昨年11月中旬から急加速した円安・ドル高が、いつまで、そしてどこまで上がるのかに注目が集まっています。そのカギを握るのは、「アベノミクスへの期待がどれだけ現実化するか」「米国景気回復による早期の金融緩和解除への期待」の2つでしょう。
さて、市場予測は円安・ドル高に対してかなり強気ですが、その目安となるのが過去のチャートの節目です。
まず1つ目は、2010年5月のギリシャ・ショックの「95円」。このレートは、ここ数年の高値を2007年7月の125円、安値を2011年10月末の76円前後とした場合の38.2%戻しの位置。まずここが第1目標であり、抵抗線になります。
次の目安は、2009年4月につけた「100円」近辺。ここは心理的な大きな節目であるとともに、ちょうど50%戻しの位置になります。
そして、その上は2008年8月のリーマン・ショックの「110円」、さらにその上にあるのが(少し空きますが)、2007年7月のサブプライム・ショックの「125円」となります。さすがにここまでは難しいとは思いますが、年内「100円」近辺までの上昇の可能性は十分あると思います。
そもそもこのような節目は、世界の投資家がみんな意識する水準であり、トレードする際には必ず押さえておきたいポイントといえます。
【今月のテクニカル軍師】
福島 理(TADASHI FUKUSHIMA)
マネックス証券 マーケティング部
テクニカル分析はもちろん、投資家の売買動向まで熟知。国際テクニカルアナリスト連盟・国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)。
この記事は「WEBネットマネー2013年4月号」に掲載されたものです。