日本カーバイド(4064)が今日の注目銘柄!
4日、5日、そして本日6日の安値は101円となり、これが当面の底値になった可能性が高いとみて、同社に注目します。日足チャートをみると、5日移動平均線(6日現在、103円)が抵抗として機能しています。しかし、101円が底値との前提ならば、6日終値(103円)は、25日移動平均線(同、111円)からのかい離率はマイナス7.21%であり、目先は、同線を目指すリバウンドが発生するとみています。そして、25日移動平均線をブレイクした後、本格的な上昇トレンドが始まる展開をイメージしています。
同社の主力事業は、化成品関連製品、フィルム・シート製品、電子材料製品で、日本国内はもとより中国・アジア、北米、欧州といった世界各地に進出しています。12年5月15日には、炭化物系のカーバイドの最大手の電気化学工業(4061)と、資本・業務提携すること発表しました。これにより、半導体向けセラミック基板の生産などで協力関係を築き、収益体質の強化を進めます。
業務提携の内容は、次のようになっています。
(1)電子基板事業のセラミックス製基板製造に関して、両社が保有する技術や設備を有効に活用する協業に向けた具体的検討を進める。
(2)樹脂エマルジョン事業、食品包材事業、カーバイド事業、海外拠点で展開する事業などを中心に、業務提携の可能性について、具体的な協議を進め、推進を図ることを予定。
この事業構成において高い親和性を有する両社の資本・業務提携によるシナジー効果の発現は今後の期待材料です。
ちなみに、建材関連事業の好調が寄与し、13年3月期通期連結業績は、売上高は550億円(前期比11.8%増)、営業利益は28億円(同58.8%増)、経常利益は26億円(同65.7%増)、当期純利益は14億円(182.3%増)の見通しです。1株当たりの年間配当は2円を予定し、6日終値円ベースでの配当利回りは1.94%です。12年3月期末のBPSは202.15円で、PBRは0.5倍と、資産面で割安なことも注目ポイントです。
向後はるみ(HARUMI KOUGO )
黒岩アセットマネジメント
金融・経済を日々研究し、タイムリーな銘柄情報に定評がある。投信、先物、FXなど金融商品の仕組みにも詳しい。テクニカルアナリスト、ファイナンシャルプランナー。