前モデルの「Redmi Note 9S」と「Redmi 9T」を比較!

Xiaomi(以下、シャオミ)が2月5日に発売した、SIMフリースマートフォン(スマホ)「Redmi 9T」(Xiaomi Communications製)は、4GB内蔵メモリー(RAM)および64GB内蔵ストレージを搭載しており17,490円(金額はすべて税込)と2万円を大きく下回る低価格帯のエントリーモデルだ。

「」をはじめ「SoftBank SELECTION」、「ひかりTVショッピング」、「ムラウチドットコム」といったECサイト、「エディオン」および「上新電機」、「ノジマ」、「ビックカメラグループ」、「ヤマダ電機」などの量販店、「イオンモバイル」や「IIJmio」、「gooSimseller」、「BIGLOBEモバイル」などの仮想移動体通信事業者(MVNO)で取り扱われており、MVNOでは携帯電話サービスとセットでさらに低価格で購入できる。

そんなRedmi 9TをXiaomi Japanからお借りし、これまでに外観や基本仕様などを中心に解説した開封レビューや、カメラレビューをお届けしてきたが、今回は昨年発売された前モデル「Redmi Note 9S」(Xiaomi Communications製)と比較をしていく。

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本体正面。左からRedmi Note 9S、Redmi 9T、Redmi Note 9T

エントリーモデルながらミッドレンジクラスの性能を備え低価格を実現した「Redmi」シリーズは世界的にも人気が高い。日本向けでは、昨年6月にRedmi Note 9Sが初のRedmiシリーズとして発売され、それに続くさらなる低価格ゾーンとしてRedmi 9Tが2月に発売された。いずれもSIMフリースマホだが、Redmiシリーズ初のキャリア向けモデルとしてソフトバンク向けの「Redmi Note 9T(型番:A001XM)」も2月26日から販売されている。

Redmi Note 9Tは、ソフトバンクの公式Webストア「ソフトバンクオンラインショップ」などの直営店で、21,600円(分割450円/月×48回など)で販売されており、こちらもやはり低価格帯のモデルだ。

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本体背面。左からRedmi Note 9S、Redmi 9T、Redmi Note 9T

ネーミング的にはRedmi 9TよりもRedmi Note 9Tの方がRedmi Note 9Sの正統後継機の印象を受けるが、Redmi Note 9Tはキャリア向けモデルのほかにも5G対応や国内での需要が高い機能としてFeliCa(おサイフケータイ)にも対応しているため、Redmi Note 9Sの後継機にあたるのはRedmi 9Tとなる。

そのため、今回はRedmi 9TとRedmi Note 9Sを比較した。なお、Redmi Note 9Sは昨年6月の発売時点で4GB RAM/64GB内蔵ストレージモデルが24,800円、6GB RAM/128GB内蔵ストレージモデルが29,800円で販売されていた。一方のRedmi 9Tは4GB RAM/64GB内蔵ストレージモデルのみとなっており、価格は前述の通り17,490円とRedmi Note 9Sよりも7千円以上安い価格を実現している。

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個装箱正面。左がRedmi Note 9S、右がRedmi 9T


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個装箱の下側面。左がRedmi Note 9S、右がRedmi 9T


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個装箱の横側面。上がRedmi 9T、下がRedmi Note 9S


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付属品のソフトケースとUSB Type-Cケーブル、ACアダプタ。左側がRedmi Note 9S、右側がRedmi 9T


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同梱するACアダプタ。左がRedmi Note 9S、右がRedmi 9T

Redmi Note 9Sの個装箱に比べると、Redmi 9Tの個装箱は縦の長さや厚みがわずかに小さくなっている。これは本体サイズが若干小さくなっていることが影響しているものだと思われる。

同梱するACアダプタは、どちらも形状が同じで記載されているスペックも同等だ。各機種ともに公式サイトの仕様ページには18Wの急速充電に対応していることや22.5Wの急速充電器が同梱されていることが記載されている。なお、どちらの機種にもイヤホンは同梱しない。

機種Redmi 9TRedmi Note 9S
画面6.53型FHD+
1080×2340ドット
6.67型FHD+
1080×2400ドット
大きさ162.3×77.3×9.6mm165.75×76.68×8.8mm
重さ198g209g
電池容量6000mAh5020mAh


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本体正面。左側がRedmi Note 9S、右側がRedmi 9T


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本体正面上部。左側がRedmi Note 9S、右側がRedmi 9T


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本体正面下部。左側がRedmi Note 9S、右側がRedmi 9T


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Redmi Note 9Sを手に持ったところ


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Redmi 9Tを手に持ったところ

Redmi Note 9Sの前面を覆うガラスは「Corning Gorilla Glass 5」だが、Redmi 9Tでは「Corning Gorilla Glass 3」を採用している。手に持ってみると本体のサイズ感はほぼ同等。カタログスペックで比較しないと大きさや重さの違いは判断できないレベルだ。

