投下します

～ある日の放課後～　私立VIP高等学校にて…

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　 　　 ／￣￣＼
　 　／　　 _ノ　　＼
　 　|　　　 （ ー）（ー）
.　 　|　　　　 （__人__）
　 　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　 　.ｌ^l^lｎ　　　 　　}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　うーん…
.　　 ヽ 　 L　　　 　}
　 　　ゝ 　ﾉ　　　ノ
　 　／ 　/　　　 ＼
　 ／　 /　　 　 　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ


　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　 　　　／⌒　　⌒＼
　　　 (ヽ　／（ ●） 　（●）＼ 　 /)
　　　(((i ):::::: ⌒（__人__）⌒::::＼ ( i)))
　　／∠ |　　　 　|r┬-|　　　　|＿ゝ＼　　　　　　　　　　　　　　 おおう？
　 (＿＿＿ 　　　 `ー'´ 　 ＿＿＿＿　）
　　　　　　　|　　　　　　　 /
　　　　　　　|　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　今日も何考えてんだお？
　 　 　 　 　|　　　ｒ　　/
　　　　　　　ヽ　　ヽ／
　　　　　　　　>__ノ;:::......

　　 ／￣￣＼
　／　ノ　　＼ ＼
　|　 （●）（●）　|
.　|　　（__人__）　 |
　 |　　 ｀ ⌒´　　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ん…
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 おう、やる夫か
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼
　　　/　　　 く　　＼　　　　　　　 ＼
　　　|　　　　 ＼ 　 ＼ 　 　　　　　　＼
　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　 　 　　　　　 ＼



　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／/　∩ノ ⊃
(　 ＼　／ ＿ノ　 　 ＼／ ＿ノ　　　　　　　　　　　　 やらない夫
.＼　“　　／　　.　＼　“　　／
　　＼ ／　　　　　　/＼／　　　　　　　　　　　　　　　ここ二か月、ずっとそんな調子で何考えてんだお？
　　　 ＼　　　　　　　＼
　　　　　＼　　　　＼　　＼

　　　　　　　　　　　＼ヽ-ｌヽ―- ､
　　　　　　　　　,..-‐￣: :. :|: :. :. :. :∧
　 　 　 　 　 ／:. :. :/: :i :∧:ﾄ: :. :. 廴）ﾍ
　　　 　 　 /／7: :/:,.._|/　|:|>-‐|: : :|ヽ.ヽ
　　　　　 　 　 |: :,ｲ ∠L　 ヽL--ｧ: |: :|　＼
　　 　 　 　 　 | / |:ｲセｆ 　　 !='ﾊ: :ｊ､ |イ／
　　　　　 　 　 VﾍV:|　　＿＿　　〉/ﾉ | :|
　　　　　　　　　　∨ゝ､ !‐ ‐┘／ｿ: : ｊ: :|
　　　　　　　　　　　|: : ／｀7 　 } /: : /:. :|
　　　　　　　　　　　|: :/　　|ﾐ-彳/: :./ヽ :|　　　　　　　　　　　　　　 二か月前から気にかけてんなら
　　　　　　　　　　　| :ｊ ＼. |丶イ: : :/　　ｌ|
　　 　 　 　 　 　 　 ﾚ'　ｌ　 L＿/:. :/...　　||　　　　　　　　　　　　　　ほったらかしってのはどうなのよ…
　　　　　 　 　 　 　 |ヽ__|　|-/,|: : /┬‐〒|
　　 　 　 　 　 　 　 |: |　|　| ゝｲ :/　|　 :| |
　　　　　 　 　 　 　 |:.|　ｊ　| | | |:/　 |　 :| |
　　 　 　 　 　 　 　 |:.|　「 .Lﾊﾊ|'　　ｌ　 :ｌ |


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ:7
　　　　　　　　　　　　　　 _,.-‐─-ｨ'ﾄ-‐─-‐':.:＜´
　　　　　　　　　　　　 ,ｨ'´: : : : : : : : |: : : : :: : : : : ｀￣:`‐-､
　　　　　　　　　　　 / : /: : : : : :ｊ:: : |ﾄ､: : :ｉ: . . . . . . . .ﾍ￣`
　　　 　 　 　 /:ヽ､r',: :/: :/: : : /|:: : | |　}: :|: : : : : : :: : : ﾊ
　　　　　　　/::ｒｰ-|: :/: : :|::;-‐'´|:: .:ｊ |　 |: :|`‐-: : : ｉ:: : : :ﾊ
　　　　　　 /:::ｊ:::::∧/::|: : |::/　　|: :/ | 　 |::ｊ　∨: : : |:: : : |::|
　 　 　 　 /::::|::::/::/::/|: ::ｊ/　_＿ｊ:/　| 　 |/___ ∨: : :|:: : : |:ｊ
　 　 　 　 ＼:|::〈::::|:/::|: :/ﾔ〒行`　　 　 ｵﾃヤﾊ:: ;小､:: :ｊ/
　　　　 　 　 |::::::＼_（|;/　`､ﾋｨzｊ　　　 　 {んｿ,λ/::ｉ::| ∨
　 　 　 　 　 |:::: ::|:: :| `ｰﾍ　 ￣ 　 　 　 ､ ￣　ｊ::::::::ｉ::|
　　　　　　　|:: : : |: ::|　 　 ヽ、　　　 ､‐-,　　 ,ｲ:ｉ::::::|::|
　　　　　　　|:: : : |: ::| 　 　 　 ｀ ｰ-_ｧ｀ﾆ-‐"´ |::|:::: |::|
　　　　　　　|: : : :|: ::|　　 　 　 ,r'~ ,ｨｊ　 {､｀ヽ､|:::|: : |::|　　　　　　　　　　　　　　　　　で、次はヤマトタケルについて話すとかって
　　　　　　　|: : : :|: : |　　　r'￣　　｀ヽ、　}　　|: :|: : |::|
　　　　　　　|: : : :!: : | 　 ｊ´｀ヽ､. ＼＼|ｰ‐ｊ 　 ,|: :|: ::}::|　　　　　　　　　　　　　　　　　言ってたけど、まだ言いたいことが纏まんない訳？
　　　　　　　|: : : : : : |　ノ　 　 {｀ヽ､＼|　/　 /|: :|: :|:λ　 ,ノ＾ｧ‐､__ノ´)
　　⊂ﾆ´￣ Y＾ヽ: : : |/"　　　 ヽ、. ＼|./ ／,/|: :|: |｀ヽr'" 　 { {{´　＜_
　　　ノ　γノ 丿 ｀ヽy　　　　　　 ｀ｰ-,"､ｰ'´ :|: ::|::j　 〈　 　 ゝｙ､~゛ ､､｀>
　　<ノノﾉｱｰ<　　　　｀゛　　 ,／　 　 /　ｉ ｀ヽ､|: :ｊ:/:､　　　　／　 ￣`‐'´
　 　 ｀~｀´ 　 |｀ｰ-､　 　 　 /〉、　　/　 ｊ ＼　|;ノ: : :| ＼_,／

　 　　 ／￣￣＼
　 　／　　 _ノ　　＼
　 　|　　　 （ ー）（ー）
.　 　|　　　　 （__人__）
　 　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　 　.ｌ^l^lｎ　　　 　　}　　　　　　　　　　　　　　　　　…そうだな
.　　 ヽ 　 L　　　 　}
　 　　ゝ 　ﾉ　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＶＴＲ作成が全然進んでない
　 　／ 　/　　　 ＼
　 ／　 /　　 　 　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ


　　　　　　　 ,. .-'_",...,．‐: : : : : : .::|: : : : :､、: :｀:丶､
　 　 　 　 ／-''".　'"　　　　　: : :::;.!: : : : : ::ヽ: : : : : ヽ
　　　　／'´,,,,／　　..... . . , : : ::/::/ i: : ､: : : :::ﾍ: : : :.ヽ:｀､_
　　　　 ／;;; ′. :.:::::/: :./: : :::/!::;'　 !: ::|i､: : : ::ﾍ.: : : :.ﾍ;ﾎ;;;＼
　　　 ヾ;;;;/: ::/:/::::/: : :i,:-‐:7-:::!　　V: l.i.>‐:-:､;i: : : : : :V!;ヾ;;;＼
　　　　 У:,;ｲ:/::::/: : .::j: :.::/　|::!　 　 Ｖ:l i. ＼: :.:j:. : : : : '{!;;;;ﾍ;;/
　　 　 ,/:./;;i:j:::::::i: : .::::!: :/ 　 l:!.　　　 Vj ﾞ:、 ＼::}:. : : :j:. {;;;;;;;;;;,
　　 　 〉/;;;;;!i:::::::j: : ::::;l:,;/二__|!　　　　 ヾ __ｚ‐ﾆゝｨ: : :.|';, !;;;;;;;;;〉
　　 　 !' ヾ;;!!:::::::}: : :::{.丁勹ホト　　　　　/'"｣不｢ﾊ:. : :.!';;;,j;;;／
　　 　 　 　 i!:::::ﾊ: : :∧　｢::し'::|　　　　　　｢::し'::|　,!: :./:!;;:ｲ
　　　　　 　 ,!:::j: :i; :::!ハ ヾ:,,,,:ｼ　 　 　 　 ヾ:,,,:ｼ　/ｌ :/: : : :!
　　　　　 　 l:i::|: :::l､:ト-:i 　 　 　 　 '　　 　 　 　 厶|/: : :.|:.|
　　 　 　_　 |:Ｎ: :.::!ヾ:::::iﾄ､　　　　　ｏ　　 　 　 ノ:::::}!:: : : l:.|
　 　 　 l　l　||: : : :::!: :::::::il　｀丶 ､　　　,.,. -: '"|i::::::::,!::: : : ｌ:l　　　　　　　　　　なんでよ？
　　　　 ｌ　l　!!: : : ::|i: : ::::::!　_,r'"´l ﾞ¨ﾞ　!｀ヽ、.j!::::: :j!::: : : :l:!
　　　 ,-:、 !、!: : :.:::!:i: : : ::f'´　 |'" 　 　 ｀|　 ﾞ/:: : :,'|::::: : : jl　　　　　　　　　　あんな有名なお話なら、あっさり作れるほうじゃないの？
　　／i. ,ゝ-ヽ!: : .:::|:::j: : : :.!　　 l''"￣｀` l　 /: : : :,､|::::: : :!:|
　 ｛ 、ﾞ､>ｧ　 !: : .:::l, '`i: : : :i､　　l.　　　 j　./: : : :/:久::: : :!:l
　　ﾞ:r`‐'　　 ,! : ;ノ　　 '; : : l､＼　!　　 j　,ｲ: : : :/'゛　ﾞ､: : l:.!
　　　ﾞ':,　　　{'"　　　　:..',: : :l､＼`:i 　 i／,ｨ: : :./i:/　　ヽ: |:|

　　 　　 ＿_＿__　　　　　━┓
　　　 ／　―　　 ＼ 　　 ┏┛
　　／ノ　　( ●)　　 ＼　 ・
.　｜ ( ●) 　 ⌒）　　　|
.　｜　　 （__ノ￣　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　有名なのかお？
.　｜ 　 　 　 　 　 　 /
　　＼＿　　　 ⊂ヽ∩＼　　　　　　　　　　　　　　　　名前ぐらいしか聞いたこと…
　　　　/´　　 　 (,＿ ＼.＼
.　　 　|　　/　　　　　＼＿ﾉ


　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／　　 ヽ､_ ＼
　　　 ／（● ） （● ）　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　 あ、そういえば…
　　／:::⌒（__人__）⌒:::::　＼
　　| 　ｌ^l^lｎー'´　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　アニメ化とかしてなかったかお？
　　＼ヽ 　 L　　　　　　　 ／
　　　　 ゝ 　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＣＳの再放送とかで見たことあるお
　　　／ 　 /

　　　　　 ／￣￣＼
　　　　／ ._ノ　　ヽ､＼
　　　　|　 （●）（●）　|
　　　　|　　（__人__）　 |
　　　　|　./´ニﾄ-'　　 ｌ
　　　　| .l　_ニｿ　　　 }
　　　　 /ヽ､_ノ　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ああ、あれな
　 　 __/　　/　　　 ノ__
　　/ /　　/　　　　　　 ｀ヽ.　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＴＢＳ系列でロボットアニメになってたヤツね
　 /´　　./　　　　　　　,.　 ヽ.
　 ﾄ､＿,/.　　　　　　　｜､　 ヽ
　　 ｜　　　　　 　　　｜/　 /


　　　　　　　　　＿＿＿
　　 　　　／）／ノ '　ヽ､＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　じゃあ…
　　 　 ／ .ｲ '（●） 　.（●）＼
　 . 　/,'才.ﾐ).　 （__人__）　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そのヤマトタケルの伝説って
　 . 　|　≧ｼ'　　 ´ ⌒｀　　　　　|
　　.　＼　ヽ 　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ガチで巨大ロボが…

　　　　　　 （⊃￣￣＼
　　　　　（⊃　　 _ノ　　＼
　　　　（⊃　　 （ ●）（●）
　　　　　|　　　　 （__人__）
　　　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　 　 　 |　　　　　　 　 } ＼
　　　　 ／ヽ　　　　　　 }　　＼
　　　／ 　　ヽ､＿＿__ノ　　 　 ）　　　　　　　　　　　出る訳ねぇだろ、常考
　 ／　　　　　　　　.　 　|　＿／
　|　 　　　　　　　／￣￣（＿)
　 ＼　　　＼　／|　ＪＪＪ　（
　　　＼　　／　　 ／⊂＿）


　　　　　　　,.ｨ , - ､.＿　　 　 、
.　　　 　 ,ｲ/ l/　　　 　 ￣￣｀ヽ!__
　　 　 ﾄ/ |'　{　　　　　　　 　 　 　 ｀ヽ.
　 　 Ｎ│ ヽ. `　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ
　　 N.ヽ.ヽ、　 　 　 　 　 　 ,　　　 　 　 }
.　　ヽヽ.＼　　　　 　 　 ,.ｨｲﾊ　　　　 　 |　　　　　　　　　　　, -―- ､
　　 ヾニｰ　__　_　-=_彡ｿﾉ　_＼ヽ、 　 |　　　　　 　　　　／ 　 　 　 ＼
.　　 　 ￣ﾞr=<‐ﾓﾐ､ﾆr;＝=ｪ;ｭ＜_ゞ-=7´ヽ　　　　　 　　/　 　 　 　 　 /
.　　　　 　 l 　　　ﾘーh　　　　　l‐''´冫)'./　　　　　　 ／　　　　　　　 /|
　　　　　　 ﾞiｰ- ｲ'__　ヽ､..＿__ノ　　 ﾄr‐'　　　　　　　/　　　　　　　　 /
　　　　　　　l　　 `＿__,.、 　 　　　./│　　　　　　　|i　　　　　　　　/
.　　　　　 　 ヽ.　 }z‐r--|　　 　 ／　 ﾄ,　　　 　 　 /|ｌ:､　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　そんなはずはないぞ！
　　　　 　 　 　 >､`ｰ-- '　　.／　 ／　|ヽ　　　　　|　　　　　　　　/
　　　　　　_,.／| ヽ`ｰ--‐ _´.. ‐''´ 　 ./　 ＼､　　　|　　　　　　 ／/　　　　　　　　　　　　　 やらない夫！！
-‐ '''" ￣ /　 :| 　 ,ゝ=＜　　　　　　/　　　 |　`'''‐j　　　　 　 / ￣￣｀ヽ
　　　　　/　　 !.／l;';';';';';';＼　　　 ./　　　　│ 　广}　　　　 , //　　　 　 |
　 　 　 _,＞ '´|l. ﾐ:ゝ､;';';_/,´＼　 ./|.　　　　　　/　＼＿　　l/′　　　　　＼
.　　 　 | 　 　 |:.l.　/';';';';';|=　　ヽ/:.|　　　　　／_　　 ＿　／　　　　　/／ 　 ヽ
　 　 　 l.　 　 |:.:.l./';';';';';';'!　 　 /:.:.| 　___／　　 l＼. 　 /　　　　　　/´　　　　|
.　　　　 l.　　 |:.:.:.!';';';';';';';'|　　/:.:.:.:!.|/　　　＼　l　 _　/　　　　 　 /　 　 　 / l

　　 ／￣￣＼
　／　ノ　　＼ ＼
　|　 （●）（●）　|
.　|　　（__人__）　 |
　 |　　 ｀ ⌒´　　ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ん…なんだ
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　キバヤシか
　　　/　　　 く　　＼　　　　　　　 ＼
　　　|　　　　 ＼ 　 ＼ 　 　　　　　　＼
　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　 　 　　　　　 ＼


　 　　 ／￣￣＼
　 　／　　 _ノ　　＼
　 　|　　　 （ ー）（ー）
.　 　|　　　　 （__人__）
　 　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　 　.ｌ^l^lｎ　　　 　　}
.　　 ヽ 　 L　　　 　}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　何の用だ？
　 　　ゝ 　ﾉ　　　ノ
　 　／ 　/　　　 ＼
　 ／　 /　　 　 　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､

　　　　　　 ,. ─- ､,,.＿__
　 　 　 ,ｲ〃　 　 　 　 　 ｀ヽ,__
.　　　N. {'　　　　　　　　　　 　 ＼
.　　N. {　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.　 N.ヽ｀　　　　　　　　　　　　　　　〉
　 N.ヽ｀　 　 　 　 ,.ｨｲ从　　 　 　 /
.　 ヾミ.＿__-‐=彡'ノﾉﾉ__,ゞミ=-_rく
　　　　lrf´ゞ“ﾓ=ヾｰf =ﾓﾁ＜}rv^i !
　　　　ヾﾄ、｀￣,り「弋! ￣´ノ　ソ
　　 　 　 !　￣　 ii{_,.　 ￣　　/r'´　　　　　　　　　　　　いや、俺もあの後
　　 　 　 ,ゝ、　 ｉｰ-ー､　　, '　|＼
　　-‐''7´　ドヽ. ｀ニﾆ´ .／;;　 |　 ヾ''ｰ-　　　　　　　　 個人的にヤマトタケルについて調べていたんだ
　　　 /　　 ﾄ､　` ｰ-- ´　,;'　,ｲ　　:|
.　　 /　　　:ト､` ｰ-､ r--‐_'´/　　　|
　　/　_,..､-‐＼ ￣! ﾚ' 厂　/へ、　 :|
　　T´　ヽ＼l.0| 　 V / 　 / /　 ＼　|


　　　　　 ／￣￣＼
　　　　／ ._ノ　　ヽ､＼
　　　　|　 （●）（●）　|
　　　　|　　（__人__）　 |
　　　　|　./´ニﾄ-'　　 ｌ
　　　　| .l　_ニｿ　　　 }
　　　　 /ヽ､_ノ　　　 /
　 　 __/　　/　　　 ノ__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ほう
　　/ /　　/　　　　　　 ｀ヽ.
　 /´　　./　　　　　　　,.　 ヽ.
　 ﾄ､＿,/.　　　　　　　｜､　 ヽ
　　 ｜　　　　　 　　　｜/　 /

　　　　　　　　　 　 　 　 　 /′　⌒¨¨´　-=ﾆﾆﾆﾆ=-　 ｀　 ､
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾄ　｛〔/　-=ﾆﾆ=-　　 　 　 　 　 -=-　＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 }∧{=-　　-=ﾆ=- 　 -=ﾆﾆﾆ=- 　 　 　 ∧
　　　 　 　 　 　 　 　 L乂=-　 -=-　　-=ﾆニ/ﾘLﾆﾆﾆﾆ=-　　　∧
　　　　　　 　 　 　 　 }乂=-　 -=-　　-=ニ／/彡 7==ミﾆﾆﾆ=-　」_
　　　　　　 　 　 　 　 Ｖﾆ=-　　　-=ﾆニ／／斗fヾ.r==‐‐-　　 //^Y
　　　　　　　　　　　 　 ＼ﾆﾆﾆﾆﾆニ彡 _」「彡 ﾐ　 }｝　 ,　　　Ｙ ∧　}
　　　　　　　　　　　　　 ﾐミﾆﾆﾆ斗f七二」{　｀¨”´ }｝　'′　　　 〉 ） }
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀¨¨^V/〔 （ﾘ:　乂_＿__ノ′　　し 　 /_/_ノ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 乂___〈　 ､. .　 __　　　　　　 　 「　 ∧　　　　　　　　　　　　　　 ヤマトタケルは伝説によると
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀V/, //^_ ノ_ 二ヽ　　　　　　 |.　 /∧__
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 Vu//　V　 　 　 〉　　　　　/　 　 　 >＼　　　　　　　　　　　自分の危機が迫ると目から赤い光線を発射し敵を…
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼′　　ｰ　__　　　　 　 //,　 　／　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　 　 }//　 　 　 ／/ ′／　　　　　 }^ ､_
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　'′ _　 .彡//　／　　　　　　　｝　　　　　 =‐-　　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀ヾ¨´////// ／　　　　　　 　 /｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　_V/////／　 　 　 　 　 　 / .｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　}///// ^＼　　　　　　　/　/
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　〕V// 　 　 ＼.　　　　 /　'′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／/ ／⌒ } o__ノ　／　＼　　 /
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／　/ '　＼（/　 　 ／　　　　ヽ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　 ′　　　′　／ 　 　 　 　 ^′



　　　　　　　　,, -: '':":´:￣: :`:丶.､,,_ ,. -.┐
　　　　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : :,.: : : : : : :|｀`丶､
　　　　,.ｲ : ,,.-へ⌒;;;,,、: : : : ／　 : : : | : l　ヾ'''‐-ヽ
　　　./　／;;;;;;;;!j;;;;;;;;;;;;;＼ :/　　 　 　 |　:i.　　ヽ
　　 / ,/;;;;;;;;;;;;;l:.|;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　 　 . : :/|　{: :.ﾞ:.､ ﾊ
　 ,ｲ /;;;;;;;;;;;;;;;;l: l;;;;;;;;;;;;;;/ ,i　 `.ｰ-: /-| ,'|: : :.i ヽﾊ
. /;;! '-､;;;;;;;;;;;;;!: :l;;;;;;;;:ィ /:!　 . : :-/―l/ l: : : :i　 ﾞ:}
〈;;;;j　　 `７r-': : :ﾞ!´: //: :!　: : : ﾔT寸′l: : : :|
　｀ﾞ:、　 /:'!: : !: : :l.;ィ＜::j : : : /　！::|　 l: i: : :|
　　 .i､,//::!: : :i: : /⌒ヽ .l: : :/　　　ニ　 !: ﾄ､: |
　　 j::iﾞ:､: l: : : :!: :＼　　 !: /　　　　　 　 ∨ ∨
　　 ｌ:j: : `!: : : ﾊ : : :`:T''ﾚ′　　　　＿_／
　　.l:j: : :.l: : : : :iﾞ:、: : : ﾍ;l　 　 ⊂´-‐ァ
　　j:i: : :.l: : : : :i: :ﾍ　: : :.ヾー―‐ '''"
　　l:l: : :j : : : :.i: :/ ﾞ:､　 : : ﾞ:、 ,、　　　　　　　　　　　　　　　　　 ちょっと、ちょっと待ちなさいよ
　　!i : :.i : : : :.i: /　　_ヽ.　　 ﾞ:、`､
　 .j:! : :i　: : : i ,'　,,-'' .ﾆ＼　　ﾞ:、ﾞ:、
　 .lj:　:i　 : : :i:,',-'' ／　　　｀、､ `:､ﾞ:,
　 j|　 i　　: :.ij',,' /　　　　　　＼＼ﾞ:;.',
　 i|　 i　　 : j!,' /　　　　　　　　＼ヽ}.',

　　　　　　　　　 　 　 　 　 /′　⌒¨¨´　-=ﾆﾆﾆﾆ=-　 ｀　 ､
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　　　　　　 　 　 　 　 Ｖﾆ=-　　　-=ﾆニ／／斗fヾ.r==‐‐-　　 //^Y
　　　　　　　　　　　 　 ＼ﾆﾆﾆﾆﾆニ彡 _」「彡 ﾐ　 }｝　 ,　　　Ｙ ∧　}
　　　　　　　　　　　　　 ﾐミﾆﾆﾆ斗f七二」{　｀¨”´ }｝　'′　　　 〉 ） }
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀¨¨^V/〔 （ﾘ:　乂_＿__ノ′　　し 　 /_/_ノ
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　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀V/, //^_ ノ_ 二ヽ　　　　　　 |.　 /∧__
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 Vu//　V　 　 　 〉　　　　　/　 　 　 >＼　　　　　　　　　　　　　　　　 なんだ？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼′　　ｰ　__　　　　 　 //,　 　／　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　 　 }//　 　 　 ／/ ′／　　　　　 }^ ､_
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　'′ _　 .彡//　／　　　　　　　｝　　　　　 =‐-　　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀ヾ¨´////// ／　　　　　　 　 /｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　_V/////／　 　 　 　 　 　 / .｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　}///// ^＼　　　　　　　/　/
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／/ ／⌒ } o__ノ　／　＼　　 /
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／　/ '　＼（/　 　 ／　　　　ヽ /


　　　　　　　　　　　　　＼､__　　　 ,.､
　　　　　　　　　　　　　　_｀ヽ:`ｰ､ﾉ: ::`ｰ::-─-.､__
　　　　　　　 　 　 _,.-‐'´ : : : : : :{: : : : : : : : : : : : : :｀ヽ、
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　　　　 　 /'´ ／:.:/ : :/: : ::/: :/　|∨:: :|: : : : :ﾍ: ::: : : :ﾍ::ｊ:::::｀r-､::::::〉
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　　　　　　 /: ::ｊ: ::|: : :| : ::,ｨ:.:{　　 |　V: :|ヽ､:.;／::ﾊ: ::: : ｉ:.|:::::::::|:.:|/
　　　　　　 |:.:/'|::ｊ|: : :| : ::ｊ | :|＼_, |　∨::|_,ノV: : : :ｊ:: :::: |: |::::::::|:.:|
　　　　　　 ｊ/　|:;||: :.:|: ::/　|.:|　 　 |　 V::|　　 ∨::;ﾊ: :::: |:.:|;_;;;;ｊ: :|
　　　　　　　　 |'´|,ｨ/＾/｀) ヽ{. __,　｀　 ヽ{　_＿_∨　|: :: ﾄｉ:|:/::ｉ:: :|
　　　　　　 　 　 /./ / ,/ /) ｱZ彡"　 　 　 戎Ｚ弐、|:.:λ:ﾘ::: :|:: :|
　　　　　　　 　 ｊ　　 　 V ,ﾊ　　　　　　　 　 　 　 　 |;/ ,）:::: : |: : |
　　　　 　 　 　 |　　　　　 {::}　　　　　'　　　　 　 　 ,-r'´::::: : :j: : :|
　 　 　 　 　 　 |　　　　　 ｊ:::ヽ、　　,-─-､　　 　 ノ　ﾘ::::: : : /: : :|　　　　　　　　　　その赤い光線って何？
　　　　 　 　 　 ｊ　　　　,,ノ::::::ｉ:::｀＞｀ﾆﾆ=´-‐τ´｀ヽ/:::: : : /: : : :|
　　　　　　　　ｉ"￣￣￣｀ヽ: ::|"|　　 | ` 　 　,/　　 /:: : : : /: : : : :|　　　　　　　　　　　一体どこからそんなトンデモ設定を…
　　　 　 　 　 ｊ　 　 　 　 　 〉::| |　　 |-─--/　　 /: : : :／ﾊ: : : : |
　　　　　　　〈"~￣￣ ゛ｰ-/: ::|.|　　 |　 　 /　　 /: : :／ ./　}: : : :|

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　　　　　　　　　　 ／ ⌒　　　　　 ｀ヽ
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　　　　　　　　|::⌒（__　　 （● ）　　　　　|
　　　　　　　　ヽ 　 人__） ⌒::::　　　　　 |
　　　　 　　　　 ヽ（__ン　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　それで敵を倒したのかお？
　　　　　　　　　人　　　　　　　　　　　/　　| |
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　＿ノ　　ノﾉ
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.　　N. {　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.　 N.ヽ｀　　　　　　　　　　　　　　　〉
　 N.ヽ｀　 　 　 　 ,.ｨｲ从　　 　 　 /
.　 ヾミ.＿__-‐=彡'ノﾉﾉ__,ゞミ=-_rく
　　　　lrf´ゞ“ﾓ=ヾｰf =ﾓﾁ＜}rv^i !
　　　　ヾﾄ、｀￣,り「弋! ￣´ノ　ソ
　　 　 　 !　￣　 ii{_,.　 ￣　　/r'´
　　 　 　 ,ゝ、　 ｉｰ-ー､　　, '　|＼
　　-‐''7´　ドヽ. ｀ニﾆ´ .／;;　 |　 ヾ''ｰ-
　　　 /　　 ﾄ､　` ｰ-- ´　,;'　,ｲ　　:|　　　　　　　　　　　　　　　　　そう聞いているが？
.　　 /　　　:ト､` ｰ-､ r--‐_'´/　　　|
　　/　_,..､-‐＼ ￣! ﾚ' 厂　/へ、　 :|
　　T´　ヽ＼l.0| 　 V / 　 / /　 ＼　|

　　　　　　　　　　　 __,〟-─ﾍ-ーノ＿
.　　　　　　　　, ‐'.゛　　　　　　i　　　　ｰご_''‐ ､_
.　　　　　 　／　　　　　　 　,.　|　､　　　　 　''-,, '' ‐
　　　 ,. .,‐./　,　　　　ﾊ　　/ルドｖ .l　　　l 　 ＼.ヘ､_
　,.-'゛::,'゛::〈 ./　　　　ﾊ　 / ｊ | .|　ｖ .l'.,.　　l　　ﾍ.　ﾍ:::〉
〈:::::::::,':::::::::,'　ﾊ　 ､,.ﾊ　/ ./　| l　　ｖ l' _.,､　l　　ﾊ 　ﾍ
　'.､::,':::::::::.j　ﾊ　　 /゛'ﾒ.､/,,　|.,'　,,､.l'.l゛.'.,　　l　　 l''-,.ﾍ
　　.〉:::::::::.l　l.　　 /l /　./　　.!'　　　.',|　 ',.　 |　　　l:::',.ﾍ
　　｀'.､.:::::|./i!　　j l/＿__　　　　　 　＿__ .',.　|　　　|／
　　　| |｀.'ﾒ::;|l.　 j.≠≡气.　　　　　气ミ≡.', j　i　　|
　　　| |. ',　 ,.l　.j.　　　　　　　　　　　　　　||/ .ハ　|
　　　| |　',.　'､l l.　 　　　　　　　　　　　　　ﾚ'|/ .| ',.ｊ
　　　| |　 ',　 ｀llｰ､. 　　　,　‐‐-　､　 　,,.イ|　　.|　ﾘ
　　　| |.　 ﾄ　　　ヽ.l.'': ､ .ｰ‐―_.- ' :イj　 i!.l　　,ﾚﾍ.,.－ 、
　 　 |.|　　||',.　　 ﾊ.l 　,ノ〕｀￣〔ヽ､. j/　.,'|j　 く　　　　　 ⌒',　　　　　　　　　　はぁ…？
.　　 |.| 　 .|| ',.　　 ﾊ／　 '.,, -‐-J　｀ヽ､' .ll　　.ｊ.>　　　　 __.ﾉ
.　　 l.l　　.||　',.　　 ﾊ.　　　',.　　 |　　././ﾒ.　　ハ.__,、 　　）　　　　　　　　　　　どんな与太話を吹きこまれたのやら…
　　 l.l.　　j!　,λ　.　ﾊ.､ 　　',　　|　 / // l　　j　　　 `ー ′
.　　|| 　　ｊ!.,.'　.',　　 ﾊ､＼ 　',　 | ./ //　l　　jヽ.
.　　ll　　.ﾚ'　　　',　　 ﾊ ＼＼',　ﾚ' // .} l　 ./　｀ヽ、


　　　　　 ／￣￣＼
　　　　／ ._ノ　　ヽ､＼
　　　　|　 （●）（●）　|
　　　　|　　（__人__）　 |
　　　　|　./´ニﾄ-'　　 ｌ
　　　　| .l　_ニｿ　　　 }
　　　　 /ヽ､_ノ　　　 /　　　　　　　　　　　　　　 ああ、そうだな
　 　 __/　　/　　　 ノ__
　　/ /　　/　　　　　　 ｀ヽ.　　　　　　　　　　　 目から赤い光線、出す出す
　 /´　　./　　　　　　　,.　 ヽ.
　 ﾄ､＿,/.　　　　　　　｜､　 ヽ
　　 ｜　　　　　 　　　｜/　 /

　　　　 　 　 　 　,.ィ´: : : ;ｧ. . . : : : : : : ::ヽ､: : : : : : : : : : :. . . . . .ヽ､: : : : :;ﾒ;;ﾌ;;;;;;｀ヽ
　　　　　 　 　 ／"´￣／. . . . . . . . :;|: : :/|ﾍ : : : : : . . . . . . . . . . ,..ヽ､:／;;;;;;;ﾍ::＼;;;;
　　 　 　 　 　 　 　 ／. .／. ::/: : : :;ｨ|: :;/ |　∨: : ; : : : : : : |:::: : :∧: ::ﾍ;;;;;;;;;;;;;;;;;＼: :
　 　 　 　 　 　 　 /. . .:/: :::::/: : : :/　|:.:|　|　　∨::|＼: : : : ::|:::::::（__;）:: :ﾊ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〉:
　　　　　　 　 　 /: : ::/: :::::/::ヽ､:/ 　 |::|　|　　 ∨:|　 ＼／::ﾄ､:::::::: : : : : :|;;;;;;;;;;;;;;／:: :
　 　 　 　 　 　 /: : :/: : :::/: : : :/＼　 |:|　|　　　∨　 ／ ＼:| ∨::::::: .: : : :|;;;;;;;／:: : : :
　　　　　 　 　 j: : :/: : :::::ｊ: : :.:/＿__＼|ｊ　 !　　 　 ／_＿＿__　∨::: : :;ﾍ::.|;／::: : : : : :
　　 　 　 　 　 |: :/|: : :::::::|: : ::ｧ=ｧ==ｫ､ヽ　ヽヽ,／ｬｧ==ｫ==ｧ 　 ∨::/､;;ﾚ'::::::: : : : : : :
　　　　　　　　 |/　|: ::::::/|: :;八弋ｚ;ｸ ,　　　　　　 弋:z;ｸ　ﾉ　　 ﾘV´｀}:::::::::: : : : : :/::
　　　　　　　　　 　 |: ::/{ |:::ﾊ　　ｰ‐ '　　　　 　 　 ｀ｰ-‐ ´　　 　 .ｲ ,ﾉ::::: : : : : : :/:::::
　　　　　　　　　　　|:.::{::ヽV_,}　　　　　　　　　　　　l | |l ｉ!　　 ,r-‐'´:::::: : : : : : :/::::::::　　　　　　　　　　　　はぁ！？
　　　　　　　　　　　ヽ:|: ::::::::::l､　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／ |::|:::::: : : : : : : :/:::::::::::
　　　　　　　　　　　　 |: : ::::::::::ヽ、　　ｒ-‐──‐-､　　　イ　　 |:ｊ::::: : : : : : : :/:::::::::::::　　　　　　　　　　　　アンタまで、どうしたのよ
　　　　　　　　　　　　 |: : :::::::::::::::::｀＞V_＿＿＿_,,}＜´ / 　 　 ﾘ::::: : : : : : :/::::::::::::::::
　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : :::::::::::／　　　|｀￣~´ ‐-─/　　　　j:::: : : : : : :/:::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　|: : : :::::::/　　　　 |　　　　　 ／　　　　,ﾉ:: : : : : : :/ヽ、::::::::::::::
　　　　　　　 　 　 　 　 |: : : :::/＼＼　　 |　　 　 ／　　　　／ﾉ: : : : : :.:/ィ´ハ:::::::::::::


　　 ／￣￣＼
　／　⌒　 ⌒ ＼
　|　 （ ●）（●）　|
.　|　　 （__人__）　 |
　 |　　　＼＿)　　|　　　　　　　　　　　　 確か…平成六年に東映が作った奴だろ？
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　　特撮映画のヤマトタケル
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、 　 　 メ、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、　　 ',
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼ 　┼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|　　　　　
　 ＼`.、_　　__ ,. _彡'ﾉﾘ _,.ゝ、　 |　　　
　　　｀ゝf‐　＿ヾ二r .＿__,, y=ﾚヽ.　 　　　　
.　　　 |fjl、´￣ .ﾘj＾ヾ´｀￣` ﾉ ﾚ ﾘ 　
　　　　ヾl.`ｰ- べ!ﾞ‐ ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　
　　　　　 l　 　 f,.ﾆﾆﾆヽ　 　/:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 っハハハ
　　　　 　 ﾄ､　 ヽ.＿_.丿　 ,ｲ　|　　
　　　　　_亅::ヽ、 ー 　 ／　i　:ﾄ､　　　　　　　　　　　　　　　　　 なんだ、知っていたのか
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l　　　　
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ　　　　　　　　　　　　　一昔前の映画だから知らないかと思ったが
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　 あの手のメディアミックスにも
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､　　　　　　　　　　　　　 目を通していたのか
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　 ／￣￣＼
　　　　／ ._ノ　　ヽ､＼
　　　　|　 （●）（●）　|
　　　　|　　（__人__）　 |
　　　　|　./´ニﾄ-'　　 ｌ
　　　　| .l　_ニｿ　　　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ああ、だから色々と時間が掛かったんだよ
　　　　 /ヽ､_ノ　　　 /
　 　 __/　　/　　　 ノ__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いや、懐かしかったなぁ
　　/ /　　/　　　　　　 ｀ヽ.
　 /´　　./　　　　　　　,.　 ヽ.
　 ﾄ､＿,/.　　　　　　　｜､　 ヽ
　　 ｜　　　　　 　　　｜/　 /


　　 ／￣￣＼
　／　⌒　 ⌒ ＼
　|　 （ ●）（●）　|
.　|　　 （__人__）　 |
　 |　　　＼＿)　　|
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　アレはガキの頃に見たっきりだったからなぁ…
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　/　　　 く

　　　　　　,,､-''"´￣￣｀｀`ヽ､
　　　　,／　　　　　　　　　　　`-､,,＿
　　　,/　　　　　　 i, ;　　　　　 ﾞミ三ｰ''"
　　 /　　　　　　　ﾊﾊ　　　　　　　　ヽ,
　　i"　,/　/　,〃i/　 い、　＼ 　　いN
　 /　,/　,/ノ /　,ノﾉﾊ　ﾄ,、　ミ`'ー Ｖﾘ
　 | ﾚ'　　　_,,､ｧﾁ-ーﾋヽ| ゞﾋs、ミヽ　i
　ﾊ　　rﾍ ｱ'　 <ﾓﾃ;;　　 ｉ' zｯ､｀i　　ｿ
　 ﾞYf iﾞ　|ﾄ　　　 　　　　:i　｀｀　ｲ, ノ
　　いヽ　ﾞ!,　　　　　　,_　;､　　 ,ﾀ"　　　　　　　　　　　　　　　　 十九年前…か
　　　`i, `r､　　　　.._＿｀＿　　,ﾘ
　　　 ｸ',ﾍ ﾞ:､　　　 `''ー‐'´　 /ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　確かに、もう一昔前と言った所か
　　　ｲ,ﾍ　ゝ＼.　　　 ￣　 ／
　 f￣`''ー─--ﾐ''-､,,＿,,イ!‐-､､,,_　　　　　　　　　　　　　　　　 感慨深いね
,／　　　　 　 　 ﾞi,⌒ヽz￢"ﾞヽ　　 i
　　 　 　 　 　 　 ﾄ　　ヾぃ　　）　　L,,＿


　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　.-´　　　｀｀ヽ
　　　　　　　　　　 ／ ⌒　　　　　 ｀ヽ
　　　　　　 　　／　　　　　 　　｀ヽ 　ヽ
　　　　（（　　 /　（●）　　 　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　|::⌒（__　　 （● ）　　　　　|
　　　　　　　　ヽ 　 人__） ⌒::::　　　　　 |
　　　　 　　　　 ヽ（__ン　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　 ヤン先生も見たことあるのかお？
　　　　　　　　　人　　　　　　　　　　　/　　| |
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　＿ノ　　ノﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |

　　　　　　　　　　　　 ,r ''.:.:　 ,ｨｲ彡'"´.:. ｀`ヽ .:.:.::::::::::::::.ヽ
　　　　　　　　　 　 /"´　. : : : : ´¨｀`: : : : :::.:.:.:.:::::::::::::::::::::::ﾞ､
　　　　　　　　 　 〃　 . : : : : : : : : : : :, : :, : : : :: :;;;;;;:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
　　　　　　　　　 〃　 . : : : : : jii l l ﾄ､ ', : '; .:.:.:.:.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:.:.:',
　　　　　　 　 　 l1　. : : : : : :jii l i ﾄﾄ､;;;;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;`､
　　 　 　 　 　 　l1: : : : : : ｨｲﾘ 川 ヽﾄ､;;;ヽヽ;;;＼｀ヾ;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ,
　　　　　　　 　 /ｲ: : : : ;.ｨｲｿ　　 '､ヽｰ＝＝==-､ミﾐヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i
　　　　　　　　〃,': :.j ｨｲ ￣二ﾆヽ 　 ';.:.:-ﾓﾃ=`ヽ )ﾊ;;;;;,r‐ ､;:;;;;;;;j!
　　　　　　　　lﾊ｛ i j j;;', 　ｨてﾃﾝ.;,　　　｀`ﾞﾞ ￣` 　　!;;;;ﾚｲ　!;:;;;;;;;!
　　　　　　　 　 `ヾ从;;;;;',　　"ﾞ ´ ,′:　　　　　　　　ﾉl/ﾘ )　,!;;;;;;;;!
　　　　　　　　 　 `ヾ从;;;',　　　　ﾉ　,::.　　　　　　　　′ﾉｿ/;;;;;;;;j!
　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ﾞﾞj!　　　(　 ｀::.:.　　　　　　　　､_ノ;;;;;;;;;;j!
　　　　 　 　 　 　 　 　　ﾉﾊ　　　 `ﾞﾞ"´　　　　　　　　/, j;;;;;;;;;;;j!
　　　　　　　　　　　　　　 jﾊ　　　 ｰ==＝…'　　　　/ ,ﾞ ｛;;;;;;;;;j!
　　　　　　　　　　　　　 　 　ﾞ､　　　､ ___ ,,　　　　 / .,′ ;,;,;ｯﾂ　　　　　　　　　　　　　いや、舞台劇で見たぐらいだよ
　　　　　　　　　　 　 　　 　 　ﾞ､　　　　　　　　__ /_ /＿ ヾﾂ-‐…┐
　　　　　　　　　/´￣ ｀¨` ー-｀ﾄ､　　 　 　　/ 　　　　　　 .:. :.:.:.:.:::::',　　　　　　　　　　そんな特撮までは手が出せないよ
　　　　　 　 　 //.::::',　　　,．‐くｿ　` ー＝ﾆ,'.::::::.!　.:r‐ '''"´rｶ!.:.:: ::::::',
　　　　　 　　,ﾉ/.::::::::i　／　,r ‐-｀y ´￣｀`y.:.::;:;;′.:l rｶ `¨　　.:.:.:.:.:.:::L．-‐
　　, 　 =‐-'´.:.:::::::::::::ﾚ′ / /.: : /　　　　l/.::;;;;;;′.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
''"´ ￣　　 /.:.:.:.:::::::/　　　　. : :/　　　　 /.:::;;;;;′.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　　 .: :
　　　　　 / .:.:.:::::::::｛　　　　　　　 　 　／.:;:;;;;;/　　. :. :. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 　　 .: .:.
　　 　 　,′. .: .: .:. :.`ｰ--------‐ '´　　　　　　　　　.: .: .:.:.:.:.:.:.:.　　. :.: .:.


