When a bird loves a bird, he can twitter
When a puppy falls in love, he can yap
Every pigeon likes to coo
when he says "I love you"
But a bear likes to say it with a slap
鳥が鳥を好きになったらさえずればいい
子犬が恋に落ちたらキャンと鳴けばいい
鳩はクークーと囁くのがお好みだ
「愛してるよ」と伝えたい時には
でも熊ならピシャリと叩いてそう伝えるのさ*1
When a whippoorwill's in love, he can whipper
All the horses neck and all the turtles snap
Every deer and every dove
has a way of makin' love
But a bear likes to say it with a slap
ヨタカたちが相手に惚れたら「ホイップアー」と鳴く*2
馬なら首を絡ませ、カメならパクッと噛みつく*3
どんな鹿にだって、どんな小鳩にだって
恋を仕掛ける作法がある*4
でも熊ならピシャリと叩いてそう伝えるのさ

You can ask any bear,
oh, there's nothin' to compare
With a love tap strong or weak
熊の誰かに尋ねてごらんよ
何ものにも代えがたいのは
強弱問わぬ恋の平手打ち

So if you're ready for romance
And you ever get the chance
Grab your girl
and Give her your cheek
だから、君が恋愛する準備が万端で
チャンスが巡ってきたならいつでも
女の子をしっかり捕まえて、
そしてその娘に君のほっぺを差し出すんだ

So when love comes along, don't be silly
Never ever waste your time like a sap
Let the others hug and kiss
But the bare facts are this:
That a bear likes to say it with a slap
Slap, slap
愛する人に巡り会えたなら、おふざけしてちゃいけないよ
バカみたいに時間を無駄にしちゃいけないよ*5
抱きしめてキスするんだよ
とはいえ、一点の「くま」なく確かなのは*6
熊ならピシャリと叩いてそう伝えるということ
ピシャリ、ピシャリとね

*1 「say」は「言葉で話す、言う」だけではなく「(言葉がなくても)伝える」という意味もある。
*2 「Whip-poor-Will(哀れなウィルを鞭打て)」と鳴くヨタカのこと。ホイップアーウィルヨタカとも。
*3 もしかして→カミツキガメ(英語でsnapping tutle)
*4 make loveという言葉は現在「エッチする」という意味があるが、この時代にはまだ「求愛する」「口説く」というほどの意味だった。これが原因で本国アメリカでは「こぐま物語」はカットされることがある。
*5 sapは樹液という意味もあるが、「バカ」「マヌケ」的な悪口でもある。
*6 熊も裸も英語では「ベア」というダジャレ。

text: Buddy Kaye  (1918 - 2002)
tune: Eliot Daniel (1908 – 1997)

元来は、1947年公開のディズニーアニメ映画「子ぐま物語(現タイトルはファン・アンド・ファンシー・フリー)」劇中歌。この中で語りと歌唱を担当したダイナ・ショアは、1950~60年代にかけて人気を博した歌手であり女優。駆け出しのころ、オーディションで必ず歌ったのがポピュラーソング《ダイナ》だったため、そのまま芸名として定着したという逸話がある。

ダイナ・ショア版の音源はほとんど入手不可能なのだが(YouTubeから録音するとかくらいか)、ルイス・プリマのカバー版は購入可能。ルイス・プリマは同じくディズニー映画「ジャングル・ブック」でキング・ルーイを担当した人。動物の鳴き声を模した合いの手や、ドナルド・ダックの声真似も入っていて楽しい。

君のようになりたい
Walt Disney Records
2019-02-22


「子ぐま物語」本編の中では、主人公の子熊ボンゴはメスの子熊ルルベルに引っぱたかれてフラれたと思い込んでしまうが、実はそれは「愛していると伝えるために相手を平手打ちする」という野生の熊の流儀だということを知るシーンで使われた。
今ボス熊見てると、「こいつロリコンでは?」以外の感想が浮かんでこない。
ロビンの心は汚れておる。

本編では曲の途中に、《わらの中の七面鳥(オクラホマミキサー)》のメロディで以下のフレーズが挿入されている。

Grab your bears and swing ’em wide
Shake their fur and scratch their hide
Give her a slap, give her a cuff
Go ’round that floor and strut your stuff
お相手熊を掴んで大きくスウィング
毛皮をユサユサ、背中を掻き掻き
彼女にピシャリ、彼女にバチーン*1
ぐるぐる踊りまわって、見せつけてやろうよ*2

He slapped her once and he missed her jaw
And he wound up smackin’ his mother-in-law
Now here comes grandpa gettin’ in line
And here comes baby bear behind
彼氏が彼女を叩こうとして、彼女の顔をそれていき*3
彼女のおふくろさんにバチーンと一発やっちまった*4
さあおじいちゃんも列に入るよ
赤ちゃん熊も後ろに並ぶよ

*1 cuffもslapと同じく平手打ちのこと。
*2 strut ~'s stuffは「力量を見せびらかす」「張り切っていいところを見せる」という意味がある。

*3 jawはあごだけでなく顔の下半分くらいまでを指すこともある。

*4 wound up(wind up)~ingは、「結局~する羽目になる」という意味。




ディズニーチャンネルの「ファン・アンド・ファンシー・フリー」では、一時期ブエナ・ヴィスタ版の吹き替えが使われていたが、その後WOWOW版にとってかわられてしまった。これまでの吹き替え全種類保存してるんだったら、その中から選べるようにして欲しい。ロビンはポニー・バンダイ版が一番好きだったのだが、なかったことにされているらしい。悲しい。
金と気力と時間があるなら、ビデオテープを回収してこつこつデータ化するしかないのだろうか…









Louis Prima with Chorus
収録アルバム: Say It With A Slap

Say It With A Slap
Buddha Records
1999-06-29


おまけ:コーラスグループ「モダニアーズ」によるバージョンもある。
こちらもなかなかいいが、合いの手があんまりなくてちょっと寂しい。

Say It With A Slap
Classic Music International
2010-07-13



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