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やる夫は異世界の戦士になるようです109

5970 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2016/08/07(日) 22:09:56 ID:3eBR25PA0
    /||ミ
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5971 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2016/08/07(日) 22:10:08 ID:3eBR25PA0

         ,- ‐‐ - 、
       r‐イ: : : : : : : : :`,
      i /○ ○: : : : /   /` 、      イェェェェェイ! メッチャァ! ホリデェェイ!
       i_ _ _ : : : : : : :{    / : : /
       `,_ _`=-: : : :|   ノ : : /       というわけで久々の全休……というわけにもいかなかったが、
       i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /
       `-‐、´: : : : : : : : : /         残業は少な目で済んだよ。じゃ、やろっか。
            ノ : : : : : : : : i´
          / : : : : : : : : : :|
           i: : : : : : : : : : : !
.          (`ー‐-  -‐ _}


5974 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2016/08/07(日) 22:18:39 ID:3eBR25PA0

     ー=二`ヽ,. -─‐- 、_
    ∠-,rー ̄ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'、
     /.:/.:,..:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i      二日酔いには勝てなかったよ……。
     ゝ/,/.:.:.:,イ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;
      'イ:.:.:.:.ト、.:.:.:'>、-==-ゝ、
       {:.:.:.:.:,!ノ-'´::::::::/  ` \
   _,.-':.,.-イ´    ` ´r:';ニ-‐=‐::`ヽ、
  (_r'' ´(_|__    //:::::::::::::::::::::::::::::\
   `      `ー \:::::;r‐-、;:::::::::::;/`ヽ、
               `(   ヽ─'`ー─ '
                 `ー-‐′
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ナノハには大人しく自室で休んでもらうこととなり、そこに肩を貸すラピスを見送る。
意図したわけではないが、アンゼロットと二人、ぽつんと取り残された。
去り際に、ラピスが横目でこちらを見ていた気がする。
ギルガメッシュの思わせぶりな発言を真に受けているのかもしれない。

とはいえ、ギルガメッシュの言うことも半分は正解だったので、
否定することはできないが。

「まったく、出撃前とは思えませんね」

アンゼロットがため息交じりに漏らした呟きを聞きながら、
彼女の横顔を見つめる。
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5975 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2016/08/07(日) 22:25:17 ID:3eBR25PA0

        〃/                    }                  ヽ
        / /            i         i    }           |       ,
       ' ′          l {      i     |          |      ′
      l |            | '      i |  | l   }       |
      | |      {    ∧ ヘ     ムrヒ 7"{「 ̄|       |
      | | /      |   {/ __' {      '_jノ _厶ニL _ |       |
      | |'{      | ィ'{「 __`j八    / ノ ;ノ乙心jノ|   /   r: 、
         | .    {  ,   l ァァぅ, ハ  /   ‘;::::タ刈 |. /    ′ |         ま、以前のように塞ぎこんでしまうよりかは……
         {. ',   ∧ '.  |〈{ {:::hム  ∨      ー '' ” | /   ル ) 从     i
.          ‘. / ,ハ ヽム 弋:㌣           j/     ハ /  }   i     いかがなされました? 私の頬に、何か?
             )' /  V{ ハ    〈             /     厶ィ´      i
          /      \ ',       __       ,     ′│        !
                 /  人      `´     /     .′/ |         !
                /  /  > .     /       /}丁厂   !     l
              /  /  /    >-=''" ̄`丶、/ j j  ′  i   │
.              /   〃    /..:::::::::::::::::::::::::::::..\ リ j ′   !     |
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振り返ったアンゼロットはやる夫に怪訝そうな視線を送った後で、
隣に着けてあった車椅子に体を滑り込ませた。

それに合わせて自分も席を立ち、車椅子のハンドルを握る。
そのまま、食堂を後にした。

もはやアンゼロットからしても、自分がこうして後ろに立ち、車椅子を押すことに
対して何ら違和感も感じなくなっていたようだった。
今日は天気も良いことですし、中庭にでも行きましょうか、と胸のあたりで
言ってくるので、やる夫も足を中庭の方向へと向ける。
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5976 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2016/08/07(日) 22:37:06 ID:3eBR25PA0