　　　　　　　　 　　　　　　＿＿_　　 /ヽ、
　　　　　　　　─=＝フ¨´　 　　　￣|　　｀`'ー- ､
　　　　　　　　　　／,　 　 　 　 / ,ィ'|　 ヽ　　　　 ヽ、
　　　　　　　　 ／／ /　　/　 /〃 | | | 　 ヽ　　　　ヾYニヽ、
　　　 　 　 　 /,ｲ　 / 　 /　〃/, 　|│!、 　 ',.　 　ヽ　|:.:.:ﾍ:.:.＼
　　　　　　　/ /　 ,'　　/　孑|'" 　 l　!|　＼　}　　　 ∨:.:.:.:.:',:.:./
　　　　　　　 /　　i　　,'' /　 j　　　ｌ　||　 ヽ |`ｉ　　　 }:.:.:.:.:.:.∨
　　　　 　 　 | 　 /　　|/{!7メﾐ、　　　 | _　_土 l|　 |　|:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　 |　/ |　 ｌﾑ　{:::::::}　　　　 'fて::;;;}７}　 ﾄ､|:.:.:.:.:. 丿
　　　　　　　 |/　 |　│il　ﾋ辷　　　　　{::::::::ｿ　|　 |　|￣￣ |
　　　　　　　　　　|ヽ∧}　'　　　,　　　　` ｰ'′ |　/）　　,'　 |
　　　　　　　　　　|　| | `　､　　 r‐┐　　　''　　|/ノ　　/　　|
　　　　　　　　　　|　| l　 　 |＞.､`___ .. 　 -‐'ア 　 　 /l　　 |
　　　 　 r‐‐'"¨¨V　| |　 　 |　　|　 ／　＼／　　　 /　|　　 |　　　　　　　　　　　　 へぇ、先生が舞台劇ですか
　　　　　 ≧=　　 Ⅵ |　 　│　/-<　　 〃 　 　 ／ 　 |　　 |
　　　　と´r─'　 _,イヽ、　 ,レ'|::::::∧　/　　　 イ　　　 |　　 |　　　　　　　　　　　　 そんな趣味あったんですね
　　　　　 `ー┬´　　　|　 /　 厂::|　∨　 　 / │　　 │　　|
　　　　　　　　|　　 　丿 /　 /:::::::|　/　 　 / 　 |　　　 |　　│

　　 　 　 　 　 　 ／;:;::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.::ヽ
　　　　　　 　 　/;;;;;;;:;:;:;:;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::, .イ､
　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:::::::::::::::::,､-‐'''"´..: .:;.;:;ヽ,
　　　　　　 　 |;:;;;;;;;;;;〔カ;:;:;:;:;:;:::::,r'´　ヽ.:.:;;;:;;ヽﾐヽ;.:.:..ヽ
　　　　　　　　!;:;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;ｲ　 ;:ﾄ､ ;:;;､.:.:;:;:;:;;;;;`ヽ;:;:;!
　　　　　　　　`ﾄ､;:;;;;;;;;;;,､‐'ｨｲ ;:; :; ;;､ ;:;:;､`ミﾐﾐ､:;;;`ヾ;:;;|
　　　　　　　　,'.:;:　,:　,ｨｲﾉlﾉ;'ﾊﾄﾄ､ヾ;:;:ﾄﾄ､ヾﾐヾ;: ;;;;;;.:;;;ﾘ
　　　　　　　　V,:;`,;',;,'ﾙ'ﾞ-ｲ=≡'´　 ｀`''＝- ､`ﾉﾉ　.:.:/
　　　　　　　　 ﾙ,;:',ﾍ;;! 　ｰ＝'''´ヽ　　ｰ＝‐`　 ii! l;:;/
　　　　　　　　　ﾄﾄ;;ﾄ､j!　　　 "´　　　｀`　　 　 / //
　　　　　　　　　 '`ヾ>ﾄ､　　　　　　　; 　　 　 ,ﾍ;:;k
　　　　　　　　　　　 `1ik､　　　　`ー′　　 ,ﾍ;:;;ｲ　　　　　　　　　　　　　　 どちらかというと
　　　　　　　　　　　 /.:.:L:.､　　 -‐-‐-　　/ 1;;/ヽ
　　　　　　 　 　 　 /.:.::.:.:/1ヽ　　´￣　 ,.ｲ /;:;:;ﾊ.:`,　　　　　　　　　　　　　 まぁ、何かと無趣味な友人につき合わされて
　　　　　　　　　_,ノ.:.::::::/;:;;ﾚ''｀`ー─.＜ V;;;;;i.:l/.:::::L_＿
　　　　　-‐''"´.:.:.::::::::::/;:;;;;;l　　 /l　　　ヽi;:;;;;;;l.::::::/::::::::::::.`　　　　　　　　　…といった所かな
　　　　.:.:.:.::::::::::::::::::::V;:;:;;;;;;;|　　lk!　　　　l;:;;;;;;;|.::/.::::::::::::::::::
　　　 .::.::::::::::::::::::::::::::;:;:;;;;:;::::L＿|ﾉ ＿_」_ﾉ;:;;;;;;;;;/::::::::::::::::::::::
　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:;:::;:;;::::::::::::::::::::::::
　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


　　　　　　　　　　 `　ー＝=　――/` ――　.、
　　　　　　　　　　　,．: ¨´: : : : : /:.|: : : : : : : : : :`　、
　　　　　　　　　／: : : : : : :': : :/: /` : : : : ＼: : : : : .:＼
　　　　　　　 ／／: : : : : /: : .:i|:./.|　'.: : : : : :ﾍ: : : : : : : ヽ
　　　　　　／イ: : : : : : :/: : :.:/|:'　|　 '.: : i : : : ∨: : :＼: : :〉=y‐..、
　　　　　'’／/: : : : : :斗-:.:'/　|　 |　　':. :ﾄ:￣｀卞､: : : ヽ:.:!:::ヽ:::::::7
　　　　　〈:::::': : : : l ´: :|: : /. 　 　 |　　 Ⅵ　ヽ: : ﾚ :` : : :∨::::::::`､′
　　　　　　Y: :/: : :l: : : |:.斗ぇzx　 |　　　ﾘ　zｪ≧廴_: : : : :V::::::::::::〉
.　　　　　　|:./{:.: : |: : :弋 __ﾉⅥ`　　　　　ｲ__ノⅥ¨ﾂ`: : |: :|:::::::／
.　　　　　　|ﾊ | : : |:.: :|　 VK:::ｲ　　　　　　 !ん:::j〃〉:.: .:Ⅳ:::::/
　　　　　　　 `|: : ﾊ:. :ﾍ　 込zｿ　　　　　　 込zｿ　 ∧:.:/:ﾚi`ﾊ
　　　　　　　　 Ⅳ: |:. :|__　　　　　　　'　　　　　　 /　,∨: |:.|i: :|　　　　　　　　　　　それにしても、アニメに映画に舞台劇…
　　　　　　　　 |: : .:ヽ:.|:∧ :::　　　　 -　　　　::: /.7´: : : /: |l: :|
　　　　　　　　 |:. :.__|:.: l＿ ＞-　 _　　　_　 -＜_/: : : : /: : |!: |　　　　　　　　　　　視覚メディアとして色々と作られてるんだし
　　　　　　　　 |: {　r｀ ,.-!　|:.:.:.:.:.| 　￣　 |:.:.:.／: : : :,:ｲ: : : |: :'
　　　　　　　　 y´ヽ Y　∧､V:.:.:.ﾍヽ _　' /:.:./: : : :／} |: : : :∨　　　　　　　　　　　ＶＴＲなんて簡単じゃないの？
　　　　　　　　〈 ､` /　 j　ﾄ､ ＼:.:.:.､　　/:.:.ｨ: : ／　 .|/: : : : .:l
　　　　　　　　　>‐′イ/ k {＼ ＼:ヽ /／,ｲ:.:/　／　V:.ｌ: : :l.:|
　　　　　　　　 广ﾆニ7　 ﾊ ヽ　＞ﾐ､Y／ 1:/|/　　　 Ⅵ: : :| |

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　　　　 それもそうだお
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　 どうしてこんなに時間が掛かってるんだお？
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／


　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　 　 　　　　_ノ　ヽ､_　　 ＼
　　　　　　 　 　　（＝ ）（＝ ）　　｜
　　　　　　　　　　（__人__）　　U　 |
　　　　　　 　 　　 ｌ｀ ⌒´　　　　｜
.　　　　 　 　 　 　 {　　 　 U 　 ｜
　　　　　　 　 　 　 {　　　　　　 /
　　　　　　　_. -: ´∧ _,＿_　 _.へ｀　、　　　　　　　　　　　　　　その多彩な視覚メディア化ってのが
　　　 　 r＜....::::::::::ゞ::::::::::::r'　 　 ＼ :＼_
　　　　/.::::::ｌ:::::::::::::::::::::::::::::L>、　 　 >ﾍ::ヽ　　　　　　　　　　　 俺の抱えてる問題な訳だ
　　　　| :::::::ﾄ､::::::::::「|:::::::::::::::::::`ｰ／:::::::::V::|
　 　　〈:::::::::::::::::::／へ、:::::::::::::::::∧::::::::::::::V ｝
　　　 /::::::_ン´「 ヽ｀ヽノ:::::::::::::::::::Λ::::::::::::::ヘ}
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　＿＞ー-　 -―∧ー-　＿
　　　　　 , ＜´　: : : : : : : : : : : :|: : : : : : : :｀ - 、
　　　　／　 ＿／　　　　 : : : : :|: : :.: : : : : : : : : :＼
　　 ／:_: ＜:〃　　　 /: : : /: : .:|: ∧:.:.: : : : : : : : : : ヽ
　 /イ:;:;:;://: : : : : :.:/: : : :ｲ: : / |:;|iハ:.:.:.:. : : : : ヽ:.:.:.:>＞- _
　'　 ﾍ／/: : : : : :;:;/: : : / |: :/　 |:;|l　 i:.:.:.:.: : : : : :l: : i:;:;:;:;l:;:;:;:￣＼
　　／:;:/: : /: : :.:/!: :__/＿|:/　　 |:| l　 i＿ｌ: : : : : : l: :l:;:;:;:;!:;:;:;:;:;:;:;/
　<:;:;:;:/:. :/: : :.:.:i:.l: ´/　　|,'｀ 　　|!　l '´＼l｀ﾞ: : : i : l: :l:;:;:;:;:;i:;:;:;:;/
　　＼i: :/|: : : : :l:.:|: /　　 |!.　　　 |　 !　　　ヽ!: : :| : l: |:;:;:;:;:;:!:／
　　　 |:/-|: : : : |/不示テミ、　　　!　ィ=≠＝z＼|: :ﾊ |:;:;:;:;:;:;|
　　　 |i　 |:. : : :|l-||! V{::::::|　　　　　　ﾍﾉ:::::::} ｱ'|i: i:;:;l:|t―f-´
　　　 !　 li: : : :f.{ !|　i ゝｲj　　　　　　|iゞ-ｲｿ '　|!'|ﾞi､:|!:l: : |
　　　　　|:.ヽ: : |:丶i　ゞ-''"　　　　　　ヾ''-"　　う'´|j:.:.:.! : |
　　　　　|:.:.:.:ﾊ:|:.:.|/!　'"'　　　　'　　　　 '"'　 ｨ‐ﾅ":.:.:/:. : |　　　　　　　　　　　　　　　 …？
　　　　　|:.:.:.:.:|i|:.:.:!　＞ 、　　　､　　　　_ ＜___/:.:.:.:./|: : : |
　　　　　|:.:.:.:.:|!: : :∨'￣　｀＞ ､　　 ィ7:;:;:;:;:;//:.:.:.:/|:|:.:.:.:.:|　　　　　　　　　　　　　　　 何が問題なのよ
　　　　　|:.:.:.:.:.ﾄ､: :/　　　　_ィ--｀}‐-/:;:;:;:;:ｨf/:.:.: /　ﾍi:.:.:.:|
　　　　　|:.:.:.:.:|/ヽ/　　　 /:;:｀iー"　/:;:;:;:;:;:/: : : :/　　　}:.:.:|
　　　　　|:.:.:.:.:! ∨　　　/:i:;:;:;:;l　　/:;:;:;:;:;:;/: : : :/　　　　l:.:.:|
　　　　　|:.:／　/　　　 l: }ヽ:;:;:;l　/:;:;:;／/: : : :/　　　　　l:.:.:|


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 ＼,-、__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_,ノ 　｀⌒　ヽ.,__　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　(● ) （● ） ,.! ┴-'、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 (___人___）　〉-‐‐´　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　　　 u 〉--‐´　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　iヽｿ　 　l　　　　　　　　　　　　　 みんなが話してたように、ヤマトタケルって人物の物語が
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Λ　　　　　　∧｀;"　　 '、
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 __,. ｨ仏 ___、___ ｨ_ノﾍヽ、 _,.‐ｰ、_　　　　　　　　　　 様々なメディアで取り上げられているんだが
　　　　　　　　　　　　　　_,. -= '''　.:::::::}:::::::::::::::::::::::／::::::::>´..:::::::.. ヽ｀.､
　　　　　　　　　　　　ノ´ ...::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈 :::::::::::::::...＼::ヽ
　　　　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ::::::::::::::::::.. ヽ:}

　　　　　　　, -‐―- ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , - ― - ､
　　　　　 ／:: :: :: ＼ヽヽ､　　　　　 .／￣￣ ＼　　　　　 ／/:: :: :: :: :: ::ヽ
　　　　　 .|:: :: :: :: :: ::ヽ､:: ヽ､　　 ／__,.ノ　ヽ､,_ ＼　　,-/:: i:/::／⌒:: :: :: ::|
　　　　　　v:: :: :: :: :: l:|Y⌒ ､｀、 ｌ　( ＝ ）（ ＝ )　ｌ-'´:: l:: /::l '´:: :: :: :: :: ::/
　　　　　　 v:: :: :: :: ::l::ヾ:: :: |:: :: :l.　 （___人___）　 .|:: :: :: 〉ﾚ´:: :: :: :: :: :: ::/
　　　　　　　l:: :: :: :: ::|:: ∧:: ::l:: :: ｌ　　 ｀ ⌒ ´　'J |:::::::::::Sﾚ‐i:: :: :: :: :: ::/
　　　　　　　 v:::lヽ:: ::|::l:: ::｀ヾ＿　i　　　　　　　　 |;;-っ´:: :: |:: i:: :: :/:: /
　　　　　　　　ｌ::|;;ｌ:: ::|:::!:: :: :/:.ヾ =',　　　　　　　/L,／´ヽ:: :: ::l::|::/:: :/
　　　　　　　　 ';!::ｌ:: ::|:: :: ::/:. :.,,＞》'ヽ､.＿,＿／:::ゞ ヾ､　ヽ;; :: |::ｌ:: :/
　　　　　　　　　';:: ::ｌ:: :::/:. :.ヽ'´:.i｀ヽ:. ニ二ニ :.／ :. :. ｖ:. :. l::|:: :: :/　　　　　　　　　さっきのキバヤシの言った特撮映画のように
　　　　　　　　　　i:: :::ｌ:: /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :!::l::l:: :/
　　　　　　　　　　∨:::|::/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. v:ｌ::/　　　　　　　　　　 何かしらの脚色がなされていたりする
　　　　　　　　　　　|;: :ﾚiヽ､:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. |､/
　　　　　　　　　　　∨ ｌ :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: Y


　　　　　　　　　　　　　 ＼　 ＿__
　　　　　　　　　　　　　　 _＞‐　　`ー‐｢ ｀ー―――‐-
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　　　　　　　　/／　/:/:::::::::::::: /:: /:::/　 ｌ:::::: ＼:::::::::::::::::::::::::::∨ﾝ′!　 jヽ
　　　　　　　　　　　ｌ/:::::/::::::: /::_/_:/　　 l:::::| ::: ＼＿:::::::::::::::::::',:　　K_/　 ',
　　　 　 　 　 　 　 /::::〃:::::::,'::: / !:l 　 　 ',:: lヽ´:::::＼｀:::::::::::::::: ｌ　　|::::|　　l
.　　　　　 　 　 　 ,':::::::{{:::::::: |:::/　|:{　　 　 ヽl　＼|_　 ＼ ::::::::::: |　　|::::|　　|
　　　　　　　　　　!:::::::/!::::::::jﾚ えテトﾐ　　　　　ｨ斗テ〒ｱ ::::::::::|　　|::::|　　|
　　　　　　　　 　 |:::::/│::::::Ⅳヾ r'::::::｢　　 　 　 r'::::::: j バ ::::::: |＿/ ::,|_,／
　　　　　　　　 　 |:::/_厶:::::::|ハ　Vﾍ j　　　　　　!ﾍイ/　　ﾍ :::: |:::::::::/:|
　 　 　 　 　 　 　 V　 ヾﾍ::::|ヽﾊ　ゞ ''　　　　　　` ｰ''　　 ﾚ'Ⅳ^|）:: /:: |
　　　　　　　　　 　 　 　 l ヽ|::::: { .:.:.　　　'　　　　　::.:.:. ,､ ＿ イ:::: /::::::|
　　　　　　　　　 　 　 　 |:::|:::::: 个　　　　ヽ)　　　　　イ/::::::::::':::: /::::::: |
　　　　　　　　　 　 　 　 |:::l::::::::::|::ﾘ　 ＞t-r　 　セヽ 〃:::::::::::::::/:::::::::::|　　　　　　　　　　　あんな馬鹿馬鹿しい設定を
　　　　　　　　　 　 　 　 |::::l:::::::::|/　_/　/-}　　　V 　/:::::::::::::: /::ｌ::::::::: |
　　　　　　　　　 　 　 　 |:::::ｌ::::::::l'´　 　 |-―=:-/　 /:::::::::::::: /| ::ｌ ::::::: |　　　　　　　　　　　信じる人とかいるかしら？
　　　　　　　　　 　 　 　 |::::::l::::::::|ﾍ.　　 |　　　:/　 /::::::::::::: /ヽｌ:::| ::::::: |
　　　　　　　　　 　 　 　 |::: ∧:::: ｌﾍヽ　│ 　 /　 /:::::::::::: / ／ ｌ::| ::::::: |
　　　　　　　　　 　 　 　 |: / ∧:::.ヽヽ＼.l　／　 /::::::::::／ 　 　 | | ::::::: |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／）￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／∠___ ヽ､,_　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ／ ,-イ）（＝ ）!!! |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l /　/（__人___）　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　', ｀⌒ ´　 u　|　　　　　　　　　　　ヤマタノヲロチを退治したのはヤマトタケルだという誤解を
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　 ',　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　 　/|_　　　　　　　　　　　あの映画をＴＶ放送で植えつけられた人は多いはずだ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j,　_、___　ｨ／::＼__
　　　　　　　　　　　　　　　___／ ...:::::::::::ヽV￣￣￣:::::::::::::::::...´´''' ､､､ _　　　　まぁ、平家物語の時代からあった話だが…
　　　　　　　　　　　　 ／::::／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.....　:::::..＼
　　　　　　　　　　　　| ::／ ...:::::::::::::::::::::::: /;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::: l
※>>1の体験談に過ぎないので悪しからず


　　　　　　　　　 　 　,r'´;:;;;:;:;::::::::::::::::::::::::::::::.｀ヽ､
　　　　　　　　　　　/;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;::::::::::::::::.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　>;;:;:;:;:;:;;:;::::::::::::::::<カ:::::::::::::.:.::::::.:.＼
　　　　　 　 　 　　/;:;;:;:;:;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;:;;::'''"´.:.:.:.:.｀`ヽ::::j
　　　　　　　 　　 jﾞ:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;;;;;;:;;:ｨｲﾊｲji;:;:;:.:.:.:.:.:Y
　　　　　　　　　 ﾉ.;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;ィ^ｼｲﾉ^|N､j､j､:.:.:.ﾞ､
　　　 　 　 　 　 i!.:;:;;;;r'⌒ヾ;:;ｨｲ´, -─‐- ､　'ヾ:;:;:;;;;;:;.:,:ﾞ,
　　　　　　　　　 |:;:;;〈 <　ﾉｲｲ　　　<じｿﾆ;::.:.　､,,_ヾ;;;:;:;;:j!
　　　　　　　　　 ﾞi;:;:;;ﾞ､ ヽ!ﾘﾘ　　　　´￣´　　,ｲｼヽj!ﾊﾄｿ
　　　　 　 　 　　 !;:;:;;;;;:ゞ､　　　　　　　　.::::; i `　 ﾉｿ'´
　　　　　　 　　 　|;:;:;;ｲﾘ.:.i　　　 　 　 　.:.:ｰ､ﾉ　 /
　　　　　 　 　　 _从仆　.:.', 　　　　､ ＿ _　　　/　　　　　　　　　これは、海外の神話をメディア化した例だって同じような事だ
　　 　 　 　 　 /.:.::::.`ヽ､.:.:.ヽ　　 　　`ー-` 　/
　　　　　　　 /.:.:.::::::::::::.:.:.ヽ､:.＼ 　 　 　 　／　　　　　　　　　　 メディアの増幅させた虚像を信じ込んでしまう事は多い
　　　　　 _ ノ.:.:.::::::::::::::::::::::::::.:＼:ヽ､ __, .イL
,､､-‐''"´.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:/^ヽ⌒ヽヽ:::/､＿
.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:.:.:.:.|　 ﾉ ﾉ:::::::::::.:.:..:.ヽ

　　　　　　／￣二ﾆ= 、　　　　 ＿_, --―=＝ﾆ二≧.＿_
.　　　 　 / ／　　 ､　　＼　　／/ ｽ､　　 -=○≠‐ゝ,-‐　｀ヽ
　　　　　ﾚ'/　　　ヽ＼＼　`< .ｲ /　-‐=≠ﾆ二＿　/￣ ｀ 　 }
　　　　　ﾚ'　 , -‐ 　ﾊﾊ　ﾄ､　':. ｜-‐　_,.=ｧﾃ从:.　（_､￣｀　　'.
　　　　　|　 // /／　 ｜lｉ ﾄ､,(］ |.ｨ=彡'／ﾙ'‐-ﾊﾄ､ヽヽ　　　　＞―=ｧ‐―--
　　　　　|/// /　　　 | l 川ﾄ､ｿ ﾙ'.:://(　 行㍉ヽ ﾉﾊ_;ﾊ　　_/　　ｒ‐'　　￣
　　　　　|//　　 　 　 | l' ﾑィ斗くﾊ:l八　　 ｀ﾆ=　 （ｆﾊﾘ:j:;>く.{　 ノl＼
　　　　　|/　　　　　　| ﾄ､::::V人ゞ ﾘ　 　 　 　 　 _､〉/:イ　　 ＼ﾆ{ ヽ＼
　　　　　'　　 　 　 　 | |',ﾊ::::）ﾉﾉﾌ′ 　 　 ＿_ ､_ ´/人ゝ　　　 ｀ヽヽ＼＼
　　　　 ,　　　　 　 　 | |'i 川'((.:/　　　 　 ´　￢｀ /　　　　　　　　 ＼ ｰ==ﾐヽ
　　　　 |　　　　　　　 , ﾘ/{/￣￣｀ヽ＼　　　　　/　　 　 　 　 　 　 　 ー=､ ヽ
　　　　 |　　　　　　　,'　//　　　　 //lﾄ.＼＿ ..ｨ＿　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　 |　　　　　　 ,　//l＼ー-=//　|　＼_|_,ﾍ　∧ｰ‐≠ﾆﾌ￣￣￣　ﾌ77ｱ广
　　　　 |　　　 　 　 l　l/ |ヽ ＼ //､__,l｀ヽ　　 ﾉ}/ ハｰ-=ﾆ、　　 　 ／ // /／　　　　　　　　 ノストラダムス関係を拡大・増幅させた
　　　　 | 　 　 　 　 l　; /|　 ＼{{　 ｰ-=二ﾆ=-く'_/＿}ｰ-､ 　ヽ＿／ /// /'
　　　　 |　　　　　 　 /,　|　　　ヽ　　　＼＼　　爪　　　　 ＼ {　 |　/// /　　　　　　　　　　　 当人ならよくわかるだろう？
　　　　｜　　　　　l //　|i　　　　',　　　　　 ＼{ l,ハ　　　 　 ';i　 |'/// /
.　 　 　 l　　　　　///　 ||　　　　 ',　 l　　　 　 ＼ヽ}　　　　　ﾊ　|'// / 　 　 ／
　　　 　 .　　　　//ｲ i　l||　　　 　 ヽ. l　　　　 　 　 |￣￣￣｢' | l|i/ /　　 ／
　　 　 　 ',　　 ／ 八ﾊ ｌ||　　　　　　 ＼　　　　　　 |　 　 　 |　| l|　　　／


　 NヽN｀　　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ､
.、Nヾミ　　　　　　　　　　　　　　　　i
　ヾミﾐ､　　　　　　 _,.ｨｲ八、　　　　 !
　　ー-=ﾆ ＿,..､_'"'ノ,."-'ニ'ヾ､.＿ l_
　　　　　{F|!　￣ ﾞiニ{'´　 ￣ﾞ!r'-r,^､i
　　　　　 l;jﾞ､_ 　 ﾉ　ヽ)、　　ﾉ'　 ゝ:'/
　　　　　　｀!　￣ヽ '　　￣~´u　,'.,ｨ'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　…。
　　　　　　　i.u　　_＿_　　　　　,'　|
　　　　　　　 ヽ､ ´ -- ｀` 　 .／　 ﾄ、
　　　　　　　,..-i;:ヽ、　　 ,. '´　　／ ヽ､_
　　　　_,.イ´　 j　　￣￣　　 ／　　　,i､ﾞト-､

　　ヽ､.三 ﾐﾆ､＿ ＿＿＿ _,. ‐'´／/-─==＝＝=-､ヾ 　 　 　 ／ヽ
　　　　　　　 ,.‐'　　　　　　　ヽ:::::::/　　　　　　　　　ゝ‐;----//　ヾ.､
　　　　　　　[　　　　　　　　　 }二　　　　　　　　　　|.r-'‐┬‐l l⌒　| }
　　　　　　　 ﾞl　　　　　　　　 ﾘ￣ヽ　　　　　　　　　|l:::::::::::!ﾆ! !⌒ //
.　　　　　　 　 i　　　　　　　 ｿ;;:..　 ヽ､._　　　　　_,ノ':::::::::::::::::ゞ）ノ./　　　　　　　　　　　まぁ、そっちの方が分かりやすく
　　　　　　　　 ｀ ｰ＝=--‐'´(__,. 　 ..、　￣￣￣　　:::::::::::::::::i／‐'／
　　　　　　　　　 i::::::::::::: 　　 　 .:::ﾄ､ ￣ ´　　　　　::::::::∪::::::l､_／::|　　　　　　　　　　　 見る側も興味を持つからな
　　　　　　　　　　!::::::::::::　　　　　　　 　 　 　 　　:::::::::::::::::::::|:::::::::::|
　　　　 　 　 　 　 ヽ::::::::::: 　　--───--　　　:::::::::::::::::: !::::::::::::ト､


　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　__ノ　ヽ､,_　　＼
　　　　　　　　　 （●）（● ） 　　 |
　　　　　　　　　 （__人___）　　　　|
　 　 　 　 　 　 　 |｀ ⌒´　　 u.　|
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　.ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　ヤマトタケルの物語についても
　　　　　　　　　　__「ヽｰ'ーｰ"／7_
　　　　_, ､ -― ''":::＼:::￣￣:::::/::::::ヽ、　　　　　　　　　　　　　 結構、後世からの脚色が強いから
　　　/;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀'ｰ､
　　丿;;;:::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､　　　　　　　　　 見るときに注意しなきゃならない
　 i ;;;;;:::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'､:::: !
　/;;;;;::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:::::: |
　l ;;;;;::::::::::::::::::|;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::: |

　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　 　 _,.ノ　⌒
　　　　　　　　　　|　　 　（ ー）（ー）
　　　　　　　　　　.|　　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　|_,-‐、_ -、
　　　　　　　　　　.人､　　 　　 厂丶,丶　v　〉　　　　　　　　　　　　　 それに…
　　　　　　　 _,／::::ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ
　_, ､ -― ''"...:::::::::＼::::::::::::::::::::(　　　　〔"ﾆ‐-、　　　　　　　　　　　　 誰かに植えつけられた先入観を頭っから信じてたら
/.::::::: ':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　 ／⌒ヽ:::::: )
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　',::::|　　　　　　　　　　　　 この会を開いている意味がないだろ？
:::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈　:::::::::::::::... ',::i
:::::::::::::::!::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　::::::::::::::::::. ',


　　　　　　　　　 ,..-──v'⌒ヽ
　　　　　　 ＿／:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.厂｀ー―ｧ
.　　 　 ／〈::::/:∨:.:.:.:/::.:.:.:/:./:ヽ:.:.:.:＜
　　 　〈::::::::Y::::/:.:.:.:.ナﾅメ|:/ヽ:.:}:.:ﾄ:.＼＞
　　　　ヽ:::/:::/:.:.:,ｨ-|∠_　ﾘ　 |:ｽ:.:|:.:.:. |
　　　 　 〉-ｒ(|:.:./ `ﾄ{:r「　　 ｲﾃﾁ:.:|:.ﾄ:.:|
.　　　　 |:.:.:|:.|:/_ 　´￣　　　ﾋ!ﾉ∧|.:「リ
.　　　　 |:.:.:|:.:.:.:.:ト､ 　 ｒｧ　 　ﾉ:|:.リ
.　 　 　 |:.:.:ﾄ､:.:.:.Ｋ:} 　 ｒ‐ ｒイ:l:.|:.:|
.　 　 　 !:.:.:|__}:.:.:|::::＼_,,>､:＼:l.:|:.:|
　　　　 |:.:/　ヽ:.:.ヽ::::::ヽ　|::::::}:/:/　　　　　　　　　　　　　　　　　　あくまで、アンタが教えるんじゃなくて
　 　 　 ∨　　 ヽ:.:.:l＼:::ヽ|:::/|:./
　　　　/ 　　.|　 ヽ::ヽ ＼ |∧l:.{　　 r‐ｒこつ　　　　　　　　　　　　 そこから考えるのが要旨だもんね
.　　　/ 　 ヽ ﾚく　ヽ:.:ト-ｨ　r'＞'⌒「　|＿ ⌒⊃、
.　 　 {　　　　ﾄ､::}､ ﾄ:.|／　　＼　　|　 ヽ:::厂￣´
　　　 ＼　　　　＼ |:.:| 　 ∧　 } 　 ヽ-イ´

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　:::::::::.／￣￣ ＼____ ,. --ｰ.....:::::::::::::::::::.. ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　:::::::::: ⌒´ ヽ､,＿　 ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 .|　:::::::::::（●).（ー )　　　 |::::::::::::::::::γ:::::::::::::::::::: ﾉ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　::::::::::::（__人___）　　　　|:::::::,. -ーy::::::::::::::::::::: /
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | :::::::::::/::'､ 　 　 　 　 　 |￣　　 _/::::::::::::::::::::: /　　　　　　　　そう
　　　　　　　　　　　　　　　　 .| :::::::/:::::　|　　　 　　　　|　　 ／...::::::::::::::::::::: /
　　　　　　　　　　　　　　　　　| :::::::::::::／|　　　　　　　/ﾚ-,.ｲ:::::/:::::::::::::::::: /　　　　　　　　 だから、今回は今まである既存のヤマトタケル像ってのは
　　　　　　　　　　　　　　　　　i:／:::::::::::: ヽ__､____,.　"/／::ﾉ.:::::/::::::::::::::::　j
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 r:::::::::::::::::::「二二二 ::::::::::／::::::ノ::: ､:::: ／/　　　　　　　　　　ちょっと頭の片隅に置いておいて欲しいんだ
　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::r


　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 さて…
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 今回は最初にVTRを見せずに
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _　　　　　　　　　　　　　　文章でまず見てもらおうと思う
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l

三≧: ､　　　　　　　 / 　 　 /　　　　　l＼　　 　 　 　 　 　 /　　 　 　 　 /:}
三三三ヽ　　 　 , ィ7¨ヽ　 /　　 l　　l　l　 ＼　　　　　　　 / 日本書紀 /:/}
三三三ﾆ}　　　　 /　　 ／l　　　l　　 l　l　　　　　　 　 　 /　 　 　 　 　/://
三三三ｼ　　　　/ 　 ／　 |　　 ,'　 　 l　l　　　　　 　 　 /　　 　 　 　 /://
三三〆　　　　/　／　 　 ,' 　 /　 　 /l　l　　　　＿＿__'＿＿_ 　　　/://
三／　　　　,./／ー― 　/　 /　　　/　l/ 　 　 /　　 　 　 　 /:l三三}//
イ　　　　／/ﾃ≡≡≡ / ／.:l　　 /　　ｌ　　　/ 古 事 記　/:/}三三}/
｜　　／／　{!　 |::｝｜イ.:::／|　 /　　　　 　/　　 　 　 　 /://}
｜ ／ 　 　 　 　 lﾊf/　l／　 j　/　　 　 　 /　　 　 　 　 /:///
_ﾚ’　　 し　　　　}じ'　 {　 　 , /　　　　　 /　　 　 　 　 /:///　　　　　　　　　　　　　　　文章で読むの？
　　　　　　　　　 ゞ′　｀ﾌ　/′　　　　　{三三三三三}///
＼　　 　 　 　 , ,　　 　 /　 　 　 　 　 　 {三三三三三}//
:.　＼　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　 {三三三三三}/


　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／_,ノ 　｀⌒　＼
　　　　　　　　　　　　　　　-、　　　　　　　　　 |　(● ). (● )　 |
　　　　　　　　　　　　　　ﾔ　 ',　　　　　　 　 　 |　.(___人___） 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　i. 　l　　　　 ,.-､　　　| 　 ｀ ⌒ ´　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 ',　 j　　　/　/ 　 　 .|　　　　 　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ああ、これなら脚色の殆どない状態で
　　　　　　　　　　　　　 　 ノ＿..ヽ-､′,' 　 　 　 ',　　　　　　,/'|、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .l .＿＿_　ヽﾉ　　　 __ .j '.、__ , ___ ｨ／::L＿　　　　　　　　　　　　　　　　 物語自体を見ることが出来るからな
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ｙ　　　　　）ﾊ.‐ ' ´ ..::ヽ::::::::::::::::::::::::::／:::::::...｀' ｰ- ､ _
　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ. ￣￣ 〕y::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..＼
　　　　　　　　　　　　　　 ハヽ 一ﾆｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: r;;;;;:::::::: ',
　　　　　　　　　　　　　 /...::::::;;;;;;;;;;; /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ;;;;;::::::::::::::〉

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　難しくないのかお？
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／


　　　　　　　, -‐―- ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , - ― - ､
　　　　　 ／:: :: :: ＼ヽヽ､　　　　　 .／￣￣ ＼　　　　　 ／/:: :: :: :: :: ::ヽ
　　　　　 .|:: :: :: :: :: ::ヽ､:: ヽ､　　 ／__,.ノ　ヽ､,_ ＼　　,-/:: i:/::／⌒:: :: :: ::|
　　　　　　v:: :: :: :: :: l:|Y⌒ ､｀、 ｌ　( ＝ ）（ ＝ )　ｌ-'´:: l:: /::l '´:: :: :: :: :: ::/
　　　　　　 v:: :: :: :: ::l::ヾ:: :: |:: :: :l.　 （___人___）　 .|:: :: :: 〉ﾚ´:: :: :: :: :: :: ::/
　　　　　　　l:: :: :: :: ::|:: ∧:: ::l:: :: ｌ　　 ｀ ⌒ ´　'J |:::::::::::Sﾚ‐i:: :: :: :: :: ::/
　　　　　　　 v:::lヽ:: ::|::l:: ::｀ヾ＿　i　　　　　　　　 |;;-っ´:: :: |:: i:: :: :/:: /
　　　　　　　　ｌ::|;;ｌ:: ::|:::!:: :: :/:.ヾ =',　　　　　　　/L,／´ヽ:: :: ::l::|::/:: :/
　　　　　　　　 ';!::ｌ:: ::|:: :: ::/:. :.,,＞》'ヽ､.＿,＿／:::ゞ ヾ､　ヽ;; :: |::ｌ:: :/
　　　　　　　　　';:: ::ｌ:: :::/:. :.ヽ'´:.i｀ヽ:. ニ二ニ :.／ :. :. ｖ:. :. l::|:: :: :/
　　　　　　　　　　i:: :::ｌ:: /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :!::l::l:: :/　　　　　　　　　　　まぁ、我慢しろ
　　　　　　　　　　∨:::|::/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. v:ｌ::/
　　　　　　　　　　　|;: :ﾚiヽ､:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. |､/　　　　　　　　　　　　 ヤマトタケルは難しい
　　　　　　　　　　　∨ ｌ :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: Y
　　　　　　　　　　　 ヽ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::|

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼
／ 　　　　　　　　　　＼
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |　　　　　　　　　　　おおう
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　　出来るだけ頑張ってみるお
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／


　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　 うむ
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、　　　　　　　　　　　　　　 で、それなりに解釈が広がったら
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､　　　　　　　　　　 ま、その場で脚本を書いて別室に控えている
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |　　　　　　　　　　 演劇部の連中に演じてもらうさ
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !

　　　　　　　　　　　　　 ＼　 ＿__
　　　　　　　　　　　　　　 _＞‐　　`ー‐｢ ｀ー―――‐-
　　　　　　 　 　 　 　 　'"　: : : : : : : : /|: : : : : : : : : : : : : : 丶､
　　　　　　　 　 　 ／.:.:.:.:.:　　'".:.:.:.:.:.: ￤.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ:.:.:ヽ
　 　 　 　 　 　 ／:; -ｧ:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∨___V⌒＼
　　　　　　　　/／　/:/:::::::::::::: /:: /:::/　 ｌ:::::: ＼:::::::::::::::::::::::::::∨ﾝ′!　 jヽ
　　　　　　　　　　　ｌ/:::::/::::::: /::_/_:/　　 l:::::| ::: ＼＿:::::::::::::::::::',:　　K_/　 ',
　　　 　 　 　 　 　 /::::〃:::::::,'::: / !:l 　 　 ',:: lヽ´:::::＼｀:::::::::::::::: ｌ　　|::::|　　l
.　　　　　 　 　 　 ,':::::::{{:::::::: |:::/　|:{　　 　 ヽl　＼|_　 ＼ ::::::::::: |　　|::::|　　|
　　　　　　　　　　!:::::::/!::::::::jﾚ えテトﾐ　　　　　ｨ斗テ〒ｱ ::::::::::|　　|::::|　　|
　　　　　　　　 　 |:::::/│::::::Ⅳヾ r'::::::｢　　 　 　 r'::::::: j バ ::::::: |＿/ ::,|_,／
　　　　　　　　 　 |:::/_厶:::::::|ハ　Vﾍ j　　　　　　!ﾍイ/　　ﾍ :::: |:::::::::/:|
　 　 　 　 　 　 　 V　 ヾﾍ::::|ヽﾊ　ゞ ''　　　　　　` ｰ''　　 ﾚ'Ⅳ^|）:: /:: |
　　　　　　　　　 　 　 　 l ヽ|::::: { .:.:.　　　'　　　　　::.:.:. ,､ ＿ イ:::: /::::::|
　　　　　　　　　 　 　 　 |:::|:::::: 个　　　　ヽ)　　　　　イ/::::::::::':::: /::::::: |
　　　　　　　　　 　 　 　 |:::l::::::::::|::ﾘ　 ＞t-r　 　セヽ 〃:::::::::::::::/:::::::::::|
　　　　　　　　　 　 　 　 |::::l:::::::::|/　_/　/-}　　　V 　/:::::::::::::: /::ｌ::::::::: |
　　　　　　　　　 　 　 　 |:::::ｌ::::::::l'´　 　 |-―=:-/　 /:::::::::::::: /| ::ｌ ::::::: |　　　　　　　　　　　なんか、大掛かりね
　　　　　　　　　 　 　 　 |::::::l::::::::|ﾍ.　　 |　　　:/　 /::::::::::::: /ヽｌ:::| ::::::: |
　　　　　　　　　 　 　 　 |::: ∧:::: ｌﾍヽ　│ 　 /　 /:::::::::::: / ／ ｌ::| ::::::: |
　　　　　　　　　 　 　 　 |: / ∧:::.ヽヽ＼.l　／　 /::::::::::／ 　 　 | | ::::::: |


　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ま、校長からもＧＯサインは貰ってるしな
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___　　　　　　　　　　　　　　　　　演劇部の連中も快く賛同してくれたし派手にやろうぜ
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　　⌒ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 （●）（● ） 　　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 　 （__人___）　　　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　 　 |
　　　　　　 　 　 　 　 　　 　 |　　　　　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　、 　 　　,ｲ　　　　　　　　　　　　　　　さて、ヤマトタケルについては
　　　　　　　　　　　　　 　　 ／ヽ,ー-　　　ﾄ､
　　　　　　　　　　_, ､ -─ '".:.ヽ:.:.＼__　/ノ ﾄ、__　　　　　　　　　　　　 『古事記』、『日本書紀』の景行天皇の時代に
　　　__　,.　ー 、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....
　　　＼ r 、　_ ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ｰ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｦｳｽﾉﾐｺﾄ
　　　　　}　}/　)　 V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　記述があり、幼い頃は「小碓命」と名乗っていたんだが…
　　　　/:ゝ/ ./ __　 V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.＼
　　　　}:::::ゝ ソ　,Y　i::::::/::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.:.:.:. ＼


　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　／　　 　 　＼
　　　 ／　　─　 　 ─＼
　　／ 　　 （●） 　（●） ＼
　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |
　　＼　　 ⊂ ヽ∩　　　　 <　　　　　　　　　　　　　景行天皇って誰だお？
　　　 |　 |　 '､＿ ＼　／　 )
　　　 |　 |＿＿＼　 “　 ／
　　　　＼ ＿＿＿＼_／

　　　　　　　　　＿＞ー-　 -―∧ー-　＿
　　　　　 , ＜´　: : : : : : : : : : : :|: : : : : : : :｀ - 、
　　　　／　 ＿／　　　　 : : : : :|: : :.: : : : : : : : : :＼
　　 ／:_: ＜:〃　　　 /: : : /: : .:|: ∧:.:.: : : : : : : : : : ヽ
　 /イ:;:;:;://: : : : : :.:/: : : :ｲ: : / |:;|iハ:.:.:.:. : : : : ヽ:.:.:.:>＞- _
　'　 ﾍ／/: : : : : :;:;/: : : / |: :/　 |:;|l　 i:.:.:.:.: : : : : :l: : i:;:;:;:;l:;:;:;:￣＼
　　／:;:/: : /: : :.:/!: :__/＿|:/　　 |:| l　 i＿ｌ: : : : : : l: :l:;:;:;:;!:;:;:;:;:;:;:;/
　<:;:;:;:/:. :/: : :.:.:i:.l: ´/　　|,'｀ 　　|!　l '´＼l｀ﾞ: : : i : l: :l:;:;:;:;:;i:;:;:;:;/
　　＼i: :/|: : : : :l:.:|: /　　 |!.　　　 |　 !　　　ヽ!: : :| : l: |:;:;:;:;:;:!:／
　　　 |:/-|: : : : |/不示テミ、　　　!　ィ=≠＝z＼|: :ﾊ |:;:;:;:;:;:;|
　　　 |i　 |:. : : :|l-||! V{::::::|　　　　　　ﾍﾉ:::::::} ｱ'|i: i:;:;l:|t―f-´
　　　 !　 li: : : :f.{ !|　i ゝｲj　　　　　　|iゞ-ｲｿ '　|!'|ﾞi､:|!:l: : |
　　　　　|:.ヽ: : |:丶i　ゞ-''"　　　　　　ヾ''-"　　う'´|j:.:.:.! : |
　　　　　|:.:.:.:ﾊ:|:.:.|/!　'"'　　　　'　　　　 '"'　 ｨ‐ﾅ":.:.:/:. : |
　　　　　|:.:.:.:.:|i|:.:.:!　＞ 、　　　､　　　　_ ＜___/:.:.:.:./|: : : |
　　　　　|:.:.:.:.:|!: : :∨'￣　｀＞ ､　　 ィ7:;:;:;:;:;//:.:.:.:/|:|:.:.:.:.:|　　　　　　　　　　　　　　ヤマトタケルのお父さんよ
　　　　　|:.:.:.:.:.ﾄ､: :/　　　　_ィ--｀}‐-/:;:;:;:;:ｨf/:.:.: /　ﾍi:.:.:.:|
　　　　　|:.:.:.:.:|/ヽ/　　　 /:;:｀iー"　/:;:;:;:;:;:/: : : :/　　　}:.:.:|
　　　　　|:.:.:.:.:! ∨　　　/:i:;:;:;:;l　　/:;:;:;:;:;:;/: : : :/　　　　l:.:.:|
　　　　　|:.:／　/　　　 l: }ヽ:;:;:;l　/:;:;:;／/: : : :/　　　　　l:.:.:|


　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　.-´　　　｀｀ヽ
　　　　　　　　　　 ／ ⌒　　　　　 ｀ヽ
　　　　　　 　　／　　　　　 　　｀ヽ 　ヽ
　　　　（（　　 /　（●）　　 　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　|::⌒（__　　 （● ）　　　　　|
　　　　　　　　ヽ 　 人__） ⌒::::　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　へぇ、ヤマトタケルは天皇の息子なのかお
　　　　 　　　　 ヽ（__ン　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　人　　　　　　　　　　　/　　| |　　　　　　　　　　　そりゃ、やんごとない身分なのかお
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　＿ノ　　ノﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　 で、今までの例に習って
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､　　　　　　　　　　　　　 一番末の子なんだろう？
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、　　　　　　　　　　　　　　　　　　 それが、違うんだ
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　　違うのか？
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　景行天皇の息子であるんだが
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、　　　　　　　　　　　　兄に櫛角別の王、大碓命と二人の兄が居るんだが…
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､　　　　　　　　倭根子命、神櫛の王という下の兄弟も記述にある
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !

