中国からみた「バブル当時の日本と現在の中国」その違いは？

　香港メディアの鳳凰網はこのほど放映された「週末龍門陣」という番組で討論された、ある経済学者の「バブル崩壊を経験した当時の日本からも学べる点がたくさんある」とする見解を紹介している。

　ある分析によれば、中国は日本が成し遂げたことには少しも興味がなく、むしろ日本がバブル崩壊で経験した失敗に最大の関心があり、その失敗から学んで二の舞を演じるのを避けようと躍起になっている。では、こうした態度は中国の経済発展にとって本当にふさわしい態度といえるだろうか。「週末龍門陣」の討論に参加していたある経済学者は日本のバブル崩壊を反面教師にする必要を説く一方で、「当時の日本には見倣うに値する点もたくさんあり、しっかり学ぶべきだ」と主張している。

　この経済学者は「現代の中国は１９８０年代末の日本にまだ追い付いていない」とし、８０年代末に日本が持っていた国際社会での強力な競争力を中国はまだ身に着けておらず、「日本のバブル崩壊の二の舞を演じるな」というフレーズを簡単に口にすることはできないとしている。つまり「日本の二の舞を演じるな」という点だけに注目するなら、まるで現在の中国が当時の日本が持っていた産業の国際競争力をすでに身に着けたかのような錯覚を生じさせるため、当時の日本から学ぶに値する点を見落としてしまい、中国経済の発展に役立つ貴重な教材を活用できなくなってしまうということだ。実際、当時の日本は世界最大の輸出国であると同時に最大の投資国、最大の債権国といった国際社会における「６冠王」だった、と当番組で紹介された。

　こうした経済学者の見解は非常にバランスが取れていると言える。では日本はどうか。中国に対してさまざまなマイナスイメージがあるかもしれないが、そこだけに注目するなら中国が持っていて日本がまだ身に着けていない特質を見過ごしてしまうことになる。中国から学んで日本を進歩させることができる点もたくさんあるのではないだろうか。優れた教材を活用し損なうことがないようにしたい。（編集担当：村山健二）（イメージ写真提供：１２３ＲＦ）