗騎をやられた竜騎兵が、崩れる直前に槍を肩に担ぐのが見えた。
直感的にアンゼロットの前に立った次の瞬間、敵の槍が弧を描きながら
自分の脇腹へ着地した。

穂先がめり込み、骨を削り、内臓に突き刺さる。
痛みよりも、衝撃の方が大きかった。
小さな車にでも衝突されたかのようだ。呼吸ができない。
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5603 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2016/04/03(日) 22:08:57 ID:Y81V.7bc0

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　　　　　　　　　　　　　 ,' /　　　　　　　　　　　　　 !.i
　　　　　　　　　　　　 ,' ,'　　　　　　　　　　　ﾑ.,' | | |
　　　　　　　　　　　　　　　ｉ .ｉ　　　　　　　　　　　ﾑ,'　! l ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　| ｉ　　　　　　　　　　 .ﾑ,' ｉｉ !il　　　　　　　　この、馬鹿っ！
　　　　　　　　　　　　　　　| ｉ　　　　　　　　　　ﾑ,'　ｉｉil ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　! ｉ　　　　　　　　　ﾑ,' _ ｉｉ　　　　　　　　　　下がりなさい！
　　　　　　　　　　　　　　ﾘ .ｉ　　{　　　!　　　ﾑ,' /;:￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　/　.ｉ　　{　　 ,'　　 .ﾑ,' ,':;:;:;:;:;:;:ｉ
　　　　　　　　　　　　　 ,'　　.ｉ　 .ｉ　　,'　　ﾑ,'　ｉ;:;:;:;:;:;;:;!
　　　　　　　　　　 /　　　ｉ　ｉ　 ,'　　ﾑ,'　ｉ:;:;:;:;:;:;:,'
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さすがに堪えきれずにうずくまると、目の前に巨大な結界が出現した。
アンゼロットが展開したのだろう。

結界は弾丸を弾き、槍の穂先をへしゃげさせた。
敵の中に、一瞬の動揺が走る。その混乱の隙間を縫うように、
アンゼロットの手から閃光の刃が閃く。

光の刃は目前の敵を消し飛ばし、後続の敵の足元に爆発を起こした。
敵たちの視線が、アンゼロットとその前に立つ自分に集中する。
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5604 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2016/04/03(日) 22:20:02 ID:Y81V.7bc0

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膝を突いている場合じゃない。
ここで意識を手放すのは簡単だ。眠りに落ちたら最後、永遠に目覚めることは
ないだろう。この痛みからも解放される。

だが、それだけはだめだ。
死ぬわけにはいかない。死なせる気もない。
自分が盾になるのだ。

剣を杖替わりにしながら立ち上がり、アンゼロットを庇う形で前に出る。
腹に空いた風穴は、既に再生が始まっていた。

頼む、持ってくれ。自分の体に、そう懇願する。
楽になるのは後だ。今は、戦い続けないといけない。
そうしないと、死んだ後も後悔するだろうから。
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5605 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2016/04/03(日) 22:22:25 ID:Y81V.7bc0

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5606 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2016/04/03(日) 22:31:32 ID:Y81V.7bc0

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　　　　　　　　　　　　　 '´　　　.ィ/⌒i､ﾉ, } ｝´(*)｀ヽi/ニニニニﾆ _{
　　　　　　　　　　　／　　 r≦ﾆ7 i´ ﾉ　｀｀}: :/}: : : :}ニﾉﾆニニニﾆ‐
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　　　　　　　　／　　／　　　r<⌒'く⌒>'⌒ｉ' ,.ｲ.ﾉ／ニニニニニニﾆﾆ7∧
　　　　　　／　　／　　　／i_ﾉ⌒'く⌒ヽ　:ﾚ'‐}´i{ニニニニニニニニ7/ ∧
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.　　　　　　　　 '　　　　,ニﾆﾆ(_r'´＼ヽ／ニニﾆ}_ﾑニニニニニニニ7　　 / ∧
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　　　/　　　　　　　　　 {ニニニ‐､ニニニニニニ}／ニニ⌒ヾー==彡　‘,　　./ ∧
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　　′　 .,'　　./　　　′￣　　　　　＼ニニニニニﾆﾆ／ニニ‐_　　　　　　 / ∧
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同盟軍の攻勢は、熾烈を極めた。
空からの攻撃をほとんど封じたとはいえ、同盟軍とアラディア軍の戦力差は
依然として埋まらず、数で劣るアラディア軍の薄い壁を、今にも押し破ろうと
していた。

英雄ハイグリーズの部隊にも敵地上戦力の一部が集中。
アラディア軍は消耗の一途を辿っていく。
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5607 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2016/04/03(日) 23:07:43 ID:Y81V.7bc0

