台風ですな
それでも元気に投下しましょう

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ヽ二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ヾ三彡'
　{　【やる夫で考える神話】（増補版）再増補 　　　　　　　　　{_]ｫ
　 〉―――――――――――――――――――――――‐〉{
　{　第十回≪神武東征編≫　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　{_]ｫ
　 〉―――――――――――――――――――――――‐〉{　 l
　{　「謎の神、オホモノヌシについて…」 　 　　　　　　　　　　　{_]ｫ l
　 〉―――――――――――――――――――――――‐〉{
　{　原作『古事記』、『日本書紀』、『風土記』　　　　　　　　 　 {_]ｫ
　 〉―――――――――――――――――――――――‐〉{.
　{　　　　『その他、世界の神話各種』　　　　　　　　　　　　　　{_]ｫ....
　 〉―――――――――――――――――――――――‐〉{.
　{　　神話の意味をやる夫と一緒に考えてみませんか？ 　　{_]ｫ...
　 〉―――――――――――――――――――――――‐〉{.
　{　　日本神話をベースにして話を進めています　　　　　　　{_]ｫ
　 〉―――――――――――――――――――――――‐〉{.
　〔　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {_].
　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣》￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣.　...　.


　　　　　 ／￣￣＼
　　　　／ ._ノ　　ヽ､＼
　　　　|　 （●）（●）　|
　　　　|　　（__人__）　 |
　　　　|　./´ニﾄ-'　　 ｌ
　　　　| .l　_ニｿ　　　 }
　　　　 /ヽ､_ノ　　　 /　　　　　　　　　　　　　さて、久しぶりの番外編だが
　 　 __/　　/　　　 ノ__
　　/ /　　/　　　　　　 ｀ヽ.　　　　　　　　　　 本編では政治闘争としてのカムヤマトイハレビコの伝承を見てきた
　 /´　　./　　　　　　　,.　 ヽ.
　 ﾄ､＿,/.　　　　　　　｜､　 ヽ
　　 ｜　　　　　 　　　｜/　 /



　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　結構、神話的な要素が無くなってたお
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　 ／ _ノ　 ヽ､_ ＼
　　　　　　　.|　（ ●）（● ）　|
　　　　　　　.|　　（__人__） 　│
　　　　　　　 | 　　｀⌒ ´　 　|
　　　　　　　 .| 　 　 　 　 　 |
　r､　　　 　r､ヽ　　 　　　　/　　　　　　　　　　けど、完全に神話的な要素が消失している訳じゃないんだ
　ヽヾ　三　|:l1.ヽ　 　　　 /
　　＼>ヽ　 |｀ ｝ >　 　　 <　　　　　　　　　　　 それが、神武天皇の皇后となるイスケヨリビメに見られる
　　　 ﾍ　lノ `'ｿ 　　 　　　ヽ
　　　　　/´　 /,1　　　 　 |　|
　　　　　＼ ノ .｜　　　　 |　|


　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／⌒　 ー､＼
　　　／（ ●） 　（●）＼　　　　　　　　　　　　　　　　　なんとかって、神様との間の娘…
　 ／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
　 |　　　　　|r┬-/ ' 　　　|　　　　　　　　　　　　　　　 だったかお？
　 ＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 ／

　　　　　　　　　 ,..-──v'⌒ヽ
　　　　　　 ＿／:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.厂｀ー―ｧ
.　　 　 ／〈::::/:∨:.:.:.:/::.:.:.:/:./:ヽ:.:.:.:＜
　　 　〈::::::::Y::::/:.:.:.:.ナﾅメ|:/ヽ:.:}:.:ﾄ:.＼＞
　　　　ヽ:::/:::/:.:.:,ｨ-|∠_　ﾘ　 |:ｽ:.:|:.:.:. |
　　　 　 〉-ｒ(|:.:./ `ﾄ{:r「　　 ｲﾃﾁ:.:|:.ﾄ:.:|
.　　　　 |:.:.:|:.|:/_ 　´￣　　　ﾋ!ﾉ∧|.:「リ
.　　　　 |:.:.:|:.:.:.:.:ト､ 　 ｒｧ　 　ﾉ:|:.リ
.　 　 　 |:.:.:ﾄ､:.:.:.Ｋ:} 　 ｒ‐ ｒイ:l:.|:.:|
.　 　 　 !:.:.:|__}:.:.:|::::＼_,,>､:＼:l.:|:.:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　オホモノヌシね
　　　　 |:.:/　ヽ:.:.ヽ::::::ヽ　|::::::}:/:/
　 　 　 ∨　　 ヽ:.:.:l＼:::ヽ|:::/|:./
　　　　/ 　　.|　 ヽ::ヽ ＼ |∧l:.{　　 r‐ｒこつ
.　　　/ 　 ヽ ﾚく　ヽ:.:ト-ｨ　r'＞'⌒「　|＿ ⌒⊃、
.　 　 {　　　　ﾄ､::}､ ﾄ:.|／　　＼　　|　 ヽ:::厂￣´
　　　 ＼　　　　＼ |:.:| 　 ∧　 } 　 ヽ-イ´


　　 　　 ＿_＿__　　　　　━┓
　　　 ／　―　　 ＼ 　　 ┏┛
　　／ノ　　( ●)　　 ＼　 ・
.　｜ ( ●) 　 ⌒）　　　|
.　｜　　 （__ノ￣　　　 /
.　｜ 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 オホモノヌシ？
　　＼＿　　　 ⊂ヽ∩＼
　　　　/´　　 　 (,＿ ＼.＼
.　　 　|　　/　　　　　＼＿ﾉ

　　　　　　 ､ _
　　　　　　　＼_ー､ _f ヽ, ‐───-　､
　　　　　 ＿　─｀　　l　 　 　 　 　 ､　　`ｒ＜￣:::/
　　　 ／ 　 　 　 　 ,　〉.　､　　 　 　 ＼__j:::::::＼_|_
　　∠ -─ フ´　　 l ./|ヽ_ﾍ＼＿_＼　､＼:::::::::::::::::＼
　　　　　r'/　/　　｜|　!　ﾍl　 ＼_｀ヽ　＼ヽ、::::::::::::/
　　　　　〉　/　　-７l.!　l　　ヽ　 　＼ ヽ　ヽ､ヽ:::::::::人
　　　 　.'　,'　 !　　i　l　　 　 　 ＿_,rz ヽ}　ヽl ｀::／　 ＼
　　　　 l /:l　 |　　|　 _,,z 　 　 ＝＝"　rへﾍｰ!´ヽ, ‐, 　＼　　　　　　　　　　　　　　 有名な神様よ
　　　　 K__| 　ヽ　ﾊ彡"　　　 _　　　　 __,イ｀ rﾍ / /.　　 　＼
　　　　　　 l 　/入!､!　　 　 く 冫 　 ／　! !　 l　i' /っ､　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　今でも三輪山の大神神社に祀られてるわ
.　　　　　　 ∨/　/ .>､　＿＿___ ／l´ヽ､j/　 f　 {　｀l　ヽ　 　 　 ＼
.　　　　　　　 ,'　/　/　!　　| /:::;j_　/:::::::/　　A　そ_,ﾍ 　 ＼.　　　　＼
　　　　 　 　 l　/　/　 |　 イ:::::|´ ｀!:::::::/　　//::ヽ／　ﾊ､_ 　＼　 　 　 ＼
　　　　　　　 |/ 　,　　 |,ﾊ:ヽ::::|　 ,'::::::/　　//:;;／／'／ﾉ　l 　　＼.　　　　＼
　　　　　　　/　　,　 　 !ﾍ〉､ヽ:! .,':／//　/. ＼／／ ／ 　 ヽ 　 　＼　 　 　 ＼
　　　 　 　 /　　,'　 　 ﾉ///}_ﾍ!.!/´//　,'　＿ ｀l､／ 　 　 　 }　　 　 ＼　 　　　＼
　 　 　 　 ,'　　 ,　　 /k　 '　' ﾄV/'//　 l　　　 i､｀ヽ、　 　　/　　　　　　＼　＼ 　 ＼
.　　　　　 !　　 l　　ｲヽ、ヽ､△ヽｲ/!　　!　 　　 ＼ 　￣￣　　　　　　　　　＼　＼､　


━┓
┏┛　　　　　⌒
・ 　 　　 ＿＿_⌒
　　　 ／　―　乂＿＿＿_　　　　━┓
　　／ノ　　(●／　　 ―　＼　 　┏┛
.　｜　(●) 　 | 　 　 (●)　ヽ＼　・
.　｜　 　 （__ﾉl　 　（⌒　　(●) |　　　　　　　　　　　　　おーみわ神社？
.　│　 　 　 　〉　 　 ￣ヽ__） 　 |
　　＼＿＿／´　　　　　 _＿_／　　　　　　　　　　　　　 有名なのかお？
　　　　　 /|　　　 　 　 　 ヽ
　　 　 　 | |　　　　　　　　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ-ｌヽ―- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,..-‐￣: :. :|: :. :. :. :∧
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／:. :. :/: :i :∧:ﾄ: :. :. 廴）ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /／7: :/:,.._|/　|:|>-‐|: : :|ヽ.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |: :,ｲ ∠L　 ヽL--ｧ: |: :|　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 | / |:ｲセｆ 　　 !='ﾊ: :ｊ､ |イ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 VﾍV:|　　＿＿　　〉/ﾉ | :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨ゝ､ !‐ ‐┘／ｿ: : ｊ: :|　　　　　　　　　 旧大和国の「一宮」とされていているのよ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : ／｀7 　 } /: : /:. :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: :/　　|ﾐ-彳/: :./ヽ :|　　　　　　　　　 有名も有名、超メジャーよ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| :ｊ ＼. |丶イ: : :/　　ｌ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾚ'　ｌ　 L＿/:. :/...　　||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |ヽ__|　|-/,|: : /┬‐〒|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |: |　|　| ゝｲ :/　|　 :| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |:.|　ｊ　| | | |:/　 |　 :| |
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |:.|　「 .Lﾊﾊ|'　　ｌ　 :ｌ |


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　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
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(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　 おおう？
.＼　“　　／＿＿|　 |
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　　　　　　N./"ｨ,　　　　 　 　 　 ｀ヽ.、　__
　　　　　N､（ (　　　　　　　　　　　　 '"´､´
　　　　N､ヽ､ヽ　　　　　　　　　　,.　　　　ヽ
　　　ヾﾐ､ヾヽ　　　　　　　　　,.ﾉﾊ.　　　　 ﾞi
　　　　ゞﾐ、`　　　　　　　 .::ノﾉj'　ヾ､　　　.i
　　　　｀ミ:.､._　___､.　__.::,:彡ノﾉ_,.. _ゞ:、　　!
　　　　　　rﾞt=' ＜(;`)ヽ}＝{'"(´;)＞｀==tr '、
　　　　　　}'^　ヽ　　.:: ソ;　ゝ'、　　丿　' ^゛}
　　　 　 　 ! (、 ｀￣´　〈r;、　 ￣´　u　 ) .!
　　　 　 　 ゝ┤ u　　　__ ＿_　　　　　 '_ノ
　　　　　　　　ﾄ　　　　´ー一'`　　　　 |
　　　　　　　　| ＼　　　..::~"　　 　 .ｲ .|
　　　　　　_,....j　 : ＼　　　　　　／ .:! .|　　　　　　　　　　　　　　　いちのみや…？
　　　　 _/　{:.:.:.＼:..　＼.＿__.／　　;i　ﾄ､
　　,..ィ´/　 ヽ:.:.:.:.:.＼　　.:::.　　　　　 ﾉi　ヽ　　　　　　　　　　　　　愛知の地名か？
／　/　i' 　　 ヽ:.:.:.:.:.:.:.＼　　　　　／ .:.|　 ヽ､
.　 /　 　 　 　 ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀＞-＜ .:.:.:.:|　 　 ､＼
_../　 　 　 　 　 ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.／　　　＼:.:.:.|
./　 　 　 　 　 　 ヾ:.:.:.:／ヽ　　　　 /:＼|

　　　　　　　　　　 ,　-―/ｌ-/／
　　　　　　　 　 ∧: .: .: .: :|: .: :￣‐-..,
.　 　 　 　 　 < 廴） : .: :ｲ:∧: i: :ﾍ: .: .:＼
.　　　　　 　/ /.:|: : :|‐-<|:|. ﾍ.!_..,:ﾊ: :lヾ:ﾊ
　　 　 　 ／　|: :| :.r--_l:/ 　_lﾝ､ :ﾄ､ :|
　　 　 　 ＼イ| :,i.: :ﾊ'=!　　 f刋.ﾄ:|:ﾊ |
.　　　　　　 |: | (.ﾍ〈. 　＿＿　　|:V/V
.　　　 　 　 |: :i : ﾊ:＼└‐ ‐ﾞ _ノ.∨
　　　　　　 |: : V:∧ {　　f´＼: : .|
.　　　　　　|: / V:∧､ﾄ-ｲ|　　V:｜
.　　　　 　 |ｌ　　V:∧〉.- '| .／ !: |　　　　　　　　　　　　　　　 反応薄いわね…
　 　 　 　 ||　 　 V∧＿__!.　ｌ. ヽ!
　 　 　 　 |〒‐┬V: :!ｉﾊ-|　|._./:|
　　　　　　| |: 　|　V ﾄ.ゝ｜ !　|:.|
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　　　　　　| ｌ: 　ｌ　　ﾞ|ﾊﾊ_l. 1　|.:|


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　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　　　　　　　いや…その「一宮」ってのは
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　　　凄いのかお？
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ　　　　　　　　　　　　 そうだぞ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　その「一宮」とはどういう称号なのかも
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､　　　　　　　　　　　　　俺たちにはまるで分らんぞ
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　.-´　　　｀｀ヽ
　　　　　　　　　　 ／ ⌒　　　　　 ｀ヽ
　　　　　　 　　／　　　　　 　　｀ヽ 　ヽ
　　　　（（　　 /　（●）　　 　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　|::⌒（__　　 （● ）　　　　　|
　　　　　　　　ヽ 　 人__） ⌒::::　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　で、かがみん
　　　　 　　　　 ヽ（__ン　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　人　　　　　　　　　　　/　　| |　　　　　　　　　　　　 この「一宮」ってのはどういう…
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　＿ノ　　ノﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |


　　　　　　　 ,. .-'_",...,．‐: : : : : : .::|: : : : :､、: :｀:丶､
　 　 　 　 ／-''".　'"　　　　　: : :::;.!: : : : : ::ヽ: : : : : ヽ
　　　　／'´,,,,／　　..... . . , : : ::/::/ i: : ､: : : :::ﾍ: : : :.ヽ:｀､_
　　　　 ／;;; ′. :.:::::/: :./: : :::/!::;'　 !: ::|i､: : : ::ﾍ.: : : :.ﾍ;ﾎ;;;＼
　　　 ヾ;;;;/: ::/:/::::/: : :i,:-‐:7-:::!　　V: l.i.>‐:-:､;i: : : : : :V!;ヾ;;;＼
　　　　 У:,;ｲ:/::::/: : .::j: :.::/　|::!　 　 Ｖ:l i. ＼: :.:j:. : : : : '{!;;;;ﾍ;;/
　　 　 ,/:./;;i:j:::::::i: : .::::!: :/ 　 l:!.　　　 Vj ﾞ:、 ＼::}:. : : :j:. {;;;;;;;;;;,
　　 　 〉/;;;;;!i:::::::j: : ::::;l:,;/二__|!　　　　 ヾ __ｚ‐ﾆゝｨ: : :.|';, !;;;;;;;;;〉
　　 　 !' ヾ;;!!:::::::}: : :::{.丁勹ホト　　　　　/'"｣不｢ﾊ:. : :.!';;;,j;;;／
　　 　 　 　 i!:::::ﾊ: : :∧　｢::し'::|　　　　　　｢::し'::|　,!: :./:!;;:ｲ
　　　　　 　 ,!:::j: :i; :::!ハ ヾ:,,,,:ｼ　 　 　 　 ヾ:,,,:ｼ　/ｌ :/: : : :!
　　　　　 　 l:i::|: :::l､:ト-:i 　 　 　 　 '　　 　 　 　 厶|/: : :.|:.|
　　 　 　_　 |:Ｎ: :.::!ヾ:::::iﾄ､　　　　　ｏ　　 　 　 ノ:::::}!:: : : l:.|　　　　　　　　　　　　　えーっと…ね
　 　 　 l　l　||: : : :::!: :::::::il　｀丶 ､　　　,.,. -: '"|i::::::::,!::: : : ｌ:l
　　　　 ｌ　l　!!: : : ::|i: : ::::::!　_,r'"´l ﾞ¨ﾞ　!｀ヽ、.j!::::: :j!::: : : :l:!　　　　　　　　　　　　　「総社」とか「大宮」に近い呼称の事なんだけど
　　　 ,-:、 !、!: : :.:::!:i: : : ::f'´　 |'" 　 　 ｀|　 ﾞ/:: : :,'|::::: : : jl
　　／i. ,ゝ-ヽ!: : .:::|:::j: : : :.!　　 l''"￣｀` l　 /: : : :,､|::::: : :!:|　　　　　　　　　　　　　 その国一番の神社ってことよ
　 ｛ 、ﾞ､>ｧ　 !: : .:::l, '`i: : : :i､　　l.　　　 j　./: : : :/:久::: : :!:l
　　ﾞ:r`‐'　　 ,! : ;ノ　　 '; : : l､＼　!　　 j　,ｲ: : : :/'゛　ﾞ､: : l:.!
　　　ﾞ':,　　　{'"　　　　:..',: : :l､＼`:i 　 i／,ｨ: : :./i:/　　ヽ: |:|

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　　　　　 ほうほう…
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
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　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、 　
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　 　
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l　　
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|　　　　　
　 ＼`.、_　　__ ,. _彡'ﾉﾘ _,.ゝ、　 |　　　
　　　｀ゝf‐　＿ヾ二r .＿__,, y=ﾚヽ.　 　　　　
.　　　 |fjl、´￣ .ﾘj＾ヾ´｀￣` ﾉ ﾚ ﾘ 　
　　　　ヾl.`ｰ- べ!ﾞ‐ ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　
　　　　　 l　 　 f,.ﾆﾆﾆヽ　u　/:|　　　　　　　　　　　　　　　　　 その、「総社」と「大宮」というのは？
　　　　 　 ﾄ､　 ヽ.＿_.丿　 ,ｲ　|　　
　　　　　_亅::ヽ、 ー 　 ／　i　:ﾄ､　　
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l　　　　
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　 `ヾ:､_ｰ-‐l`ー‐-　 _
　　　　　　_,..-'',.´　　, ,|　　:、｀ ､ ｀ヽ
　　　　,.-'_,..／ , 　 / ハ |、 ﾞ､　 ヽ　｀､_
　　　'"　　/,　/　,.ム,'　ﾞ､iﾞ:￣i、　 ﾞく;;ﾞ{;;;;,､
　　　　　 /ｲ　!　/　l:!　　ﾞ、ﾞ:､ i. 　 lヾ､l;;;;;;;;;,､
　 　 　 　 r!　l　/　 |!　　　x_,,ヽ!、 .l;;;;;j;;;ｼ'''ヽ
　 　 　 　 ﾊ.　{∧ィ=､　 　 '"⌒　}､ |７,<ヽ. /
　　　　 　 V〉/'　!　　　'　　　　 ,､__N´ヽﾐﾄﾞ'､
　　　　　　 ｢ﾞ' 　 ト ,、_ T_ﾌ_,uイ,r:'′　　ヽシ
　　　　　　 l　　 ｜|j!i!,.云｢／ / i　　　　 .}l
　　　　　　ハ　　| .|j!i/　//　/　i　　　　,.ﾍ:i
　　 　 　 /: :ﾍ　,ﾉ |.!j ./イ ./ 　 !　　 ／!: :.ｉ!
　　　　　,'. : :,'//＿じ'シi ./　　　　／ |:.|: : :.!　　　　　　　　　　　　　「総社」の方はえーっと…？
　 　 　 .i : : ;/,「 　 ,.､｀`!/、　　ィ"　　|:j|: : :.l
　 　 　 ｌ　: / ハィ´i|ﾞ:、'　 >　 / 　 　 |:|.!: :　!
　　　　j　 :,' .| /　/|　ﾞi､／　　{　　 　 |:!.l :　 l
　　 　 l.　 ! /　｀`' |,,-'′　 　 |　　　 .|j. l: 　 l
　　 　 !　 l (、７'''''宀‐r- .､　　| 　 　 |l　|　　|
.　　　 l　｜　//　|　　|　　l ｀マ 　 　 ﾘ　| 　 |


　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　 　 /` ｰ''"´　.,,_ 、　｀丶、
　　　_,,.-‐,7　!　　　 ｀ヽ、｀7～⌒;;;,,,､
　 ,.:'' '"/　!　ﾊ _　　　　､ヽ{;;;;;;;!;;;;;;;;;;;;;;;>
　　　 / j :| .,'! ﾍ｀l､: . 　 ヾ＼;;;;lﾞ､;;;;/ｨ′
　　 ./,:' !::j ｉ::l　,xｬ､:､: . 　ヾ;;;;;;;;|::Ｙ: :{
　　 l/　j::::!l;'ﾊ. 行､:、ヾ: .　 ﾏﾞﾞﾞ:::i: : : i
　　 ′　!:::}/　! ﾋ! ヾ:、 ｀ヾ､∨:::ハ: : :i
　　　　　∨　！　　　　u　イ/`: /l: :i: : :i
　　　　　　　　 ` ＜Ζ...u　/::　/:N: :.ｉ: : i
　　　　　　　　　　　 ,r＜!':　 /_ヾ､!: :!: : i　　　　　　　　　　　　　　　 ヤン先生
　　　　　　　　　　 r/ //　 .厶‐二ヾ:.!: : i
　　　　　　　　　　,!i./７　 ,:' '"　　　 ';.!: : i　　　　　　　　　　　　　　　なんでしたっけ…？
　　　 　 　 　 _,.-宀､7　, '　　　　　　ｌ:l :　i
　　　　　　／　 ,,　　i　/　ﾞ:,　　　　　ヾ!:　j
　　　　　　ヽ、/ﾊ　 j./ 　 /　　　＿　 ﾉ　｜
　　　　 　 　 / l. Υ ′　 ﾞ-､∠-二二!|　｜
　　 　 　 　 / j|　 l　　　　　 ﾞ{",ｨ―‐ッ.!　 |
　　　　　　.〈,,｣.|,∠....,......,,__　 ￣:! 　 ! ｜　|
　　　　　　 ヾ/　|　｜　 |　 ｢`''i:､l 　 l ｜　|

　　　　　　　　　　　 ,.．　.::::ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ`ヽ､
　　　　　　　 ,'.　''"´.:.:::::::::::::::､:::::::､:.:.`ヽ
　　　　　 ,.ィ´.:.:.:::::::::.:.｀`ヽ:::::.　　........: : :ヽ
　　　　 〃.::::::l:l:||:i:::::::､:::::::.｀ヽ.::::::::::::::::::::.:.｀ヽ
　　　　 ﾚ'.::::l::l:l:||:|､;;;;:､::､::::.:.ミﾐヽ::::ｨｲ::::::::::::.:.ヽ
　　　　 l:!.:.l.l.:川1ﾄﾐﾐゞﾐﾐミヽ.;ﾆﾆ三彡::::::::::::::::::｝
　　　　 ﾘ.:;l.l.:ﾄﾄ､ミﾐヽ＞=＝'''''' `ヾミミﾐヽ:::::::::::}
　 　､ _ノ,;ﾉﾉﾉ,. 'ﾆヽ｀ﾞ`'‐t〒ﾃ 　::　ﾐﾐﾚ' ヽ::::､::::ﾞi
　　　彳i.:lj小 ,ｨtﾃ;冫 　 ｀￣　　::　ﾉﾉ い´',::i:!:::ﾘ
　　　　 V,;i.:l.',　´~ﾉ　　　　　　　　　′)_ノ/:!N::(
　 　 　 　 ｀`ﾊ　 く .:.;;;.　　　　　　　 　 ,..ｲl.:l.:.:.VV
　　　　　　　ヾ',　　　- 　　 ,.　　　　 /ハi.:l.:l.::.:ﾉｿ　　　　　　　　　　　　 「総社」っていうのは、古代律令政治下における
　 　 　 　 　 　 ﾞ､　´ﾆ二´　　　　　/　 ﾉﾊl.:ﾘﾘﾉ
　 　 　 　　 　　 .ﾞ､　　　　　　　 ／　　 _ノﾉ:＼　　　　　　　　　　　　　　祭祀の制度で、畿内の七道諸国の国衙近くに鎮座する
　　　　　　　　　　 ﾞ､　　　　　／,.　'´.:.:::.::::::::::::.ヽ
　　　　　　　　　　　 `ーｪ‐'彡'´　／ヽ.::::::::,. .:::‐‐＼　　　　　　　　　　　由緒ある神社に限られる名称のことだよ
　　　　　　　　　　　,r'7⌒i`ヽ.::::く_／.:rｪｭｲ─- ､:.:.:.＼
　　　　 　 　 　 　 /　′/:l::::::.',.:::::::,..ム______ フ´¨¨¨¨｀`ヽ､
　　　　　　　　　　{ぃ.　/.:.:l.:::::::レ'´. : : :,r'"´. : : : : : : : : : : :.`ヽ
　　　　 　 　 　 　 い / _／:/.: : : ｀¨`7.;;;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..',
　　　　　　　　 ,r'´.:.:::::::::::::/.:::::::::::::::::/.;;.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:::l
　　　　　　　 /.:.:./.:.::::::::::/.:rｭ.:::::::::::::i.:;;;;;;;::::::::::.:.- ==＝= ､:.:.:.::.:i



　　　　　 　 ＼ー: . .､
　　　　　　　　 ＼: : : ｀ヽ､r―: ､-‐: ''''''': : - ､
　　　　　　　 ,. : ´:｀: : : : : l: : : : : : : : :,.-､: : : :＼
　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : {: : : : : : : : : : : ヽ: : :＿､＿
　　　 　 /: : : /: : : : : : : : ,'Ⅵ: : : ,: : :∨: : :.∨/ﾊ///ﾊ
.　　 　 /: : : /: : : /: ;': : :/{ ∨: : :l＿:_;!: : : : :∨//＼//
　　　 /: : ,イ: : : /--|: ､,'　!　∨´:|∨: ﾄ: : :{: : ∨///ﾊ
.　 　/_, ｲ: :|: : :/: : /l: /　 |　　∨:! Ⅵl∨:.:|: : :.∨//,ｲ
　　　　　l:./!: :/ﾊ:,ｲ下㍉　　　 ｲ斥圷ｱﾊ: ﾄ､: : :l/イ:.{
　　　　　 　{:/　 l: ﾊ 弋j　,　　　弋z)ｿ 　 ﾘ_ﾉ＼:!: :j: :|
　　　　　　 |'　　 ﾘ八 　　 　＿ ,　　　　 ,　　从lﾘ: ;': :{
　　　　　　　　　　 Ⅵ＞　. 　 　 　 　 ィ　　/ /: : /: : !　　　　　　　　　　　　 そう、そうでした！
　　　　　　　　　 　 　,ィ´／≧ー=≦　 　 ,' /: : /￣｀ヾ､
　　　　　　　 　 　 　 {　 ヽ､　 　 　 }　 　 { l: : : {　　　　ヽ　　　　　　　　　　 そんでもって、「大宮」の方は
　　　　　　　　　　　　}　　　＼　　/　　　 ヽ: : : l　　　　　}
　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　 /　 /!　　 rー!: : :.; 　 　 　 /　　　　　　　　　　 地方の有力社を地元民が通称するのよ
　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　 ､　/::::､＿_,ィ::|: l: ;　　　 　 {､
　　　　　　　　　　　/　　　∧∨::::::::::::::::::l: |:ﾊ:{　　　　　Ⅵ
　　　　 　 　 　 　 /　　 　 {　 {::::::::::::::::::::|:ﾘ{ jﾘ　　　　　 ､ ヽ
　　 　 　 　 　 　 /＼＿_　 !　 !:::::::::::::::::::/｀ヽ､＿ 　　　　}　　＼
　　　　　 　 　 　 ＼＿＿__|　 |＼:::::::::::::{＿ 　　　￣￣￣ヽ　　　ヽ
　 　 　 　 　 　 　 　 }　　　|∨j　 ＼:::::::::::::::Tー- ､＿＿__/　 　 　 }

　　　　　　 ,. ─- ､,,.＿__
　 　 　 ,ｲ〃　 　 　 　 　 ｀ヽ,__
.　　　N. {'　　　　　　　　　　 　 ＼
.　　N. {　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.　 N.ヽ｀　　　　　　　　　　　　　　　〉
　 N.ヽ｀　 　 　 　 ,.ｨｲ从　　 　 　 /
.　 ヾミ.＿__-‐=彡'ノﾉﾉ__,ゞミ=-_rく
　　　　lrf´ゞ“ﾓ=ヾｰf =ﾓﾁ＜}rv^i !
　　　　ヾﾄ、｀￣,り「弋! ￣´ノ　ソ
　　 　 　 !　￣　 ii{_,.　 ￣　　/r'´　　　　　　　　　　　　　　 どうも、後者は適当じゃないか
　　 　 　 ,ゝ、　 ｉｰ-ー､　　, '　|＼
　　-‐''7´　ドヽ. ｀ニﾆ´ .／;;　 |　 ヾ''ｰ-　　　　　　　　　　　もっと厳格に決めたりしないのか？
　　　 /　　 ﾄ､　` ｰ-- ´　,;'　,ｲ　　:|
.　　 /　　　:ト､` ｰ-､ r--‐_'´/　　　|
　　/　_,..､-‐＼ ￣! ﾚ' 厂　/へ、　 :|
　　T´　ヽ＼l.0| 　 V / 　 / /　 ＼　|


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　　　　　　　　　　　　＿ ,..: :　　　　: : ミ ､ 　＿＿
　　　　　　　　,........-{: : : ｀: : : : : : :´￣｀ヽ､＼///ﾊ
　　　　　 ,. : :´_,.. : : :':,: : : : : : : : : : : : : : : ､｀ヽ､r777ヽ
　　　　／-‐,ｲ: : : : : : :':,: : :､: : : : ､: : : : : : : : :､:.＼///}
　　　　　　/: :,: : : :,: : : ﾊ: : :∨､: : :＼: : : : : : : V｀/＼/|
　　　　r-/: : ,': : : l: : : l l ヽ: :',　＼: : :､ヽ- ': : : :V/////
　　　 {/ｲ: : ｲ: : : :ﾄ-:､l__! 　ﾞ､:',　　 ,イ´tォｧ＼: : V//ｲ
　　　 |/,|: : ﾊ: : : :ﾊ: : {. |｀ヽ　｀＼/　ﾄ､_心　 l ＼: l- ':|
　　 　 V|: //ﾊ: : :| ヽ: !＿,ｯ 　 　 　 弋z(ｿ　 {: : :＼: :ｲ
　　　 　 !:{￣/ヽ: :! ､ヽ!￣　 　 '　　　　　　　ﾉ!: : : : : |',
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　　 　 　,:'　　　　/: : : :',´￣{　| ｀¨´　 |　', 　 !: : : : :.:|:.!　　　　　　　　　　　　　　　そうかしら？
　　　　, '　　 　 / l: : : : ﾊ.　 ! ,|　　　l　ヽ.!　　|: : : : :ｲ｀ヽ､
.　　　/ 　　　 /-''∨: : : : l　 ',´　 　 l　　 l.　　|: : : : :.|　　 ＼　　　　　　　　　　　　むしろ、後者の方が人々から厚く信仰されて
　　 /　　　　/l　　 ',: : : : :.!　 ヽ 　 　 ＿/　　 !: : :.:.:.:|　　 　 }
.　 / 　　　　,. |　　　､: : : : !　　 }＿_ ´　{　　　|: : : : :.|　　 　 |　　　　　　　　　　　 地位を獲得したんだし
　 {　　　　,.ｲ　!　　　 }: : : : ! 　 |:::::::｀ー:|　 　 |: : : : :.|　　 　 |
　 ｀ ー ´- '|　|　　　 |: : : : |　　|::::::::::::::::| 　　 |: : : : :.|　　　,.ｲヽ

　　　　　　　 `ヾ:､_ｰ-‐l`ー‐-　 _
　　　　　　_,..-'',.´　　, ,|　　:、｀ ､ ｀ヽ
　　　　,.-'_,..／ , 　 / ハ |、 ﾞ､　 ヽ　｀､_
　　　'"　　/,　/　,.ム,'　ﾞ､iﾞ:￣i、　 ﾞく;;ﾞ{;;;;,､
　　　　　 /ｲ　!　/　l:!　　ﾞ、ﾞ:､ i. 　 lヾ､l;;;;;;;;;,､
　 　 　 　 r!　l　/　 |!　　　x_,,ヽ!、 .l;;;;;j;;;ｼ'''ヽ
　 　 　 　 ﾊ.　{∧ィ=､　 　 '"⌒　}､ |７,<ヽ. /
　　　　 　 V〉/'　!　　　'　　　　 ,､__N´ヽﾐﾄﾞ'､
　　　　　　 ｢ﾞ' 　 ト ,、_ T_ﾌ_,.イ,r:'′　　ヽシ
　　　　　　 l　　 ｜|j!i!,.云｢／ / i　　　　 .}l　　　　　　　　　　　　　 そっちのほうが一番の神社って感じじゃない
　　　　　　ハ　　| .|j!i/　//　/　i　　　　,.ﾍ:i
　　 　 　 /: :ﾍ　,ﾉ |.!j ./イ ./ 　 !　　 ／!: :.ｉ!　　　　　　　　　　　　　自然に人達が尊敬し、尊敬され続けられていく存在…
　　　　　,'. : :,'//＿じ'シi ./　　　　／ |:.|: : :.!
　 　 　 .i : : ;/,「 　 ,.､｀`!/、　　ィ"　　|:j|: : :.l　　　　　　　　　　　　 それが本当の由緒ってものよ
　 　 　 ｌ　: / ハィ´i|ﾞ:、'　 >　 / 　 　 |:|.!: :　!
　　　　j　 :,' .| /　/|　ﾞi､／　　{　　 　 |:!.l :　 l
　　 　 l.　 ! /　｀`' |,,-'′　 　 |　　　 .|j. l: 　 l
　　 　 !　 l (、７'''''宀‐r- .､　　| 　 　 |l　|　　|
.　　　 l　｜　//　|　　|　　l ｀マ 　 　 ﾘ　| 　 |