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     ,.:⌒ヽ    (.::      )         \      |    /
    (.:::    '   (       ヽ.:⌒ヽ      \   l
    ゝ.::    `ヽ(.::             )     γ' ⌒ヽ (⌒ 、
   (.::::           、.:⌒        ヽ──‐ (    ) ─
  (.::::    (:::⌒                 )    丶_,ノ  (
 (.::::              .:::       Y.::⌒ ヽ ◇    (
  (.:::::        `).:::                ┌┐⌒ヽ⌒
   ゝ.::::              ノ.::  ノ     └┘
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澄み切った青が果てしなく広がる空には、ぽつぽつと小振りな白い雲が
漂っていた。今日は出撃の前日ということもあって、訓練を行っている
部隊もおらず、中庭には慎ましやかな風が吹く音以外にはなにもなかった。

真ん中に行って、誰かに見られるのも気恥ずかしいので、
通路沿いの端で車椅子を止める。

車椅子の上のアンゼロットは、普段よりも肌色が良くない気がした。
肌色、というより、生気が微弱になってきている、という表現の方が適切か。
元々活気のある性格ではなかったが、今では目は儚げに細められ、
空を眺めていても、その向こうを見つめているかのような表情だった。

そのまま空に昇っていって、霞となり消えてしまうのではないか、と想像を巡らせる。
途端に不安になり、車椅子越しにアンゼロットに話しかけた。

「そういえば、どうしてアンゼロットさんはナノハをあんなに気に掛けるんですか?」
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5977 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2016/08/07(日) 22:38:53 ID:3eBR25PA0

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                      ,′   .i      i       ‘,.        }
                    { {i¦  _|   }     :|     }    }  .;     }
                     乂{从.   人`メ、{    |: j__ハ_}  .i   ./
                         ヽ{\i芹ミ、 .i{、|´Ⅳ }ノ` ! ./}      ;
                     /' ハ 込ッ \{ ァテ 弐 〉.i / 八    /
                       /  .从  ,    乂ソ イ,ノ./ ´    ./
                   /    込、 vーァ     } /、  {   ′
                     / .イ  } }r≧s。.  ,. ≦/ /_‐\ ‘,
                 //    }_ノ‐、-ャニニ)r '7 /./ニニニ\‘, {
                    '´   .ィ/⌒i、ノ, } }´(*)`ヽi/ニニニニニ _{
                 /   r≦ニ7 i´ ノ  ``}: :/}: : : :}ニノニニニニニ‐
.              /   /{ニニ「i }    .人': :}: : ノ/ニニニニニニ}
.             /   / 人i⌒'く⌒ヽ  /⌒7ノ}´/ニニニニニニ‐7.
          /   /   r<⌒'く⌒>'⌒i' ,.イ.ノ/ニニニニニニニニ7∧
         /   /   /i_ノ⌒'く⌒ヽ :レ'‐}´i{ニニニニニニニニ7/ ∧
.      /   /   /ニ‐「  __ノ  :}/ニニ}ニ{ニニニニニニニニ7 /.:∧
.          '    ,ニニニ(_r'´\ヽ/ニニニ}_ムニニニニニニニ7   / ∧
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口を突いて出た言葉は、ずっと抱いていた疑問でもあった。
単にアラディア軍の最高戦力の担い手だから、という理由だけではないだろう。
以前ならそう考えてもおかしくはなかったが、彼女の性格を少しでも知った者なら、
それは違うと思うはずだ。

アンゼロットは遠い目をしながら、「私の子供なんですよ」と口にした。
目をぎょっと見開くと、くすくすと鳥の囀りを思わせる笑みをこぼしながら、
「孤児院の、ですよ。レンジもハヤテもナノハも、みな私の子供だったんです。
さしずめ、私は皆の親代わり兼先生、といったところでしょうか。
皆も私のことを先生、先生と呼んでいましたからね」

