楽天グループが2023年度第2四半期決算説明会を開催!

楽天グループは10日、オンラインにて「2023年度第2四半期決算説明会」を開催し、2023年度第2四半期(Q2)における連結業績では売上収益が2桁増収でQ2として過去最高の4,972億円(前年同期比+9.7%)を計上し、楽天グループの国内平均月間アクティブユーザー数が4050万を突破(前年同期比+8.2%)を突破して引き続き楽天エコシステムの顧客基盤が成長していると発表しています。

特に過去12カ月間における全サービスに対する2サービス以上利用者数の割合も堅調(76.7%)に推移しているということです。中でも広告事業が好調でQ2の売上収益は502億円(前年同期比12.7%増)で2桁成長し、2023年度内の達成をめざしている売上収益2,000億円に向けて順調に推移しているとしてます。

一方、Q2ののNon-GAAP営業損失は引き続いて楽天モバイルが行うモバイル事業のために▲394億円を計上していますが、同社では新ローミング契約に伴う設備投資計画の見直しや自社基地局網整備によるローミング費用の減縮、顧客獲得およびネットワーク関連コストの減少により前年同期比+410億円と大幅に改善しているということです。

これにより、連結Non-GAAP EBITDAにおいては336億円の黒字(前年同期比503億円改善)を達成し、連結Non-GAAP EBITDAベースでは、2023年度通期の黒字化をめざすとのこと。そのモバイル事業については楽天モバイル単体の売上収益が522億円(前年同期比+13.3%)で増収となったものの、モバイル事業全体におけるQ2の売上収益は「楽天でんき」の料金改定影響によるエナジー事業の大幅減収もあって801億円(前年同期比▲0.9%)となっています。

またNon-GAAP営業損失は824億円を計上(前年同期比391億円の改善)。ただし、今年6月に提供を開始した新料金プラン「Rakuten最強プラン」によって同月の解約率(個人・法人)は1.93%と一段と逓減傾向にあり、2022年12月以降の移動体通信事業者(MNO)の新規契約数は継続的に純増していることから契約者数および平均データ利用量の増加などによるARPU(1契約当たりの平均売上)上昇やマーケティング施策の見直しなどによって営業損失は2022年度第1四半期をピークに引き続き逓減傾向だということです。

こうしたことからMNOの契約数(個人・法人)は2023年7月末時点で491万回線に達し、500万回戦目前となっており、Q2のMNOにおけるARPU(個人・法人)は2,010円(前年同期比+736円)に増加しています。なお、楽天シンフォニーのQ2の売上収益は約7,200万ドル(約104億3,316万円)となっており、各プロジェクトの進捗に伴って今年後半を目途にさらなる収益計上を予定しているとのこと。

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楽天モバイルでは移動体通信事業者(MNO)として自社回線(以下、楽天回線)を構築して提供している携帯電話サービス「Rakuten UN-LIMIT」を正式サービスとして2020年4月に開始し、これまで楽天回線の構築のための設備投資やエリア補強のためにKDDIとのローミング契約におけるau回線の使用量、さらに契約数獲得のためのマーケティング費用などによってこれまで大きな赤字となっています。

一方でMNOの契約数は順調に増加していましたが、昨年7月に刷新した料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」によってそれまでは1回線目なら月1GB未満なら月額基本料が0円だったものの、それを廃止したために解約者が続出してMNO契約数としては2022年Q2に四半期ベースでは初の純減となり、その後も純減が続いていました。ただし、月額基本料0円の廃止と各種キャンペーンの終了によってARPUは順調に増加することになりました。

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そうした中で今年6月からはKDDIとのローミング契約を刷新し、パートナー(au)回線でも高速データ通信が無制限に使い放題となる新料金プランとしてRakuten最強プランを提供開始し、MNO契約数は解約率の改善と継続的な純増によって契約者数が2023年7月末時点で491万に達し、ARPU(個人・法人)は2,010円まで上昇するなど、大幅な収益増に貢献したということです。

またマーケティング施策の見直しなどによるコスト削減(最適化)の取り組みによって継続的な損失改善も実現したとのこと。これらによって2023年は楽天モバイルのMNOとして「フェース2」となり、コスト最適化に加えて精緻なマーケティングによる契約者獲得やネットワーク・UXの改善、そして法人事業におけるリーンな経営の確率を行い、2024年以降は「フェーズ3」として黒字化および国内No.1のMNOへの道をめざすとしています。

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なお、コストの最適化は計画を前倒しして実施しており、2022年9月と比べて2023年12月には約150億円/月を削減目標としており、すでに2023年6月時点でその86%に相当する129億円まで達成しているということです。

一方で楽天モバイルでは2025年までに設備投資費を3,000億円削減する計画を発表しており、さらにこれまで楽天モバイルの共同CEO兼楽天シンフォニーCEOとして楽天回線の完全仮想化を率いてきたタレック・アミン氏が退任したため、今後のネットワーク品質を不安視する利用者も多くいる模様です。

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決算説明会の質疑応答でもそうした点が問われ、タリック・アミン氏の退任によって楽天シンフォニーの代表取締役会長兼CEOに就いた楽天グループ代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は「経営に絶対の自信を持っているとしか言えない。楽天モバイルは確かに巨大なネットワークを作る未曽有のプロジェクトだが、そこに果敢に挑んでいる。財務的にはもう間もなくグループ全体で黒字化も復活する。」と説明。

さらに「キャッシュフローもポジティブになっていくのが見えている。株式マーケットでは確かに楽天モバイルが入ってから多少は下がったが、楽天モバイルは始める前からかなりディスカウントにあった。原因はおそらく株式マーケットとのミスコミュニケーションや考え方の違いもあると思う。アナリストや投資家が多岐に渡っているエコシステムというのをなかなか理解しにくいこともあったのではないか。」。

そうしたことから同氏は「情報開示についても以前にはまして積極的にしていこうと考えている。キャッシュフローでも楽天モバイルの収益改善だけでなく、グループ全体の収益向上もすごいスピードで始まっており、セルフキャッシュフローでの返済も大きくしていきたい。」とし、また「それほどクリティカルではない事業については価値次第では戦略的にマネタイズしていくというのも資本主義の原則ではないかと思っている。日本の方々がこういうチャレンジを応援してくれるようにわれわれもコミュニケーションしていく必要があると思う。」と回答していました。

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なお、Rakuten最強プランのサービスエリアについては前述通りにパートナー(au)回線でも高速データ通信が無制限となったため、楽天回線+au回線の合算のエリア表示に変更されたため、6月以降は人口カバー率99.9%としており、すでに38都道府県のうちの16県でRank 1を獲得しているとのこと。

また他のMNOとの競争力のあるネットワーク品質を提供するために今後も基地局整備を継続的に続け、AIを活用して世界一のオペレーションをめざすとのこと。そのために今年7月からは「Rakuten最強プラン」プロジェクトとして楽天回線の新規開業基地局を市町村別に開示しはじめ、今後のネットワーク最適化によって今秋頃までにさらなる改善を見込むということです。

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記事執筆:memn0ck


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