　　　　　　／￣二ﾆ= 、　　　　 ＿_, --―=＝ﾆ二≧.＿_
.　　　 　 / ／　　 ､　　＼　　／/ ｽ､　　 -=○≠‐ゝ,-‐　｀ヽ
　　　　　ﾚ'/　　　ヽ＼＼　`< .ｲ /　-‐=≠ﾆ二＿　/￣ ｀ 　 }
　　　　　ﾚ'　 , -‐ 　ﾊﾊ　ﾄ､　':. ｜-‐　_,.=ｧﾃ从:.　（_､￣｀　　'.
　　　　　|　 // /／　 ｜lｉ ﾄ､,(］ |.ｨ=彡'／ﾙ'‐-ﾊﾄ､ヽヽ　　　　＞―=ｧ‐―--
　　　　　|/// /　　　 | l 川ﾄ､ｿ ﾙ'.:://(　 行㍉ヽ ﾉﾊ_;ﾊ　　_/　　ｒ‐'　　￣
　　　　　|//　　 　 　 | l' ﾑィ斗くﾊ:l八　　 ｀ﾆ=　 （ｆﾊﾘ:j:;>く.{　 ノl＼
　　　　　|/　　　　　　| ﾄ､::::V人ゞ ﾘ　 　 　 　 　 _､〉/:イ　　 ＼ﾆ{ ヽ＼
　　　　　'　　 　 　 　 | |',ﾊ::::）ﾉﾉﾌ′ 　 　 ＿_ ､_ ´/人ゝ　　　 ｀ヽヽ＼＼
　　　　 ,　　　　 　 　 | |'i 川'((.:/　　　 　 ´　￢｀ /　　　　　　　　 ＼ ｰ==ﾐヽ
　　　　 |　　　　　　　 , ﾘ/{/￣￣｀ヽ＼　　　　　/　　 　 　 　 　 　 　 ー=､ ヽ
　　　　 |　　　　　　　,'　//　　　　 //lﾄ.＼＿ ..ｨ＿　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　 まぁ、「総社」も国衙の隣という重要な場所に配置されてるから
　　　　 |　　　　　　 ,　//l＼ー-=//　|　＼_|_,ﾍ　∧ｰ‐≠ﾆﾌ￣￣￣　ﾌ77ｱ广
　　　　 |　　　 　 　 l　l/ |ヽ ＼ //､__,l｀ヽ　　 ﾉ}/ ハｰ-=ﾆ、　　 　 ／ // /／　　　　　　　　　　　そもそもその場所が国衙を奥に適した由緒のある土地だから
　　　　 | 　 　 　 　 l　; /|　 ＼{{　 ｰ-=二ﾆ=-く'_/＿}ｰ-､ 　ヽ＿／ /// /'
　　　　 |　　　　　 　 /,　|　　　ヽ　　　＼＼　　爪　　　　 ＼ {　 |　/// /　　　　　　　　　　　　　　自然と人達からも信仰されていくから、両者共に凄い神社だろうね
　　　　｜　　　　　l //　|i　　　　',　　　　　 ＼{ l,ハ　　　 　 ';i　 |'/// /
.　 　 　 l　　　　　///　 ||　　　　 ',　 l　　　 　 ＼ヽ}　　　　　ﾊ　|'// / 　 　 ／
　　　 　 .　　　　//ｲ i　l||　　　 　 ヽ. l　　　　 　 　 |￣￣￣｢' | l|i/ /　　 ／

　　　　　　,,､-''"´￣￣｀｀`ヽ､
　　　　,／　　　　　　　　　　　`-､,,＿
　　　,/　　　　　　 i, ;　　　　　 ﾞミ三ｰ''"
　　 /　　　　　　　ﾊﾊ　　　　　　　　ヽ,
　　i"　,/　/　,〃i/　 い、　＼ 　　いN
　 /　,/　,/ノ /　,ノﾉﾊ　ﾄ,、　ミ`'ー Ｖﾘ
　 | ﾚ'　　　_,,､ｧﾁ-ーﾋヽ| ゞﾋs、ミヽ　i
　ﾊ　　rﾍ ｱ'　 <ﾓﾃ;;　　 ｉ' zｯ､｀i　　ｿ
　 ﾞYf iﾞ　|ﾄ　　　 　　　　:i　｀｀　ｲ, ノ
　　いヽ　ﾞ!,　　　　　　,_　;､　　 ,ﾀ"　　　　　　　　　　　 そう、人達から尊敬されるからその地が地名として記憶される
　　　`i, `r､　　　　.._＿｀＿　　,ﾘ
　　　 ｸ',ﾍ ﾞ:､　　　 `''ー‐'´　 /ﾞ　　　　　　　　　　　　　愛知県の尾張一宮市、岡山県の総社市…
　　　ｲ,ﾍ　ゝ＼.　　　 ￣　 ／
　 f￣`''ー─--ﾐ''-､,,＿,,イ!‐-､､,,_
,／　　　　 　 　 ﾞi,⌒ヽz￢"ﾞヽ　　 i
　　 　 　 　 　 　 ﾄ　　ヾぃ　　）　　L,,＿


　　　　　　　　　　　　　　_,,,.-―''''"￣`''-,‐'´－--- 、
　　　　　　　　　　　　, ''"　　　　 ｒｒ、　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　 ／　　　　　 /iiii（从川　　iii　　　iii;;　＼
　　　　　　　　 　 ﾉ　　　　　　/iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiｌ　ii iii　　　iiiiii　　＼
　　　　　　　 　 /　ｉ　　　ノｊノiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii|　ii iii　　 ｊiiiiiii　ﾞ､ヽｊ
　　　　　　　　/　ﾉﾝiii;;;iiiiillllliiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii ;;〃iii ／j八iii　 }
　　　　　　　　!iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii_,,,.-ｧiiiiiiiiiiiiiii〃,‐'ﾉノｰ_＝ 〉ｉｉｊﾘ
　　　　　　　　ｉ、iiiiiiiiﾍ_ｉｉノ::::／iiiiiiiiiiiiiiiiiノ:::::::ｒ ' I!:::　 {jﾉjﾉ
　　　　　　　　 ｉiiiiiiiiiゝ:::::::／iiiiir'´ヽii 〔::::::::　　￣　　　＼
　　　　　　　　 ﾞ､iiiiiiiiii　iiiiiiiiiiiii{　斤ヽ ヽ::::::.　　　　　 ___ノ
　　　　　　　　　 ｉiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiヽ､爪弋ﾐﾞ::::::::::　　　　　 ｊ
　　　　　　　　 　 ＼iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii`Y´::::::::::::::::　　　　ｰ=!
　　　　　　　　　　　 }iiiiiiiiiiiiiiiiii/ﾉﾉ从::::ﾞ､::::::::::::..　　　'ｰｆ
　　　　　　　　　　　「iiiiiiiiiiiiiiiii/iﾝﾉjﾉ::ﾞ､: ヽ::::::::::::: 　　　ｉ　　　　　　　　　　　　　いずれも郷土の人たちがその地の神社を誇りに思って
　　　　　　　　　　　ヽi_i_ii_iiiii∧ﾘ:_:_:_:_ヽ;;;: :`''‐-、＿,,ノ
　　　　　　　　　　　　|llllllllllllllllllllliiiiiiｉｉｉｉiｉiiiｉｉ＼〔＿__　　　　　　　　　　　　　　　 自分たちの市の名前にあてたわけだ
　　　　　　　　　　　　|lllllllllllllllll＿llllliiiiiiiiiiiｉｉｉヽ与､-、ｉｉ､
　　　　　　　　　　 r'´`ヽ!!!ｌｌｌｌｌ|＿ ~`''}ｉｉｉｉｉｉｉ| ｉｉ|　　ゝ＼ヽ
　　　　　　　　　／llllllllllllllll＼llllllllllll`┘ｉｉｉｉｉ| ｉｉii|　　ﾉ　 }ｌL
　　　　　　　 ／llllllllllllllllllllllllllll＼lｉｉｉｉ＼ｉｉｉｉｉ| ｉｉiiii||＿＿_」ｉｉｉ|
　 　 　 　 ／llllllllllllllllllllllllllllllllllｉｉｉｉｉ＼ｉｉｉｉｉ￣ｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾍ
　　　　　　＿＿＿_　　　　　　/ /
　　　　 ／＼　　／＼　　　／ /
　　　／（ ⌒） 　（⌒）＼／　 /
　 ／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼ /
　 |　　　　　|r┬-| 　 　 　 |
　 ＼ 　 　　｀ ー'´ 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　おおーう
　　／　　　　　　　　　 ＼
　/　　　　　　　　　　　 　＼　　　　　　　　　　　　 郷土愛って素晴らしいお
/　　／＼　　　　　　　 　 　ヽ
　／　　　＼　　　　　 　　 　ﾉ
U　　　　　　ヽ　　　 　　 　ノ



　　　　　　＿　　　 　　　__,.. -―――-- ､
　　ーﾆ二_: : : ｀ヽ､|｀ヽ': : : : : : : : -‐ ､: : : :ヽ､
　　　　　　 ,＞: : : :.|: : : : : : : : : : : : : : :＼､: : : :ヽ
　　　　　／: : : : : :.:|: :l: : : : : : : : : : : : : : : ヽ､'//////｀ヽ､
　　　 ／: :_,.: : /: : :.!: :!: : : : : : : : : ､: : : ＼: : :':,////////ヽ
　 　 /: : /: : :/: : : ,.|: : ＼: :＼: : : : :∨: : : ∨: :.ヽ-― ､///
.　　/: : /: : :ｲ: : /: ! ､: ',　＼: :＼: :: : ∨: : : :.l: : : l////｀ヽ､
.　 ,: : :/: : : :.|: : ll__| 　､:.', 　 ＼:,...-､‐‐∨ : : :!: : :l///////ヽ
　 l: : ｲ: : : : :|: ´:.|ﾚ｀　 ＼:, 　 ´＼;l ヽ､: :l: : : lヽ: l//////／
　 |:./ !: : : :./ﾄ:.:.下T::ｭ 　｀　　､＿＿ , ヽ:!､: :.| ､: !/////
　 l/　|: : :./ l,ヽ: :!弋,ｿ　　　　　｀￣ ´　 ｀ ＼! ヽ:l//／|
　　 　|: : /　l//ヽ!　　　　'　　　　　 　 　 　　_,）: /: : : ｲ　　　　　　　　　　　　　　うん…
　　　 |: / 　 l////ゝ､　　　r- ､ 　 　 　 _,イ/l://: : :.:/:|
　　　 l/　 　 　｀￣　 ≧ ､　_ 　　　,..＜ 　 ￣ /: : : /: :|　　　　　　　　　　　　　　確かにそうなのよね
　　　　　　　　　　　　|: : ／　￣ ,´　　 }　　　,. : : :/: : :|
　　　　　　　　　　　　|: <　　　　j 　 / /　　 /: : :./｀ヽ､!　　　　　　　　　　　　　　郷土の誇りって大事だと思う
　　　　　　　　　　　　|: : ＼　　/　 / /　　 ,. : : :/　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　|: : : | }／　 ,.-〈　　　l: : : :,　　　　 　 ､

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／/　∩ノ ⊃
(　 ＼　／ ＿ノ　 　 ＼／ ＿ノ　　　　　　　　　　　 おおう？
.＼　“　　／　　.　＼　“　　／
　　＼ ／　　　　　　/＼／　　　　　　　　　　　　　　どうしたお、かがみん？
　　　 ＼　　　　　　　＼
　　　　　＼　　　　＼　　＼
　　　　　　　>　　　　　> 　　>
　　 　 　 ／　　　　／　　／


　　 _,,.. ,,,-,ｧ‐,v': : : : , '": : : : :,:': : :.:;!: : j! V: : : : : : : : : : ｀ヾ:;;;;-,,,、
　「;;;;;;;;;;;;;;ゞ;;;;;;;､ : :, '　 　 　 /　　../j: : ,'!　V: : :　　　　　　　 ＼;;;;;;｀!
　 ﾞ;;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;i/. , . : : .:::/: : :.:::/ !: :,' ! 　 V: i:. : : : : Y: . . . . .ヾ;;;;/
　　ヾ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;/: ;i: : : .::::/: : .:::/　l: :,' .l　 　 !: :!;:. : : : :.l::. : : : : : :ヾ
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　 〈;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/:./;l: : :.:::`,ヽ､:/　　 !:/　j　　　　i:,.!'^v:. : : :l::::.: : :.l＼: :ﾍ
　　';;;;;;;;;;;;;;;;;/:/;;;!: : :::::/: ::/ ＼,,_j:/, ,.ｉ　　 ､／l:.|　 V: : : :!:::. : : :!;;;;ヽ:.ﾍ
　　 ＼;;;;;;;;;//;;;;;|: :.:::::,!';,;,',_‐-- j/　 j　　　　＿ﾘ,,.. _,V: : :|::::: : : :!;;;;;;〉ヾi
　　　　l＼;;{';;;;;;/|: :.:::ﾊ{ー‐r--┬`　′　　 ｲ--r―rﾍ{:: : ﾄ;::: : : :|;／　 ﾞ}
　　　　|:::::`::'''":λ:.::;'　l! r'゛:::::ﾊ|　　 　 　 　 r‐':::;V! ハ: :j::|i:: : : |
　　 　 |:::::::::;! ::::{ l :;'､　　ﾞ､ト-',ﾉ!　 　 　 　 　!ﾄ-'ﾉ:;'　/ﾍ:.!::|,}: : :.l
　　 　 |::::::::j:! ::::ﾞ､l:j（　 　 ヾ-‐'"　　 　 　 　 ｀`ー'　 l'゛,!:l:::|:::i: :.,'
　　 　 |::::::::|:|: :::::::ﾞ`ｰ:'|.、　　　　　　　　 ′　　　　　,!"::ﾘ:: |::::l:.,'
　　 　 |::::::::|:!i: : :::::::i:::::! `　、　 　 -―---－　 　 ,ィ:!::::::::. :!:::j/
　　　　|::::::::|j::i: : ::::: :i:::|　　　 ＞;　、　　 _,,、‐''"　|::!j:::::::: : |:: |　　　　　　　　 ウチの地元の埼玉県
　　　　|.:::::::|l::::i: : :::: :.i::|　　_/　 ＼　 ￣{,ﾉ ＼ 　 ,!::!|:::::: : :.|:: |
　　　　| :::::::l|:::ﾍ: : ::: : i:|￣ l　　　　ヽ　,<　 　 | ￣｀!!::::: : : j:: |　　　　　　　　 政令指定都市のさいたま市って知ってるわよね？
　　 　 .!.::::::::ll::::::}; : :: : :l|　 ！　　／ ∨　ヽ　 |　　 ji::::: : : :l::: |
　 　 　 ! ::::::::l!:::ハ: : : : :ﾞ、　ﾞ､ ／ ､｀_¨ ´,.ヘ､!　　,!!::: : : : j::: |
　　　　 l :::::::::{:/　 ﾞ､: : : :ﾞ、　　 　 　 | o| 　 　 　 ,',': : : : :.;!:: :|

　　　　　　 _,,.. -‐ヾr-.-.
　　　　　''"ア: : :,: : |: : : : :｀: .j、
　　　　 .ィ, :/: : l: :,:ﾊ:.ﾄ、: : ヽ!jx=:.､、
　　　 /'ｨ: /: : :,!:/|:! l､:!ヾ:､: :､:､ｲﾍ;;;;`;,,
　　　 〈;l: l: : :.7ｧｪ|!　lヾ-弋: :.i:.､|;;;ﾍ;;ノ
　　　　,!:/|:.|:.行牙　　 ｲ牙ﾍ:.ﾄ､{;;;;;;〉
　　　　|/ﾞiＶ{ﾊ└''　　 └-' 'ﾍ:|L!ィ′
　　 　 　 |:.l:'｢ﾄ､　 r‐ｭ 　 .ィf:ﾞl!:::!:|　　　　　　　　 あのさいたま市って、政令指定都市になるために
　　 　 　 |:.|: :.|| ｀,ォｰf''､　|:l:. l::.:l:|
　　 　 　 |::|: : k'" |-‐ｯ'　`l/: /::::||　　　　　　　　 大宮市を吸収しちゃったのよ
　　 　 　 |::j: : |ﾐ､｜ ./ ／!: :/l:::::l|
　　 　 　 |:λ:.|ヾﾐ | /彡彳:.ハ:::::l|
　　 　 　 |ｒ' l: :| `ヾl!彡' j: / 　 ヾl|


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　　　　大宮市？
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　 　 　 　 ＿＿＿＿___ i⌒＼─── --．.._
　　　　　　　　≦──ｫ:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀::..､
　　　　　　 　 　 .．.:.´:.:.:.:.:.:./:.:,:!:`ﾄ:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.＼
.　　　　 　 　 ／:.:/:.:.:.:.:.:.:.:/:.:/ |:.:.! ヽ:.:.:.:.､:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ／////＼＝ｭ__
　　　　　　／:.:斗:.:.:.:.:. ':.:/:.:/　 :.:.|─＼-:-:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨////イ/ﾄ..//｀ヽ
.　　　 　 /／　/:.:.:.:.:./:.:.i:.:.:′　 :.:.、　　＼:.ヽ:.:.:､:.:.:.:.:.:.∨///f示:::::..///》
　　　　 /　　 /ｉ:.:.:.:.:.':.:.斗/　　　　、 ｫ=≠≧ミ:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.∨//:.:.| //////
　　　　　 　 / :|:.:.:.:.:|:.:.:.ｲ＿_ 　 　 ヾイ_ノ::::!　jヽ:.:.:. 、:.:.:.ﾄy":.:.:.∨////
.　　　　 　 /　 |:.:.:.:.:|:.:.:バ忙ﾐ　　　　 |ｲ:::l:::|　 　 ､:.:.:. :.:.:.|ヾ:.:.:.:.:.:∨//
　　　　 　 ′　|:.:.:.:.:|:.:.:|:.:l{ｨ:::|　　 　 弋zﾉ:ﾉ 　 　 V:.:.:!:.:.:ﾄ :ｿ:.:.:.: !￣
　　　　　 　 　 |:.:.:.:.ﾊ:.:.|:.:代ﾂ　　 　 　 ￣: : : :　　 V:.:!:.:.:| :}:.:.:.:i:.:|
　　　　　　　 　 :.:.:.:i　Ⅵ:ﾉ　 ′　　　　　: : : : : :　　 Ⅵ:.:.:|.ﾉ:.:.:.:j:.:|
　　　　　　 　 　 V:.|　 ヽゝ　　　‘¨　　　 　 　 　 　 ＿ヽ:.|:.:.:.:.:,':.:.|　　　　　　　　　　ええ、大宮市は武蔵の国の一宮
　　 　 　 　 　 　 ∨ 　 　 |:＼　　　　　　　　　　 ノイ/:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.!
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |i:.:.:.＼＿＿__　 　 　 |.＿/:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.: !　　　　　　　　　　氷川神社の所在地として有名だったの
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |l:.:.:.:.:.:.:.:.|:./:.:∧　　.才 ,.':.:.:.:.:.:.才 :.:.:.:.:|
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾘ:.:.:.:.:.:.:./ヽ:斗ﾉ≦´ ／:.:.:.:.:.:／ |:.:.:.:.:.: !
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 i:.:.:.:.:.:.:/ /:.j ./　 .／:.:.:.:.:.:／＼ .!:.:.:.:.:.:.|


　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　 氷川神社？
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿__
　　　　　　　　　　 ＿__　,-､ ／: ´: : . . . . . _ . 　　｀ヽ
　　　　　 -ﾆ二_￣: : : _: :l: : : : : : : : : : : : ´: : :＼: : : : :＼
　　　　　　　　　／: : : : : :､: : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ: : :_:_:_ヽ＿
　　　　　　　 ／: : : : : : : : ﾞ､: : l: : : : : : : : : : : : : : : ∨///////ヽ
　　 　 　 　 /: : : :/: : : ,: : ∧: : ﾄ､: : : : :l: : : : : : : : : :∨//＼////!
　　　　　　/: : : :/: : : :/: :/　ﾞ､: :l ＼: : : :ﾞ､,..--ﾍ: : : : :∨///ヽ､//
　　　　　 ,: : : :./: : : :ｲ-ﾄ'､　　ﾞ､: l,..-｀,.二-┬ｧ: ﾞ､: : : : l//////}
　　　　　,: : : :ｲ: : : /_|:_ﾄ_　　　 ＼!イ{ﾄ､//心 ＼:.ﾞ､: : :.|//////
　　　　 /: ／ |: : :/,ﾊ 斥心　　　　＼ 込z（ソ　　ﾞ､:l: : :.!/////
. 　　　/／ 　 |: :////l弋（ｿ　　　　　　　　　 　 　 ヽ!: :.|-┬ '!
　　　 　 　 　 |:/ﾞ､//ﾊ　　　´　　 　 ,　　　　　　　|: :|: /: : |: :.!
　　　 　 　 　 l'　 ｀￣ ゝ､　　 `　　　　　　 　 　 ,.ｲ: l/: : : ,: : |　　　　　　 ええ、五代天皇、考昭天皇の時代に創建されたとされていて
　　　　　　　　　　　　　　,＞ _　　　　　　　_ ,..-'__.!:/: : : :/: :.:|
　　　　　　　　　　　　　　l: : :_:＞ ー ｭ　≦　}　 　/: : : :/: : :.:|　　　　　　 スサノヲとクシナダヒメを祭神として祭っている神社で縁結びで有名よ
　　　　　　　　　　　　　　|: く 　　　　 l 　 　 |　　/: : : :/|: : :.:.|
　　　　　　　　　　　　　　|: : ﾞ､　　　　|　　 /| 　/: : : :/ .!: : : :|
　　　　　　　　　　　　　　|: : : :}　　　/　　/ ,| ./: : : :/￣￣｀ヾ
　　　　　　　　　　　　　　|: : : :l　　 /　　/　 !/: : : :/　　　　 　＼


　　　　　　　　　 ,..-──v'⌒ヽ
　　　　　　 ＿／:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.厂｀ー―ｧ
.　　 　 ／〈::::/:∨:.:.:.:/::.:.:.:/:./:ヽ:.:.:.:＜
　　 　〈::::::::Y::::/:.:.:.:.ナﾅメ|:/ヽ:.:}:.:ﾄ:.＼＞
　　　　ヽ:::/:::/:.:.:,ｨ-|∠_　ﾘ　 |:ｽ:.:|:.:.:. |
　　　 　 〉-ｒ(|:.:./ `ﾄ{:r「　　 ｲﾃﾁ:.:|:.ﾄ:.:|
.　　　　 |:.:.:|:.|:/_ 　´￣　　　ﾋ!ﾉ∧|.:「リ
.　　　　 |:.:.:|:.:.:.:.:ト､ 　 ｒｧ　 　ﾉ:|:.リ
.　 　 　 |:.:.:ﾄ､:.:.:.Ｋ:} 　 ｒ‐ ｒイ:l:.|:.:|
.　 　 　 !:.:.:|__}:.:.:|::::＼_,,>､:＼:l.:|:.:|　　　　　　　　　　　大宮氷川神社十日市って知らない？
　　　　 |:.:/　ヽ:.:.ヽ::::::ヽ　|::::::}:/:/
　 　 　 ∨　　 ヽ:.:.:l＼:::ヽ|:::/|:./　　　　　　　　　　　　露店とかがたっくさん出てくるのよ
　　　　/ 　　.|　 ヽ::ヽ ＼ |∧l:.{　　 r‐ｒこつ
.　　　/ 　 ヽ ﾚく　ヽ:.:ト-ｨ　r'＞'⌒「　|＿ ⌒⊃、
.　 　 {　　　　ﾄ､::}､ ﾄ:.|／　　＼　　|　 ヽ:::厂￣´
　　　 ＼　　　　＼ |:.:| 　 ∧　 } 　 ヽ-イ´

: : : : : : : : : : : : : : :｀: 丶､,／ヽ
.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ﾞr‐.-. .、
: : : :_: : : :_:_: : : i: : /: : : : : : : : :.i: :､、:_:`: .､
.: : :_;.-`く;;;;};;;;-',,,/. . . .　　　 　 .i:. :＼ ｀`丶＼
／;;;;;;;;;／-ヘ;;;;;;;;;;;`;,､: : : : : :.!:　|:::.　 ｀:、
;;;;;;;;;;;;';;;;;|:::{;;;;;;;;;;;;;;;;;;/: .:: : : :/: : :!:::::. : : :ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;/:::::V;;;;;;;;;;;/: .:::j`:ｰ7"!: :j::::::::. : : :.ﾍ
ヾ;;;;;;;;;;/:::::::::ﾄ:;;;;;/: :.:::/!ｬt/、.!: ;'::::|::::: i; : : :i
: : ヾ;;/::::|:::::::|:|`: : ::://:.ﾚﾞト{ﾞ !:/:::::!:::::: !ヽ: :.i
.: :／|:.:::::!::::r''|: : ::;/ /'" ! !:'| j/::::::ハ::: l　 V:|
::':::::::| :::::|::::|　!: :/　　　　 ト| '|:::::/　 !::;l　　 ﾞ:|
::::::::::| ::::::!::ﾍ.｣:/　　　　　 ゞ　{ノ　　 l:/
::::::::::! :!::::l::::::::{`ｰ　 　 　 　 　 〉
:､::::::! :!::::::i:::::::::ﾍ　　　　 ＿　/
`:ｰt| :!::::::::';::::::: ﾍ　 　 'ﾞ―, '
:!::::::| j.:::::::::|':;:::: : ヽー－ '′　　　　　　　　　　　　　　 けど、今は大宮市はもう無くなって
j:!:::::!:l :::::::::|　':;::::. : :＼
!!:i:;:ｨl ::::::::::!　　ﾞヾ､::;,. : ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　さいたま市、大宮区って扱い
,ゞ゛.|!.::::::::::!　　　／／＞:ﾐ:、
l!l!　!:::::::::::l　　／／/´　　 ＼


　　 _,,.. ,,,-,ｧ‐,v': : : : , '": : : : :,:': : :.:;!: : j! V: : : : : : : : : : ｀ヾ:;;;;-,,,、
　「;;;;;;;;;;;;;;ゞ;;;;;;;､ : :, '　 　 　 /　　../j: : ,'!　V: : :　　　　　　　 ＼;;;;;;｀!
　 ﾞ;;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;i/. , . : : .:::/: : :.:::/ !: :,' ! 　 V: i:. : : : : Y: . . . . .ヾ;;;;/
　　ヾ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;/: ;i: : : .::::/: : .:::/　l: :,' .l　 　 !: :!;:. : : : :.l::. : : : : : :ヾ
　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/: :,i: : : :::::/: : :::/　 j: / .j 　 　 i: :!∨:_;.-: l:::. : : :i; : : ﾍ
　 〈;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/:./;l: : :.:::`,ヽ､:/　　 !:/　j　　　　i:,.!'^v:. : : :l::::.: : :.l＼: :ﾍ
　　';;;;;;;;;;;;;;;;;/:/;;;!: : :::::/: ::/ ＼,,_j:/, ,.ｉ　　 ､／l:.|　 V: : : :!:::. : : :!;;;;ヽ:.ﾍ
　　 ＼;;;;;;;;;//;;;;;|: :.:::::,!';,;,',_‐-- j/　 j　　　　＿ﾘ,,.. _,V: : :|::::: : : :!;;;;;;〉ヾi
　　　　l＼;;{';;;;;;/|: :.:::ﾊ{ー‐r--┬`　′　　 ｲ--r―rﾍ{:: : ﾄ;::: : : :|;／　 ﾞ}
　　　　|:::::`::'''":λ:.::;'　l! r'゛:::::ﾊ|　　 　 　 　 r‐':::;V! ハ: :j::|i:: : : |
　　 　 |:::::::::;! ::::{ l :;'､　　ﾞ､ト-',ﾉ!　 　 　 　 　!ﾄ-'ﾉ:;'　/ﾍ:.!::|,}: : :.l
　　 　 |::::::::j:! ::::ﾞ､l:j（　 　 ヾ-‐'"　　 　 　 　 ｀`ー'　 l'゛,!:l:::|:::i: :.,'
　　 　 |::::::::|:|: :::::::ﾞ`ｰ:'|.、　　　　　　　　 ′　　　　　,!"::ﾘ:: |::::l:.,'　　　　　　　 ま、政治の話は分かんないけど
　　 　 |::::::::|:!i: : :::::::i:::::! `　、　 　 -―---－　 　 ,ィ:!::::::::. :!:::j/
　　　　|::::::::|j::i: : ::::: :i:::|　　　 ＞;　、　　 _,,、‐''"　|::!j:::::::: : |:: |　　　　　　　　 郷土の誇りを捨ててまででも
　　　　|.:::::::|l::::i: : :::: :.i::|　　_/　 ＼　 ￣{,ﾉ ＼ 　 ,!::!|:::::: : :.|:: |
　　　　| :::::::l|:::ﾍ: : ::: : i:|￣ l　　　　ヽ　,<　 　 | ￣｀!!::::: : : j:: |　　　　　　　　 政令指定都市にならなきゃならなかったのかしらね
　　 　 .!.::::::::ll::::::}; : :: : :l|　 ！　　／ ∨　ヽ　 |　　 ji::::: : : :l::: |
　 　 　 ! ::::::::l!:::ハ: : : : :ﾞ、　ﾞ､ ／ ､｀_¨ ´,.ヘ､!　　,!!::: : : : j::: |
　　　　 l :::::::::{:/　 ﾞ､: : : :ﾞ、　　 　 　 | o| 　 　 　 ,',': : : : :.;!:: :|

　 　　 ／￣￣＼
　 　／　　 _ノ　　＼
　 　|　　　 （ ー）（ー）
.　 　|　　　　 （__人__）
　 　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　 　.ｌ^l^lｎ　　　 　　}　　　　　　　　　　　　　　 さぁ？
.　　 ヽ 　 L　　　 　}
　 　　ゝ 　ﾉ　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　　 埼玉県民じゃない俺にはわからん話だ
　 　／ 　/　　　 ＼
　 ／　 /　　 　 　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､


　　　　　　　　,, -: '':":´:￣: :`:丶.､,,_ ,. -.┐
　　　　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : :,.: : : : : : :|｀`丶､
　　　　,.ｲ : ,,.-へ⌒;;;,,、: : : : ／　 : : : | : l　ヾ'''‐-ヽ
　　　./　／;;;;;;;;!j;;;;;;;;;;;;;＼ :/　　 　 　 |　:i.　　ヽ
　　 / ,/;;;;;;;;;;;;;l:.|;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　 　 . : :/|　{: :.ﾞ:.､ ﾊ
　 ,ｲ /;;;;;;;;;;;;;;;;l: l;;;;;;;;;;;;;;/ ,i　 `.ｰ-: /-| ,'|: : :.i ヽﾊ
. /;;! '-､;;;;;;;;;;;;;!: :l;;;;;;;;:ィ /:!　 . : :-/―l/ l: : : :i　 ﾞ:}
〈;;;;j　　 `７r-': : :ﾞ!´: //: :!　: : : ﾔT寸′l: : : :|
　｀ﾞ:、　 /:'!: : !: : :l.;ィ＜::j : : : /　！::|　 l: i: : :|
　　 .i､,//::!: : :i: : /⌒ヽ .l: : :/　　　ニ　 !: ﾄ､: |
　　 j::iﾞ:､: l: : : :!: :＼　　 !: /　　　　　 　 ∨ ∨
　　 ｌ:j: : `!: : : ﾊ : : :`:T''ﾚ′　　　　＿_／
　　.l:j: : :.l: : : : :iﾞ:、: : : ﾍ;l　 　 ⊂´-‐ァ
　　j:i: : :.l: : : : :i: :ﾍ　: : :.ヾー―‐ '''"
　　l:l: : :j : : : :.i: :/ ﾞ:､　 : : ﾞ:、 ,、　　　　　　　　　　　　　　　　 おっと、話がかなり脱線しちゃったわね
　　!i : :.i : : : :.i: /　　_ヽ.　　 ﾞ:、`､
　 .j:! : :i　: : : i ,'　,,-'' .ﾆ＼　　ﾞ:、ﾞ:、　　　　　　　　　　　　　　 大神神社の話に戻すわよ
　 .lj:　:i　 : : :i:,',-'' ／　　　｀、､ `:､ﾞ:,
　 j|　 i　　: :.ij',,' /　　　　　　＼＼ﾞ:;.',
　 i|　 i　　 : j!,' /　　　　　　　　＼ヽ}.',

　　　　　　　 ,. .-'_",...,．‐: : : : : : .::|: : : : :､、: :｀:丶､
　 　 　 　 ／-''".　'"　　　　　: : :::;.!: : : : : ::ヽ: : : : : ヽ
　　　　／'´,,,,／　　..... . . , : : ::/::/ i: : ､: : : :::ﾍ: : : :.ヽ:｀､_
　　　　 ／;;; ′. :.:::::/: :./: : :::/!::;'　 !: ::|i､: : : ::ﾍ.: : : :.ﾍ;ﾎ;;;＼
　　　 ヾ;;;;/: ::/:/::::/: : :i,:-‐:7-:::!　　V: l.i.>‐:-:､;i: : : : : :V!;ヾ;;;＼
　　　　 У:,;ｲ:/::::/: : .::j: :.::/　|::!　 　 Ｖ:l i. ＼: :.:j:. : : : : '{!;;;;ﾍ;;/
　　 　 ,/:./;;i:j:::::::i: : .::::!: :/ 　 l:!.　　　 Vj ﾞ:、 ＼::}:. : : :j:. {;;;;;;;;;;,
　　 　 〉/;;;;;!i:::::::j: : ::::;l:,;/二__|!　　　　 ヾ __ｚ‐ﾆゝｨ: : :.|';, !;;;;;;;;;〉
　　 　 !' ヾ;;!!:::::::}: : :::{.丁勹ホト　　　　　/'"｣不｢ﾊ:. : :.!';;;,j;;;／
　　 　 　 　 i!:::::ﾊ: : :∧　｢::し'::|　　　　　　｢::し'::|　,!: :./:!;;:ｲ
　　　　　 　 ,!:::j: :i; :::!ハ ヾ:,,,,:ｼ　 　 　 　 ヾ:,,,:ｼ　/ｌ :/: : : :!
　　　　　 　 l:i::|: :::l､:ト-:i 　 　 　 　 '　　 　 　 　 厶|/: : :.|:.|
　　 　 　_　 |:Ｎ: :.::!ヾ:::::iﾄ､　　　　　ｏ　　 　 　 ノ:::::}!:: : : l:.|
　 　 　 l　l　||: : : :::!: :::::::il　｀丶 ､　　　,.,. -: '"|i::::::::,!::: : : ｌ:l
　　　　 ｌ　l　!!: : : ::|i: : ::::::!　_,r'"´l ﾞ¨ﾞ　!｀ヽ、.j!::::: :j!::: : : :l:!　　　　　　　　　 大神神社は三輪山を神体山としていて
　　　 ,-:、 !、!: : :.:::!:i: : : ::f'´　 |'" 　 　 ｀|　 ﾞ/:: : :,'|::::: : : jl
　　／i. ,ゝ-ヽ!: : .:::|:::j: : : :.!　　 l''"￣｀` l　 /: : : :,､|::::: : :!:|　　　　　　　　　 その神社には本殿が無いのが特徴的なのよ
　 ｛ 、ﾞ､>ｧ　 !: : .:::l, '`i: : : :i､　　l.　　　 j　./: : : :/:久::: : :!:l
　　ﾞ:r`‐'　　 ,! : ;ノ　　 '; : : l､＼　!　　 j　,ｲ: : : :/'゛　ﾞ､: : l:.!
　　　ﾞ':,　　　{'"　　　　:..',: : :l､＼`:i 　 i／,ｨ: : :./i:/　　ヽ: |:|


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　　　　 本殿が…ない？
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

..　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　―　　-＼
.　　.　／　 （●） 　（●）
　　／　　　　 （__人__）　＼
　　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　　　　　　　　　　 本殿って…あの賽銭いれるお宮の向こうにある
.　　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　　ノ　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　 大きな社のことだお？
　／´　 　　　　　　　　　　ヽ


