世界初のフルキーボード搭載な5G対応スマホ「Astro Slide 5G」がやってきた!

Planet Computers(以下、プラネットコンピューターズ)がクラウドファンディングにて出資を募っていたスライド収納式のQWERTYキーボードを搭載した5G対応のAndroidスマートフォン(スマホ)「Astro Slide 5G Transformer(アストロスライド 5G トランスフォーマー)」についてリワード品の最初の製造ロット分を出荷したと告知しました。

同社では発送開始の告知以降、出資者のもとへ順次、発送していくと案内しており、同機は2020年5月に発表され、出資受付開始から1年半近く経ち、いくつかの仕様変更などを経て、ついに出資者への発送が開始されたことになります。なお、同社では初期出荷の多くは日本向けであるとしています。

そして先日、早期出資をしていた筆者のもとにもついに到着しましたので、本機のレビューを数回に渡ってお送りしたいと思います。まずはAstro Slide 5G Transformer製品版レビュー初回となる本記事では同梱品のチェックとプリインストールアプリの紹介をお送りいたします。

なお、Astro Slide 5G Transformerの製品情報や外観については以前に参加した内覧会でのレポート記事を掲載していますので、そちらも併せてご覧ください。

【個装箱と同梱品】

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Astro Slide 5G Transformerの個装箱(と比較用のCosmo Communicatorの個装箱)

Astro Slide 5G Transformerは前述通り、スライド式で収納可能なパソコン(PC)ライクなフルキーボード(PC利用者には馴染みの深いQWERTY配列のほか、ドイツ・スイス向けなどにはQWERZ配列などを購入時に選択可能)を搭載した製品で、日本国内においては過去に「W-ZERO3(シャープ製)シリーズやNTTドコモ向け「Optimus chat L-04C」(LGエレクトロニクス製)などがあり、このタイプのスマホとしては本当に久しぶりの登場となります。また5Gに対応した(恐らく)世界初のフルキーボード搭載のスマホでもあります。

個装箱は前機種「Cosmo Communicator」の個装箱と同様のものとなっており、横向きを正面とし、上下にあけることで開封できます。開く部分がマグネットで固定されている点も同じです。筆者が出資したのは「日本語カナ」配列のキーボードモデルで、箱底面に貼られたシールには「JAPANESE KANA Keyboad」と記載されており、日本向けのものであることがすぐにわかります。なお、日本国内ではこれ以外の表記を見かけることは非常に稀になるのではないでしょうか。

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箱の底面にキーボードのタイプを判別するためのシールが貼られています


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個装箱を開けるとすぐに本体と対面。個装箱の内側には画面サイズやeSIMへの対応、カメラの画素数などの簡単な概要が記されています

それではさっそく、箱を開けて内容物を見てみましょう。まず本体に続き、USB(Type-C)ケーブルやUSB充電器(5V/2A)、クイックスタートガイド、ディスプレイクロス、プラネットコンピューターズのステッカー、技適マーク(技術基準適合証明や技術基準適合認定を受けた機器に表示されるもの)およびシリアルNo.やIMEI番号の印刷されたシールとSIMピンが入っていました。

同梱品に関してはオープンマーケット向けに販売されているAndroidスマホと似た構成に加えてディスプレイクロス(画面拭き)やステッカーが付属しているのはちょっと珍しいところでしょうか。iPhoneなどのApple製品ではステッカー付属は定番ですが。

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Astro Slide 5Gと同梱品

また本機にはあらかじめ画面保護フィルムが貼られています。スタンダードなグレアタイプのフィルムとなっているので、他に御贔屓のものがあれば一度剥がしてから張り替えるといいでしょう。


なお、ステッカーや個装箱の表記があるので問題はないのですが、現時点ではAstro Slide 5G単体での技適マークは電子式表示はできません。個人的には付属の充電器に印刷されている日本語が若干不自然なあたりが気になったところでしょうか。

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不安になるとまではいいませんが、普通に「中国製造」とか「Made in China」でも良かったと思うんですが



【プリインストールアプリ】

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Astro Slide 5Gのホーム画面(縦向き時)

