世界最大の動画プラットフォームである
YouTubeは、若者世代にも高い人気を誇っています。しかし、10代の若者は
YouTubeよりも
TikTokを見る時間の方が長くなっていることが、最新の調査データにより判明しました。
Kids and teens now spend more time watching
TikTok than
YouTube, new data shows | TechCrunch
https://techcrunch.com/2022/07/13/kids-and-teens-watch-more-tiktok-than-youtube-tiktok-91-minutes-in-2021-youtube-56/
ペアレンタルコントロールソフトウェアを開発するQustodioが、同社のソフトウェアを利用する4〜18歳の若者を対象に、1日あたりどの程度の時間・どのアプリを利用しているのかを調査しています。Qustodioによると、この数値はQustodioのアカウントを持つ40万世帯を対象に実施されたもので、データは推定値ではなく実際の使用状況を表すものであるとのこと。なお、このデータにはアプリ版とウェブ版の両方の使用時間が含まれます。
この調査において、
TikTokの平均利用時間が初めて
YouTubeを上回ったのは、2020年6月のこと。当時の調査では、
TikTokの1日平均利用時間は82分で、
YouTubeの1日平均利用時間は75分でした。これ以来、若者は
YouTubeよりも
TikTokを支持するようになっており、2021年末には
TikTokの1日平均利用時間が91分にまで増加しています。一方、このタイミングでの
YouTubeの1日平均利用時間は56分にまで減少しました。
この調査データを受け、海外メディアのTechCrunchは「世界最大のビデオプラットフォームである
YouTubeは次世代のウェブユーザー、具体的にはZ世代とアルファ世代に対する理解を失いつつあるという可能性を示唆しています」と指摘。なお、Z世代は通常、1990年代半ばから2010年代にかけて生まれた世代を指し、アルファ世代は2010年代初頭から中期以降に生まれた世代を指します。
2019年から2021年にかけての10代の若者の1日あたりの
YouTube平均利用時間をまとめた表が以下。数字は分単位となっています。
YouTube201920202021全世界486456アメリカ637161イギリス585953スペイン465441
一方で、2019年から2021年にかけての10代の若者の1日あたりの
TikTok平均利用時間は以下の通り。
TikTok201920202021全世界387591アメリカ448799イギリス3770102スペイン316580
YouTubeは
TikTokによく似た縦長の短い動画を共有するためのサービスとして
YouTube Shortsを導入しています。
TikTokのような縦長の短時間動画を模倣したのは、
YouTubeだけでなくInstagramやFacebook、Snapchatも同様です。
YouTubeは
YouTube Shortsの月間ログインユーザー数が15億人を超えたと宣伝しており、これによりさまざまな長さの動画を投稿する通常の
YouTubeチャンネルの総再生時間も増加しているとアピールしています。しかし、
YouTubeはその他の詳細な数字を公表していません。
TechCrunchは「
YouTubeは10代の若者だけでなくより幅広い世代をユーザーとしており、今回の調査対象には含まれないゲーム機やPCなど幅広い機器からアクセス可能なプラットフォームでもあります。しかし、
YouTubeが
YouTube Shortsの利用者が増加していると宣伝しているにもかかわらず、Qustodioのデータは若者が
TikTokによりひきつけられるようになっていることを示しています」と指摘しました。
なお、Googleのシニアヴァイスプレジデントであるプラバカール・ラガヴァン氏によると、Z世代の若者の約40%がオンライン上で何かを調べる必要がある際に、Google検索ではなく
TikTokやInstagramといったアプリを利用していることも明らかになっており、動画視聴だけでなく検索の分野においても若者の
TikTokびいきが加速しているそうです。