　　　　　　　 ,. .-'_",...,．‐: : : : : : .::|: : : : :､、: :｀:丶､
　 　 　 　 ／-''".　'"　　　　　: : :::;.!: : : : : ::ヽ: : : : : ヽ
　　　　／'´,,,,／　　..... . . , : : ::/::/ i: : ､: : : :::ﾍ: : : :.ヽ:｀､_
　　　　 ／;;; ′. :.:::::/: :./: : :::/!::;'　 !: ::|i､: : : ::ﾍ.: : : :.ﾍ;ﾎ;;;＼
　　　 ヾ;;;;/: ::/:/::::/: : :i,:-‐:7-:::!　　V: l.i.>‐:-:､;i: : : : : :V!;ヾ;;;＼
　　　　 У:,;ｲ:/::::/: : .::j: :.::/　|::!　 　 Ｖ:l i. ＼: :.:j:. : : : : '{!;;;;ﾍ;;/
　　 　 ,/:./;;i:j:::::::i: : .::::!: :/ 　 l:!.　　　 Vj ﾞ:、 ＼::}:. : : :j:. {;;;;;;;;;;,
　　 　 〉/;;;;;!i:::::::j: : ::::;l:,;/二__|!　　　　 ヾ __ｚ‐ﾆゝｨ: : :.|';, !;;;;;;;;;〉
　　 　 !' ヾ;;!!:::::::}: : :::{.丁勹ホト　　　　　/'"｣不｢ﾊ:. : :.!';;;,j;;;／
　　 　 　 　 i!:::::ﾊ: : :∧　｢::し'::|　　　　　　｢::し'::|　,!: :./:!;;:ｲ
　　　　　 　 ,!:::j: :i; :::!ハ ヾ:,,,,:ｼ　 　 　 　 ヾ:,,,:ｼ　/ｌ :/: : : :!
　　　　　 　 l:i::|: :::l､:ト-:i 　 　 　 　 '　　 　 　 　 厶|/: : :.|:.|
　　 　 　_　 |:Ｎ: :.::!ヾ:::::iﾄ､　　　　　ｏ　　 　 　 ノ:::::}!:: : : l:.|　　　　　　　　　　　 そうそう、普通の神社ならそこにご神体を奉納するんだけど
　 　 　 l　l　||: : : :::!: :::::::il　｀丶 ､　　　,.,. -: '"|i::::::::,!::: : : ｌ:l
　　　　 ｌ　l　!!: : : ::|i: : ::::::!　_,r'"´l ﾞ¨ﾞ　!｀ヽ、.j!::::: :j!::: : : :l:!　　　　　　　　　　　 大神神社の場合は御神体が三輪山だから
　　　 ,-:、 !、!: : :.:::!:i: : : ::f'´　 |'" 　 　 ｀|　 ﾞ/:: : :,'|::::: : : jl
　　／i. ,ゝ-ヽ!: : .:::|:::j: : : :.!　　 l''"￣｀` l　 /: : : :,､|::::: : :!:|　　　　　　　　　　　　そのまま、拝殿から参拝するのよ
　 ｛ 、ﾞ､>ｧ　 !: : .:::l, '`i: : : :i､　　l.　　　 j　./: : : :/:久::: : :!:l
　　ﾞ:r`‐'　　 ,! : ;ノ　　 '; : : l､＼　!　　 j　,ｲ: : : :/'゛　ﾞ､: : l:.!
　　　ﾞ':,　　　{'"　　　　:..',: : :l､＼`:i 　 i／,ｨ: : :./i:/　　ヽ: |:|

　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　 　 /` ｰ''"´　.,,_ 、　｀丶、
　　　_,,.-‐,7　!　　　 ｀ヽ、｀7～⌒;;;,,,､
　 ,.:'' '"/　!　ﾊ _　　　　､ヽ{;;;;;;;!;;;;;;;;;;;;;;;>
　　　 / j :| .,'! ﾍ｀l､: . 　 ヾ＼;;;;lﾞ､;;;;/ｨ′
　　 ./,:' !::j ｉ::l　,xｬ､:､: . 　ヾ;;;;;;;;|::Ｙ: :{
　　 l/　j::::!l;'ﾊ. 行､:、ヾ: .　 ﾏﾞﾞﾞ:::i: : : i
　　 ′　!:::}/　! ﾋ! ヾ:、 ｀ヾ､∨:::ハ: : :i
　　　　　∨　！　　 　 　 イ/`: /l: :i: : :i
　　　　　　　　 ` ＜Ζ...,　/::　/:N: :.ｉ: : i
　　　　　　　　　　　 ,r＜!':　 /_ヾ､!: :!: : i
　　　　　　　　　　 r/ //　 .厶‐二ヾ:.!: : i　　　　　　　　　　　　　これって、日本の信仰では最も古いスタイルで
　　　　　　　　　　,!i./７　 ,:' '"　　　 ';.!: : i
　　　 　 　 　 _,.-宀､7　, '　　　　　　ｌ:l :　i　　　　　　　　　　　　 そこに祀られている神様だから、凄い神様なのは間違いないわ
　　　　　　／　 ,,　　i　/　ﾞ:,　　　　　ヾ!:　j
　　　　　　ヽ、/ﾊ　 j./ 　 /　　　＿　 ﾉ　｜
　　　　 　 　 / l. Υ ′　 ﾞ-､∠-二二!|　｜
　　 　 　 　 / j|　 l　　　　　 ﾞ{",ｨ―‐ッ.!　 |
　　　　　　.〈,,｣.|,∠....,......,,__　 ￣:! 　 ! ｜　|
　　　　　　 ヾ/　|　｜　 |　 ｢`''i:､l 　 l ｜　|


　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,.-;　__,._;ｨ''"
　　　　　 　 　 　 ,.-:'':":￣: :.|´: : : :｀:`:.丶. 、
　　　　　　　　／; :.' : : : : : : |: : : : :.､.　 ｀ヾ:.`ヽ、
　　　,.-‐'''"ﾞ/:／: :, . .　　 ,!｜`ﾄ、. .｀、. : : : ＼-、
　　　l;;;;;;／,!:':,: : /: : : : :/ |｜ヽi.`､: : `: : : : ヽ:｀:{
　 　 У;;;;/,.ｲ: .:/: : : : /　 ! l　 ! i. `､: :j､: : : : ヾ､`、
　　iﾞ;;;;;;;;/ｲ/:.:::,': :-:ｧ'''"　j l　　l`ト-`:.;!:i::. : :.l: :!;;ヾ:、
　　ヾ;;;;;'ﾞ;;;;!:.::;j: :_:∠、_　 !j　　 l |_,,,,,Vヾ!::. : l:. :l/ ｀`
　　　＼;;;;;j.::/j: ｵﾞ,､ﾉ::::|　ﾘ　　　!|,.ﾉ:::::!7ﾞ!:: :.;!: :.!
　 　 　 |ﾞY|/rﾚﾍ　!;ｲ_ﾄj　　 　 　 !;ｲ_ﾄi　,'!:: ハ:.l
　 　 　 |:::!':::!　｀　 ヾ-┘　 　 　 └-"'　 |:./:|j!/
　 　 　 |.::l.:;:::`ー;l、　 　 　 _´_　 　 　 r-{/:::|:!
　 　 　 !: :ｌ:l: : :::::!:l丶 ､_　　￣　　,. イﾘ:::::::: ｌ:|
　 　 　 !: :.!:i: : : ::!j　 ,ｒ' ,j` －:i"ヽ　 |l|::: : : :!:|　　　　　　　　　　　　で、詳しい神話については…やらない夫に任せるわ
　 　 　 |: : l,;i: : : :l:!,ノ　 |　＿_｀|　＼j:l!: : : :l: |
　　　　 |: : :l: !: : : ﾞ!　 　 ｢　 　 |　　 ｀!: : : :l: :!
　　　　｜: : :!:.i: : : i 　 　 !　　 l　　　;!: : : :!: :|
.　 　 　 |: : :/ヾ:､: : :i　　　l　　j　　　i: : : /: :.l

　　　　　 ／￣￣＼
　　　　／ ._ノ　　ヽ､＼
　　　　|　 （●）（●）　|
　　　　|　　（__人__）　 |
　　　　|　./´ニﾄ-'　　 ｌ
　　　　| .l　_ニｿ　　　 }
　　　　 /ヽ､_ノ　　　 /　　　　　　　　　　　　　 よし、任された
　 　 __/　　/　　　 ノ__
　　/ /　　/　　　　　　 ｀ヽ.
　 /´　　./　　　　　　　,.　 ヽ.
　 ﾄ､＿,/.　　　　　　　｜､　 ヽ
　　 ｜　　　　　 　　　｜/　 /


　　　　　　　　　　 　 　 /7
　　 　 　 　 　 　 　 　 //
　　　　　　　　　　 　 //
　　 　 　 ＿＿　 　 //
.　　　 ／ノ　ヽ＼ .//
. 　 ／　（●）（●〉/　　　　　　　　　　　　　まず、オホモノヌシという神についてなんだが
　　l　 　 （__人_,//l
.　　|　　 　｀⌒// ﾉ　　　　　　　　　　　　　この神は、名は記されていなかったが
　　 l 　 　 　 // ./
.　　 ヽ r-‐''7/）/　　　　　　　　　　　　　　 オホクニヌシが国造りをする際に
　 　　/　と'_{'´ヽ
　 　 /　 _.､__〉　ﾄ,　　　　　　　　　　　　　　海を照らして来臨した神と言われている
　 　 {　 ､＿_}　 |.i
　 　 ヽ　_,.ﾌ　　.|.|


　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 rヽ　　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　 i　!　　|　 （●）（●）　|　　　　　　　　　他にも、出雲の国国造神賀詞には
　　　　　 r;r‐r/　| 　 |　　（__人__）　 |
　 　 　 〈_L (｀ヽ .}　　|　　 ｀ ⌒´　　ﾉ　　　　　　　　　オホナムチの和魂として名があり
　　　　　l｀ （ ｀`/　.　 |　　　　　　　 }
　　　　　ヽ 　　l　　.　 ヽ　　　　　 　}
　　　　　　|,. 　 l　　 /⌒　 　ー‐　　ｨ ヽ



　　　　　　 ／￣￣＼　　　 ηノﾉ
　　　　　／ 　　　 _ノ　ヽ　　ﾉ , ∃
　　　　　|　 　　　（ ●） |.／. /´
　　　　　|　　　 　　（__人） ／
　　　　　|　 　 　　　 ⌒ﾉ
　　　　　ﾝ　　　 　 　 ノ
　　 　／⌒ヽ､　 　 _ノ　　　　　　　　　　　　　　 播磨の国風土記においては、国を固めた神として
　　 / 　 ﾉ ＼__ィ ´.
　 /　 /　　　　'|.　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｵﾎﾓﾉﾇｼｱｼﾊﾗﾉｼｺ
　（　　y　 　 　 |.　　　　　　　　　　　　　　　　　　大物主葦原志許という名が見える
　　 ＼　＼　　　 |
　　　　＼ｨﾝ､＿＿)、
　　　　 .| 　 　 ij　,ﾉ

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）　　　　　　　　　　　　『古事記』以外での国譲り神話においても
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　　　　　　　　『紀』一書二と『先代旧辞本紀』に帰順する首魁として
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │　　　　　　　　　　　 オホモノヌシの名前が見えていてる
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /


　　　　　　　　　　　　　 　／￣￣＼
　　　　　　　　　　 　 　_ノ　　ヽ、　　＼
　　　　　　　　　　　　（ ●）（ ●）　　　|
　　　　　　　　　　　　（__人__） 　　　　 | ..／}
　　　　　 _　 　　　 　ヽ｀⌒ ´　　　　　| /　/ 　　　__
　　 (＾ヽ{　ヽ　　　　　 {　　　　　　　　./　/　 .　／ .ﾉ　　　　　　　　そして、この両書において
　(￣ ヽ ヽ　i　　　　　　ヽ　　　　　　/　厶-　´ ／
.(二 ヽ　i　i　|,r‐i　　　　ﾉ.　　　ヽ /　　　　 ／　　　　　　　　　　　 タカミムスヒの娘を配され皇孫の守護を任されている
　　ヽ　　 ／　 ノ　　／　　 　r一'´　ー ､　　￣￣￣）
　　 i 　 {　　 ｲ―イ　/　 　.`ー―.　､＿_　.〈￣￣
　　　ヽ.　`ｰ '/　　　/　　　　　　　　　 　/＼ ＼
　　　　　 `ー ' ￣￣!　 　　　　　　　　　|　　ヽノ


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　　　　　　まぁ、皇孫の守護を任されている神ならば
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　大和の国の一宮の祭神と言うのももっともだな
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　 ／￣￣＼　　　 ηノﾉ
　　　　　／ 　　　 _ノ　ヽ　　ﾉ , ∃
　　　　　|　 　　　（ ●） |.／. /´
　　　　　|　　　 　　（__人） ／
　　　　　|　 　 　　　 ⌒ﾉ
　　　　　ﾝ　　　 　 　 ノ
　　 　／⌒ヽ､　 　 _ノ　　　　　　　　　　　　　　さて、オホモノヌシの来歴はこのぐらいにして
　　 / 　 ﾉ ＼__ィ ´.
　 /　 /　　　　'|.　　　　　　　　　　　　　　　　　この神が出てくる神話を紹介しよう
　（　　y　 　 　 |.
　　 ＼　＼　　　 |
　　　　＼ｨﾝ､＿＿)、
　　　　 .| 　 　 ij　,ﾉ


　　　　　　　　　　'´￣￣｀
　　　 　 　 　 　 ′ 　 　 　i
　　　　　　　　　|　　　.＿.ﾉ|
　　　　　　　　　j:　　　(●){
　　　　　 ＿_／i､_　　　(＿)＝ミ
　　 ,=≦///j/∧　ヽ ＿.ﾉ////iヽ.　　　 　 　 　 　 _＿_, -――,
　　ハV////!//∧､/NjﾍV////i//7ーzzz/7///i'´.|　　､_´(￣
　 //∧V///フ/,∧　VＮV////i////////////∧/ー'､_..>'ﾞ
　////ヘV/∧V/,∧　V∧.///∧////∠＞¨´　　　　　　　　　　　　　　　　じゃあ、まずは本編で少しだけ触れた
////////V//,ヽV/|　o.Vへ､///|
|///////.:::V////N　　　V//＼/|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　セヤダタラヒメに通じる神婚譚を見てみよう
|////ヽ<.:.:.:.i/////,|　o 　＼//z＼
＼V///∧__//////　 　 . .:.::}////i
　 ＼V//7./`ーvZ　　o　: :.:.:＼_／
　　　＼ﾄ|Y　　　　>ﾆ[￣],ｲ//j//|
　　　　 ￣ヽ､_＞ﾞ////7i///И//,

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三輪山説話　-セヤダタラヒメのケース-　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/


　　　　　　　, -ッ"　￣￣￣ `'' ー--､
　　　　　, ‐'　 l　　　　　　...,.....................ヽ
　　　 ／ ､::::::::|::::::::::_,,.::::::､::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　i´ l ￣`"'''''"´ 　 　　 `ー ､ -::::-::::;;;;l
　　　|.　!　　　　　　　　 　 　　　 ヽ:::::::::::::::|　　　　　　　　　　　　「ある時、オホモノヌシは容姿端麗なセヤダタラヒメを見て」
　 　 j ノ‐‐､　　　　　 ,. -‐─-､　　ヽ;;:::::::::::l
　　l￣ ` ー--‐'´￣ﾌ二二ﾆ､ ーr─j__ l　 , '' 7
　　|　　 i￣o、 　 ´ 〈 　　 o l 　 l 　 l　 ﾚ'　 /
　　ｌ ::　 |.＿/ r ､:::::.. ヽ.＿ ノ 　 レ'¨jノ f´ /
　　`ーr ‐-- ﾉ::::::ヽ､__　　　 ___ノ 　 ::|- ィ´
　　　　l 　 　､ 　 　 　 ￣￣ 　 　 　 ::ｌ 　l
　　　　 ｌ　　　__ ＿＿＿_ _,､　 　 　::ｌ|::::::|
　　　　 ヽ　　　　 ＿_　　　　　　 ／::::l:::ｌ|
　　　　　　＼ 　 　 　 　 　 　 ／　 :::::|::ﾉ
　　　　　　　　ヽ.　　　　 ,. - '-‐ '' "´　|　　 　 ,.へ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おや、これは美人なお方を見ましたァ
　　　　 　 　　　　T　￣　　　　 __ ,,.. -┐─''"　 ／ヽ
　　　　　　　　　l´j ＿_ -''" ￣　 　 　 ﾉ　　　_∠-─､`ー-- ...,,,__　　　　　　　　　　　 これは、一つ結婚を申し込むとしましょうか
　　　　　　-─ ﾉハ　　　　 　 _,ﾆ''´　/　　　　　 ─‐ ｀i ''''''' ー--′
　　　　　　　 　 /　l　　　　／　　　 / 　 　 '′ 　 　 __{
　　　　　　　　/ 　 |　　 ／　　　　/ 　 　 　　　　 ￣　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ﾍ　　　　　　' ′　 -'′




　　　　 　 　 　 　 　 __,,.... .;;;;,,ｯ-一゛''
　　 . _,,,,..　-;;ﾆﾆ｀-ｰ'''"ﾞ´　　　　　　　　　　　　　　 　 ,,,ｒ'"|
二｀-‐'''"ﾞ´　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _..-　.lﾞ.,..-',ﾞﾒ..,,,、
　　　　　　 . _.....‐　　　　 　 　 　 　 　 　 _..-'"゛　.,..-'ﾞｙ‐ﾞ_,.. -'"
　_._..ぃｰ''"´　　　　　 　 　 　 　 　 ,.. ‐'″　 .,..-'ﾞ. ／ .｀'./
ﾞ~　　　　　　　　　　　　　　　_..-'"゛　　 ._ ／ .,／゛　 .／
　　　　　　　　　　　　 _,, ‐'"　　　　, ／　,..‐"　　 .／　　 　　　　.'
　　　 　 　 　 　 ,..-'"゛　　　　._ ／ . _／゛　　　／　　　,丶　 , ／　　　　　　　　　 「そして、オホモノヌシは丹塗り矢と化し
　　　　　 ._..-'"ﾞ,／］　　　, ／ 　.,／゛　　　 .／　　　.／　　././
　　._..-'"゛ . ／ 　 .,! _iｒ'"　　,／゛　　　　.／　　　　/ 　　 / "　　 :　　　　　　　　　　ヒメが大便をするときに溝を流れ下って
-'"゛　　 .／　　　 .'″ ﾞl. ／ 　　　　 . ／ 　　　　/ 　　 ,i'ﾞ
　　　　./ 　　.,-　　 , ／ 　　　　　 ／ 　　　　 / 　　 ./
　　　./ 　　　く ．　　.ヽ.　　　　.／　　　　　 / 　　 : 'ﾞ
　　,,,lﾞ　　　　　　　 _..-'"　　.／　　　　　　/ 　　 　:
-'" .ゝ　..........　ｰ''"゛　　　／　　　　　　 /

　　　　　　　　　　　　_(こ＾)､_
　　　　　　　　　　　 〃､__ﾉノ､__,ヽ
　　　　　 　 　 　 　 {.っ＞　 ＜っﾄ､
　　　 　 　 　 　 (⌒i　 （千于`ｰ┴'─────┐
　　　　　　　　　（O人　 `ー|　 　 　 　 　 　 　 　 |....
　　　　　　　　　　　/⌒ヽ(＾う　見せられ.　 　 　 |....
　　　　　　　　　　　`ｧー─イ　　　　ないよ！ 　 |....
　　　　　　　　　　　/　　（0::|＿＿＿＿＿_＿_＿_|　 .　　　　　　　　　　 「ヒメの陰部を突いた」
　　　　 　 　 　 　 /＼＿＿＿_/.....
　　　　　　　 　 ／　　　/　　⌒ヽ.
　　　　　　___／　 ／￣￣｀)　　ﾉ
　　　　　(__r＿__ノ　　　　 (.＿＿つ....


.　　　　　　　　　　　　　 ,,ｨ''"´￣｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　/ ／´￣￣　 `ー-.､
.　　　　　　 ,,ィ''"´￣ﾄム,､__.　 　　　　　　　',
　　　　 ／´. 　 　 　 !'"´　',,＞'´'､　　　　　 .|
.　　,,／　 　　　　 ﾉ　　　　 　　　 ヽ,　　　　 ヽ
　 ムｩ'" ,　　 /　,|.　　i 　 |　　　　　ヽ,､　　　ﾉ
　 ／　 /　 ,ｨ′/|　　 |.　 ﾄ、　　',.　　 ',｀　　|
　|.　　/.　/ |.／. ヽ,.　|!　.|　', 　　|.　､　',.　 |`
　',　　|　 |.　|!-―--ソ.', ﾑ､__', . .ﾄ、 .|.　',.　､ヽ、
　 '、 ﾄ,　|､'´　 , -‐､ 　 ﾘ ___.　Fﾒ､| . |　/.　 ',￣　　　　　　　「ヒメはそれを不思議に思い、その矢を持ち帰ったところ…」
.　　'､| '､|,１.　l´　r１　　　,__､ヽ、　|,ィ ./　 　 ',
　　　`　（6|.　 　 `'′　　!__ﾉ　ﾉ　ﾒ､.|/　　　　|
　 　　　　ｿ|, 　 　 　 　 　 　 　 ,ﾑ,ノヾ、　 ／´
　　　､＿_|ﾉ.ヽ、 　 ＿ 　　　.／!"ト、　｀.　|
　 　 |｀ヽ､!二ﾆﾐ ｪ､`ﾆ′.ィ'´.ｰ| /ｰ'､.　　　'、
　　　|、 　　　　　　｀￣￣｀ｰ'"!,'7 ﾉ7、　　　|

　　　　　　　　　　　　／ /:. :./　　　　　　　　l:. :.:ヽヽ
　　　　　　　　　　　/7 /:. : / 　　　　　　　　 l:. :. :.ゝヽ
　　　　　　　　　　/ !r _7:. く.　　∧　 ∧　　　l:. :. :.ﾐ　l
.　　　　　　　　　 { 彡l:.:,-－`､_/;;;ﾄv1;;;;}_, -‐入‐-､l: : l
.　　　　 　　　　　l ,1/ ´ ＿＿｀　　　　　　 　　 ヽ　l: : :l
　　　　　　　　　_ l /　　 ヽ::::::｀ヽ.　　　 　,　　　 ﾉ:. :!∠
　　　　　　　　/ﾄ､`l＿__r'￣｀`i::::`vヽ､_イr'￣`く:}ヽ:K　}
　　　　　　　　l l入.l:::::::::ー‐ﾟ.┘::rｧ:::::::::::弋ﾟ―┘‐':.ﾄy j　　　　　　　　　　　　　「たちまち、麗しい男の姿となってヒメを妻にした」
　　　　　　　 人l 〈 l｀ヽ::::::::::::::／.ﾑ__ l:ト､_ ヽー‐:. :.lr ﾉ
　　　　 　 ／:::::::ヽ､! 　`ー一'　　　　, l､＿＿:. :. :. :.ﾚ'｀ヽ､_
.　　, -‐'´::::::::::::::::::::::',　　　　,､＿＿＿＿__,イ:. :. :.:/:::::::::::::::￣￣｀ー-
. ／￣`ヽ、::::::::::::::::::::ゝ、　 弋`＿＿＿__～ﾉ､:. :./!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:. :. :. :. :. :. ヽ:::::::::::／:ヽ ヽ:.. 　　, ――‐、　 /:／/⌒ヽ、::::::::::::::::::＿__
ー―'´￣￣ ヽ.／ ::::::::ヽ　::ヽ:.. ｀ヽ、:.:.:.:.`-／::./ヽ ::::::::::ヽ r一'´::::::::::
　　　　　　　　ム､ ::::::::::::ヽ　 :::ヽ、__）＿／::.　/　::::ヽ:::::::::::ヽ　　,ｲ
ヽ、ヽ､;:;:;:;:;.; l 下､　::::::::::::::ヽ　　:: ＼__／:: 　/　 :::::::`＜￣　／:, ,ﾚｲL
｀ヽヽ　ヽ､;:;:;: l　!　ヽ　:::::::::::::ヽ 　,K::::::::｀ﾊ /　 :::::::::::::::::＞　　, :,:/. /
　　＼＼ ｀ヽ; l　!　　ヽ　::::::::::::∨.　〉:::::〈　/　 ::::::::::::／ 　　　:, :,/Y´
※あくまで伝承上でのお話です。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r､
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ;i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ;;t, ､,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/ ,,,､ノ-ｰ'ｰi ヽ､,
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　,'i"ii;;f （i;;／/| ::',｀''-､､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i::　tヽ,ﾂrTヽ,,,i;;/　::|:::::::;;ﾘヽ
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉　 ヽi'〈十〉〉,,t　:::ﾘ;;;;ノr~ヽ',
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　|-ヽ,,,,,）ﾐ◎;;､､､ﾆ''ﾆ::::::t　 ﾘ:t_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　tj;;r''"＿＿_,,,,,,,,,,,,,,,,,,,:~' ､'0'ミ;;t
　　　　　　　　　　　　　　　　　　t{,rit''";;;ノﾉ;ゝrf弖予ﾉ::〉i;;t~'''=ii､
　　　　　　　　　　　　　　　　　,r''''ii〈三-ｰ――――''''''i.|､;|.|_[;;|;;i'i　　　　　　　　　　　　　「そして、その2人の間に生まれたのが、富登多多良伊須須岐比売」
　　　　　　　　　　　　　　　　　|i||::ﾘ;i','i ＝::|i　＝ |:|ii 从ﾘ;;;;|.t_T| |;;i
　　　　　　　　　　　　　　　　　|:|i;/;;|i', i ＝:i| ＝' iﾘ::: ／i|;;|::~' -､ii,,|　　　　　　　　　　　　 「またの名を比売多多良伊須気余理比売という」
　　　　　　　　　　　　　　,,､､､,,｀'ｲ ﾘi |ヽ',,ﾆ|i: ニ　ﾘ /r,,,』;;L:::　:::ヽ､,,,,､, ,,､､,,　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 ,､- ''"~rヽrｰ",､三⌒|／~'ｰ､､,,,,|i,,,,,,,, ､-''"彡三ヽ,,,,,,;;;;〉　　'ﾌ　　)''')ゝ,r' ~￣￣ ''' ｰ ､,　　　　　
　　　 ,､-'"　　　 r'r'／ ''" ⌒Y""''ｰ ､;;::::三三三彡;;､-',､-'''　 ,､-'　,､-',､ '"　　//　　　　　　　　　 ~''-､


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三輪山説話　-セヤダタラヒメのケース-　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／⌒　 ー､＼
　　　／（ ●） 　（●）＼　　　　　　　　　おー
　 ／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
　 |　　　　　|r┬-/ ' 　　　|　　　　　　　 かなりシンプルな話だお
　 ＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 ／


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　　　　　　　　丹塗りの矢になって会いに行く…か
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　中々行動的だな
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　 　　 ＿_＿__　　　　　━┓
　　　 ／　―　　 ＼ 　　 ┏┛
　　／ノ　　( ●)　　 ＼　 ・
.　｜ ( ●) 　 ⌒）　　　|
.　｜　　 （__ノ￣　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 そういえば…
.　｜ 　 　 　 　 　 　 /
　　＼＿　　　 ⊂ヽ∩＼　　　　　　　　　　　　　　　 こんな話どっかで聞いた覚えがあるお
　　　　/´　　 　 (,＿ ＼.＼
.　　 　|　　/　　　　　＼＿ﾉ


　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／_,ノ 　｀⌒　＼
　　　　　　　　　　　　　　　-、　　　　　　　　　 |　(● ). (● )　 |
　　　　　　　　　　　　　　ﾔ　 ',　　　　　　 　 　 |　.(___人___） 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　i. 　l　　　　 ,.-､　　　| 　 ｀ ⌒ ´　　 |　　　　　　　　　　　　　　　京都の賀茂神社の加茂説話だ
　　　　　　　　　　　　　　　 ',　 j　　　/　/ 　 　 .|　　　　 　　　 |
　　　　　　　　　　　　　 　 ノ＿..ヽ-､′,' 　 　 　 ',　　　　　　,/'|、　　　　　　　　　　　　　　確か、第四回の時だったな
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .l .＿＿_　ヽﾉ　　　 __ .j '.、__ , ___ ｨ／::L＿
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ｙ　　　　　）ﾊ.‐ ' ´ ..::ヽ::::::::::::::::::::::::::／:::::::...｀' ｰ- ､ _
　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ. ￣￣ 〕y::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..＼
　　　　　　　　　　　　　　 ハヽ 一ﾆｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: r;;;;;:::::::: ',
　　　　　　　　　　　　　 /...::::::;;;;;;;;;;; /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ;;;;;::::::::::::::〉

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　　　　　　　　　あれも、丹塗り矢になって
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　　娘のところにきていたんだよな
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　 　　 ＿_＿__　　　　　━┓
　　　 ／　―　　 ＼ 　　 ┏┛
　　／ノ　　( ●)　　 ＼　 ・
.　｜ ( ●) 　 ⌒）　　　|
.　｜　　 （__ノ￣　　　 /
.　｜　　　　　　　　　/
　　＼＿　　　 　 _ノ＼　　　　　　　　　　　 そういえば、なんで丹塗り矢なんだお？
　　　　/´　　　　 　 　 |
.　　　 |　　/　　　　　　|

　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　 　 　 　 　　⌒ 　｀⌒　　＼　　　 　v-,
　　　　　　　　　　　　( ●) ( ●)　　　|　　　　 |　r
　　　　　　　　　　 　 （__人___）　　 　 | 　 　　 |　|
　　　　　　　　 　　　　'､　　　　　　　 |　　　　 |　|,.-、.
　　　　　　　　　 ,,.　-ｰ|　　　 　　 　 |ヽ__／￣ヽ｀ r´　　　　　　　　　　　　　 おっ、良い所に気がついたな
　　　　　　　　 / .::::::、::|　　　　　　 /ｨ::::〔￣￣ ｀' ト-、
　　　　　　　　l :::::::::::::::::ヽ__､____,.　":::/::::〔￣　　　l:::. ヽ　　　　　　　　　　　　丹塗り矢の丹っていうのはな
　　　　　　　 」 ::::::::l:::: ::::::「二二::::／ :::::::ヽ y　　　l::::::. ',
　　　　　　　 l :::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　　　l:::::::: i　　　　　　　　　　　 水銀の赤を意味するんだ
　　　　　　 / ::::::ｰ-ミ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ＿／:: L::::|
　　　　　 / :::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く::::::::::::::::::|::|
　　　　　/ ::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::「 ::::::::::::::::::||
　　　　/ :::::::::::::::::::/　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::V ::::::::::::::: |


━┓
┏┛　　　　　⌒
・ 　 　　 ＿＿_⌒
　　　 ／　―　乂＿＿＿_　　　　━┓
　　／ノ　　(●／　　 ―　＼　 　┏┛
.　｜　(●) 　 | 　 　 (●)　ヽ＼　・
.　｜　 　 （__ﾉl　 　（⌒　　(●) |　　　　　　　　　　　　　 水銀の赤？
.　│　 　 　 　〉　 　 ￣ヽ__） 　 |
　　＼＿＿／´　　　　　 _＿_／　　　　　　　　　　　　　　それって、どんな色だお？
　　　　　 /|　　　 　 　 　 ヽ
　　 　 　 | |　　　　　　　　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　＿ ,..: :　　　　: : ミ ､ 　＿＿
　　　　　　　　,........-{: : : ｀: : : : : : :´￣｀ヽ､＼///ﾊ
　　　　　 ,. : :´_,.. : : :':,: : : : : : : : : : : : : : : ､｀ヽ､r777ヽ
　　　　／-‐,ｲ: : : : : : :':,: : :､: : : : ､: : : : : : : : :､:.＼///}
　　　　　　/: :,: : : :,: : : ﾊ: : :∨､: : :＼: : : : : : : V｀/＼/|
　　　　r-/: : ,': : : l: : : l l ヽ: :',　＼: : :､ヽ- ': : : :V/////
　　　 {/ｲ: : ｲ: : : :ﾄ-:､l__! 　ﾞ､:',　　 ,イ´tォｧ＼: : V//ｲ
　　　 |/,|: : ﾊ: : : :ﾊ: : {. |｀ヽ　｀＼/　ﾄ､_心　 l ＼: l- ':|
　　 　 V|: //ﾊ: : :| ヽ: !＿,ｯ 　 　 　 弋z(ｿ　 {: : :＼: :ｲ
　　　 　 !:{￣/ヽ: :! ､ヽ!￣　 　 '　　　　　　　ﾉ!: : : : : |',
　　　　　|'　/ 　 VI ,ﾊ　 　 　 　 _　 　 　 ,.イ .|: : : :.:.:.|:l
　　　　　　/　　　｀/: :｀＞　　 _｀　｀ _, ＜- ''´|: : : : : :!:!　　　　　　　　　　　　　　　　　　確か…
　　 　 　,:'　　　　/: : : :',´￣{　| ｀¨´　 |　', 　 !: : : : :.:|:.!
　　　　, '　　 　 / l: : : : ﾊ.　 ! ,|　　　l　ヽ.!　　|: : : : :ｲ｀ヽ､　　　　　　　　　　　　　　　　鳥居の色と同じ赤ね
.　　　/ 　　　 /-''∨: : : : l　 ',´　 　 l　　 l.　　|: : : : :.|　　 ＼
　　 /　　　　/l　　 ',: : : : :.!　 ヽ 　 　 ＿/　　 !: : :.:.:.:|　　 　 }
.　 / 　　　　,. |　　　､: : : : !　　 }＿_ ´　{　　　|: : : : :.|　　 　 |
　 {　　　　,.ｲ　!　　　 }: : : : ! 　 |:::::::｀ー:|　 　 |: : : : :.|　　 　 |
　 ｀ ー ´- '|　|　　　 |: : : : |　　|::::::::::::::::| 　　 |: : : : :.|　　　,.ｲヽ､


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　 鳥居と？
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　　　　　､　　　　,､
　　　　　　,. -　, ´￣: : ｀ｰ:{: : ＼＿
　　　　／　／: : : : : : : :/: :|: : : : : : : ｀ヽ､
　　　　　／: /: : /: : : :/: ハ: :!: : ､: : : :､: :＼
　 　 　 /: : /: : /: : :〃:./ | l: :|,: : :∨: : :ヽ-,-ヽ＿＿
　　 　/ : :./: : /:´ ,￣:/　 ! |: l ',‐:-∨: : : :∨//＼//ヽ
　　　j: :.:,ｲ: : /: : /　l/　　|　l: l ヽ: : :l｀ヽ: :l:∨//∧!//
　　　l: :/ |: /l: :下テ心､　|　 i: !　ヽ: :',: : : :l､∨///∨
　　　|/　 ﾊ{:.l,ﾊ　ﾄ､_,ﾊ　 　　リｨテ心ァ: : : l∧!//／
　　　|　 ,':.:∨（,l 弋z(ｿ 　 　 　 ﾄﾍ_ﾊ!　∨: :!////|　　　　　　　　　　　 ええ、お父さんから聞いたことがあるわ
　　 　 /: : : ＞-!　　　　 ,　　　弋zソ_r ､∨:|:｀´: :.|
　　　,: : : :, -─ ゝ　　　､　_ 　　　/　}　｢ }l/: : : :.,:|　　　　　　　　　　　 あの赤は邪霊を払う効果がある赤だって
　　　{: : / 　　 ／ ＞ . _　　　＿,/　/　ﾉ　!:/: : : !:|
　　　l／　 　　 ＼　 l-､',ﾞ／　　　　'　´ ／､: : : :.|: :.　　　　　　　　　　　それが、古くは水銀を使ってたとも聞いたわ
　 ／　　　　､,.　　∨::::::::{　　　　　_　イ　　} : : : |: :|
,.:'　　　　　　{　　 | |::::::::::|　　　T´　　　　　! : : : |: :|
､ヽ　　　　　/　　 | |::::::::::| 　 　 !　 /　 　　|:.:.: : :|: :|


　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　 　 　 　 　　⌒ 　｀⌒　　＼　　　 　v-,
　　　　　　　　　　　　( ●) ( ●)　　　|　　　　 |　r
　　　　　　　　　　 　 （__人___）　　 　 | 　 　　 |　|
　　　　　　　　 　　　　'､　　　　　　　 |　　　　 |　|,.-、.
　　　　　　　　　 ,,.　-ｰ|　　　 　　 　 |ヽ__／￣ヽ｀ r´
　　　　　　　　 / .::::::、::|　　　　　　 /ｨ::::〔￣￣ ｀' ト-、
　　　　　　　　l :::::::::::::::::ヽ__､____,.　":::/::::〔￣　　　l:::. ヽ
　　　　　　　 」 ::::::::l:::: ::::::「二二::::／ :::::::ヽ y　　　l::::::. ',　　　　　　　　　 だから、邪気を払う雷光の象徴とも言われている
　　　　　　　 l :::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　　　l:::::::: i
　　　　　　 / ::::::ｰ-ミ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ＿／:: L::::|
　　　　　 / :::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く::::::::::::::::::|::|
　　　　　/ ::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::「 ::::::::::::::::::||
　　　　/ :::::::::::::::::::/　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::V ::::::::::::::: |