　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　 だからヤマトタケルは『記紀』に登場する
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___　　　　　　　　　　　　　 他の主人公たちとは違って誰かの末子という設定で誕生していないんだ
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l


　　　　　　 ,. ─- ､,,.＿__
　 　 　 ,ｲ〃　 　 　 　 　 ｀ヽ,__
.　　　N. {'　　　　　　　　　　 　 ＼
.　　N. {　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.　 N.ヽ｀　　　　　　　　　　　　　　　〉
　 N.ヽ｀　 　 　 　 ,.ｨｲ从　　 　 　 /
.　 ヾミ.＿__-‐=彡'ノﾉﾉ__,ゞミ=-_rく
　　　　lrf´ゞ“ﾓ=ヾｰf =ﾓﾁ＜}rv^i !
　　　　ヾﾄ、｀￣,り「弋! ￣´ノ　ソ
　　 　 　 !　￣　 ii{_,.　 ￣　　/r'´
　　 　 　 ,ゝ、　 ｉｰ-ー､　　, '　|＼　　　　　　　　　　　 何？
　　-‐''7´　ドヽ. ｀ニﾆ´ .／;;　 |　 ヾ''ｰ-
　　　 /　　 ﾄ､　` ｰ-- ´　,;'　,ｲ　　:|　　　　　　　　　　 じゃあ…何か特別な出生を遂げたとかの記述があるのか？
.　　 /　　　:ト､` ｰ-､ r--‐_'´/　　　|
　　/　_,..､-‐＼ ￣! ﾚ' 厂　/へ、　 :|
　　T´　ヽ＼l.0| 　 V / 　 / /　 ＼　|

　　　　　　　, -‐―- ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , - ― - ､
　　　　　 ／:: :: :: ＼ヽヽ､　　　　　 .／￣￣ ＼　　　　　 ／/:: :: :: :: :: ::ヽ
　　　　　 .|:: :: :: :: :: ::ヽ､:: ヽ､　　 ／__,.ノ　ヽ､,_ ＼　　,-/:: i:/::／⌒:: :: :: ::|
　　　　　　v:: :: :: :: :: l:|Y⌒ ､｀、 ｌ　( ＝ ）（ ＝ )　ｌ-'´:: l:: /::l '´:: :: :: :: :: ::/
　　　　　　 v:: :: :: :: ::l::ヾ:: :: |:: :: :l.　 （___人___）　 .|:: :: :: 〉ﾚ´:: :: :: :: :: :: ::/
　　　　　　　l:: :: :: :: ::|:: ∧:: ::l:: :: ｌ　　 ｀ ⌒ ´　'J |:::::::::::Sﾚ‐i:: :: :: :: :: ::/
　　　　　　　 v:::lヽ:: ::|::l:: ::｀ヾ＿　i　　　　　　　　 |;;-っ´:: :: |:: i:: :: :/:: /
　　　　　　　　ｌ::|;;ｌ:: ::|:::!:: :: :/:.ヾ =',　　　　　　　/L,／´ヽ:: :: ::l::|::/:: :/　　　　　　　　　　いや、それも無い
　　　　　　　　 ';!::ｌ:: ::|:: :: ::/:. :.,,＞》'ヽ､.＿,＿／:::ゞ ヾ､　ヽ;; :: |::ｌ:: :/
　　　　　　　　　';:: ::ｌ:: :::/:. :.ヽ'´:.i｀ヽ:. ニ二ニ :.／ :. :. ｖ:. :. l::|:: :: :/　　　　　　　　　　　 オホクニヌシや神武天皇には
　　　　　　　　　　i:: :::ｌ:: /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :!::l::l:: :/
　　　　　　　　　　∨:::|::/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. v:ｌ::/　　　　　　　　　　　　　特殊な出生を遂げたという例はないんだが…
　　　　　　　　　　　|;: :ﾚiヽ､:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. |､/
　　　　　　　　　　　∨ ｌ :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: Y
　　　　　　　　　　　 ヽ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::|


　　　　　　,,､-''"´￣￣｀｀`ヽ､
　　　　,／　　　　　　　　　　　`-､,,＿
　　　,/　　　　　　 i, ;　　　　　 ﾞミ三ｰ''"
　　 /　　　　　　　ﾊﾊ　　　　　　　　ヽ,
　　i"　,/　/　,〃i/　 い、　＼ 　　いN
　 /　,/　,/ノ /　,ノﾉﾊ　ﾄ,、　ミ`'ー Ｖﾘ
　 | ﾚ'　　　_,,､ｧﾁ-ーﾋヽ| ゞﾋs、ミヽ　i
　ﾊ　　rﾍ ｱ'　 <ﾓﾃ;;　　 ｉ' zｯ､｀i　　ｿ
　 ﾞYf iﾞ　|ﾄ　　　 　　　　:i　｀｀　ｲ, ノ　　　　　　　　　　　　スサノヲやホヲリなどの例を鑑みれば
　　いヽ　ﾞ!,　　　　　　,_　;､　　 ,ﾀ"
　　　`i, `r､　　　　.._＿｀＿　　,ﾘ　　　　　　　　　　　　　　 生まれ方にも特徴はあった方が良いのが
　　　 ｸ',ﾍ ﾞ:､　　　 `''ー‐'´　 /ﾞ
　　　ｲ,ﾍ　ゝ＼.　　　 ￣　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　世界共通の神話上の定型だろうね
　 f￣`''ー─--ﾐ''-､,,＿,,イ!‐-､､,,_
,／　　　　 　 　 ﾞi,⌒ヽz￢"ﾞヽ　　 i
　　 　 　 　 　 　 ﾄ　　ヾぃ　　）　　L,,＿

　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　.-´　　　｀｀ヽ
　　　　　　　　　　 ／ ⌒　　　　　 ｀ヽ
　　　　　　 　　／　　　　　 　　｀ヽ 　ヽ
　　　　（（　　 /　（●）　　 　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　|::⌒（__　　 （● ）　　　　　|
　　　　　　　　ヽ 　 人__） ⌒::::　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　 確かに、物語の主人公てのは
　　　　 　　　　 ヽ（__ン　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　人　　　　　　　　　　　/　　| |　　　　　　　　　　　なんか特別な生まれ方してた方がカッコいいモンだお
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　＿ノ　　ノﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |


　　　　　　　　 　　　　　　＿＿_　　 /ヽ、
　　　　　　　　─=＝フ¨´　 　　　￣|　　｀`'ー- ､
　　　　　　　　　　／,　 　 　 　 / ,ィ'|　 ヽ　　　　 ヽ、
　　　　　　　　 ／／ /　　/　 /〃 | | | 　 ヽ　　　　ヾYニヽ、
　　　 　 　 　 /,ｲ　 / 　 /　〃/, 　|│!、 　 ',.　 　ヽ　|:.:.:ﾍ:.:.＼
　　　　　　　/ /　 ,'　　/　孑|'" 　 l　!|　＼　}　　　 ∨:.:.:.:.:',:.:./
　　　　　　　 /　　i　　,'' /　 j　　　ｌ　||　 ヽ |`ｉ　　　 }:.:.:.:.:.:.∨
　　　　 　 　 | 　 /　　|/{!7メﾐ、　　　 | _　_土 l|　 |　|:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　 |　/ |　 ｌﾑ　{:::::::}　　　　 'fて::;;;}７}　 ﾄ､|:.:.:.:.:. 丿
　　　　　　　 |/　 |　│il　ﾋ辷　　　　　{::::::::ｿ　|　 |　|￣￣ |
　　　　　　　　　　|ヽ∧}　'　　　,　　　　` ｰ'′ |　/）　　,'　 |
　　　　　　　　　　|　| | `　､　　 r‐┐　　　''　　|/ノ　　/　　|
　　　　　　　　　　|　| l　 　 |＞.､`___ .. 　 -‐'ア 　 　 /l　　 |
　　　 　 r‐‐'"¨¨V　| |　 　 |　　|　 ／　＼／　　　 /　|　　 |　　　　　　　　　今の漫画だって大体はそうだもんね
　　　　　 ≧=　　 Ⅵ |　 　│　/-<　　 〃 　 　 ／ 　 |　　 |
　　　　と´r─'　 _,イヽ、　 ,レ'|::::::∧　/　　　 イ　　　 |　　 |
　　　　　 `ー┬´　　　|　 /　 厂::|　∨　 　 / │　　 │　　|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |　　　　　　　　　　　 まぁ、出だしから英雄なのかどうかも分からない
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、　　　　　　　　　　 ヤマトタケルなんだが、ある種の特異な能力があった記述が
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､　　　　　　 すぐに本文中に現れるんだ
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
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┌──────────────────────────────────────────┐
│【書き下し文（小学館、新編日本古典文学全集版より）】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│天皇(すめらみこと)、小碓(をうすの)命(みこと)に詔はく、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│「何とかも汝(なむち)が兄(え)の朝夕(あしたゆふべ)の大(おお)御食(みけ)に参(ま)ゐ出て来ぬ。　　　　│
│ 専(もは)ら汝、ねぎし教(をし)へ覚(さと)せ」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│と、如(か)此(く)詔(のりたま)ひてより以後(のち)、五日(いつか)に至るまで、猶(なほ)参ゐ出でず。　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　爾(しか)くして、天皇、小碓命を問(と)ひ賜(たま)はく、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│「何とかも汝が兄の久しく参ゐ出でぬ。若(も)し未(いま)だ誨(をし)へず有(あ)りや」　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│ととひたまふに、答へて白ししく、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│「既(すで)にねぎ為(し)つ」とまをしき。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│又、詔(のりたま)はく、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│「如何(いか)にかねぎしつる」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│とのりたまふに、答へて白ししく、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│「朝(あさ)署(け)に厠(かわや)に入りし時に、待(ま)ち捕(とら)へ、とり批(ひだ)きて、　　　　　　　　　　　....│
│ その枝(えだ)を引(ひ)き闕(かき)きて、薦(こも)に裏(つつ)みて投(な)げ棄(す)てつ」　　　　　　　　　　　...│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│とまをしき。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│是(ここ)に、天皇、其の御子の建(たけ)く荒き情(こころ)を惶(おそ)りて…　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
└──────────────────────────────────────────┘

┌──────────────────────────────────┐
│【現代語訳（>>1訳)】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　天皇が小碓命に仰った　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│「何故、お前の兄は朝夕の食事に顔を見せないのか　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│ お前が行って、『ねぎし教え覚せ』」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　その後、五日間が過ぎたが、まだ小碓命の兄は食事に顔を見せなかった　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　そして、天皇は小碓命に問われた　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│「お前の兄はまだ参上しないが、もしやまだ『教え覚して』居ないのか？」　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│と問われたので、小碓命はお答えになった　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│「すでに『ねぎ』しました」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│と答えられて、言葉をつづけた　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│「朝、兄が厠に入っていた所を待ち伏せして捉えて、その腕を引きちぎって　　　 　 │
│ 薦に包んで投げ捨ててやりました」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│とお答えになった　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│それを聞いた天皇は小碓命の建く荒き性分を恐れた…　　　　　　　　　　　　　　　....│
└──────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 さて、どう読めた？
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l


　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　お…おおう？
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　＿＿＿
　　　　／ノ　 ヽ､_ ＼
　　 ／（●）　（●.）　＼　　　　　　　　　　　　　 確かに凄い力を持っていて
　／　　（__人＿,）　　　 ＼
　| 　ｌ^l^lｎ ⌒ ´ 　　 　 　 |　　　　　　　　　　　 兄貴の腕をひきちぎったってのは
　＼ヽ 　 L　　 　 　 　 ,／
　　　 ゝ 　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　分かったけど…
　　／ 　 /


　　　　　　 ,. ─- ､,,.＿__
　 　 　 ,ｲ〃　 　 　 　 　 ｀ヽ,__
.　　　N. {'　　　　　　　　　　 　 ＼
.　　N. {　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.　 N.ヽ｀　　　　　　　　　　　　　　　〉
　 N.ヽ｀　 　 　 　 ,.ｨｲ从　　 　 　 /
.　 ヾミ.＿__-‐=彡'ノﾉﾉ__,ゞミ=-_rく
　　　　lrf´ゞ“ﾓ=ヾｰf =ﾓﾁ＜}rv^i !
　　　　ヾﾄ、｀￣,り「弋! ￣´ノ　ソ
　　 　 　 !　￣　 ii{_,.　 ￣　　/r'´
　　 　 　 ,ゝ、　 ｉｰ-ー､　　, '　|＼
　　-‐''7´　ドヽ. ｀ニﾆ´ .／;;　 |　 ヾ''ｰ-　　　　　　　　　　 どうして、このような暴挙に出たんだ？
　　　 /　　 ﾄ､　` ｰ-- ´　,;'　,ｲ　　:|
.　　 /　　　:ト､` ｰ-､ r--‐_'´/　　　|　　　　　　　　　　　　 現代語訳を見てもまるで訳が分からんぞ
　　/　_,..､-‐＼ ￣! ﾚ' 厂　/へ、　 :|
　　T´　ヽ＼l.0| 　 V / 　 / /　 ＼　|

　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　 　 _,.ノ　⌒
　　　　　　　　　　|　　 　（ ー）（ー）
　　　　　　　　　　.|　　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　|_,-‐、_ -、
　　　　　　　　　　.人､　　 　　 厂丶,丶　v　〉
　　　　　　　 _,／::::ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ　　　　　　　　　　　　　　　どこの何が分からないんだ？
　_, ､ -― ''"...:::::::::＼::::::::::::::::::::(　　　　〔"ﾆ‐-、
/.::::::: ':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　 ／⌒ヽ:::::: )
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　',::::|
:::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈　:::::::::::::::... ',::i
:::::::::::::::!::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　::::::::::::::::::. ',


　　　　　　　　　 　 　 　 　 /′　⌒¨¨´　-=ﾆﾆﾆﾆ=-　 ｀　 ､
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾄ　｛〔/　-=ﾆﾆ=-　　 　 　 　 　 -=-　＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 }∧{=-　　-=ﾆ=- 　 -=ﾆﾆﾆ=- 　 　 　 ∧
　　　 　 　 　 　 　 　 L乂=-　 -=-　　-=ﾆニ/ﾘLﾆﾆﾆﾆ=-　　　∧
　　　　　　 　 　 　 　 }乂=-　 -=-　　-=ニ／/彡 7==ミﾆﾆﾆ=-　」_
　　　　　　 　 　 　 　 Ｖﾆ=-　　　-=ﾆニ／／斗fヾ.r==‐‐-　　 //^Y
　　　　　　　　　　　 　 ＼ﾆﾆﾆﾆﾆニ彡 _」「彡 ﾐ　 }｝　 ,　　　Ｙ ∧　}
　　　　　　　　　　　　　 ﾐミﾆﾆﾆ斗f七二」{　｀¨”´ }｝　'′　　　 〉 ） }
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀¨¨^V/〔 （ﾘ:　乂_＿__ノ′　　し 　 /_/_ノ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 乂___〈　 ､. .　 __　　　　　　 　 「　 ∧
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀V/, //^_ ノ_ 二ヽ　　　　　　 |.　 /∧__　　　　　　　　　　　まず、腕を引きちぎられたのはどちらの兄だ？
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 Vu//　V　 　 　 〉　　　　　/　 　 　 >＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼′　　ｰ　__　　　　 　 //,　 　／　　 ＼　　　　　　　　何故、朝夕の食事に出ないだけで腕を引きちぎられた？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　 　 }//　 　 　 ／/ ′／　　　　　 }^ ､_
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　'′ _　 .彡//　／　　　　　　　｝　　　　　 =‐ この『ねぎ教え』とはどういう意味だ？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀ヾ¨´////// ／　　　　　　 　 /｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　_V/////／　 　 　 　 　 　 / .｝　　　　　　　 何故、天皇は命令しておいて恐れる？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　}///// ^＼　　　　　　　/　/
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　〕V// 　 　 ＼.　　　　 /　'′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／/ ／⌒ } o__ノ　／　＼　　 /
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／　/ '　＼（/　 　 ／　　　　ヽ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　 ′　　　′　／ 　 　 　 　 ^′
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　 　 　 　 　 {

　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _.,ノ　ヽ､,_　　＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 (＝ ) (＝ )　　　|
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　　　　　　　　　　　　　　　　 '､　　　　　　　 |　　　____ 　,.-、ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 ,,.　-ｰ|　　　 　　 　 |ヽ__∠___ゝ」　r'
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　　　　　　　　　　　　 l :::::::::::::::::ヽ__､____,.　":::/:::〔／　　　 l:::. ヽ
　　　　　　　　　　　　」 ::::l:::::::::::::::「二二::::／ :::::::ﾄ､ y　　　|::::::. ',　　　　　　　　　　　　ハハ、一気に来たな
　　　　　　　　　　　　l ::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　　　　l:::::::: i
　　　　　　　　　　　/ :::::;;:ｰミ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､＿ ノ L::::|
　　　　　　　　　　/ :::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く:::::::::::::::: i::|
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　　　　　　　　　　　　　　　 　 `ミz､:::r─‐`ミ＜／イ＞─≦＝ミi＞イ7/ !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈ヒi{　〈__(C)__〕iﾆ!{＜__(C)__.〕 }イ　l/〈} l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾏﾑ　u　:::::::〈:ﾉ!八ヽ:::::::::::　　,! 　　_ソ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 V!＼＿ ,,.イ:ﾉ::: _＼＿＿__ノ　u /_ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｀， u　 :::::::::Y:''　::::::::: 　 　 　 / |
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ‘,　　　 ┬_─‐__､　　 u　　/　.!
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　‘. 　 　 ー──┘ 　 　 .ｲ 　 |　　　　　　　　　　見たままの感想だ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 i＼　　::::::::::::　　　　／:: 　　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／} :::＼　　　　 　 ／　.::　 　 |　＼　　　　　　　　これでは何が何だか、訳が分からん！
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　_／　,ﾊ　::　 ー── ´ 　 .::　.: 　 |
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,. ィ／　　/ .:;　　　　　　　　 　.:　 .: 　　|
　　　　　　　　　　 　 ,.．　' ´　／　 　 /　 :;　　　　　　　 　 　 .::: 　　 |

　　　　 {　ﾊ/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　 {　 .|V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::, vv､:::::ﾄ､::::::::::::ハ
　 　 Vﾊ}:::::::::::::::::::::::::::;.イVV ,､　　V.　V}ハ/1:!
.　　　ヽ:::::::::::::::::;ｨv'W　　　 /::::^ﾍvﾍ ト､　　ﾘ::{
.　　＼_ヽ::::::::::::::{　　　 !､/ﾘ:::::::::::::::::::｀:::::｀^^::::|
.　　 ､＼::::::::::::::::lﾊ,ｲW::::::::::::／}＼_::::::::::;，Y⌒V
.　　　｀ミｰ:::::::::::::::::::::::::::::／ｲ___　　,＞;１:::/ﾊ ∧　　
.　　　　　｀ー-r―┬イ＝=x::::::, ＜'´ 　 ^´〉 /　'._
　 　 　 　 　　 Vlﾙﾘ^Vヽ 　 }Y　　　　　　レ'　　 V＼　　　　　　　　　　　　　　　この文章は何かの暗号か…？
　 　 　 　 　　　｀イ!.　ゝ.}＿ﾘ' u　　　　　l　　　　 } :| ＼
　　　　　 　 　 　 ゝx- ､＿　　　　　J　,ｲ　　　　/　|　　>ー---x､　　　　　　　　のす…のストら…ノストラダムスなのか…？
　 　 　 　　 　　　　　＼ー-'　　　　 ／　　　　 /　 .|　 /! ｜　｜ ＼
　　　　　　　　　　　　　人＿＿,　ィ　　　　　／ | 　 | ./|　 |　　|　　| ＼
　　 　　　　　　　　, イ 　 /|　ﾊ　　　　　 ／| 　.| 　 |/ .|　 |　　|　　|　　|＼
　　　　　　 　, イ 　 |　,ｲ| |　,ﾘ　　　 , イ　 |　 .|　 /　 |　　|　　|　　|　　|　}＼


　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　-　￣￣｀　- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ｰ､　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　, -､　　　　 ヽ､＿　　　　 ﾊ
　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾉ!o　}　　!､_　　　　　　　　　',
　　　　　　　　　　　　　　/　＞　　　 ｏ｀ー--　　　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　{ /　　　　ヽー- ＿　　＿　　　!
　　　　　　　　　　　　　　ヽ｀ー〈　　 }　 　　 イ´　　ヽ　ｊ
　　　　　　　　　　　　　　　＞､　 ー'　　　 （　 , イ⌒ヽ' |
　　　　　　　　　　　　　　 <　 ７ヽー-ァー-ヾ/　　　　.ﾊi
　　　　　 ｒ='ﾍ　　　　　　／ヽ!:::{　<´　　　 ハo　　　　　i　　　　　　　　　　　この文章は酷いお
　　　　　 ∨l∧　　　　 ノ　 / 7::｀->　 ／　 　 ｊ　　 　 /
　　　　　　 ∨l∧　　_/ ｊ　/　/:;':::〈-イ　　 　 〈　　　 ..|　　　　　　　　　　　　ラノベのが読みやすいお
　　　　　　　,イ )ﾍ}-'　/　ｊ　/:::;:r´　　　　　 　 !　　　...|
　　　　　　　!　⌒)ﾍ　　ノ　/:::::;/　　　　　　　　}　　　..|
　　　　　　　ヽ　´ノﾍ／　 /::::::/　 　　　　　ヾ　/　　　 |

　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼､　　__/ヽ､ __
　　　　　　　　　　　　　_＿,.-‐:｀:￣: :|: : : : : ￣:`:‐:‐-､_
　　　　　　　　 ,.-‐"￣: : : : : : : : : : :/|｀ヽ: : : : : : : : : : : :｀ヽ､_
　　　　　　　／-‐´￣＞: : : :; : : :/::/ | 　 |: :|､: : : |:､:: : : : :､:/:::＼＿
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　　　　　　　　 　 ｊ: : : : ::/: : :/|:/__,　　　　ヽ|､__ヽ::|: ::ｊ: : ﾄ､: :|::/｀;ヽ::ｊ
　　　　　 　 　 　 |: ｉ: : :::|: : :ャﾃｵﾁ　　　　ｵﾁﾃヤ7∨: : |::|: ::|::::||:::::|~
　　 　 　 　 　 　 |:.:ｊ: : :::ｊ: : /弋:汐　　　　 弋z:汐 ' V: : ｊ:::|::/:::::||:::::|　　　　　　　　　んーそういえば
　　 　 　 　 　 　 |/|: ::::::ﾊ:/ `-‐'"　 ,　　　 `‐- '"　 V :/:::||::::::::||:::::|
　　　　 　 　 　 　 | |:::::::::::::ﾊ　　　　　　　　　　　　　 ∨）:::||::::::::||:::::|　　　　　　　　　確か、この腕を引きちぎられた兄って
　　　　　　　 　 　 | .ヽ:::::::/:λ 　 　 r-‐‐-､　　　　,.ｒ-:':::/||::::::::ｊ|:::::ｊ
　　　 　 　 　 　 　 ￣~|∨::/:::|` ｰ- _￣￣_ -‐τ´::::: : /|:ｉ::￣::|~￣　　　　　　　　　 大碓命じゃなかったっけ？
　　　　　　　　　　　　　|::|::/:::::|　　,ｨ'゛ｊ￣ ﾄﾍ_　 |:::::/: :/ |:|:::::::::|
　　　　　　　　　　　　　|::|/:::::ｉ:|_ノ､ｊ　|　　/ / .ヽ|::/:: :/　|:|:::::::::|


　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ああ、一般的にはそう言われている
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l

　　　　 　 　 　 　,.ィ´: : : ;ｧ. . . : : : : : : ::ヽ､: : : : : : : : : : :. . . . . .ヽ､: : : : :;ﾒ;;ﾌ;;;;;;｀ヽ
　　　　　 　 　 ／"´￣／. . . . . . . . :;|: : :/|ﾍ : : : : : . . . . . . . . . . ,..ヽ､:／;;;;;;;ﾍ::＼;;;;
　　 　 　 　 　 　 　 ／. .／. ::/: : : :;ｨ|: :;/ |　∨: : ; : : : : : : |:::: : :∧: ::ﾍ;;;;;;;;;;;;;;;;;＼: :
　 　 　 　 　 　 　 /. . .:/: :::::/: : : :/　|:.:|　|　　∨::|＼: : : : ::|:::::::（__;）:: :ﾊ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〉:
　　　　　　 　 　 /: : ::/: :::::/::ヽ､:/ 　 |::|　|　　 ∨:|　 ＼／::ﾄ､:::::::: : : : : :|;;;;;;;;;;;;;;／:: :
　 　 　 　 　 　 /: : :/: : :::/: : : :/＼　 |:|　|　　　∨　 ／ ＼:| ∨::::::: .: : : :|;;;;;;;／:: : : :
　　　　　 　 　 j: : :/: : :::::ｊ: : :.:/＿__＼|ｊ　 !　　 　 ／_＿＿__　∨::: : :;ﾍ::.|;／::: : : : : :
　　 　 　 　 　 |: :/|: : :::::::|: : ::ｧ=ｧ==ｫ､ヽ　ヽヽ,／ｬｧ==ｫ==ｧ 　 ∨::/､;;ﾚ'::::::: : : : : : :
　　　　　　　　 |/　|: ::::::/|: :;八弋ｚ;ｸ ,　　　　　　 弋:z;ｸ　ﾉ　　 ﾘV´｀}:::::::::: : : : : :/::
　　　　　　　　　 　 |: ::/{ |:::ﾊ　　ｰ‐ '　　　　 　 　 ｀ｰ-‐ ´　　 　 .ｲ ,ﾉ::::: : : : : : :/:::::
　　　　　　　　　　　|:.::{::ヽV_,}　　　　　　　　　　　　l | |l ｉ!　　 ,r-‐'´:::::: : : : : : :/::::::::
　　　　　　　　　　　ヽ:|: ::::::::::l､　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／ |::|:::::: : : : : : : :/:::::::::::
　　　　　　　　　　　　 |: : ::::::::::ヽ、　　ｒ-‐──‐-､　　　イ　　 |:ｊ::::: : : : : : : :/:::::::::::::　　　　　　　　一般的には…？
　　　　　　　　　　　　 |: : :::::::::::::::::｀＞V_＿＿＿_,,}＜´ / 　 　 ﾘ::::: : : : : : :/::::::::::::::::
　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : :::::::::::／　　　|｀￣~´ ‐-─/　　　　j:::: : : : : : :/:::::::::::::::::::　　　　　　　　どういう意味よ
　　　　　　　　　　　　　|: : : :::::::/　　　　 |　　　　　 ／　　　　,ﾉ:: : : : : : :/ヽ、::::::::::::::
　　　　　　　 　 　 　 　 |: : : :::/＼＼　　 |　　 　 ／　　　　／ﾉ: : : : : :.:/ィ´ハ:::::::::::::


.　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 _______
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 ＼,-、__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_,ノ 　｀⌒　ヽ.,__　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　(● ) （● ） ,.! ┴-'、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 (___人___）　〉-‐‐´　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　　　 u 〉--‐´　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　iヽｿ　 　l　　　　　　　　　　　　　　　だって、本文中には大碓命の腕をもいだとは
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Λ　　　　　　∧｀;"　　 '、
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 __,. ｨ仏 ___、___ ｨ_ノﾍヽ、 _,.‐ｰ、_　　　　　　　　　　　　一言も書かれていないからな
　　　　　　　　　　　　　　_,. -= '''　.:::::::}:::::::::::::::::::::::／::::::::>´..:::::::.. ヽ｀.､
　　　　　　　　　　　　ノ´ ...::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈 :::::::::::::::...＼::ヽ　　　　　　　　 断定はできない
　　　　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ::::::::::::::::::.. ヽ:}

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　だが、一般的に言われるなら
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､　　　　　　　　　　　何か根拠となる前後の文章があるんじゃないのか？
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／_,ノ 　｀⌒　＼
　　　　　　　　　　　　　　　-、　　　　　　　　　 |　(● ). (● )　 |
　　　　　　　　　　　　　　ﾔ　 ',　　　　　　 　 　 |　.(___人___） 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　i. 　l　　　　 ,.-､　　　| 　 ｀ ⌒ ´　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 ',　 j　　　/　/ 　 　 .|　　　　 　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　そうだな
　　　　　　　　　　　　　 　 ノ＿..ヽ-､′,' 　 　 　 ',　　　　　　,/'|、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .l .＿＿_　ヽﾉ　　　 __ .j '.、__ , ___ ｨ／::L＿　　　　　　　　　　　　　まずは、そこから紐解くとしよう
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ｙ　　　　　）ﾊ.‐ ' ´ ..::ヽ::::::::::::::::::::::::::／:::::::...｀' ｰ- ､ _
　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ. ￣￣ 〕y::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..＼
　　　　　　　　　　　　　　 ハヽ 一ﾆｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: r;;;;;:::::::: ',
　　　　　　　　　　　　　 /...::::::;;;;;;;;;;; /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ;;;;;::::::::::::::〉

　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 この小碓命が登場する前段において
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、　　　　　　　　　　　　　　　　 大碓命が先に『古事記』の文章に登場している
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _　　　　　　　　　その場面を紹介しよう
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　 　 .|
　　　　 　 　 　 　　　　　　　　 　 　 　 '､ 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　　　 　　　　|
　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　 ,. -ｰ._i-､_　　　　　/l、
　　　　　　　　　　　　　　　　　／...::::::{. i_ {_γ､__ ∠ノ::.}- 、＿
　 　 　 　　　 　　　　　　　　 ./:::::r/::::{. i_ l_ i_ {::::::::::::／::::::::::::::::..＼　　　　　　　　　　　ま、これに関しては解釈の揺れは少ないから
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /.:::::::::::::::} .i _i　l_ {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　/.:::::::::ﾉ::::::r "~'ヽj_ {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ',　　　　　　　　 ＶＴＲを作成させてもらったから
　　　　　　　　　　　　　　/.:::::::::::>ｰ、j.‐-　 /　{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: }
　　　　　　　　　　　　　/.::::::::::::::トヽ、⌒ γ　　i::::::::::::::::::::::::,':::::::::::::::::::: i　　　　　　　　 ま、見てくれ
　　　　　　　　　　　　/.::::::::::::::::::l::::::::ゝ､　{　　　ｿヽ、:::::::::::::::} :::::::::::::::::: i
　　　　　　　　　　　/.::::::::::::::::::::::l:::::::::::::｀ト、__／::/:::.＼::::::::::::i :::::::::::::::::: i
　　　　 　 　 　 　 /｀-::::::::::::::::::/l::::::::::::::::::｀,ー::::::::::::::::::::..ヽ::::::i ::::::::::::::::: i
　　　　　　　　　 / .::::::::::::::::::::/　l::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::..、::::::::::::::::::::: i

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―大碓命の不実―
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/


: ／: : ／: : : : : : : : : : : : ／: : : : /: ／　　　 |: : : : l: : : ／: : : : : l
/: : : /: : : : : : : : : : : ,: ´: : : : : :/ /｀ヾ､､　　|: : : /: :／｀ヽ､: : : : |
: : : ,: : : : : : : : : : :／: : : : : `メ｀ ‐-､　ヾ!.､ |: :／:／: : : : : 冫､: :.|
: : : ,: : : : : : : : : : ': : : : : : :／/ ヽ.i_ﾉ`　　,i´': :／l: : : : : : :/ 　l: :.l
: : : l: : : : : : : : /　/: : : ／/ /　　　　　　／／: : :l: : : : : / 　　|: l
: : : : : : : : : : : : : ,l: : : / ./ /　　　　　／／l : : : : |: : : :/　　　l/
: : l: : : : : : : : : : /|: : /　 l |　　　　　/, '　　 ＼ : : l: : :l　　　ノ'
: : : : : : : : : : : /　|: l　　 |l　　　　　 l　　＿　　＼: :l: :l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾑｽﾒ
: : : l: : : : : : : / 　 | l　　 .|　　　　　　　´ , -‐' ´: : :ﾍ|　　　　　　　　　　　　　「景行天皇は美濃の国が祖、大根王の女、兄比売、弟比売の二人の乙女を
: : : :l: : : : : .l　　　l|　　　　　　　_　-‐ ､_l: : : : : : : : : l
: : : : l: : : : : |　　　 ゝ　／, -‐　´￣二´ ＼: : : : : : : :ﾍ　　　　　　　　　　　　　その容姿が美しいと聞き召し上げようとお思いになられた」
: : : : : l: : : : |ゝ.　　　　ヾ　　　　 　/´: : : : ｀丶､: : : : : :＼
: : : : : : : : : : : : : ￣ : ｀丶 ,ﾍ　　 /: : : : : : : : : : ) ､: : : : : :ヽ
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ::＼/ : : : : : : : : ／: : :）: : : : : ﾉ

　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／ 　 ／　／　 ／　 }へ、 ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 / 　 ／　／　 ／　 '⌒{へ ヽ 　'
　　　　　　　　　　　　　　//　/　　/　 , / /　　 i iﾚ1 }　',　 ',
　　　　　　 　 　 　 　 　 i/　/　　/　 // / 　,′{ ｢！| |　 　ﾊ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 }　{′　.′ // ,′ /　ハ{　} ! !　 i ｉ }
　　　 　 　 　 　 　 　 　 { ｉ l　　|　 //_/i　/／　 　 ﾉｨ |　 { ｉ |
　　　　　　　　　　　　　 以 ! !　{ i/厶｣ {メ'、 ,ィf'二__j }　 i 抖
　　　　　　　　　　　　　　 ｉ | }i　! 比{斗`　 { 　 弌ｆ灯}　, /,〈′
　　　　　　　　　　　　　 ,.ｲ |从 以　　　　　|　　　 　/ ///＼＼　　　　　　　　　　　　　 「そこで、その使者として大碓命を指名し美濃の国に向かわせた」
　　　　　　　　　　 　 ／ ヘj i 　i '.　　　　　}　　　 ノ //ｲ　　 ヽ.ヽ、
　　　　　　　　 　　 //　　　}」i　i　',　　＿＿＿_ 　 }ｲ! ! {　　　　ヽ ヽ
　　　　　　　　　　 { {　　　　 }∧!　ﾄ､　　ー一　　 .ｲﾉﾉl/　　　　　 }　}
　　　　　　　　　　 ﾄ ﾍ　　　 　 f⌒{　＼　　　　／　}'⌒i　　　　　/　,1
　　　　　　　　　　 l Ｖ∧　 　 ｢1　 ヽ､_ ＞－＜ _／　　}　　　　/　,ｨ ｌ
　　　　　　　　　　 |　 v∧　__jハ、　 /　,′　ヽ ヽ.　 　ハ､_,　/　 ﾑl |
　　　　　　　　　　 | ∧.v∧　 ﾄ､　　/　/　　 　 }　 ',　/　 }　V　 /　{｜
　　　　　　　　＿__,}′/ }　}　 ヽ.ヽ/　/　　　　　　　V　 /　 .′ﾊ 　! {ヽ、
──‐… "´ 　／/　/ 　 v∧ 　 v　 ′　　_,　 　　　}　 　 /　/　i　{　＼}｀　…──‐‐
────‐‐ｲ　/　/ 　 　 v }＼ {　{ 　 　 (__,)　　 i .i　　.ｲ　/　　'、ヽ、 {‐─────‐


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ‐"´￣ ヽ／ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 　　　,.　,'"'´　　／￣ メ ｀ヽ ＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／／　　　／/　　　/| , -､ 　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　　　／　/　　　∧|/ヽ　ヽ　 ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /〃　　 /　　/　/〃 |ヽ| ∧ハ ∧　ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　「しかし、その遣わした大碓命は、召し上げる事を辞めて
　　　　　　　　　　　　　　 / ,' / / /　　/〃/ | l　「｀ﾞ￣ｊ ハ ∧｀ }
　　　　　　　　　　　 　 　,'　'/　l　l　　/〃/　|/l　{ 　 　ｊ　ハ　∨}　　　　　　　　　　　　　　　　 二人を自らの妻にしてしまった」
　　　　　　　　 　 　 　 　|　|l　 |　|　〃/ｲ |　|　|八 _ ,,. 孑＜ｌ |l　}ﾆ ‐ ､
　　　　　　　　　　　　　　Ⅵ　/|　ｌフ/干〒ミﾐ､ﾝ/イｧ元タｲ l| |l ﾘ::::｀ヽ､＼
　　　　　　　　　　　　　　　∨l |　∨|ゼ芹ﾃ､　　!　 ｀￣ 　| //ﾚ′:::::::::::＼ヽ
　　　　　　　　　　 　 　　／ノ| |ヽ＼＼ 　 　　　 l　　 　　ノｲ/::::::::::::::::::::::::ﾊ }
　　　　　　　　　　　　　//::::::::＼ミ＼｀ヽ 　 　 　 i 　 　 　ｶ{｛::::::::::::::::::::::::::/ﾘ
　　　　　　 　 　 　 　 //::::::::::::::::｀Yfﾍ）ﾉ 　 　 　 ' 　　　 / ﾊ!::::::::::::::::::::::://
　　　　　　　　　　　　| ｌ::::::::::::::::::::::乂ﾊ＼ 　‐=二. -＾´./ |ﾘ:::::::::::::::::::::::://
　　　　　　　　　　　　|〔::::::::::::::::::::::::::::｀',　｀ヽ.　　　　 /　_|r‐､::::::::::::::,.ｲノ,′　　　　　　　　　　　　　なんと美しい、私の妻に相応しい
　　　　　　　　　　　　| l::::::::::::::::::::::::／ヌ,＿_　ヽ--‐'_r'"´　 く:::::::::;.ｲ／:::|
　　　　　　 　 　 　 　 | l::::::::::::::::::::_冫-/ r└‐ア´　/:|:. _二-┴／／::/|:::!　　　　　　　　　　　　　　しかし、父に贈りつける女がいなければ怪しまれるな…
　　　　　　　　　　 　　|l l:::::::::::::::::/ {. /　/:.:／:/　 :{:/／　　　/ ,〈:::::::| |:::{
　　　　　　　　　　　　 |::l l:::::::::::;/　 V　/: ´　/　　.:|′___ 　 / /:::::::::::{ {:::;≧､__
　　　　　　　　　　　　,,|::::l l:::rイ人 /{　{:　　/　　　:|￣　_　/ /::∧:::::: ∨{ ､ _ ￣"''‐-　､､,,＿
　,,..､､､ 　 --─'''''"´　]:::}}Ⅳ ハ / 　 ｛:.　/　 　 　:|~￣　/ /:::::Vﾍ:::::::::/丶 ､,,_｀ " '''' …‐ - ￣ ニ ﾆ＝ヽ

　　　　　　　　　-‐　　　　 ‐-
　　　　　 ／　　　　　　　　　 　 ＼
　　　　 /　　　　　-‐　 ニ　‐-　 ､{　　 　 　 　 ＿,.-----_､ _
　 　 　 ヽ　／,　　´　　　　　　 ｀丶、　　　　　　＞ *⌒_´-*｀ヽミ
　　 　 　 〈／　,.　 -‐　　￢=-　. 　 ＼　　　∠ -一'⌒ ｰ-ヘ、　ヽ、`rｎ
　　　　 ／　／ 　 丶 　 ｀ヽ　　Ｖ＾ヽ. ∧　／　　　　　　　　 　 ヽ ＊＼}ｿ
　　　 <　　　　 ヽ　　＼ヽ　 ヽ　 Ｖヽ ヽ 〉',　/ ／／／,　 　 　 　 ト､_　 Y
　 　 　 〉' /　ﾊヽ ＼丶ヽｘ 'i´ } 、}　ﾊ / / / 〃/／／／ｲ　i　i　 !　 ｝　〈
　　　 / / i　i＾!l｀ヽ、ヽく >ﾍ}=匀!ﾊ　 }{,ｲ /! 仏ﾑ∠ィ／_ﾉ_/}　li　i!　｛　l　｝
　　　ハ{　l　ｌriT匸_｀ ｰ'＾'^vｔ:J} } ﾊ ,ハ{ {￤i升くx.'´ ／ムｲ｢「lトハ　｝＋｛_,
　 　 | ハ ヽ !!fく｛!い　 　 　 ¨’//丿￤lﾊｌﾍ.jパ;J` 　 ノｵｉ¨}fﾇｉｧ 丿丿 l　 ｝　|
　　　!{ ヽヽ､ヾ!＼`~’ ＇ ヽ___）// ハﾊj! ヽゞﾐ_ ｀　､　　 ヾ='／／／｝､l /｛ i　l
　　 　 　 ＼ >ド=ｰ- 　(__ノ　 .ィノ,.ｲﾉﾉ　{ ＊ ﾉｉﾄ､(__ノ､__)∠,ﾆ イ　｛ -　‐ ｝l　!
　　　　　　　＞ 弋ｔヘｆ≧ｰ__‐'Y__ﾑ'_　 ｝､l /!仏ﾑY_,ﾆ,ヽ‐'ｽ　i　l i　 ｝/lヽ｛ l　!　　　　　　　　　　　 「大碓命は他の女を見繕い、父の元に奉ったが…」
　　　　　　/ 　 　 Ｌぃ{{＿,ｒ介く__}ﾊ ｀｛ /l ｙ｢/〉　/-｀’ |_彡'`ｰ !｣__｛　　　｝l　!
　　　　 ／　　 / 　 { ｌ 厂　l! 〉ﾄ､ (.!.Ｌ、｝V /ﾉj　/二　　ﾄ､｀}　(　rﾍ〉｝　l ｛ l　!
　　　／　 　 / / ,ﾊ ぃ）　 ∥い〉ヾｰぃ｛/ （ !ﾉ　ヽ){　　 Ｆデ'　「/｣　 ｛｀＊ ｝!i l
　 ／　　　 / /i /　! {,ﾊ　　lj　} ぃ　　ﾞy′ﾉ,り　 _,厶_rｚ｣´〉　 ﾉ!/　 　 l｝　 ｛_ｌ l
rく　　　　/ /　ｉ′￤ ヽ!┐　　]_ハ　/ 　 ｆﾉ｣　　ヽ入__,ﾙ久 rリj 　 　 卜、 　 ｝!、
ヽ ＼　 /⌒}'　ｌ　　i ｉ　 ヽ）_,､,.__｝ﾄ〉'　 _/ﾑ! 　 　 /ﾌ¨´／　Ｙ/ﾉ　　 　 ! i ヽ＼ヾ i
　} 　 `'′　｀T「｀ヽ!ﾊr～ﾍヱZIﾆ〈　　_〉i［　　　 ,小 　 　 　 し'　　　　 {｜ ｛｀ヽ,｝ｉi
　`ｰ-‐'⌒ー┤Ｖ／`⌒Ｘri＜ﾌ¨〉/＼}ィｔ三乙､_j/,ｲ〉　Ｖ　　|′　 　 　 〉! ｉ ｝､l ｛ !i___