なるほど。レンジがアンゼロットの施設で育てられたことは知っていたが、
ナノハとハヤテもそうだったとは思わなかった。

確かに、親代わりとして育てた子供が兵士として戦場に出ていれば、
気がかりになるというものだ。
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5978 名前:安価のやる夫だお[sage] 投稿日:2016/08/07(日) 22:42:15 ID:e7ICIdUc0
へえ・・・そうだったのか

5979 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2016/08/07(日) 22:49:52 ID:3eBR25PA0

        /   /         i    .! l  i         \
        .′  ,′        l   /l |  i    !        \
          ′  .          L厶_../ i i  l    !        ヽ
       i   ,          | l_Lムニミヽ、 .!   .! i           '
       | i i    八    lV ィ'て乙(`ヽ l    ! i    /    ,′
       | | |      \  |  h( ィ'リ  ヽ  f'うミメ、 .'  } i /
       | l 从       {ヽi   `ニ´´    ヽ hr!Y´ '   ' レ′   それもそうなのですけれど……特にナノハは、事情がありまして。
       | i   八 ヽ、    !               lcリ | /  / 八
       |    i イ\j\  \           '  |ノ  / /       フィンブルヴェートが志願制であるのはご存じでしょう?
       i   ! {  l  >ー ヽ          _     !厶イ /
       i   ヽ、`ー |   |           ´ ’   ハ  /         「やる夫は強制でしたけど」
        '     `ア,|   |              .イ  |
      .′     // |   | へ、          イ l  |            あら、何かご不満でも?
      .'      /   |   |     .>ー ,---rく {  l │
.     /     /┌厂l   | ` ̄ ̄'L./   ノ   |  i  |            「滅相もない」
    /        { j. |   |      |/二ニミ. |  i  |
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「アラディアも戦力の維持に苦心していますが、十年ほど前に
メビウスの大軍相手に大打撃を被ったことがありまして。この時、最初で最後の
徴兵を行ったのですよ。即戦力となる若者から、将来性のある子供にまで。
当然、私の運営していた孤児院にも軍の人間が来ました。
無理やり検査を強行して、結果、数人の適性を持った子供たちと……
一人だけ、常人の数倍の出力と容量を持った子供が見出されました」

そこから先は、言わずとも分かった。
ナノハのことだ。才能が子供の頃から分かるのであれば、それは必然だろう。
幼少時代のナノハを見つけた時の軍人たちの喜びようが目に浮かんだ。
彼らは狂喜乱舞し、その数人の子供と共にナノハを連れて行ったに違いない。

「いえ、連れていかれたのはナノハ一人でした。『私がみんなの分も頑張るから』
と、言って聞かなかったのです。結局、ナノハは十歳にして兵士として編入され、
今に至るまでこの戦争に参加させられているのですよ」

アンゼロットの表情が曇る。その時の感覚を思い出したのか、
伏せた目は微かに潤んでいた。

「私も、何もせずにはいられませんでしたから。幸い、軍にはすんなりと戻れました。
……あの家を離れたせいで、レンジやハヤテまで軍に来たのは想定外でしたが。
とにかく、自分の家族を戦わせておいて、家でのうのうと過ごしていられる性分では
なかったというわけです」
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5980 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2016/08/07(日) 22:54:16 ID:3eBR25PA0

                   ___
          __,..'´ ̄      `丶、
        , '" ̄ フ ̄l `ヽ         \
        /'   /    |          ヽ     ヽ
      〃  ,イ      |     !      |  l   i
      i'   ,'       l、   | l| | l、|  |   |
          |l   |  | 」ム  |ヘナ7メ、|  |   |     ……私の身の上話など聞いてどうするのです?
          || | ヽ. |ハ|=、ヽ、l 彳うミ、|  |   |
         |ハ、 ヽ从l 化リ   ` ゞ‐' |  |ヽ  l     面白いでしょうか。
             ヽトトゝ   、       |  レ'   l
              | i、   r_,     |  |    !     「いや、単純な興味というか。それに、アンゼロットさんのことなら、
              | | > 、   , イ |  |    l
              | |  /ソ)T,.,_,.、jー|  |   |      知りたくないことはないし」
                /j |_l | レ',イムトr )|  |.,..-┴..、
           /:´l l::::::!   '´ィ,'(_゚)、|  |'::::::::::::::::::ヽ   はぁ……。
             /::::::::::! l::::::|    !/ イiヽ|  |:::::::::::::::::::::::!
          !::::::::::::| |:::/ヽ、 j '´||l| ||  |:::::::::::::::::::::::l
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アンゼロットが口にした疑問は客観的に見ればもっともだが、
自分にしては至極当たり前のことだった。