　　　　　　,,､-''"´￣￣｀｀`ヽ､
　　　　,／　　　　　　　　　　　`-､,,＿
　　　,/　　　　　　 i, ;　　　　　 ﾞミ三ｰ''"
　　 /　　　　　　　ﾊﾊ　　　　　　　　ヽ,
　　i"　,/　/　,〃i/　 い、　＼ 　　いN
　 /　,/　,/ノ /　,ノﾉﾊ　ﾄ,、　ミ`'ー Ｖﾘ
　 | ﾚ'　　　_,,､ｧﾁ-ーﾋヽ| ゞﾋs、ミヽ　i
　ﾊ　　rﾍ ｱ'　 <ﾓﾃ;;　　 ｉ' zｯ､｀i　　ｿ
　 ﾞYf iﾞ　|ﾄ　　　 　　　　:i　｀｀　ｲ, ノ　　　　　　　　　　　それにだ
　　いヽ　ﾞ!,　　　　　　,_　;､　　 ,ﾀ"
　　　`i, `r､　　　　.._＿｀＿　　,ﾘ　　　　　　　　　　　　　水銀は中国の練炭術でも不死の妙薬と言われていた
　　　 ｸ',ﾍ ﾞ:､　　　 `''ー‐'´　 /ﾞ
　　　ｲ,ﾍ　ゝ＼.　　　 ￣　 ／　　　　　　　　　　　　　　 人の生命力を増強すると考えられていたんだろうね
　 f￣`''ー─--ﾐ''-､,,＿,,イ!‐-､､,,_
,／　　　　 　 　 ﾞi,⌒ヽz￢"ﾞヽ　　 i
　　 　 　 　 　 　 ﾄ　　ヾぃ　　）　　L,,＿


　　　　　　　　 .＿＿＿_　　 　.i＾ﾏ'ﾌ
　ﾓｼﾞﾓｼﾞ　　.／⌒　　⌒＼　　ﾚ' /
　　 　 　　／（ ―） 　（―） .／ ,ｲ ヽ、
　　　 　／/// .（__人__） .／ ､ /ｰﾍ_,.ヽ,　　　　　　　　　　　　　増強する…
　　　　 |　　　　 .´ ⌒｀ ./　､＼｀ヽ´__　.`t
.　　　　 ＼　　　　　　.../　　 ヽ r'´_}__, 　 {　　　　　　　　　　　 おおう
　　　　　　　　　　　 .／　　{'T /`7/ _,ノ　 !
　　　　　　　　　　.-'　　 　 ｀7'／ヽY´　　 |


　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　　( ⌒) （⌒)
　　　　　　　　　　　　　　　 .|　 　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 ｀ ⌒´ﾉ.
　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　,. --、― --ｰ y:ヽ　　　　　　丿
　　　　　　/　::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::..＼ __ _ r.〉
　　　　　/　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... ＿ ｨ＼　　　　　　　　　　　　　　　うむ
　　　　/／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..　ヽ
　　　ノ　..:::::::::::::　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. 丶　　　　　　　　　　　　そっちの意味もあるらしい
　　/　...::::::::::::::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ｀,
　/　..:::::: -、::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.... ｀,
　i　:::::::::::.. -‐-、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　r/ノ::..　`、
　ヽ::::::::::::::::::::..　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　j::::::::::::::::..　ヽ
　　＼::::::::::::::::::::::..　、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::　/ヽ:::::::::::::::::::..　･、
　　　 ＼:::::::::::::::::::::..　＼::::::::::::::::::::::::::::　/ 　 ヽ::::::::::::::::::::::::..　、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,.-‐─‐:-／}-‐'"￣: : :＿:二ニﾆ=-
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,.イ´ : : : : : : : : : :|: : : : : : : : :`ー-.､__
　　　　　　　　　　　　 厂 |'.: : : : : : : : : : : : : :|ﾍ::::. : :.､: : : : : . . . .｀ヽ、
　　　　　　　　 rー‐-ｧｊ　 |...厂７. . . ....:: : :/:.:|　∨:: : :|. . . ､. . .ヽ､__.. .＼‐-､
　　　　　　　　 {;;;;匚＿__/../　/＿. . .:: : :/ : :| 　 ∨:: :|: : : :|: : . . .＼｀ヽ､＼;;}
　　　　　 　 　 ｊ／;;;;;;;ｊ__......＼_＿/:./:: .:/|: : :|　 　 |::: :|V: : :|: : : : :::: ﾍ;;;;;＼~`
　　　 　 　 　 〈;;;;;;;;;匚__￣|:: : : : :;:＼:/　|: : ｊ 　 　 |::.:| V／|:: : : :.ｉ:: : :ﾍ;;;;ノ
　　　　　　　　 ＼;;;;;;;|:::|＿| : : : :/::.:/＼､|:.:/　　 　 |::ｊ／|: :ｊ､:: : : :|:::: : :ﾊ
　　　　　　　　　|:::＼|: : :/|: : : :/|::./_＿__ｊ;/､〃 ､_ノｊ/＿,|;/_∨::: :|:::: : : :|
　　　　　　　　　|::::::::|: :/:::|: : :/アﾃ弐ｵゞ　　 　　 ヂ弐ﾏヤﾊ::}:: .:ﾄ､:::: : :|
　　　　　　　　　|:::/::|;/:（｀|::.:/ ' ,弋zｨ;ﾘ ,' 　 　 　 Vzｨ;ｿ ,' ,ﾊ:::|:: :ｊ　＼:::j
　　　　　　　　　ｊ/:::::ｉ:::::::ゝ|;/ 　 ｀ｰ-‐ "　　 　 　 ｀ｰ-‐"　{ｿ:::|::;/　　 ∨
　　　　　　　 　 |:::::::::|: ::::::::`ﾍ.　　　　 　　 　 　 　 　 　 ""ｊ::::..|'"
　　　　 　 　 　 |::::::::::|: : ::::::::| ヽ、 　 　 ,.-──‐┐　　,.ｨ'´::: .:|
　 　 　 　 　 　 |:::::::::::|: : : :::::| 　 ｀＞‐-ゝ='二ニ='‐＜´ |:ｉ:::: : :|　　　　　　　　　　　　　　止めんかッ！！
　 　 　 　 　 　 |::::::::::::|: : : :::::|,.イ´　　　|　　　　 |　 　 ｀ |:|::.: : :|
　　　　　 　 　 ｊ::::::::::::::|: : : : ::|､＼ 　 　 |─--─|　 　 ／|:|:: : : |
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　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　 　　 　 ｜　 　.（ ⌒）（⌒）
.　　　 　　 　 　 　 ｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　 　　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 .|　　　　　 　　|
　　　 　 　 　　 　　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　ハッハ
　　　 ,. -ｰｰ -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
　　／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾒ、　　　　　　　　　　　　　　　　　そして、両者に共通するのが
　 ｛ :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ､_
　　| ::::::::::::::::::::::..｀、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ　　　　　　　　　　　　　水辺に現れて娘と結婚するという展開だ
　　'| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ
　　 ﾄ､:::/ ／￣｀` ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
　　 `,ﾍ ´:::::::::::::::::. ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rｰ'､
　　　 }:,∨ :::::::::::::::::: ﾄ､:::::::::::::::::::::::::＞＜￣＼::..＼
.　　　 }:::∨::::::::::::::::､-''ﾞ~￣￣￣￣:::::::::...＼　ム:::::ヽ
　　 　 l::::∨ :::: ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.､／...:::::::::ヽ}
　　　　{::::::＼,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／"￣:::::::::::::::::::::::::ﾉ

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　　　　　　つまりは、両方ともに
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　水神としての性質が見えるという事か
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　　⌒ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 （●）（● ） 　　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 　 （__人___）　　　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　 　 |
　　　　　　 　 　 　 　 　　 　 |　　　　　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　、 　 　　,ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　それも、大便をしようとしていたてことは
　　　　　　　　　　　　　 　　 ／ヽ,ー-　　　ﾄ､
　　　　　　　　　　_, ､ -─ '".:.ヽ:.:.＼__　/ノ ﾄ、__　　　　　　　　　　　　　　 川辺での出来事だってことになるよな？
　　　__　,.　ー 、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....
　　　＼ r 、　_ ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ｰ､
　　　　　}　}/　)　 V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　/:ゝ/ ./ __　 V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.＼
　　　　}:::::ゝ ソ　,Y　i::::::/::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.:.:.:. ＼

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　　　　 まぁ、昔は川の側にトイレを用意するのが
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､　　　　　　　　　　　　　　　　 普通だからな
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　 　 　 _ノ　　ヽ、　　＼　 　,.:┐
　　　　　　　　　　　 .（ ●）（ ●）　　..|　／　｜
　　　　　　　　　　　 （__人__） 　　　　.|./　　 /
　　　　　　　　　　　　 i⌒ ´ .r－､　　|/　 ／　　　　　　　　　　　 だから、この話でも川を下って来た
　　　　　　　　　　　　 { 　 　 ヽ,　',. .,/　:/',
　　　　　　　　　　　　 .ヽ　　　.|　 l_/_, -‐､',　　　　　　　　　　　　つまり、川という異界を通じて、水辺の巫女の元に行き
　　　　　　　　　　　　　 .ヽ　.　| 　 / , -－'i|
　　　　　　　　　　　　　　/　　 {　　V , -－ﾍ　　　　　　　　　　　 婚姻が成立し、子供が生まれるって仕組みだ
　　　　　　　　　　　　　　|　　　ヽ　 Ｌ|　r=　|

　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　 　　 　 ｜　 　.（ ⌒）（⌒）
.　　　 　　 　 　 　 ｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　 　　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 .|　　　　　 　　|
　　　 　 　 　　 　　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　　　 ,. -ｰｰ -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
　　／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾒ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ま、水の神といえば蛇なわけだ
　 ｛ :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ､_
　　| ::::::::::::::::::::::..｀、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　つまり…
　　'| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ
　　 ﾄ､:::/ ／￣｀` ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
　　 `,ﾍ ´:::::::::::::::::. ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rｰ'､
　　　 }:,∨ :::::::::::::::::: ﾄ､:::::::::::::::::::::::::＞＜￣＼::..＼
.　　　 }:::∨::::::::::::::::､-''ﾞ~￣￣￣￣:::::::::...＼　ム:::::ヽ
　　 　 l::::∨ :::: ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.､／...:::::::::ヽ}
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　　　　　　　　　　／::/:::／:|: : : : : : : : : :ｊ､r'"´二ﾆヽ､ヽ　　　 ,'",ｨ'"-‐ﾐ〈´ﾊ::|ﾍ: :o : :}
　　　 　 　 　 o／／/／:ヽ:|: : : : : : : : : :|ゝ'´　､丶ヽ＼＼＼＼＼ヽ丶　 λ}::|　∨: :/
　　　 　 　 　 //´　ｊ:'´: : : |: : : : : : : : : ::|　　　　 　 　 _＿_　　'　 　 　 　 {ノ:::|　 |:.:/
　　　　　　　//　　 |: : : : :|: : : : : : : : : :◯　　　　　,.'´　 　 `‐-‐-..、　o　j:: : :|　 ｊ/
　　　　　　　|:|　　　|: ;ｒ-‐|: : : : : : : ∧:.:|∧　　　 /　　　　　　　　:::}　　 .ﾉ:: : :|､　　　　　　　　　　　　　　　　　 だから、止めんかッ！！
　 　 　 　 　 ||　　,-‐'´　 | : :.:／ヽ:/: :ヽ:|:/ヽ、　 {　　　　　　　　:::ﾉ ,,イ::◯::||| ｀ヽ、
　　　　　　　 ||,r'"　　　　|;／｀＼: : : : :.:|'　　 |｀＞ゝ､‐-──-,-‐'´/　|::ｊ: : :|||　　　｀‐-､__
　　　　　　 ／　　　　 ,-‐ヘ､:０　＼: : :.:|:　　 |　,／　　￣￣ ｀ヽ_ノ　 /|ﾘ: :/ ||､　　　　 ﾉ ﾉ~ｊ　(⌒)

　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ●) (●）
　　　　　　　　　　｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 .|　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　なんだよ、ヤマタノヲロチの伝承も
　　　　　　　 　 　　.|､ 　　　　　　|
　　　　 　　 　　 　 [::.ヽ､　 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 昔はこの丹塗り矢の神話のように
　　　　　_, ､-一 :::"＼　::::::::::::::::7、___
　　　／ .:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ヽ__　　　　　　　　　　　　　巫女と神の神婚を意味する神話だった可能性があるって…
　　/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::..＼ __
　 .i :::::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::.. ＼_
　 i ::::::::::::::::::: i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ｀::...､
　 l ::::::::::::j:::::: i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::/::／::::::::::::::::::::::.. ｀ヽ
　 l ::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i::´::::::::::::::::::::::::::／::::::::: l
　 l :::::/::::::::::::ｿ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l＞ｰーｰ-、r-‐:'::::´::::::: l
　 i :::::::::::::::::::〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l　　　　　 l´:／::::::::::::::: ﾉ
　 V .:::::::::::::::: lヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l　　　　　ﾉ .:::::::::::::::::: ／
　　l ::::::::ｰ::::::: |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ､　　　／..::::::::::::::::::: /


　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　 　　 　 ｜　 　.（ ●）（●）
.　　　 　　 　 　 　 ｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　 　　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 .|　　　　　 　　|
　　　 　 　 　　 　　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　　　 ,. -ｰｰ -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
　　／..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: く'、　　　　　　　　　　　　　　　　　俺は言いたかっただけなんだが？
.　｛ :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ､_
　 '| ::::::::::::::::::::::..｀、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ
　　'| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ
　　 ﾄ､:::/ ／￣｀` ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
　　 `,ﾍ ´:::::::::::::::::. ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rｰ'､
　　　 }:,∨ :::::::::::::::::: ﾄ､:::::::::::::::::::::::::＞＜￣＼::..＼
.　　　 }:::∨::::::::::::::::､-''ﾞ~￣￣￣￣:::::::::...＼　ム:::::ヽ
　　 　 l::::∨ :::: ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.､／...:::::::::ヽ}
　　　　{::::::＼,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／"￣:::::::::::::::::::::::::ﾉ

　　　　　　　-＝ニ　'"　　　　λ 　　 丶　｀丶ｭ､、
　　　 　 　 　 ／　∧　 /　/ /:::ﾞ、:、　　ヽ_　　ヾ/≧ｭ､、
　　　　　　 , ′,. /し　/、/l /:::::::ﾞ､ﾞ､ヽ／´i`　U　V////ﾊ
　 　 　 　 /　ｲ　i　　 j　/`lﾒ､;l:::il:::><ﾞ､:､　 i　　 i. j/////ﾘ、
　　　　　/ /,l/　l　　 :l. i:::::':::::`::::":::::::ヾ::ﾞ:､ l　　 l/|//イ　lﾂ
　　　　　!/〈;i　 :|　　 ﾊ/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:`　　 !У　 !i　l
　　　　　′｜　,l　　 !:::::::　＿＿＿＿ |:|:|:ｌ:i　　i. |′　,' l　l
　　　　　　　|　:ハ　 l:|　　├───┤ |:|:l. l　 ﾊ,! 　 ,'　l　|
　　　　　 　 |　l　 ﾞ、:N　　｜　　　 　 |　　 ,､| /'′　/:　 ! :|
　　　　 　 r-ヘ/｀ヾ:､!丶、 |＿＿＿__|　／'"l/　　.ｲ　　｜j
　　 r‐-‐-､`''<｀'′ ＼ 　 `丶 ,,__,,. -''"　　　　／ j.　 　 | l
　　 ｀`￢-､｀''′　　　 ＼　 ／| ／/　　,..-'''"-―ヾ、　　l !　　　　　　　　　　　　…！
　　__,. -―''ﾞ　　　　　　 ,.　￣￣￣￣￣¨¨'''''''￢-　｀ヾ:、l!
　 └‐'''´￣｀丶,　　　 '"　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾞi l
　　　　　　　,..-′　　 ,. -‐┬┬‐-,-　､,,_＿　　　　　_,,ノ　l
　　　　　　（_,.ィ⌒ ''''"/　　ﾊ. l　 /　　　　　ヾ￣二´-‐'"　 l


　　　　　　 ,. ─- ､,,.＿__
　 　 　 ,ｲ〃　 　 　 　 　 ｀ヽ,__
.　　　N. {'　　　　　　　　　　 　 ＼
.　　N. {　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.　 N.ヽ｀　　　　　　　　　　　　　　　〉
　 N.ヽ｀　 　 　 　 ,.ｨｲ从　　 　 　 /
.　 ヾミ.＿__-‐=彡'ノﾉﾉ__,ゞミ=-_rく
　　　　lrf´ゞ“ﾓ=ヾｰf =ﾓﾁ＜}rv^i !
　　　　ヾﾄ、｀￣,り「弋! ￣´ノ　ソ
　　 　 　 !　￣　 ii{_,.　 ￣　　/r'´　　　　　　　　　　　　　　　 ヤマタノヲロチの伝承に通ずるところがあるなら
　　 　 　 ,ゝ、　 ｉｰ-ー､　　, '　|＼
　　-‐''7´　ドヽ. ｀ニﾆ´ .／;;　 |　 ヾ''ｰ-　　　　　　　　　　　　オホモノヌシもまた、蛇の神ということか？
　　　 /　　 ﾄ､　` ｰ-- ´　,;'　,ｲ　　:|
.　　 /　　　:ト､` ｰ-､ r--‐_'´/　　　|
　　/　_,..､-‐＼ ￣! ﾚ' 厂　/へ、　 :|
　　T´　ヽ＼l.0| 　 V / 　 / /　 ＼　|

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　　⌒ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 （●）（● ） 　　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 　 （__人___）　　　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　 　 |
　　　　　　 　 　 　 　 　　 　 |　　　　　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　、 　 　　,ｲ　　　　　　　　　　　　　　　ああ、そう伝えている伝承もいくつかある
　　　　　　　　　　　　　 　　 ／ヽ,ー-　　　ﾄ､
　　　　　　　　　　_, ､ -─ '".:.ヽ:.:.＼__　/ノ ﾄ、__
　　　__　,.　ー 、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....
　　　＼ r 、　_ ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ｰ､
　　　　　}　}/　)　 V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　/:ゝ/ ./ __　 V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.＼
　　　　}:::::ゝ ソ　,Y　i::::::/::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.:.:.:. ＼


　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　ヽ､__
　　　　　　　　　　　　　 |　　 　（● ）（●）
　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　| 　,ｒｰ､=-､
　　　　　　 　 　 　 　 　 人､　　　　　 　| ,ｲに) |　 l　　　　　　　　　　　じゃあ、まずは『古事記』における
　　　　　　　　　　　_,／( ヽ､.,ヽ., ___ ,__ノi´ ｀ー' |　|ﾍ
　　　　_, ､ -― ''"::::::l:::::＼:::::::::::::::::ｒ'ﾞ´~~　　 ',　jｰ,i　〉　　　　　　　　　 崇神天皇の時代に伝えられる三輪山伝説を見てみよう
　　　/.:::::::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'ｰ-‐え__　　ﾞﾝ'ﾞ /｀i
　　丿;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;((、ヽ （ﾊノ　/lヽ、
　　i ;;;;;;::::::::::::::::|;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;ﾊゞﾆΤﾍ_/;i　l:: l
　/ ;;;;;:::::::::::::::::::!;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::＼::::::::::::::::;;;;;;;ﾊ　::;;;;;;;;::::::::. ',/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三輪山説話　-イクタマヨリビメのケース-　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
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　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : |
　　　　　　　　. : : : : : : : : : : : : : : : ::|: : : ::ノ: : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : :ヽ
.　　　　　　　 i: : : : : :/: : : /: : : : : : :|: : : : : : : : : : : ::i: : : : : : : : : :ヽ: : : : ＼
.　　　　　　　 |: : : : : i: : : ::i: : : : ハ:::ﾊ: : : : : : : : : : :/_ヽ: : : : : : : : : : : : : : /
.　　　　　　　 |: : : : : |: : : ::|: :i: /-|::/-ヽ:＼:i: : : : : /　　i:::トヽ: : : : : : : : : :(
　　　　　　　　 : : : : : : : : ::|: ﾊ(　 ﾘ.　　リ 〉: : : :ﾊi　　 ﾉﾂ　 ): : : : : : : : : : ン
　　　　　　　/: : : : : : : : : ::V　　　　　　　　ﾉﾊ/（　 --　　　 /ﾊ: : : : : : : : :ﾘ
　　　　　　 （: : : : : : : : : : ::ヽ　 x-==＝ミ　　　　　 z＝=-ミ　ﾉ: : : : : : : :ノ
　　　　　　　 ヾ: : : : : : : : : : ミ　　　　　　　　　 |　　　　　　ノ: : : : : : : : (
　　　　　　　　　ヾ: :从: :ヽ: ::ﾐ　　　　　　　　　　　　　　　　 フ: : : : : :ノ｀　　　　　　　　　　　 「あるところに、イクタマヨリビメという美人の娘がいた」
　　　　　　　　　ﾉﾊ: : : : : : :＜ 　　　　　　　　　j　　　　　　 /ﾊ从ノリ
　　　　　　　　　　/: : :::::::::: ヽ　　　　　　＿_　　　　　　　　　/: : : : : |
　　　　　　　　　　i: : : :::::: : : :〉　　　　　(--　　　 ﾌ　　　　 　: : : : : /
　　　　　　　　　　 　: : : : : : へ　　　　　　　　　　　　　　<: : : : : : /
　　　　　　　　　　　ヽ: : : : /　　＼　　　　　　　　　　 イ　　 : : : :〈
.　　　　　　　　　　　 /: : : : ヽ　　 |　＞ 　　　　　 イ.　j 　 /: : : : :
　　　　　　　　　　　〈: : : : : : :〉　 |====-≧ --_'___|.　　　/: : : : : : :〉
.　　　　　　　　　　　 ヽ: : : : /　　|二二二二}ii{ニニ}　　〈: : : : : : :/
.　　　　　　　　　　　　 ヽ: :〈　　　|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:| |:i:i:i:i:i| 　　 ヽ: : : ::/
　　　　　　　　　　　　/: : : : :.　　 |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i| |:i:i:i:i:i|　　　　〉: : : ヽ
　　　　　　　　　　　 (: : : : : : :〉 ノi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:| |:i:i:i:i:iヽ.　　/: : : : : : 〉
　　　　-――--　--.ヽ: : : : /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i| |:i:i:i:i:i:i:i:＼〈: : : : : : /------　、


　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ノ　　 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 f,. '":;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;　　　　∨ 　 　 　 　 　 　 　 ハ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　r ‐イ ､　　　 　　ゝ､＿＿＿,:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　 :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; 　 /:::::::j:＼ヽ、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; 　 　 {
　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:::::::/r-‐､ヾ,:;:;:;:;:;:;:;:;:;　　　　　　　{{　　　　/
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈::::::::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;　　　　　:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀メ、::::::::::r‐ｧ::::::｀:＼,＿_　　 　 　 /　 　 /
　　　　　　:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;＿l　 ｀ー'／ j:::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　　　　　 　 　 　 ／::::::|　 　 '´　 {:::::::::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;Y＞xく, -- ｧ/
　　　　　　 　 　 　 　 ／::::::::::;:;:;:;:;:;:; ､　　＼:::::::::::::.￣.:/::r‐ﾃイ 〃,´　　　　　　　　　　「その娘の許に、とても端正な姿をした男が
　　　　　　　　　　　　i:::::::::::::::::::l　＼＼　　　＼:::::::::::ノ／ ノ ノ／ノ
　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::j　＼｀:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;-‐ｧ─{／　　　　　　　　　　　　　 音もなく夜中にヒメの前に突然に現れた」

　　　i: : : : : :/: : : /: : : : : : : : : :|: : : : : : : : : : : ::i: : : : : : :ヽ: : : : ＼
　 　 |: : : : : i: : : ::i: : : : ハ:::ﾊ: : : : : : : : : : : : : /_ヽ: : : : : : : : : : : /
　 　 |: : : : : |: : : ::|: :i: / 　 厶:斗 ,--:' : : : : : /　　i:::トヽ: : : : : : :(
　 　 : : : : : : : : : ::|: ﾊ( 　 　 x≦v ＼: : : : : / 　 `７冖!￢: : : : : : :ン
　　 /: : : : : : : : : ::V　　ｧ'〃笊トﾐ　 〉: : : ﾊi 　 厶x≦/ﾊ: : : : :ﾘ
　 .（: : : : : : : : : : ::ヽ　 {　ト{:::::「ｉ´}　ﾉﾊ/（　 〃式i.不　ﾉ : : : :ノ
　　 ヾ: : : : : : : : : : ミ 　　く辷ソ　　 ノ′　　{.ｉ:::ﾉﾘ　ノ: : : : : : (
　　 　 ヾ: :从: :ヽ: ::ﾐ　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾞ'ー'ﾞイフ: : : : : :ノ｀　　　　　　　　　　　　 「そして、そのような日が
　　　　ﾉﾊ: : : : : : :＜ ／/／/／　　 　 　 { 　 ／/ '/ﾊ从ノリ
　　　　　 /: : :::::::::: ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : |　　　　　　　　　　　　　　　 まださほども時も経っていないのに、その娘は身籠った」
　　　　　 i: : : :::::: : : :〉　　　　　　　　　　　　　　　 　 : : : : : /
　　 　 　 　 : : : : : : へ　　 　 　 　 -‐‐ ￢　 　 　 <: : : : : /
　　　 　 　 ヽ: : : : /　 i＼　　　 　 　 　 　 　 　 ／ : : : : :〈
　　 　 　 　 /: : : : ヽ ｜　`　 .　　　　 　 　 . イ　/: : : : :
　　　　　　〈: : : : : : :〉|====-　 　 .. ___ .＜　 　 /: : : : : : :〉
　　　　　　 ヽ: : : : / |二二二二二}ii{ニ}　　 　 〈: : : : : : :/
　　　 　 　 　 ヽ: :〈ノi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i| |i:i:i:iヽ　　ヽ: : : ::/
　　　　　　 　 /: : : : :i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:| |:i:i:i:i:i:i:＼ 〉: : : ヽ



　　　　　　　　　　　　　　　　 ．-‐　´￣￣｀ ‐-．
　　　　　　　　　　　　　＞'´　　　　　　　　　　　　｀ ､
　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　 ／＼　　　　 ＼
　　　　　　　　　　 /　　 　 　 　 　 　 　 YﾞrY　　　　　　 ',
　　　　　　　　 　./　　　　　　　　　　　　ﾄ┼}.　　　　　 　 i
　　　　　　　　　 i　　　　　　　　　　　＿≧;≦__　　　　　　i
　　　　　　 　 　 i　　　　　 　 _, -‐ ´　　　　　　 ｀ヽ､_.　 　i　　　　　　　　　 「そこで、父母はそのことを不思議に思い、その娘に問うた」
　　　　　＿｀､＿|　　 __, -‐ ´　　　　＿,　-―-､　　　 ｀ヽ､|＿,ｨ .,
　　　　⌒ヽ｀`: : :｀＜＿＿＿_,ｨ≦乏-‐'´ 　 ｀二三込__　 ＼:"-'―‐ｫ
　　　　　'彡: : : : : : : : :八ｰ‐{｢ｨﾋ･ﾃﾇ￣}'＝=f ﾓ･ﾃ=､Y}｀7､_｀ｫ: :,ｲ´
　　　　　,ｲ´: : : : : : : : :ミヾ､└―――‐'　　 ﾄ―――'" ﾉｨ: :ﾞ: : ﾍ
　　　‐-ﾆｭ,ｨ: : : : : : : : :ﾄヾ､　　　　　　　　　 i　　　　 　 ´/: : : : : :二='
　　　 ‐-=イ: : : : : : : : :ﾍ_　　　　　　　 　 ､ ´,　　　　　__ﾉイ: : 大
　　　‐-=ﾆ彡ｨ,; : : : : : ｬ-ﾆ-　　　　　　　　 i　　　 　 　 　 |: :,､: ﾄ=-　　　　　　　　　　 お前は見た目にはハッキリと妊娠しているお
　　　　　　　'´ ﾍ: n: ﾄ､: ',　　　　　　　 _ -‐-､ 　 　 　 　 ノ､:{　ﾘ
　　　　　　　　∨｀ ヾ､‐=二　　　　　ー――‐'　　　　 ／ ﾍヾ　　　　　　　　　　　　　　夫も居ないのにどうして身籠ったのかお？
　　　　　 _,-ｲ´　　　　　　　¨‐- ．_＿　　　　 ＿．-‐´　　　ヽ
　　 ＞'´､　 ｀ヽ､　　　　　　　　　　　 ￣￣￣　　　　　　　　ﾉ ＼
,イ　 　 　 ヽ､　　｀ヽ､　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ．‐'　 ノ. ｀ヽ､
　　　　　　　 ｀ヽ､　　｀¨‐-､　　　　　　　　　　 　 ．‐'´　　, ＜　　　　 ｀ヽ､

　　　　　　　　　　　　　／ ＼＼ 二二ヽ　＿
.　　　　　 　 　 　 　 ／　　　´. : : : : : : : : : : : : : :ー- 、
　　　　　　　　　　／　 ／ .: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : }ヽ＿
.　　 　 　 　 　 ／　　 ′.:: : : : : : :. :. :. :. :.}ﾉ.: : : : :. :..ノ. : Ｙ⌒'
　　　　　 　 ／　 　 / . :/. : : : l:l : : : : : ／. : : : : : : : : : : : |
　　　　 　／　　　　′ :i: :{: : : :l:l : : :ｌ:. : :.|: : : : : : : : : : : l :ﾄ､
　　　　／　　 　 　 {/. ::|: .ヽ: : :l:l : : l: : : :|イ. : :ｌ : : : : | /.::}ﾉ}
　　 ／　　　 　 　 ,.|: ::ハ : :: ::|-‐=＝=‐/| :!: : :}: _!_: : l/ ノ /
　／　 　 　 /　／　〉: : : : : : ::ト､: : : : :/ .ｌイ: :/´/: :｀/. : : /
.　　　　 　 〈／ 　 ∧ : ::! : : 乂.rr宍示 　　レr宍示/. ／/
.　　　　、／ 　 　 　 ＼ﾉﾍ : : 个ゝzシ　 　 { 弋zｼィ彡イミ=-
　　　 　 ＼　　　　-=彡ヽ:.:.ﾉ.:ﾘ　　　　 　 　 　 　 ﾌ≠ｲｿ
.　　　 　 　 丶　　　　　〉ヽ/ 〈ヽ　　　　　 　 　 ／ 〉:.Y〈　　　　　　　　　　　　　　　 貴く立派なお方がおりまして
　、　　　　　　丶 　 　 { ｀Ｙ´.::} | >､ 　 ｀⌒　イ 　 {:.ヽ/}
　 ＼　 　 　 　 　＼ 　 〉ヽ/ 〈 「￣ ｀ TT ´l 　　　 〉:.Y〈　　　　　　　　　　　　　　　 私はその人の氏素性は知らないのですが
　　　＼　　　　　 　 ＼{ ｀Ｙ´.:} l:　　 　ｂ!　 !　　　 {:.ヽ/}
　　　　 ＼　 　 　 　 　 〉ヽ/:〈_j　　　　ｌ!　ハ＿＿_〉:.Yﾘ　　　　　　　　　　　　　　　 毎夜いらっしゃっていたのです
　　　　 　 ＼　 　 　 　 YﾆﾆY　　　　　ｌ!　　　　 　iニコ丶
　　　　　　　 ＼　　　　 川 | |　　 　 　 ｌ!　 　 　　ﾉ川:| 　 ＼
　　　　　 　 　　＼　　 / |:l | |＼　　 　 ヽ, 　 　 ｲ/l从ｌ 　　　＼
.　　　 　　 　 　 　 ヽ 厶ｨﾉﾙﾍ　　　 　 　 ヽ,　　　 　 　 　 　 　 ＼
.　　　　　　　　 　 　 V　　　　　　　 　 　 　 ヽ,　 　　　　　, 　 　 　＼


　　　　　　　-=彡: : : : /: : : : : : : : : : : :!|: : : : : : : : : : : : : : : V: : : :　!
　　　　　　　　 /: : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : !: : : : ::|
　　　　　　　／: : : : /: : : : : : : /: : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : :|
　　　　　　　( : : : : : : : : !: : : :/|::人: : : : : : : :./ .|: :!: : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　 .>: : : : : : :::|: ::::/-|: |-＼: : : : : /--|::.ト: : : : :/: : : : : :＼: :)
　　　　　＿ノ: : : : : : : :.人:ﾊ{.　∨ __ ）: : /|/　._人|　〉八/:: : : : : : : ::乂
　　　　　　　　）: : : : : :ヽ: {ｘ彳7弌ハレV　　　/! 7弌ｔミレ: : : : : :/: :（
　　　　　　 ￣フ八: /: : : ﾊ　乂;;;ソ.　　|　　　　 乂::ソ　狄ノ: : : : :!:/｀⌒
　　　　　　　　 / .ﾉ人: :＼ミ ::::::::　　　　　　　　　::::::::-=彡: : : : :.ﾉ:（
　　　　　　　　　　 7: 乂:厂ヽ　 　 　 　 !　　　　　　　 ／: : : : : ／|`＼
　　　　　　　　　　　V: : : :.＼　　　　 　 '　　　　　　　.(/Vﾚ＾＼(: :ﾉ
　　　　　　　　　　　 ヽ: : : : : >..　　　　＿　　 　　　　ノ!: : : : : : /
　　　　　　　　　　　　 〉: : ::ﾊ 个x. 　 　 　 ｀　　　 イ　.乂: : : : <
　　　　　　　　　　　 ./: : : : : :.ﾉ 　 .!　　　　　　ィ　　|　（: : : : : : )　　　　　　　　　　　　　　 恐らく、その人との間の子なのでしょう
.　　　　　　　　　　　 !: : : : :./　　 .(iトｚミ　 爪_＿ｚ彡!　.V: : : : /
　　　　　　　　 　 　　 > : :ﾂ　　　 :|ﾐﾆ三}-{ﾆ三三彡}　　〉: : ﾂ
　　　　　　　　　　　 /: : : :ヾ　　　ﾉ:i:i:i:i:i:| .|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|　.(: : : : )
　　　　　　　　=== ﾆV: : : : :)＞'':i:i:i:i:i:i:i:iL.|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:｀i.Λ: :./＝＝===-、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿. -- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .． -─‐┴─- ミ 　 ゝー ． ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　｀　　 、　　　　｀＞ミ、
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ　　　　　 }　 ｀　　 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　 .ｨ介ｫ　　　　　　　　　　　 　 ﾞ: : :　 　 ′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 :' 　 　 Yミｼ　　 　 　 　 　 　 　 　 　 Y　　　⌒
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾄ､　′　 　 ﾄ斗　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　_＞- ､
　　　　　　　　　　 　 　 _jゝ.＿ ｀ヽﾙ:.У- …　 　 　 　 ､　　　　 　 　 　 　 　 仁ィ7　.ノ! ｀ ＜
　　　　　　　　　　　　 ＿ヽ:.／⌒ヾ／　　　　　　　　　　 ＼　　　　 　 　 　 　 |:.:厶匕:.:.i　　　　｀　 ､
　　　　　　　　 　 　 ⌒＞ﾍ　＞､　冫　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ:.:.:.:.／:.:.:7'　　　　 　 ＼
　　　　　　　　　-‐く￣｀　！ゝ─ｫ─‐:r＝＝ミ､　　　　　　　　 　 ､　　　　彡:.:.:.:.:.:.:.:.一イ　＿＿..． ｬ‐＼
. 　 　 　 　 ／ ､ 　 ′　　;:'　 .／:.:.:.:.ミ{　弋ヌ､≧､　　　　　　.．ｫ≦:.:￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ーく.⌒ヽ　　 ヽ ヽ　 ＼
　　　 　 ／　　（__ノ_ノ ／　／:.:.:.:.:.`ﾄ､」 ー─’＾ヾf ー ィ≦= ､ /:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　　 　 　 ､ ヽ
　　　 イ　　　 　 　 ￣　.／:.:.:.:／:.:.:.ヽ.__　 　 /　 　 ､＿`´＿/´!:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:メ､ ￣｀ヽ:!:. 　 　 ｉ　i　　　　　　　　　　　　ふむ…
　 ／　 、　　　 ＿＿ .イ／⌒彡:.:.:.:.:.:.:＼　　ヽ -　　　　　　　　lイ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.::ﾊ　　　　: :l: : 　 　 　 :.
／　 　 　 　 ／´　.．--'─‐--i:.:.:.∧/「｀　　　.′　　　　　　　 ／:.:／:.:./:.:./:.乂:.:.:.:.:.:.:.　　　: : : : : 　 　 　 |　　　　　　　　　　　 お前が選ぶ程の相手とは、その素性知りたくなったぞ
　　 　 　 .／　／　　　　　　　 j从{＼　＼　　ゝ- ､　　　　　ｨ彡 イ:.:.:.:./:.:./＼:.:i ￣＾ヽ:}　　 !: :/: : 　 　 i　 |
　　　　／　／　⌒　、　　　　　　＼　＼　　 ､　　　　　　　　　斗１:.／j:.ノ　/ ヾ　　　 ｿ　　 |: ': : :　　　 |　.′
　　 ／ /￣ヽ　　　　　　　　　　　　　､　｀＞　｀≧＝──一彡’ ﾚ’ ／ 　 ′　　　 　 　 　 l:': : :　　　　' /
　 .厶イ　　　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀＞　　 ＿＿＿__ .．´　 ,　　　　　　　　　　　∨: :　 　 厶'斗 "´


