Windows 10 バージョン1809以降のWindowsでは、Windows Updateによって提供される更新プログラムにおいて、順方向と逆方向の両方の差分をペアとして持つ差分方式が採用されている。逆方向の差分も同時に持つことによって、アップデート後に元のバージョンに戻すことが可能となる。逆方向の差分は順方向の差分と対称的な内容になるものの、データとしては互いにほとんど素であるため、両者のサイズはあまり変わらず、トータルのパッケージサイズが大きくなりがちだという問題がある。
Windows 11ではこの問題の解消に取り組み、2021年10月のアップデート以降はパッケージサイズを従来より40%削減することに成功している。Microsoftによると、この削減は、順方向のアップデートの際に実行される変換とパッチ命令から逆更新(ダウングレード)のためのデータを生成する方式によって実現したという。逆更新データは従来の逆方向の差分データに比べると十分に小さいため、トータルのパッケージサイズも削減できるとのこと。
逆更新データを利用したLCUパッケージサイズの削減 出典:Windows IT Pro blog
この取り組みの詳細は、Windows IT Pro Blogの次の記事で解説されている。
How Microsoft reduced Windows 11 update size by 40% - Microsoft Community Hub