: ／: : ／: : : : : : : : : : : : ／: : : : /: ／　　　 |: : : : l: : : ／: : : : : l
/: : : /: : : : : : : : : : : ,: ´: : : : : :/ /｀ヾ､､　　|: : : /: :／｀ヽ､: : : : |
: : : ,: : : : : : : : : : :／: : : : : `メ｀ ‐-､　ヾ!.､ |: :／:／: : : : : 冫､: :.|　　　　　　　 「天皇はその女が噂の兄比売と弟比売でないことに気付かれており
: : : ,: : : : : : : : : : ': : : : : : :／/ ヽ.i_ﾉ`　　,i´': :／l: : : : : : :/ 　l: :.l
: : : l: : : : : : : : /　/: : : ／/ /　　　　　　／／: : :l: : : : : / 　　|: l　　　　　　　　　その二人はお召にならず、添い寝することもなかった」
: : : : : : : : : : : : : ,l: : : / ./ /　　　　　／／l : : : : |: : : :/　　　l/
: : l: : : : : : : : : : /|: : /　 l |　　　　　/, '　　 ＼ : : l: : :l　　　ノ'
: : : : : : : : : : : /　|: l　　 |l　　　　　 l　　＿　　＼: :l: :l
: : : l: : : : : : : / 　 | l　　 .|　　　　　　　´ , -‐' ´: : :ﾍ|
: : : :l: : : : : .l　　　l|　　　　　　　_　-‐ ､_l: : : : : : : : : l　　　　　　　　　　　　　　　　　むぅ、これは私の求める娘ではないィ
: : : : l: : : : : |　　　 ゝ　／, -‐　´￣二´ ＼: : : : : : : :ﾍ
: : : : : l: : : : |ゝ.　　　　ヾ　　　　 　/´: : : : ｀丶､: : : : : :＼
: : : : : : : : : : : : : ￣ : ｀丶 ,ﾍ　　 /: : : : : : : : : : ) ､: : : : : :ヽ
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ::＼/ : : : : : : : : ／: : :）: : : : : ﾉ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―大碓命の不実―
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ほう…
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　父の妾に手を出したのか
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　 　 　 ｀　､
　　　　　　　　　　 　 　 , '　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 / ヽ、　　　　　_,.． -- 　 ﾞ .
　　　　　　　　　　 　 /　 ＿｀__　　　　 ＿＿ 　 　 ,
　 　 　 　 　 　 　 　 ′　￣￣ 　 　 　 ￣￣　　　 ，
　　 　 　 　 　 　 　 {　 "'　 　 　 　 　 　 　 ､､ ∪　}
.　　　　　　　　　　　　､　　 　 ゝ-‐ ｰ- '　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　＿> ､　　　 　 　 　 　 　 ／
　 　 　 　 　 　 　 　 ∨/r v'´ ヽ　_　　「/7,＜
　　　　　　　　　　　／V,l / ＼　V　　 」/////〉　　　　　　　　　　　　 だから、大碓命の腕を引きちぎってこいって
.　　　 　 　 　 　 ,.ｲ //Y〈_　　 ヽ.〉　く//////__
　 　 　 　 　 　 /.:.|///ゝ､ ｀ヽ.／ f⌒o 7¨´／//}　　　　　　　　　　　 景行天皇は命令したのかお？
　 　 　 　 　 　 >､:ヽ／　` ｀Y ! 　_! [`__'7´////,j
.　　　　　　__ / 　 〉′j　.ｲ /} } / _/　∨//////,|
　　　　　/ f´ |　ト､｀　､ゞ / { {//　　　У//////|
.　　　　 {　l　 |　|　 ｀　ー'‐ =　Tl _　 〈/＞z/_∧,|
　　　　　ヽﾞ.､ |　|　　　　　 二　l | 　 ｀ﾞ｀　＜/_/_j
.　 　 　 　 　 ` ┘^ 　． 　 二 //　　　　　 /　￣
　　　　　　　 　 　 　 　 ｀　＜ {.{ ､　＿_　ノ

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　　__ ,. _彡'ﾉﾘ _,.ゝ、　 |　　　
　　　｀ゝf‐ゞﾞujヾ二r^ｧｕj＜ y=ﾚヽ.　
.　　　 |fjl、　￣.ﾘj＾ヾ.) ￣ 　ﾉ ﾚ ﾘ 　
　　　　ヾl.`ｰ- べ!ﾞ‐ ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　
　　　　　 l　 　 f,.ﾆﾆﾆヽ　u　/:|　　
　　　　 　 ﾄ､　 ヽ.＿_.丿　 ,ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　そうとしか考えられんな
　　　　　_亅::ヽ、 ー 　 ／　i　:ﾄ､　　
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l　　　　
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　けど、腕を引きちぎる程の事かお？
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ　　　　　　　　　　 ん…
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　　　　　　 確かに、既に子宝には恵まれている訳だし
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　 妾の一人や二人ぐらいでその仕打ちか…
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　 　　　　 |
　　 　＼　　__　　／
　　 　＿　（ｍ）　＿
　　 　　　　|ミ|
　　 　 ／ 　｀´　 ＼
　 　　　＿＿＿_
　　　／⌒　　⌒＼　　　　ﾁｰﾝ!
　 ／（ ●） 　（●）＼
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
|　　　　　|r┬-|　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　 ま、かなりの淫蕩な天皇だったってことで
/　　　　　`ー'´　　　 　 ∩ノ ⊃
(　＼　 　 　 　 　 　 　／＿ノ　　　　　　　　　　　　　　　ＦＡかお
.＼　“　　＿＿＿＿ノ　 ／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　 　 .|
　　　　 　 　 　 　　　　　　　　 　 　 　 '､ 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　　　 　　　　|
　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　 ,. -ｰ._i-､_　　　　　/l、
　　　　　　　　　　　　　　　　　／...::::::{. i_ {_γ､__ ∠ノ::.}- 、＿
　 　 　 　　　 　　　　　　　　 ./:::::r/::::{. i_ l_ i_ {::::::::::::／::::::::::::::::..＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /.:::::::::::::::} .i _i　l_ {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ヽ　　　　　　　　いや…それは違うだろ
　　　　　　　　　　　　　　　/.:::::::::ﾉ::::::r "~'ヽj_ {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ',
　　　　　　　　　　　　　　/.:::::::::::>ｰ、j.‐-　 /　{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: }
　　　　　　　　　　　　　/.::::::::::::::トヽ、⌒ γ　　i::::::::::::::::::::::::,':::::::::::::::::::: i
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　　　　　　　　　 ,. . -: :‐.-:.':':":.:/ヽ￢‐-. .,_
　　　 　 　 ,. :_',:. ,-‐': : : : : : : : :|: : : : :､、: : ｀: .､
　　　　 ,.:'‐'" ／　　 　 　 　 !: /l: : : : :.ヾ:､: : : : :ヽ
　　　／ ,,,;;; '　. . : : : : /: : ::,!: l　l: : !、: : V':,: : : ヽ:ヽ-,,､
　　　r';;;;;,.'. :/:,:': :/: :./:_;,;_/l:.:ｌ　 l: :.l､V_:_:.V'; : : : :V:ト､;;;;,､
　　　ヾ;/: :,ｨ:/: :/: : :j'": :/｀!:j　　∨:i`＾:､:｀:V!: : : : :V!;;ヾ;;;;;〉
　　　,,;;':./;//: :.i: : : :ｌ: :./　 !:!　　　V:!｀、＼:.'li: : : : : :{;;;;;;;V
　　　Y:/;;;;!i: : :j: : : :j: :ﾑ,,,_ |!.　　　 ヾ! ヽ_,,.＼!: : : :!､:i;;;;;;;;;;,
　　　,':ﾍ;;;;!!: : :|: : : ﾊﾔ'''j‐-ﾄ､　　　　 ィっ￢ﾃ{: : : !;;i.l;;;;;／
　 　 {'　 ヾ!.:.:.ﾊ: : :ﾊ{j |:;'し' |　　　　　 r:'し' ;!ハ: :.ﾊ;;;ﾘ'"
　　　　　　}::::l: :l: :.l＾l、ヾ､_ﾉi　 　 　 　 ! ､_ﾉ'　,'i: :,': ": !
　　　　 　 |j::l: : |ｉ:.トコ　´￣　　　'　　　￣｀　,'_,l:/: : :!:.!
　　　　 　 |:V: : :!:､|:::::ﾄ､ 　 　 　 c　　　　　,/::::'゛: : : !:|
　　　 /ﾞi . |j: : : ::l: .:.::::l! ｀丶　、　　,.,. - ''"!;::::::j!::: : : !:!　　　　　　　　　 そうよね
　　　.|　|　||: : :.:::|i: : ::::l　 ,ノi´,! 　 人jヽ、,!:::: :.l!::: : : :!!
　 ,r￢　!､ ﾞ|: : ::::j::i: : : :l" 　 lﾞ　　　　j.　 ,'::: : :l:|:::: : : :{　　　　　　　　　　別の娘には手も出さなかったのよね
./　| r￢　! l: : ::::i::;}!: : : l　　 l´ ￣ ｀:l　 ,': : : :l>!:::: : l:.|
{_ヽ_ﾞj７　 ,! |: : ::;l'' ﾍ: : : :!、　 !　 　 ,′/: : : ;'"ﾍ:::: : |:|
　ﾞ、　　 /　,ﾚ ''゛　　ﾍ: : :|､＼ .! 　 ,' ,.ｲ: : : :/゛　ヾ: :.l:|
　　l　　 l　/　 　 　 ﾞ､ﾍ: :.l､＼`j　/'",.:'!: : :/v'　　 ヾﾐj

　　　　　　　　　 ,..-──v'⌒ヽ
　　　　　　 ＿／:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.厂｀ー―ｧ
.　　 　 ／〈::::/:∨:.:.:.:/::.:.:.:/:./:ヽ:.:.:.:＜
　　 　〈::::::::Y::::/:.:.:.:.ナﾅメ|:/ヽ:.:}:.:ﾄ:.＼＞
　　　　ヽ:::/:::/:.:.:,ｨ-|∠_　ﾘ　 |:ｽ:.:|:.:.:. |
　　　 　 〉-ｒ(|:.:./ `ﾄ{:r「　　 ｲﾃﾁ:.:|:.ﾄ:.:|
.　　　　 |:.:.:|:.|:/_ 　´￣　　　ﾋ!ﾉ∧|.:「リ
.　　　　 |:.:.:|:.:.:.:.:ト､ 　 ｒｧ　 　ﾉ:|:.リ
.　 　 　 |:.:.:ﾄ､:.:.:.Ｋ:} 　 ｒ‐ ｒイ:l:.|:.:|　　　　　　　　　　　　　　　　寧ろ、潔白な人だったのね
.　 　 　 !:.:.:|__}:.:.:|::::＼_,,>､:＼:l.:|:.:|
　　　　 |:.:/　ヽ:.:.ヽ::::::ヽ　|::::::}:/:/　　　　　　　　　　　　　　　　 ヤマトタケルを死地に追いやる無道な天皇って
　 　 　 ∨　　 ヽ:.:.:l＼:::ヽ|:::/|:./
　　　　/ 　　.|　 ヽ::ヽ ＼ |∧l:.{　　 r‐ｒこつ　　　　　　　　　　　イメージだったけど、ちょっと見直したかも
.　　　/ 　 ヽ ﾚく　ヽ:.:ト-ｨ　r'＞'⌒「　|＿ ⌒⊃、
.　 　 {　　　　ﾄ､::}､ ﾄ:.|／　　＼　　|　 ヽ:::厂￣´
　　　 ＼　　　　＼ |:.:| 　 ∧　 } 　 ヽ-イ´


　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 ま、景行天皇の人物像に関して
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___　　　　　　　　　　　　　　　ここで一つ押さえておいて欲しいポイントだな
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l

　　　　　　　, -‐―- ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , - ― - ､
　　　　　 ／:: :: :: ＼ヽヽ､　　　　　 .／￣￣ ＼　　　　　 ／/:: :: :: :: :: ::ヽ
　　　　　 .|:: :: :: :: :: ::ヽ､:: ヽ､　　 ／__,.ノ　ヽ､,_ ＼　　,-/:: i:/::／⌒:: :: :: ::|
　　　　　　v:: :: :: :: :: l:|Y⌒ ､｀、 ｌ　( ＝ ）（ ＝ )　ｌ-'´:: l:: /::l '´:: :: :: :: :: ::/
　　　　　　 v:: :: :: :: ::l::ヾ:: :: |:: :: :l.　 （___人___）　 .|:: :: :: 〉ﾚ´:: :: :: :: :: :: ::/
　　　　　　　l:: :: :: :: ::|:: ∧:: ::l:: :: ｌ　　 ｀ ⌒ ´　'J |:::::::::::Sﾚ‐i:: :: :: :: :: ::/
　　　　　　　 v:::lヽ:: ::|::l:: ::｀ヾ＿　i　　　　　　　　 |;;-っ´:: :: |:: i:: :: :/:: /
　　　　　　　　ｌ::|;;ｌ:: ::|:::!:: :: :/:.ヾ =',　　　　　　　/L,／´ヽ:: :: ::l::|::/:: :/
　　　　　　　　 ';!::ｌ:: ::|:: :: ::/:. :.,,＞》'ヽ､.＿,＿／:::ゞ ヾ､　ヽ;; :: |::ｌ:: :/
　　　　　　　　　';:: ::ｌ:: :::/:. :.ヽ'´:.i｀ヽ:. ニ二ニ :.／ :. :. ｖ:. :. l::|:: :: :/　　　　　　　よく、ヤマトタケルを悲劇の英雄として取り上げる際に
　　　　　　　　　　i:: :::ｌ:: /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :!::l::l:: :/
　　　　　　　　　　∨:::|::/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. v:ｌ::/　　　　　　　　 彼を死地に出征させる景行天皇を酷薄な人間だと評する流れが
　　　　　　　　　　　|;: :ﾚiヽ､:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. |､/
　　　　　　　　　　　∨ ｌ :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: Y　　　　　　　　　 言ってしまえば主流で、どこの注釈書でもそんな感じに評価されているんだが
　　　　　　　　　　　 ヽ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::|


.　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 _______
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 ＼,-、__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_,ノ 　｀⌒　ヽ.,__　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　(● ) （● ） ,.! ┴-'、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 (___人___）　〉-‐‐´　l　　　　　　　　　　 俺はハッキリ言って、それは違うと思っている
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　　　 u 〉--‐´　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　iヽｿ　 　l　　　　　　 　　　　景行天皇は無道で狭量な天皇ではなく
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Λ　　　　　　∧｀;"　　 '、
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 __,. ｨ仏 ___、___ ｨ_ノﾍヽ、 _,.‐ｰ、_　　　　　　　　武力で解決する旧世代との違い
　　　　　　　　　　　　　　_,. -= '''　.:::::::}:::::::::::::::::::::::／::::::::>´..:::::::.. ヽ｀.､
　　　　　　　　　　　　ノ´ ...::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈 :::::::::::::::...＼::ヽ　　　　　文治主義をとった天皇だと思っている
　　　　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ::::::::::::::::::.. ヽ:}

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　　　 文治主義？
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　 その一例がこの美濃の国の娘を妻に娶るって事からも見えてくるんだ
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_　　　　　　　　　この婚姻にはただの女性関係以上の意味合いがあるんだよ
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　　　─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　　　　 おおう？
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　　　　（___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　|_,-‐、　　／ ⌒）
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .人､　　 　　 厂丶,丶,丶´ ／￣　　　　　　　　　　 地方豪族の祖霊・国魂に斎く妹・娘などが天皇に奉献されるのは
　　　　　　　　　　　　　　　_,／( ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ
　　　　　　　　_, ､ -― ''"::::::::::::＼:::::::::::::::::::::(　　　　<"ﾆ‐-、　　　　　　　　　　　　その女達に着けて豪族が自分たちの祖霊・国魂を天皇に献じ
　　　　　　　/::::::::::':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　 ／⌒ヽ::::::: )
　　　　　　丿:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　',:::::|　　　　　　　　　　　 服属を誓うためという説がある
　　　　　i .:::::::::::::::::::::|;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 〈　::::::::::::::... ',::.
　　　　/ ..::::::::::::::::::::::!;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::＼:::::::::::::::;;;ﾊ　::::::::::::::::::.. ',

　　　　　　　　　 ,..-──v'⌒ヽ
　　　　　　 ＿／:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.厂｀ー―ｧ
.　　 　 ／〈::::/:∨:.:.:.:/::.:.:.:/:./:ヽ:.:.:.:＜
　　 　〈::::::::Y::::/:.:.:.:.ナﾅメ|:/ヽ:.:}:.:ﾄ:.＼＞
　　　　ヽ:::/:::/:.:.:,ｨ-|∠_　ﾘ　 |:ｽ:.:|:.:.:. |
　　　 　 〉-ｒ(|:.:./ `ﾄ{:r「　　 ｲﾃﾁ:.:|:.ﾄ:.:|
.　　　　 |:.:.:|:.|:/_ 　´￣　　　ﾋ!ﾉ∧|.:「リ
.　　　　 |:.:.:|:.:.:.:.:ト､ 　 ｒｧ　 　ﾉ:|:.リ
.　 　 　 |:.:.:ﾄ､:.:.:.Ｋ:} 　 ｒ‐ ｒイ:l:.|:.:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　つまり、その土地の巫女的な女性と結婚することによって
.　 　 　 !:.:.:|__}:.:.:|::::＼_,,>､:＼:l.:|:.:|
　　　　 |:.:/　ヽ:.:.ヽ::::::ヽ　|::::::}:/:/　　　　　　　　　　　　　　　　　　その地の神を支配するってこと？
　 　 　 ∨　　 ヽ:.:.:l＼:::ヽ|:::/|:./
　　　　/ 　　.|　 ヽ::ヽ ＼ |∧l:.{　　 r‐ｒこつ
.　　　/ 　 ヽ ﾚく　ヽ:.:ト-ｨ　r'＞'⌒「　|＿ ⌒⊃、
.　 　 {　　　　ﾄ､::}､ ﾄ:.|／　　＼　　|　 ヽ:::厂￣´
　　　 ＼　　　　＼ |:.:| 　 ∧　 } 　 ヽ-イ´


　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　 　 _,.ノ　⌒
　　　　　　　　　　|　　 　（ ー）（ー）
　　　　　　　　　　.|　　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　|_,-‐、_ -、　　　　　　　　　　 そうなるな
　　　　　　　　　　.人､　　 　　 厂丶,丶　v　〉
　　　　　　　 _,／::::ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ　　　　　　　　　　　つまりは、景行天皇は他国の支配の手段に
　_, ､ -― ''"...:::::::::＼::::::::::::::::::::(　　　　〔"ﾆ‐-、
/.::::::: ':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　 ／⌒ヽ:::::: )　　　　　　　　　武力だけを用いてはいないんだ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　',::::|
:::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈　:::::::::::::::... ',::i
:::::::::::::::!::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　::::::::::::::::::. ',

　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　その天皇に奉献されるべき女を寝取った大碓命の行為は
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、　　　　　　　　　　　　　　 天皇が一身に集中させ付着すべき国魂を横領したことで
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _　　　　　　 彼の意思の有無にかかわらず、王権簒奪の指向を意味する事になるんだ
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　　　　　　　　　成程、だから
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　　朝夕の食事に出て来ない理由にもなる訳だな
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　　　 ,..-──v'⌒ヽ
　　　　　　 ＿／:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.厂｀ー―ｧ
.　　 　 ／〈::::/:∨:.:.:.:/::.:.:.:/:./:ヽ:.:.:.:＜
　　 　〈::::::::Y::::/:.:.:.:.ナﾅメ|:/ヽ:.:}:.:ﾄ:.＼＞
　　　　ヽ:::/:::/:.:.:,ｨ-|∠_　ﾘ　 |:ｽ:.:|:.:.:. |
　　　 　 〉-ｒ(|:.:./ `ﾄ{:r「　　 ｲﾃﾁ:.:|:.ﾄ:.:|
.　　　　 |:.:.:|:.|:/_ 　´￣　　　ﾋ!ﾉ∧|.:「リ
.　　　　 |:.:.:|:.:.:.:.:ト､ 　 ｒｧ　 　ﾉ:|:.リ
.　 　 　 |:.:.:ﾄ､:.:.:.Ｋ:} 　 ｒ‐ ｒイ:l:.|:.:|
.　 　 　 !:.:.:|__}:.:.:|::::＼_,,>､:＼:l.:|:.:|　　　　　　　　　　　　　　　　確かに、親を騙してる訳だし
　　　　 |:.:/　ヽ:.:.ヽ::::::ヽ　|::::::}:/:/
　 　 　 ∨　　 ヽ:.:.:l＼:::ヽ|:::/|:./　　　　　　　　　　　　　　　　　後ろめたくて顔も見せられないわよね
　　　　/ 　　.|　 ヽ::ヽ ＼ |∧l:.{　　 r‐ｒこつ
.　　　/ 　 ヽ ﾚく　ヽ:.:ト-ｨ　r'＞'⌒「　|＿ ⌒⊃、
.　 　 {　　　　ﾄ､::}､ ﾄ:.|／　　＼　　|　 ヽ:::厂￣´
　　　 ＼　　　　＼ |:.:| 　 ∧　 } 　 ヽ-イ´


　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　.-´　　　｀｀ヽ
　　　　　　　　　　 ／ ⌒　　　　　 ｀ヽ
　　　　　　 　　／　　　　　 　　｀ヽ 　ヽ
　　　　（（　　 /　（●）　　 　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　|::⌒（__　　 （● ）　　　　　|　　　　　　　　　　　　 それが天皇にはばれてるんだし
　　　　　　　　ヽ 　 人__） ⌒::::　　　　　 |
　　　　 　　　　 ヽ（__ン　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　腕を引きちぎられても
　　　　　　　　　人　　　　　　　　　　　/　　| |
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　＿ノ　　ノﾉ　　　　　　　　　　　文句は言えないってことかお
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |

　　.ﾄ│|、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |
.　{､l ､ﾄ! ＼　　　　　　　 　 　 /　　 　 ,ﾍ　　　　　　 　 　 　 　 　 |
　 i. ﾞ､ iヽ　　　　　　　　　　／　 /　　/　ヽ　　　　　　　　　　　　│
.　 ｌヽﾐ ゝ`‐､_　　　＿_,. ‐´　 ／　 ,.ｲ　　 ＼　ヽ　　　 　 　 　 　 |
　　`‐､ヽ.ゝ、_　　　　＿,,.. ‐'´　 ／/l , ‐'´, ‐'`‐､＼　　　　　　　 |
　　ヽ､.三 ﾐﾆ､＿ ＿＿＿ _,. ‐'´／/-─==＝＝=-､ヾ 　 　 　 ／ヽ
　　　　　　　 ,.‐'´　`''‐- ､._ヽ 　 /.i　∠,. -─;==:- ､ゝ‐;----//　ヾ.､
　　　　　　　[　|､!　 /'￣r'bゝ}二. {`´ '´＿_ （_Y_）,. |.r-'‐┬‐l l⌒　| }
　　　　　　　 ﾞl |｀}　..:ヽ--ﾞ‐´ﾘ￣ヽd､　''''　 ￣￣　 |l　　　!ﾆ! !⌒ //
.　　　　　　 　 i.! l .:::::　　 　 ｿ;;:..　 ヽ､._　　　　　_,ノ'　　　　　ゞ）ノ./
　　　　　　　　 ｀ ｰ＝=--‐'´(__,. 　 ..、　￣￣￣　　　　　　i／‐'／
　　　　　　　　　 i　　　　 　 .:::ﾄ､ ￣ ´　　　　　　　　　　　 l､_／::|
　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:　 　 |　　　　　　　　　　　　　だが、そうなると何か変じゃないか？
　　　　 　 　 　 　 ヽ　　　　　ｰ‐==:ﾆﾆﾆ⊃　　　　　 　 　 !::　　　ト､
　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　､＿＿,,.. 　 　 　 　 　 　 /:;;:　　　.!; ＼
　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　 ::::::::::: 　 　 　 　 　 ／:::;;::　　／


　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 何がだお？
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　　__ ,. _彡'ﾉﾘ _,.ゝ、　 |　　　
　　　｀ゝf‐ゞﾞujヾ二r^ｧｕj＜ y=ﾚヽ.　
.　　　 |fjl、　￣.ﾘj＾ヾ.) ￣ 　ﾉ ﾚ ﾘ 　
　　　　ヾl.`ｰ- べ!ﾞ‐ ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　
　　　　　 l　 　 f,.ﾆﾆﾆヽ　u　/:|　　
　　　　 　 ﾄ､　 ヽ.＿_.丿　 ,ｲ　|　　　　　　　　　　　　　 腕を引きちぎるのが当然の報いならばその報告を受けて
　　　　　_亅::ヽ、 ー 　 ／　i　:ﾄ､　　
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､　　　　　　　　　 何故、天皇は小碓命を恐れるんだ？
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l　　　　
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /



　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　 　 　 ｀　､
　　　　　　　　　　 　 　 , '　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 / ヽ、　　　　　_,.． -- 　 ﾞ .
　　　　　　　　　　 　 /　 ＿｀__　　　　 ＿＿ 　 　 ,
　 　 　 　 　 　 　 　 ′　￣￣ 　 　 　 ￣￣　　　 ，
　　 　 　 　 　 　 　 {　 "'　 　 　 　 　 　 　 ､､ ∪　}
.　　　　　　　　　　　　､　　 　 ゝ-‐ ｰ- '　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　＿> ､　　　 　 　 　 　 　 ／
　 　 　 　 　 　 　 　 ∨/r v'´ ヽ　_　　「/7,＜
　　　　　　　　　　　／V,l / ＼　V　　 」/////〉　　　　　　　　　　　　　　　　 おおう？
.　　　 　 　 　 　 ,.ｲ //Y〈_　　 ヽ.〉　く//////__
　 　 　 　 　 　 /.:.|///ゝ､ ｀ヽ.／ f⌒o 7¨´／//}　　　　　　　　　　　　　　　随分とメルヒェンな天皇だお…
　 　 　 　 　 　 >､:ヽ／　` ｀Y ! 　_! [`__'7´////,j
.　　　　　　__ / 　 〉′j　.ｲ /} } / _/　∨//////,|　　　　　　　　　　　　　　　『大逆罪は死刑』、ってのが普通じゃないのかお？

　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　´￣￣￣￣ ｀　 、
　　　　　　　 , ‐､_,-､. 　 　 ／　　　　　　　　　 　 　 ＼
　　　　　　r.ｲ .　　　 ﾄ.、.,.:′　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ
　　　　　　ヽ　　　　　/ /　、　　　　,　　　　、　　　　　　 ',
　　　　　　　}　　　 ノ　,′　￣￣￣ 　 　 　 ｀￣￣￣　　.i
　　　 　 　 .,′ 　 ,′ .l　弋●￣ ﾉ　　　　 弋●￣　ﾌ 　 |
　　　　　　/　 　 .;'　　:|.　　ヽ― '　　　　　　 ヽー―′　 .!
　　 　 　 ,'　　 　 i　　 .l　　　　 　 ,　　　　　　 ,　　　　　 .,′
　　　 　 .i　 　 　 |　_..,∧　　　　　ゝ-r‐^ｰ‐r‐'　　　　__./ 〉　　　　　　　　　　　　　　　 で、どうなんだお
　　　　 ,ｲ　　　　.}ト,Y.:.:.:丶　　　 　 └―‐┘　 　 ／.:::／￣ ｀ヽ
　　　 ./｜ 　 .:　 ||::}:l::::::::::::::}≧. 　＿＿＿＿_　／.:::／ { 　 　 　 ',　　　　　　　　　　　 やらない夫
　　　〈　　　　l::　 〉ｌ|:|:::::::::::.＼::::.＼　　 　 　 ／.:::／_.:::∧_　　　　,!
　　　 }､　 　 ﾉ:　/::ﾘｊ'::::::::::::::::..＼::::.ヽ.＿＿.;:〉-イ´ /　イ:.. 　 　 ｲ=ﾍ
　　　ﾘ∧　　　.ｲ/:/.::::::::::;::::::::::::::r＞ﾐ三三'/＼　＼／ヽ.｀ ー＝彡ﾍ_〉


　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　 そうだな…
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_　　　　　　　　　 そう、思い出してほしいんだが
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !　　　　　　　この前にも話したタギシミミの反乱は覚えているか？
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　　　　　　　　 ああ
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　 覚えている
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　ほぼ、未遂の段階でも
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___　　　　　　　　　　　タギシミミは征伐されている、だろ？
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　　__ ,. _彡'ﾉﾘ _,.ゝ、　 |　　　
　　　｀ゝf‐ゞﾞujヾ二r^ｧｕj＜ y=ﾚヽ.　
.　　　 |fjl、　￣.ﾘj＾ヾ.) ￣ 　ﾉ ﾚ ﾘ 　
　　　　ヾl.`ｰ- べ!ﾞ‐ ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　
　　　　　 l　 　 f,.ﾆﾆﾆヽ　u　/:|　　
　　　　 　 ﾄ､　 ヽ.＿_.丿　 ,ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　　　 そういえば…
　　　　　_亅::ヽ、 ー 　 ／　i　:ﾄ､　　
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､　　　　　　　　　　　　 そうだな
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l　　　　
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　　　　他にもヤマトタケルが登場する話までの
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_　　　　　　　　　　　　前時代の天皇の事績の中には
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !　　　　　　　　　 反乱を起こした族を征伐したという記述はあるし
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !

　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　 　 _,.ノ　⌒
　　　　　　　　　　|　　 　（ ー）（ー）
　　　　　　　　　　.|　　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　|_,-‐、_ -、
　　　　　　　　　　.人､　　 　　 厂丶,丶　v　〉　　　　　　　　　　　　　　　そのいずれもが
　　　　　　　 _,／::::ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ
　_, ､ -― ''"...:::::::::＼::::::::::::::::::::(　　　　〔"ﾆ‐-、　　　　　　　　　　　　　 タギシミミ同様にちゃんと始末されているぞ
/.::::::: ':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　 ／⌒ヽ:::::: )
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　',::::|
:::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈　:::::::::::::::... ',::i
:::::::::::::::!::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　::::::::::::::::::. ',


　　　　　　／￣二ﾆ= 、　　　　 ＿_, --―=＝ﾆ二≧.＿_
.　　　 　 / ／　　 ､　　＼　　／/ ｽ､　　 -=○≠‐ゝ,-‐　｀ヽ
　　　　　ﾚ'/　　　ヽ＼＼　`< .ｲ /　-‐=≠ﾆ二＿　/￣ ｀ 　 }
　　　　　ﾚ'　 , -‐ 　ﾊﾊ　ﾄ､　':. ｜-‐　_,.=ｧﾃ从:.　（_､￣｀　　'.
　　　　　|　 // /／　 ｜lｉ ﾄ､,(］ |.ｨ=彡'／ﾙ'‐-ﾊﾄ､ヽヽ　　　　＞―=ｧ‐―--
　　　　　|/// /　　　 | l 川ﾄ､ｿ ﾙ'.:://(　 行㍉ヽ ﾉﾊ_;ﾊ　　_/　　ｒ‐'　　￣
　　　　　|//　　 　 　 | l' ﾑィ斗くﾊ:l八　　 ｀ﾆ=　 （ｆﾊﾘ:j:;>く.{　 ノl＼
　　　　　|/　　　　　　| ﾄ､::::V人ゞ ﾘ　 　 　 　 　 _､〉/:イ　　 ＼ﾆ{ ヽ＼
　　　　　'　　 　 　 　 | |',ﾊ::::）ﾉﾉﾌ′ 　 　 ＿_ ､_ ´/人ゝ　　　 ｀ヽヽ＼＼
　　　　 ,　　　　 　 　 | |'i 川'((.:/　　　 　 ´　￢｀ /　　　　　　　　 ＼ ｰ==ﾐヽ
　　　　 |　　　　　　　 , ﾘ/{/￣￣｀ヽ＼　　　　　/　　 　 　 　 　 　 　 ー=､ ヽ
　　　　 |　　　　　　　,'　//　　　　 //lﾄ.＼＿ ..ｨ＿　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　 |　　　　　　 ,　//l＼ー-=//　|　＼_|_,ﾍ　∧ｰ‐≠ﾆﾌ￣￣￣　ﾌ77ｱ广
　　　　 |　　　 　 　 l　l/ |ヽ ＼ //､__,l｀ヽ　　 ﾉ}/ ハｰ-=ﾆ、　　 　 ／ // /／
　　　　 | 　 　 　 　 l　; /|　 ＼{{　 ｰ-=二ﾆ=-く'_/＿}ｰ-､ 　ヽ＿／ /// /'　　　　　　　　　　　　 始末…ね
　　　　 |　　　　　 　 /,　|　　　ヽ　　　＼＼　　爪　　　　 ＼ {　 |　/// /
　　　　｜　　　　　l //　|i　　　　',　　　　　 ＼{ l,ハ　　　 　 ';i　 |'/// /　　　　　　　　　　　　　　王権の裏には血の歴史って奴だ
.　 　 　 l　　　　　///　 ||　　　　 ',　 l　　　 　 ＼ヽ}　　　　　ﾊ　|'// / 　 　 ／
　　　 　 .　　　　//ｲ i　l||　　　 　 ヽ. l　　　　 　 　 |￣￣￣｢' | l|i/ /　　 ／
　　 　 　 ',　　 ／ 八ﾊ ｌ||　　　　　　 ＼　　　　　　 |　 　 　 |　| l|　　　／

　　　　　　　　：　ィ´￣￣ ｀ヽ ：
　　　　　　　　 　ー-''　 ヽ､__ヽ
　　　　　　： /　(　　)　　（　 ）　ヽ
　　　　　　　{　|i|T(＿人＿)　u 　}
　　　　　　　!　　u　　|--|　　　　/ ：　　　　　　　　　　　　　　あー
　　　　　　： 丶.　 　 |＿j　 ＿ノ
　　　　　　　　 ゝ　 ー‐　　ヽ　：　　　　　　　　　　　　　　　　井戸の底、井戸の底…
　　　　　 　 ： /　　　　　　　 ',
　　　　　　　 /　　　　　　　　 ',


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　　　　　　　じゃあ、その大逆の罪を犯した
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　大碓命の処罰を目的とした命令ならば
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､　　　　　　　　　その仕置きの内容を恐れる事はまずないだろう
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　 ,. ─- ､,,.＿__
　 　 　 ,ｲ〃　 　 　 　 　 ｀ヽ,__
.　　　N. {'　　　　　　　　　　 　 ＼
.　　N. {　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.　 N.ヽ｀　　　　　　　　　　　　　　　〉
　 N.ヽ｀　 　 　 　 ,.ｨｲ从　　 　 　 /
.　 ヾミ.＿__-‐=彡'ノﾉﾉ__,ゞミ=-_rく
　　　　lrf´ゞ“ﾓ=ヾｰf =ﾓﾁ＜}rv^i !
　　　　ヾﾄ、｀￣,り「弋! ￣´ノ　ソ
　　 　 　 !　￣　 ii{_,.　 ￣　　/r'´
　　 　 　 ,ゝ、　 ｉｰ-ー､　　, '　|＼　　　　　　　　　　　　　　 だとすると…この時に腕を引きちぎられた兄は
　　-‐''7´　ドヽ. ｀ニﾆ´ .／;;　 |　 ヾ''ｰ-
　　　 /　　 ﾄ､　` ｰ-- ´　,;'　,ｲ　　:|　　　　　　　　　　　　　 大碓命ではないという可能性も…
.　　 /　　　:ト､` ｰ-､ r--‐_'´/　　　|
　　/　_,..､-‐＼ ￣! ﾚ' 厂　/へ、　 :|
　　T´　ヽ＼l.0| 　 V / 　 / /　 ＼　|


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　 　 .|
　　　　 　 　 　 　　　　　　　　 　 　 　 '､ 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　　　 　　　　|
　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　 ,. -ｰ._i-､_　　　　　/l、
　　　　　　　　　　　　　　　　　／...::::::{. i_ {_γ､__ ∠ノ::.}- 、＿
　 　 　 　　　 　　　　　　　　 ./:::::r/::::{. i_ l_ i_ {::::::::::::／::::::::::::::::..＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /.:::::::::::::::} .i _i　l_ {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ヽ　　　　　　　　　　ま、無くは無い
　　　　　　　　　　　　　　　/.:::::::::ﾉ::::::r "~'ヽj_ {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ',
　　　　　　　　　　　　　　/.:::::::::::>ｰ、j.‐-　 /　{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: }　　　　　　　　　殆ど問題にもならない可能性だがな
　　　　　　　　　　　　　/.::::::::::::::トヽ、⌒ γ　　i::::::::::::::::::::::::,':::::::::::::::::::: i
　　　　　　　　　　　　/.::::::::::::::::::l::::::::ゝ､　{　　　ｿヽ、:::::::::::::::} :::::::::::::::::: i
　　　　　　　　　　　/.::::::::::::::::::::::l:::::::::::::｀ト、__／::/:::.＼::::::::::::i :::::::::::::::::: i
　　　　 　 　 　 　 /｀-::::::::::::::::::/l::::::::::::::::::｀,ー::::::::::::::::::::..ヽ::::::i ::::::::::::::::: i
　　　　　　　　　 / .::::::::::::::::::::/　l::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::..、::::::::::::::::::::: i

　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ま、今の所は妻を横取りしたのが後ろめたくて
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 朝夕の食事に出て来れないであろう
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___　　　　　　　　　　　　　　　　　　大碓命と仮定して話を進めることにする
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l


　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　 さて…大碓命から別の女を献上され
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_　　　　　　　　　　騙され、それを知っている天皇は小碓命に対して
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !　　　　　　　 『ねぎし教え覚せ』という命令を下している
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !

