目標を達成した売上額、合格ラインを上回る得点、駅から徒歩5分以内の物件などなど、条件に合うセルに注目を集めたいときは、「条件付き書式」機能が便利だ。
目視で確認しながら1つ1つセルを塗りつぶすよりも簡単に正確に、セルを強調表示できる。
●強調したいセルに色を付けるここでは、下図の表で「合計値が“1,000,000”より大きい値」のセルがあれば、その文字色と背景色を変えることにしよう。
最初に、条件付き書式を設定したいセルを選択する。下図ではセルE3からE14だ。
[ホーム]タブで[条件付き書式]−[セルの強調表示ルール]−[指定の値より大きい]とクリックする。
条件と書式を設定するウィンドウが出たら、
[次の値より大きいセルを書式設定:]に数値を入力。ここでは「1000000」とする。
[書式]は一覧から「濃い黄色の文字、黄色の背景」を選んだ。
もちろん、[ユーザー設定の書式]をクリックして、好きな文字色や背景を組み合わせて指定してもよい。
[OK]をクリックすれば条件に合うセルが、指定した書式に変更される。
なお、条件付き書式にするメリットは、後から数値を変更したときも、条件に合わせて書式を変更してくれる点だ。
下図で、セルD6の数量の値を「158」から「312」に変更した。すると合計値が「1,000,000より大きい値」に変わるので、セルE6にも同じ書式が設定された。
●条件を満たすセルを含んだ「行」の書式を変更する前項では、該当した合計のセルのみが強調表示された。
しかし、そのセルだけではなく、商品名や単価などを含む、行すべてを強調したいときもある。
そんなときは、新しく書式のルールを作ろう。
前項と同様、最初に書式を設定したいセルを選択。
合計のセルだけでなく、それを含む行の書式を変更したいので、見出し行を除いたセルをすべて選択する。
[条件付き書式]−[新しいルール]とクリック。
ウィンドウが開いたら、[数式を使用して、書式設定するセルを決定]をクリックする。
[次の数式を満たす場合に値を書式設定]には「=$E3>10000000」と入力しよう。
数式の中の「E3」は、下図で合計値が入っている最初のセルだ。
E(列)の前には「$」を付けて固定する。
このように列を固定した数式にすれば、B列の品番にも、C列の単価にも、D列の数量にも、「その行のE列が“1,000,000”より大きい値ならば書式を変更する」という条件が設定されることになる。
セルの文字色や背景色は[書式]をクリックして指定する。
ここでは、背景色に水色を設定した。
[OK]をクリックすると、条件に合うセル(行)が指定した書式に変更される。
●設定した条件付き書式を削除する条件付き書式は後から編集したり、削除したりできる。
条件付き書式を設定した任意のセルを選択し、[条件付き書式]−[ルールの管理]とクリックしよう。
表示されるウィンドウに[ルールの編集][ルールの削除]といったボタンが並んでいる。
右端の[重複ルール]は、設定済みのルールをコピーできるボタンだ。設定済みのルールから一部を変えた新しいルールをもう1つ作りたいとき、はじめから設定をしなくてすむ。
セルの強調表示は、こうした簡単な操作でできる。
注目させたいセルがあるなら、条件付き書式を使ってみよう。
執筆 中野 久美子