正面から見てもっとも違いを感じる点は、フロントカメラだろう。どちらも本体の上部中央に位置しているが、Redmi Note 9Sがパンチホール、Redmi 9Tがノッチ部分に搭載されいる。

このフロントカメラは見た目にも違うがスペックも異なる。
Redmi Note 9S…約1600万画素、F値 2.48
Redmi 9T…約800万画素、F値 2.05

F値は近い数値だが、Redmi 9Tの画素数はRedmi Note 9Sのおよそ半分になっている。比較するとRedmi 9Tがスペックダウンしているのは間違いないが、むしろRedmi Note 9Sがやけに高いスペックだったのではないかと感じてしまう。

また、ディスプレイのサイズや解像度も若干異なっている。
Redmi Note 9S…6.67型FHD+、1080×2400ドット
Redmi 9T…6.53型FHD+、1080×2340ドット

Redmi 9Tは、約0.14インチ小さく、解像度も縦(長辺)が約60ドット少なく、若干ではあるが表示領域が狭くなっている。画面サイズも解像度も2台並べて見比べないとわからないレベルだが、わずかながらスペックダウンしているのは確かだ。

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本体正面向かって左側面(画像=上)と右側面(画像=下)。オーロラブルーがRedmi Note 9S、カーボングレーがRedmi 9T


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上部側面(画像=上)と下部側面(画像=下)。オーロラブルーがRedmi Note 9S、カーボングレーがRedmi 9T


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SIMおよびmicroSDカードトレイ。上がRedmi Note 9S、下がRedmi 9T

本体左右の側面はどちらもほぼ同じ仕様だが、上下側面は3.5mmイヤホンジャックの位置と、Redmi 9Tがデュアルスピーカーのため上部側面にもスピーカーを搭載している点が異なる。

カードトレイは、どちらもnanoSIMカード(4FF)を2枚セットできるデュアルSIMに加え、microSDカードも1枚セットできるトリプルスロットを備えている。microSDカードは最大512GBまでのmicroSDXCに対応する点も共通だ。

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本体背面。左側がRedmi Note 9S、右側がRedmi 9T


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背面デザインの違い。Redmi Note 9Sは縦向きデザイン、Redmi 9Tは横向きデザイン


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アウトカメラ部分。左側がRedmi Note 9S、右側がRedmi 9T

見た目の違いでもっともわかりやすいのが背面デザインだ。縦向きデザインのRedmi Note 9Sに対して、Redmi 9Tは横向きデザインとなっており、その違いは一目瞭然。また、Redmi Note 9Sは、つやのあるグロッシーな背面だが、Redmi 9Tは、つやのないマットなデザインとなっており、まったく異なったデザインを採用している。さらにRedmi 9Tは、カメラ部分から放射状に広がる「指紋付着防止テクスチャー」によって指紋跡が付きにくく、サラサラともザラザラとも言える独特の質感が特徴だ。

一方で、カメラ位置は異なるものの、4つのカメラの構成はほぼ同じだ。ただし、カメラのスペックはわずかに異なる。それぞれのカメラの仕様は以下の通り。フラッシュライトを搭載している。

Redmi 9T
・約4800万画素CMOS(1/2型、1画素0.8μm、4-in-1 スーパーピクセル)/メイン(広角)カメラ(F値 1.79)
・約800万画素CMOS/超広角カメラ(F2.2、画角120°)
・約200万画素CMOS(1画素1.75μm)/マクロカメラ(F2.4)
・約200万画素CMOS(1画素1.75μm)/深度センサー(F2.4)

Redmi Note 9S
・約4800万画素CMOS(1/2型、1画素0.8μm、4-in-1 スーパーピクセル)/メイン(広角)カメラ(F値 1.79)
・約800万画素CMOS/超広角カメラ(F2.2、画角119°)
・約500万画素CMOS(1画素1.75μm)/マクロカメラ(F2.4)
・約200万画素CMOS(1画素1.75μm)/深度センサー(F2.4)

大きく異なるのがマクロカメラの画素数がRedmi Note 9Sでは約500万画素だったが、Redmi 9Tでは約200万画素とスペックダウンしている。メインと超広角カメラはほぼ同等なので、マクロ撮影を多用しなければカメラにおいてもあまり違いを感じることはないだろう。標準カメラアプリのユーザインタフェース(UI)や、用意されている撮影モードも同等だ。ただし、実際に撮影をしてみるとできあがる写真には違いがみられた。

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Redmi 9Tで撮影した花の写真


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Redmi Note 9Sで撮影した花の写真


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Redmi 9Tで撮影した花の写真


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Redmi Note 9Sで撮影した花の写真

どちらも通常モードにあたる「写真」モードでAIシーン検出をONにして「花」を検出した状態で撮影した写真だ。見比べてみると、Redmi 9Tで撮影した写真は黄色い花びらが色潰れしており、ピンクの花も自然光によって白飛びしている部分が見受けられる。一方のRedmi Note 9Sで撮影した写真は、黄色い花びらが色潰れすることなく、ピンクの花も白飛びしていない。つまり、明るい部分をやや暗めにして輪郭もしっかりと表現しているということになる。

