千原ジュニア（千原兄弟）と佐久間宣行が食の神髄に触れる案内人となり、仕入れのポイントや、仕込みなどのこだわりを学ぶ本番組。今回、ふたりは1年以上予約が取れない人気寿司店「すが弥」を訪れ、店主の菅谷崇之さんの話を聞きながら、“美味い寿司”を食らう。
前編「つまみ編」では、ホタテにXO醬、フグの白子のリゾットにはオリーブオイルを使うなど、寿司店ではあまり見かけない調味料を使用する菅谷さんにふたりも驚愕。さらに「こんなに色の濃いものは見たことがない」というあん肝とからすみのマリアージュには、「（他とは）全然違う！」「とてつもなく日本酒に合う」と絶賛する。
店主の菅谷さんは、15歳で料理人の道へ。22年の修行を経て2018年に同店を開店した。菅谷さんから提供されるつまみは、オリジナリティに溢れているが、それを裏付けるように「あくまでも習ったことは基本。（他と）同じことをやっても（仕方がない）。変えていかないと」と語る。ジュニアと佐久間は、そんな菅谷さんのこだわりに舌を巻きつつ、最高級のつまみに「うまい！」を連呼する。
後半の「にぎり編」では、菅谷さんのシャリに対するこだわりが明らかに。さらには、インパクト抜群の熟成マグロが登場！ 赤身、中トロ、大トロはもちろん、ヒラメ、ハマグリなどのネタと、赤酢と米酢をブレンドしたというシャリとの相性は抜群だ。
菅谷さんが語るこだわりを聞きつつ、どんどんと寿司を口に運んでいくジュニアと佐久間。他では味わうことができない菅谷流の寿司は衝撃の美味さのようで、思わず笑みをこぼす場面も。「仕事で飲む量じゃない」と言いながら、日本酒も進み……。
収録後、恍惚の表情を浮かべ続けていたふたりに話を聞いた。ジュニアは「芸歴34、5年で、マジで一番ええ仕事です」と満面の笑み。佐久間も「これは本当にそうです。サラリーマン時代、フリーになって3年、全ての中で一番いい仕事……いい仕事のレベルを超えています」と同調しつつ、「普通は入れないお寿司屋さんに行って、大将の話を聞いて、気持ちが高まったところでお寿司を食べるなんて……しかも今回はフル（コース）！」と大笑いした。
やはり、概念を覆す独創的なつまみや握りに衝撃を受けたようで、「（コースが）ひとつのストーリーでしたね」とジュニア。特にシャリは「“唯一無二”だった」と表現した。一方、佐久間も「シャリに対抗するようにネタが出来上がっているので、食べたことのないお寿司のオンパレードなんですよ。ジュニアさんも（収録中に）おっしゃっていましたけど、 一見、気をてらっているように見えるのに、全部ストレートに美味しいんです」と熱を上げた。
今回で2回目となる同番組。ご褒美のような仕事でもあるため、シーズン2は思いもよらなかったという。佐久間が「あまりにもいい仕事だから、僕もジュニアさんも“こんなの続くわけない”と、前回は半笑いだったんですよ。今日、ジュニアさんとお会いしたとき、『2回目ありましたね』とゲラゲラ笑っちゃいました」と言えば、ジュニアも「次どこかで佐久間さんに会ったら生つば飲んでしまいそうです」と笑わせた。
本番組は、TVerの花見特集でオリジナルコンテンツとして配信中。そんなふたりに花見についての思い出を聞くと、ジュニアは「僕、3月30日生まれなんですけど、生まれて病院から車で帰っているときに初めて見た花が桜なんちゃうかな、って勝手に思っているんですよ。それくらい桜がめちゃくちゃ好きなんです。毎年2、3回は花見しますね」と桜との縁と語った。佐久間は、「（テレビ東京での）サラリーマン時代、テレ東の人たちが、若手からおじさんまで目黒川で花見をやっていたんですよ。それが楽しみでしたね。花見には楽しい思い出がたくさんあるので、今回TVerの花見特集で我々も参加できるのは嬉しいです」とコメントした。
最後にジュニアは「“突き詰めた美味しいもの”というのは、食べてないけど見ていられるんです。それがほんまに美味しいものか、美味しいものじゃないかの違いかもしれないですね」と真髄を吐露。佐久間も「この番組は、その人にしかできないことを突き詰めたドキュメントでもあると思っていて。そういう意味で言うと、今回食べながら、新しい芸を作ったお笑い芸人さん、クリエイター、アーティストを知った感覚に近いような感動を覚えました。グルメ番組ではありつつ、それ以外の（好きな）人にも響くんじゃないかなと思います」と番組の魅力を語っていた。
取材・文・写真：浜瀬将樹