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,　　　 |　　 ;|;|　　,　;　||　　　　　　　　 |｜|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|　/　/ 　 /　/　|:|＼＿
,,　　　　|　　　|;|　　　　 ||　　　　　　　 |｜|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:|/　/ 　 /　/　 |:ト＿「
　　　　 |　　 ;十ト , 　 |,;||　　　　　　 |｜|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/ 　 /　/ 　 |:|
　　　 |　　　;;|｜　,　l　||　,　　　　　 |｜|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,/7_　　 /　/ 　 /　/　　 |:|
　　　　;| 　　｜l　　 | , ||　　　　　　　　|｜|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 7/´ 　 ,/　/ 　 /　/　　　|:|
　　　 ;| 　　 ;｜|　　|　 ||　　　　　　　 |｜|　　　　　　　　　　　　　　　　 //　　, /　/ 　 /　/, 　　 |:|
;;　　;;　|　＿　｜|　｜　;|| ＿　＿　　　 |｜|　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　　, /　/ 　 /　/　,,_　;　|:|
　　ミ　| /ｰﾄハ｜| , |　　,ﾊ／ハｰ〈}　　 |｜|　　　　　　　　　　　　　　 //　　, /　/ 　 /　/／∠ 　 |:|
　　 (｜　　　｜| ⌒ﾍ/ V ⌒人〈＼三|｜| ⌒「ﾊヽ∠￣＞ ⌒＞L,＿　＿ //　　, /　/ 　 /　/　　＜　 |:|　　へ＿
　￣￣7Уー―｜| ム/＼　＼　＼へ{ |｜| 　／　＞―く　／／⌒ヽ＼／介ミヽ,/　/ 　 /　/　У⌒∠⌒ヽへ〃＞
　￣￣＼_ 从乂彡 /＿ァ‐ ｧ ⌒＞､＿,|｜| ＿　＜Ｘ　＿〉ミｘ/　「三／ん/　　/　/ 　 /　/　　 /　　　￣У〃 //
　　　／　＞ x　林彡＜〃〃／⌒　 |｜| ／＞＿「人　}　}＼￣/　ん/　　/　/ 　 /　/　　ムﾍ　　 ∠二二ヽ
　　〃　　／ ⌒ ＞､　＼／／ x／ |｜| ／／{{⌒Ｖ　ヽ　,|　 У⌒んム　,/　/ 　 /　/　　ﾉ＿　＞ ―‐ ､
　　 {// 　〃　　　＞ｰ⌒> 彳爻　／／ |｜| ／／ﾘ　　ヽ ∧イ⌒ﾊ　 / |：|　,/　/ 　 /　/　　ん⌒〃　　　　　＼
　＿{///ハ　　 ⌒X　＼＼　＼/⌒／;|｜| ＼／ヽ　　 }}　}〈三ト∨{　|：| /　/ 　 /　/　 ∠⌒　「＿
　　　＼＞‐く　{:ト､　＼〃xy　爻＼　 ;|｜|　 }＿／ヽ＿ハﾉ// /ト-ｲヽ | /　/ 　 /　/ ∠⌒　　∠⌒＿　　＼
　　　　＼　〉〉ミミミ〃＼〉〉　爻　三 |｜|　　ミ￣　　 // /∧ 人〉 ,/　/ 　 /　/ ム⌒У ム／ ⌒ ヽ＿＿＿
　　　　　　＼〉У＼　＼〃＼　　　　爻彡ミ　　　　　从　 ⌒￣￣＼/,/　/ 　 /　/ 　　 //　　＼　　　　　￣￣￣
　　　　　　　＼{＿_ﾉ　　　ー‐'　　　　　　　　　从彡　　　　　　 /　/ 　 /　/　　　 | |　///ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　/ 　 /　/　　　 ;{ { /////,}
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両軍共に死体の山を築き上げる中、戦局は刻々と同盟軍に向いてきていた。
アラディア軍は抵抗をやめなかったものの、勝敗は既に決していたも同然であり、
同盟軍の勢いは増すばかりだった。

だが、この一見無意味に思える抵抗が、後の結果を変えることとなる。
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5608 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2016/04/03(日) 23:07:53 ID:Y81V.7bc0
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5609 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2016/04/03(日) 23:13:54 ID:Y81V.7bc0

　　　　　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　／: : : : : : : : : : ::',
　　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',　　　　　　　　　うん、いつもの集中力切れだ。申し訳ない。
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
　.　｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _　　　　　　　今度こそ、今度こそ暇を見つけて書き溜めするから、待っていてほちい。
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶　　　　それじゃ、次の日曜日にシーユーアゲイン。
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
　　　丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i　　　連勤と残業の先に、全知へ至る道があるぅっ！
　　　　　　　　｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　　　　ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

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