　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -‐ ￣￣ ‐- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　rn　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　}ｲ　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　 　 |　　　　.=-‐斧‐-､. 　 | 　 ,
　　　　　　　　　　　 ﾄ､_|､_.レ-＜二-‐――-二ﾑi__ノ|＿,
　　　　　　　　　　　 ≧: : : : : :ﾄ{fﾓﾃ")厂frﾓﾃ")}': : :´≦､
　　　　　　　　　　-=彡,: : : : ﾐ辷￣￣ 　.i￣￣フ; : : : :ヽ=ｨ
　　　　　　　　　　　　'´|ｲ/: :ﾄゝ　　　　｀i　　　'´ﾉｨ: : ﾇ'≦
　　　　　　　　　　　　　　'リ7､　 　 　 ∠〉 　 　 彳ヾ`｀
　　　　　　　　　　　　　　 _/　｀ ‐-　__＿_,　＜´ ∨　　　　　　　　　　　　　　　　　　 そうだお、赤土を以て床の前に散らし
　　　　　　　　　　　,=イ´ ゝ､　　　　　　　　　　 　 〉ヽ､
　　　　　　　 　 ｨ＜　　 ｀ヽ､二‐- ､＿＿＿,　-‐'´_ノ´ `ヽ､　　　　　　　　　　　　　　糸を通して男の布の裾に刺せば、どこに行ったかがわかるお
　　　　　　-‐'´　　　　　　　　　｀ゝ――――‐'"´　　　　 　｀ ‐-
　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ､　　 ヽ､

　　　　　　　　　　　　　／ ＼＼ 二二ヽ　＿
.　　　　　 　 　 　 　 ／　　　´. : : : : : : : : : : : : : :ー- 、
　　　　　　　　　　／　 ／ .: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : }ヽ＿
.　　 　 　 　 　 ／　　 ′.:: : : : : : :. :. :. :. :.}ﾉ.: : : : :. :..ノ. : Ｙ⌒'
　　　　　 　 ／　 　 / . :/. : : : l:l : : : : : ／. : : : : : : : : : : : |
　　　　 　／　　　　′ :i: :{: : : :l:l : : :ｌ:. : :.|: : : : : : : : : : : l :ﾄ､
　　　　／　　 　 　 {/. ::|: .ヽ: : :l:l : : l: : : :|イ. : :ｌ : : : : | /.::}ﾉ}
　　 ／　　　 　 　 ,.|: ::ハ : :: ::|-‐=＝=‐/| :!: : :}: _!_: : l/ ノ /
　／　 　 　 /　／　〉: : : : : : ::ト､: : : : :/ .ｌイ: :/´/: :｀/. : : /
.　　　　 　 〈／ 　 ∧ : ::! : : 乂.rr宍示 　　レr宍示/. ／/
.　　　　、／ 　 　 　 ＼ﾉﾍ : : 个ゝzシ　 　 { 弋zｼィ彡イミ=-
　　　 　 ＼　　　　-=彡ヽ:.:.ﾉ.:ﾘ　　　　 　 　 　 　 ﾌ≠ｲｿ
.　　　 　 　 丶　　　　　〉ヽ/ 〈ヽ　　　　　 　 　 ／ 〉:.Y〈
　、　　　　　　丶 　 　 { ｀Ｙ´.::} | >､ 　 ｀⌒　イ 　 {:.ヽ/}　　　　　　　　　　　わかりました
　 ＼　 　 　 　 　＼ 　 〉ヽ/ 〈 「￣ ｀ TT ´l 　　　 〉:.Y〈
　　　＼　　　　　 　 ＼{ ｀Ｙ´.:} l:　　 　ｂ!　 !　　　 {:.ヽ/}　　　　　　　　　　　そのようにしてみよう
　　　　 ＼　 　 　 　 　 〉ヽ/:〈_j　　　　ｌ!　ハ＿＿_〉:.Yﾘ
　　　　 　 ＼　 　 　 　 YﾆﾆY　　　　　ｌ!　　　　 　iニコ丶
　　　　　　　 ＼　　　　 川 | |　　 　 　 ｌ!　 　 　　ﾉ川:| 　 ＼
　　　　　 　 　　＼　　 / |:l | |＼　　 　 ヽ, 　 　 ｲ/l从ｌ 　　　＼



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
|.　　　　　 　 　 ／￣＼　　　　　　　　 |
|　　　　　　　　 |　　　　|　　 　 　 　 　 |
|.　　　　　 　 　 ＼　 ／　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　「娘は父母の言いつけどおりに、してみると…
|　　　　　　　　　 ｜｜　　　　 　 　 　 .|
|　　　　　　　　　 ｜｜　　　　 　 　 　 .|　　　　　　　　　　糸は扉の鍵穴を通って、続いている」
|　　　　　　　　　 └┘　　　　 　 　 　 .|
|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣


　　　　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : :: :、
　　　 　 　 　 　 　; : : : : : : : : : : : : ::! : : : : : / : : : : i : : : : : : : : ＼
　　　　　　　 　 　 : : : : : : : : : :l: :i: :,:ｲ::∧ : : : ; : : : :ﾄ､ ; : : : : : : : :）
　　　　　　　　　　 | |ｌ : : : : : : ::',: |:/ |/__,Ⅵ: : |: l: |:ﾘ Vﾄｌ: : : : : : ;ゝ
　　　　　　　　　　 ｊ:,': : : : : : : : :Ⅵ爪　ん:::仆: |: l: ﾘ ⌒V:: : : : ::ﾄｊ
　　　　　　 　 　 .（:i: : : : : : : : : :Ⅵ　　弋)/ソⅥリ（ィﾁ心ｱ : : : l::ﾉ
.　　　　 　 　 　 　 ヾ: :l::､::､:､:､:､:､冬 `ー　　 　 　 弋)ｿケｨ : : ;ﾘヾ
　　　　 　 　 　 　 　 ｹハ ﾍ八ト八ゞ u　／／／／　ーﾑｲﾊﾄﾉ|
　　　　　　　　　　　 　 　 ,' : V:V∧　　　 ,､_　　 　 　 　 i::::::::::ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　 V: ::V : ::|　 　 ｛/　￣｀7　　　八:::::/
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ: : : Vi　　 　 ､::::::_ノ　　　ｲV: :V
　　　　　　　　　　　　　　　 / : V∧　丶、　　　　.イ 　 /: V∧
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 { : : : : :;ｌ 　 　 ｀ ｧ‐´　　 　 { : : : : 》　　　　　　　　　　　　 えっ、あの方はこの鍵穴を通って私の元へ…
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ: : : V 丶、　∧　 　 　 　 V : : /
　　 　 　 　 　 ／三三三三/::::V∧三L!三二≧､_　　　 》V∧　　　　　　　　　　　　　つまりはあの人は…！？
　　　　　　 　 {{ 三三三三 {: : : : :ﾘ三||三三三三≧_　 《: : : :》
　　　　　　　 /.三三三三三》: : ::《.三||三三三三三三ﾆV : /
　　　　　　　｛三三三三三/: : ﾚ:∧三||三三三三三三 /V∧
　 　 　 　 　 ;.三三三三三V : : : :/三||三三三三三三《: : : :》
　　　　　　　i{:::三三三三三》: :V《.三||三三三三三三ﾆ》: : 《

　　　　　　;;⌒　　、
　　　（;;;　,,;;　　　　ヽ、　_,,,...:-‐‐=-..,,,_
　　　　　　 (＿,,, 　;;ノ,r'"::　::　　 　　　::＼,,.....,　　　　　　　　　　　 ;;⌒　　、
　　　　　　　　　 ,,r'"::　::　:...　　　　　:::　. ::;　:::.`'::.､　　　　　 （;;;　,,;;　　　　ヽ、
　　　　　　　　,:r':::　::　.:::　::　　　　　　::　 　 :;　::: .:: `':.､　　　　　　(＿,,, 　;;ノ
　　　　　　,r'":::..　..::　..:::.　....　　　　　 :　 ::　　:;　:: ::.　::`'::､_
　　　　,r'"::::　　...:::　:...:::　::　;,,, - '''' ''':‐-,, ,,　　　　　　::.　::`'::､_　　　　　　　　　 __,, - ''""　　　　　　　　 「糸を頼りに尋ねいけば、三輪山に着いた」
　　,r'"...::::..　......:::::　　　　　　　　　　　　　 　" ''''‐- ,..,,,...　　__,, -‐- ,...　.-‐‐''''"
,r'":::,,,,,,　:::::......::::::　...　　　　　　　　　　　　　　　_,, - ''" ""'''"" `'' -,..　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「その時、手元に残った意図は三巻きのみでそこを名づけて
　　:::.....　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　-‐"　　　　　　　　　　　　 "''　-‐‐‐-,..,,.
　　　　　::::,,,::;;;;:::::::: :::::;;;;;::::::: ;;:::::;::;;;;::::,:::::;;;;;::;;; :::,,::::::: ::::; ;;;;:::::::;;; :::,,:::::::::::::;;,,,　　　　　　　　　　　　　　　　　 美和（三輪）と言うようになった」
　　...:::::;;:::::::::::;;;;,::::::::::::::::::::://::::,,;;;;:::::::::::;;;;:::::::: :::::;;;;;::::::: ;;:::::;::;;;;:::;;::;::::://:::::::.::::;;:.......
　::::;;; :::,,::::::: ::::; ;;;;:: :::::::::: //...::::.::::;;;;:;;;;;,:;;;;;::;;;;;;;;;;:::::::::: :::::::: ;;;;;;;;;;;; :::://:;::::::::::;;;::::::;;::::::::...,,,
WWWwwwjij,,.、,、,,,vWWwjjwvjiiijwwiijijyyywWwWWjjwv,,.、,、,,,jiiijwwiijijyyviiijwiijijywWw

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三輪山説話　-イクタマヨリビメのケース-　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　　ほう、確かに蛇の神だな
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　＿＿＿
　　　　／ノ　 ヽ､_ ＼
　　 ／（●）　（●.）　＼
　／　　（__人＿,）　　　 ＼
　| 　ｌ^l^lｎ ⌒ ´ 　　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　お？
　＼ヽ 　 L　　 　 　 　 ,／
　　　 ゝ 　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 どこがだお？
　　／ 　 /

　　.ﾄ│|、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |
.　{､l ､ﾄ! ＼　　　　　　　 　 　 /　　 　 ,ﾍ　　　　　　 　 　 　 　 　 |
　 i. ﾞ､ iヽ　　　　　　　　　　／　 /　　/　ヽ　　　　　　　　　　　　│
.　 ｌヽﾐ ゝ`‐､_　　　＿_,. ‐´　 ／　 ,.ｲ　　 ＼　ヽ　　　 　 　 　 　 |
　　`‐､ヽ.ゝ、_　　　　＿,,.. ‐'´　 ／/l , ‐'´, ‐'`‐､＼　　　　　　　 |
　　ヽ､.三 ﾐﾆ､＿ ＿＿＿ _,. ‐'´／/-─==＝＝=-､ヾ 　 　 　 ／ヽ
　　　　　　　 ,.‐'´　`''‐- ､._ヽ 　 /.i　∠,. -─;==:- ､ゝ‐;----//　ヾ.､
　　　　　　　[　|､!　 /'￣r'bゝ}二. {`´ '´＿_ （_Y_）,. |.r-'‐┬‐l l⌒　| }
　　　　　　　 ﾞl |｀}　..:ヽ--ﾞ‐´ﾘ￣ヽd､　''''　 ￣￣　 |l　　　!ﾆ! !⌒ //
.　　　　　　 　 i.! l .:::::　　 　 ｿ;;:..　 ヽ､._　　　　　_,ノ'　　　　　ゞ）ノ./
　　　　　　　　 ｀ ｰ＝=--‐'´(__,. 　 ..、　￣￣￣　　　　　　i／‐'／　　　　　　　　　　　 フッ、想像力が乏しいな
　　　　　　　　　 i　　　　 　 .:::ﾄ､ ￣ ´　　　　　　　　　　　 l､_／::|
　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:　 　 |　　　　　　　　　　　　やる夫
　　　　 　 　 　 　 ヽ　　　　　ｰ‐==:ﾆﾆﾆ⊃　　　　　 　 　 !::　　　ト､
　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　､＿＿,,.. 　 　 　 　 　 　 /:;;:　　　.!; ＼
　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　 ::::::::::: 　 　 　 　 　 ／:::;;::　　／


　　　　　　＿＿＿
　　　　／ノ　 ヽ､_ ＼
　　 ／（●）　（●.）　＼
　／　　（__人＿,）　　　 ＼　　　　　　　　　想像力多寡なキバヤシが
　| 　ｌ^l^lｎ ⌒ ´ 　　 　 　 |
　＼ヽ 　 L　　 　 　 　 ,／　　　　　　　　　 今回は羨ましいお
　　　 ゝ 　ﾉ
　　／ 　 /



　　　　　　　　　＿＿＿
　　 　　　／）／ノ '　ヽ､＼
　　 　 ／ .ｲ '（●） 　.（●）＼　　　　　　　　　　　　ちょい、どういうことか
　 . 　/,'才.ﾐ).　 （__人__）　　　＼
　 . 　|　≧ｼ'　　 ´ ⌒｀　　　　　|　　　　　　　　　　 教えてくれお！
　　.　＼　ヽ 　　　　　　　　　 ／

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　　　　　　　　　 その男は鍵穴から出入りしていたわけだ
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　　 鍵穴のような狭い所に入れるとするなら
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､　　　　　　　　　　　 蛇ぐらいのものだろう？
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　 　 　 　 ＿＿__
　　 　　 　 ／_ノ 　ヽ＼
　　 　 　／ （ ●）　（●）、
　　　 ／::::::::⌒（__人__）⌒＼
　　　 |　　 　　　|r┬-|　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　おー？
　　　 ＼ 　 　 　 `ー'´　　／
⊂⌒ヽ　〉　　　 　　　 ＜´/⌒つ　　　　　　　　　　　　　　 別に虫とかでも鍵穴には入れるんじゃないかお？
　 ＼　ヽ　 /　　 　 　 　 ヽ　/
　　　＼_,,ノ　　　　　　|､＿ノ


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、 　
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　 　
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l　　
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|　　　　　
　 ＼`.、_　　__ ,. _彡'ﾉﾘ _,.ゝ、　 |　　　
　　　｀ゝf‐　＿ヾ二r .＿__,, y=ﾚヽ.　 　　　　
.　　　 |fjl、´￣ .ﾘj＾ヾ´｀￣` ﾉ ﾚ ﾘ 　
　　　　ヾl.`ｰ- べ!ﾞ‐ ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　 　　　　　　　　　　　 うむ…！
　　　　　 l　 　 f,.ﾆﾆﾆヽ　u　/:|　　
　　　　 　 ﾄ､　 ヽ.＿_.丿　 ,ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　これは…どういうことだ
　　　　　_亅::ヽ、 ー 　 ／　i　:ﾄ､　　
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､　　　　　　　　　　　　　　　やらない夫？
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l　　　　
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　　⌒ ´ ⌒
.　　　　　　　　　｜　 　　( ●) (●）
　　　　　　　　　 ｜ 　　　 （___人__）
　　　　　　　　　　.|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　 j　　　　　 　　|
　　　　　　　　　..ノヽ、　　　　, ノ　　　　　　　_　　　　　　　　　　　　　　　　そうだな、これだけだと
　 ,.　ｰ、一一´:::::::::::::≧ーｰ"7　　　 　 　 　 i' Y
. / .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.｀-、　　　　 　 i　l　_　　　　　　　　　　　　　　鍵穴を通った時の神の姿は不明瞭なままだな
/ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ＞-､　　　|　lﾌ　ト､
.::::::::::::::::: !::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ　　i／ ,.ｲ 丿
:::::::::::::::::: l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. v:: l　/　　i'r ´,.ｨ
:::::::::::::::::: l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::: l　j　 丿r´,.ｨ
:::::)::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::: 八　　　｀ﾁ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 l⌒＼　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 !　　　〈 　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　/ 　__,.ノ｀ ⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒ト､/　　（＞ ）（●）
　　　　　 　 　 　 　 　 　 r-='´　　　　　ヽ 　 　（___人__）
　　　　　　　　　　　　　　|　　　　＿∠ ノ |　　　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　}　⌒´　　　　 ｀V　　　　　　 |＞ー- 、　　　　　　　　　　　　　　　　まぁ、俺としてはキバヤシがすぐに
　　　　　　　　　　　　　　〉　　　　　　 -‐く　　　　 　　|:::::::::::::::::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　￣ 　 　　 /｀ヽ.,___ ,__ノ７::::::::::::::::::::::|　　　　　　　　　　　　　　蛇だと気付いたのは何もおかしくないぞ
　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　　　　　　／|/:ヾｰ--ｰ"　ゞ:::::::::::::::/::::ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 ７ |　　　　￣　, /ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::i
　　　　　　　　　　 /::::ｌ|　、　　　　／ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::∧
　　　　　　　　　　 l:::::ｌト-ゝ==- '´丁::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::∧／⌒ヽ
　　　　　　　　　　 ＼::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::／￣　_ノ⌒ヽ


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　　__ ,. _彡'ﾉﾘ _,.ゝ、　 |　　　
　　　｀ゝf‐ゞﾞujヾ二r^ｧｕj＜ y=ﾚヽ.　
.　　　 |fjl、　￣.ﾘj＾ヾ.) ￣ 　ﾉ ﾚ ﾘ 　
　　　　ヾl.`ｰ- べ!ﾞ‐ ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　
　　　　　 l　 　 f,.ﾆﾆﾆヽ　u　/:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 どういうことだ？
　　　　 　 ﾄ､　 ヽ.＿_.丿　 ,ｲ　|　　
　　　　　_亅::ヽ、 ー 　 ／　i　:ﾄ､　　
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l　　　　
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　　⌒ ´ ⌒
.　　　　　　　　　｜　 　　( ●) (●）
　　　　　　　　　 ｜ 　　　 （___人__）
　　　　　　　　　　.|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　 j　　　　　 　　|
　　　　　　　　　..ノヽ、　　　　, ノ　　　　　　　_　　　　　　　　　　　　　　　　 この手の話を以前に聞いたこと…
　 ,.　ｰ、一一´:::::::::::::≧ーｰ"7　　　 　 　 　 i' Y
. / .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.｀-、　　　　 　 i　l　_　　　　　　　　　　　　　　あるだろ？
/ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ＞-､　　　|　lﾌ　ト､
.::::::::::::::::: !::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ　　i／ ,.ｲ 丿
:::::::::::::::::: l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. v:: l　/　　i'r ´,.ｨ
:::::::::::::::::: l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::: l　j　 丿r´,.ｨ
:::::)::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::: 八　　　｀ﾁ


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、 　
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　 　
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l　　
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|　　　　　
　 ＼`.、_　　__ ,. _彡'ﾉﾘ _,.ゝ、　 |　　　
　　　｀ゝf‐　＿ヾ二r .＿__,, y=ﾚヽ.　 　　　　
.　　　 |fjl、´￣ .ﾘj＾ヾ´｀￣` ﾉ ﾚ ﾘ 　　　　　　　　　　 この手の話…
　　　　ヾl.`ｰ- べ!ﾞ‐ ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　
　　　　　 l　 　 f,.ﾆﾆﾆヽ　u　/:|　　　　　　　　　　　　 聞いたことも何も、神と結婚するというと
　　　　 　 ﾄ､　 ヽ.＿_.丿　 ,ｲ　|　　
　　　　　_亅::ヽ、 ー 　 ／　i　:ﾄ､　　　　　　　　　　　 今までもそうだが、いつも蛇が絡んでくるからな
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l　　　　
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　ヽ､__
　　　　　　　　　　　　　 |　　 　（● ）（●）
　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　| 　,ｒｰ､=-､　　　　　　　　　　　　そうだな
　　　　　　 　 　 　 　 　 人､　　　　　 　| ,ｲに) |　 l
　　　　　　　　　　　_,／( ヽ､.,ヽ., ___ ,__ノi´ ｀ー' |　|ﾍ　　　　　　　　　　　 この手の蛇婿入り譚は日本全国に広くみられている
　　　　_, ､ -― ''"::::::l:::::＼:::::::::::::::::ｒ'ﾞ´~~　　 ',　jｰ,i　〉
　　　/.:::::::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'ｰ-‐え__　　ﾞﾝ'ﾞ /｀i　　　　　　　　　　 これは水の神を祭る祭祀の伝承化の結果だろう
　　丿;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;((、ヽ （ﾊノ　/lヽ、
　　i ;;;;;;::::::::::::::::|;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;ﾊゞﾆΤﾍ_/;i　l:: l
　/ ;;;;;:::::::::::::::::::!;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::＼::::::::::::::::;;;;;;;ﾊ　::;;;;;;;;::::::::. ',/


　　 　　 ＿_＿__　　　　　━┓
　　　 ／　―　　 ＼ 　　 ┏┛
　　／ノ　　( ●)　　 ＼　 ・
.　｜ ( ●) 　 ⌒）　　　|
.　｜　　 （__ノ￣　　　 /　　　　　　　　　　　　　けど、三輪山は山だお
.　｜ 　 　 　 　 　 　 /
　　＼＿　　　 ⊂ヽ∩＼　　　　　　　　　　　　 それだと、蛇の神様とは言い切れないんじゃないかお？
　　　　/´　　 　 (,＿ ＼.＼
.　　 　|　　/　　　　　＼＿ﾉ

　　　　　　　　　　　 __,〟-─ﾍ-ーノ＿
.　　　　　　　　, ‐'.゛　　　　　　i　　　　ｰご_''‐ ､_
.　　　　　 　／　　　　　　 　,.　|　､　　　　 　''-,, '' ‐
　　　 ,. .,‐./　,　　　　ﾊ　　/ルドｖ .l　　　l 　 ＼.ヘ､_
　,.-'゛::,'゛::〈 ./　　　　ﾊ　 / ｊ | .|　ｖ .l'.,.　　l　　ﾍ.　ﾍ:::〉
〈:::::::::,':::::::::,'　ﾊ　 ､,.ﾊ　/ ./　| l　　ｖ l' _.,､　l　　ﾊ 　ﾍ
　'.､::,':::::::::.j　ﾊ　　 /゛'ﾒ.､/,,　|.,'　,,､.l'.l゛.'.,　　l　　 l''-,.ﾍ
　　.〉:::::::::.l　l.　　 /l /　./　　.!'　　　.',|　 ',.　 |　　　l:::',.ﾍ
　　｀'.､.:::::|./i!　　j l/＿__　　　　　 　＿__ .',.　|　　　|／
　　　| |｀.'ﾒ::;|l.　 j.≠≡气.　　　　　气ミ≡.', j　i　　|
　　　| |. ',　 ,.l　.j.　　　　　　　　　　　　　　||/ .ハ　|
　　　| |　',.　'､l l.　 　　　　　　　　　　　　　ﾚ'|/ .| ',.ｊ
　　　| |　 ',　 ｀llｰ､. 　　　,　‐‐-　､　 　,,.イ|　　.|　ﾘ
　　　| |.　 ﾄ　　　ヽ.l.'': ､ .ｰ‐―_.- ' :イj　 i!.l　　,ﾚﾍ.,.－ 、　　　　　　　　　　　　　　 けど、蛇は山に住んでいる動物よ
　 　 |.|　　||',.　　 ﾊ.l 　,ノ〕｀￣〔ヽ､. j/　.,'|j　 く　　　　　 ⌒',
.　　 |.| 　 .|| ',.　　 ﾊ／　 '.,, -‐-J　｀ヽ､' .ll　　.ｊ.>　　　　 __.ﾉ　　　　　　　　　　　　　普通に山の神でもあったと考えてもいいんじゃないの？
.　　 l.l　　.||　',.　　 ﾊ.　　　',.　　 |　　././ﾒ.　　ハ.__,、 　　）
　　 l.l.　　j!　,λ　.　ﾊ.､ 　　',　　|　 / // l　　j　　　 `ー ′
.　　|| 　　ｊ!.,.'　.',　　 ﾊ､＼ 　',　 | ./ //　l　　jヽ.
.　　ll　　.ﾚ'　　　',　　 ﾊ ＼＼',　ﾚ' // .} l　 ./　｀ヽ、


━┓
┏┛　　　　　⌒
・ 　 　　 ＿＿_⌒
　　　 ／　―　乂＿＿＿_　　　　━┓
　　／ノ　　(●／　　 ―　＼　 　┏┛
.　｜　(●) 　 | 　 　 (●)　ヽ＼　・　　　　　　　　　　　　　うーん…
.　｜　 　 （__ﾉl　 　（⌒　　(●) |
.　│　 　 　 　〉　 　 ￣ヽ__） 　 |　　　　　　　　　　　　　　それだと山には虫だって一杯いるお？
　　＼＿＿／´　　　　　 _＿_／
　　　　　 /|　　　 　 　 　 ヽ
　　 　 　 | |　　　　　　　　 |

　　　　　　　　　　　　　＼､__　　　 ,.､
　　　　　　　　　　　　　　_｀ヽ:`ｰ､ﾉ: ::`ｰ::-─-.､__
　　　　　　　 　 　 _,.-‐'´ : : : : : :{: : : : : : : : : : : : : :｀ヽ、
　 　 　 　 　 　 ,ｨ´: :／ . . . . . : : |: : : : : : ヽ: : : : ＼: : : ﾍｰ-.､__
　　　　　 　 ／:_::;イ . . ./. . ../. :/|､: : : |. . . .ﾍ. . . . .＼: : :;ﾊ_:::::::::＼
　　　　 　 /'´ ／:.:/ : :/: : ::/: :/　|∨:: :|: : : : :ﾍ: ::: : : :ﾍ::ｊ:::::｀r-､::::::〉
　 　 　 　 　 /: :/::ｉ: : :|: : :::|:.:/ 　 | ∨:.:|: : : : : :ﾍ: ::: : : :ﾊ:::::::::|: :}:::/
　　　　　　 /: ::ｊ: ::|: : :| : ::,ｨ:.:{　　 |　V: :|ヽ､:.;／::ﾊ: ::: : ｉ:.|:::::::::|:.:|/
　　　　　　 |:.:/'|::ｊ|: : :| : ::ｊ | :|＼_, |　∨::|_,ノV: : : :ｊ:: :::: |: |::::::::|:.:|
　　　　　　 ｊ/　|:;||: :.:|: ::/　|.:|　 　 |　 V::|　　 ∨::;ﾊ: :::: |:.:|;_;;;;ｊ: :|
　　　　　　　　 |'´|,ｨ/＾/｀) ヽ{. __,　｀　 ヽ{　_＿_∨　|: :: ﾄｉ:|:/::ｉ:: :|
　　　　　　 　 　 /./ / ,/ /) ｱZ彡"　 　 　 戎Ｚ弐、|:.:λ:ﾘ::: :|:: :|
　　　　　　　 　 ｊ　　 　 V ,ﾊ　　　　　　　 　 　 　 　 |;/ ,）:::: : |: : |
　　　　 　 　 　 |　　　　　 {::}　　　　　'　　　　 　 　 ,-r'´::::: : :j: : :|　　　　　　　　　 そ…それもそうね
　 　 　 　 　 　 |　　　　　 ｊ:::ヽ、　　,-─-､　　 　 ノ　ﾘ::::: : : /: : :|
　　　　 　 　 　 ｊ　　　　,,ノ::::::ｉ:::｀＞｀ﾆﾆ=´-‐τ´｀ヽ/:::: : : /: : : :|
　　　　　　　　ｉ"￣￣￣｀ヽ: ::|"|　　 | ` 　 　,/　　 /:: : : : /: : : : :|
　　　 　 　 　 ｊ　 　 　 　 　 〉::| |　　 |-─--/　　 /: : : :／ﾊ: : : : |
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　　／ノ　　( ●)　　 ＼　 ・
.　｜ ( ●) 　 ⌒）　　　|
.　｜　　 （__ノ￣　　　 /　　　　　　　　 やる夫だって、こんな事言うのは馬鹿馬鹿しいと思ってるんだけど
.　｜ 　 　 　 　 　 　 /
　　＼＿　　　 ⊂ヽ∩＼　　　　　　　　確証がないってのは頭の固い人には理解されないじゃないかお？
　　　　/´　　 　 (,＿ ＼.＼
.　　 　|　　/　　　　　＼＿ﾉ

　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　 　　 　 ｜　 　.（ ●）（●）
.　　　 　　 　 　 　 ｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　 　　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 .|　　　　　 　　|
　　　 　 　 　　 　　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　　　 ,. -ｰｰ -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
　　／..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: く'、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　うーん
.　｛ :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ､_
　 '| ::::::::::::::::::::::..｀、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 そう言われると、俺も何とも言えんな
　　'| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ
　　 ﾄ､:::/ ／￣｀` ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
　　 `,ﾍ ´:::::::::::::::::. ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rｰ'､
　　　 }:,∨ :::::::::::::::::: ﾄ､:::::::::::::::::::::::::＞＜￣＼::..＼
.　　　 }:::∨::::::::::::::::､-''ﾞ~￣￣￣￣:::::::::...＼　ム:::::ヽ
　　 　 l::::∨ :::: ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.､／...:::::::::ヽ}
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　　　　　　／￣二ﾆ= 、　　　　 ＿_, --―=＝ﾆ二≧.＿_
.　　　 　 / ／　　 ､　　＼　　／/ ｽ､　　 -=○≠‐ゝ,-‐　｀ヽ
　　　　　ﾚ'/　　　ヽ＼＼　`< .ｲ /　-‐=≠ﾆ二＿　/￣ ｀ 　 }
　　　　　ﾚ'　 , -‐ 　ﾊﾊ　ﾄ､　':. ｜-‐　_,.=ｧﾃ从:.　（_､￣｀　　'.
　　　　　|　 // /／　 ｜lｉ ﾄ､,(］ |.ｨ=彡'／ﾙ'‐-ﾊﾄ､ヽヽ　　　　＞―=ｧ‐―--
　　　　　|/// /　　　 | l 川ﾄ､ｿ ﾙ'.:://(　 行㍉ヽ ﾉﾊ_;ﾊ　　_/　　ｒ‐'　　￣
　　　　　|//　　 　 　 | l' ﾑィ斗くﾊ:l八　　 ｀ﾆ=　 （ｆﾊﾘ:j:;>く.{　 ノl＼
　　　　　|/　　　　　　| ﾄ､::::V人ゞ ﾘ　 　 　 　 　 _､〉/:イ　　 ＼ﾆ{ ヽ＼
　　　　　'　　 　 　 　 | |',ﾊ::::）ﾉﾉﾌ′ 　 　 ＿_ ､_ ´/人ゝ　　　 ｀ヽヽ＼＼
　　　　 ,　　　　 　 　 | |'i 川'((.:/　　　 　 ´　￢｀ /　　　　　　　　 ＼ ｰ==ﾐヽ
　　　　 |　　　　　　　 , ﾘ/{/￣￣｀ヽ＼　　　　　/　　 　 　 　 　 　 　 ー=､ ヽ
　　　　 |　　　　　　　,'　//　　　　 //lﾄ.＼＿ ..ｨ＿　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　 |　　　　　　 ,　//l＼ー-=//　|　＼_|_,ﾍ　∧ｰ‐≠ﾆﾌ￣￣￣　ﾌ77ｱ广　　　　　　　　　　　　 それもそうだね
　　　　 |　　　 　 　 l　l/ |ヽ ＼ //､__,l｀ヽ　　 ﾉ}/ ハｰ-=ﾆ、　　 　 ／ // /／
　　　　 | 　 　 　 　 l　; /|　 ＼{{　 ｰ-=二ﾆ=-く'_/＿}ｰ-､ 　ヽ＿／ /// /'　　　　　　　　　　　　　　　当時としてはこれが常識だとしても
　　　　 |　　　　　 　 /,　|　　　ヽ　　　＼＼　　爪　　　　 ＼ {　 |　/// /
　　　　｜　　　　　l //　|i　　　　',　　　　　 ＼{ l,ハ　　　 　 ';i　 |'/// /　　　　　　　　　　　　　　　　 現代の人が納得できない所もあるだろうさ
.　 　 　 l　　　　　///　 ||　　　　 ',　 l　　　 　 ＼ヽ}　　　　　ﾊ　|'// / 　 　 ／
　　　 　 .　　　　//ｲ i　l||　　　 　 ヽ. l　　　　 　 　 |￣￣￣｢' | l|i/ /　　 ／
　　 　 　 ',　　 ／ 八ﾊ ｌ||　　　　　　 ＼　　　　　　 |　 　 　 |　| l|　　　／

　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　 　 _,.ノ　⌒
　　　　　　　　　　|　　 　（ ー）（ー）
　　　　　　　　　　.|　　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　|_,-‐、_ -、
　　　　　　　　　　.人､　　 　　 厂丶,丶　v　〉　　　　　　　　　　　　　　 そういえば、この前
　　　　　　　 _,／::::ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ
　_, ､ -― ''"...:::::::::＼::::::::::::::::::::(　　　　〔"ﾆ‐-、　　　　　　　　　　　　　現代人の視点から古事記に突っ込みを入れてる本を見かけたな
/.::::::: ':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　 ／⌒ヽ:::::: )
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　',::::|
:::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈　:::::::::::::::... ',::i
:::::::::::::::!::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　::::::::::::::::::. ',


　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　子供を切り捨てるイザナギは親失格だとか…
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、　　　　　　　　　　　　　　　　　まぁ、色々と書いてあったな
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l


