Wake every breath and every string
目覚めよ、あらゆる息あるものよ、あらゆる弦あるものよ*1

To bless the great Redeemer King,
祝せよ、大いなるあがない主にして王を、

His name through every clime adored;
あらゆる罪を超えて崇められしその御名を。
Let joy, and gratitude and love
歓喜せよ、感謝せよ、そして愛せよ

Through all the notes of music rove,
あらゆる音符がめぐりめぐっている、*2

And Jesus sound on every chord.
あらゆる和音に「イエス」の響きを乗せて。

*1 旧約聖書詩編第150篇にもとづくフレーズ。
「弦をかき鳴らし(中略)息あるものはこぞって主を賛美せよ。ハレルヤ。(詩編150:4-6)」
*2 rove throughで「歩き回る」の意。輪唱だけに。

text: Mather Byles (1706 – 1788)
tune: William Billings(1746 – 1800)

アメリカにおける初期入植者であり合唱作曲家でもあった、ボストンのウィリアム・ビリングスによるちょっと変わった輪唱曲。初出は1770年出版の「The New-England Psalm-Singer(ニューイングランドの讃美歌手)」。動画のイラストでは、楕円形の五線譜が歌唱者たちをぐるりと取り囲むという珍妙な構図になっている。
メイザー・バイルズは同じくボストンで活躍した聖職者で、著名な知識人でもあった。タイトルは《Wake Ev'ry Breath》という表記にされることもある。

ビリングスは片足が短く片目が潰れているという特異な外見、風変わりな性格、そして並外れた音楽と文学の才能の持ち主であった。彼の曲は人気を博したが、著作権が整備されていなかった当時のアメリカでは収入に結びつかず、貧困のうちに生涯を終えた。大衆の音楽の好みが変わり人気が衰えた後も、いくつかのメロディは讃美歌として細々と生き延びていたが、20世紀後半に再発見され、多くのアーティストに取り上げられるようになった。


William Appling Singers and Orchestra & William Appling
収録アルバム: William Billings: Wake Evr'y Breath


おまけ:立教大学聖歌隊による合唱。
お昼休みは蔦の絡まるチャペルへウェルカム。
 

この曲は入ってないけどCDも出てるよ。
一般受けをはなから考えてない鋭角攻めのラインナップ嫌いじゃない。

O BE JOYFUL
立教学院諸聖徒礼拝堂聖歌隊
ライフ・クリエイション
2017-10-31





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