記事はまず、中国の半導体生産は日本にかなり依存しているのが現状だと伝えている。2021年2月に発生した福島県沖地震で、日本の大手メーカーが被害を受けた際、中国の半導体産業の「日本依存」が如実に顕在化したという。中国の複数の企業は一時的にKrFフォトレジストの提供が受けられなくなり、急きょ別の提供先を探したものの、供給量は足りていないそうだ。
しかし、半導体材料の日本依存は中国だけではないという。日本が半導体材料の輸出管理を強化した際、韓国が「うろたえた」のは記憶に新しいが、これは無理もないことだったと指摘し、「世界が日本の半導体材料における立場を意識しているほどだ」と伝えた。地震の影響で供給が止まったKrFフォトレジストは、日本が世界シェアの80%を占めているそうだ。ArFフォトレジストは93%を占めると言われている。記事が「日本の半導体企業には、恐ろしいほどの実力がある」としているのも大げさではないようだ。
では、中国の半導体材料の国産化はどれだけ進んでいるのだろうか。記事は、ハイエンド製品なので技術的に難易度が高く、いくつかの企業で生産を始めてはいるものの、日本の水準には全く及ばないと認めている。特に「フォトレジストは一番難しい」そうだ。中国のフォトレジストの自給率は、KrFが5%、ArFに至っては大規模に生産できる企業はないと言われている。中国の半導体材料の国産化は悲願には違いないのだろうが、日本に頼るしかなさそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)