　　　　　　　＼　　iー´─ -: : : : : : : : : : : : : : : : : ｀: ‐.､
　　　　　　　　 ＼､l: : : : : : : -､: :､_: : : : : :.; : : : : : : : : :`
　　　 　 　 　 , r　": : : : :､: : : : ｀ヽ二:_:‐:/､_: : : : :, --‐.'
　　　　　.ィ ´: : : : : : ; : ／､｀` ‐ ､: : ＼了￣｀` ＞ゝ＿ ,
　　　／: :,　ィ: : : :.l: :.l/　　 ＼　　 ｀`.‐/ヽ 　 ./.x7ヽ .',
　　/／´　 /: : : : :.',: :',　　　　 ＼　　./　　 .／仡:::::/
　　 　 　 ./: :.;.:.|: :.: '､:.'､　　　　　 ｀　　　.／,仍:::::ソ／〃
　　　 　 /: :./:..:l: : : : l'.､'.,　　　,　　　　　　 .´｀'''／ 〃
　　　 . /: : :l: : : : : : :..',　＼.,／
　 　 . ,': :..:.:|: : : :V.:,､斗 '"　　　　／,,
　　　..l: : :./|: : : : V: : ∧　　　／xf_'ﾉヽ　　 .`
　　　 |: :./ .|: : : : :.V: : ∧./,xf"::::::::ソ／　　　　'､._
　　　..l.:/　 ',: : ﾄ: :..:V＼:.l⌒i＿`'''´/ 〃　　　　　 .｀
　　　..l/　　 ', : l.ﾍ: : : :／　.ﾉ､　　　 〃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 そりゃ、時代が違うんだし
　　　　　　　 ﾍ:.l　.ﾍ／　／ヽ: ,ヽ､　　　　　　　　　　　　,
　　　 　 　 　 {´ヽ／ ._／ -､: ゝ ー､ ､　　　　　　 .,､- 'ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　突っ込みどころ満載になっても当然じゃない？
　　　　　　　　i ./　　　　､　 ﾞi: : ヽ､_ , ＞ ､､ - ."´: :＼
　　　　　　 　 .l　　　　　　　 ヽ＼: :＼:.:＼: : : : : : : :/~`ヽ
　　　　　　　　.|　　　　　　｀ .､!､: : ヽ:＼:＼＼: :.:,､r':.:.:.:.:.
　　　　　　　　.l　　　　　　ゝ /　＼: : : : : :,､＜二:.:.:.:.:.:.:.:

　　 　 　 　 ＿＿__
　 　 　 　／　　 　 ＼
.　　 　／　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　けど、それって
.　　／　／）　ノ ' 　ヽ､　＼
　　|　／ .ｲ '（ー）　（ー）　u|　　　　　　　　　　　 時代劇相手に「切腹するとか理解できねー蛮行」
.　　 /,'才.ﾐ).　（__人__）　 ／
.　　 |　≧ｼ'　　｀ ⌒´ 　 ＼　　　　　　　　　　　　って言ってるようなもんじゃないかお？
　／＼　ヽ 　　　　　　　　　ヽ


　　　　　　　, -‐―- ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , - ― - ､
　　　　　 ／:: :: :: ＼ヽヽ､　　　　　 .／￣￣ ＼　　　　　 ／/:: :: :: :: :: ::ヽ
　　　　　 .|:: :: :: :: :: ::ヽ､:: ヽ､　　 ／__,.ノ　ヽ､,_ ＼　　,-/:: i:/::／⌒:: :: :: ::|
　　　　　　v:: :: :: :: :: l:|Y⌒ ､｀、 ｌ　( ＝ ）（ ＝ )　ｌ-'´:: l:: /::l '´:: :: :: :: :: ::/
　　　　　　 v:: :: :: :: ::l::ヾ:: :: |:: :: :l.　 （___人___）　 .|:: :: :: 〉ﾚ´:: :: :: :: :: :: ::/
　　　　　　　l:: :: :: :: ::|:: ∧:: ::l:: :: ｌ　　 ｀ ⌒ ´　'J |:::::::::::Sﾚ‐i:: :: :: :: :: ::/
　　　　　　　 v:::lヽ:: ::|::l:: ::｀ヾ＿　i　　　　　　　　 |;;-っ´:: :: |:: i:: :: :/:: /
　　　　　　　　ｌ::|;;ｌ:: ::|:::!:: :: :/:.ヾ =',　　　　　　　/L,／´ヽ:: :: ::l::|::/:: :/　　　　　　　　　　　　　 まぁ、そこまで馬鹿げてないが
　　　　　　　　 ';!::ｌ:: ::|:: :: ::/:. :.,,＞》'ヽ､.＿,＿／:::ゞ ヾ､　ヽ;; :: |::ｌ:: :/
　　　　　　　　　';:: ::ｌ:: :::/:. :.ヽ'´:.i｀ヽ:. ニ二ニ :.／ :. :. ｖ:. :. l::|:: :: :/　　　　　　　　　　　　　　　日本最古の文章を笑い話にしちまう
　　　　　　　　　　i:: :::ｌ:: /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :!::l::l:: :/
　　　　　　　　　　∨:::|::/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. v:ｌ::/　　　　　　　　　　　　　　　　 日本の世も末だな
　　　　　　　　　　　|;: :ﾚiヽ､:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. |､/
　　　　　　　　　　　∨ ｌ :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: Y
　　　　　　　　　　　 ヽ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::|

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　　__ ,. _彡'ﾉﾘ _,.ゝ、　 |
　　　｀ゝf‐　＿ヾ二r .＿__,, y=ﾚヽ.
.　　　 |fjl、´￣ .ﾘj＾ヾ´｀￣` ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べ!ﾞ‐ ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　 　　　　　　まぁ、本は読み手次第だからな
　　　　　 l　 　 f,.ﾆﾆﾆヽ　u　/:|
　　　　 　 ﾄ､　 ヽ.＿_.丿　 ,ｲ　|　　　　　　　　　　　　　 他人の感性を完全に否定はできないだろう？
　　　　　_亅::ヽ、 ー 　 ／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l　　　　
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


.　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 _______
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 ＼,-、__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_,ノ 　｀⌒　ヽ.,__　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　(● ) （● ） ,.! ┴-'、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 (___人___）　〉-‐‐´　l　　　　　　　　　　　　　　　ああ、そこは仕方ないが
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　　　 u 〉--‐´　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　iヽｿ　 　l　　　　　　　　　　　　　　　俺はさ…古典に触れる事って
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Λ　　　　　　∧｀;"　　 '、
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 __,. ｨ仏 ___、___ ｨ_ノﾍヽ、 _,.‐ｰ、_　　　　　　　　　　　　その当時の人の心に触れる事だと思うんだよな
　　　　　　　　　　　　　　_,. -= '''　.:::::::}:::::::::::::::::::::::／::::::::>´..:::::::.. ヽ｀.､
　　　　　　　　　　　　ノ´ ...::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈 :::::::::::::::...＼::ヽ
　　　　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ::::::::::::::::::.. ヽ:}

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　　　 当時の人の心に触れる？
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　　 うむ、その伝承や物語を産んだ人の気持ちや
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_　　　　　　　　　　　その時代の人がそれをどう受け取っていたのか
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !

　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 それを理解しようと努めるから
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、　　　　　　　　　　　　　　　　　興味的な面白さが見出せる
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l


　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　（●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　　　　 　 （__人___）　　 　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　 '､｀ ⌒´ 　 　 　|
　　　　　　　　　　　　　-ｰー|　　　 　　　　ﾄ､______
　　　　　　　　　　　 / .::::::、::|　　　　　　 /:::ﾉ:::::::::.｀' ｰ-
　　　　　　　　　　　l :::::::::::::::::ヽ__､____,.　"／::::::::::::::::::::::::..　ヽ
　　　　　　　　　　 」 ::::::::l:::: ::::::「､:::::::::::::／ ::::::::::::::::::::::::::::::::.. '､　　　　　　　　　　　それが『古事記』や『日本書紀』の
　　　　　　　　　　l ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '､
　　　　　　　　　 / .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::|　　　　　　　　　　本当の面白さだと俺は思う
　 　 　 　 　 　 / .::::::ｰ-ミﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::::|
　　　　　　 　 / .::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::／ ||
　　　　　　　/ .::::::::::::::::::::/　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|
　　　　　　 / .:::::::::::::::::::/'　　　　 `‐-､::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|
　　　　　　/::::::-‐…‐､/　　　　　　　i　`ｰ-,:::::::::::::::::| :::::::::::::::: |::|
　　　　 　 l::::::::::::::::::::.. ＼　　　　　　 ヽ::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:::|


　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　 　 _,.ノ　⌒
　　　　　　　　　　|　　 　（ ー）（ー）
　　　　　　　　　　.|　　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　|_,-‐、_ -、　　　　　　　　　　　　　ま、そんなくだらない文庫本相手に
　　　　　　　　　　.人､　　 　　 厂丶,丶　v　〉
　　　　　　　 _,／::::ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ　　　　　　　　　　　　　 心を砕いても仕方ないな
　_, ､ -― ''"...:::::::::＼::::::::::::::::::::(　　　　〔"ﾆ‐-、
/.::::::: ':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　 ／⌒ヽ:::::: )
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　',::::|
:::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈　:::::::::::::::... ',::i
:::::::::::::::!::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　::::::::::::::::::. ',

　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　 　　 　 ｜　 　.（ ●）（●）
.　　　 　　 　 　 　 ｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　 　　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 .|　　　　　 　　|
　　　 　 　 　　 　　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　　　 ,. -ｰｰ -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
　　／..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: く'、　　　　　　　　　　　　　　　　　　さて…
.　｛ :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ､_
　 '| ::::::::::::::::::::::..｀、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　その当時の他伝承において
　　'| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ
　　 ﾄ､:::/ ／￣｀` ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ　　　　　　　　　　　　虫が含まれていた例を俺は知らない
　　 `,ﾍ ´:::::::::::::::::. ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rｰ'､
　　　 }:,∨ :::::::::::::::::: ﾄ､:::::::::::::::::::::::::＞＜￣＼::..＼
.　　　 }:::∨::::::::::::::::､-''ﾞ~￣￣￣￣:::::::::...＼　ム:::::ヽ
　　 　 l::::∨ :::: ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.､／...:::::::::ヽ}
　　　　{::::::＼,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／"￣:::::::::::::::::::::::::ﾉ


　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　 　　 　 ｜　 　.（ ⌒）（⌒）
.　　　 　　 　 　 　 ｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　 　　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 .|　　　　　 　　|
　　　 　 　 　　 　　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　　　 ,. -ｰｰ -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
　　／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾒ、
　 ｛ :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ､_　　　　　　　　　　　　　　　　　となると、細い所に入れる神は
　　| ::::::::::::::::::::::..｀、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ
　　'| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ　　　　　　　　　　　　　　蛇と考えるのが当時の真っ当な感性だろう
　　 ﾄ､:::/ ／￣｀` ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
　　 `,ﾍ ´:::::::::::::::::. ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rｰ'､
　　　 }:,∨ :::::::::::::::::: ﾄ､:::::::::::::::::::::::::＞＜￣＼::..＼
.　　　 }:::∨::::::::::::::::､-''ﾞ~￣￣￣￣:::::::::...＼　ム:::::ヽ
　　 　 l::::∨ :::: ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.､／...:::::::::ヽ}
　　　　{::::::＼,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／"￣:::::::::::::::::::::::::ﾉ

　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　ヽ､__
　　　　　　　　　　　　　 |　　 　（● ）（●）
　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　| 　,ｒｰ､=-､　　　　　　　　　　　 ま、それでも納得しない人にゃ
　　　　　　 　 　 　 　 　 人､　　　　　 　| ,ｲに) |　 l
　　　　　　　　　　　_,／( ヽ､.,ヽ., ___ ,__ノi´ ｀ー' |　|ﾍ　　　　　　　　　　　もう一つの三輪山の話を見せればいい
　　　　_, ､ -― ''"::::::l:::::＼:::::::::::::::::ｒ'ﾞ´~~　　 ',　jｰ,i　〉
　　　/.:::::::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'ｰ-‐え__　　ﾞﾝ'ﾞ /｀i　　　　　　　　　 こっちも崇神天皇の時代なんだが、『日本書紀』での話だ
　　丿;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;((、ヽ （ﾊノ　/lヽ、
　　i ;;;;;;::::::::::::::::|;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;ﾊゞﾆΤﾍ_/;i　l:: l
　/ ;;;;;:::::::::::::::::::!;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::＼::::::::::::::::;;;;;;;ﾊ　::;;;;;;;;::::::::. ',/




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三輪山説話　-ヤマトトトビモモソヒメのケース-　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ _＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　ィ' ¨::::::::::::::::::::::¨ `..,.
　　　　　　　　　 　　 　 　／::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　 /:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　':::::: '::::::::':::::|:::::::|| ::|:::|::::::| :::|:::::::::'.
　　　　　　　　　　　　　|::::: |::::::::|:::::|:::::::|l::::|:::|::::::| :::|::::::::::|　　　　　　　　　　　　「さて、いつのことかはわからないが、
　　　　　　　　　　　　　|::::::||:::::::||::::|:::::::|l::::|:::|::::::| :::| :::::|::|
　　　　　　　　　　　　　|::::::||:::::::|j::_|ヽ:;::ヽLゝゝ-L::j::__:ﾉ |　　　　　　　　　　　　　ヤマトトトビモモソヒメはオホモノヌシの妻となったという。」
　　　　　　　　　　　　　 丁::T￣＿ _　￣　,. .二..､ |:::ﾚ' : |
　　　　　　　　　　　　　　|::ﾊlｲ´{rtﾊ 　 　 　|t.ｯl ﾘi:::::::|::::|
　　　　　　　　　　　　　　|:::|:ﾊ::::｀ ´　 ，　　 ｀ ::: ,ﾊ::::::|::::|
　　　　　　　　　　　　　　|:::|::: ゝ　　　　　　　　 .ｲ:::::::::|::::|
　　　　　　　　　　　　　　|:::|:::::|:::＞ .._　` 　_ ィ!::|::::::::::|::::|
　　　　　　　　　　　　　　|:::|:::::|::i::::rーv二z‐ ニ}|::::::::::|::::|
　　　　　　　　　　　　　　|:::|:::::V 「|: :_:.ﾌ-<:_:ｰ:/l|::::::::∧::|
　　　　　　　　　　　　　　|::∧ ::| |;;|V:_/| | :`:Y　ｲ::::::::|ヽl:!
　　　　　　　　　　　　　　|:|　| ::| |;;| ｀´ | |─┘ l;|::::::::| /Yヽ
　　　　　　　　　　　　　　|:|　| ::| |;;|　 　! l　　　':;i:::::リ i　 v:l
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　　　　　　　　　　　　i:::::::::::::::::::l　＼＼　　　＼:::::::::::ノ／ ノ ノ／ノ
　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::j　＼｀:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;-‐ｧ─{／　　　　　　　　　　「しかしその神は昼は姿を見せず、夜のみ現れた。」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::/'､　　｀　 　 　 　 　 ∠ ノ::::イﾊﾄ､
　　　 　 　 　 　 　 　 Y::::::::::::l: : ::〉‐ r　＜￣￣￣::::::／／: ﾉ:ﾍ、
　　 　 　 　 　 　 　 　 }::::::::::::|／f ,-ｆ ー──── ´／: : :/:::::ﾊ


　　　　　　　　　　　　 　 ,.　-――-　､
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　　　　　　 　 .〃:/::/:::|::::i!:::i!:::!::!:::ﾄ､::|::|::::|:::::|::i
　　　　　　　　 ヽ!:!:::i!::::ﾋ土_」Lゝ,.土ミ､:j::::!::_」::|
　　　　　　 　 　 ｀T^T:ﾚ1{::h!　 ´hf:::rYTT「::|::::!
　　　　　　　　　　 |:|::|::| ゞ-'　 　 `ー' 1|::|:|::::!:::!
　　　　　　　　　　 |:|::|::乂"　 ､._ 　 ",.ｨ:|::|::|::::!:::!
　　　　　　　　　　 !:|::|:::|::|:＞r-.､_＜┐:!::|:::|:::|::::!
　　　　　　　　 　 /::!/!:├ｧ'X´六 ｀7 !:::/:ト､!::|:Vﾄ､
　　　 　 　 　 　 /:::!:从::Vく　//　Y /::/∠-‐!::!::ヽ ヽ　　　　　　　　　　　 あなたは昼に来ないので顔を見ることができません
　　　　　　　　　|::///　ﾄ､! ｀| | ^´/／　j　　 !:::!::::| ||
　　　 　 　 　 　 !:|:|くヽ ||::|　.j j.　l´:! 　 !　　 _V||::| i|　　　　　　　　　　　　朝までいてください
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　　　　　　　　　　　　i:::::::::::::::::::l　＼＼　　　＼:::::::::::ノ／ ノ ノ／ノ　　　　　　　　　　それなら明朝、あなたの櫛箱に入っていよう
　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::j　＼｀:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;-‐ｧ─{／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　|::::::::::::::::/'､　　｀　 　 　 　 　 ∠ ノ::::イﾊﾄ､　　　　　　　　　　　 ただし、驚かないように
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　　 　 　 　 　 　 　 　 }::::::::::::|／f ,-ｆ ー──── ´／: : :/:::::ﾊ


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:::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: ::::　　　　　　　　　　 「ヒメは奇妙に思いながら明朝まで待った」
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　　　　 ..,, -- ,,..　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　
　　　／::::::::::::::::＼,-‐-､,,;;´￣｀;;,,γ⌒ヾ,-､
　 ／::::::::::::::::::::::::::::ヾ／::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::Y:::
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::,-----､..呂Π
:Πｭｪ呂､　,ｪﾛ ﾛ呂--,日ｭΠ､'￣￣｀ヽ　日
ロ::Πﾖ|/ Π :ロｴ日| |ﾛ目ｪロ＼　　　　＼
::Πﾛｭ/ ＥﾛｪΠｭ::目| |Π呂::Πｭ＼　　　　
ロ呂/ 呂::ロﾛ::ﾛΠｭ| |目ｭ日口::呂＼　　 　 |::::

　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣￣￣￣￣￣..／ｉ
　　　　　　　　　　／　　　 　 　 　 　 　 ／::::::|
　　　　　　　 　／ 　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::.|
　　 　 　 　 　 ｉ￣￣￣￣￣￣￣￣ｉ:::::::::::::::::|
　　 　 　 　 　 |　 　 　 　 　 ......::::::::::|:::::::::::::::::|
　　 　 　 　 　 |　　　　 　 .......::::::::::::::|:::::::::::::::::|　　　　　　　　　　　　 「そして、櫛箱を見た。」
　　 　 . . .. ..:.:::|　 　l二二:: 二 ｉ.:::::::::|::::::::::::／::..
　 . . : :..:..:.:.:::::::|　 　 ...:::::::::::::::::::::::::::::|::::::／::::.:.:.:.
　　　　　...:.:.:::::|＿＿＿＿＿＿＿＿|／::::::::.:.:..



　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／＿_　　　　　　｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　 ,.r'´／,.-‐､ヽ、　　　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　 　 ／ 　/ /:::::::ノ　 ＼　　　　 　 　 ＼
　　　 　 　 　 　 　 _∠-‐イ |　｀''' ´　　　 　 , -―- ､　　　l
　　　　 　 　 　 ／　r‐､　/　　　　　　　　 ,/　　　　　ヽ　　 ヽ
　　　　　　　／　,. -|r､ V7　　　　　　　　l|l　　　　 　 |ll　　　|
　　　　　 ／　／ 　 |ﾚ}l　l　　　 ＿､ 　 　 lﾄ､　 　 　 ﾉ/　 　 |
　　 　 ／　／　, -‐〈しj ﾉ　　ll´ 　 ｀ヽ＼　ヽヽ二ニﾝ　　 _ノ
　 　 /　／　／　,.-‐ヽ〉　　､_lﾄ､ 　・ /　 l l 〉 r-‐‐　　　　l
　　/／　　/　／　　//　　　 ヽ､`ニ"　ノ　 / ／￣ヽ　 ／
　/´　　　/／　　　 l l　　 r､ 　　　　 ..:::::::〃:ヽ_・　_ノ /ｨ
/　　　_／　　 　 ／ヽl　　 ﾄ＼_　　　　 r　 j 　｀ ￣　/ノ
／￣７ 　 　 　 〈　　　',　　l l`ｰ｀ヽ､＿　　　　　　_ノ´　　　　　　　　　　　　　「すると小蛇がいたので驚いて叫んだ」
　　 /　　　 　 　 〉　 　 ',　 l ﾄ､⌒ ｀ ｰ-`ｰ-ｧﾏ／
　 /＼ 　 　 　 ,/　 　 　 ',　ヽ､`ｰ--､＿_ﾉ/／
／　　 ＼___／/　　 　 　 ',　　 ￣｀'''ｰフ／
　 　 　 　 　 /　　　　　 　 ヽ､＿_＿,,ノ´
　　　　　　 /　　　　　　 　 ／ 　 7´
　 　 　 　 〈　　　　　　　 /　 　 /､
　　　　　　 〉　　　　　／ 　 　 /　＼＿＿,,. -‐'''´￣￣｀ヽ､
　　　　　 /　　　　　/　　　 ／　　　 ＼　　　 　 　 　 　 　 |

　　　　　　　　　　　　　　　 _ ．-――- ．_
　　　　　　　　　　　 ,.．＜: : : : : : : : : : : : : :.＞ ．
　　　　　　　　　 ,.イ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　 ,ｲ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :､: :ﾍ
.　 　 　 　 　 / : ; : ':´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :､:｀: ､'_
　　　　　 　 ,'.／: : : : :, : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ: : .＞､
　　　　　　 ,ｲ: : : : : ,ｲ: : : :/: : : ; : : : : : :.ﾍ : : :.ヽ: : : : :ヽ: : : :ﾍ.
　　　　　 / : : : : : /: : : : /: : : :,'.; i ;.､: : : :.ﾍ: : : :.ヽ: : : : :.ﾍ: ＞"
　　　　　'＜ : ; : /: : : : :,' : : : :,ﾞ l.ﾊヽﾍ : : : ﾍ: : : : ﾍ: : : : : ﾑ
.　　　 　 　 |｀ヽﾑ、: : : ;! : : : :|从l.ヽヽl､: : : : ', : : : :ﾊ: :,.イ
.　　　 　 　 | : :l : :｀: ト'└_マ;｣廴从ヽl_}＿ :_:｣_:＞ ''´:.! :.|
.　　　 　 　 | : :! : : : : :.l´_,,ﾆ＝、　　 ＝ﾆ,,_｀.!: : : : : '; :'; .!
.　　　 　 　 | : :! : : : : :.l' 辷立　　　　 辷ヒぇ.l : : : : : '; :';.!
.　　　 　 　 | : :'; :､: : :.､oﾟ　　　 　 ,: 　 　 　 ﾟo: :i : : : :.'; :',
.　　　 　 　 | : :.ﾍ: ヽ: :ﾍヾ;､　　　r‐.　 　 . イ :.!:| : : : : :i; :ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　きゃッ！！
　　　 　 　 l,': : : :ﾍ: ﾍ: :.ﾍ.ﾞi',≧i　 -　.i≦ : : : :.ﾘ: : : :ﾊ:| : :.ﾍ
　　　　　　l: : : : : : :ヽ;ﾞ; : :', llﾑ´　　　 ｀7''‐- ./: : : / :.ll : : i :',　　　　　　　　　　　　　　　 へ、蛇！！
　　　　　 ,' : : : : : :,ｲ　Y: : }.l! .ヽ　　 ,.ｲ/　　/: : : /: : :ﾉ: : :.'､:.',
　　　 　 ,' : : : : :.n.〃rゃy l!　　 ヽ／ｲ　　./nヽ.nヽ: : : : : : ','; :',
.　　　　,' : : : : :,ｨ.}.! !' f'.ﾉj'}　　,イイ.　　　｢! |.|Y}l }7､: : : : : :i .';.}
　　 　 ,ﾞ : : :／　 .{　　　 r’r'"イ　　　 　 .ヾ'' ｀’　ﾘ　ヽ: : : :.!　!|
.　　　 { : : :{｀''7ヽ ）､　 ﾉ 介　　　　　 　 　 {　 　 }　 ,r-ゝ: :.|　||
.　　　 | : : :.∨,: '´　 ./| 〃l｣　　　　　　　　 ヽ　　＼　} .ﾘ: : |　ｌl


　　　　　　　　　　　　　　,. -__-..､
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:Z -　_,ﾆY
　　　　　　　　 　 　 　 j_r‐｀ﾟ=へ __}
.　　　　　　 　 　 　 　 〈_　　〔＿} /
　　　　　　　　　　　　　 ',ト-　___/
　 　 　 　 　 　 ,x=＝ﾆ〈＞x :;∧ _
　　　　　　 　 ////////く: : ヽ:Vﾄ,ﾆ≧x
.　　　　　　　 }'////////,'＼: :‘:i:ムヽ,',ﾊ　　　　　　　　　　　　　 「すると、蛇は人の姿に変わり…」
　　　　　　　//////,ｨ/////,＼: :.Vﾊ: i|/|
.　　　　　　///////i////////,＼:.ヾ!: |/ﾟ,
. 　 　 　 ,ｲ//////　V/////////,〕iトz:|/∧　　　　　　　　　　　　おまえは私に恥をかかせましたァ
　　　 ／/////,≧=- }__///////////,|ﾑ/∧
　　　廴_/////////////ヽ/////////l/ﾑﾄ∧　　　　　　　　　　 私もおまえに恥をかかせましょう
.　　　　　｀ ＜/_//////////////////∨ﾊ/,＼
.　　　 　 　 　 　 ￣ i///////////////ﾊ////7
　　　　　 　 　 　 　 l///////////////ニV//,l
　　　　　　　　　　　l/////////////./7ﾆﾆ∨/!
　　　　　　　　　 　 |//////__//////７二ﾆ=∨
　　　　　　　　　　　∨/ ／ﾆﾆ≧=ﾁ=7ニニﾆ7
　　　　　　　　　　 　 ゝ’/二二二ニ/ニニ=７
　　　　　　　　　　　　　/二二二ニ/ニニ=７
　　　　　　 　 　 　 　 /二二二ニ/ニニ=７

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r ﾆ_￣ ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/-z-t_-.　　ﾟ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 〈／　:::::::)　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}'´..:'::::ｲ_,.　､{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ'ヽz≦ _　-ﾍ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／}　／二二ﾆﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／／jｲ二二二二二Y
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／／／二二二二二ニ7
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／／.イ二ﾆﾆ三i二二ﾆﾆ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／=≦二二ニ三三|二二ﾆ/
　　　　　　　　　　　　　　　　,.イ二二二二ﾆﾆ三三/二ﾆﾆ「　　　　　　　　　　　　　　　　「そう、語り終えると大空にかけあがり、山へと帰ってしまった」
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／二二二二二二二ﾆ／}ニニﾆ|
　　　　　　　　　　　　 ／二二二二二ニニニ∠ イ二二=l
　 　 　 　 　 　 　 　 /二二二二二r===≦二二二ニニ／
　　　　　　　　　 　 /二二二ニﾆく. Ⅵニ二二二二斗 '
　 　 　 　 　 　 　 /≠}二二二ニﾆﾄ-V二７
　　　　　　　　　　　/ｲ二二二二二二ﾆ=7
　　　　　　　　　　 ,'三 ≧======ﾆﾆﾌ}=7
　　　　 　 　 　 　 i三三三三ニニ／. |/
　　　　 　 　 　 　 }三三三三ニ≠
　 　 　 　 　 　 　 |三三三三ﾆ/


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::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::i　 l:::::::::::::::::::::::::::l　i::::::::::::::::::::::::::l::::::::::l::::::::::::::
::::::::::::::::::::::i:::::__::-=＝=ト､`ﾄ＿＿_:::::::::::::|-キ_=＝=､＿__|::::::::l:::::::::::::::
::::::::::::::::::::::l'¨／,っ:::::::::::ヽﾐ:､　　　￣￣¨ ／っ::::::::ヾ`＼ l::::::::l:::::::::::::::
――-- t､l// i::::::::::::::::::::::i `　　　　　 　 ' /:::::::::::::::::ヽヽﾒ､__ﾉ:::::::::::＿
::::::::::::::::::l〈 〈.　!::::::::::::::::::::l　　　　　　　　　l:::::::::::::::::::::l　 lヾ-－'''¨¨::::::
:::::::::::::::::::ﾄ､ヽl. 弋:::::::::::::ノ　　　　　　 　　 弋:::::::::::::::ﾉ　/ノl:::i::::::::::::::l:::　　　　　　　　「ヒメは後悔のあまり脱力してすっと座り込んだ。」
ｌ::::::::::::::::::i:ヽ　　 -ﾆニニ　　　　　　　　　　 ニｰ--‐'　 '´/l::::l::::::::::::::l:::
:l:::::::::::::::::::l`ﾍ　　　　　　　　　　　 '　　　　　　 ￣¨´　　/,,l::::i::::::::::::::l:::　　　　　　　　 「すると箸が陰部に突き刺さった」
::l:::::::::::::::::::l::::ヽ、　　　　　　　　 -==-　　　　　　　 　 /:::::l::::l::::::::::::::l::::
:::l:::::::::::::::::::l:::::::丶、　　　　　　　　　　　　　　　　　,／:::::::l::::l:::::::::::::::l::::
::::l:::::::::::::::::::l:::::::::::l `　-　　　　　　　　　　　　-　'::::::::::::::::l:::::l:::::::::::::::l::::

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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l. 　　　　　　ｌ　　　　　　　l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l　　　　　　　l　　　　　　　l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::--'''''´ 　 ,　　 ｀`'''－::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::l　　　　　　　l　　　　　　　l
　｀`''-'''´　　　　　　　 '　　　　　　　　　｀`'''''''´　　 ｲ　　　　　　 .l　　　　　　　l
　　　　　　　　　　　 ､---,　　　　　　　　　　　　 / .l　　　　　　　l　　　　　　　 l
、　　　　　　　　　　　 ￣　　　　　　　　　　　　 /　 l　　　　　　　l　　　　　　　 l
丶、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ　　 l　　　　　　　l.　　　　　　　 i
　　`　、　　　　　　　　　　　　　　　　　,　・ '　　 　 i　　　　　　　l　 l　　　 l　　 l
　　　l　 ` ・ ､ _　　　　　　　　　 ,　・ '　　,　i　　 　.l　　　　　　　l　　l　　　 l　　 l
　　　l　l　　　　}`　-　___ ,　・ 'l　　　　　 i　l　　 　.l　　　　　　　l　　.l　　　 l　　 l
　　　l　l　　　　l　　　　　　　　l.　　　　　l　l　,　　 l　　　　　　 .l　 　 l　　　 l　　 l　　　　　　　　　　　「このことによってヒメは亡くなられた」
　　　l　l　　　　l　　　　　　　　l　　　　　!　l　l　　.l　　　　 　　 !　　　l　　　 .l　　 l
　　　l　l　　　 ﾉ　　　　　　　　ヽ.　　　　'　l　l　　l　　　　　 　./　　　.l　　　　l　　.l
　　　　'　,　・´　　　　　　　　　　ヽ、　　　 !　　 /　　　　　　./　　 　 l　　　　l　　 l
　　,　・ ´　　　　　　　　　　　　　　 `丶､　　　 ./　　　　　　/　　　　 l　　　　.l　　 l



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三輪山説話　-ヤマトトトビモモソヒメのケース-　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/

　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （○） 　（○） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　　　　　 この話だと完全に蛇だったのかお！？
/　　　　 　|!!il|!|!l|　　／
　　　　　　|ｪｪｪｪ|


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　　これは、他の考えが入り込む余地もないぐらいに
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､　　　　　　　　　　　　　　神の姿がハッキリとわかるんだな
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　おっ、良い所に眼が付いたな
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃
　　／ 　 　 .／　＿ノ　　　　　　　　　　　　　　　　キバヤシ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

　 NヽN｀　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ､
.、Nヾミ　　　　　　　　　　　　　　　　i
　ヾミﾐ､　　　　　　 _,.ｨｲ八、　　　　 !
　　ー-=ﾆ ＿,..､_'"'ノ,."-'ニ'ヾ､.＿ l_
　　　　　{F|!　￣ ﾞiニ{'´　 ￣ﾞ!r'-r,^､i
　　　　　 l;jﾞ､_ 　 ﾉ　ヽ)、　　ﾉ'　 ゝ:'/
　　　　　　｀!　￣ヽ '　　￣~´u　,'.,ｨ'
　　　　　　　i.u　　_＿_　　　　　,'　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 うん？
　　　　　　　 ヽ､ ´ -- ｀` 　 .／　 ﾄ、
　　　　　　　,..-i;:ヽ、　　 ,. '´　　／ ヽ､_
　　　　_,.イ´　 j　　￣￣　　 ／　　　,i､ﾞト-､


　　　　　 ／￣￣＼
　　　　／ ._ノ　　ヽ､＼
　　　　|　 （●）（●）　|
　　　　|　　（__人__）　 |
　　　　|　./´ニﾄ-'　　 ｌ
　　　　| .l　_ニｿ　　　 }
　　　　 /ヽ､_ノ　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 最初のセヤダタラヒメの許には
　 　 __/　　/　　　 ノ__
　　/ /　　/　　　　　　 ｀ヽ.　　　　　　　　　　　　　　　　　オホモノヌシがその姿を晒して結婚する
　 /´　　./　　　　　　　,.　 ヽ.
　 ﾄ､＿,/.　　　　　　　｜､　 ヽ
　　 ｜　　　　　 　　　｜/　 /


　　　　　　　　　　 　 　 /7
　　 　 　 　 　 　 　 　 //
　　　　　　　　　　 　 //
　　 　 　 ＿＿　 　 //
.　　　 ／ノ　ヽ＼ .//
. 　 ／　（●）（●〉/
　　l　 　 （__人_,//l　　　　　　　　　　　　　　　しかし、その他2つは
.　　|　　 　｀⌒// ﾉ
　　 l 　 　 　 // ./　　　　　　　　　　　　　　　 オホモノヌシはその姿を隠して現れ
.　　 ヽ r-‐''7/）/
　 　　/　と'_{'´ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　 その真の姿を見せようとしない
　 　 /　 _.､__〉　ﾄ,
　 　 {　 ､＿_}　 |.i
　 　 ヽ　_,.ﾌ　　.|.|


　　　　　　　　　　　　　 　／￣￣＼
　　　　　　　　　　 　 　_ノ　　ヽ、　　＼
　　　　　　　　　　　　（ ●）（ ●）　　　|
　　　　　　　　　　　　（__人__） 　　　　 | ..／}
　　　　　 _　 　　　 　ヽ｀⌒ ´　　　　　| /　/ 　　　__
　　 (＾ヽ{　ヽ　　　　　 {　　　　　　　　./　/　 .　／ .ﾉ
　(￣ ヽ ヽ　i　　　　　　ヽ　　　　　　/　厶-　´ ／　　　　　　　　　　　　　　そして、それを知ろうとした結果として
.(二 ヽ　i　i　|,r‐i　　　　ﾉ.　　　ヽ /　　　　 ／
　　ヽ　　 ／　 ノ　　／　　 　r一'´　ー ､　　￣￣￣）　　　　　　　　　　　　結婚した相手との別れが描かれる
　　 i 　 {　　 ｲ―イ　/　 　.`ー―.　､＿_　.〈￣￣
　　　ヽ.　`ｰ '/　　　/　　　　　　　　　 　/＼ ＼
　　　　　 `ー ' ￣￣!　 　　　　　　　　　|　　ヽノ

