アップルがスペシャルイベントで第2世代の
AirPods Proを発表しました。価格は39,800円です
【1】空間オーディオがより深く楽しめる
AirPods
アップルの
AirPods シリーズは左右独立型の“完全ワイヤレスイヤホン”のブームを作り上げ、また左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンに環境ノイズを低減する「アクティブノイズキャンセリング機能」を搭載する製品カテゴリを広げる原動力にもなってきました。
現在の
AirPods シリーズは、立体音楽体験の「空間オーディオ」と、これに対応するコンテンツを再生した時に音声が聞こえてくる方向をリスナーに意識させる「ダイナミックヘッドトラッキング」という、独創的なテクノロジーを搭載しています。
AirPods シリーズの特徴を際立たせる「空間オーディオ」に新しいモデルも対応しています
特に、ダイナミックヘッドトラッキングはiPhoneと
AirPods シリーズ、そしてアップルのパートナーブランドであるBeats by Dr.Dreのワイヤレスイヤホン・ヘッドホンを組み合わせた時にだけ楽しめるスペシャルな機能です。アップルのハードウェアとソフトウェア、シリコン開発のエンジニア力が一体となって実現している機能であることから、今後しばらくの間は
AirPods ユーザーだけの特権として楽しめることになるでしょう。
【2】一段と強力なANC効果。より静かに音楽へ入り込める
今回、イベント会場で新しい
AirPods Proの空間オーディオ再生を試す機会を得ました。効果が「約2倍」にパワーアップしたというアクティブノイズキャンセリング機能は、確かに周囲で賑わうジャーナリストたちの話し声が気にならなくなるほど強力です。しんと静まりかえる環境の中で、空間オーディオの立体感が鮮やかに引き立ち、また音場の見晴らしがとてもクリアに感じられました。
新しくカスタムメイドされたダイナミック型ドライバーとデジタルアンプを搭載しています
音質については、もう少しきちんと試聴してからコメントしたいと思いますが、ノイズキャンセリング機能がより強力になることで、音楽のディティールが際立つ確かな手応えがありました。
AirPods シリーズらしく音のバランスが中立的で、どんな音楽・音声コンテンツにも合いそうです。
そして、新しい
AirPods Proが一段と高性能なApple H2チップを搭載したことで、外部音取り込みモードをオンにしながら耳障りな高デシベルの環境騒音だけを低減する「適応型環境音除去」機能を実現するそうです。これは筆者もぜひ実機でぜひ試してみたい!と今からわくわくしています。
工事現場の真横など、うるさい環境で「外音取り込みをオンにしながら騒音だけを消す」という神業ができるようになるのだとか。ぜひ試してみたいです
【3】充電ケースも追跡可能。「イヤホンをなくさない」ための新機能が満載
第2世代
AirPods Proは、「探す」アプリによる検索機能が拡大されました。万一、イヤホンをなくしてしまった時に、従来モデルが「探す」アプリを使って探索できるのはイヤホン本体に限られていました。第2世代のProは充電ケースが探せるようになります。筆者の周りには、何人かの友人が深酒したせいで
AirPods の充電ケースと泣き別れしています。多くのユーザーに歓迎される機能になるでしょう。
家の中、バッグの中にあるはずの
AirPods Proが見当たらない時には、「探す」アプリから「サウンドを再生」を選択すると、充電ケースに新しく設けられたスピーカーからチャイムが鳴り、音を頼りに探すことができるようになりました。
あるいは未然に紛失を防止するため、充電ケースにストラップが付けられるようにもなります。筆者の場合は、外出時にわざわざ充電ケースを手首に下げて持ち歩くことはなさそうなので、代わりにストラップをバッグに結んでおくような使い方になろうかと思います。
充電ケースにストラップホールが付きました
ケースにストラップを装着。首掛けタイプも便利かもしれません
イヤーピースのサイズは4種類に増えます
7月にアップルが製品の価格改定(値上げ)を実施したうえ、昨今の対米ドル為替相場の影響により、
AirPods Proは39,800円という結構なプレミアム価格の完全ワイヤレスイヤホンになりました。「空間オーディオ+ダイナミックヘッドトラッキング」のようなスペシャルな体験のほかに、ストラップが同梱されること、新たにXSサイズのイヤーピースも付属することを考えれば納得……、という感覚かもしれません。
著者 : 山本敦 やまもとあつし ジャーナリスト兼ライター。オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。独ベルリンで開催されるエレクトロニクスショー「IFA」を毎年取材してきたことから、特に欧州のスマート家電やIoT関連の最新事情に精通。オーディオ・ビジュアル分野にも造詣が深く、ハイレゾから音楽配信、4KやVODまで幅広くカバー。堪能な英語と仏語を生かし、国内から海外までイベントの取材、開発者へのインタビューを数多くこなす。 この著者の記事一覧はこちら