総務省にて「デジタル変革時代の電波政策懇談会(第2回)」が開催!

楽天モバイルは23日、総務省が開催した「デジタル変革時代の電波政策懇談会(第2回)」において現在割り当てられている周波数帯では2021年に他社と同等の電波逼迫度となり、2023年には他社を超える見込みであることを明らかにしました。

その上で同社は総務省に対して既存周波数帯の再配分を含めて周波数割当を要望し、特に現在割り当て割れている4G向け1.7GHz帯(Band 3)や5G向け3.8GHz帯(n77)、28GHz帯(n257)よりも電波が減衰しにくく屋内まで電波が浸透しやすい800MH帯などの低周波数帯の割り当てを希望するとしています。また資料では11月時点での契約数が179万となっているとのこと。

さらに今年3月に出資を発表しているAST & Science(以下、AST)が開発している衛星通信ネットワーク「スペースモバイル」についても災害発生時にも安定して提供できる通信環境の構築を行う上で重要だとし、2022年第4四半期(Q4=10〜12月)頃に日本でのサービス開始をめざすとしています。

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総務省が開催した総務省にて「デジタル変革時代の電波政策懇談会」は社会全体のデジタル変革の加速が見込まれることを踏まえ、今後の電波利用の将来像に加え、デジタル変革時代の電波政策上の課題並びに電波有効利用に向けた新たな目標設定および実現方策について検討を行うことを目的としています。

第1回では電波利用に関する現状と課題について有識者による構成員によって話し合われ、今回、第2回として「携帯電話及び全国BWAに係る電波の利用状況調査の評価結果(案)」を踏まえ、楽天モバイルのほか、NTTドコモやKDDI、UQコミュニケーションズ、ソフトバンク(Wireless City Planning含む)といった移動体通信事業者(MNO)にヒアリングを行い、諸外国における周波数割当ての動向を含めて議論が行なわれました。

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現在のMNO各社の周波数帯割当

そうした中で楽天モバイルでは新規参入事業者への周波数割り当てが少なく、特に電話が届きやすい周波数帯(例えば、プラチナバンド)はすでに割当済であり、今後の割当が検討されている周波数帯は電波が届きにくい中〜高周波数帯が多いとし、現状、新規参入事業者は電波が届きやすい周波数の割り当て機会がなく、周波数の割当も少ないため、既存事業者との公正な競争環境が実現されにくいと説明。

また割り当てられた周波数帯についても認定期間が終了した後も再免許によって同一の事業者が周波数を利用し続けているため、周波数の割当てが長期間に渡って固定化されていると指摘。そのため、周波数をさらに有効利用し、技術革新を進展させる可能性がある新規参入事業者の「機会平等」が実現していない状況だとしています。

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また楽天モバイルでは同社が構築する自社回線(以下、楽天回線)エリアではデータ通信が使い放題となる料金プラン「Rakuten UN-LIMIT V」を提供しており、5G時代における大容量データ利用ニーズにいち早く対応し、すでに1ヶ月間の1契約当たりの総トラフィック量が他社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの平均)と比べて2.1倍となる15.6GBとなっていることを紹介。

この利用データ量を加味した電波逼迫度をシミュレーションすると、2021年には他社と同程度となり、2023年には他社を超えると予想し、現状の周波数帯当たりの契約数ではなく、利用データ量の観点からも逼迫度を検討して欲しい旨を説明し、さらにエリアカバー率の問題を含めて既存周波数帯の再割当も含めて検討するよう要望しているほか、放送用FPUとのダイナミックな周波数共用の検討が行われている2.3GHz帯の利用の早期実現を要望しています。

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一方、ASTに出資してサービス提供をめざしている衛星通信を利用したスペースモバイルについては「災害に強いネットワークの実現」として取り組んでおり、今年3月の段階ではサービス開始時期は「決まっていない」としていましたが、資料では2022年Q4頃の開始をめざしていることを明らかにしました。

ASTにはVodafoneも出資しており、すでに米連邦通信委員会(FCC)の協力で実験衛星の打ち上げに成功し、アメリカでは携帯電話のサービスエリアが日本のように普及しておらず、低軌道衛星のような技術への関心が高いとしているほか、アフリカなどのまだ携帯電話の普及が進んでいない地域からのニーズが高いということです。

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そうした中で楽天モバイルではスペースモバイルを衛星通信ネットワークを構築して災害時にも利用できるようにし、さらに現状では日本の携帯電話は他社MNOでも面積カバー率が70%程度だとし、日本全土の100%カバーも可能なブロードバンド・インフラとして山岳地帯や無人島などのカバレッジも可能にしたいとしています。

スペースモバイルでは既存のスマートフォン(スマホ)などの製品からの通信を衛星およびフィーダリンク経由でeNBへ転送し、eNB側で衛星通信に必要な補正を行うことで既存製品で通信が可能になるため、これまでの衛星電話のような特別な機器が必要ないとし、4Gだけでなく5Gにも対応可能となっています。

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実現に向けてフィーダリンク用の周波数割当てが必要で、楽天モバイルでは帯域幅が広くなれば、カバーできるエリアが拡大するとし、38GHz帯や40GHz帯になるべく広い帯域幅の割当てを希望するとのこと。

さらに既存の無線局免許に新たに手を加えることなく、既存の陸上移動局の免許のまま、携帯移動地球局(スペースモバイル)として利用できるようにしたいほか、既存の「認証済み携帯電話端末」に、追加の認証手続きを必要とすることなく、スペースモバイル衛星局と通信できるようにしたいとしています。

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記事執筆:memn0ck


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