　 NヽN｀　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ､
.、Nヾミ　　　　　　　　　　　　　　　　i
　ヾミﾐ､　　　　　　 _,.ｨｲ八、　　　　 !
　　ー-=ﾆ ＿,..､_'"'ノ,."-'ニ'ヾ､.＿ l_
　　　　　{F|!　￣ ﾞiニ{'´　 ￣ﾞ!r'-r,^､i
　　　　　 l;jﾞ､_ 　 ﾉ　ヽ)、　　ﾉ'　 ゝ:'/
　　　　　　｀!　￣ヽ '　　￣~´u　,'.,ｨ'
　　　　　　　i.u　　_＿_　　　　　,'　|　　　　　　　　　　　　　 死別も別れの内…か
　　　　　　　 ヽ､ ´ -- ｀` 　 .／　 ﾄ、
　　　　　　　,..-i;:ヽ、　　 ,. '´　　／ ヽ､_
　　　　_,.イ´　 j　　￣￣　　 ／　　　,i､ﾞト-､


　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　　　　　　　　 そうだな、あの場合は神の姿をみてしまった事への
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │　　　　　　　　　　　　 戒めの意味も込められている
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

　　　　　　　　　＿＿＿
　　 　　　／）／ノ '　ヽ､＼
　　 　 ／ .ｲ '（●） 　.（●）＼
　 . 　/,'才.ﾐ).　 （__人__）　　　＼　　　　　　　　　　　　　 また、見るなのタブーかお？
　 . 　|　≧ｼ'　　 ´ ⌒｀　　　　　|
　　.　＼　ヽ 　　　　　　　　　 ／


　　　　　 ／￣￣＼
　　　　／ ._ノ　　ヽ､＼
　　　　|　 （●）（●）　|
　　　　|　　（__人__）　 |
　　　　|　./´ニﾄ-'　　 ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　そうだ、良くわかったな
　　　　| .l　_ニｿ　　　 }
　　　　 /ヽ､_ノ　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　神の入っていた櫛箱とは
　 　 __/　　/　　　 ノ__
　　/ /　　/　　　　　　 ｀ヽ.　　　　　　　　　　　　　　 クシ（霊妙・神秘的）の詰まった箱
　 /´　　./　　　　　　　,.　 ヽ.
　 ﾄ､＿,/.　　　　　　　｜､　 ヽ　　　　　　　　　　　　 神や霊魂の憑くもので、その櫛を入れる櫛箱も神聖な呪具なんだ
　　 ｜　　　　　 　　　｜/　 /


　　　　　　　　　　 　 　 /7
　　 　 　 　 　 　 　 　 //
　　　　　　　　　　 　 //
　　 　 　 ＿＿　 　 //
.　　　 ／ノ　ヽ＼ .//
. 　 ／　（●）（●〉/
　　l　 　 （__人_,//l　　　　　　　　　　　　 ここでの櫛箱は
.　　|　　 　｀⌒// ﾉ
　　 l 　 　 　 // ./　　　　　　　　　　　　　神が本来の居場所以外に宿る仮の容器であり
.　　 ヽ r-‐''7/）/
　 　　/　と'_{'´ヽ　　　　　　　　　　　　　　これを開けて神の姿を見ることは許されなかった
　 　 /　 _.､__〉　ﾄ,
　 　 {　 ､＿_}　 |.i
　 　 ヽ　_,.ﾌ　　.|.|


　　　　　　　　　　　　　 　／￣￣＼
　　　　　　　　　　 　 　_ノ　　ヽ、　　＼
　　　　　　　　　　　　（ ●）（ ●）　　　|
　　　　　　　　　　　　（__人__） 　　　　 | ..／}
　　　　　 _　 　　　 　ヽ｀⌒ ´　　　　　| /　/ 　　　__
　　 (＾ヽ{　ヽ　　　　　 {　　　　　　　　./　/　 .　／ .ﾉ
　(￣ ヽ ヽ　i　　　　　　ヽ　　　　　　/　厶-　´ ／
.(二 ヽ　i　i　|,r‐i　　　　ﾉ.　　　ヽ /　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　そのためヤマトトトビモモソヒメは死ななければならなかった
　　ヽ　　 ／　 ノ　　／　　 　r一'´　ー ､　　￣￣￣）
　　 i 　 {　　 ｲ―イ　/　 　.`ー―.　､＿_　.〈￣￣　　　　　　　　　　　　すなわちこの禁忌が破られれば、神と祭祀者との分離がもたらされるわけだ
　　　ヽ.　`ｰ '/　　　/　　　　　　　　　 　/＼ ＼
　　　　　 `ー ' ￣￣!　 　　　　　　　　　|　　ヽノ

　　　　　　　　　 ,..-──v'⌒ヽ
　　　　　　 ＿／:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.厂｀ー―ｧ
.　　 　 ／〈::::/:∨:.:.:.:/::.:.:.:/:./:ヽ:.:.:.:＜
　　 　〈::::::::Y::::/:.:.:.:.ナﾅメ|:/ヽ:.:}:.:ﾄ:.＼＞
　　　　ヽ:::/:::/:.:.:,ｨ-|∠_　ﾘ　 |:ｽ:.:|:.:.:. |
　　　 　 〉-ｒ(|:.:./ `ﾄ{:r「　　 ｲﾃﾁ:.:|:.ﾄ:.:|
.　　　　 |:.:.:|:.|:/_ 　´￣　　　ﾋ!ﾉ∧|.:「リ
.　　　　 |:.:.:|:.:.:.:.:ト､ 　 ｒｧ　 　ﾉ:|:.リ
.　 　 　 |:.:.:ﾄ､:.:.:.Ｋ:} 　 ｒ‐ ｒイ:l:.|:.:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　箱を開けるのはＮＧって
.　 　 　 !:.:.:|__}:.:.:|::::＼_,,>､:＼:l.:|:.:|
　　　　 |:.:/　ヽ:.:.ヽ::::::ヽ　|::::::}:/:/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　浦島太郎みたいね
　 　 　 ∨　　 ヽ:.:.:l＼:::ヽ|:::/|:./
　　　　/ 　　.|　 ヽ::ヽ ＼ |∧l:.{　　 r‐ｒこつ
.　　　/ 　 ヽ ﾚく　ヽ:.:ト-ｨ　r'＞'⌒「　|＿ ⌒⊃、
.　 　 {　　　　ﾄ､::}､ ﾄ:.|／　　＼　　|　 ヽ:::厂￣´
　　　 ＼　　　　＼ |:.:| 　 ∧　 } 　 ヽ-イ´


　　　　　 ／￣￣＼
　　　　／ ._ノ　　ヽ､＼
　　　　|　 （●）（●）　|
　　　　|　　（__人__）　 |
　　　　|　./´ニﾄ-'　　 ｌ
　　　　| .l　_ニｿ　　　 }　　　　　　　　　　　　　 そうだな、この神話には浦島伝承との関係性も考えてみると
　　　　 /ヽ､_ノ　　　 /
　 　 __/　　/　　　 ノ__　　　　　　　　　　　　　 面白いかもしれないな
　　/ /　　/　　　　　　 ｀ヽ.
　 /´　　./　　　　　　　,.　 ヽ.
　 ﾄ､＿,/.　　　　　　　｜､　 ヽ
　　 ｜　　　　　 　　　｜/　 /


　　　　　　　　　　 　 　 /7
　　 　 　 　 　 　 　 　 //
　　　　　　　　　　 　 //
　　 　 　 ＿＿　 　 //
.　　　 ／ノ　ヽ＼ .//
. 　 ／　（●）（●〉/
　　l　 　 （__人_,//l　　　　　　　　　　　　　　　　さて、『古事記』のイクタマヨリビメの話に戻すが
.　　|　　 　｀⌒// ﾉ
　　 l 　 　 　 // ./　　　　　　　　　　　　　　　　 相手の裾に針をつけるという話に関しては
.　　 ヽ r-‐''7/）/
　 　　/　と'_{'´ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 苧環型と言われて、日本各地に良く知られている
　 　 /　 _.､__〉　ﾄ,
　 　 {　 ､＿_}　 |.i
　 　 ヽ　_,.ﾌ　　.|.|

　　　　　　 （⊃￣￣＼
　　　　　（⊃　　 _ノ　　＼
　　　　（⊃　　 （ ●）（●）
　　　　　|　　　　 （__人__）
　　　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　苧環型の伝承における骨子は
　　 　 　 |　　　　　　 　 } ＼
　　　　 ／ヽ　　　　　　 }　　＼　　　　　　　　　　　蛇などの異類が夜中に娘の許に来て
　　　／ 　　ヽ､＿＿__ノ　　 　 ）
　 ／　　　　　　　　.　 　|　＿／　　　　　　　　　　 朝には帰る
　|　 　　　　　　　／￣￣（＿)
　 ＼　　　＼　／|　ＪＪＪ　（
　　　＼　　／　　 ／⊂＿）


　　　　　　　　　　 　 　 /7
　　 　 　 　 　 　 　 　 //
　　　　　　　　　　 　 //
　　 　 　 ＿＿　 　 //
.　　　 ／ノ　ヽ＼ .//
. 　 ／　（●）（●〉/
　　l　 　 （__人_,//l
.　　|　　 　｀⌒// ﾉ
　　 l 　 　 　 // ./
.　　 ヽ r-‐''7/）/　　　　　　　　　　　　 その関係がしばらく続くが
　 　　/　と'_{'´ヽ
　 　 /　 _.､__〉　ﾄ,　　　　　　　　　　　　娘の方が男の正体を探り始める
　 　 {　 ､＿_}　 |.i
　 　 ヽ　_,.ﾌ　　.|.|


　　　　　　　　　　　　　 　／￣￣＼
　　　　　　　　　　 　 　_ノ　　ヽ、　　＼
　　　　　　　　　　　　（ ●）（ ●）　　　|
　　　　　　　　　　　　（__人__） 　　　　 | ..／}
　　　　　 _　 　　　 　ヽ｀⌒ ´　　　　　| /　/ 　　　__
　　 (＾ヽ{　ヽ　　　　　 {　　　　　　　　./　/　 .　／ .ﾉ
　(￣ ヽ ヽ　i　　　　　　ヽ　　　　　　/　厶-　´ ／　　　　　　　　　　そして、正体が知れてしまい
.(二 ヽ　i　i　|,r‐i　　　　ﾉ.　　　ヽ /　　　　 ／
　　ヽ　　 ／　 ノ　　／　　 　r一'´　ー ､　　￣￣￣）　　　　　　　　別れてしまう
　　 i 　 {　　 ｲ―イ　/　 　.`ー―.　､＿_　.〈￣￣
　　　ヽ.　`ｰ '/　　　/　　　　　　　　　 　/＼ ＼
　　　　　 `ー ' ￣￣!　 　　　　　　　　　|　　ヽノ


　　　　　　　　　 ,..-──v'⌒ヽ
　　　　　　 ＿／:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.厂｀ー―ｧ
.　　 　 ／〈::::/:∨:.:.:.:/::.:.:.:/:./:ヽ:.:.:.:＜
　　 　〈::::::::Y::::/:.:.:.:.ナﾅメ|:/ヽ:.:}:.:ﾄ:.＼＞
　　　　ヽ:::/:::/:.:.:,ｨ-|∠_　ﾘ　 |:ｽ:.:|:.:.:. |
　　　 　 〉-ｒ(|:.:./ `ﾄ{:r「　　 ｲﾃﾁ:.:|:.ﾄ:.:|
.　　　　 |:.:.:|:.|:/_ 　´￣　　　ﾋ!ﾉ∧|.:「リ
.　　　　 |:.:.:|:.:.:.:.:ト､ 　 ｒｧ　 　ﾉ:|:.リ
.　 　 　 |:.:.:ﾄ､:.:.:.Ｋ:} 　 ｒ‐ ｒイ:l:.|:.:|
.　 　 　 !:.:.:|__}:.:.:|::::＼_,,>､:＼:l.:|:.:|　　　　　　　　　　　　　　　　所謂、蛇の婿入りね
　　　　 |:.:/　ヽ:.:.ヽ::::::ヽ　|::::::}:/:/
　 　 　 ∨　　 ヽ:.:.:l＼:::ヽ|:::/|:./
　　　　/ 　　.|　 ヽ::ヽ ＼ |∧l:.{　　 r‐ｒこつ
.　　　/ 　 ヽ ﾚく　ヽ:.:ト-ｨ　r'＞'⌒「　|＿ ⌒⊃、
.　 　 {　　　　ﾄ､::}､ ﾄ:.|／　　＼　　|　 ヽ:::厂￣´
　　　 ＼　　　　＼ |:.:| 　 ∧　 } 　 ヽ-イ´

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　　　　　　　　その手の話の源流は
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　水や山の神の祭祀にあるというのか？
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 rヽ　　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　 i　!　　|　 （●）（●）　|
　　　　　 r;r‐r/　| 　 |　　（__人__）　 |
　 　 　 〈_L (｀ヽ .}　　|　　 ｀ ⌒´　　ﾉ　　　　　　　　　まぁ、そう考えるのが妥当だろう
　　　　　l｀ （ ｀`/　.　 |　　　　　　　 }
　　　　　ヽ 　　l　　.　 ヽ　　　　　 　}
　　　　　　|,. 　 l　　 /⌒　 　ー‐　　ｨ ヽ


　　　　　　　　　　 　 　 /7
　　 　 　 　 　 　 　 　 //
　　　　　　　　　　 　 //
　　 　 　 ＿＿　 　 //
.　　　 ／ノ　ヽ＼ .//
. 　 ／　（●）（●〉/　　　　　　　　　　　　　　　 だが…
　　l　 　 （__人_,//l
.　　|　　 　｀⌒// ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　 ここまでは、共通しているんだが
　　 l 　 　 　 // ./
.　　 ヽ r-‐''7/）/　　　　　　　　　　　　　　　　　その2人の間の子供の事に関して
　 　　/　と'_{'´ヽ
　 　 /　 _.､__〉　ﾄ,　　　　　　　　　　　　　　　　 様々な差異が物語に見ることができる
　 　 {　 ､＿_}　 |.i
　 　 ヽ　_,.ﾌ　　.|.|


　　　　　　 ,. ─- ､,,.＿__
　 　 　 ,ｲ〃　 　 　 　 　 ｀ヽ,__
.　　　N. {'　　　　　　　　　　 　 ＼
.　　N. {　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.　 N.ヽ｀　　　　　　　　　　　　　　　〉
　 N.ヽ｀　 　 　 　 ,.ｨｲ从　　 　 　 /
.　 ヾミ.＿__-‐=彡'ノﾉﾉ__,ゞミ=-_rく
　　　　lrf´ゞ“ﾓ=ヾｰf =ﾓﾁ＜}rv^i !
　　　　ヾﾄ、｀￣,り「弋! ￣´ノ　ソ
　　 　 　 !　￣　 ii{_,.　 ￣　　/r'´
　　 　 　 ,ゝ、　 ｉｰ-ー､　　, '　|＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　差異？
　　-‐''7´　ドヽ. ｀ニﾆ´ .／;;　 |　 ヾ''ｰ-
　　　 /　　 ﾄ､　` ｰ-- ´　,;'　,ｲ　　:|
.　　 /　　　:ト､` ｰ-､ r--‐_'´/　　　|
　　/　_,..､-‐＼ ￣! ﾚ' 厂　/へ、　 :|
　　T´　ヽ＼l.0| 　 V / 　 / /　 ＼　|

　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 rヽ　　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　 i　!　　|　 （●）（●）　|
　　　　　 r;r‐r/　| 　 |　　（__人__）　 |　　　　　　　　　　そう、蛇との間に出来た子供の扱いがな
　 　 　 〈_L (｀ヽ .}　　|　　 ｀ ⌒´　　ﾉ
　　　　　l｀ （ ｀`/　.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　　 一番ポピュラーな民話とかだと
　　　　　ヽ 　　l　　.　 ヽ　　　　　 　}
　　　　　　|,. 　 l　　 /⌒　 　ー‐　　ｨ ヽ


　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　／ 　　　 _ノ　ヽ
　　　　　|　 　　　（ ●） |
　　　　　|　　　 　　（__人）
　　　　　|　 　 　　　 ⌒ﾉ
　　　　　ﾝ　　　 　 　 ノ　　　　　　　　　　　蛇の子は不気味だから
　　 　／⌒ヽ､　 　 _ノ
　　 / 　 ﾉ ＼__ィ ´　　　　　　　　　　　　　 妊婦は菖蒲湯に使って堕胎させるという
　 /　 /　　　　'|.
　（　　y　 　 　 |.　　　　　　　　　　　　　　 伝承が有名だな
　　 ＼　＼　　　 |
　　　　＼ｨﾝ､＿＿)、
　　　　 .| 　 　 ij　,ﾉ


　　　　　　　　　　　　　　　 _　-－― - ､
　　　　　　　　　　　　　_,__'´　 　 ＼ 　 　 `ヽ、
　　　　　　　　　　　　(´ 　,)　　(´￣ ｀)　　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　/￣　　　　￣￣　　　　　 i
　　　　　　　　 　 　 ,' l､＿人　　ﾉ　　　　　　 　 l
　　　　　 　 　 　 　 i 　 　ｌ .ｌ ￣　 ,　　　　u　 　l
　　　　　　　　 　 　 ヽ　　l l　 　 /　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　`.l､_ノ__　　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 `l 　 　 　 　`､　　　　　　　　　　　　　　か…神の子を堕胎させるのかお！？
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　_＿／　　　　 _/　　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　 　 　 　 `ヽ､_／l　　＜＿／　 　　　l
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l　　　 　 　 　 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ、　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 `l　　　_,- 　 ／
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l　　 /　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／ .／ヽ､〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ￣　　　　｀

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　　__ ,. _彡'ﾉﾘ _,.ゝ、　 |　　　
　　　｀ゝf‐ゞﾞujヾ二r^ｧｕj＜ y=ﾚヽ.　
.　　　 |fjl、　￣.ﾘj＾ヾ.) ￣ 　ﾉ ﾚ ﾘ 　　　　　　　　　　　　　　神と巫女との神婚を語る神話が
　　　　ヾl.`ｰ- べ!ﾞ‐ ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　
　　　　　 l　 　 f,.ﾆﾆﾆヽ　u　/:|　　　　　　　　　　　　　　　　どうしてこうなった！？
　　　　 　 ﾄ､　 ヽ.＿_.丿　 ,ｲ　|　　
　　　　　_亅::ヽ、 ー 　 ／　i　:ﾄ､　　
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l　　　　
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　u.　　 （__人__）　　　　　　　　　　　　　　うむ
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　　　 これは、時代の変化による
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　　 人の目線が変わってしまったことを意味するんだろう
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　　人の目線…？
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　 　　 ／￣￣＼
　 　／　　 _ノ　　＼
　 　|　　　 （ ー）（ー）
.　 　|　　　　 （__人__）
　 　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　 　.ｌ^l^lｎ　　　 　　}　　　　　　　　　　　　　 そう、俺がさっき話した文庫本もそうだ
.　　 ヽ 　 L　　　 　}
　 　　ゝ 　ﾉ　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　 時代が下れば人の価値観は変化する
　 　／ 　/　　　 ＼
　 ／　 /　　 　 　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､

　　　　　　　　　 　 ＿＿
　　　　　　　　　 ／ 　 _ﾉ＼
　　　　　　　　／.　　 　 （●）,
　　　　　　　　|　　　 　　（__ﾉ､）
.　　　　　　　　|　 　 　 　 　 ｜　　　　　　　　　 昔は神聖に見えたモノが
.　　　　　　　　ヽ　　　　　 　 |
　　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　次の世代の人には滑稽に写ったり
　　　　　　　　　　ヽ　　　 （
　　　　　　　　　　　>　 　　ﾍ　　　　　　　　　　　カッコ悪く見えたりするってのはよくある事だろ？
　　　　　　　　　　　|　　　　 |
　　　　　　　　　 　 |　　　　 |


　　 　　 ＿_＿__　　　　　━┓
　　　 ／　―　　 ＼ 　　 ┏┛
　　／ノ　　( ●)　　 ＼　 ・
.　｜ ( ●) 　 ⌒）　　　|
.　｜　　 （__ノ￣　　　 /
.　｜ 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 やる夫が80年代のヒロインの可愛さがわからんようなもんかお？
　　＼＿　　　 ⊂ヽ∩＼
　　　　/´　　 　 (,＿ ＼.＼
.　　 　|　　/　　　　　＼＿ﾉ

　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 rヽ　　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　 i　!　　|　 （●）（●）　|　　　　　　　　　　 ま、そういうこったな
　　　　　 r;r‐r/　| 　 |　　（__人__）　 |
　 　 　 〈_L (｀ヽ .}　　|　　 ｀ ⌒´　　ﾉ　　　　　　　　　　 あの時は神のように崇拝してきた存在も
　　　　　l｀ （ ｀`/　.　 |　　　　　　　 }
　　　　　ヽ 　　l　　.　 ヽ　　　　　 　}　　　　　　　　　　　今の人からすれば古臭い存在にまで貶められる
　　　　　　|,. 　 l　　 /⌒　 　ー‐　　ｨ ヽ


　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼　
／ 　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　うーん…
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／　　　　　　　　　　　　　　　 思い返すと確かにそれもそうかもしれんお…
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　 一体、何人の嫁を捨ててきたか…
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　　　　　＼ヽ-ｌヽ―- ､
　　　　　　　　　,..-‐￣: :. :|: :. :. :. :∧
　 　 　 　 　 ／:. :. :/: :i :∧:ﾄ: :. :. 廴）ﾍ
　　　 　 　 /／7: :/:,.._|/　|:|>-‐|: : :|ヽ.ヽ
　　　　　 　 　 |: :,ｲ ∠L　 ヽL--ｧ: |: :|　＼
　　 　 　 　 　 | / |:ｲセｆ 　　 !='ﾊ: :ｊ､ |イ／
　　　　　 　 　 VﾍV:|　　＿＿　　〉/ﾉ | :|
　　　　　　　　　　∨ゝ､ !‐ ‐┘／ｿ: : ｊ: :|
　　　　　　　　　　　|: : ／｀7 　 } /: : /:. :|
　　　　　　　　　　　|: :/　　|ﾐ-彳/: :./ヽ :|
　　　　　　　　　　　| :ｊ ＼. |丶イ: : :/　　ｌ|　　　　　　　　　　　　　　　　　 はい、話がずれてる
　　 　 　 　 　 　 　 ﾚ'　ｌ　 L＿/:. :/...　　||
　　　　　 　 　 　 　 |ヽ__|　|-/,|: : /┬‐〒|
　　 　 　 　 　 　 　 |: |　|　| ゝｲ :/　|　 :| |
　　　　　 　 　 　 　 |:.|　ｊ　| | | |:/　 |　 :| |
　　 　 　 　 　 　 　 |:.|　「 .Lﾊﾊ|'　　ｌ　 :ｌ |


　　　　　　 ／￣￣＼　　　 ηノﾉ
　　　　　／ 　　　 _ノ　ヽ　　ﾉ , ∃
　　　　　|　 　　　（ ●） |.／. /´
　　　　　|　　　 　　（__人） ／
　　　　　|　 　 　　　 ⌒ﾉ
　　　　　ﾝ　　　 　 　 ノ
　　 　／⌒ヽ､　 　 _ノ
　　 / 　 ﾉ ＼__ィ ´.
　 /　 /　　　　'|.　　　　　　　　　　　　　　　　　そして、もう一つの要素として考えられるのが
　（　　y　 　 　 |.
　　 ＼　＼　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　異伝の存在だな
　　　　＼ｨﾝ､＿＿)、
　　　　 .| 　 　 ij　,ﾉ

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　 異伝？
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 rヽ　　／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　 i　!　　|　 （●）（●）　|
　　　　　 r;r‐r/　| 　 |　　（__人__）　 |　　　　　　　　 そう、例え神のような存在として描かれていている時代にも
　 　 　 〈_L (｀ヽ .}　　|　　 ｀ ⌒´　　ﾉ
　　　　　l｀ （ ｀`/　.　 |　　　　　　　 }　　　　　　　　　異端のような作品が世に出回ることはある
　　　　　ヽ 　　l　　.　 ヽ　　　　　 　}
　　　　　　|,. 　 l　　 /⌒　 　ー‐　　ｨ ヽ

　　　　　　　　　　　　　 　／￣￣＼
　　　　　　　　　　 　 　_ノ　　ヽ、　　＼
　　　　　　　　　　　　（ ●）（ ●）　　　|
　　　　　　　　　　　　（__人__） 　　　　 | ..／}
　　　　　 _　 　　　 　ヽ｀⌒ ´　　　　　| /　/ 　　　__
　　 (＾ヽ{　ヽ　　　　　 {　　　　　　　　./　/　 .　／ .ﾉ　　　　　　そういった作品が世間でクローズアップされるときに
　(￣ ヽ ヽ　i　　　　　　ヽ　　　　　　/　厶-　´ ／
.(二 ヽ　i　i　|,r‐i　　　　ﾉ.　　　ヽ /　　　　 ／　　　　　　　　　 人の価値観は大きく変化することがある
　　ヽ　　 ／　 ノ　　／　　 　r一'´　ー ､　　￣￣￣）
　　 i 　 {　　 ｲ―イ　/　 　.`ー―.　､＿_　.〈￣￣
　　　ヽ.　`ｰ '/　　　/　　　　　　　　　 　/＼ ＼
　　　　　 `ー ' ￣￣!　 　　　　　　　　　|　　ヽノ


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ　　　　　　　　　　　つまり、この場合は蛇に関して
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　 不気味な面を強調した伝承が同時代にあった…
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､　　　　　　　　　　　 ということか？
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　 ／￣￣＼
　　　　／ ._ノ　　ヽ､＼
　　　　|　 （●）（●）　|
　　　　|　　（__人__）　 |
　　　　|　./´ニﾄ-'　　 ｌ　　　　　　　　　　　　　 そう、その通り
　　　　| .l　_ニｿ　　　 }
　　　　 /ヽ､_ノ　　　 /　　　　　　　　　　　　　 今からその伝承を紹介しよう
　 　 __/　　/　　　 ノ__
　　/ /　　/　　　　　　 ｀ヽ.　　　　　　　　　　　『風土記』につたわるクレフシ山の説話だ
　 /´　　./　　　　　　　,.　 ヽ.
　 ﾄ､＿,/.　　　　　　　｜､　 ヽ
　　 ｜　　　　　 　　　｜/　 /



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　クレフシ山の説話（常陸国風土記）　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/



　　　　　　;;⌒　　、
　　　（;;;　,,;;　　　　ヽ、　_,,,...:-‐‐=-..,,,_
　　　　　　 (＿,,, 　;;ノ,r'"::　::　　 　　　::＼,,.....,　　　　　　　　　　　 ;;⌒　　、
　　　　　　　　　 ,,r'"::　::　:...　　　　　:::　. ::;　:::.`'::.､　　　　　 （;;;　,,;;　　　　ヽ、
　　　　　　　　,:r':::　::　.:::　::　　　　　　::　 　 :;　::: .:: `':.､　　　　　　(＿,,, 　;;ノ
　　　　　　,r'":::..　..::　..:::.　....　　　　　 :　 ::　　:;　:: ::.　::`'::､_
　　　　,r'"::::　　...:::　:...:::　::　;,,, - '''' ''':‐-,, ,,　　　　　　::.　::`'::､_　　　　　　　　　 __,, - ''""
　　,r'"...::::..　......:::::　　　　　　　　　　　　　 　" ''''‐- ,..,,,...　　__,, -‐- ,...　.-‐‐''''"
,r'":::,,,,,,　:::::......::::::　...　　　　　　　　　　　　　　　_,, - ''" ""'''"" `'' -,..　　　　　　　　　　　　　　　　「茨城の里の北のほうに、
　　:::.....　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　-‐"　　　　　　　　　　　　 "''　-‐‐‐-,..,,.
　　　　　::::,,,::;;;;:::::::: :::::;;;;;::::::: ;;:::::;::;;;;::::,:::::;;;;;::;;; :::,,::::::: ::::; ;;;;:::::::;;; :::,,:::::::::::::;;,,,　　　　　　　　　　　　　 くれふし山（今でいう茨城県水戸市の朝房山）という高い山があった」
　　...:::::;;:::::::::::;;;;,::::::::::::::::::::://::::,,;;;;:::::::::::;;;;:::::::: :::::;;;;;::::::: ;;:::::;::;;;;:::;;::;::::://:::::::.::::;;:.......
　::::;;; :::,,::::::: ::::; ;;;;:: :::::::::: //...::::.::::;;;;:;;;;;,:;;;;;::;;;;;;;;;;:::::::::: :::::::: ;;;;;;;;;;;; :::://:;::::::::::;;;::::::;;::::::::...,,,
WWWwwwjij,,.、,、,,,vWWwjjwvjiiijwwiijijyyywWwWWjjwv,,.、,、,,,jiiijwwiijijyyviiijwiijijywWw

　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 イ　　　　/　　|　　 !　　　: : : : : : : : : : : /: : : : : :
　　　　　　　　　　　　　 　 　 1　　.:　 l　　 :l　　 !　　 . : : : : : /: : : :./: : : : : : :
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /.　　: :　.l　　 : ! 　 !　　 : : : : : /!: : : :/ヽ: : : : : /
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　: : : : :　　: :A--l､　　: : :　:/ l : : /　　l : : : /:
.　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　: /: . :　　 /＿　! ｀　 : :ヽ/ヽ、 /　　　l: : :.ハ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 !　 : ﾊ: : : .　 :{.{!ﾄ心､ '.　: 　/　 l／` ＝＝!: /　 !
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 '.　 :l　' : : : .　:!.弋り ヽヽ : /　ノ　＿＿＿.∨
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 '.　l.　 ヽ: : . ! !　｀￣´　.∨　　　´厂￣l!｀｀ヽ、 /
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 '. |　　 ヽ : ﾄ､!　　　　　　　　　　ゝ､__ﾉ　　 ."/:
.　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ、　　 ヽ:!　ﾄ､　 /　　　　　　　　　￣￣　/: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ ヽ　ヽ　 　 　 　 　 　 　 　 ／イ´
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∧　　　　　　　　　　　　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 __{.　｀ヽ　、　　　　　　　　　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／´ ﾉ　　!　ヽ ｀丶　　　　　　 ,　 '
　　　　　　　　　　　　　 　 　 ______ '´　　 {　　　!　 !丶、　　　,　　'　　　　 /
.　　　　 　 　 　 _　 -‐ ' "´￣　　　　　　　j　　　 '.　|ﾉ　　￣　　　　　　　 /
　 　 　 　 ／´　　　　　　　　　 　 　 　 　 !　 　 　 ヽ!　　　　　　 　 　 　 /


「その近くにヌカビコとヌカビメという兄と妹が住んでいた。」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , r/|: : : : : .､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿　/　/ ,| : : : ,--ヽ
　　　　　　　　 __ lヽ､　　　　 , r '´: : : -､: : :｀>l-___／: : : : : :ヽ
　　　　　　／: : : : ヽ ､ヽ　／: : : : : : : : : : : : : :ヽ:ヽ-｀ﾞ - ､: : :|
　　　　 ./: : : : : : : : :ゝ/.Y- '´: : : : : : : : : : :t-,.ﾉ:ノ: ヽー--｀: |
　　　　 |: : : : : :,. : -,r/ /l: : : : : : : : : : : : : : : ｀': : : : ::ヽ: : : : : |
　　　　 |: : ／: : : ::| l /: :ヽ: : : : : : :,: : : : : : : : : : :､: : : : l: : : :/
　　　　 V: : : : : : ::|//|: ::l:ﾞ: : :|: : :/: : : :,;: : : : : : : :l､:l､: : |: : /
　　　　　|: : : : : : : r'　|: : ヽ: :|: : |:: :,r,:/ ﾞ､: : : : : :/ l,|}､: l: :/
　　　　　､: : : : : : : :l　.､: : :､: |: ::|/　 l:|　 ヽ:ﾞ､:: :/',´|l/|:/: :l
　　　　　 ｀､: : : : : : l　ヽ: :r-､|: :|￣｀ﾞl￣´　｀lノr'ｿ//:ｲ: : :|
　　　　　　 ｀: : : : : : |　 /　A |: :|t-っ=ｿ　　　　｀´,,,|::|､: :::|
　　　　　　　　､: : : : :l　 ゝ､ ﾞ |: :| ,,,｀ﾞ '　　　　,　　,ﾉ: | ヽ::|
　　　　　　　　　>: : :| ,／ '､｀ﾞ l::|､　　　　　__,　 , ' |: /
　　　　　　　　/ { ､: :l､　　　ヽ ､:|　＞　､ ´-'　'　　|/
　　　　　　　　l: ヽ}:/　 ＼　　 ＼|　 |　//´
　　　　　　　　 ヽ'´　　　　｀ヽ､　 ＼ |/ /

　　　　　　　　　　　　　　　　　,........-----.......､
　　　;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:　　　,...:::´::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:.､
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　　　　　 　 ム-t::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
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;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: |:::::/.l　　 　 ヽ.　　　　 　 ./::::::／､｀i:::::iヾ､
　　　　　 　 　 　 |::/　.l　　　　　　　　　　 /:::／_ヽﾉ.ﾉ'ヽl
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:　　　　　´;:;:;:;:;:;:;:;:
　　　　　　　　　　　　　　＼　 ｀￣｀　　　　 ／i;'::::l　　　　　　　　　　　　　　　 「妹のヌカビメのところに、毎夜身元のしれない男が通ってきて朝には帰っていった。
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　,　 .'´　 '|:::i､!
　　　　　　　　　　/.ﾌ´フ´i⌒ヽ Y ´　　_,, -　´ ヾ゛　　　　　　　　　　　　　　　　 ある夜夫婦になって一夜で子供ができた。」
　　　　　　　　//_ﾆｰ_'=='-‐￣i∧r､´　　　　　　 >-､
　　　　　　　／　　 ´　　　　　//⌒.ヽ　　　 ／´　 　 ｀　 、
　　, .-----i　　,,　　　　_,,,r '〈ｲ:::::::::/ ＼／　　　　　　　　｀ ｰ_ ､
　/｀´￣￣/　　'　　 r ´　　　 .|-,､:/　　　 　 　 　 　 　 　 ／　　ヽ
　| ､＿＿/　　　　 ./　　　　　/:'::::l　　　　　　　　　　　　/　　　　　i
　|　　　./ 　 　 　 / 　 　 　 /:::::::::|　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　l
　|　　 / 　 　 　 /　　　 　 /::::::::::::!　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　l
　|　 ./ 　 　 　 /　　　　　,'::::::::::::::l　＿＿＿＿　　　 ,'　　　　　　 　 l
　|　/　　　 　 /i　　　　　;::::::::::::::::| .|--------|　　 .l　　　　　　　　 l
　|./　　　　　/ .!　　　　 ;:::::::::::::::::|　!　,!Y!、 　 !　l　 |　　　　　　　　, ｀i

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　 　 　 　 ＿＿_| !_　　 ／:::::::｀//
.　 　 　 　 ,..::"::::::::::::::| |:::｀::.､i::::::::::､//::ヽ
　――--/:::::::;: -―-l l､::::::::::ヽ::::::::ヾ.:::::::`::- ..､
　 ―‐--l::::／　,_-―' .ﾞ'` ､:::::::::ヽ::::::::ヾー--､::::ヽ
　　　　　l::::i　 （,,_ヾヽ￣￣ `ヽ､::::::::::::::ﾉｰ､､ｰヽ :::ｌ
　　　　　ヾ:ヽ.　　 ￣｀ヽ.＿＿　`''ー''"　　ヾ:､ﾉ:::ﾉ　　　　　　　　　　 「月満ちて、産まれた子供は小さな蛇の姿をしており
　　　　　　 `''`ーz‐::γ´::::::;;::::｡ﾞヽ　　　　　 ヾ:<
　　　　 　 　 　 /::::::::iｌ:::::::i´ ト-‐く_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 昼間のあいだは口をきかなかったが、夜になると母親と話をした。 」
　　　　　　　　 i::::::::/ ヾ:::::!　ｌ 　　｀
　　　　　　　　 ヽ::::::ﾞｰ:'ﾞ::/　ﾉ
　　　　　　　　　 ヽ::::::::;.ｲ／
　　　　　　　　　 　 ￣￣