　　　　　　　　　 ,..-──v'⌒ヽ
　　　　　　 ＿／:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.厂｀ー―ｧ
.　　 　 ／〈::::/:∨:.:.:.:/::.:.:.:/:./:ヽ:.:.:.:＜
　　 　〈::::::::Y::::/:.:.:.:.ナﾅメ|:/ヽ:.:}:.:ﾄ:.＼＞
　　　　ヽ:::/:::/:.:.:,ｨ-|∠_　ﾘ　 |:ｽ:.:|:.:.:. |
　　　 　 〉-ｒ(|:.:./ `ﾄ{:r「　　 ｲﾃﾁ:.:|:.ﾄ:.:|
.　　　　 |:.:.:|:.|:/_ 　´￣　　　ﾋ!ﾉ∧|.:「リ
.　　　　 |:.:.:|:.:.:.:.:ト､ 　 ｒｧ　 　ﾉ:|:.リ
.　 　 　 |:.:.:ﾄ､:.:.:.Ｋ:} 　 ｒ‐ ｒイ:l:.|:.:|
.　 　 　 !:.:.:|__}:.:.:|::::＼_,,>､:＼:l.:|:.:|
　　　　 |:.:/　ヽ:.:.ヽ::::::ヽ　|::::::}:/:/　　　　　　　　　　　　　　そういえば、そこの『』部分の意味は
　 　 　 ∨　　 ヽ:.:.:l＼:::ヽ|:::/|:./
　　　　/ 　　.|　 ヽ::ヽ ＼ |∧l:.{　　 r‐ｒこつ　　　　　　　　 現代語訳でもそのまま放置してたわよね
.　　　/ 　 ヽ ﾚく　ヽ:.:ト-ｨ　r'＞'⌒「　|＿ ⌒⊃、
.　 　 {　　　　ﾄ､::}､ ﾄ:.|／　　＼　　|　 ヽ:::厂￣´
　　　 ＼　　　　＼ |:.:| 　 ∧　 } 　 ヽ-イ´


　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　　　　　 わからなかったのかお？
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　 　　 　 ｜　 　.（ ●）（●）
.　　　 　　 　 　 　 ｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　 　　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 .|　　　　　 　　|
　　　 　 　 　　 　　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　　　 ,. -ｰｰ -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
　　／..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: く'、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ま、そんな所だな
.　｛ :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ､_
　 '| ::::::::::::::::::::::..｀、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ
　　'| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ
　　 ﾄ､:::/ ／￣｀` ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
　　 `,ﾍ ´:::::::::::::::::. ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rｰ'､
　　　 }:,∨ :::::::::::::::::: ﾄ､:::::::::::::::::::::::::＞＜￣＼::..＼
.　　　 }:::∨::::::::::::::::､-''ﾞ~￣￣￣￣:::::::::...＼　ム:::::ヽ
　　 　 l::::∨ :::: ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.､／...:::::::::ヽ}
　　　　{::::::＼,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／"￣:::::::::::::::::::::::::ﾉ


　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　-　￣￣｀　- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ｰ､　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　, -､　　　　 ヽ､＿　　　　 ﾊ
　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾉ!o　}　　!､_　　　　　　　　　',
　　　　　　　　　　　　　　/　＞　　　 ｏ｀ー--　　　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　{ /　　　　ヽー- ＿　　＿　　　!
　　　　　　　　　　　　　　ヽ｀ー〈　　 }　 　　 イ´　　ヽ　ｊ
　　　　　　　　　　　　　　　＞､　 ー'　　　 （　 , イ⌒ヽ' |
　　　　　　　　　　　　　　 <　 ７ヽー-ァー-ヾ/　　　　.ﾊi　　　　　　　　　　 もっと調べて来来てほしいお
　　　　　 ｒ='ﾍ　　　　　　／ヽ!:::{　<´　　　 ハo　　　　　i
　　　　　 ∨l∧　　　　 ノ　 / 7::｀->　 ／　 　 ｊ　　 　 /　　　　　　　　　　　ここがわかんないから
　　　　　　 ∨l∧　　_/ ｊ　/　/:;':::〈-イ　　 　 〈　　　 ..|
　　　　　　　,イ )ﾍ}-'　/　ｊ　/:::;:r´　　　　　 　 !　　　...|　　　　　　　　　　　 この話全体が訳わかんなくなってんだお
　　　　　　　!　⌒)ﾍ　　ノ　/:::::;/　　　　　　　　}　　　..|
　　　　　　　ヽ　´ノﾍ／　 /::::::/　 　　　　　ヾ　/　　　 |

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　　　　　　教え覚すってのは字面を見ると
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　なんというか…説得のような雰囲気があるよな
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　 　 　 ｀　､
　　　　　　　　　　 　 　 , '　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 / ヽ、　　　　　_,.． -- 　 ﾞ .
　　　　　　　　　　 　 /　 ＿｀__　　　　 ＿＿ 　 　 ,
　 　 　 　 　 　 　 　 ′　￣￣ 　 　 　 ￣￣　　　 ，
　　 　 　 　 　 　 　 {　 "'　 　 　 　 　 　 　 ､､ ∪　}
.　　　　　　　　　　　　､　　 　 ゝ-‐ ｰ- '　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　＿> ､　　　 　 　 　 　 　 ／
　 　 　 　 　 　 　 　 ∨/r v'´ ヽ　_　　「/7,＜
　　　　　　　　　　　／V,l / ＼　V　　 」/////〉　　　　　　　　　　　　 じゃあ、その説得がどうして
.　　　 　 　 　 　 ,.ｲ //Y〈_　　 ヽ.〉　く//////__
　 　 　 　 　 　 /.:.|///ゝ､ ｀ヽ.／ f⌒o 7¨´／//}　　　　　　　　　　　 腕を引きちぎるにつながるんだお？
　 　 　 　 　 　 >､:ヽ／　` ｀Y ! 　_! [`__'7´////,j
.　　　　　　__ / 　 〉′j　.ｲ /} } / _/　∨//////,|
　　　　　/ f´ |　ト､｀　､ゞ / { {//　　　У//////|
.　　　　 {　l　 |　|　 ｀　ー'‐ =　Tl _　 〈/＞z/_∧,|

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　　じゃあ、ストレートに腕を引きちぎれって命令なのか？
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／　　 　 　＼
　　　／　─　 　 ─　＼
　 ／ -=・=- 　　-=・=-　＼　　　　　　　　　　　あー、どういうことだお？
　 |　 　 　 （__人__）　　U 　|
　 ＼　　 　 ｀ ⌒´ 　　　 ／

　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　 　　 　 ｜　 　.（ ⌒）（⌒）
.　　　 　　 　 　 　 ｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　 　　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 .|　　　　　 　　|
　　　 　 　 　　 　　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　　　 ,. -ｰｰ -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7　　　　　　　　　　　　　　　　　二人とも、落ち着け
　　／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾒ、
　 ｛ :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ､_　　　　　　　　　　　　　　この『ねぎし教え覚せ』という言葉については
　　| ::::::::::::::::::::::..｀、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ
　　'| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ　　　　　　　　　　　 現在でも定説が無くてな
　　 ﾄ､:::/ ／￣｀` ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
　　 `,ﾍ ´:::::::::::::::::. ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rｰ'､
　　　 }:,∨ :::::::::::::::::: ﾄ､:::::::::::::::::::::::::＞＜￣＼::..＼
.　　　 }:::∨::::::::::::::::､-''ﾞ~￣￣￣￣:::::::::...＼　ム:::::ヽ
　　 　 l::::∨ :::: ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.､／...:::::::::ヽ}
　　　　{::::::＼,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／"￣:::::::::::::::::::::::::ﾉ


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 定説が…ない？
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ●) (●）
　　　　　　　　　　｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 .|　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　 　 　　.|､ 　　　　　　|
　　　　 　　 　　 　 [::.ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　_, ､-一 :::"＼　::::::::::::::::7、___
　　　／ .:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ヽ__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そう
　　/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::..＼ __
　 .i :::::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::.. ＼_　　　　　　　　　　　　　　　 色々な説があるが、どれもが万人を納得させられない
　 i ::::::::::::::::::: i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ｀::...､
　 l ::::::::::::j:::::: i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::/::／::::::::::::::::::::::.. ｀ヽ
　 l ::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i::´::::::::::::::::::::::::::／::::::::: l
　 l :::::/::::::::::::ｿ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l＞ｰーｰ-、r-‐:'::::´::::::: l
　 i :::::::::::::::::::〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l　　　　　 l´:／::::::::::::::: ﾉ
　 V .:::::::::::::::: lヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l　　　　　ﾉ .:::::::::::::::::: ／
　　l ::::::::ｰ::::::: |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ､　　　／..::::::::::::::::::: /


　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　　( ⌒) （⌒)
　　　　　　　　　　　　　　　 .|　 　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 ｀ ⌒´ﾉ.
　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　,. --、― --ｰ y:ヽ　　　　　　丿
　　　　　　/　::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::..＼ __ _ r.〉
　　　　　/　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... ＿ ｨ＼
　　　　/／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　ま、こんな説があるんだが…
　　　ノ　..:::::::::::::　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. 丶
　　/　...::::::::::::::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ｀,　　　　　　　　　　　　　　　　どう思う？
　/　..:::::: -、::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.... ｀,
　i　:::::::::::.. -‐-、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　r/ノ::..　`、
　ヽ::::::::::::::::::::..　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　j::::::::::::::::..　ヽ
　　＼::::::::::::::::::::::..　、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::　/ヽ:::::::::::::::::::..　･、
　　　 ＼:::::::::::::::::::::..　＼::::::::::::::::::::::::::::　/ 　 ヽ::::::::::::::::::::::::..　、

┌──────────────────────────────────────────────────┐
│①「ねぎ」の上代における意味の「労わる」「ねぎらう」という意味を卑俗な表現で用いた命令　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（いたぶる意味での『かわいがり』etc）　　 　 │
└──────────────────────────────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿＿
　　　　　　　　　　　. 　 ァ　 -‐‐- ､｀丶、
　　　　　　　　 　 ´_,ノ´ -‐=＝ミ、 ＼ ､ ヽ、
　　　　　　 ／　　 /　　 -‐rf≠ミﾐ､　　 } }　 ､
,　-‐‐…ァ′　 イ　　　⌒　≧込}､}ﾙﾚ' /∠厶
　　　　　{　　/／ 　　　　　　　 -‐ ´　 {=≠=ﾐミ、
　　　　　 ＼{´　　　　　／ ＿＿r'　　 　〉ﾄ弋} 　}
　 -‐‐-　　　､ 　 ／／,　-‐　　　ー ／ ハ｀ーｲ
　　　　　　｀ヽ}〉 { /　厶-‐─‐‐-　､ ⌒ヽ　　　}
　　　 　 　 　 ∨/{　|iﾙ'´￣￣￣｀丶＼　i　 　,
　　　　　　　　 }′　{|K⌒ヽ、＿　　　〉 〉} |　厶_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ムッハッハッハ
　　　　　　　 .ｲ　 　 |ト､＿　　　 ｀ヽくイ　/ /　　_≧x
｀ヽ　　 　 ／ ﾉ　　　ヽー‐--　､__　 ヽ/ / /　／　　 　｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あの、小癪な大碓命をォ！
　　ﾏニｱ─く／{,ィ,イ_ ＞ァ＝≠ミ≧′ /　//　　　 　 　 ',
　　 }／ }.ｲ　}　/ {　{′　（￣/{ ‐-ﾄ､ rfｲ　 { {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ねぎ、教えェ！諭せェ！！
　　/　 /: |　j　{　| /　　　 ヽ{　＼_j　ヽi }　 从　　　　 　 　 }
　 .'　 /: :/ /⌒Y´{　　　　‐┘ 　_ノ 　 从＿／⌒ヽ　　 　 /｀丶、
イ 　/: :/ /⌒Y⌒1　　_　 -‐‐-　_　 ノ个: :{　 ｛　 }　　 ／ .　-=ミ､
:ﾉ , ' : / /　　 l　 └≦三三三三≧､　 |: : :|　 ﾄi　ト-　 ／ 　 　 　 ヽ
／: : / / 　 　 }　　　　 　 ｀ヽ、　　 　 斗: : |　 |:|　| 　 /　　　　　　　 }

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::.::.::.::.:/::.::.::.:／:/::.::.::.::.::.::.:/!::.::.::.::.::ヽ::.::.::.::.::.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.::.::.::.::.::.:/::.::.::〃::./::.::.::.::.::.::./!::!::.::.::.::.::.::.:i::.::.::.::.::.:∧
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 i::.::/::.::.::./::.::.::/::.::/::.::.／::.:／ 八:ヽ::.::.::.::.: |::.::.::.::.::.::.∧
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |::/::.::.::./::.::.::/::.::/::.:〃:::∠-=≦壬ﾊ::.::.::.::/::.::.::.::.::.::.::.∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　 イ::.:i::. /::.::.::/／/::.:/::／/ﾃ‐_＿__　＼::.: /::.::.::.::.::.::.::.::.::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　/::/i: : |:: i::.::.::/＞ {::./::/／ ,ｨ戈::::タ ＞　У::.::.::.::.::.::.::.::.::..: : 〉
　　　　　　　　　 　 　 　 　 /イ::.|::.::|:: |::.::/_＿,」:/{/　　´￣￣￣`　　/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::. /
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 !:/!::. |:: |::.:{代ツ/　　　　　　　　　　 ／::.::.::.::.::.::.::／ 〉::.:::｛
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　|::.:ﾊ: ﾄ从 ￣〈　　　　　　 　 　 ／/::.::.::.::.::.: ／　 ,'::.::. ｲ!
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 !.八::!.ﾊ::.::.ﾄ.､　 ｀　　　　 　 　 ／ ,ｲ:::／::.::.／　　./::. : /八
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼∧:∧　　 ､__＿　　　 　 ／.／:／／　 __／::. ///　 ｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ/ .∧　　!::...........｀ヽ　ー=ﾆ彡 '´　 //::.::.::.::;′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　.ヽ　　　　　　　　　／　　 , ． /::.::.::.:: {　　　　　　　　　　　　　成程、わかりました
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾄ．　　　　　　　　_,,...＜　 ./::.::.::.i::.::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::ﾊ　　　 __ ．.＜　 　 　 .//.ｲ::.::|::.:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/ j:〉.≦!_＿＿__＿＿＿∠⊿!__ !:: 八　　　　　　　　　　　　 （あの語気ならば、その意図するところは殺せ、か）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　/　川┌──┐├─≠──|:|从
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |j/:::::::::::: ││ｨ=v:fj:::::::: |ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |{:::::::::::: : ││⌒}川{⌒: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |!:::::::::::: : ││:::〈〈i i〉〉::::ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ィ:/:::::::::::::: : ││::::::>　<:::::::::::::＞--:......．..._




┌──────────────────────────────────────────────┐
│反証⇒『古事記』成立の時代から使われていたという確証はなく、国史にスラングを記載するとは思えない　　　 │
│　　　　　そして、その行動を起こした小碓命を恐れたという天皇の反応からも不自然である。　　　　　　　　　　.....│
└──────────────────────────────────────────────┘

┌────────────────────────────────────────────────────┐
│②「ねぎ」の上代における意味の「神に対して加護を願う」という意味でどちらが次の天皇に相応しいか決めろという命令　　　...│
└────────────────────────────────────────────────────┘


　　　　／　　　　／´　　　　　　　｀ヾ、　_,　＼
　　 ／　　　　 /　　　　　　　　　　　　∨　　　ヽ
　ノ　,　　　　 /　,.,.,　　＿＿ _　_　　　　　　　　 |
´:::: /　 ,　　　　 //　＿ _　　　　 ｀ヽ、、　　　　 |
:::::: |:::　|;:　　　 /　　　　ヽ｀ニ＝=,　　Yﾉ -‐'´　|
　:::|::::: |;:　　　/　　　　 ‐-',、ニ=、｀ミ i/_-=＝　｝
　＼:::　|::::　　/　　　　　＼ヾ夕ンノ　 ｀´ｒュ｀　/、
　　 ＼::|::::　 ｛ ヽ　　　　　　　　　/　　　|::｀ｿ　| ヽ、.
　　　　＼:::::　ヽ ｀、　　　　　　　,,　　　　|　　　|::　＼＼
　　　　　 ＼::: ヽ　ヾ　　　　　／ ｀￣''::::ノ、　 /::::　　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　そうだなァ…
　　　　　　　　｀丶:::|　　　　　　,＿ ＿ _　 ｀ //::::::　　　＼ ＼
:::　　　　　　ｒ‐´　｀｝ ,　, ,-‐=´-‐― ―ヽ　　/::::::::::　　　 ﾑ、 ＼　　　　　　　　　　　　ひとつ、お前の兄をねぎ教えさとせェ
ヽ::::::　　　〃::::::::::: ｝'i '　　　-‐´　:::::::丶　,、｝::::::::::::r-‐´　ハ　　＼
　　｀ヽ:::::｛::::::::::::::::/└、　　／|　 /＼ i＼l ﾞｲ::::::::〃:::::::::::::　 ヽ　　 ＼
　　　ｒ-‐ヘ::::::::::::ﾉ　、　｀' '´ └┘　 ヽ_ｌヽ /ヽ:::｛: : : : : : : :　ﾉ　　　　冫
　／　　　　ｌ::::::ノ ｒ´｀i　ヽ、　　　　　_　　　 ｌ　　ﾑ、: : : : : : ノ ｒ' ' ´ ｀ヽ

　　　　　　　　　　　　　　, イ::::::::::／::::::::::::::::::::::::::::i::::::;::::::::',::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　 　 　 j::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::i::::::::::',::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　j::::::::::/:::::::::::::::::::;:::::::::::::::::::::i:::::i:::::::::::i::::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　 7::::::::/:::::::::::::::::::/::;:::::::::::::::::::i:::::i:::::::::::i::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　7:::::::7:::::::::::::::::::/::/:::::::::::::::::::i::::::i:::::::::::i::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　 7:i:::::::i:::::::::::::::::::7::7ﾊ::::::::::::::::7:::::i::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　 ,ィi:i.i::::::i:::::::::::::::::7_/i-‐',:i､:::::::7:::::/:::::::::::/⌒',::::::::::::::::iﾔ
　 　 　 　 　 　 　 　 |:ij::::::i:::::::::::::///./　 __',iA:::7::::/::::::::::/ヽ ﾉ/::::::::::7:ﾊ.ﾍ
　 　 　 　 　 　 　 　 |:i !:::::i',::::::::7 i|　 ﾃ弋;;;ｿィ〉:::/:::::::::::/ノ::::/::::::::::::,'.i| ヽ `
　　　　　　　　　　　　ヾ',:::i|ﾍ:::::7　i!　　　￣　/:::/:::::::::::/ ,--'::::::::::::::::i ﾘ
　　　　　　 　 　 　 　 　ヾ:iヽ .､′　　　　　 /:::/:::::::::／ ./　j:::::::::::::::::|　　　　　　　　　　　　分かりました
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ　　　　　ｲ／/／/　　/　7::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　j:ﾊ` ‐-､　　ｲ'"　,　イ　　ﾉ7:::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ′ﾘi',　　　　, .＜　　　　 _7:/ i:iﾆi::::::::i　　　　　　　　　　　 （なるほど、今のうちにどちらが次の天皇に相応しいか決めろというのか）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ- '::::ﾉ!　 __, ...-‐'ニ〃‐'i:iﾍ::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾘﾊ----=i i:::::::::::::::::::::::::::ﾍヾ､:ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿_　 __!::::::::::::i i::::::::::::::::::::::::::::::＞､ヾ､
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::i i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼

┌──────────────────────────────────┐
│⇒兄を打倒し、天皇になろうという野心からの行動。　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　特にこの説に反論する材料を私は見つけられなかったのだが　　　　　　　　　 　 .│
│　この行動を起こしたが故に天皇から遠ざけられていては詮無きことであるし　 　 .│
│　天皇の意図するのは優しく教え諭すという事になる　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
└──────────────────────────────────┘

┌───────────────────────────────────────┐
│③「ねぎ」は「ねぐ」・「ねづ」というねじ切るという言葉に音が近いので小碓命が勘違いした　　....│
└───────────────────────────────────────┘


　　　　／　　　　／´　　　　　　　｀ヾ、　_,　＼
　　 ／　　　　 /　　　　　　　　　　　　∨　　　ヽ
　ノ　,　　　　 /　,.,.,　　＿＿ _　_　　　　　　　　 |
´:::: /　 ,　　　　 //　＿ _　　　　 ｀ヽ、、　　　　 |
:::::: |:::　|;:　　　 /　　　　ヽ｀ニ＝=,　　Yﾉ -‐'´　|
　:::|::::: |;:　　　/　　　　 ‐-',、ニ=、｀ミ i/_-=＝　｝
　＼:::　|::::　　/　　　　　＼ヾ夕ンノ　 ｀´ｒュ｀　/、
　　 ＼::|::::　 ｛ ヽ　　　　　　　　　/　　　|::｀ｿ　| ヽ、.
　　　　＼:::::　ヽ ｀、　　　　　　　,,　　　　|　　　|::　＼＼
　　　　　 ＼::: ヽ　ヾ　　　　　／ ｀￣''::::ノ、　 /::::　　＼＼
　　　　　　　　｀丶:::|　　　　　　,＿ ＿ _　 ｀ //::::::　　　＼ ＼　　　　　　　　　　　　そうだなァ
:::　　　　　　ｒ‐´　｀｝ ,　, ,-‐=´-‐― ―ヽ　　/::::::::::　　　 ﾑ、 ＼
ヽ::::::　　　〃::::::::::: ｝'i '　　　-‐´　:::::::丶　,、｝::::::::::::r-‐´　ハ　　＼　　　　　　　　　ちょっと、お前の兄をォ、ねぎィ、おしェ、さとせェ
　　｀ヽ:::::｛::::::::::::::::/└、　　／|　 /＼ i＼l ﾞｲ::::::::〃:::::::::::::　 ヽ　　 ＼
　　　ｒ-‐ヘ::::::::::::ﾉ　、　｀' '´ └┘　 ヽ_ｌヽ /ヽ:::｛: : : : : : : :　ﾉ　　　　冫
　／　　　　ｌ::::::ノ ｒ´｀i　ヽ、　　　　　_　　　 ｌ　　ﾑ、: : : : : : ノ ｒ' ' ´ ｀ヽ



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　　　　　　　 　 　 　 　 /.ィ.:.:.:| .:.:.:/:.:.〃.:.:/.:.／..:.::.ィ.:.:.:.:!.:.:!
　　　 　 　 　 　 　 　 ノ'´ l.:.:.:.| .:.:/.:∠|..:.:'.:./ .:::／　!.:! ..:|.:.:|
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |, .:.:| .:.l./――|::/.:／r―┤l ..::ﾄ..:|　　　　　　 （何言ってるか聞き取れないな）
　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾉ|l.:∧ .:l ≡≡ {:/　　≡≡V.:.:∧ ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　|l.:.｀ヽ.:.',　　　 　 {.　 　 ７.:.:./　　　　　　　　　（取りあえず、前例にならって殺しておくか）
　　　　　　　　　　　　　　　|ｲ/.:.::ド ､. U 　　′ 　, ′:/
　　　　　　　　　　　　 　 　 从/ﾄ'､　>　 　 ィ　 イ:.:／
　　　　　　　　　　　　　　　／　　 ヽ辷 ≧-＜リﾊ{


┌───────────────────────────────────────┐
│⇒「ねぐ」「ねづ」は上代の他の文献に記載がなく、それより後の時代に発生した語である　　.....│
│　　何とも間抜けな一面を見せるお茶目さんな小碓命を演出……ないか　　　　　　　　　　　　　..│
└───────────────────────────────────────┘

┌──────────────────────────────┐
│③´ならば、その聞き取りにくいのを逆手にとって邪魔者を処分する　 　 .│
└──────────────────────────────┘


　　　　／　　　　／´　　　　　　　｀ヾ、　_,　＼
　　 ／　　　　 /　　　　　　　　　　　　∨　　　ヽ
　ノ　,　　　　 /　,.,.,　　＿＿ _　_　　　　　　　　 |
´:::: /　 ,　　　　 //　＿ _　　　　 ｀ヽ、、　　　　 |
:::::: |:::　|;:　　　 /　　　　ヽ｀ニ＝=,　　Yﾉ -‐'´　|
　:::|::::: |;:　　　/　　　　 ‐-',、ニ=、｀ミ i/_-=＝　｝
　＼:::　|::::　　/　　　　　＼ヾ夕ンノ　 ｀´ｒュ｀　/、
　　 ＼::|::::　 ｛ ヽ　　　　　　　　　/　　　|::｀ｿ　| ヽ、.
　　　　＼:::::　ヽ ｀、　　　　　　　,,　　　　|　　　|::　＼＼
　　　　　 ＼::: ヽ　ヾ　　　　　／ ｀￣''::::ノ、　 /::::　　＼＼
　　　　　　　　｀丶:::|　　　　　　,＿ ＿ _　 ｀ //::::::　　　＼ ＼　　　　　　　　　　　　そうだなァ
:::　　　　　　ｒ‐´　｀｝ ,　, ,-‐=´-‐― ―ヽ　　/::::::::::　　　 ﾑ、 ＼
ヽ::::::　　　〃::::::::::: ｝'i '　　　-‐´　:::::::丶　,、｝::::::::::::r-‐´　ハ　　＼　　　　　　　　　ちょっと、お前の兄をォ、ねぎィ、おしェ、さとせェ
　　｀ヽ:::::｛::::::::::::::::/└、　　／|　 /＼ i＼l ﾞｲ::::::::〃:::::::::::::　 ヽ　　 ＼
　　　ｒ-‐ヘ::::::::::::ﾉ　、　｀' '´ └┘　 ヽ_ｌヽ /ヽ:::｛: : : : : : : :　ﾉ　　　　冫
　／　　　　ｌ::::::ノ ｒ´｀i　ヽ、　　　　　_　　　 ｌ　　ﾑ、: : : : : : ノ ｒ' ' ´ ｀ヽ


　　　　　　　/:.:.:.l　.:.:.:.:.:.:.:.ヽ :.:.: .:l|:.: .:. :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}
　　　　　　 /:.:. :l| :.:.:./||ヽ:.:.:.:｀、: .|:.: .:　.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:|
　　　　　　l:.:.: /l| :.:.:/ l|　 ヾ_＼＼|:.:. : . .:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:l:.:. :.:.:.:.:.:.:.　:. :.:|
　　　　　　{:. /:.:l :.:/､ ﾘ　 ∠＼ 丶}:.:.　:. .:.:.|'＾ヽ､:..:.|.. : .:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.l
　　　　　　|: l|:.:.| :.l:.:.:', ／r彡戈ヽ |:.:. :.:.:.:.:ﾉ　 ）｝:.:.:|:.: .: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　|l l|:.:.| :.|:.:.:.｝　 ,イレ}/　|:.:.:.:.:.:.:/ゝﾉ丿:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:|
　　　　　　|! |!:.:l:.:.||:.:.:.} ノ　}／　 ,':.:.:.:.//　__ノ|:.:.:::.l:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ll:.|
　　　　　　　 |:.:|l:.{ヽ:./　　 ´　　 //:.:.//　　l　 |:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.l|:.|
　　　　　　　　ヾヽ／　　　　　　//／　　　 ｝　|:.:.:.l:.{:.:.:.:.:.:./:.:.|:.l|ｿ
　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　/　　　　　　　|:.:.l|:.:|:.:.:.:./|:.||:.l:.l
　　　　　　　　　　　　|ヽrｰ--　　　　　 _,　　　|:.l| l|:.|:.:.:./ l:.| |:|i|
　　　　　　　　　　　　|/|ﾉ r 　　　　 ／　　　　}ﾉ__l|_|:.:./‐‐ﾘﾆｿ
　　　　　　　　　　　　l　'　 ﾍ 　 　<　　　_-ニニ─‐|/￣￣: : {　　　　　　　　　　　　　　　（何言ってるか聞き取れないな）
　　　　　　　　　　　　　　　　｀´　　,∨ニ‐´: : : : : : :': : : : : : : :l
　　　　　 ＿--‐-､＿　　　 　　　<∠: _: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　　　　　　　　　　（ならば、あとでどうとでも良い訳が立つな）
　　　　 /　 ＿__､＿ ノ､　　　　　　∨((: : : : ／ : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　／　 /　／））─ｰ'　　　　　　 ∨乢-‐' : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　｛　　ﾍ ／ 　/￣｀l　　_-ｰ一ニ￣￣: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　 l　　 l/　　/　ヽ　|￣: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼


┌─────────────────────────┐
│⇒実際に申し開きする場面が無い為、これは無いかな　　　 │
└─────────────────────────┘

┌──────────────────────────┐
│④単なる力持ちのバカだったから、力の加減を間違えた　　 　 │
└──────────────────────────┘


　　　　　　 ／　　　 ∠＿　　　　　　｀丶、
　　　 　 ／　　　　　　∠　　　　　丶　 　 ＼
　 ＿_／　　　 ィ　／￣　　　‐￢ミ、 ＼　　 ヽ
／(:::/＿ ／:::::/イ　　　 　 ヾﾆ三≧＼　ヽli　 |
　　＼::::::::::::::::::::〈　　　　　　ヽ、弋ｯﾐﾒ;;ヽ }|　 l、
　　　 ｀ ｰ-　_::::::ハ、　 　 　 　 ｀ 二＾彡ﾍﾙ'厶〉
　　　　　　　　＞- ､ヽ　　　　　　　　　　　 〈ﾃ7
＼　 　 　 　 /::::::::::::ｌ }　　 　 　 　 _,,.ｨ 　_＿Ⅵ
　 ｀ ｰ- ､ ::: |::::::::::::::| |　　,,..　　 ''´　ｰ ￢;;／ '
　　　／⌒Vﾍ:::::::::::/　 〃z‐＿＿,,,,,,......、´　/　　　　　　　　　　　　　　　　　 お前の兄が朝夕の食事に出て来ない
､　 /:::::::::::::ト-`ｰ＜／| ´　　ｚ.,,＿＿ 　 ｀7/
:::∨:::::::::::::::|　 　 　 ＞┐　　｀ヾ三三≧'' /__￣＞､　　　　　　　　　　　　　　 一度、お前が優しく教え諭して来るがいい
:::::|:::::::::::::::/　 　 ／ ィ´|/l___＿／|　 /|　 {:::::∨::::::::}
:::::|、::::::／ 　 ／／:: |　ﾄ､:::.... 　 └ ′ヽ/|::::::|::::::::/
:::/　￣　　／／::::::::::|　|/＼::::....::.:......::.:...　ト-^ーく
/　　　 ／／ :::::::::::::::|　|ヽ:::|:::::::::::::::::::::::::::::|::::/　ｆl|


　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　 　 　 　 　 ： ,　'´::::::::::::::::::::::::::::::｀丶、：
.　　 　 　 　： ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ：
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　　 　 　 ： //::::l:::::::/:::::;/::/::::;ﾍ:::::::|:::::::::::::} ：
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.　 　 　 ： /|::::::l/（◯）,　､（◯）::::ﾘ:/:::::::::::::l ：
.　　　　　： .|ﾊ::|:::l"",rｪｪｪ､"" ::::::/::::::/｀i;':| ：　　　　　　　　　　　　　　　　　はぃ、わかりますた
　　　　　 ： l'　|l:::! 　|,ｒ-ｒ-| 　 :::::/;::::::;'_.'´ﾊ ：
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　　　　　 　 ：　　 ヽ　_______ ,.::/' .ィ:/!/　：

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　　　　　　　　　　　 _,.::-─一::-::、
　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::.:.:. ＼
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　　　　 　 , '.:.:.:.／:::::::::／:::.:.:.::::／:::::::::::::.ヽ､
　　　　　ノ!|:::://:/::::/|:::::::::::/.::/ﾊ::::::::::::::::∧
　　　　´　l |::::l::::∨-├-/ｲ::/ ―ﾄ､::ハ::川 ﾍ
　ﾐ　ﾐ　ﾐ　!: :ｉ: :从　z=≡　l/　 ≡z .! /!liル　　　ﾐ　ﾐ　ﾐ
　/⌒)⌒)⌒.ﾊ :_ﾄ:とつ　＼＼＼ C lV:ﾊ{ 　 　　/⌒)⌒)⌒)
　|　/　/　/ ｌヽ ﾍ､　＼ヽ　＿＿,.　　 }l　　(⌒)/　/ / /／　　　　　　　　　おーい
　|　:::::::::::(⌒) kﾊ,!＼　 /　　　1　 ／/　 　ゝ　　::::::::::/
　|　　　　　ノ ヽ lY ｀ 　{_　　_,ﾉイ|://　　/　 ）　　/　　　　　　　　　　　　　あんちゃーん、べんじょからでてきてくれよー
　ヽ　　　　/　 　ﾍ :;ｨ´ {Ｘ}i　　　 l/!' 　 /　　　 ／　　 バ
　　|　　　　|　　 l||l　从人 l||l.!::|ｲ:::ヽ_./ l||l 从人 l||lバ　ン
　　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､/:::::ｲ;　 -一'''''''ー-､ ン
　　　ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　):::/}　 (⌒＿(⌒)⌒)⌒))

　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／ /　　／　 / /　　　　　 　 ｀ ,　 }　　 ﾊ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　 /　／　　 /ノ　／　　 / /　 /　　　 ､ 　 ,
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l　 /／　/　 /´ ／　　　 /　ト､_j1 l ,　　 V 　 ,
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | /,'　　/　 /　/　/　 ／! / j　　 ! | }　　　}!　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 l!/　　 l　 /　/　/ ／ , / ﾊ !　　j! l !　　　 l　, !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 !　l　/,イ／ ,イ/1l　|j　 /ｲ !j!　l　　,　ﾚ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　l|!　､　l　 !≠/７升-ノ　!l, -─'/レ!十 ,　　!　'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ l　 , ∨l|辷≧r､７ ' ,　| ＿ ィた/ｱ /　 / /
　　　　　　　　　　　　　　　　　 / l ﾄ､　＼,jl　　　　　　 l　　 　 ｀¨´ / 7//!'/
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　 !l__ゝ　､＼　 　 　 　.:|　　　　 　 ７ /ソ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　r≠ﾍ ＼ト､ﾍ　 　 　 .::|　　　　 ／イ´　/ト､
　　　　　　　　　　　　　　　　　//::::::::::::::::!Nﾄ､{`　　 　 :!'　　　 /'７/　//::j:＼' ,
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | |::::::::::::::::::l:ﾘ! ＼　-=＝＝= ､　, イ! ,//::::::::::::| |
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | ﾄ､:::::::::::::, -l! ',　＼ ￣￣　 ／　/イ ノ:::::::::::://　　　　　　　　　おい、腕をひっぱるな…
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾄ､ ',:::::::::::| 　 ＼!　　 ､＿_／　　7- ,:::::::::::::::://:|
　　　　　　　　　　　　　　　　ノ:/!ﾍ',r-y'　 ､　　｀＞ ､　　　, -r'´　　,:::::::::://::::!
　　　　　　　　　　　　　　 ／:://::::ﾍ',Y　　　　　/　　 ｀Y⌒、 l　', 　 ﾄ､::://::「|:',



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　　　　　　　／:.:.:.::／::::::::.／::::::::::::::::::＼
　　　　 　 , '.:.:.:.／:::::::::／:::.:.:.::::／:::::::::::::.ヽ､
　　　　　ノ!|:::://:/::::/|:::::::::::/.::::::/ﾊ:::::::::::::∧
　　　　´　l |::::l::::∨-├-/ｲ :: / ―ﾄ､::ハ::川 ﾍ
　　　　　ノ !: :ｉ::从　┬::cr　l/　┬c.! /!liル
　ﾐ　ﾐ　ﾐ 　!: :ｉ::从　 ｒっ:::j /　　 ｒｙ::j. .lV:ﾊ　　 　 ﾐ　ﾐ　ﾐ
　/⌒)⌒)⌒）.::::_ﾄ⊂⊃‐ 　 　 　 ‐⊂ｌル' 　 　/⌒)⌒)⌒)
　|　/　/　/.'､:ヽ ﾍ､| 　　　 　 ＿ 　　}lヽ(⌒)/　/ / /／
　|　:::::::::::(⌒)kﾊ,!＼　　　 　　　 　 ／lﾘ　ゝ　　:::::::::/
　|　　　　　ノノ ヽ lY ｀ ｰ‐ 　 ｒ‐イ|:　 　 /　 ）　　/　　　　　　　　　　　　　　　 あ、うでがもげた
　ヽ　　　　/　 　ﾍ :;ｨ´　　 {Ｘ}i　 l/!' 　 /　　　 ／　　 バ
　　|　　　　|　　 l||l　从人 l||l.!::|ｲ:::ヽ_./ l||l 从人 l||lバ　ン
　　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､/:::::ｲ;　 -一'''''''ー-､ ン
　　　ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　):::/}　 (⌒＿(⌒)⌒)⌒))


　　　　　　　　　　　 _,.::-─一::-::、
　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::.:.:. ＼
　　　　　　　／:.:.:.::／::::::::.／::::::::::::::::::＼
　　　　 　 , '.:.:.:.／:::::::::／:::.:.:.::::／:::::::::::::.ヽ
　　　　　ノ!|:::://:/::::/|:::::::::::/.::::::/ﾊ::::::::::::: |
　　　　´　l |::::l::::∨-├-/ｲ :: / ―ﾄ､::ハ:: ﾄ､
　　　　　ノ !: :ｉ::从┬::cr　l　/　┬ c.! /!ﾊﾉ
　ﾐ　ﾐ　ﾐ　 !: :ｉ::从 ｒっ:::j　 l/　　ｒっ:::j. .lV:ﾊ＼　　 ﾐ　ﾐ　ﾐ
　/⌒)⌒)⌒）.::::_ﾄ⊂⊃‐ 　 　　‐⊂⊃/ﾘ　 　/⌒)⌒)⌒)
　|　/　/　/.'､:ヽ ﾍ､ 　　　＿ 　　　　 }lヽ (⌒)/　/ / /／
　|　:::::::::::(⌒)kﾊ,!＼　　　 　　　 　 ／lﾘ　 ゝ　　:::::::::/
　|　　　　　ノノ ヽ lY ｀ ｰ‐ 　 ｒ‐イﾄ､|＼ /　 ）　　/
　ヽ　　　　/　 　ﾍ :;ｨ´　　 {Ｘ}i　 l/!' 　 /　　　 ／　　 バ　　　　　　　　　　　　　　 しまったな、こりゃ
　　|　　　　|　　 l||l　从人 l||l.!::|ｲ:::ヽ_./ l||l 从人 l||lバ　ン
　　ヽ　　　 -一''''''"~~｀`'ー--､/:::::ｲ;　 -一'''''''ー-､ ン
　　　ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒)　):::/}　 (⌒＿(⌒)⌒)⌒))




┌──────────────────────────────────┐
│⇒メラネシアの神話に類話がある為、原典はここにあるのかもしれないが…　　　 .│
│　うーむ…　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
└──────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　／　　 ヽ_　　＼
　　　　　　　　|　　　 （⌒ ）（⌒）
　　　　　　　.　|　　　　 （__人__）
　　　　　　　　 |　U　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　.　 |　　　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 まぁ、いずれのパターンだとしても
　　　　　　　.　 ヽ　　　　　　　|
　　　　　　　　　 ヽ 　　__ , _ ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　小碓命が兄の腕を引きちぎる
　　　　　　　 _,,,, ｢:::ｰ----ｰ"::i、___
　　　_,,..r''''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::`''ｰ-､　　　　　　　　　　　今の俺達からしてみれば訳の分からん行動だ
　 ／::::::r:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::　..ヽ
　ﾉ ::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::／}
　l :::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r::::::/::::ハ


　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _.,ノ　ヽ､,_　　＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 (＝ ) (＝ )　　　|
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 （__人___）　　u　| 　 　　　　　　⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 '､　　　　　　　 |　　　____ 　,.-、ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 ,,.　-ｰ|　　　 　　 　 |ヽ__∠___ゝ」　r'
　　　　　　　　　　　　 / .::::::、::|　　　　　　 /ｨ::::〔 _,.-ｰ 　｀'r-、
　　　　　　　　　　　　 l :::::::::::::::::ヽ__､____,.　":::/:::〔／　　　 l:::. ヽ
　　　　　　　　　　　　」 ::::l:::::::::::::::「二二::::／ :::::::ﾄ､ y　　　|::::::. ',　　　　　　　　　てなことで、ＶＴＲという形にすることが難しかったんだ
　　　　　　　　　　　　l ::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　　　　l:::::::: i
　　　　　　　　　　　/ :::::;;:ｰミ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､＿ ノ L::::|
　　　　　　　　　　/ :::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く:::::::::::::::: i::|
　　　　　　　　　/ ::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::「 :::::::::::::::: ||
　　　　　　　　 / ::::::::::::::::::::/　　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::V :::::::::::::::: |

　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　まぁ、とにかくだ
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、　　　　　　　　　　　　　　　　この『ねぎ』という言葉には様々な意味が含まれている訳で
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _　　　　　　　　 どうにも難しい部分になってくる
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l


　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、　　　　　　　　　　　　　　今回はこの腕を引きちぎったという行為を恐れたという
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､　　　　　　　　　　天皇の反応から見て、①の場合は扱わないこととする
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !

　　 　　 ＿_＿__　　　　　━┓
　　　 ／　―　　 ＼ 　　 ┏┛
　　／ノ　　( ●)　　 ＼　 ・　　　　　　　　　　　　　　　　けど、やる夫は②番も
.　｜ ( ●) 　 ⌒）　　　|
.　｜　　 （__ノ￣　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　 なんだかあり得ない気がするんだけど…
.　｜ 　 　 　 　 　 　 /
　　＼＿　　　 ⊂ヽ∩＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 どうなんだお？
　　　　/´　　 　 (,＿ ＼.＼
.　　 　|　　/　　　　　＼＿ﾉ


　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　　⌒ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 （●）（● ） 　　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 　 （__人___）　　　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　 　 |
　　　　　　 　 　 　 　 　　 　 |　　　　　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　、 　 　　,ｲ
　　　　　　　　　　　　　 　　 ／ヽ,ー-　　　ﾄ､
　　　　　　　　　　_, ､ -─ '".:.ヽ:.:.＼__　/ノ ﾄ、__
　　　__　,.　ー 、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....　　　　　　　　　　　　　どうして、あり得ないんだ？
　　　＼ r 、　_ ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ｰ､
　　　　　}　}/　)　 V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　/:ゝ/ ./ __　 V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.＼
　　　　}:::::ゝ ソ　,Y　i::::::/::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.:.:.:. ＼

　　　 　 　 　 ＿＿__
　　 　　 　 ／_ノ 　ヽ＼
　　 　 　／ （ ●）　（●）、
　　　 ／::::::::⌒（__人__）⌒＼　　　　　　　　　　　　　 だって、神様の加護を願う為に
　　　 |　　 　　　|r┬-|　　　 |
　　　 ＼ 　 　 　 `ー'´　　／　　　　　　　　　　　　　 いくら水辺だからって厠に籠るのは
⊂⌒ヽ　〉　　　 　　　 ＜´/⌒つ
　 ＼　ヽ　 /　　 　 　 　 ヽ　/　　　　　　　　　　　　　無理があるじゃないかお？
　　　＼_,,ノ　　　　　　|､＿ノ


　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　 　　 　 ｜　 　.（ ●）（●）
.　　　 　　 　 　 　 ｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　 　　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 .|　　　　　 　　|
　　　 　 　 　　 　　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　　　 ,. -ｰｰ -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そうかな
　　／..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: く'、
.　｛ :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ､_　　　　　　　　　　　　　　　　　日本各地に厠に神棚を立てる地域は多いし
　 '| ::::::::::::::::::::::..｀、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ
　　'| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ　　　　　　　　　　　　　　昔話した丹塗りの矢の話でも厠にオホモノヌが現れただろう？
　　 ﾄ､:::/ ／￣｀` ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
　　 `,ﾍ ´:::::::::::::::::. ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rｰ'､
　　　 }:,∨ :::::::::::::::::: ﾄ､:::::::::::::::::::::::::＞＜￣＼::..＼
.　　　 }:::∨::::::::::::::::､-''ﾞ~￣￣￣￣:::::::::...＼　ム:::::ヽ
　　 　 l::::∨ :::: ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.､／...:::::::::ヽ}
　　　　{::::::＼,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／"￣:::::::::::::::::::::::::ﾉ

　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／　　 ヽ､_ ＼
　　　 ／（● ） （● ）　＼
　　／:::⌒（__人__）⌒:::::　＼
　　| 　ｌ^l^lｎー'´　　　　　　 |
　　＼ヽ 　 L　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　 おおう、確かにそんな話もあったかお
　　　　 ゝ 　ﾉ
　　　／ 　 /


　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　 　 _,.ノ　⌒
　　　　　　　　　　|　　 　（ ー）（ー）
　　　　　　　　　　.|　　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　|_,-‐、_ -、
　　　　　　　　　　.人､　　 　　 厂丶,丶　v　〉　　　　　　　　 けれど、兄の腕を引きちぎる理由づけとしては
　　　　　　　 _,／::::ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ
　_, ､ -― ''"...:::::::::＼::::::::::::::::::::(　　　　〔"ﾆ‐-、　　　　　　　よくわからないんだがな
/.::::::: ':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　 ／⌒ヽ:::::: )
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　',::::|
:::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈　:::::::::::::::... ',::i
:::::::::::::::!::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　::::::::::::::::::. ',

　　　　　　　　　＿＿＿
　　 　　　／）／ノ '　ヽ､＼
　　 　 ／ .ｲ '（●） 　.（●）＼　　　　　　　　　　　 けど…
　 . 　/,'才.ﾐ).　 （__人__）　　　＼
　 . 　|　≧ｼ'　　 ´ ⌒｀　　　　　|　　　　　　　　　　なんか、スサノヲっぽいお
　　.　＼　ヽ 　　　　　　　　　 ／


　　　　　　　　　 ,..-──v'⌒ヽ
　　　　　　 ＿／:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.厂｀ー―ｧ
.　　 　 ／〈::::/:∨:.:.:.:/::.:.:.:/:./:ヽ:.:.:.:＜
　　 　〈::::::::Y::::/:.:.:.:.ナﾅメ|:/ヽ:.:}:.:ﾄ:.＼＞
　　　　ヽ:::/:::/:.:.:,ｨ-|∠_　ﾘ　 |:ｽ:.:|:.:.:. |
　　　 　 〉-ｒ(|:.:./ `ﾄ{:r「　　 ｲﾃﾁ:.:|:.ﾄ:.:|
.　　　　 |:.:.:|:.|:/_ 　´￣　　　ﾋ!ﾉ∧|.:「リ
.　　　　 |:.:.:|:.:.:.:.:ト､ 　 ｒｧ　 　ﾉ:|:.リ　　　　　　　　　　　　　　　　 そういえば、そうね
.　 　 　 |:.:.:ﾄ､:.:.:.Ｋ:} 　 ｒ‐ ｒイ:l:.|:.:|
.　 　 　 !:.:.:|__}:.:.:|::::＼_,,>､:＼:l.:|:.:|　　　　　　　　　　　　　　　　　誓約の解釈を間違えたりとか
　　　　 |:.:/　ヽ:.:.ヽ::::::ヽ　|::::::}:/:/
　 　 　 ∨　　 ヽ:.:.:l＼:::ヽ|:::/|:./　　　　　　　　　　　　　　　　　　父親に反抗するところとかね
　　　　/ 　　.|　 ヽ::ヽ ＼ |∧l:.{　　 r‐ｒこつ
.　　　/ 　 ヽ ﾚく　ヽ:.:ト-ｨ　r'＞'⌒「　|＿ ⌒⊃、
.　 　 {　　　　ﾄ､::}､ ﾄ:.|／　　＼　　|　 ヽ:::厂￣´
　　　 ＼　　　　＼ |:.:| 　 ∧　 } 　 ヽ-イ´

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　　　 ここが、ヤマトタケルの英雄的要素を補っている部分だな
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　前にも話したと思うが、英雄という存在は基本的には
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___　　　　　　　　　　　　　　　破壊することによって新しい秩序を生み出す役割を持っている
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_　　　　　　　　　　　　　 だから、旧来の秩序を維持しようとする存在からは忌避される
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !


