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また、中性脂肪を減らしたり、コレステロールを抑えたり、抗炎症作用で血圧を下げて血栓ができるのを防いだりして、心臓病の予防をしてくれます。
2つ目は、糖尿病を予防する効果。玉ねぎには、少なくとも17種類のフラボノイド系の抗酸化物質が含まれています。抗酸化物質は、細胞に損傷を与えるフリーラジカルを取り除くので、がんや糖尿病、心臓病などを予防する効果があります。
玉ねぎに含まれるアントシアニンは強力な抗酸化物質で、特に紫色の玉ねぎには強力なアントシアニンが含まれています。アントシアニンを含む食品を食べている人は、糖尿病を罹患する人が少ないことがわかっています。
「生の紫玉ねぎを100g食べたら4時間後には血糖値が下がっていた」という研究結果もあります。それくらい短期的に血糖値を下げる効果があるのです。さらに、玉ねぎに含まれるケルセチンや硫黄化合物にも糖尿病を予防する効果があると言われています。
3つ目は、抗がん作用の効果。玉ねぎやにんにくなどのアリウム族の野菜には、胃がんや大腸がんのリスクを下げる効果があることがわかっています。
それは硫黄化合物やフラボノイド系の抗酸化物質が役に立っていると考えられます。実際に、玉ねぎに含まれるオニオニンAという硫黄化合物は、卵巣がんや肺がんを抑える効果があるという研究結果も出ています。
また、ケルセチンやフィセチンなどのフラボノイド物質は腫瘍の増殖を抑える効果があるという研究結果も報告されています。
4つ目は、抗菌作用の効果。玉ねぎに含まれるケルセチンという成分は、大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、セレウス菌といった細菌に対して抗菌効果を発揮します。玉ねぎの抽出物はコレラ菌の増殖を抑えるという報告もあります。
そして、ケルセチンは胃潰瘍や胃がんの原因になり得るヘリコバクタ―ピロリ菌の増殖も抑える効果があるともされています。
5つ目は、腸活にいいという効果。玉ねぎには食物繊維とプレバイオティクスが豊富に含まれています。
プレバイオティクスというのは、善玉菌が分解してエネルギーを作り出す成分のこと。プレバイオティクスをエサにして、善玉菌は酢酸やプロピオン酸、酪酸と言われる短鎖脂肪酸を作ります。
短鎖脂肪酸は、腸の健康を強化して免疫力を高めて、炎症を抑えて消化を促進してくれます。そのため、プレバイオティクスが豊富な食品を摂ると、腸内に乳酸菌やビフィズス菌を増やす効果があります。
玉ねぎに含まれるプレバイオティクスはイヌリンやフルクトオリゴ糖というものですが、これらは腸内で善玉菌のいいエサになってくれます。その結果、玉ねぎは消化器系全般の健康を高め、腸内細菌のバランスを取り、免疫力を上げる効果が期待できるのです。
玉ねぎを食生活に取り入れることは健康全般に役に立つので、なるべく頻繁に摂るように心がけることをオススメします。
(TEXT:山田周平)
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画像提供:Adobe Stock
消化器外科医、ヘルスコーチ。1973年、名古屋市生まれ。1997年、名古屋大学医学部卒。国立がん研究センター中央病院で大腸癌外科治療のトレーニングを受ける。その後、名古屋大学医学部附属病院、愛知県がんセンター中央病院、愛知医科大学病院に勤務する。2018年から予防医療を行うヘルスコーチとしての活動を開始。腸内環境の改善法、薬に頼らない健康法の普及を目的に、メールマガジン、YouTube、Instagram、Facebookなどで知識、情報を分かりやすく発信している。Dr Ishiguro YouTubeチャンネル登録者数は37万人超(2024年1月時点)。