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Redmi 9Tで撮影した建物の写真


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Redmi Note 9Sで撮影した建物の写真

こちらも同様に「写真」モードでAIシーン検出をONにして撮影。さきほどの花の写真とは異なり、今度は建物の影部分が暗くなっているRedmi 9Tに対し、Redmi Note 9Sは影部分も明るく仕上がっている。

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Redmi 9Tで撮影した夜景写真(新宿駅西口付近)


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Redmi Note 9Sで撮影した夜景写真(新宿駅西口付近)


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Redmi 9Tで撮影した夜景写真(新宿・歌舞伎町)


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Redmi Note 9Sで撮影した夜景写真(新宿・歌舞伎町)


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Redmi 9Tで撮影した夜景写真(横浜・国際橋交差点)


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Redmi Note 9Sで撮影した夜景写真(横浜・国際橋交差点)


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Redmi 9Tで撮影した夜景写真(横浜コスモワールド・コスモクロック)


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Redmi Note 9Sで撮影した夜景写真(横浜コスモワールド・コスモクロック)


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Redmi 9Tで撮影した夜景写真(横浜・クイーンズパーク内)


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Redmi Note 9Sで撮影した夜景写真(横浜・クイーンズパーク内)

どちらも「夜景」モードで撮影した写真だが、見比べるとできあがりが大きく異なる。1パターン目、2パターン目、最後のパターンでは一目瞭然だが、Redmi Note 9Sでは暗い部分も明るく細部まではっきり見えているのに対し、Redmi 9Tは全体的に暗く、暗い部分が黒潰れ気味に写っている。

普段からRedmi Note 9Sで夜景を撮影している筆者にとっては、このRedmi 9Tの夜景モードのスペックダウンはなかなかにショックだった。もちろん好みの問題もあるとは思うが、夜景モードで撮影してここまで暗い仕上がりになるとは予想していなかった。せめてRedmi Note 9Sと同等であってほしかったと強く思った。

しかし、夜景を含め日中の写真もこうして並べて見比べない限りは、またスマホの画面上で見ている分には意外と差を感じないのも確かだ。夜景モードの暗さはかなり気になるが、夜景をあまり撮影しない人にとっては気にすることはないだろう。

Redmi Note 9Sと比較すると見劣りするのは否めないが、決して全体的に画質が悪いということではなく、むしろ本体価格を1万円台に抑えた上で、ここまでの写真が撮影できることと多彩な撮影モードが用意されていることは評価できる点だろう。

全体的に、価格を抑えるためにRedmi Note 9Sよりもスペックダウンさせている印象を受けるが、逆にこうして比較することでRedmi Note 9Sが思っていたよりよくできたモデルだったと再認識できてしまった。

最後にRedmi 9TとRedmi Note 9Sの仕様の違いを中心にまとめた表と比較動画を紹介する。

■Redmi 9TとRedmi Note 9Sの主な仕様比較
Redmi 9TRedmi Note 9S
本体サイズ高さ:約162.3mm
幅:約77.3mm
厚さ:約9.6mm
高さ:約165.75mm
幅:約76.68mm
厚さ:約8.8mm
重量約198g約209g
ディスプレイサイズ約6.53インチ約6.67インチ
解像度2340×1080 FHD+2400×1080 FHD+
ガラスパネルCorning Gorilla Glass 3Corning Gorilla Glass 5
アウトカメラメインカメラ約4800万画素
4in1 スーパーピクセル
約4800万画素
4in1 スーパーピクセル
超広角カメラ約800万画素
(視野角120°)
約800万画素
(視野角119°)
マクロカメラ約200万画素約500万画素
深度センサー約200万画素約200万画素
フロントカメラ約800万画素約1600万画素
SoC(チップセット)Qualcomm
Snapdragon 662
Qualcomm
Snapdragon 720G
CPU最大2.0GHz駆動
オクタコアCPU
最大2.3GHz駆動
オクタコアCPU
GPUQualcomm
Adreno 610
Qualcomm
Adreno 618
内蔵メモリー(RAM)内蔵ストレージ(ROM)4GB/64GB4GB/64GB モデル
6GB/128GB モデル
カードスロットトリプルスロット
nanoSIM×2 + microSD×1
トリプルスロット
nanoSIM×2 + microSD×1
バッテリー容量約6000mAh
18W有線急速充電対応
約5020mAh
18W有線急速充電対応
カラーバリエーションオーシャングリーン
カーボングレー
インターステラーグレー
オーロラブルー
グレイシャーホワイト
発売日2021年2月5日(金)2020年6月9日(火)
発売時想定売価17,490円24,800円(4GB/64GBモデル)
29,800円(6GB/128GB モデル)
その他SIMフリーSIMフリー






Xiaomi
2021-02-05



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2021-02-05



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記事執筆:2106bpm(つとむびーぴーえむ)


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