　　　　　　／￣二ﾆ= 、　　　　 ＿_, --―=＝ﾆ二≧.＿_
.　　　 　 / ／　　 ､　　＼　　／/ ｽ､　　 -=○≠‐ゝ,-‐　｀ヽ
　　　　　ﾚ'/　　　ヽ＼＼　`< .ｲ /　-‐=≠ﾆ二＿　/￣ ｀ 　 }
　　　　　ﾚ'　 , -‐ 　ﾊﾊ　ﾄ､　':. ｜-‐　_,.=ｧﾃ从:.　（_､￣｀　　'.
　　　　　|　 // /／　 ｜lｉ ﾄ､,(］ |.ｨ=彡'／ﾙ'‐-ﾊﾄ､ヽヽ　　　　＞―=ｧ‐―--
　　　　　|/// /　　　 | l 川ﾄ､ｿ ﾙ'.:://(　 行㍉ヽ ﾉﾊ_;ﾊ　　_/　　ｒ‐'　　￣
　　　　　|//　　 　 　 | l' ﾑィ斗くﾊ:l八　　 ｀ﾆ=　 （ｆﾊﾘ:j:;>く.{　 ノl＼
　　　　　|/　　　　　　| ﾄ､::::V人ゞ ﾘ　 　 　 　 　 _､〉/:イ　　 ＼ﾆ{ ヽ＼
　　　　　'　　 　 　 　 | |',ﾊ::::）ﾉﾉﾌ′ 　 　 ＿_ ､_ ´/人ゝ　　　 ｀ヽヽ＼＼
　　　　 ,　　　　 　 　 | |'i 川'((.:/　　　 　 ´　￢｀ /　　　　　　　　 ＼ ｰ==ﾐヽ
　　　　 |　　　　　　　 , ﾘ/{/￣￣｀ヽ＼　　　　　/　　 　 　 　 　 　 　 ー=､ ヽ
　　　　 |　　　　　　　,'　//　　　　 //lﾄ.＼＿ ..ｨ＿　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　 |　　　　　　 ,　//l＼ー-=//　|　＼_|_,ﾍ　∧ｰ‐≠ﾆﾌ￣￣￣　ﾌ77ｱ广
　　　　 |　　　 　 　 l　l/ |ヽ ＼ //､__,l｀ヽ　　 ﾉ}/ ハｰ-=ﾆ、　　 　 ／ // /／　　　　　　　　　　 まぁ、秩序の壊乱者となるから
　　　　 | 　 　 　 　 l　; /|　 ＼{{　 ｰ-=二ﾆ=-く'_/＿}ｰ-､ 　ヽ＿／ /// /'
　　　　 |　　　　　 　 /,　|　　　ヽ　　　＼＼　　爪　　　　 ＼ {　 |　/// /　　　　　　　　　　　　　 排除しなければ、自分たちの立場が危うくなるしね
　　　　｜　　　　　l //　|i　　　　',　　　　　 ＼{ l,ハ　　　 　 ';i　 |'/// /
.　 　 　 l　　　　　///　 ||　　　　 ',　 l　　　 　 ＼ヽ}　　　　　ﾊ　|'// / 　 　 ／
　　　 　 .　　　　//ｲ i　l||　　　 　 ヽ. l　　　　 　 　 |￣￣￣｢' | l|i/ /　　 ／
　　 　 　 ',　　 ／ 八ﾊ ｌ||　　　　　　 ＼　　　　　　 |　 　 　 |　| l|　　　／

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　　　　　父親との衝突は英雄譚としては予定調和という訳か
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　 ならば、ここからヤマトタケルは新たな秩序を構築していｋ…
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　 ,. ─- ､,,.＿__
　 　 　 ,ｲ〃　 　 　 　 　 ｀ヽ,__
.　　　N. {'　　　　　　　　　　 　 ＼
.　　N. {　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.　 N.ヽ｀　　　　　　　　　　　　　　　〉
　 N.ヽ｀　 　 　 　 ,.ｨｲ从　　 　 　 /
.　 ヾミ.＿__-‐=彡'ノﾉﾉ__,ゞミ=-_rく
　　　　lrf´ゞ“ﾓ=ヾｰf =ﾓﾁ＜}rv^i !
　　　　ヾﾄ、｀￣,り「弋! ￣´ノ　ソ
　　 　 　 !　￣　 ii{_,.　 ￣　　/r'´
　　 　 　 ,ゝ、　 ｉｰ-ー､　　, '　|＼
　　-‐''7´　ドヽ. ｀ニﾆ´ .／;;　 |　 ヾ''ｰ-　　　　　　　　　　　　ん…ちょっと待てよ
　　　 /　　 ﾄ､　` ｰ-- ´　,;'　,ｲ　　:|
.　　 /　　　:ト､` ｰ-､ r--‐_'´/　　　|
　　/　_,..､-‐＼ ￣! ﾚ' 厂　/へ、　 :|
　　T´　ヽ＼l.0| 　 V / 　 / /　 ＼　|

　　　　　　＿＿＿
　　　　／ノ　 ヽ､_ ＼
　　 ／（●）　（●.）　＼
　／　　（__人＿,）　　　 ＼
　| 　ｌ^l^lｎ ⌒ ´ 　　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　どうしたんだお
　＼ヽ 　 L　　 　 　 　 ,／
　　　 ゝ 　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 キバヤシ
　　／ 　 /


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　 景行天皇は何か悪政を民衆に強いていたのか？
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、　　　　　　　　　　　　　　 いや、そんな記載はないし
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､　　　　　　　　　　反逆者である大碓命に対しても寛容なぐらいだ
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !


.　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 _______
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 ＼,-、__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_,ノ 　｀⌒　ヽ.,__　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　(● ) （● ） ,.! ┴-'、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 (___人___）　〉-‐‐´　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　　　 u 〉--‐´　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　iヽｿ　 　l　　　　　　　　　　　　　さらに付け加えると『古事記』においては
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Λ　　　　　　∧｀;"　　 '、
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 __,. ｨ仏 ___、___ ｨ_ノﾍヽ、 _,.‐ｰ、_　　　　　　　　　　周辺部族からの侵略の危機も差し迫っては無いし
　　　　　　　　　　　　　　_,. -= '''　.:::::::}:::::::::::::::::::::::／::::::::>´..:::::::.. ヽ｀.､
　　　　　　　　　　　　ノ´ ...::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈 :::::::::::::::...＼::ヽ　　　　　　 かなり安定した時代ということになる
　　　　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ::::::::::::::::::.. ヽ:}

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 だとすると…
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､　　　　　　　　　　　　　　　　　 小碓命はどこでその力を振るえばいいんだ？
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、　　　　　　　　　　　　　　　　 まぁ、一応未征服の部族もいる訳だし
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､　　　　　　　　　　　　 そこの鎮定に向かわせるという事になる
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !

　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　／　　 _,ノ　ヽ､_
　　　　 　　 　 ｜　 　 ( ●) (●）
.　 　　 　 　 　 ｜ 　　　（___人__）
　　　　　　 　 　 |　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　 　 　 　 　 .|　　　　　 　　|
　 　 　 　　 　　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　 ,. -ｰｰ -‐ ´::::::::::::::::::::::::::::::::7
／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、　　　　　　　　　　　　　　　　 その相手がクマソタケル兄弟となるんだが
.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ＼､_
::::::::::.＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... ヽ　　　　　　　　　　　　　ま、言ってしまえば追放だな
:::::::::::::..ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ﾍ
:::::::::::::::::::V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::
:::::::::::::::::ｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::
::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:|


　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　.-´　　　｀｀ヽ
　　　　　　　　　　 ／ ⌒　　　　　 ｀ヽ
　　　　　　 　　／　　　　　 　　｀ヽ 　ヽ
　　　　（（　　 /　（●）　　 　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　|::⌒（__　　 （● ）　　　　　|
　　　　　　　　ヽ 　 人__） ⌒::::　　　　　 |　　　　　　　　　　　　まぁまぁ、色々あったけど
　　　　 　　　　 ヽ（__ン　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　人　　　　　　　　　　　/　　| |　　　　　　　　　　そこからヤマトタケルの武勇伝が始まるのかお
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　＿ノ　　ノﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |

　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ん…まぁな
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l


　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　 さて、ここまで話した内容
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、　　　　　　　　　　　　　 実は『日本書紀』には記述が無くて
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､　　　　　　　　　 『古事記』だけに記されている場面なんだ
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　　　　　　　　　 ん？
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　　　　　 どういうことだお？
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　 確か、『日本書紀』の成立は
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､　　　　　　　　　　　　　 『古事記』の八年後だったな
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　　　　　　 どうして、後の本なのに
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 載ってないんだお？
　　＼ ／＿＿＿ ／


.　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 _______
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 ＼,-、__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_,ノ 　｀⌒　ヽ.,__　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　(● ) （● ） ,.! ┴-'、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 (___人___）　〉-‐‐´　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　　　 u 〉--‐´　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　iヽｿ　 　l　　　　　　　　　　　　　 考えられるのは、編纂者の違う為に
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Λ　　　　　　∧｀;"　　 '、
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 __,. ｨ仏 ___、___ ｨ_ノﾍヽ、 _,.‐ｰ、_　　　　　　　　　　 この部分を収録し忘れたか…
　　　　　　　　　　　　　　_,. -= '''　.:::::::}:::::::::::::::::::::::／::::::::>´..:::::::.. ヽ｀.､
　　　　　　　　　　　　ノ´ ...::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈 :::::::::::::::...＼::ヽ
　　　　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ::::::::::::::::::.. ヽ:}

　　　　　　,,､-''"´￣￣｀｀`ヽ､
　　　　,／　　　　　　　　　　　`-､,,＿
　　　,/　　　　　　 i, ;　　　　　 ﾞミ三ｰ''"
　　 /　　　　　　　ﾊﾊ　　　　　　　　ヽ,
　　i"　,/　/　,〃i/　 い、　＼ 　　いN
　 /　,/　,/ノ /　,ノﾉﾊ　ﾄ,、　ミ`'ー Ｖﾘ
　 | ﾚ'　　　_,,､ｧﾁ-ーﾋヽ| ゞﾋs、ミヽ　i
　ﾊ　　rﾍ ｱ'　 <ﾓﾃ;;　　 ｉ' zｯ､｀i　　ｿ
　 ﾞYf iﾞ　|ﾄ　　　 　　　　:i　｀｀　ｲ, ノ
　　いヽ　ﾞ!,　　　　　　,_　;､　　 ,ﾀ"
　　　`i, `r､　　　　.._＿｀＿　　,ﾘ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　不適当だと判断したか
　　　 ｸ',ﾍ ﾞ:､　　　 `''ー‐'´　 /ﾞ
　　　ｲ,ﾍ　ゝ＼.　　　 ￣　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 どっちかだろうね
　 f￣`''ー─--ﾐ''-､,,＿,,イ!‐-､､,,_
,／　　　　 　 　 ﾞi,⌒ヽz￢"ﾞヽ　　 i
　　 　 　 　 　 　 ﾄ　　ヾぃ　　）　　L,,＿


　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　まぁ、考えられるのは後者だろう
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_　　　　　　　　　　　　　　 この兄の腕を引きちぎる行為は
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !　　　　　　　　　　　　あまり賞賛されなかったんだろうな
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　だが、この話を削除してしまうと
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､　　　　　　　　　　　　小碓命が旅立つ切っ掛けがなくなってしまわないか？
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　それもそうだお
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　別に嫌われる理由もないのに出征することなんてないお
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、　　　　　　　　　　　　　　　　 まぁ、そこは色々と改変がしてあるんだ
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　改変？
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ●) (●）
　　　　　　　　　　｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 .|　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　 　 　　.|､ 　　　　　　|
　　　　 　　 　　 　 [::.ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　_, ､-一 :::"＼　::::::::::::::::7、___　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 まず、天皇と小碓命の関係に関しては
　　　／ .:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ヽ__
　　/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::..＼ __　　　　　　　　　　　　　　　『日本書紀』では対立関係が無い
　 .i :::::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::.. ＼_
　 i ::::::::::::::::::: i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ｀::...､
　 l ::::::::::::j:::::: i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::/::／::::::::::::::::::::::.. ｀ヽ
　 l ::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i::´::::::::::::::::::::::::::／::::::::: l
　 l :::::/::::::::::::ｿ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l＞ｰーｰ-、r-‐:'::::´::::::: l
　 i :::::::::::::::::::〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l　　　　　 l´:／::::::::::::::: ﾉ
　 V .:::::::::::::::: lヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l　　　　　ﾉ .:::::::::::::::::: ／
　　l ::::::::ｰ::::::: |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ､　　　／..::::::::::::::::::: /


　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　　⌒ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 （●）（● ） 　　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 　 （__人___）　　　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　 　 |
　　　　　　 　 　 　 　 　　 　 |　　　　　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　、 　 　　,ｲ
　　　　　　　　　　　　　 　　 ／ヽ,ー-　　　ﾄ､　　　　　　　　　　　　　　　そして、出征理由も熊曾の国が何度も国境を脅かした
　　　　　　　　　　_, ､ -─ '".:.ヽ:.:.＼__　/ノ ﾄ、__
　　　__　,.　ー 、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....　　　　　　　　　　 という風に改変がなされている
　　　＼ r 、　_ ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ｰ､
　　　　　}　}/　)　 V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　/:ゝ/ ./ __　 V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.＼
　　　　}:::::ゝ ソ　,Y　i::::::/::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.:.:.:. ＼

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　　　 成程、それならば戦う理由にはなるな
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ●) (●）
　　　　　　　　　　｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 .|　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　 　 　　.|､ 　　　　　　|
　　　　 　　 　　 　 [::.ヽ､　 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だが、『古事記』の方では
　　　　　_, ､-一 :::"＼　::::::::::::::::7、___
　　　／ .:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ヽ__　　　　　　　　　　　　　　　　　　服従しない国として熊曾が登場してくるんだが
　　/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::..＼ __
　 .i :::::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::.. ＼_
　 i ::::::::::::::::::: i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ｀::...､
　 l ::::::::::::j:::::: i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::/::／::::::::::::::::::::::.. ｀ヽ
　 l ::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i::´::::::::::::::::::::::::::／::::::::: l
　 l :::::/::::::::::::ｿ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l＞ｰーｰ-、r-‐:'::::´::::::: l
　 i :::::::::::::::::::〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l　　　　　 l´:／::::::::::::::: ﾉ
　 V .:::::::::::::::: lヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l　　　　　ﾉ .:::::::::::::::::: ／
　　l ::::::::ｰ::::::: |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ､　　　／..::::::::::::::::::: /

　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　 　 _,.ノ　⌒
　　　　　　　　　　|　　 　（ ー）（ー）
　　　　　　　　　　.|　　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　|_,-‐、_ -、
　　　　　　　　　　.人､　　 　　 厂丶,丶　v　〉　　　　　　　　　　その熊曾が従わないというだけで
　　　　　　　 _,／::::ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ
　_, ､ -― ''"...:::::::::＼::::::::::::::::::::(　　　　〔"ﾆ‐-、　　　　　　　　　本当に危険な敵だったのかが怪しい所がある
/.::::::: ':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　 ／⌒ヽ:::::: )
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　',::::|
:::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈　:::::::::::::::... ',::i
:::::::::::::::!::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　::::::::::::::::::. ',


　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　　　　　どうしてだお？
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 (● ) (● )　　_,-|、
　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　r' l　|.lヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 '､｀⌒ ´　　 l　i　| l} }
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　 　　 l　l, |. l ﾉ__　_
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　　　　/　 　　/ｨ::::::::.. ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 _,,ィ'´:::ヽ__､_r'´　　　／:/:::::/::::::::. ヽ　　　　　　　　　 『古事記』における熊曾討伐は
　　　　　 __　　　 __ ,. ''´..::::::::::::::::「:::::人＿＿..ry:::::::::::::::::::::::::. ',
　　　,.- v　ヽ r´ ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈::::::::::::::ム:::::::::::::::::::::::::: l　　　　　　　　 小碓命を追放するのが目的になっている
　　rｰ、 ヽヽ　}＿::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,ｨ::::::::::::::::::::ﾊ:::ﾉ::::::::::::::::: l
　r　ヽ ｀ ､_」イ_]　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::::::::::: i
　i　>､_〉-".|　,,,,,, |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V::::::::::::::::::::ﾊ:「 ::::::::::::::: !
　ヽ 　 ） |　|　,,;;'' |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V:::::::::::::::::::ﾊ::::::::::::::::::: |


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　:::::::::.／￣￣ ＼____ ,. --ｰ.....:::::::::::::::::::.. ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　:::::::::: ⌒´ ヽ､,＿　 ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 i　:::::::::::（●).（● )　　　 |::::::::::::::::::γ::::::::::::::::::::: ﾉ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　::::::::::::（__人___）　　　　|:::::::,. -ーy::::::::::::::::::::: /
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | :::::::::::/::'､ 　 　 　 　 　 |￣　　 _/::::::::::::::::::::: /
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | :::::::/:::::　|　　　 　　　　|　　 ／...::::::::::::::::::::: /
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 .| :::::::::::::／|　　　　　　　/ﾚ-,.ｲ:::::/::::::::::::::::: /　　　　　　　　だったら、その追放先にいる相手に望むのは
　　　　　　　　　　　　　　　　　i:／:::::::::::: ヽ__､____,.　"/／::ﾉ.:::::/::::::::::::::::　j
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 r:::::::::::::::::::「二二二 ::::::::::／::::::ノ::: ､:::: ／/　　　　　　　　　討ち果たされることじゃなく、追放者の始末だ
　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::r

　　　 　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　＼　　 ,＿＼.
／ 　　 （●）゛ （●） ＼
|　 ∪　　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　　　　 お…おおう！？
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／


　　　　　　 ,. ─- ､,,.＿__
　 　 　 ,ｲ〃　 　 　 　 　 ｀ヽ,__
.　　　N. {'　　　　　　　　　　 　 ＼
.　　N. {　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.　 N.ヽ｀　　　　　　　　　　　　　　　〉
　 N.ヽ｀　 　 　 　 ,.ｨｲ从　　 　 　 /
.　 ヾミ.＿__-‐=彡'ノﾉﾉ__,ゞミ=-_rく
　　　　lrf´ゞ“ﾓ=ヾｰf =ﾓﾁ＜}rv^i !
　　　　ヾﾄ、｀￣,り「弋! ￣´ノ　ソ
　　 　 　 !　￣　 ii{_,.　 ￣　　/r'´　　　　　　　　　　　　　　　天皇にとって差し迫っての危険は
　　 　 　 ,ゝ、　 ｉｰ-ー､　　, '　|＼
　　-‐''7´　ドヽ. ｀ニﾆ´ .／;;　 |　 ヾ''ｰ-　　　　　　　　　　　外敵よりもこの危険な力を持つ
　　　 /　　 ﾄ､　` ｰ-- ´　,;'　,ｲ　　:|
.　　 /　　　:ト､` ｰ-､ r--‐_'´/　　　|　　　　　　　　　　　　　息子という事か
　　/　_,..､-‐＼ ￣! ﾚ' 厂　/へ、　 :|
　　T´　ヽ＼l.0| 　 V / 　 / /　 ＼　|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　 そうだな
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_　　　　　　　　　 蛇は子供のうちに殺すって諺もある
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !


　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　／　　 _,ノ　ヽ､_
　　　　 　　 　 ｜　 　 ( ●) (●）
.　 　　 　 　 　 ｜ 　　　（___人__）
　　　　　　 　 　 |　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　 　 　 　 　 .|　　　　　 　　|
　 　 　 　　 　　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　　　　　コイツを野放しにしておくと
　 ,. -ｰｰ -‐ ´::::::::::::::::::::::::::::::::7
／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、　　　　　　　　　　　　　　 何をしでかすかわからない
.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ＼､_
::::::::::.＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... ヽ
:::::::::::::..ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ﾍ
:::::::::::::::::::V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::
:::::::::::::::::ｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::
::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:|

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　　⌒ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 （●）（● ） 　　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 　 （__人___）　　　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　 　 |
　　　　　　 　 　 　 　 　　 　 |　　　　　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　、 　 　　,ｲ
　　　　　　　　　　　　　 　　 ／ヽ,ー-　　　ﾄ､　　　　　　　　　　　　　　 ならば、小碓命を辺境に追い遣って生きて返さないのが一番で
　　　　　　　　　　_, ､ -─ '".:.ヽ:.:.＼__　/ノ ﾄ、__
　　　__　,.　ー 、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....　　　　　　　　　　熊曾を倒す事自体はむしろ成功しない方が好ましいぐらいだ
　　　＼ r 、　_ ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ｰ､
　　　　　}　}/　)　 V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　/:ゝ/ ./ __　 V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.＼
　　　　}:::::ゝ ソ　,Y　i::::::/::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.:.:.:. ＼


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　つまり、熊曾は強い国で従わない国でもあるが
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､　　　　　　　　小碓命に比べれば危険ではないと判断されるＬｖの相手という事か
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ:7
　　　　　　　　　　　　　　 _,.-‐─-ｨ'ﾄ-‐─-‐':.:＜´
　　　　　　　　　　　　 ,ｨ'´: : : : : : : : |: : : : :: : : : : ｀￣:`‐-､
　　　　　　　　　　　 / : /: : : : : :ｊ:: : |ﾄ､: : :ｉ: . . . . . . . .ﾍ￣`
　　　 　 　 　 /:ヽ､r',: :/: :/: : : /|:: : | |　}: :|: : : : : : :: : : ﾊ
　　　　　　　/::ｒｰ-|: :/: : :|::;-‐'´|:: .:ｊ |　 |: :|`‐-: : : ｉ:: : : :ﾊ
　　　　　　 /:::ｊ:::::∧/::|: : |::/　　|: :/ | 　 |::ｊ　∨: : : |:: : : |::|
　 　 　 　 /::::|::::/::/::/|: ::ｊ/　_＿ｊ:/　| 　 |/___ ∨: : :|:: : : |:ｊ
　 　 　 　 ＼:|::〈::::|:/::|: :/ﾔ〒行`　　 　 ｵﾃヤﾊ:: ;小､:: :ｊ/
　　　　 　 　 |::::::＼_（|;/　`､ﾋｨzｊ　　　 　 {んｿ,λ/::ｉ::| ∨
　 　 　 　 　 |:::: ::|:: :| `ｰﾍ　 ￣ 　 　 　 ､ ￣　ｊ::::::::ｉ::|
　　　　　　　|:: : : |: ::|　 　 ヽ、　　　 ､‐-,　　 ,ｲ:ｉ::::::|::|
　　　　　　　|:: : : |: ::| 　 　 　 ｀ ｰ-_ｧ｀ﾆ-‐"´ |::|:::: |::|
　　　　　　　|: : : :|: ::|　　 　 　 ,r'~ ,ｨｊ　 {､｀ヽ､|:::|: : |::|
　　　　　　　|: : : :|: : |　　　r'￣　　｀ヽ、　}　　|: :|: : |::|
　　　　　　　|: : : :!: : | 　 ｊ´｀ヽ､. ＼＼|ｰ‐ｊ 　 ,|: :|: ::}::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　けど、それって
　　　　　　　|: : : : : : |　ノ　 　 {｀ヽ､＼|　/　 /|: :|: :|:λ　 ,ノ＾ｧ‐､__ノ´)
　　⊂ﾆ´￣ Y＾ヽ: : : |/"　　　 ヽ、. ＼|./ ／,/|: :|: |｀ヽr'" 　 { {{´　＜_　　　　　　　　　　　　　少し話が飛躍してない？
　　　ノ　γノ 丿 ｀ヽy　　　　　　 ｀ｰ-,"､ｰ'´ :|: ::|::j　 〈　 　 ゝｙ､~゛ ､､｀>
　　<ノノﾉｱｰ<　　　　｀゛　　 ,／　 　 /　ｉ ｀ヽ､|: :ｊ:/:､　　　　／　 ￣`‐'´
　 　 ｀~｀´ 　 |｀ｰ-､　 　 　 /〉、　　/　 ｊ ＼　|;ノ: : :| ＼_,／
　　　　　　 　 |: |: :|::|ヽ_,,／ /　゛　 ｊ__,.ノ　　＼ _〉: :|
　　　　　　　　|: |: :|::| 　 　 〈__＿＿＿＿＿＿__|:.: :|
　　　　　　　　ﾚ'|: :|::|　　 　 / .ｊ　 |　 |　 |　 ｉ　{:: : :ｊ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　 　 .|
　　　　 　 　 　 　　　　　　　　 　 　 　 '､ 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　　　 　　　　|
　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　 ,. -ｰ._i-､_　　　　　/l、
　　　　　　　　　　　　　　　　　／...::::::{. i_ {_γ､__ ∠ノ::.}- 、＿
　 　 　 　　　 　　　　　　　　 ./:::::r/::::{. i_ l_ i_ {::::::::::::／::::::::::::::::..＼　　　　　　　　　 確かに、かなり変な話をしているかもしれないな
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /.:::::::::::::::} .i _i　l_ {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　/.:::::::::ﾉ::::::r "~'ヽj_ {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ',　　　　　　　だが、この先の話を読み進めた後にちょっとだけで良いから
　　　　　　　　　　　　　　/.:::::::::::>ｰ、j.‐-　 /　{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: }
　　　　　　　　　　　　　/.::::::::::::::トヽ、⌒ γ　　i::::::::::::::::::::::::,':::::::::::::::::::: i　　　　　　　この話を覚えておいて欲しい
　　　　　　　　　　　　/.::::::::::::::::::l::::::::ゝ､　{　　　ｿヽ、:::::::::::::::} :::::::::::::::::: i
　　　　　　　　　　　/.::::::::::::::::::::::l:::::::::::::｀ト、__／::/:::.＼::::::::::::i :::::::::::::::::: i
　　　　 　 　 　 　 /｀-::::::::::::::::::/l::::::::::::::::::｀,ー::::::::::::::::::::..ヽ::::::i ::::::::::::::::: i
　　　　　　　　　 / .::::::::::::::::::::/　l::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::..、::::::::::::::::::::: i

　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　さて、ここからの話も『古事記』をベースに進めさせてもらうぞ
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　 この熊曾討伐に関してはそれほど解釈の揺れは少ないから
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___　　　　　　　　　　　　　　　 ＶＴＲで流していこうか
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-小碓命の熊曾討伐-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/


　　　　　　　　　　　　　　 　へ､、
　　　　　　　　　　　　　　 / ｛_ ｸ
　　　　　　　　　　　 ,=- く__,,／
　　　 　 　 　 　 　 /　　　／　　　　　＿
　　　　　　　　　　/　　／　　　　　_〃― ヽ
　　　　　　　　　/　　 /ヘ 　 　 _/ | | =!|= ｝lヽ
　 　　　　　　　　r'　　　く彡 ＼r'´｛　∧ rっ /　 |ヽ-､
　　　　　　　　 ＼　　　　""''''`l ／ﾍ｀,二´ミ､ﾉ丿丿）　　　　　　　　　　　　　　　　西の方に熊曾建が二人いる
　　　　　　　　　 /＼　　　　|　´　　 |　|　　| |＼_ノF＝= ､__
　　　　　　　　　/;:;:;:;:ヽ　　/ 　 l　　 |　|　　| | 　＼|| | | | | ||　　　　　　　　　　　　これは朝廷に服従せず秩序に背く者達だ
　　　　　　　　 /;:;:;:;:;:;:|　　　　　r―''＼ ,'⌒i| 　 　 　 || ||　 |
　　　　　 　　 /;:;:;:;:;:;:;:;:|　 　　　|| 　　　ヽ__ﾉ 　 　 　 || || 　 ﾍ　　　　　　　　　　　 だから、その者達を討ち取ってこい
　 　 　 　 　 /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|　　　　q=＝＝＝||ヽ＝=o　|| ||　　　ヽ
　　　　　 　/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:| 　 　　 || 　 　 　 || ヽ　　　|| ||　　　　 ＼

　　　　　　　 　 .　-‐‐‐-　.
　　 　 　 　 ／ . ::.::.::.::.::.::::::::丶、
　　　　　／ . : .::.::.::.::.::.::.:::::::::::::::＼
　　　　 ′. .: .::.::.::.::.::.:::/.:::::::::::::::::::｀、
　　　　| . :.:.::.:::i::.::ｉ.::.:::/.:::ﾊ::::i:::::::::::::::.
　　　　ﾄ､:::::::::!:!:::::!::::/.::/, ﾍ::|::::::::::::|::',
　　　　l:::.＼:::l:ﾄ､::|:,ｲ::,ィ≠ﾄiﾘ:::::/.:::|:::}
　　　　ヽ::::::::lﾘkじ/ l/ ' }じｿ l:::/.:/::ﾄ､|
　　　　　 ＼ﾊ｀¨´　、　　　　|/.::/::::|
　　　 ／）,､　 ﾄ､ 　 --　　 ／ﾄ､|＼:!
　　　{　 ｀　}　|:/V＞rr:ｧ'"|_V 　 　 ｀　　　　　　　　　　　「その頃の小碓命はまだ１５～１６歳の少年であった」
　　 　＼　, ヘ′/. :dﾚ'. : : :｀ヽ
　　　　　｀|: : : :＼ : /／. : : : /
　　　　 　 ヽ、: : : V. : : : : ／
　　　　　　　 ＼: :' : : : : ｲ
　　　　　　　　 ｲﾄ-:rf'" :{、　　　　　　　　　　　　　　　　…どうあれ、俺の力を試すまたとない機会だな
　　　　　　　 / | !: :| |: : : :ヽ
　　　　　　　 ７ﾍ二|二二二}
　　　　　　　 {　 ﾄ､: ヽ : : : :l
　　　　　　　　｀´　',: : ',: : : :l
　　　 　 　 　 　 　 l : : ', : : :l
　　　　　　　　　 　 }: : : l: : : l
　　　　　　　　　　 ,′: : }: : : '､
　　　　　　　　　 ノ_: : : /: : : : :ヽ
　　　　　　　 厂.:..::::::｀７ー＝ミ、}
　　　　　　　 ∟;;;;;;;;／. :.:.:::::::::::｀|
　　　　　　　　　　 {: ..:.:::::::::::::::::ノ
　　　　　　　　　 　 ｀¨¨¨¨¨¨´

　　　　　　　　 　 　 　 ／ /　/　 /　　　 　/ .//　 ./　/　　 ハ
　　　　　　　 　 　 　 / .　.′ｉ' 　i'　　　 .／／/　 ./　/ ./　/ 　',
　　　　　　　　　　　 ′:　{:.　{:　 |:　　 ./:/ ／ .:／.／／.:.:/,　 　',
　　　　　　　　　　　{:.: {:.. ',:.:. ',:.:.:!:　.:./://.:.:.／.／／.:.:／/　　 　'.
　　　　　　　　　　　 '、:.ヽ:.ヽ:.:ヽ:l:.: .:.|//.:∠:∠∠厶ィ.: /　　 /　 ,
　 　 　 　 　 　 　 　 | ﾄ､__ﾄ､L斗ﾄ､:.:.{/'´ ´７.二.. _　７/　　.:/　　 i
　 　 　 　 　 　 　 　 | i　 i７ィ行ﾊ　ヽ!　　 ,ｨ廴,小 }//　　.:/.　 :　 !
　 　 　 　 　 　 　 　 | l　 N ､辷fｼ　　　　　 辷f少 |,ヘ　.:/:.　　l　 l
　　　　 , -‐､ __r┐　| |　 ﾄl　　　　　|　　　　　ｆ^}／／｀V.:.:. :　 l　 l
　　　　 〉‐ ､ ＼７乙７冖７冖r￢冖冖冖７乙７`ｧ´ ,ヘ　＼:.:.:　|　 !
　　　　ﾉ　､___＜_乙ﾑ∠, {二{}二}　, ィ乙ﾏ´.:　く_／７'＾ヽ　}、:. |　 l　　　　　　　　　　　　「そして、小碓命は姨の倭比売命の元に立ち寄り…」
　　　,/　ノ__}､_｣i　:.｀乙V　 /ﾊヽ, ィ乙ﾏ´ .:　　〃Y｢ ∠ﾄ　　}:.:. |　 l
　　 〈 ´__､　{　 |i　:.　｀乙VLl　}/V'マ´　.:.　　〃　 } ｢ ､___,　Ｌ:. |　 l
　 　 {　ー`､ ',　}i　:.　　乙V:. .::{〃V　 .:　　 〃}　 ゝ|　}ヽ.　/.::::｀:::ー　　　　　　　　　　　話は聞いている、これを持って行くがいい
　　　 ',ー,､ ﾞ〈　 ',　:.　　乙} :. ,ｨ乙′.:　　 〃.::|　　/jノ　　/.:::::::::::::::::
　　　　', 　 ヽ｣　 ﾊ　:.　 乙,〈 {乙　 .:　　 〃__:｣､　′ 　　/.:::::::::::::／
　　　 　〉 　　　/ハ ヽ、 〉〉 } i乙 .:　　 〃　　 | } {　　　　{:::::::::::/


　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
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.　　 　 　 　： ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ：
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　　 　 　 ： //::::l:::::::/:::::;/::/::::;ﾍ:::::::|:::::::::::::} ：
.　 　 　 ：／/::::::l:::::;ﾍ/, '/:/::/ ::::|:::::l:::::::::::::{ ：
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.　　　　　： .|ﾊ::|:::l"",rｪｪｪ､"" ::::::/::::::/｀i;':| ：
　　　　　 ： l'　|l:::! 　|,ｒ-ｒ-| 　 :::::/;::::::;'_.'´ﾊ ：　　　　　　　　　　　　　　　　 「小碓命は、姨の衣裳を頂戴した」
. 　 　 　 　 ：　l;' ',　 ｀ﾆﾆ´　 :::::/::／/:::/　：
　　　　　 　 ：　　 ヽ　_______ ,.::/' .ィ:/!/　：

　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾍ
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　　　　| . :.:.::.:::/.:://.:::/.:::ﾊ::::i:::::::::::::::.
　　　　ﾄ､::::::::./.:://:::/.::/, ﾍ::|::::::::::::|::',
　　　　l:._.　 /.:://|:,ｲ::,ィ≠ﾄiﾘ:::::/.:::|:::}
　　　　.ヽ＾/,;;//　/ l/ ' }じｿ l:::/.:/::ﾄ､|
　　　　 ｀/ヽ.-''ヽ . 、　　　　|/.::/::::|
　 　 　 ./,;;;/ゝｰ'　 .--　　 ／ﾄ､|＼:!
　　　　{ ｀　}　|:/V＞rr:ｧ'"|_V 　 　 ｀　　　　　　　　　　　　 「そして、懐に剣を入れて熊曾へと向かった」
　　 　/＼, ヘ′/. :dﾚ'. : : :｀ヽ
　 　 /,;;/.|: : : :＼ : /／. : : : /
　　　￣　 ヽ、: : : V. : : : : ／
　　　　　　　 ＼: :' : : : : ｲ
　　　　　　　　 ｲﾄ-:rf'" :{、
　　　　　　　 / | !: :| |: : : :ヽ
　　　　　　　 ７ﾍ二|二二二}


‐:-:　.
:.:....:..:.:...｀丶、　 　 ＿＿　　 　 .　- ､＿＿＿
.:.:.::.:.:.:..:...::.:.:.｀ヽく..:.:::..:..:..＞ ´::.:.....:.:...:...:..:...:..:.:..｀丶、　r=v=t
::_:.:._:.:...:.:_.:.:.::__:::._ヽ ,zt/._..:.:_.:._..:.:.:_:.:.:..:.__.::.:._.:_..:.:_.∠交v交ﾍ - ､＿＿
ﾆ:.=爻=ミ.::=ﾆ二:.／文＼::.二.:ﾆ:一:.=ﾆ二::.ﾆニ:.∠ﾒﾒ≠寸ﾒメX ..:一.ニ::｀ヽ、
三爻.::.:..: ﾐ三=／／LL＼＼二ﾆ=ﾆ二ﾆ一＝.∠ﾒﾒ≠ｴ工｀寸ﾒメX ＝=一＝へ、
t爻:.:.....:.:.:.:ﾐ／／:元元元:＼＼ﾆ二ﾆ=一ﾆ∠ﾒﾒ≠ｴｴ匚]ｴｴ｀寸ﾒメX ニ二ﾆ＝ﾊ
爻:...:.:.:.::..:.:ミく艾艾艾艾艾メ＼＼=ﾆニ∠ﾒﾒ≠エ王エ王ｴ王ｴ｀寸ﾒメX ＝ﾆ二=
.:.:.:..::..:..:.:..::..:.ﾐ爻爻爻爻爻爻爻＼ヽ∠ﾒﾒ≠工匚]エ匚]工匚]ｴｴ｀寸ﾒメX 二ﾆ＝
.::.:.:.:..::..:.:.:.:.:.:ﾐ爻爻爻爻爻爻爻ﾒ.∠ﾒﾒ≠ｴ王エ王エ王エ王エ王エ｀寸ﾒメX 三ﾆ
::.:.::..:.:.:.:...:.::ミ竺竺竺竺竺竺竺∠ﾒﾒ≠エ工匚]エ工匚]工エ匚]ｴエ工｀寸ﾒメ∠
.::.:.::..::.:.:.:.:≦王王[[[[[[[[[[[[[[[[[[,仏くr==========================zf〉∠∠　　　　　　　　　 「さて、熊曾建の家についてみると、その家の周りを軍勢が三重に囲んで
:..:..:.::.:..:::.:.彡王,く⌒ヽ[[[[[[[[[[[[[[|≡≡LLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLL」∠∠∠.
;,;;,;,;,;;,;,;,;,;ミ=≦:..:.:.:.:.r:ト:┬┬┬z|≡≡||冊冊冊冂冊冊冂ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:||:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ﾄv|川　　　　　　　　　　 　熊曾建兄弟は室を作ってそこに居た」
从乂从从ﾒｿ从ﾒ从刈w｜｜｜x|≡≡||丗丗丗凵丗丗凵ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:||:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ﾄv|川
ﾒ爻爻ｿ爻爻爻爻爻込,_|爻ミ杉彡乞r|L三ｽ⊆⊇辷彡化j:j:j:j:j:jj:j:j:j:j:j:j:f:ﾄv|川
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
ﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍ

　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 .　 ´￣＼――- ､
.　　 　 　 　 　 　 　 ､＿＿／ 　-=＝ニヽ＿＿_＼__
　　　 　 　 　 　 ﾄ､＿＞／　　 　 　 　 ／　 _,.　-― ミ ヽ
　　　 　 　 ＜⌒ミ= 　 ￣　／⌒ヽ　　′　ｲ　　、　　 ∨ ＼
　　　 　 　 _,,..≧x.＿　　／　／￣_＼:|　/ ;| ﾄ､__＼ 　 ‘，　{
　　　　＜　 　 　 　 　 /　　　　／=ミx{,/彡| |'"|///ヽ　 ‘， 〉
　　　　　 ＼　、　 -=弌　　　　∨　　 　 　 | |　|////∧　 i/
　　　　 　 __ヽ ＼ 　 　 ＼　 }　 }⌒＼　 　 | |　l/////∧　!
　　　 　 ⌒ヽ ＼　ミ=- 　 }:/　 / -=ミ＼_　| |./＞―x//i　|
　　　　　　 　 ＼　　 ﾄ､__/　 ／ｲ　ｔｩ ヽ_　 | l{/ｨｔ笏ヽ}'/l　|
　　　　　　　　　‘，＜. ＿／　　 ` ｰ‐'⌒　ﾉ'′⌒Z7///:　!
　　　 　 　 　 　 __ヽ　　{ 〈　　　　　　　　　　 |!　∠/// 　 |
　　　　　　　　 　 ＞ 　 ヽ..､　　 　 　 　 　 　 |〉　　 }/　 } .ﾟ
.　　　　　　　 　 ⌒¨｀ヽ　　ﾄ､　　　、　　　　　 .ｨ　. 'ﾟ　　j/
　　 　 　 　 　 　 　 　 ⌒ヽ|　＼ 　 ヽ=＝ニ三ﾉ /＿_ 　 　 　 　 　 　 　　 /
.　　　　　 　 　 　 r=＝ﾆ二L_　 ＞ .,　　ー‐__　/　　 ﾉヽ　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　さて、新室完成の宴をしました
　　　　　　　　　　|　　　　　　￣|＿_ ＞.,　 |0Ⅵ｢ |　 |　 |　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　|　　　　　　　 |　　＼__｀¨¨´ /　|　 |　 l　　 　 　 　　 /
　　　　　　　　　　|　　　　　　　 |==x　　 }￣　:{0/|　 |　 |　　　　　　　/ 　 ／
　　　　　　　　　 人　　　　　 　 |　　ヽ.0ﾉ---‐「　|＿|　/ヽ.　　　　　/　／
　　　　　　-=　　　 ＼_　　　　　|¨ヽ　 }､＿＿人_/:/ |:/　　 ＼＿ ∠∠二二
　　 -=　　　 　 　 　 　 　 　＿ ｣:::::::｀¨::::::::::| |　/ / └―-- ､
　　　　　　　　　 　 　 ..-=ﾆ:::::::::::::::::::::::::::::::::| |ﾟ´ /　　　　　 ､ ＼　　 　 　 ／


　　　　 　 　 　 　 　 　 _　-─ァ‐-,､__
　　　　　 　 　 　 　 ,ｨ'´〈　　 ｆr‐=ﾆ三≧､
　　　　　　　　　　　{ ＿_ヽ　 |l ／,.-‐=ﾐヽ＼ﾆフ
　　 　 　 　 　 　 ,ィｆ／　ヽ＼| ∠..,＿　 ＼ヽノ
　　　　　　　 　 （　 ＼／￣｀"´　　　 ｀ヽ　/ﾘ
　　　　　　　 　 〈У　 ）=‐- ､　　　_,z-= |//
　　　　　　 　 ｰ=ニィ´ rｔ:::ｯミヽ},ィﾋ::ﾃﾗ ｊi/
　　　　　　　 　 〈o ∧　｀ ￣　　i　　￣　'}
.　　　 　 　 　 　 ∨ｒ∧　　　　　}　　　 /ﾉ
　　　　 　 　 　 　 ∨{＼ 　　r===，　 /　　　　　　　　　　　　　　　では、食事の準備ですね
　　　　　　　　　　　ヽl＼＼. ｀二´　 ｲ＿＿
.　　　　　　　 |￣￣￣￣＼{ヽ.＿／|_　　　|ヽ　　　　　　　　　　　　兄上
.　　　　　　　 |　　　　　　　|二二Ｙ二i}　　 |　|
.　　　　　　　 |＿　　　　　 |　｢_ヽ| | ｆ |　　 |　|
--──＜￣　　　￣｀ヽ　 ト､　}　 | | l＼___!　|─-----‐==ミ､
　　　　　　　　　　　　　＿_|　 ￣＼＼＼　 ∟ ＿＿　＼　　　 ＼
　　＼　　　 　 ／￣￣､＿　　　　　ヽ ＼＼　 ＿_ノ}｀ヽ　　　 　 ∧
　　　 ＼ 　 　 | 　 　 　 ＼ ￣￣￣Ｌ_）　ヽ し'　　/　　　＼　 　 l　|
　　　　　＼ 　 |　　　　　　 ｀≧ｘ__　　　r‐､　 r‐ｖ'　　　　　 ヽ.　 |　|
　　 　 　 　 ヽ |　　　　　　　　　　 ￣￣ 　 ） ＼　　　　　　 　 ∨　 !