ホーム画面は1枚構成で、Discover(Googleフィード)もなく、デフォルトのホームアプリでは設定もできません。横向き時も同様で、ウィジェットの貼り付けはできるものの、非常に単機能でシンプルなホームアプリとなっています。

このままシンプルに使うのもいいですが、サードパーティー製のホームアプリを導入して自分好みにカスタマイズするのもいいでしょう。

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Astro Slide 5Gのホーム画面(横・キーボード引き出し時)

プリインストールアプリについてはGmailやGoogle検索、Googleマップ、Google PlayストアといったGoogleが提供しているGMS(Google Mobile Service)の定番アプリのほか、プラネットコンピューターズの検索アプリ「OneSearch」、テキストエディター「Notes」、複数のアカウントが管理できるEメールクライアント「AirMail」、ToDoアプリ「Agenda」といったキーボードを活用できるだろうアプリがプリセットされています。

それ以外ではeSIMの管理アプリ「eSIM Wallet」やキーボード入力設定などを変更するための「Planetキーボードの設定」、横向き時にボタン一つで呼び出せる専用のアプリショーカット群の「App Bar」(の内容を編集するアプリ)、FMラジオやサードパーティー製アプリとしてはカスタマイズ性の高さと軽快な動作を特徴とするWebブラウザー「Vivaldi」がプリインストールされています。余談ですが、筆者はVivaldiブラウザーの常用者なので、プリインストールされているのがちょっと嬉しくも感じたりしました。

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Astro Slide 5Gのアプリケーションドロワー(アプリ一覧)

またインストールはされていませんが、後述のApp Barには「Word」や「Exel」、「Power Point」、「Skype」といったMicrosoftのアプリのショートカットも用意されていました。これらのアプリはインストールはされておらず、インストールするまではアプリストアへのショートカットのみとなっているものもあります。

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スペースキーの左横にある惑星のアイコンのキーを押すと画面下部にApp Barが画面下から出てきます

App Barはアプリのショートカット群で、よく使うアプリを登録が可能です。利用頻度の高いアプリを登録しておき、本機の利便性をさらに高めることができます。イメージとしてはWindowsのスタートキーやランチャーに近いものと考えるといいかもしれません。

ただApp Barはプラネットコンピューターズの初代モデル「Gemini PDA」のものをそのまま持ってきているのか、Gemini PDAの通知用LEDランプを編集するアプリのショートカット(LEDison)まで入っていたのが少し気になる点でした。

現状、インストールして起動してもAstro Slide 5G TransformerのLEDランプの表示内容を編集することはできません。今後のアップデートでなにかしら改善されていくとは思われますが、それまで待つことになりそうです。

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AppBarの設定画面。左側の列からアプリをタッチして選ぶと右側の列(App Bar)に表示されるようになります

またCosmo Communicatorに搭載されていた機能でAstro Slide 5G Transformerにも対応可能な機能のひとつとしてアナウンスされていた専用のHDMIアダプターを使って外部モニターに画面出力をする機能があるのですが、現時点でのAstro Slide 5G Transformerにはディスプレイ設定の「HDMI」→「Open HDMI」の項目がないため、未対応となっています。

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「Cosmo Communicator」のディスプレイ設定画面。HDMIの項目自体がAstro Slide 5Gにはない

本機の製造をしているのは中国の工場であり、それらの工場を含めたあらゆる業務や企業が正月休みとなって物流が滞ってしまう春節(旧正月、今年は2月1日から)と重なってしまうため、クラウドファンディング出資者への発送を優先して後日、アップデートで対応をしていくという方法をとった可能性も高そうです。

春節を挟むとおよそ1か月ほど遅れてしまうので、このあたりは今後のアップデートによる実装も含め、もう少し使ってみてから結論を出した方がよさそうですね。以上、駆け足気味な感じでしたが、Astro Slide 5G Transformerの同梱物とプリインストールの紹介でした。次回は前モデルであるCosmo Communicatorとの比較などを中心にレビューをお送りします。お楽しみに!

記事執筆:河童丸


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