JOLEDはJDI能美工場(石川県能美市)を取得し、7月1日付で「能美事業所」を開設。基板サイズ5・5世代(1300ミリ×1500ミリメートル)の生産ラインで、月産約2万枚の能力を抱える。既存設備を活用しながら新たな製造棟と設備を導入し、10―32型の中型パネルを生産する計画だ。
能美工場は当初、JDIが産業革新機構に200億円で売却し、同機構がJOLEDに現物出資。JDIは売却で得た資金を、18年度に販売拡大を見込む「フルアクティブ液晶」の増産に充てる計画だった。
しかし今回スキームを見直した。JDIは売却で得た200億円で、16年に有機ELの開発加速に向けて発行した転換社債を同機構から買い取る。
JDIは同機構から200億円を新たに借り入れ、増産に充てる方針だ。合わせて同機構はJOLEDに200億円を出資し、能美工場取得にはその資金を活用する。
JOLEDが6月をめどに進めていた量産に向けた1000億円の増資計画は「目標額に達成しておらず、引き続き交渉していく」(JOLED)。予定通り進められなければ、今後の量産計画に影響を与える可能性がある。