想い人の過去に興味を抱かない人間などいない。
その人の過去や短所から目を逸らすのは、
相手を受け入れるつもりがないのと同義だ。
自分を受け入れてくれた彼女を、どうして拒絶できようか。

「いいかげん、あなたも骨身に染みたでしょう? 私がどんな女か。
そろそろ、一時の気の迷いも消えた頃では?」

首を横に振る。むしろ、思いは強くなる一方だ。
誰かに恋をすることなど初めてだから、あまり上手くは言えないのだが、
胸の穴に小さな暖炉ができたような気分だった。薪は今までの自分の孤独で、
火種は彼女の微笑み、といったところだろうか。考えただけで気恥ずかしいので、
口には出さないでおくことにした。
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5981 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2016/08/07(日) 23:07:47 ID:3eBR25PA0

                ,.'´     〃     `ヽ、
               /         i´ ̄        \
             /         |           丶
             ,'  /         l               、ヽ
          ! /         i  l     i       ヽ i |
          | |         || |  l  |     ヽ   l| |       私も年頃の娘だった時は、自分に剣と心を捧げてくれる
          | l      __|_,L | ! ハ _|__、 | |l |
          | | |   | |ヽ|ヘ|ヘ |、 |ヘ「 ヽ.|ヽ| | |lハj       騎士などを夢に見たこともありましたが……
          | |ハ    トlィチ'ハヽ` ヽl ィア'リ`〉! ,' ,イノ
          |   iヽト、ヽ.ゞ-'       ` "  ノィル' '          まさかそれが、こんな泣き虫の頼りない騎士様とは。
          |   |  |トト-ヽ      '     / /
          |   |  |fニ|ヽ.   ー_ '   ィ  ,'             これならお姫様より、悪い魔法使い役の方が気が楽ですねえ。
            l   ハ  Vrト,  > 、 _, <ー.|   |、
            !   ,.ヘ  ヽi`'r-r 、 /r '/::::::|   |::ヽ           「か、壁にもなれますお」
       ,..┴.、:'´::::::!   i、j、ヽy'ート<::::::::::|   |::::::i
      /:::::::::::::::ヽ:::::::l  l:::>'、r='<‐- 、:::|   |::::::|           そういう問題ではありませんよ。
.     /:::::::::::::::::::::::\j  l' / lト、_)ヾ` 〉|   |::::::|

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アンゼロットが困ったような笑みを浮かべる。
それは純粋な辟易の色ではなく、呆れと照れが滲み出た表情だった。

自分が騎士で、アンゼロットがお姫様。
言葉にすると、とてつもない違和感を感じずにはいられなかった。
小間使いと悪い魔女、であるとか、下っ端兵士と魔性の女王、であるとか、
そういった役柄の方が似合いそうだ。いや、彼女なら王女らしい純白のドレスも
似合うと思うが、人柄がその役に沿わない気がした。

これが一つの演劇であるとするなら、とても不格好なものになるだろう。
騎士は転げ、血を流し、わんわんと喚きながら剣を振り回す。
姫は皮肉ばかり垂れ流し、虚言と嘘の笑みで騎士を振り回す。
筋書きとしては三流もいいところだ。

けれど、これでいいと思う自分もいた。
諦めに満ちた生に、彼女は希望を教えてくれた。
空っぽの夜空に輝く星を飾ってくれた。これ以上に理由はいらない。
たとえ不格好でも、これだけは真実だと胸を張れる。
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5982 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2016/08/07(日) 23:14:14 ID:3eBR25PA0