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　○　 ,r=ァ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　 　 ／
　　　　　　　　　　　 　 　 /　　 　 　 　 ／
　　　　　　　　　 　 　 　 i′　　　　／´
　　　　　　　　　　　　　｜　　　 　 {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／｀i
　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　 l　　　　 ／￣｀ヽ　　　　　　　　／　　/
　　　　　　　　　　　　　 ﾞ､　　　　 ｀､　　 /　　　　　丶 　 　 　 ／　　　/　　　　　　　　　　　「母のヌカビメと、小蛇の叔父にあたるヌカビコは
　　　　　　　　　　　　　　 ｀､　　　　｀､　 ! 　　　　　　ﾞ!　　　 /　　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　丶　　　　 ＼|　 　 　 　 　 |　　 /　　　　/　　　　　　　　　　　　　この子供が神の子ではないかと思い、
　　　　　　　　　　　　　　　　､,.ゝ、　　　　ﾞl　　　　 　 　ト ､/　　　　 !
　　　　　　　　　　　　　::::　::::｀:::::::＼.　　　！　　　　　　!:::::ｌ　　　　｜　　　　　　　　　　　　　 清らかな杯にいれて祭壇にまつっておいたが
　　　　　　　　　　　:::::::::::::::: ﾞ､:::::::::丶､ 　！　　　　　 ,!｀` !　　　　 ト､
　＜´￣￣￣｀`ヽく::::l.　　　　 i ,.r‐＝冖`丶ﾞ、　　　　l　　 |　　　　_｣＞ﾞ-―――-　､、　　　　　一晩のうちに杯いっぱいに育ってしまった」
　　 ｀`丶､　　　　　＼!　 　 　 l′　　　　　　i　　　　 ﾄ､ ‐-!_,..-''"　　　　　　　　　　　｀ヽ
　　　　　　｀丶､　　　｜　　　　l　　　　　　　｜　　　　! >''"　　　 　 　 　 　 　 　 　 　　　ﾉ
　　　　 　 　 　 l＼　　|　　　　 ﾄ､　　,..-―ｰ-l.　 　　／　　　　　　 　 ＿　　　　　 ＿／
　　　　　　　　　ﾞ､::＼｜　,. -‐宀'''"´￣｀`'''‐┘､　 /　　　　　　／￣,!:::::/￣￣￣
　　 　 　 　 　 　 ＼::｀l. /　　　 　 　 　 　 　 ｀´-､　　　 ／　 　 /::／
　　　　　　　　　　　｀ j　＼　　　　　　　　　　　　　　　＼／　　　　/ 'ﾞ
　　　　　　　　　　　 　 ｀丶､｀`'''ー----､―,r-､　　　　　＼　 ,..-''"
　　　　　　　　　　　　　　　　｀`''－-　､＿V＿__＼,,..　-‐ '''"´

　　　　　 , --―-- ､
　　　　 /｀ヽ_o .o_/´ヽ.
　　　　l　　/ ｀ｰ´ヽ.　 .l
　　　　|. 　l三三三l　 .|
.　　　　|　 l三三三l　 |
　　　　 |　.l三三三l　.|
.　　　　 |　l三三三l　|
　　　　　ｌ .l三三三l .|
.　　　　　| l三三三l |
　　　　　 |.l三三三l.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「大きな瓶（かめ）に移したところ、やはりすぐに育ってしまった」
.　　　　　 |lーーー.ｌ|
.　　　　　 |lーーー.ｌ|
.　　　　　 |lーーー.ｌ|
.　　　　　 |lーーー.ｌ|
.　　　　　 |lーーー.ｌ|
.　　　　　 |lーーー.ｌ|
　　　⊂ニニニニニニニ⊃
　　　ノ　　　　　　　　　　ヽ.
　　/ニニニニニニニニニヽ.
　 /　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　l ニニニニニニニニニニニ l



　　　 　　_ -=ﾆ二二≧z､
　 　 　イ　／￣厂)ノ｀ヽ/｀＞z_
　　　// ノ乂＿}/) ｨTX､ )＿＼ ＼
　 　 |i{__人{_}─z___乂ソ∠＿_人　 ≧z__
.　 　乂＼　ﾉノヽ_,／＼　＼＿Xj＼＿Xﾊ＼
　　　　 ｀＜ー─‐z＿　＼＿_,人　 )＿X¨´ ＼
　　　 　 　　｀ ＜＿　 ｀ヽ ＿＿人(＿＿人＿ﾉ＼
　　　　　　　　　　　　 ＼ 二二≧==zz_ノ)ノ)＿ノ)＼　　　　　　　　　　　「そんなことが三、四回あり、もう子供をいれる入れ物もなくなってしまった」
.　　　　　　　 　 　 　 　 {＼　＼人)人)丁＞z/////j＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 |//＼　 ＿__人＿ノ＼/////i∧
　　　 　 　 　 　 　 　 　 |////∨＿＿_人＿_ノ＼////:∧
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ∨///i|＿＿＿,人＿_X∧////:∧
　　　　　　　　 　 　 　 　 ∨//j|＿＿＿__,人＿_ﾉ∧////:∧
　　　　　　　　　　 　 　 　 |///:|＿＿＿＿_人__人∧////:∧
　　　　　　　　　　 　 　 　 |///:|＿＿＿＿__,人＿ﾉ∧////:∧
　　　　　　　　　　 　 　 　 |///:|＿＿＿＿＿_人__,人|/////∧

　　　　　　　　　　　.. : :.|　　　　　　　　　　　　　　　　 /: :|
　　　　　　　　: : : : : : :/_,.......----- -､_　　　　　　　 /: : :|
　　　　　　　: : : : : : ::/: : : : : : : : : : : : : :｀ヽ､　　_,／: :_,.ノ
　　　　　　: : : : : : : :/: : : :/: : : : : :,r: : : : : : : --､-, --,
　　　　: : : : : : : : : /: : : :/: /l: : : /: : : ,l: : : : : : : :ヽ,＜
　　　 : : : : : : : : /: : : : : |:/　|: :/: :v'´　|: : : : : : : : : ＼:ヽ､
　　　: : : : : : : :人:|: : : : |/　ヽ: |l/ .ヽ　 |: : : : : : : : : : : ヽ: l
　　 : : : : : : :/:l: ::|: : : : |　　　V　　 ヽ .l: : : : : : : : : : : : :l: |
　　 : : : : : :/: :,......|: : : : |　　イ´ ヽ､　 ヽﾞ､|ヽ: : : l: : : : :,: :|{
　　 : : : : /: /　ヽ |: : : :|　　 |　 ,ﾉヽヽ｀　 　 ヽ_,.:l-: : :/l: ::|＼
　　 : : : /: /　/´｀|: : : :|　;,,,　　|:: ::|　　　　　 '｀ヽ::|: :/:::l: :|--｀
　　　: :/|ヽl　　　{.|: : : :| 　 ﾞﾞﾞ　 ｀´　　　　　,=-､　l,/:::::l: /
　　　/ Y: :l:＼ ヽ　l: : : |　　　　　　　　　　 r'ﾞl　|　/:::ノﾚ'|　　　　　　　　　お前が神の子であることは、見ていれば自然にわかったよ
　　　 V: ::::|: : :L_,　|: : ::| u　　　　　　　　 ,.ゝｿ ﾉ/::l'´: : :|
　　　　:,.／l､: : :|.ヽ､l: : :|　　　　　　　　　　　 ,,,/:..:.:.:|: : ::|　　　　　　　　　けれど、わたしたちにはお前を養う力がないから
　　　　　: : ﾞ､＼|　　.l: : |　　 r- ､_　　　　　　 /､:.:.:.:.|: : :|
　　　　　 : : ヽ　|　　 ﾞ､: ﾞ,　　 ｀ﾞ ー｀､　　　 ノ: ヽ.:.:.:.:| : |　　　　　　　　　おまえは父上のいるところへ行きなさい
　　　　　: : : :ヽ- ､_ 　 ヽ:lヽ　　　　　＿,..- ': : : : ヽ.:.:.:|::|
　　　　　: : : : :|　　 ｀ヽ､ヽヽ l￣￣　　　l: : : : : : : :ヽ:.:.l:|
　　　　　: : :: : |　　　　　＼ヽ|　　　　　　ヽ: : : : : : : :ヽ:|l


　　　　　　　　　 　＿,,.._,,..　--─ｬ─--　....,,,,＿
　　　　　.　,._　‐彡ｬ'ζー- 、　　　ヽ_＿_,,..,. -‐､＞､
　　　　,∠、,.ノ＝く　ｲ　´｀ヾ入ｪ.　　j　 　Ｙ γ;;;ヽヽ_＞､＿　　　　　　　　　　　　　　　 「と言い聞かせたところ、蛇は涙をふきながら」
　　　./　.ノ゛　　　　ヾ､　　　l　　｀ヽ{"＝-弋;ヾ;;;ツ .}._ ヾ==ミ≧､_
　　 ./／　　　　　　　 ヽｧ,,斗、　 ,.人　　 　 ヾ､_,.ｨ'′Ｙ　　　 　｀ﾞ｀ヽ､.
　　,'ヽ　　　　＿　　　　　　/　゛ ´|　 ヽ　　　 !　　｀ー´ ｀ヽ、　　　　　⌒ヽ､
　　i ム,.--=''テ“"＞ー-ｭ､.　　　.j　　 ﾞi　　　ヽ.　　 λ　 　 ヽ.　　　　　　　　　　　　　　　　　母上のおおせのとおりにいたしましょう。
　　〉!　 ｀ヽ､　.ｙ´　　 　/　 ｀ヽ-､'_　 　j　　　　j　　　 i　　　　 ヾー ､＿,.／"
　 i　ヽ、　　 ヾ!、 　 　,'　　　./　　.フｰ'ー─-く--=､_丿　　　 ./　　　 ﾞｉ　　　　　　　　　　　　けれど、たったひとりで行くのは心細くてなりません。
　 .ヽ;;;,,｀::::::;::::::::ヽ、.／::::::::::く:: ...／.　　　　　　|　　 ヽ｀ヽ､＿.ﾉ　　　 　j
　　　ヽヾ:::::::::::::::::::ヾ、:::::::::::::::Ｘ、:::::::: : .... .　. ﾉ　　　λ　　｀ 、｀＝＝==;ｮｪｬ　　　　　　　　　 どうか、わたしのお供として子供をひとりつけてください
　　　　＼ﾞ丶、::::::::::::::｀ヽ、::::::::::ヽ､:::::::::::::::::::::::::::: : ...　У　　 　)ｭ､.　　,)ー-

　　　　　　　　　　　　-=≠ー─ --　､
　　　　　　　　　　　 ／:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　 　 　 　 　 　 　 |:.:./／,ｨ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
.　 ,.　-─────∨/メ､|:.:.:/:.:.:/:.:.:./.:.:.:.i
　 |　　　　　　　　　　ﾚ'ﾚ'V ∨|:.:./＿厶.:.:.:.:|
　 |　　　‐-､─── ﾚ'rtz　　 Ｖ ﾚ7:.:.:./:.:./
　 ヽ.　 　 　 ＼　　　　|　ノ 　 モｿ !:.:./:.:./
　　　＼　 　 /⌒ヽ、　|　、　　　　 ﾚ勾:/
.　　　　 ＼ /　　 　 ｀ｰ＼　　 　 _,. イﾚ′
　 　 　 　 /　　　　　 /丁｀7,二 -‐'´}　　　　　　　　　　　　　　「けれども、この家には母親と叔父しかいなかった」
　　　　　〈　　　　　 厶〈／/ |　　 ／＼
　　　　 　 ＼　 }　　　 7Y´　|　／　　　＼
　　　　　　　 ∨　　　/ ﾉ　　ﾚ'　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　 この家にお前と一緒にやる子供などいないことは
　　　　　　　　|　 　 //　　 　 　 /　　 　 　 i
　　　　　　　　|　　,ﾊj　　　　 　 |　　　　　　|　　　　　　　　　　 お前が一番よく知っているだろう
　　　　　　　 ,′ /　　　　　　　 |　　　　　　ヽ
　　　　　 　 ,′./　　 　 　 　 　 |　　　　　 ／
　　　　　　 ,′/　　　　　　　　　|　　 　 ／　|
　 　 　 　 ｜/　　　　　　 　 　 └‐rｰ ´　　 |
　 　 　 　 //　　　 　 　 　 　 　 　 |　|　　　 |
　　　　　//　　 　 　 　 　 　 　 　 ,′|　　　 |


　　　　　　　　　 ＿_
　　　　　　_,-''"´ 　 ｀`‐-､._
　　　　　／　　　　　　　　　＼
　　　 ／　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　/　　　　　　､-,　　　　°　 ＼
　　 /　　　　　／　 `‐､_　　‐-､.．-'
　　/　　　　　/　　　　　｀`‐-､)｀`‐-､._
　 /　　　　　/　　　　　　　　　　　　　 ｀=
　 l　　　　　 l
.　|　　　　　　l
　 l 　 　 　 　 l
　 |　　　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「と言うと、蛇はたいへんうらみに思って口もきかなくなってしまった。 」
　 l　　　　　　　ヽ
　　ヽ　　　　　　　＼
　　　＼　　　　　　　` ‐ ､._
　　　　 ヽ　　　　　　　　　　` ────
　　　　　 `‐､_
　　　　　　　　`‐､_
　　　　　　　　　　 ｀`‐-､._
　　　　　　　　　　　　　　　｀`───‐-

　　　　　　　　　　　　　　／⌒ ￣￣｀>
　　　　　　　　　／￣￣￣　　 ●　 ／
　　　　　　　 ／　 　 , ' ´￣｀丶　　,―､
　　　　　　　｜　　　|　rWWwﾉ　 /　/
　　　　　　 ／|　　　 ﾚﾘ >A<ﾉﾘ´￣
　　　　　　｜ ＼　　　　 ￣￣￣　）
　　　　　　｜　　＼_______________／　　　　　　　　　　　 「そうしてとうとう、別れの日が来ると、蛇は恨みをこらえきれずに
　　　　　 ／＼　　　　　　　　　　|
　　　　　｜　　＼＿＿＿＿＿／　　　　　　　　　　　　　叔父のヌカビコを殺して天に昇ろうとした。」
　　　　　　＼　　＼＿∪∪
　　　　　　 　＼＿＿ ＞

　　　　　　　　ﾉ)
　　　　　 へ8"￣￣8へ
　　　　　( (/ｨ人ﾚ人) )
　　　　　()人ﾟДﾟ ∩(
　　　　　　⊂｣=∞=[ﾉ】
　　　　　　（｢_Ｘ`ヽ
　　　　　　　ＵヽL_)　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「驚いたヌカビメが小さな瓶を手にとって投げつけると」
　　　　　　　　　Ｕ
　　　　　　　　　：
　　　　　　　　　||．
　　　　　　　　　 |　：
　　　　　　　　　　|：．
　　　　　　　　　　　：
　　　　　　　　　　||：：．
~~~~~~~~~~~~~~~~~~〝〝〝〝〝~~~~~~~~~~

　　　 　　_ -=ﾆ二二≧z､
　 　 　イ　／￣厂)ノ｀ヽ/｀＞z_
　　　// ノ乂＿}/) ｨTX､ )＿＼ ＼
　 　 |i{__人{_}─z___乂ソ∠＿_人　 ≧z__
.　 　乂＼　ﾉノヽ_,／＼　＼＿Xj＼＿Xﾊ＼
　　　　 ｀＜ー─‐z＿　＼＿_,人　 )＿X¨´ ＼
　　　 　 　　｀ ＜＿　 ｀ヽ ＿＿人(＿＿人＿ﾉ＼
　　　　　　　　　　　　 ＼ 二二≧==zz_ノ)ノ)＿ノ)＼
.　　　　　　　 　 　 　 　 {＼　＼人)人)丁＞z/////j＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 |//＼　 ＿__人＿ノ＼/////i∧　　　　　　　　　　 「それが蛇の体にあたったので、蛇は天に昇れず、くれふしの峰にとどまった。」
　　　 　 　 　 　 　 　 　 |////∨＿＿_人＿_ノ＼////:∧
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ∨///i|＿＿＿,人＿_X∧////:∧
　　　　　　　　 　 　 　 　 ∨//j|＿＿＿__,人＿_ﾉ∧////:∧
　　　　　　　　　　 　 　 　 |///:|＿＿＿＿_人__人∧////:∧
　　　　　　　　　　 　 　 　 |///:|＿＿＿＿__,人＿ﾉ∧////:∧
　　　　　　　　　　 　 　 　 |///:|＿＿＿＿＿_人__,人|/////∧


　　　　　　　　　　　　　　 _ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ _
　　　　　　　　　　　　　　(::.);;::.,-､＿＿＿＿＿＿＿＿,-､..:;;(.::)　ゞ;::;;;;:ゞゞ:.:ヾ::. ヽ
　　　　　　 　　 　　 　 　 　 　 |;: !　　　　　　　　　　　 | :;|　　ゞゞ:;ヾ　ｿゞ:::ゞ:;ヾ ゞ
　　　　　　 　　 　　 　 　 　 　 |;: `ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ´ :;!　:;ヾ ゞ:　 ;:　::ゞ:;:; ゞ;ヾ ゞ
　　　　　　 　　 　　 　 　 　 　 |;: |´　　　　　　　　　　｀| :;|　:;ヾ ゞゞ:; ゞゞ:::ｿゞ　:ゞゞ
　　　　　　 　　 　　 　 　 　 　 |;: |　　　　　　　　　　　 | :;|　ヾヽ::ヾｿ;;;:;ヾ ゞゞ:;::;;;;:ゞゞ:;
　　　　　　 　　 　　 　 　 　 　 |;: |　　　　　　　　　　　 | :;|　　ヾヽ::　 |li/ ゞ　ゞ:; ゞ:;ヾ
　　　　　　 　　 　　 　 　 　 　 |;: |　　　　　　　　　　　 | :;|　　　ヾ;li/::ゞゞ: ;::::ゞ:;ヾ ゞ
　　　　　　 　　 　　 　 　 　 　 |;: |　　　　　　　　　　　 | :;| 　　 ゞ:;ｿゞ'li|ヾ:li!:;ヾ ゞ
　　　　　　 　　 　　 　 　 　 　 |;: |　　　　　　　　　　　 | :;|　　　　 　　|li|　li|:::ゞ'
　　　　　　 　　 　　 　 　 　 　 |;: |　　　　　　　　　　　 | :;|　　　　　　 ヽli//
　　　　　　 　　 　　 　 　 　　,i';;`^:〕　　　　　　　　　　,'^';,(;;〕　 　 　　　| ;il|
　　　　　　　　　　　　　　　 ,';,;) 'l; :.`!､＿＿＿＿＿_,.!:;'｢:' ;.:'ヾ, 　 　 　 | ;il|　　　　　　　　 「蛇を養うのに使った杯や瓶は神社におさめられ、
　　　　　　　　　　　　　 ／^`'"''ーﾞ''"　　　　　　　　　ﾞ''"ｰ"ﾞ''"＼　 　　| ;il|
　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼ ,'l;i::ヾ　　　　　　　　　子孫が末永く祭りをおこなった。 」
　　　　　 　　　 ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　　　　　　　 ￣￣￣￣￣￣￣＼



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　クレフシ山の説話（常陸国風土記）　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/

　　　　　 　 _＿＿＿
　　　　　 ／　　　　　＼
　　　　／　　 　;　　 _ノ′
　　　/　　　　　∪　:::（●
　　　|　　　　　　 　　"｀(__）　　
　　　＼、　　　 　 　 　 /´ヽ
　　　　　)　　　　　 　ィ （"_ノ
　 　 　 / /⌒ヽ　　　 ヽ ）　|　　　　　　　　　　 うぁ…
　 　 　 i l　　　|　　　 　|　　|
　 　 　 | |　　 |　 　 　　|-‐'　　　　　　　　　　　こりゃ、人の方が酷くないかお？
　 　 　 |.|　　 |　　 　 　 |
　 　 　 i〆　 /　　 　 　 |
　　　　 ヾン´　　　　 　 l
　　　　　 |　　　　 ィ　　|
　　　　　　l　　　　| 　 /
　　　 　 　 〉　 　 ノ　丿



　　 ／￣￣＼
　／ 　　ノ　 　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　 　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　 そうだな、残念なことに
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　このヒメは巫女としての素質が無かったんだろう
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　　だから、神を養うことも探す術も持たなかったし
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃
　　／ 　 　 .／　＿ノ　　　　　　　　　　　　神意をくみ取る能力も持たずに神罰を受けた
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /


　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　 　 _,.ノ　⌒
　　　　　　　　　　|　　 　（ ー）（ー）
　　　　　　　　　　.|　　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　|_,-‐、_ -、
　　　　　　　　　　.人､　　 　　 厂丶,丶　v　〉　　　　　　　　　自業自得の物語だったんだろうと俺は読み解くが
　　　　　　　 _,／::::ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ
　_, ､ -― ''"...:::::::::＼::::::::::::::::::::(　　　　〔"ﾆ‐-、　　　　　　　 これが他の人達にどう映ったかは俺には知る術がない
/.::::::: ':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　 ／⌒ヽ:::::: )
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　',::::|
:::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈　:::::::::::::::... ',::i
:::::::::::::::!::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　::::::::::::::::::. ',

　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　 　 _,.ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　|　　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　.|　U　　 （___人__）
　　　　　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　|_,-‐、_ -、
　　　　　　　　　　.人､　　 　　 厂丶,丶　v　〉.　　　　　　　　　　 しかし、この後の世の中に流布する
　　　　　　　 _,／::::ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ
　_, ､ -― ''"::::::::::::＼::::::::::::::::::::(　　　　<"ﾆ‐-、　　　　　　　　　 蛇を忌避する民話を見れば、俺のような感想を持った人間は
/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　 ／⌒ヽ;;;;;;; )
;;;;;;;;;;;:::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;V／.....￣　',;;;;|　　　　　　　　　 少なかったんだろうな
;;;;;;;;;;;;;:::|;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;〈　;;;;:::::::::::... ',;;i
;;;;;;;;;;;::::!;;;;;;;;;;::::::＼::::::::::::::::::::::;;;;;;;;ﾊ　::;;;;;;;;::::::::. ',


　 NヽN｀　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ､
.、Nヾミ　　　　　　　　　　　　　　　　i
　ヾミﾐ､　　　　　　 _,.ｨｲ八、　　　　 !
　　ー-=ﾆ ＿,..､_'"'ノ,."-'ニ'ヾ､.＿ l_
　　　　　{F|!　￣ ﾞiニ{'´　 ￣ﾞ!r'-r,^､i
　　　　　 l;jﾞ､_ 　 ﾉ　ヽ)、　　ﾉ'　 ゝ:'/　　　　　　　　　　　　　　ふむ…
　　　　　　｀!　￣ヽ '　　￣~´u　,'.,ｨ'
　　　　　　　i.u　　_＿_　　　　　,'　|　　　　　　　　　　　　　　　 誤解が正当に読み取られて
　　　　　　　 ヽ､ ´ -- ｀` 　 .／　 ﾄ、
　　　　　　　,..-i;:ヽ、　　 ,. '´　　／ ヽ､_　　　　　　　　　　　　　物語の世界が変容していく…か
　　　　_,.イ´　 j　　￣￣　　 ／　　　,i､ﾞト-､

　　　　　　　 ､,,＿ 　 　 　 　 ,、
　　　　　　　　_ニ＝-`'':ｰ:'':"|:｀:¨:`:'': -. ,,
　　　　 ,,.-''": : :,,:-:'': : : : :,: :.;!: : : : : : : ､: :`: .、
　 　 ／.. -‐ァ'". . . :./: : :i: :/.|: :l: : : : : : :＼: : ＼,,,,,,__
　　'" _,,,,ィ"／: : : :./: : : i :/　ｉ: :l:､: : : i:. : . ヽ 　 ヾ;,､;;;;`;;
　　 〈;;／イ.: : : : :./: : : :;l:/　　i: :l ﾞ､: : :i::. : : :.ヽ　 };;;;;;,､ｼ
　　 .//ｼ/: : : : : :/: : : /j:l　　　i: i　ヽ: : i::: : : : :ヽ/:j;;;;;;;;;;,､
　　/'/;;;': : i: : : ｉ:l‐:-:/､｣|　　　 ﾞ､ﾞ、 _,x-+‐: : : : :Ｖ:|;;;;;;;;;;;;;〉
　　 ヾ;;i: :.::|: : :.l.:!: :/ 　 ll｀　　　 ﾞ:､´　 ＼:､::. : :.ﾄ､V;;;;;;;;;ｼ
　　 　 |: .:::;ｌ: : :|:|: /＿__|_　　　　　ﾞ!＿＿_ヾ:: : :.|:.ハ;;;/|
　　 　 |: :/::l: : :|:!/ｬ┯━┯　　 　 ┯━┯ｯ〉: :.|ｲヾｼ::｜
　　　　l:/::::::i: : lハ　弋zシ　　　 　 弋zシ　'rﾍ:.|:l::::::::::. |
　　　　'ﾞ|.::::::ﾍ: :ﾄ.､i.　　　　　　　　　　　,,　/_,ィ!|:|::::::::::: |
　　　　 | :::::::::ヽ||　ヽ.　　　　 ｰ ┐　　　 /　　|::l!|::::::::.: :|
　　　　,l: ::::::::::l!::|　　 `''‐　 .,,_ﾞｰ′　- ''゛　　 |::!i:l::::::::.: :|　　　　　　　　　　どうしたの、キバヤシ～？
　　 　 !l: :::::::::l.|::|　　　 _　 _丿￣ ﾞ:、　　　 　 l::l |l:::::::: : |
　　　 j:|: :::::::::l l:::! _,n-'r`"　　　　　 `ヽn､,_　.|:j .|ｌ:::::::. :.|
　　　 !:!: :.:::::::! l:::/ .|| || 　 ｀`　　 '"´　 || l.l｀ヾj　ll:::::::: :.|
　 　 .|:l: : :::::::l　V　 ｌｌjj,,.．--―‐┐､,,_ jj// 　 i　.l!:::::: :｜
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　ヾミﾐ､　　　　　　 _,.ｨｲ八、　　　　 !
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　　　　　{F|!　￣ ﾞiニ{'´　 ￣ﾞ!r'-r,^､i
　　　　　 l;jﾞ､_ 　 ﾉ　ヽ)、　　ﾉ'　 ゝ:'/
　　　　　　｀!　￣ヽ '　　￣~´u　,'.,ｨ'　　　　　　　　　　　　　　　　 うむ…思う所は山ほどあるな
　　　　　　　i.u　　_＿_　　　　　,'　|
　　　　　　　 ヽ､ ´ -- ｀` 　 .／　 ﾄ、
　　　　　　　,..-i;:ヽ、　　 ,. '´　　／ ヽ､_
　　　　_,.イ´　 j　　￣￣　　 ／　　　,i､ﾞト-､

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　　　　 ,,.-''": : :,,:-:'': : : : :,: :.;!: : : : : : : ､: :`: .、
　 　 ／.. -‐ァ'". . . :./: : :i: :/.|: :l: : : : : : :＼: : ＼,,,,,,__
　　'" _,,,,ィ"／: : : :./: : : i :/　ｉ: :l:､: : : i:. : . ヽ 　 ヾ;,､;;;;`;;
　　 〈;;／イ.: : : : :./: : : :;l:/　　i: :l ﾞ､: : :i::. : : :.ヽ　 };;;;;;,､ｼ
　　 .//ｼ/: : : : : :/: : : /j:l　　　i: i　ヽ: : i::: : : : :ヽ/:j;;;;;;;;;;,､
　　/'/;;;': : i: : : ｉ:l‐:-:/､｣|　　　 ﾞ､ﾞ、 _,x-+‐: : : : :Ｖ:|;;;;;;;;;;;;;〉
　　 ヾ;;i: :.::|: : :.l.:!: :/ 　 ll｀　　　 ﾞ:､´　 ＼:､::. : :.ﾄ､V;;;;;;;;;ｼ
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　　 　 |: :/::l: : :|:!/ｬ┯━┯　　 　 ┯━┯ｯ〉: :.|ｲヾｼ::｜
　　　　l:/::::::i: : lハ　弋zシ　　　 　 弋zシ　'rﾍ:.|:l::::::::::. |
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　ヾミﾐ､　　　　　　 _,.ｨｲ八、　　　　 !
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　　　　　　｀!　￣ヽ '　　￣~´u　,'.,ｨ'
　　　　　　　i.u　　_＿_　　　　　,'　|　　　　　　　　　　　　　　　の…ノストラダムス…
　　　　　　　 ヽ､ ´ -- ｀` 　 .／　 ﾄ、
　　　　　　　,..-i;:ヽ、　　 ,. '´　　／ ヽ､_
　　　　_,.イ´　 j　　￣￣　　 ／　　　,i､ﾞト-､

　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ⌒) (⌒）
　　　　　　　　　　　｜　　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　 .|　　　　 　　　 ﾉ__
　　　　　　　　　　　　|　　　　 _／ ￣＼ヽ
　 　 　 　　 　　 　　 人､ 　　'､／ ￣ ヽ　'､　　　　　　　　　　　　　　そう、昔の物語に
　 　 　　 　 　　 _,／(:::::ヽ､　 __'-r´￣ヽ　 v
　　　_, ､ -― ''"::::::::::＼　:::::::::::::::j_√　　　 |　　　　　　　　　　　　　 今の感性に照らし合わせてしまうと
　　/.:::::::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ　　　 r、
　丿::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゞニﾆ彡〉,　　　　　　　　　　　　伝承の本質を見失いかねないってことだな
. i ::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::( :::::::::::::::::∧^
/.::::::::::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ :::::::::::::::::∧i
::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::∧ ::::::::::::::::∧|
:::::::::::::::::::::::丿::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ :::::::::::::::::::v


　　　　　　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　　⌒ ´ ⌒
.　　　　　　　　　｜　 　　( ●) (●）
　　　　　　　　　 ｜ 　　　 （___人__）
　　　　　　　　　　.|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　 j　　　　　 　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　これは、次回のヤマトタケルに関しても
　　　　　　　　　..ノヽ、　　　　, ノ　　　　　　　_
　 ,.　ｰ、一一´:::::::::::::≧ーｰ"7　　　 　 　 　 i' Y　　　　　　　　　　　　　 重要な観点だと思うから
. / .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.｀-、　　　　 　 i　l　_
/ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ＞-､　　　|　lﾌ　ト､　　　　　　　　　　 頭の隅に留めておいてくれよ
.::::::::::::::::: !::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ　　i／ ,.ｲ 丿
:::::::::::::::::: l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. v:: l　/　　i'r ´,.ｨ
:::::::::::::::::: l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::: l　j　 丿r´,.ｨ
:::::)::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::: 八　　　｀ﾁ

　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　／　　 　 　＼
　　　 ／　　─　 　 ─＼
　　／ 　　 （●） 　（●） ＼
　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |
　　＼　　 ⊂ ヽ∩　　　　 <
　　　 |　 |　 '､＿ ＼　／　 )　　　　　　　　　　　　　　　　おうお
　　　 |　 |＿＿＼　 “　 ／
　　　　＼ ＿＿＿＼_／


　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ●) (●）
　　　　　　　　　　｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 .|　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　 　 　　.|､ 　　　　　　|
　　　　 　　 　　 　 [::.ヽ､　 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　よし、オホモノヌシに関しては
　　　　　_, ､-一 :::"＼　::::::::::::::::7、___
　　　／ .:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ヽ__　　　　　　　　　　　　　　 また今度、別の側面からアプローチしようと思う
　　/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::..＼ __
　 .i :::::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::.. ＼_
　 i ::::::::::::::::::: i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ｀::...､
　 l ::::::::::::j:::::: i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::/::／::::::::::::::::::::::.. ｀ヽ
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【第十回、番外編】　おしまい

乙

蛇の話は母親に養う能力がなかったのは悪かったとしても
それで伯父を恨みに思って害をなそうとするのはどうなんだろう。
本当は子供がいたならとにかく、いない子供を連れて行くことは出来ないだろうに。

人が悪いというより蛇の自業自得で天に登れず
クレフシ山にはそういう蛇がいるから子供は行っちゃいけないよってオチかなと思った。
まぁ現代風の視点になるんだろうけど。

>>968
　おっと、原文では「童子」と表記されているので「子供」と訳すのは不味かったですね
それに、クレフシ山に留まった蛇神に対しては子孫が神として祭った訳ですから
ある意味では、あの時の蛇の言葉は「子孫たちに社を立ててもらい自分を祀って欲しい」という
啓示だったのかもしれませんね。

　そもそも、どうして蛇が童子を従者に求めたのかと考えると
以前にお話しした日本霊異記にあった『道場法師の説話』においても
道場法師が生まれたときには頭に蛇が巻かれた状態で生まれていたり
金時童子は山から下って来た雷神の子という説も聞きますし
雷神と童子とにはなんらかの関係があると示唆されていまして
この伝承にあるそれも雷神への信仰の名残かもしれません。

神の常識で子供をねだる蛇と
それを否定する人間とで
神代ではなく人代だと言ってるように見える

個人的に、大物主神が持つ役割が気になるなあ
大国主や神武との関わりを見ると、国土の支配権を授与ないしは
保証する神格なのかとも思うわけですが
「日本書紀」だと大国主の別神格扱いみたいになっているのは、
編纂者が意図的に挿入したんでしょうか？
ただ、三輪氏という一氏族の奉齋神に、なんでそこまでの権威付けが
なされたのかという疑問も湧くのですけどね…

>>971
　どうして三輪氏の奉斎神にそこまでの権威付けがなされたのか
一カ月半、調べてみましたがどうにもよくわからんです。

　山の神を奉る氏族としては葛城山のヒトコトヌシを奉る葛城氏や
伊吹山の伊吹大神を奉る息長氏なども有力な古代豪族もいます。
それらの神々も『記紀』の中には登場しますが、オホモノヌシ程は文中に登場しません。
ヤマト政権を樹立する際に在地勢力を従えていく過程で神話的表現が多彩になった可能性などは
指摘されていますが、どうなんでしょうね
謎の多い神様ですよ。


　あと、ヤマトタケル編の進捗状況に関しては1か月はかかりそうな勢いです。
難しいです。はい。

ちょっとぐぐったのですが、おそらく金属が絡んでいるんじゃないかと。
三輪山・葛城山の辺りは辰砂（水銀）が採取できますからね。

不老不死の仙薬として珍重され、その部分が不死の象徴でもある蛇と
リンクしたってことはないでしょうか？
現代でも、この辺製薬会社が多いとの話。

あと、蘇我氏の経済基盤でもあったみたいで。って、蘇我氏は葛城氏と
同根でしたね。

気になってもう少しぐぐったけど、仏教を持ち込んだ蘇我氏が絡むと、
日本神話の混乱度がいきなり跳ね上がるような…。

>>973
　ふむ、水銀関係ですか…
神社の鳥居の赤は水銀の赤（丹）なんですよね
日本の宗教においても水銀というものは特別な価値があったと言えるでしょうね
　奈良、和歌山、三重、兵庫、滋賀では丹生神社ってのがあって
水銀を信仰している社もあるんですよ
特に丹生神社は奈良県に多くあるんで、そっちとの関係もあるかもしれませんね


　しかし、日本で不老不死って人魚の肉とかの伝承はありますけど
仏教の影響であんまし流行らないですよね、平安期の権力者とかは
辛い現世より西方浄土でニューゲームって感じですし
　現世利益を説く修験道の影響でもう一つ訳が分からなくなりましたが
昔の日本人の生死観って他国とは違うような気がしたりします。
　まぁ、それでも不老不死の伝説が残ってますし
実際に死にたくないのは世界共通の認識なんでしょうねぇ

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