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.              ,;仁ニニ‐/./ニ,!    (/,)´ ̄ ̄`ヽ{ |ニニニ\      八   ヾノ、
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            人ニニニ,'ニニニ厂 ̄  / \ \ /ニ.、.ノニニニニ‐ム     i 厂'ーァノー=ァ__
.               ヽニニ{ニニニ`ー‐ 、  ′ __辷r'ニニムニニニニニニ    ,' / / ̄}ー=ァ_j}
           ′  /ゞニ人ニニニニニヽ{{/´ニニニニ‐iニニニニニ‐ノ、  ./≧ ., _,ノ /´.ノ
          /   ,仁ニニ‐}ニ=‐-‐=ニニ,'≧ 、ニニニニニノニ_ニ=--r '   .,  ,ニニニ≧‐- イ
.         /   .,;仁ニニニ‐jニニニニニ'ニニニ=‐--‐=彡≦ニニニ〉   .‘,./ニニニニニニ‐ノ
        /   ,;仁ニニニ/ニニニニニ7ニニニニニ7´ 「`マニニニ\  /二二ニニニニ/
.       /  .,;仁ニニ‐/ iニニニニニ7ニニニニニ‐7  :|  、ニニニニー彳二二ニニニ/
      /   .iニニ=ミ'   iニニニニニ'ニニニニニ7   :!  :,\ニニニニノ二二ニニ/
.       ′   !ニニニム  人ニニニニ7ニニニニニ‐7  |   , \ニニニニニニ/
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          レ'7」ー'ヽ '‐ニニニニニ'ニニニニニニ从   i|     ,   `≪彡'   ,
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┃system message
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折角だし別の場所も見て回ろう、とアンゼロットが提案してくる。
この雰囲気に耐えられなくなったのかもしれない。

見納め、というわけではないが、その提案には賛成だった。
このまま彼女を部屋まで送ってはいまた明日、というのは味気ない。
どれだけ些細な思い出でも、少しでも多く記憶に留めておきたかった。

まるで夏休みの宿題を一夜漬けで片づける学生のようだ。
終わりが見えてきてようやく、必死になれる。
自分もそうだ。有限だと知らされてようやく、大切なものに気づけた。
もう遅すぎるのかもしれない。それでも、記憶には残る。

今は一秒でも長く、アンゼロットの存在を隣で感じていたかった。
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5983 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2016/08/07(日) 23:16:59 ID:3eBR25PA0
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5984 名前: ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日:2016/08/07(日) 23:25:01 ID:3eBR25PA0

       , -‐   ‐- 、
     /: : : : : : : : : : ::',
    , ': : : : : : : : : : : : : : :',
  /: : : : : : : : : : : : : : :○:',      うん、時間は中途半端だが、話の区切りがいいので今日はここまでだ。
  ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
 .  `ト : : : : : : : : : : : _,-‐'`iヽ _    実を言うと眠いんだパトラッシュ。まじで鉄塔に住みたいよパトラッシュ。
    i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : `ヽ
    | : : :ト: : : : `-‐´ : : : : : : 、: : : 丶 
    | : : :'、j`-‐ : : : : : : : : : : : \: : : ヽ
    丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
          `ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
             ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ






                  . . .-─‐-. ミ
                     |: : : : : : : : : : `: ..
                     |: : : : : : : : : : : : /
                    }Ο : : : ◯: : : :,′
                   : : : : : : : : : : : :i          まあ暇を見て書き溜めしてくよ。可能な限り。善処する。
                      { -===- 、: : :. :.|
                    〉: : : : : : : : : :ノ          じゃ、次の日曜日にシーユーアゲイン。
                  i: :`ニニニ´: : : : ‘,
                 __/ : : : : : : : : : : : : i          黙れ月曜日! 貴様に社畜が救えるか!
      ___        /.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
     / :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
     .′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/ | : : ‘,
.    ‘::::::::::::::ノ: : : : : :ハ \{/: : : :/⌒゙ヽ : : :‘
.       ゝ-=彡-──<¨¨゚‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
                 \: :′:::::::::::/______」
                     弋:::::: /
                       `¨´

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