‐:-:　.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾜｲﾜｲ…！
:.:....:..:.:...｀丶、　 　 ＿＿　　 　 .　- ､＿＿＿
.:.:.::.:.:.:..:...::.:.:.｀ヽく..:.:::..:..:..＞ ´::.:.....:.:...:...:..:...:..:.:..｀丶、　r=v=t　　　　　　　　　　　　　ｶﾞﾔｶﾞﾔ…！
::_:.:._:.:...:.:_.:.:.::__:::._ヽ ,zt/._..:.:_.:._..:.:.:_:.:.:..:.__.::.:._.:_..:.:_.∠交v交ﾍ - ､＿＿
ﾆ:.=爻=ミ.::=ﾆ二:.／文＼::.二.:ﾆ:一:.=ﾆ二::.ﾆニ:.∠ﾒﾒ≠寸ﾒメX ..:一.ニ::｀ヽ、
三爻.::.:..: ﾐ三=／／LL＼＼二ﾆ=ﾆ二ﾆ一＝.∠ﾒﾒ≠ｴ工｀寸ﾒメX ＝=一＝へ、
t爻:.:.....:.:.:.:ﾐ／／:元元元:＼＼ﾆ二ﾆ=一ﾆ∠ﾒﾒ≠ｴｴ匚]ｴｴ｀寸ﾒメX ニ二ﾆ＝ﾊ
爻:...:.:.:.::..:.:ミく艾艾艾艾艾メ＼＼=ﾆニ∠ﾒﾒ≠エ王エ王ｴ王ｴ｀寸ﾒメX ＝ﾆ二=
.:.:.:..::..:..:.:..::..:.ﾐ爻爻爻爻爻爻爻＼ヽ∠ﾒﾒ≠工匚]エ匚]工匚]ｴｴ｀寸ﾒメX 二ﾆ＝
.::.:.:.:..::..:.:.:.:.:.:ﾐ爻爻爻爻爻爻爻ﾒ.∠ﾒﾒ≠ｴ王エ王エ王エ王エ王エ｀寸ﾒメX 三ﾆ
::.:.::..:.:.:.:...:.::ミ竺竺竺竺竺竺竺∠ﾒﾒ≠エ工匚]エ工匚]工エ匚]ｴエ工｀寸ﾒメ∠
.::.:.::..::.:.:.:.:≦王王[[[[[[[[[[[[[[[[[[,仏くr==========================zf〉∠∠　　　　　　　　　　「などと言い騒いで、食べ物の準備をしていた」
:..:..:.::.:..:::.:.彡王,く⌒ヽ[[[[[[[[[[[[[[|≡≡LLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLL」∠∠∠.
;,;;,;,;,;;,;,;,;,;ミ=≦:..:.:.:.:.r:ト:┬┬┬z|≡≡||冊冊冊冂冊冊冂ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:||:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ﾄv|川
从乂从从ﾒｿ从ﾒ从刈w｜｜｜x|≡≡||丗丗丗凵丗丗凵ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:||:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ﾄv|川
ﾒ爻爻ｿ爻爻爻爻爻込,_|爻ミ杉彡乞r|L三ｽ⊆⊇辷彡化j:j:j:j:j:jj:j:j:j:j:j:j:f:ﾄv|川
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ﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍﾍ


　　　　　　　　　　 , :.:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀丶、
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　　　　　/:.:.:.:.:./:.:.:/:.:.:.／:／.:.:.:.////:.//:.:.:.//!:.:.:.:.:ヽ:.:.ヽ
　　　　 .':.:.:.:.!:.:l:.:.:.:!:.:.:/:.://:.:.:.:////:.://:.:.:. ///!:|:.:.:l:.:.ヽ:.:.'.
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. 　 　/イ:.l:.:.:!:.:.!:.:.:.ﾄ込佖zｸｲ≠､/'´ ,'/ｨz=≡ミ,/:.:./:.:.l　 ＼',
　　 /´/:/l:.:.:{:.:.'.:.:.:.! 　 　 　 　 　 　 { ´ゝ仗劜〉':.:/:./:.:!　　　ヽ
　　　ノ´　ﾄ.:.｀r､ヽ:.:ヽ　　　　 　 　 .　〉　　 ￣/:.ノ:.:/:.:.:.!
　 　 　 　 |:!:.:.|l ヽ丶:.:＼　　　 　 ＿´　　　／/､:.:./:.:ﾊ:.{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ふむ…
　　　　 　 i:|:.:ﾉ＼'＼｀‐-ヽ　　-´‐─｀　　　 / /:/|:/　ヽ!　,-ﾍ￣ヽ─────
　　　　　　ﾘ:/|:.:./:.了ヽ　 　 　 　￣　　 　／ノ!／￣￣￣￣|　',　 ',: : : : : : : : : :　　　　　　　　　　　　　厳重な警備だな
　　　　　　j/ j:./:.ﾊ:.｀、 丶、　 　 　 　 ∠:.:.:イ 　 　 　/ 　　.l　 |　 |: : : : : : : : : :
　　　　　　　ﾉｲ:./ j:.:..トヽ 　＞ ､_　イ:.r '´　 ＿＿__ ノ-‐　　|　 |　 |: : : : : : : : : :　　　　　　　　　　　　　さて…どう潜りこんだモノかな
　　　　　　 　 j/ ノ从|_＿r───‐／ﾉ　/￣　 ／　／￣ ∨ (_| 　|: : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　 ／, ─| |￣￣／ _/　/　　／ 　 /　　 　 ￣l│　|: : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　(／∧ :| |: : r/　//　/＿__　　　/ 　 ＿＿／| |　 |: : : : : : ／: : :
　　　　　　　　　　 |/､Ｙ/:| |:.／ ／/　/|└┤　.／-‐´/:.: : : : :.| |　 |: : ﾑ≠´: : :

　　　　　　　　　　　　　　_- ‐　￣　｀　‐　､
　　　　　　　　　 ,　 '　´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀丶､
　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ｰ､
　　　　　　 ／:.／:.:./:.:/:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.ヽ :.:.:.:.',:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.ﾄ､ニﾆ=─
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　　　　 ./.:.:. / .: :/.:.//　. :.:.//',:|　ヽヽ:.:.＼',:. :.|ヽ､.:.＼:.:.:､-‐´
　　（__ノ:.:.:. / :.:./.:.:.l:.| .: :.:. | l|_,,|l=弋ヽ､:.:.:.|:.:.:.l.: .ヽ:.:.:.＼:.＼
＿＿／:.:.:. .| .:.:.|:.:./|:|{:. .:.: .l| |i}_|!∠ヽ＝ミ,':.:.:,' :.: .:.ヽ.:.:.:.＼__｀ｰ､
ー─　´l.:. :.l :.:.:.l:.,'__|l､ヽ .:.:.{ {彡ｒて フ:::）7:.:./ :.r ､. :.:.＼‐-､＜￣ヽ
　　　　 |. : :.| :.:.:.|i仁_ヽ､',ヽ:ヽノ,ゝ‐´￣¨,':.:./ :./　l|.:.:.`ｰ､＼ ￣￣ヽ
　　　　 l:.:.|:.|:. :.:.ヽ<{f_rラ}　＼｀､.__　 　/.:./ :.,___ノ＿:.:.:.:.:.:.ヽ｀￣
　　　　ﾉ:.:.l:.|:l:.:.:.:.ヽゝ'¨´ﾉ　 　｀ヽ￣　 /.ノ :.ｲr───､ｦ─､￣＼
　　 ／´}:.ﾊ:l:|ヽ:.:.:.',ヾ､_ヽ,　　　　　 　/´/./:.| |: : : : : : } |￣＼＼
　　´　 ﾉ/ },'i|:.:lヽ`ｰ､__　　､-‐-､_　　　/:/}ﾉ{ {: : : : : : | | : /|: ＼＼
　　　ノ' 　　ﾉ|:.ﾄ |:.:.l:.ヽ｀ 　｀二￣　 　/'　/ﾘ｝｝: : : : : : ｝｝rヽ|r‐､: ヽ)-‐ー ´￣　　　　　　　　　　　　…あの手しか無いか
　　　　　　　,':ﾉヽヽ:|ヽ:.:｀丶　　　　　／__|¨//: : : ,､: : // 《〈〉ヽ}-‐´: : : ／￣
　　　　　　／　　　ヽ､l.:./l/}:.ヽ... イ　/ﾍノ | |: :／　 ＼l: ／: : : : : : : : : /: : : :
　　　　　　　　 ._-‐‐‐|/　|!|＿}ﾉｿ',　|イ,‐─' ´　／ヽ ／: : : : : : : : : : ,': : : : : :
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.　　　　 // ／l|::l ::Vﾁ≧z､::/ /::斗≦升ﾗ:::,'::/::| 　＼ ヽ.
　　　　/´_<／|!::ヽ:::ﾏｾｯfﾑ､〃ノ,tfﾋ込ｿ:::/:/:l :| ', 　 ＼ ｀ヽ
　　　　 __ﾚ´　.>ヽ:ヽヽ::￣::. }　 　 　.::::/:::/:/,ｲ.::|　 ､.　　＼（
　　　　 }/　／　/ ヽ_:::＞ 　ヽ　　 　∠:ノj:'::{::.l ::{　　ヽ 　(｀ヽ
　　　　 し'ﾉ.　 /　　ﾘ::::.＞､　'ﾆ ヽ　∠イ:::|::|:::',:人　r‐､＿）＾　　　　　　　　　　　　　 「小碓命は姨から賜った衣裳を身に纏い女装し女官たちにまぎれ込んだ」
　　　　　　ヽr廴r-ｲjﾉﾘ l::fr＞､_.∠rf＾⌒!:l :lヽ.ゝ-ｨ'ｰ┬´
　　　　　　 , -‐- ､´l ::ﾉ从} ｀i＾Y´://　! :l∧{:: | : :::|:: :::|____
　　　　　／: : : : : :Ｙi:::| :::rゝ､ヽ.} //／／ >､: :|:: :: l:／: : : : ＼
　　　 ／: : : : : : :::⊥≠≦-ｰr＝ﾁｰ‐< ／: :￣: :￢´: : : : : : : ::＼
　　 / : : : : : : r‐ 'ノ￣／￣ ゝ-f'ヽ 　　｀丶.: : : : /: : : : : : : : : : : ヽ
.　　{: : : : : : :（￣　 ／　,' /´ 　 |　:｀、　　 r‐ヽ: : !: : : : : : : : : : : : : 〉
　　 ',: : : : : : :.ゝ ／　 (／　　　 l　　 ヽ　　｀)r'´: :|: : : : : : : : : : : : /
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　　　l: : : :_/_ヽ廴 ::::/　　::　　　|　　　　<ﾉヽ.: : |:.|: : : : : : : : : : ∧

　　 |::|　 |/　　　 　 ル宀'⌒｀ヽf斗　｜ !　ﾄ､　 ヽ　　　　V　// 　 !:::::::::!
　　 |::|　 {　　　　　 {　　　　　　　｜　 !_｣　}　ヽ 　 ',　　　 L厶孑　|:::::::::|
　　 |::|　 |､　　　　　'.-‐=ミ､　　　 l 　 }´j /　　 ',　｜　 }　ﾚ　／　 l::::::::::!
　　 |::|　 |::ﾄ､　　　'.　',　 ‐-ミﾐ､_　}　/ //,二二｣　 l　　|　ﾚ'´　　　l::::::::::!
　､.⊥L._｣ﾉノ /　　 }　圷之ｆミ､ヽ}ﾙ' |/厶-ｔ爪汀　 } 　 }　}　　　　 !:::::::::!
　_≧=≠=彡'　　｜!　}￣￣´　　　 /　　 ｀¨¨¨7　 ,'　,ｲi　′　　　 |:::::::::|
　｀ヽ、　　　　　ﾟ　i } /　 　 　 　 　 i　　　＼__/　 ,'　/ }ﾚ′　　　　}:::::::::}
　　　 ｀r‐r‐r‐r─从i　　　　　　　　|　　 ＼__/　/　,′ﾙ'　　　　　,'.::::::::,'
　　　　 Vﾊ {:::{　　　 ',　　　　　　　 }　　 　 　フﾊ　{、｜ 　 　 　 /.:::::::/
　　　　　VﾊVﾊ. 　 　rﾍ　　　 _r‐=＝=‐ ､_　　 ,小、ﾄ､!　　　　 /.:::::::/
　　　　　 ヽ:::ヽﾍ　　 |:::::ヽ　　｀こ二二こ´　／.:::|　 }:::}　　 　 /.:::::::/　　　　　　　　　　　　　 ん…
　　　　　 　 ＼::.ヽ、_j::::::::::.＼　　　 ｢￣{／ｲ::::::::{_ノ.:/　　　 /.:::::::/　 　 /
　 　 　 　 　 　 ヽ::::::ハ::::::::::::. ヽ、__j_ ／__ノ.::::／:.V′　　 /.:::::::/　 　 /　　　　　　　　　　　なんとも、美しい娘がいたものでした
　　　　　　　　 　 ｀/.:::::}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{:::::::::'. 　 　/.:::::::/　 　 /
　　　　　　　　 .　 ﾍ::::::::＼::::::_::_::_::_::_::_::_::::::::ノ.::::/.:｀ヽ､/.:::::::/　 　 /
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　　　　 　 　 　 　 　 　 _　-─ァ‐-,､__
　　　　　 　 　 　 　 ,ｨ'´〈　　 ｆr‐=ﾆ三≧､
　　　　　　　　　　　{ ＿_ヽ　 |l ／,.-‐=ﾐヽ＼ﾆフ
　　 　 　 　 　 　 ,ィｆ／　ヽ＼| ∠..,＿　 ＼ヽノ
　　　　　　　 　 （　 ＼／￣｀"´　　　 ｀ヽ　/ﾘ　　　　　　　　　　　　　　　　　　「熊曾建の兄弟はその乙女を見て気に入って、自分たちの間に坐らせた」
　　　　　　　 　 〈У　 ）=‐- ､　　　_,z-= |//
　　　　　　 　 ｰ=ニィ´ rｔ:::ｯミヽ},ィﾋ::ﾃﾗ ｊi/
　　　　　　　 　 〈o ∧　｀ ￣　　i　　￣　'}
.　　　 　 　 　 　 ∨ｒ∧　　　　　}　　　 /ﾉ
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　　　　　　　　　　　ヽl＼＼. ｀二´　 ｲ＿＿
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.　　　　　　　 |＿　　　　　 |　｢_ヽ| | ｆ |　　 |　|
--──＜￣　　　￣｀ヽ　 ト､　}　 | | l＼___!　|─-----‐==ミ､　　　　　　　　　　　　　　　　 兄上
　　　　　　　　　　　　　＿_|　 ￣＼＼＼　 ∟ ＿＿　＼　　　 ＼
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　　　 ＼ 　 　 | 　 　 　 ＼ ￣￣￣Ｌ_）　ヽ し'　　/　　　＼　 　 l　|
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　　 　 　 　 ヽ |　　　　　　　　　　 ￣￣ 　 ） ＼　　　　　　 　 ∨　 !

　　　　　　　　　rf冖冖冖冖￢ミﾐxn､::::::::::::::}ﾄ､　}ﾄヽ.
　　　　　　 　 ,　 　 　　　　　　　　　　｀弌fi厶::fL｣.斗ﾄ､
　　　　　　　 ′　　 　 　 {　　 、ヽ、 ｀ヽ.　 >ﾉ:ﾄ､.:＜}_} ＞
　　　　　　　{ {　　　　ｉ　| |ｉ　｜|､　＼　　V/:/　}ﾄ､::::＼｀丶、
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　 　 {:::::{{::::::| ﾄ､ ､＼ {　r外、 ! }　 ´^　　|i　/ｲ　　｀７＼ﾄ､　　 　 _ .x≦彡'　　　　　　　　　　　　　「その宴が酣になると、小碓命は懐から剣を出し」
　　 └‐ﾍ:::八{　ヽ＼ ﾄ､ﾄｆトヘ|ﾉ 　　　　　|/ /　　rf'.: .: .: .:}ﾄ≦三三≧'
　　　　 　 ｀≦＝キﾄ､ﾄ､}仆､　}　 _ ＿ ノ　 厶　rf'.: .: .: .: rﾀrﾀ.＼三三三三三≧'
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　　　　　　　　　　　　　 ヾV　 ｀/　　　　　ヽ　 ,　　　　 　 　 　 ´ノ'"／
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　　　　　　　　 　 　 　 　 i　 　 　 ／　 ｀　､　　 ／　,,..　-､ｨ ./|　 /!／｀
　　　　　　　　 　 　 　 　 | 　 　 /　 　 /´＞''"￣￣　 __ / |/ /／/
　　　　　　 　 　 　 　 　 ∧　　/ 　 　 i／ 　 　 　 　 〈_0'　'´／ ,./ ＿＿_
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　　　　　　　　　　　　　　　 ∧ ＼　　 ｀　￣i　　 i　/　/⌒>‐ｭ'"　　 　 　 　 ＼　　　　　　 　 /, ､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　／i/ヾ ＞　　　　|=z' ,〉 iv〈｀¨7　/ 　 　 　 　 　 i 　 ＼　　　　 　 ,{ i　i　}
　　　　　　　 　 　 　 　 ／　/'//|´￣〉　 /i/｀　　　',　 ン ／　　 　 　 　 　 | 　 　 ＼　　 .／,弋_' ノ　　　　　　　　　　 「剣をその胸から刺して通した」
　　　　　　　　　　 ,.. ／ 　 /'///! ／　 /　{　　　 　 〉 i_//＼　　　 　 　 　 .　　　＿_ヽ／／　　 __
.　　　　　　 ,＞ ´ ／　　　/////|´: :i￣ヽ　　 　 ＿'_　 ////'＼　　　　　　ﾉ　／　 　 / '　　　 /, ､ヽ
　　　,＞ ´　　　 /　　 　 i'/////|: : : ､　　＼ ,∠=- ´∧//////＼　 　 　 .／ !／　 / ヽ　 　 ,{ i　i　}
　 ／　　　　　　' 　 　 　 |////ハ: : : :.＞ . __＼ ＿　'.: :ヽ///////＼　 ／　 ' ＼　/　　!　／,弋_' ノ
／　　　　　　　　　　　　 |/////∧: : : : : : : ／|　　 ￣￣￣￣｀ヽ,'//／　　　　＞'＿＿／／
　ヽ　　　　　　　　 　 　 ///////∧: : : : : 〈　/　 　 ￣￣ヽ 　 ／/X　 　 ＞ ' ／　 　 / ' ｀ヽ
　　 ＼　　　 　 　 　 　/////////∧: : : : : :>　!　　　　　／l ////ヽ＞ ' //／ !／　 /　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　 グホッ…
　　　　＼　　　　　　 ///////////∧: : ／/　 |　　　 ／ ∨'|////////,／　 ' ＼　/　　　 　 　 ＼
　　　　　 ｀　　　 　 /////////////∧/　〈　　ヽ 　 /　　　 .|//////／　　　　＞ '､　　　　　　　　｀
　　　　　　　i　　　////////////////＼　ヽ,　　 ∨＼　　 〈////X　 　 ＞ '/////＞ ..,＿
　　　　　　　|. 　 ///////////////////＼/　　　 ｀ / 　 　 ∨/ヽ＞ '/////////＞-‐ '"´

　　　　　　　　／　　.:／　　__,.　-､ ヽ／ ￣￣ ヽ
　　　　　　　 /／ .:::く　　/（::::::::::::::＼}／ 　　　　{、
　　,、 　 　／ 　...:::::::::｀>　 ）´￣ ｀　ヾ、-─‐-:. 　',
　　{≧二′.:::ゝ-:::::::／　／ ￣＼　 　　＼::::::::..　　|
　　ﾐ二ﾆ=::::::::::::::::／´￣　　,≧ｭ､ﾐﾄ､ ､　　ヽ:::＼l　|
　　 ヾ:::.. ..::::::/::|　|　　　　　ゝ (:) ﾄ､ヾﾉ〉{、　{:::::::{ ヾ
　　　 ゝ､:::::::,ﾞ::::|　| 　　　　　´￣ 彡'／ /≧ﾐ､:::::::〉 }
　　　　{:::＼::}::::ｌ´ | 　　　　　　　　 　 　 Kｿ ﾊ::::,ｨ'／
　　　　ゝ、::::::::∧ヾ 　 　 　 　 　 　 ､　／　,'{／
／￣｀　ｰ-::::_/　}:::::＼ 　 　 　　 ,. -- ､　/
　　　　　　　　　￣ 〉､::＼ 　　／´￣／ /
　　　　　　　　　　/ 　＼:_＼〈 　 　/ ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 な、なんと…！
　　　　　　 　 　 /　 ヽ 　 ､￣｀ ─' /
　 　 　 　 　 　 / 　 　 ＼　＼＿_／
　＼ 　 　 　　./　 　_, - ､〉--ィ=く＿f´｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「弟建は、見て恐れをなして逃げ出した」
　　 ＼　　　 /＼ 　∨ヽ l}　/}/　　 /　　/
　　　　＼　 ,′　＼　　 }　/ﾌﾞ　　 /　　/
　　　　　 ∨ 　 　　 ＼ノ /〈　　　/　　∧

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,r'､／／
　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､/｀ヽ ／;＼ >'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 r〈　ヽrゝﾆ｀ｰ <}!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　 　 　 {ヽ ＼ﾉ´ーr 　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　>､)ｰ';;;／/　　 |
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 _.　-‐::￣::¨::‐-.. _　　 　 　 　 　 　 　 Yヽ　　／;;;;;;;;;, <_ r''´￣｀ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 _':.´:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀`ヽ､　 　 　 　 　 .ノ　 ヽ<;;;;;;;;;／　　 {!:::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　 　 　 　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ 　 　 　 ,ｲ i! ﾘ　　ヾ,イ　　　　 ';:::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　/:.:./:.:.:./:.:.:.:.:.:i .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ　　 /　 |!/　　　　ﾉ　　 　 　 ',:::::::::::::::::::::::',
　　　　 　 　 　 　 　 .,,':.:./.:.:.: /.:.:.:.:.:.,ｨ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}ヽ /´￣｀ヽ＿_／　　 　 　 　 ',:::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　 　 　 ,／l:.:/.:.:.:/i/ヾ.:.:/:ｉ::ﾍ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. i／:::::::::::::／:::::::::::￣｀ｰ- ..,,_　　',::::::::::::::::::::::',　　　　　　　　　　　　　逃がすか
　　　　 　 　 　 　 　 .|/´|:./:/:i.:|:.:/::::＼｀ｰ- ..,,_＼, ､.:.:.:.:./´:::::_,,..r''´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ j:::::::::::::::::::::::::',
　 　 　 　 　 　 　 　 //:.:|'|/.:.:|:.|//＼::::＼:::|/::／<　 }:::,r_,,..r''´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾉ|｀ヾ:::::::::::::::::::}!
　　　　　 　 　 　 　 ./／.|':.:/.:|//　 ノ,ｲ tﾘ.,,_:/i/ _ノ //::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j!
　　　　　　　 　 　 ./´ 　 i!/:.:.//ヽ ´　 ￣´　/,ｲ /´￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾉ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /／/ヽ:./__　 ＿　 //´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨::::::::::::::::::_,,..-‐'´
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 / 　 /::::::｀ヽｰ ｀ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨_,,..-‐''´
　　　　　　　　　　　　　　　 　 /:::_,,..-‐''"´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}!
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,,.. -‐'´i!

　　　　　　　　　　　　／　 ／　/ lヽ､__ lト､　　　　＼ヽ
　　　　　　　　　　 ∠ 彡 '　 ノ　, l==､ﾐ llゝl`ヽ､　ﾊヽヽ`ヽ、
　　　　　　　ｰ=ﾆ''　 ,ﾍ-_''_ ,,,／ ﾑ-ﾟ-ゝ l　 i 彡.>　ﾊ　 i ﾄ､ヽ
　　　　　　　 ミ､ ￣/　ﾍ　　　　/　〉　　 ﾉｨ　ﾄﾟゝl　　l 　l l　ヽ i
　　　　　　　　　 i　.l　／i　　　　　　, ==-''､_ヽ　i　　　l //　　il
　　　　 _　-‐　' `ヽ.L/ /ヽ､__　　／／~`ー-ｲ／/ｨ　il ｲl　　　l
　　　 /　　　　　　　/,- ､ _　 `ヽ//==-ミ ､. / /ノﾉイl〈　　　　l
　　　/　　　　　　　/'　　、_` ‐-- ､` --､`ヽl/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「小碓命はすぐにこれを追いかけ
--- /　　　　　　 /` ヽ ､　　　'' -　--￣´_ /
　　 ヽ　　　　 　 /　　　　 ` ヽ､　　,, - ― ''　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その室の梯子の下に至って、その背中の皮を掴んで、剣を尻から刺し通した」
　　　 ヽ　　　　 i　　　　/`ー ､ `> ､　　　　　, - ､
､　　　　ヽ　　　l　　　　'　　　 i// ヽ/､＿_,,イ　　 ヽ
　` ヽ､　　　　,ノ` ､　　　　　/ /　 /　　　 /　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アーッ！！
`ヽ　　 ` ｰ ''　　　　　`ヽ､ //〈__　`ヽ､　/　　　　/
　＼ `　ｰ- ... __　　　　　 l`i''7　　　　　/　　　　/


　　　　　　　　　　　　　　 __ 　 .イｌ. , --　ﾐ ､　　　　　　　,ｨ
　　　　　　　　　　　　　／　｀く.　 l/ , - ､: .｀ ＝=､＿__／ﾉ!
ﾍ　　　 　 　 　 　 　 , '　　 . : . ＼l //: : :､:､: . .＿＿ : : ´/ｨ
.∧　　　　　　　 　 .ｲ: /　/: :＿＿!{ム＿__ヽ:､: : : :--‐: ´:/ｲ
　∧　　　　 　 　 /. ヽ| { {／ 　 　 ,.ｨ　ｌ ,{ 　 `＼､: :‐--‐: : ! .ｨ
V .∧　　　　　 i､iゝ＿ｊ ヽヽ＝＝彡'　ﾉ i `＝ｒ ､_｀＝＝＝彡'′
.∨ .∧　 　 　 丶三. //: ﾄ:l　_三. 　 　 ｒ ィｆヾ:.:.､ヽi: : : : :/
　V　.∧　　　　､ｚ‐彡': :/ l|ｲ　ﾟ　, ﾉ 　 | ｆ:.l:.:.:.､:.ヽ:.＼: :ﾆ＝‐'′
　 ∨　∧　　　　｀¨Z イ ノ'　 ‐彡'　 　 | l:.:.､:.:.:.ヽ:.:ヽ:.V＿,,
　　∨　∧　　　　　ﾊ ﾍ　 　 　 　 　 ,　i〉ゝ:.:',:.:.:.:l:.:.:.l:.:|
.　　 ∨　∧ 　 　 ｨ:　ゝﾍ　　　　　　 ＿_　}:.:.:l:.:.:.:l:.:.:.l:.:|　　　　　　　　　　　　　　　　　「すると、その熊曾建が申して言うには…」
　　　 ∨　∧／:　l:　:　l ﾍ　 　 　 ／一'{　}:.:.:l:.:.:.:l:.:.:.|:.|
　　　　∨　.∧　: l:　:　:ゝ .＼ 　 〈､＿__ｊ} ,|:.:.:.｀:.:.:.:.:.:.:.:ｌ､
　　__／:∨　.∧　|　:　:　ヽヽ ＼　` ﾆﾆ´ ｊ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./: ＼　　　　　　　　　　　　　　　その大刀を動かさないでください
＜:　:　:　∨　 ∧l:　:　:　:　＼＼＼　 　 〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;':　:　:＼_
:　:　: ､:　: ∨　 ∧:　:　:　:　:　` ､`_｀ﾆﾆ.||:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾑ:　:　:　:　＼＿_　　　　　　　　　私は、申し上げたいことがあります
､:　:　: ＼:　∨　 ∧　:　:　:　:　ｒ‐ ､| | |ﾆ||:.:.:.:.:.:.:.:／/:ヽ:　:　:　:　:　:　｀丶
､＼:　:　: ＼ ∨　 ∧:　:　:　:　: ⌒ヽ.| |　ゝ:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.＼:　:　:　:　:　:　:

　　　　　　　.':.:.:.:.:.:.|:　.:.:/:.: .:./:. .:.:.／i:.:.: .:. ./:.:.:.:.:.:.ヽ､ ヽ:.:.:.:.:.
　　　　　 　 l.:.:.:.:.:.:.l :. .:.l:.:.:.:./ :.:.／//l:.:. :. /:.:.:.:.／:.:.:.∧　＼:.:.
　　 　 　 　 |.:.:.:.l.:.:.|:.:. .:.|.:.:./:.:.∠_//_.|:.:.:./.:.:.／ /:.／ヽ:.ヽ　｝:.:
　　　　　　 ,':l:.:.l＾l:.:.l:.|.:　l:/ｲ＜ヽ､/‐､|:.:.:.レ'´／:／l　 |.:.:.|　 |:.:
　　　　　　/:.|:.:.}｝|.:.|:.|.:.:.|､｛ｒｆ夊仏＼|:.:./rフ´／＿.|　 {:.::.|　 |/
.　　　　　/:./|:.:.|　l.:.l:.|.ﾄ:.'.￣￢‐┴ヽ',:./／‐´ ＼_/　　ヽ_l
　　　　 /／ }:.l:ヽrヽl:.l:.ヽ:ヽ　　　　　 ヽ,　,}＼　　　　　 　ヽ
　　　／´　 .':.ﾊ.:.{=l:.'.:.ヽ:.',-＼　　　　 ｛_￣￣￣ヽ　　　　　　',
　 　 　 　 /:/　}:.:|ＦT〕､:.＼　　　　　　　 ヽ￣ヽ　　　　　　　　l
　 　 　 　//　/|:.:l|{≡}|ヽ-､＼ ､＿_ _　 / .| 　| ',
　 　 　　/´　　 l:.|}:|f i:|. ＼　　　　___　¨ヽ { 　l　',
　 　 　 　　　　/´l:ﾊヽヽ､　＼　　　　¨ 　　｀才:.ﾊ
　　　　　　　　　 ﾉ _}:.:|＼＼　＼　　　,　' ´/:.:./ /,ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 なんだ、言いたいことがあるなら言うが良い
　　　　　　　　　　 }二二匁≡⊃＞＜ｦ‐≠ｫ{! ./´　 ＼
　　　　　　　　　　/:∧: : / /: : ￣７ /￣￣l ヽ 　 　　＿〉_＿＿
　　　 　 　 　　　/: ∨: :/ /: : : : :/ /-､〈〉/　　　 　__|＿＿＿＿
＿＿＿＿＿ ／ 《〈〉》 l　{ : : : : {　{＾}} }{}ヽ＿　 　|＿＿＿＿＿
: : : : : : : : : : : : :.≧≦ / /: : : : : |　|: :巛r: : : 卜-'|: : : : : : : : : :


　　　　　　　　　　　　　　 __ 　 .イｌ. , --　ﾐ ､　　　　　　　,ｨ
　　　　　　　　　　　　　／　｀く.　 l/ , - ､: .｀ ＝=､＿__／ﾉ!
ﾍ　　　 　 　 　 　 　 , '　　 . : . ＼l //: : :､:､: . .＿＿ : : ´/ｨ
.∧　　　　　　　 　 .ｲ: /　/: :＿＿!{ム＿__ヽ:､: : : :--‐: ´:/ｲ
　∧　　　　 　 　 /. ヽ| { {／ 　 　 ,.ｨ　ｌ ,{ 　 `＼､: :‐--‐: : ! .ｨ
V .∧　　　　　 i､iゝ＿ｊ ヽヽ＝＝彡'　ﾉ i `＝ｒ ､_｀＝＝＝彡'′
.∨ .∧　 　 　 丶三. //: ﾄ:l　_三. 　 　 ｒ ィｆヾ:.:.､ヽi: : : : :/
　V　.∧　　　　､ｚ‐彡': :/ l|ｲ　ﾟ　, ﾉ 　 | ｆ:.l:.:.:.､:.ヽ:.＼: :ﾆ＝‐'′
　 ∨　∧　　　　｀¨Z イ ノ'　 ‐彡'　 　 | l:.:.､:.:.:.ヽ:.:ヽ:.V＿,,
　　∨　∧　　　　　ﾊ ﾍ　 　 　 　 　 ,　i〉ゝ:.:',:.:.:.:l:.:.:.l:.:|
.　　 ∨　∧ 　 　 ｨ:　ゝﾍ　　　　　　 ＿_　}:.:.:l:.:.:.:l:.:.:.l:.:|
　　　 ∨　∧／:　l:　:　l ﾍ　 　 　 ／一'{　}:.:.:l:.:.:.:l:.:.:.|:.|
　　　　∨　.∧　: l:　:　:ゝ .＼ 　 〈､＿__ｊ} ,|:.:.:.｀:.:.:.:.:.:.:.:ｌ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　まず…貴方様はどなたでいらっしゃいますか
　　__／:∨　.∧　|　:　:　ヽヽ ＼　` ﾆﾆ´ ｊ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./: ＼
＜:　:　:　∨　 ∧l:　:　:　:　＼＼＼　 　 〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;':　:　:＼_
:　:　: ､:　: ∨　 ∧:　:　:　:　:　` ､`_｀ﾆﾆ.||:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾑ:　:　:　:　＼＿_
､:　:　: ＼:　∨　 ∧　:　:　:　:　ｒ‐ ､| | |ﾆ||:.:.:.:.:.:.:.:／/:ヽ:　:　:　:　:　:　｀丶
､＼:　:　: ＼ ∨　 ∧:　:　:　:　: ⌒ヽ.| |　ゝ:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.＼:　:　:　:　:　:　:

　　　　　　　／: : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　/: : : : : : : :./: : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　 　 　 /:. :. : : : : :./: : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　 .//: : : : : : :/: : : : /: : : : /: : : : : : : |: : : : : : : |: : :ﾍ
　　　　//: : : : : : : |:.:r‐､r‐､: : :/: :/: : : : : :.|: : : : : : : |: :|: :|
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　　 /: : |: |.: |: : : :| 　i 　| 　|/: :/: : : /: :.:/ .i: : : |:.: : :.|: :|: :|
　 ./: /: |: |.: |: : : :| 　| 　! 　!:.:/: : : /: : :/　 ＼:. ! : : :.|: :|: :ヽ、
　/／: /|: |.: |: : : :| 　| 　| 　|/: : : /|: : /　 , ィ≦!:.:.:.:. !:. !｀ ー｀‐
／ /: / ヽヽ:ヽ: : ｲ 　i 　| 　|: : : /./／ イj　} .} .|: : : /:.:.|
　./／　　|＼: ／ l. 　! 　! 　!: :./／／夂ｪシノ　|: : /: :.:.|
.／　　　 .|:.／ .／! 　| 　| 　|: / !　　　￣￣ 　 ﾉ／:.: :|:ﾍ
　　　　　 |ヽ　ヽ　!　 | 　|　 |/　|　　　　　 　 ／: : :|:.: |: :.ヽ、
　　　　　ﾉノﾍ.　∨.　　　　　!　 ヽ　　　, -‐‐､/:. :.: !: :.!｀ ー ｀-
　　　　／　　|　　　　　　 　 ヽﾆ二ン´　,　' ´|: /|:. !:.: !
　　　　　　　 |　　　　　　　　 　 　 　 ／　 　 !/. !:∧: |　　　　　　　　　　　　　　私は、纏向の日代の宮にいらして大八島国を治めている
　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　／　　　.＿!））/　ヽ|
　　　　　　　 |　　　　　　　　　　/ニニニ.|─‐' |　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｵ ﾎ ﾀ ﾗ ｼ ﾋ ｺ ｵ ｼ ﾛ ﾜ ｹ　　　　　　　　 　　　　　　　　ﾔﾏﾄｵｸﾞﾅ
　　　　　　　 |　　　　　　　　 ／: : : : : : | |: : : : |　　　　　　　　　　　　　　　　　 大帯日子淤斯呂和気天皇（景行天皇）の皇子、名は倭男具那王だ
　　　　　　　/　　　　　 　 ／: : : : : : : : .| |: : : : |
--─==ﾆﾆ/　　　　　　／| |: : : : : : : : : | |: : : : |｀ﾆﾆ=- ､＿＿
: : : : : : : : .|　 　 　 　 /: : ! !: : : : : : : : : ! !: : : : : : : : : : : : : : : :


　　　　　　　　／.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧
　　　 　 　 　 {.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:∧
.　　　　　　　 |.:.:.:.:.:/.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧ .:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.｝
　　　　 　 　 ,'.:.:.:.:.:{.:.:.:.:.:.:イ／／.:.:.:/　ヽ.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.ﾘ
　 　 　 　 　 !:.:.:.:.:.:|:.:.:／ﾉ' ／ ｊハ从 斗七爪}.::.:.:.:.:.:.:i
.　　　　　　 〃i.:.:.:.:∨ ￣廾ト､ ﾉﾙ' 　ィﾃ示ヽ!:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　　　　　/ 八.:.:.:ハ〃「丕ﾗ　} 　　　`´￣ /.:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　 　 　 /　 　ヽ:.:.:∧ ´ 　 　 :!　 　 　 　 /:.:.:.:从}八{
.　　　 　 　 　 　 }:.:.:.:∧　　　　`　　　　　/.:.:.:.:イ/ヽｊ　　　　　　　　　　　　 天皇は、お前たち熊曾建の二人が、服従せず
　　　　　　　　　 ∨ヽ.:介　　　 ´こ丶　 / 从:/ﾉ'
　　　　 　 　 　 　 　 }从.:.:＞　 　 　 　 ／}:.:/　　　　　　　　　　　　　　　　 秩序に背いているとお聞きになって
　　　　　　　　　　　　ヽｊヾi:.:| ≧ ､　 イ　 :|/
　　　　　　　　　　　　　 　r‐＝＝＝＝＝＝7　　　　　　　　　　　　　　　　 お前らを討ち取れと命じられ、俺を遣わせた
　　　　　　　　　　　　　　 ||:::::://:::::::::::::| |:::::{
　　　　　　　　　　　　　　/′::| |:::::::::::::ｌ| |:::::|l

＼＿ノ　　＼＼ ヽ/　 / ／,.　-ー-　　ー-ミ_ ハ
　 ＼::::::::::::::...＼＼ヽ // ／::_;::ー:､__＞ミ､─' ノ::ヽ
　　　｀ 　 ＝ｧ::::＼ Y{/∨／__／＼＼　ヽ;::＼:＿_丿
、　　　／　　 ..:｀ヽ::|l;::ヽ＜′　　　＼＼ ∨／::/
:::ゝー/　　..::彡ーｧ´~　　＼＼ ､ ､ 　 ヾ}.__}／:/
＼{ 〈　　 .:/::/　〃　　 u 　 ＼', 〉 〉≧彡く|:::厶-─-　､
　.:＼＼　 {:::{　 |Ｌ ＿ ,.ィ≦ミキ　l　,ィ;:) 〉 ト〈 　 　　 　 ＼
＼　　..::ヽ:::人　|| 　 二二ミ､　}}　|/ ー '　 |　ヽ 　 　　　　 ＼
＼＞､::＿ノ |:|　||イ´　(:) ﾉ〉 } ﾘ　ヽ. 　　　 ｌ　　 ＼ 　 　 　 　.}
　　 ゝ-彡'　|:|　|| 　｀二彡' 　 　　　､　　　∧ 　　　', 　　　　 ,'
　　　ヽ::::＼ ｿ　ﾍ 　 　　/　　　　　　〉 　 /　',　　　 } 　 　　 /
　　　　 ＼::::ヽ　　　　　　　　　　　　′　/　　l　　　 ｌ　　　 /
　　　　　　＼::::＼　　　　　　　　,. ｰ _ﾌ ,'　　｜ 　 　|　　 ./　　　　　　　　　　　　 成程、天皇の遣わした人でありますか
　　　　　　　 ＼:::::ヽ 　 　 　∠　-‐　　 l 　 　 　 　 /　　/
　　　　　　　　　＼::::::＞ー-　､ 　 　 ／　　　ヽ　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　西の方には私たちをおいて他には、猛々しく強い者はありません
　　　　　　　　　　　｀＞､:::::::::／￣ ´〉/　　　　 ',　 ＿〃
　　　　　　　　　　　　　　７:/ 　 　／/ 　　　　 } }´:／
　　　／　　　 ／　　　　 //　　　　　　　　　　／::/


　　　　　　　　　　　　　　 __ 　 .イｌ. , --　ﾐ ､　　　　　　　,ｨ
　　　　　　　　　　　　　／　｀く.　 l/ , - ､: .｀ ＝=､＿__／ﾉ!
ﾍ　　　 　 　 　 　 　 , '　　 . : . ＼l //: : :､:､: . .＿＿ : : ´/ｨ
.∧　　　　　　　 　 .ｲ: /　/: :＿＿!{ム＿__ヽ:､: : : :--‐: ´:/ｲ
　∧　　　　 　 　 /. ヽ| { {／ 　 　 ,.ｨ　ｌ ,{ 　 `＼､: :‐--‐: : ! .ｨ
V .∧　　　　　 i､iゝ＿ｊ ヽヽ＝＝彡'　ﾉ i `＝ｒ ､_｀＝＝＝彡'′
.∨ .∧　 　 　 丶三. //: ﾄ:l　_三. 　 　 ｒ ィｆヾ:.:.､ヽi: : : : :/
　V　.∧　　　　､ｚ‐彡': :/ l|ｲ　ﾟ　, ﾉ 　 | ｆ:.l:.:.:.､:.ヽ:.＼: :ﾆ＝‐'′
　 ∨　∧　　　　｀¨Z イ ノ'　 ‐彡'　 　 | l:.:.､:.:.:.ヽ:.:ヽ:.V＿,,
　　∨　∧　　　　　ﾊ ﾍ　 　 　 　 　 ,　i〉ゝ:.:',:.:.:.:l:.:.:.l:.:|
.　　 ∨　∧ 　 　 ｨ:　ゝﾍ　　　　　　 ＿_　}:.:.:l:.:.:.:l:.:.:.l:.:|
　　　 ∨　∧／:　l:　:　l ﾍ　 　 　 ／一'{　}:.:.:l:.:.:.:l:.:.:.|:.|
　　　　∨　.∧　: l:　:　:ゝ .＼ 　 〈､＿__ｊ} ,|:.:.:.｀:.:.:.:.:.:.:.:ｌ､　　　　　　　　　　　　　　　　 ところが、倭の国には
　　__／:∨　.∧　|　:　:　ヽヽ ＼　` ﾆﾆ´ ｊ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./: ＼
＜:　:　:　∨　 ∧l:　:　:　:　＼＼＼　 　 〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;':　:　:＼_　　　　　　　　　　　　　私たち二人にも増して、強い男子がいらっしゃった
:　:　: ､:　: ∨　 ∧:　:　:　:　:　` ､`_｀ﾆﾆ.||:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾑ:　:　:　:　＼＿_
､:　:　: ＼:　∨　 ∧　:　:　:　:　ｒ‐ ､| | |ﾆ||:.:.:.:.:.:.:.:／/:ヽ:　:　:　:　:　:　｀丶
､＼:　:　: ＼ ∨　 ∧:　:　:　:　: ⌒ヽ.| |　ゝ:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.＼:　:　:　:　:　:　:

　　　　｀ ー-　.＿_ ,.　7′　　　　　　　　　　_ .. -┴‐- ､
　　　 　 　 　 　 ／　/|　　 _　-― ｧ-‐　￣　 　 　 　 　 l
　　 　 　 　 　 / 　 /　! ! / | 　 　 |　 /　　　 _ ..　-‐.、　|　　　 ／
　　　　　　　 /　　/ / | |.!　 　 / /|　{　　 ,∠三三ミ. ヽ |　/　　 -
　　 　 　 　 /　　 !　!　{_||　　/{ /=!　　　{‐　 ￣ ｀ヽヽ } |/　／ ＿
　　　　　　/　 　 |　|　| /|　　{ ヽ._j_　-　 } ＼、　　　｀ﾊ/　三三三
　 　 　 _../　　　｜ |　!　.|/l | ＼ ー‐ ,ｨｰ＼､ ﾄ.　　　　 ￣ ｀‐z 三
　 ,. ‐, -/　 　 　 l　 l |　 !　!|′ ｀￣　ヾ 逝jヽﾄl　　　　　　　　 ｀＞z
／／　ｲ　　 　 　 |　 !| /　 ! !　　　　　ヽ＼　 ﾄ| V|　 　 /／
r'　　/｜　　⌒ヽ. |　 ||V　 | |　　 　 　 　 ｀￣､ ヽ.| /' /ｲ　＿＿ ノ
　　/　 |　　 　 } }　!　 |! V　| !　　　　　　 　 　 ヽ､{z_/≦三テ／..-
　/　　｜　　 ﾉ/／　　}|　V | l　　　　　　　　　　 　 /^辷'ノ／´
/　　/　|rー '／　_／ ﾉｰ､ V|.|　 , ＜丶　 　 　 　 /　　 ／
　　/　　j　　　／ヽ／　 ハ-V!V{′　＼＼　 r--　　 イ　　　　　　　　　　　　　　 だから、私は貴方にお名前を差し上げましょう
　　 　 く 　 ／　　/　　/　 　 Vﾄ､　　　 }｀¨＞　.イ´　/
　　　 　 ヽ |　　 /　　/　 /　 ハ-へ ___／z＜／　／　　　　　　　　　　　　　　　　今から貴方は倭建御子と名乗られるとよいでしょう
　 　 　 　 l |　　′　 { ／　　　　>ミ_ ／‐　 イ ￣
　　　　 　 | |　　　 r__ｭ　　＿_ / -‐_.. ‐　´　j


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　　　　　　　　　　　　　　　）ノ|:.:.＼　　　　,イ　　／´|:..|:.|:.l　`ｰ｀‐
　　　　　　　　　　　　　　 ´ 　 }∠}/ヽ-イ　yr=.＝＝≠|!`ｰヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　気に入った
　　　　　　　　　　　　　　　　／ r／ヽ＝レ＜||: : : : : : :|ゝ
　　　　　　　　　　　　　　 ／-‐´ イ≦=彡｀: :{{,-､:〈〉.,-|
　　　　　　　　　　　　, イ　　　^　‐---- 、: : :||＾)）.{}（(:|
　　　　　＿＿,-─´　　 　　　　＾ヽ‐--r　>: : ||: :<〈〉>: `､
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rﾆニニ二二ニニニニ} : : : : : : ｛｛: : : : ｀ｰ─'｛｛: : : : : : : : : : : : : : : : : : :￣＝‐､
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　　　　　　　　　,,..､._,ii､ -,,..-'';,i'　　　|;;;;;;;;;;;;;.;v―ｰi;;,,v-ｰ'"　 　 　 　 　 ,,-- 、
　　　　　　　　 ヽ./ 　 ｀ﾞヽ,;;;;__ゝ,, ..,,lﾞ;;;;;;;;;;./ 　　　　　　　　　　 　 _,,iiiﾆｿ一'" : ii、　　　　「このことを申し終えると、ただちに…」
、　　　　　　　　　　　　 _,,ﾐ/゛　 ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ‐'―― .... r;;;;ッr‐'''''"゛　 .y､_
;ヽ、 　.,ﾉ７　　　　　　　ヽ‐゛ 　 ,r''ﾞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,i‐'"　　　　　　　　 ヽ;.|
'''-､ﾞﾞア'"　　　　 　 　 　 　 {,ﾞ二､,,-､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r‐┘ : :lﾆ;;． 　 　 　 　 ゛　　　　　　　　　 「熟れ瓜を引き裂くように切り裂いて熊曾建を殺した」
　 ...ｌ′　　 :l";二ﾞ''''┐　　　 　　 ,l´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ-'''''-、　　　　　　　　　　　［'l、
._..．　　　_.　 ´　,〉;;;;;;ﾞ'ｰ､,　 . _,._..ﾐ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;7　　　　　　　　　　　 ｀ﾞ"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
;;;lﾞ　　　.ヽ;;￣￣;;;;;;;;;;;;;;;;;.!　 .l､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _,,
.､!､　　 .,i┘;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ^'''"　　 ,|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,..;＞ｰ'ﾞﾞﾞﾞﾞヽ　　　　　　　　　　　　 ﾞ‐'　|.ｌ
..l;;;;ﾞゝy レ;;;;广'L;;_..ｺ　　　　l;;;;ン'ｯ;;;;;;;;;;.,,.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ 　｀''､_;;;;;;;;|　　　　　　　 .,,,　　　　 .　ｌ､;ﾞ￢．
. ﾞ'''''″ .ﾐ､;;;;ﾞ''''l:ﾞ'"　 ` .、　 ｀''" : l.;;;;;;;;;;lﾞ ﾞ'<;,v､;;;;;;;;;;/'　　　 .｀''''"　　　　　　　 !;;ﾞ''┐　　　　.ﾞ'ｰ'"
　　　　,-シ､;;_ﾉ　　 . _,　｀　　　 .tナ‐'￣″ ∥ .｀'―ｰ!lｌt;;． .'　　　　　　　　　　!､;;;丿
;/　　,r./ 　l;/　　　 '!┘　　　　　　　　　　 　ﾘ'i　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ´　　 ,,、　　　,、
,! .／　　,i";;{_ 　 　　　　　　　　　　　　　　 =!.!.ｌ　　　　　　　　　　　　　　　,i'''；　　　　 .|;;;;ﾞﾞ''''''";;.ｌ､
! 　　　　ﾞL;;;;;ﾞ＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　マ　, ､,,, 　 　 　 　 　 `''".ｨ;;-一'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
..,i￢―''>.ｌ..､/ﾞ　　　　i'ﾞﾞ~ﾞﾞﾞ'-|!!ゝ　　　　　　　　　i'''j　　.!､,,;l,ﾞ,,r‐ｰ､　　　　　　　 ｀''-､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｨ
: };;;;;;;;;;;'＼_ ゛　　 .〈;;i ゝ､;;;;;;;;;.ア　　　,......、　　　,iﾐ;;/　 ,r'''";;;;;;;;;;;;;｝ ._.. ;;i　　　　　　 .｝;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
.lﾞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!　 　 .,ﾝ-. : '!''Ｌ,lﾞ　　　　ｌ.;;;;;;ﾞゝ､,i''";;;;; !　!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ｌ!´二..,,,＿,..--'''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゛
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　　　　 ／／: : : : //　//i:.:.{ .:.:.l:./ﾆ|/二＼l:.l:. :/‐/／厂二_l:|:.: :./:./: :.l　　 　　ヽヽ: : : : : :
　　　／／: : : : : //　/´ ,'. :.| .:.:.l,匕仁仆z､|,'|:./／´,ｨK夊仏} >:./:./:　:ﾘ　 　　　　l　l: : : : : :
　　 / /: : : : : : //　　　//| :.ヽ :.',｀┴￢´￣!.|,' i　　　｀￣￢´／:.ｲ ／:.{ 　 　　　　l　l: : : : : :
　 ./ /: : : : : : // 　 　ノ´ .l l:.|:ヽ:.ヽ　　　　 　!　}　 　 　 　 ／／:／i:.ﾊ:|　　　　　　l　l: : : : : :
　/ /: : : : : : // 　 　　　　 '.|:.l:.:ﾄ､:.:＼ 　 　 　　!　　　　 ／イ:／//:.l　}| 　 　 　 　 l　l: : : : : :
./ / : : : : : : l l　　　　　　　 ヽ|:.lヽヽ:.ﾄヽ　　__.... -- ､＿, ／イ__ノ:.|:.l|　 !　　 　　　　l　l: : : : : :
ヽ´: : : : : : : | |　　　　　　　　 |:.|:l l.:-＼｀　　　ー─‐　　　／:.:.ﾉ:/|:.|!　　 　 　　__, -l　l: : : : : :
　ヽ : : : : : : | |＼＿＿＿＿_./'´i|:|l:.ﾄ:.:.l｀　､　　　 　 　／ |:.:.:.//‐∨-───´　 　/ /: : : : : :
　　ﾍ : : : : : | |　　　　　　　　　 /´|:.l }:.|＿　｀　､_ ,　'´ __.⊥:ﾉｿ　　　　　　 　 　 　/ /: : : : : : :　　　　　　　「それから後に、その名を讃えて倭建命というのである」
　　　ヽ: : : : :ﾄf　　　　　　　　　　 ﾉ´〈￣　 ￣｀＞＜￣　　　〉　　　　　　　　　　 / /: : : : : : :
　　　　ヽ: : : ヽヽ　　　　　　　　　　(二ニﾆ７￣ヽ-r─弋￣￣￣｝　　　　　　　 / /: : : : : : : :
　　　　　ヽ: : : ＼＼　　　　　　　　 レ─‐７　/ ／　　ヽ　｝ ￣¨（　　　 　 　　 / /: : : : : : : :　　　　　　　　　「そうして、還り上がる時に、山の神、川の神と、穴戸の神とを
　　 |i　　　＼: : : ＼＼　　　　　/￣　　／}　 |/　　　l　　 |＼ｰ＝ヽ 　　　　／／: : : : : : : :
　　 | ＼ 　 　＼: : : ＼＼_ -┬´_.─／　/　　|　 　　|　 　|　 ヽ ／　〉‐‐.／／: : : : : : : : :　　　　　　　　　　　すべて言向け平らげて、上京なさった」
　　 | ト､＼＿＿＼: : : ＼＼::ヽ.　 /　　/ 　　 |　　　ﾉ　　 l　　 ',　　/:::／／: : : : : : : : : :
＿__| |　 ＼＼: : : : ＼: : : ＼＼::∨　 　l　　　 | ,-､/　　　 !　　 l ／／／: : : : : : : : :

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-小碓命の熊曾討伐-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/

　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　.-´　　　｀｀ヽ
　　　　　　　　　　 ／ ⌒　　　　　 ｀ヽ
　　　　　　 　　／　　　　　 　　｀ヽ 　ヽ
　　　　（（　　 /　（●）　　 　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　|::⌒（__　　 （● ）　　　　　|
　　　　　　　　ヽ 　 人__） ⌒::::　　　　　 |　　　　　　　　　　　おー
　　　　 　　　　 ヽ（__ン　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　人　　　　　　　　　　　/　　| |　　　　　　　　 見事なモンだお
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　＿ノ　　ノﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |


　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　 そうだな
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、　　　　　　　　　　　　　　　　　 この伝承にはヤマトタケルが成人する
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _　　　　　　　　　 通過儀礼の意味合いがあるんだ
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l

　　 　　 ＿_＿__　　　　　━┓
　　　 ／　―　　 ＼ 　　 ┏┛
　　／ノ　　( ●)　　 ＼　 ・
.　｜ ( ●) 　 ⌒）　　　|
.　｜　　 （__ノ￣　　　 /
.　｜ 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　 通過儀礼？
　　＼＿　　　 ⊂ヽ∩＼
　　　　/´　　 　 (,＿ ＼.＼
.　　 　|　　/　　　　　＼＿ﾉ


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　それは今までの神話上の主人公達と同じという訳か
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　うむ
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、　　　　　　　　　　　　少年が乙女の姿に変装するのも
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､　　　　　　　　北アジアやインドネシアなどに伝わる男性が
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |　　　　　　　 女装した巫女を演じる儀礼と共通するらしい
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !


　　　　　　 ,. ─- ､,,.＿__
　 　 　 ,ｲ〃　 　 　 　 　 ｀ヽ,__
.　　　N. {'　　　　　　　　　　 　 ＼
.　　N. {　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.　 N.ヽ｀　　　　　　　　　　　　　　　〉
　 N.ヽ｀　 　 　 　 ,.ｨｲ从　　 　 　 /
.　 ヾミ.＿__-‐=彡'ノﾉﾉ__,ゞミ=-_rく
　　　　lrf´ゞ“ﾓ=ヾｰf =ﾓﾁ＜}rv^i !
　　　　ヾﾄ、｀￣,り「弋! ￣´ノ　ソ
　　 　 　 !　￣　 ii{_,.　 ￣　　/r'´
　　 　 　 ,ゝ、　 ｉｰ-ー､　　, '　|＼　　　　　　　　　　　　変装という手段を用いて
　　-‐''7´　ドヽ. ｀ニﾆ´ .／;;　 |　 ヾ''ｰ-
　　　 /　　 ﾄ､　` ｰ-- ´　,;'　,ｲ　　:|　　　　　　　　　　　敵に近づき殺害する
.　　 /　　　:ト､` ｰ-､ r--‐_'´/　　　|
　　/　_,..､-‐＼ ￣! ﾚ' 厂　/へ、　 :|
　　T´　ヽ＼l.0| 　 V / 　 / /　 ＼　|

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　 これが、小碓命の見せた
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､　　　　　　　　　　　　　 英雄としての『知恵』という事か
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |　　　　　　　　　　　　 そうだな
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、　　　　　　　　　　　 そして、２人を見事に討ち取った小碓命は
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､　　　　　　　 成人を迎えて『倭建御子』という名を敵から受け取る
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !

　　　　　　　 ,. .-'_",...,．‐: : : : : : .::|: : : : :､、: :｀:丶､
　 　 　 　 ／-''".　'"　　　　　: : :::;.!: : : : : ::ヽ: : : : : ヽ
　　　　／'´,,,,／　　..... . . , : : ::/::/ i: : ､: : : :::ﾍ: : : :.ヽ:｀､_
　　　　 ／;;; ′. :.:::::/: :./: : :::/!::;'　 !: ::|i､: : : ::ﾍ.: : : :.ﾍ;ﾎ;;;＼
　　　 ヾ;;;;/: ::/:/::::/: : :i,:-‐:7-:::!　　V: l.i.>‐:-:､;i: : : : : :V!;ヾ;;;＼
　　　　 У:,;ｲ:/::::/: : .::j: :.::/　|::!　 　 Ｖ:l i. ＼: :.:j:. : : : : '{!;;;;ﾍ;;/
　　 　 ,/:./;;i:j:::::::i: : .::::!: :/ 　 l:!.　　　 Vj ﾞ:、 ＼::}:. : : :j:. {;;;;;;;;;;,
　　 　 〉/;;;;;!i:::::::j: : ::::;l:,;/二__|!　　　　 ヾ __ｚ‐ﾆゝｨ: : :.|';, !;;;;;;;;;〉
　　 　 !' ヾ;;!!:::::::}: : :::{.丁勹ホト　　　　　/'"｣不｢ﾊ:. : :.!';;;,j;;;／
　　 　 　 　 i!:::::ﾊ: : :∧　｢::し'::|　　　　　　｢::し'::|　,!: :./:!;;:ｲ
　　　　　 　 ,!:::j: :i; :::!ハ ヾ:,,,,:ｼ　 　 　 　 ヾ:,,,:ｼ　/ｌ :/: : : :!
　　　　　 　 l:i::|: :::l､:ト-:i 　 　 　 　 '　　 　 　 　 厶|/: : :.|:.|
　　 　 　_　 |:Ｎ: :.::!ヾ:::::iﾄ､　　　　　ｏ　　 　 　 ノ:::::}!:: : : l:.|
　 　 　 l　l　||: : : :::!: :::::::il　｀丶 ､　　　,.,. -: '"|i::::::::,!::: : : ｌ:l　　　　　　　　　　　そういえば…
　　　　 ｌ　l　!!: : : ::|i: : ::::::!　_,r'"´l ﾞ¨ﾞ　!｀ヽ、.j!::::: :j!::: : : :l:!
　　　 ,-:、 !、!: : :.:::!:i: : : ::f'´　 |'" 　 　 ｀|　 ﾞ/:: : :,'|::::: : : jl　　　　　　　　　　　敵から名前を受け取るってのは良い事なの？
　　／i. ,ゝ-ヽ!: : .:::|:::j: : : :.!　　 l''"￣｀` l　 /: : : :,､|::::: : :!:|
　 ｛ 、ﾞ､>ｧ　 !: : .:::l, '`i: : : :i､　　l.　　　 j　./: : : :/:久::: : :!:l
　　ﾞ:r`‐'　　 ,! : ;ノ　　 '; : : l､＼　!　　 j　,ｲ: : : :/'゛　ﾞ､: : l:.!
　　　ﾞ':,　　　{'"　　　　:..',: : :l､＼`:i 　 i／,ｨ: : :./i:/　　ヽ: |:|


　　　　　　　　　＿＿＿
　　 　　　／）／ノ '　ヽ､＼
　　 　 ／ .ｲ '（●） 　.（●）＼　　　　　　　　　　　　　確かにそうだお
　 . 　/,'才.ﾐ).　 （__人__）　　　＼
　 . 　|　≧ｼ'　　 ´ ⌒｀　　　　　|　　　　　　　　　　　 敵がゴッドファーザーでいいのかお？
　　.　＼　ヽ 　　　　　　　　　 ／

　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
　 　 　 　 　 　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　 　 　 |.　 　 　` ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　 　　|
　　　　　　　 　 　 iヽ 　　　　　　|
　　　　　　　　　　 }:::.`＞ ｰ-´-くヽ- 、___、
　　　　　　　　　 _/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ７¨:.ヽ　　　　　　　　　　　　　　うむ
　　　　　　　__／.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.::::::::::＼
　　　　,.-<:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧　　　　　　　　　　　 この名前を受け取るという行為には深い意味があるんだ
　　　r´.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::ヽ
　 　 }:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::＼
　　 f:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i: /.::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　/.:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼
　/.:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::rヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼


　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　＿ ,..: :　　　　: : ミ ､ 　＿＿
　　　　　　　　,........-{: : : ｀: : : : : : :´￣｀ヽ､＼///ﾊ
　　　　　 ,. : :´_,.. : : :':,: : : : : : : : : : : : : : : ､｀ヽ､r777ヽ
　　　　／-‐,ｲ: : : : : : :':,: : :､: : : : ､: : : : : : : : :､:.＼///}
　　　　　　/: :,: : : :,: : : ﾊ: : :∨､: : :＼: : : : : : : V｀/＼/|
　　　　r-/: : ,': : : l: : : l l ヽ: :',　＼: : :､ヽ- ': : : :V/////
　　　 {/ｲ: : ｲ: : : :ﾄ-:､l__! 　ﾞ､:',　　 ,イ´tォｧ＼: : V//ｲ
　　　 |/,|: : ﾊ: : : :ﾊ: : {. |｀ヽ　｀＼/　ﾄ､_心　 l ＼: l- ':|
　　 　 V|: //ﾊ: : :| ヽ: !＿,ｯ 　 　 　 弋z(ｿ　 {: : :＼: :ｲ
　　　 　 !:{￣/ヽ: :! ､ヽ!￣　 　 '　　　　　　　ﾉ!: : : : : |',
　　　　　|'　/ 　 VI ,ﾊ　 　 　 　 _　 　 　 ,.イ .|: : : :.:.:.|:l
　　　　　　/　　　｀/: :｀＞　　 _｀　｀ _, ＜- ''´|: : : : : :!:!　　　　　　　　　　　　　　　　深い意味？
　　 　 　,:'　　　　/: : : :',´￣{　| ｀¨´　 |　', 　 !: : : : :.:|:.!
　　　　, '　　 　 / l: : : : ﾊ.　 ! ,|　　　l　ヽ.!　　|: : : : :ｲ｀ヽ､
.　　　/ 　　　 /-''∨: : : : l　 ',´　 　 l　　 l.　　|: : : : :.|　　 ＼
　　 /　　　　/l　　 ',: : : : :.!　 ヽ 　 　 ＿/　　 !: : :.:.:.:|　　 　 }

　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 　ヽ
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　__,.ノ 、
　　　　　　　　　 　 　 | 　　　　　（ ●)(
　　　　　　 　 　 　 　 |　　　　　 （＿_ﾉ｀,
　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　 ﾝ′
　　　 　 　 　　 　　 _ﾉ 　 ｀､　　　　 7
　　　　　　　　　　,ｲ:. ヽ､＜ヽ,、___　ﾉ
　　　 ,. -ｰｰ -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
　　／..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: く'、
.　｛ :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ､_　　　　　　　　　　　　　この敗者から名を贈られるのは
　 '| ::::::::::::::::::::::..｀、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ
　　'| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ　　　　　　　　　　古代においては服属の意味が込められているんだ
　　 ﾄ､:::/ ／￣｀` ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
　　 `,ﾍ ´:::::::::::::::::. ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rｰ'､
　　　 }:,∨ :::::::::::::::::: ﾄ､:::::::::::::::::::::::::＞＜￣＼::..＼
.　　　 }:::∨::::::::::::::::､-''ﾞ~￣￣￣￣:::::::::...＼　ム:::::ヽ
　　 　 l::::∨ :::: ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.､／...:::::::::ヽ}
　　　　{::::::＼,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／"￣:::::::::::::::::::::::::ﾉ


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　服属？
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、　　　　　　　　　　　ああ、古代の人々の思惟では
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､　　　　　　　人の名はその名で表された人そのものだったらしい
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､　　　　　　　　 つまり、単なる記号じゃなかったのか
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　 古代、人の名は実体と同じ価値があった
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___　　　　　　　　　　　　 名はその人にとっては、きわめて大切なものだったんだ
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l


　　　　　　 ,. ─- ､,,.＿__
　 　 　 ,ｲ〃　 　 　 　 　 ｀ヽ,__
.　　　N. {'　　　　　　　　　　 　 ＼
.　　N. {　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.　 N.ヽ｀　　　　　　　　　　　　　　　〉
　 N.ヽ｀　 　 　 　 ,.ｨｲ从　　 　 　 /
.　 ヾミ.＿__-‐=彡'ノﾉﾉ__,ゞミ=-_rく
　　　　lrf´ゞ“ﾓ=ヾｰf =ﾓﾁ＜}rv^i !
　　　　ヾﾄ、｀￣,り「弋! ￣´ノ　ソ
　　 　 　 !　￣　 ii{_,.　 ￣　　/r'´　　　　　　　　　　　 実体と同じか…
　　 　 　 ,ゝ、　 ｉｰ-ー､　　, '　|＼
　　-‐''7´　ドヽ. ｀ニﾆ´ .／;;　 |　 ヾ''ｰ-　　　　　　　　名を渡すという行為には
　　　 /　　 ﾄ､　` ｰ-- ´　,;'　,ｲ　　:|
.　　 /　　　:ト､` ｰ-､ r--‐_'´/　　　|　　　　　　　　　 自分自身そのものを差し出すのと同等の意味があるということか
　　/　_,..､-‐＼ ￣! ﾚ' 厂　/へ、　 :|
　　T´　ヽ＼l.0| 　 V / 　 / /　 ＼　|

　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　 　 　 　 　　⌒ 　｀⌒　　＼　　　 　v-,
　　　　　　　　　　　　( ●) ( ●)　　　|　　　　 |　r
　　　　　　　　　　 　 （__人___）　　 　 | 　 　　 |　|
　　　　　　　　 　　　　'､　　　　　　　 |　　　　 |　|,.-、.
　　　　　　　　　 ,,.　-ｰ|　　　 　　 　 |ヽ__／￣ヽ｀ r´
　　　　　　　　 / .::::::、::|　　　　　　 /ｨ::::〔￣￣ ｀' ト-、
　　　　　　　　l :::::::::::::::::ヽ__､____,.　":::/::::〔￣　　　l:::. ヽ　　　　　　　　そう、名前を貰う事で氏族の神や神話を取り上げ
　　　　　　　 」 ::::::::l:::: ::::::「二二::::／ :::::::ヽ y　　　l::::::. ',
　　　　　　　 l :::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　　　l:::::::: i　　　　　　　 精神的な支配にもつながるって訳だ
　　　　　　 / ::::::ｰ-ミ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ＿／:: L::::|
　　　　　 / :::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く::::::::::::::::::|::|
　　　　　/ ::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::「 ::::::::::::::::::||
　　　　/ :::::::::::::::::::/　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::V ::::::::::::::: |


　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／　　 ヽ､_ ＼
　　　 ／（● ） （● ）　＼
　　／:::⌒（__人__）⌒:::::　＼
　　| 　ｌ^l^lｎー'´　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　へー
　　＼ヽ 　 L　　　　　　　 ／
　　　　 ゝ 　ﾉ
　　　／ 　 /

　　　　　　　　　＿＿＿
　　 　　　／）／ノ '　ヽ､＼　　　　　　　　　　　　　　 ん…？
　　 　 ／ .ｲ '（●） 　.（●）＼
　 . 　/,'才.ﾐ).　 （__人__）　　　＼
　 . 　|　≧ｼ'　　 ´ ⌒｀　　　　　|　　　　　　　　　　　どうしたお、かがみん？
　　.　＼　ヽ 　　　　　　　　　 ／


　　　　　　　　　 ,. . -: :‐.-:.':':":.:/ヽ￢‐-. .,_
　　　 　 　 ,. :_',:. ,-‐': : : : : : : : :|: : : : :､、: : ｀: .､
　　　　 ,.:'‐'" ／　　 　 　 　 !: /l: : : : :.ヾ:､: : : : :ヽ
　　　／ ,,,;;; '　. . : : : : /: : ::,!: l　l: : !、: : V':,: : : ヽ:ヽ-,,､
　　　r';;;;;,.'. :/:,:': :/: :./:_;,;_/l:.:ｌ　 l: :.l､V_:_:.V'; : : : :V:ト､;;;;,､
　　　ヾ;/: :,ｨ:/: :/: : :j'": :/｀!:j　　∨:i`＾:､:｀:V!: : : : :V!;;ヾ;;;;;〉
　　　,,;;':./;//: :.i: : : :ｌ: :./　 !:!　　　V:!｀、＼:.'li: : : : : :{;;;;;;;V
　　　Y:/;;;;!i: : :j: : : :j: :ﾑ,,,_ |!.　　　 ヾ! ヽ_,,.＼!: : : :!､:i;;;;;;;;;;,
　　　,':ﾍ;;;;!!: : :|: : : ﾊﾔ'''j‐-ﾄ､　　　　 ィっ￢ﾃ{: : : !;;i.l;;;;;／
　 　 {'　 ヾ!.:.:.ﾊ: : :ﾊ{j |:;'し' |　　　　　 r:'し' ;!ハ: :.ﾊ;;;ﾘ'"
　　　　　　}::::l: :l: :.l＾l、ヾ､_ﾉi　 　 　 　 ! ､_ﾉ'　,'i: :,': ": !
　　　　 　 |j::l: : |ｉ:.トコ　´￣　　　'　　　￣｀　,'_,l:/: : :!:.!
　　　　 　 |:V: : :!:､|:::::ﾄ､ 　 　 　 c　　　　　,/::::'゛: : : !:|
　　　 /ﾞi . |j: : : ::l: .:.::::l! ｀丶　、　　,.,. - ''"!;::::::j!::: : : !:!
　　　.|　|　||: : :.:::|i: : ::::l　 ,ノi´,! 　 人jヽ、,!:::: :.l!::: : : :!!　　　　　　　　古代の人たちにとって
　 ,r￢　!､ ﾞ|: : ::::j::i: : : :l" 　 lﾞ　　　　j.　 ,'::: : :l:|:::: : : :{
./　| r￢　! l: : ::::i::;}!: : : l　　 l´ ￣ ｀:l　 ,': : : :l>!:::: : l:.|　　　　　　　　 名前は実体と同じ価値があるのよね？
{_ヽ_ﾞj７　 ,! |: : ::;l'' ﾍ: : : :!、　 !　 　 ,′/: : : ;'"ﾍ:::: : |:|
　ﾞ、　　 /　,ﾚ ''゛　　ﾍ: : :|､＼ .! 　 ,' ,.ｲ: : : :/゛　ヾ: :.l:|
　　l　　 l　/　 　 　 ﾞ､ﾍ: :.l､＼`j　/'",.:'!: : :/v'　　 ヾﾐj

　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　（●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　　　　 　 （__人___）　　 　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　 '､｀ ⌒´ 　 　 　|
　　　　　　　　　　　　　-ｰー|　　　 　　　　ﾄ､______
　　　　　　　　　　　 / .::::::、::|　　　　　　 /:::ﾉ:::::::::.｀' ｰ-
　　　　　　　　　　　l :::::::::::::::::ヽ__､____,.　"／::::::::::::::::::::::::..　ヽ
　　　　　　　　　　 」 ::::::::l:::: ::::::「､:::::::::::::／ ::::::::::::::::::::::::::::::::.. '､
　　　　　　　　　　l ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '､
　　　　　　　　　 / .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::|　　　　　　　　　　　　　ああ
　 　 　 　 　 　 / .::::::ｰ-ミﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::::|
　　　　　　 　 / .::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::／ ||
　　　　　　　/ .::::::::::::::::::::/　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|
　　　　　　 / .:::::::::::::::::::/'　　　　 `‐-､::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|
　　　　　　/::::::-‐…‐､/　　　　　　　i　`ｰ-,:::::::::::::::::| :::::::::::::::: |::|
　　　　 　 l::::::::::::::::::::.. ＼　　　　　　 ヽ::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:::|


　　　　　　　　　　 `　ー＝=　――/` ――　.、
　　　　　　　　　　　,．: ¨´: : : : : /:.|: : : : : : : : : :`　、
　　　　　　　　　／: : : : : : :': : :/: /` : : : : ＼: : : : : .:＼
　　　　　　　 ／／: : : : : /: : .:i|:./.|　'.: : : : : :ﾍ: : : : : : : ヽ
　　　　　　／イ: : : : : : :/: : :.:/|:'　|　 '.: : i : : : ∨: : :＼: : :〉=y‐..、
　　　　　'’／/: : : : : :斗-:.:'/　|　 |　　':. :ﾄ:￣｀卞､: : : ヽ:.:!:::ヽ:::::::7
　　　　　〈:::::': : : : l ´: :|: : /. 　 　 |　　 Ⅵ　ヽ: : ﾚ :` : : :∨::::::::`､′
　　　　　　Y: :/: : :l: : : |:.斗ぇzx　 |　　　ﾘ　zｪ≧廴_: : : : :V::::::::::::〉
.　　　　　　|:./{:.: : |: : :弋 __ﾉⅥ`　　　　　ｲ__ノⅥ¨ﾂ`: : |: :|:::::::／
.　　　　　　|ﾊ | : : |:.: :|　 VK:::ｲ　　　　　　 !ん:::j〃〉:.: .:Ⅳ:::::/
　　　　　　　 `|: : ﾊ:. :ﾍ　 込zｿ　　　　　　 込zｿ　 ∧:.:/:ﾚi`ﾊ
　　　　　　　　 Ⅳ: |:. :|__　　　　　　　'　　　　　　 /　,∨: |:.|i: :|
　　　　　　　　 |: : .:ヽ:.|:∧ :::　　　　 -　　　　::: /.7´: : : /: |l: :|
　　　　　　　　 |:. :.__|:.: l＿ ＞-　 _　　　_　 -＜_/: : : : /: : |!: |　　　　　　　　　　　 じゃあ、熊曾建って名前の意味を
　　　　　　　　 |: {　r｀ ,.-!　|:.:.:.:.:.| 　￣　 |:.:.:.／: : : :,:ｲ: : : |: :'
　　　　　　　　 y´ヽ Y　∧､V:.:.:.ﾍヽ _　' /:.:./: : : :／} |: : : :∨　　　　　　　　　　　 ヤマトタケルは受け継ぐって事になるよね
　　　　　　　　〈 ､` /　 j　ﾄ､ ＼:.:.:.､　　/:.:.ｨ: : ／　 .|/: : : : .:l
　　　　　　　　　>‐′イ/ k {＼ ＼:ヽ /／,ｲ:.:/　／　V:.ｌ: : :l.:|
　　　　　　　　 广ﾆニ7　 ﾊ ヽ　＞ﾐ､Y／ 1:/|/　　　 Ⅵ: : :| |

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _ノ　 ｀⌒　　 ＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （●).（● )
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 （__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　二 ヽ､V　　　ﾄ､_____
　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j´　　 /:::ﾉ::::::::.｀' ｰ- 、
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　/{_/_､____,.　"／::::::::::::::::::::::..　ヽ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 _/＿__ ノ:::::「､::::::::::／ :::::::::::::::::::::::::::::::::.. '､
　　　　　　　　　　　　　 _/ ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '　　　　　　　　　　　　　　　そうなるな
　　　　　　　　　　　　　l :::::::::::::ヽ〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i :::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　 ,' .::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　 　 ,' .::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::／ ||
　　　　　 　 　 　 　 ,' .:::::::::::::::::/::/ ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|
　　　　　　　　　　 / .::::::::::::::::/:::/　　　`‐-､:::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|
　　 　 　 　 　 　 { :::::::::::::::::::/::/　　　　　i　`ｰ-,::::::::::::::::| :::::::::::::::: |::|
　　　　　　　　　 l ::::::::::::::::::.. ∧_　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:::i


　　　　　　　　　＿＞ー-　 -―∧ー-　＿
　　　　　 , ＜´　: : : : : : : : : : : :|: : : : : : : :｀ - 、
　　　　／　 ＿／　　　　 : : : : :|: : :.: : : : : : : : : :＼
　　 ／:_: ＜:〃　　　 /: : : /: : .:|: ∧:.:.: : : : : : : : : : ヽ
　 /イ:;:;:;://: : : : : :.:/: : : :ｲ: : / |:;|iハ:.:.:.:. : : : : ヽ:.:.:.:>＞- _
　'　 ﾍ／/: : : : : :;:;/: : : / |: :/　 |:;|l　 i:.:.:.:.: : : : : :l: : i:;:;:;:;l:;:;:;:￣＼
　　／:;:/: : /: : :.:/!: :__/＿|:/　　 |:| l　 i＿ｌ: : : : : : l: :l:;:;:;:;!:;:;:;:;:;:;:;/
　<:;:;:;:/:. :/: : :.:.:i:.l: ´/　　|,'｀ 　　|!　l '´＼l｀ﾞ: : : i : l: :l:;:;:;:;:;i:;:;:;:;/
　　＼i: :/|: : : : :l:.:|: /　　 |!.　　　 |　 !　　　ヽ!: : :| : l: |:;:;:;:;:;:!:／
　　　 |:/-|: : : : |/不示テミ、　　　!　ィ=≠＝z＼|: :ﾊ |:;:;:;:;:;:;|
　　　 |i　 |:. : : :|l-||! V{::::::|　　　　　　ﾍﾉ:::::::} ｱ'|i: i:;:;l:|t―f-´
　　　 !　 li: : : :f.{ !|　i ゝｲj　　　　　　|iゞ-ｲｿ '　|!'|ﾞi､:|!:l: : |
　　　　　|:.ヽ: : |:丶i　ゞ-''"　　　　　　ヾ''-"　　う'´|j:.:.:.! : |
　　　　　|:.:.:.:ﾊ:|:.:.|/!　'"'　　　　'　　　　 '"'　 ｨ‐ﾅ":.:.:/:. : |
　　　　　|:.:.:.:.:|i|:.:.:!　＞ 、　　　､　　　　_ ＜___/:.:.:.:./|: : : |
　　　　　|:.:.:.:.:|!: : :∨'￣　｀＞ ､　　 ィ7:;:;:;:;:;//:.:.:.:/|:|:.:.:.:.:|　　　　　　　　　　　　その熊曾建ってのはどういう意味？
　　　　　|:.:.:.:.:.ﾄ､: :/　　　　_ィ--｀}‐-/:;:;:;:;:ｨf/:.:.: /　ﾍi:.:.:.:|
　　　　　|:.:.:.:.:|/ヽ/　　　 /:;:｀iー"　/:;:;:;:;:;:/: : : :/　　　}:.:.:|
　　　　　|:.:.:.:.:! ∨　　　/:i:;:;:;:;l　　/:;:;:;:;:;:;/: : : :/　　　　l:.:.:|
　　　　　|:.:／　/　　　 l: }ヽ:;:;:;l　/:;:;:;／/: : : :/　　　　　l:.:.:|
　　　　 {: {　　/　　　　lヽ　＼:∨:;／　/: : :／　　　　　　}:.:.|

　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　 熊曾は地名だ
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、　　　　　　　　　　　　　　　　　 『建』っていうのは勇者とか蛮族の長とか
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _　　　　　　　　　　乱暴者だとか言う意味になる
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l


　　　　　　　　　＿＞ー-　 -―∧ー-　＿
　　　　　 , ＜´　: : : : : : : : : : : :|: : : : : : : :｀ - 、
　　　　／　 ＿／　　　　 : : : : :|: : :.: : : : : : : : : :＼
　　 ／:_: ＜:〃　　　 /: : : /: : .:|: ∧:.:.: : : : : : : : : : ヽ
　 /イ:;:;:;://: : : : : :.:/: : : :ｲ: : / |:;|iハ:.:.:.:. : : : : ヽ:.:.:.:>＞- _
　'　 ﾍ／/: : : : : :;:;/: : : / |: :/　 |:;|l　 i:.:.:.:.: : : : : :l: : i:;:;:;:;l:;:;:;:￣＼
　　／:;:/: : /: : :.:/!: :__/＿|:/　　 |:| l　 i＿ｌ: : : : : : l: :l:;:;:;:;!:;:;:;:;:;:;:;/
　<:;:;:;:/:. :/: : :.:.:i:.l: ´/　　|,'｀ 　　|!　l '´＼l｀ﾞ: : : i : l: :l:;:;:;:;:;i:;:;:;:;/
　　＼i: :/|: : : : :l:.:|: /　　 |!.　　　 |　 !　　　ヽ!: : :| : l: |:;:;:;:;:;:!:／
　　　 |:/-|: : : : |/不示テミ、　　　!　ィ=≠＝z＼|: :ﾊ |:;:;:;:;:;:;|
　　　 |i　 |:. : : :|l-||! V{::::::|　　　　　　ﾍﾉ:::::::} ｱ'|i: i:;:;l:|t―f-´
　　　 !　 li: : : :f.{ !|　i ゝｲj　　　　　　|iゞ-ｲｿ '　|!'|ﾞi､:|!:l: : |
　　　　　|:.ヽ: : |:丶i　ゞ-''"　　　　　　ヾ''-"　　う'´|j:.:.:.! : |
　　　　　|:.:.:.:ﾊ:|:.:.|/!　'"'　　　　'　　　　 '"'　 ｨ‐ﾅ":.:.:/:. : |
　　　　　|:.:.:.:.:|i|:.:.:!　＞ 、　　　､　　　　_ ＜___/:.:.:.:./|: : : |
　　　　　|:.:.:.:.:|!: : :∨'￣　｀＞ ､　　 ィ7:;:;:;:;:;//:.:.:.:/|:|:.:.:.:.:|
　　　　　|:.:.:.:.:.ﾄ､: :/　　　　_ィ--｀}‐-/:;:;:;:;:ｨf/:.:.: /　ﾍi:.:.:.:|　　　　　　　　　　　　　　　 勇者…ね
　　　　　|:.:.:.:.:|/ヽ/　　　 /:;:｀iー"　/:;:;:;:;:;:/: : : :/　　　}:.:.:|
　　　　　|:.:.:.:.:! ∨　　　/:i:;:;:;:;l　　/:;:;:;:;:;:;/: : : :/　　　　l:.:.:|
　　　　　|:.:／　/　　　 l: }ヽ:;:;:;l　/:;:;:;／/: : : :/　　　　　l:.:.:|
　　　　 {: {　　/　　　　lヽ　＼:∨:;／　/: : :／　　　　　　}:.:.|

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／_,ノ 　｀⌒　＼
　　　　　　　　　　　　　　　-、　　　　　　　　　 |　(● ). (● )　 |
　　　　　　　　　　　　　　ﾔ　 ',　　　　　　 　 　 |　.(___人___） 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　i. 　l　　　　 ,.-､　　　| 　 ｀ ⌒ ´　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 ',　 j　　　/　/ 　 　 .|　　　　 　　　 |
　　　　　　　　　　　　　 　 ノ＿..ヽ-､′,' 　 　 　 ',　　　　　　,/'|、　　　　　　　　　　　　　　 まぁ、この場合は蛮族の長か乱暴者という意味が
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .l .＿＿_　ヽﾉ　　　 __ .j '.、__ , ___ ｨ／::L＿
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ｙ　　　　　）ﾊ.‐ ' ´ ..::ヽ::::::::::::::::::::::::::／:::::::...｀' ｰ- ､ _　　　　　　　熊曾建の『建』には含まれていると考えるべきだな
　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ. ￣￣ 〕y::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..＼
　　　　　　　　　　　　　　 ハヽ 一ﾆｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: r;;;;;:::::::: ',
　　　　　　　　　　　　　 /...::::::;;;;;;;;;;; /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ;;;;;::::::::::::::〉


　　　　　　　　　　　　　 ＼　 ＿__
　　　　　　　　　　　　　　 _＞‐　　`ー‐｢ ｀ー―――‐-
　　　　　　 　 　 　 　 　'"　: : : : : : : : /|: : : : : : : : : : : : : : 丶､
　　　　　　　 　 　 ／.:.:.:.:.:　　'".:.:.:.:.:.: ￤.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ:.:.:ヽ
　 　 　 　 　 　 ／:; -ｧ:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∨___V⌒＼
　　　　　　　　/／　/:/:::::::::::::: /:: /:::/　 ｌ:::::: ＼:::::::::::::::::::::::::::∨ﾝ′!　 jヽ
　　　　　　　　　　　ｌ/:::::/::::::: /::_/_:/　　 l:::::| ::: ＼＿:::::::::::::::::::',:　　K_/　 ',
　　　 　 　 　 　 　 /::::〃:::::::,'::: / !:l 　 　 ',:: lヽ´:::::＼｀:::::::::::::::: ｌ　　|::::|　　l
.　　　　　 　 　 　 ,':::::::{{:::::::: |:::/　|:{　　 　 ヽl　＼|_　 ＼ ::::::::::: |　　|::::|　　|
　　　　　　　　　　!:::::::/!::::::::jﾚ えテトﾐ　　　　　ｨ斗テ〒ｱ ::::::::::|　　|::::|　　|
　　　　　　　　 　 |:::::/│::::::Ⅳヾ r'::::::｢　　 　 　 r'::::::: j バ ::::::: |＿/ ::,|_,／
　　　　　　　　 　 |:::/_厶:::::::|ハ　Vﾍ j　　　　　　!ﾍイ/　　ﾍ :::: |:::::::::/:|
　 　 　 　 　 　 　 V　 ヾﾍ::::|ヽﾊ　ゞ ''　　　　　　` ｰ''　　 ﾚ'Ⅳ^|）:: /:: |
　　　　　　　　　 　 　 　 l ヽ|::::: { .:.:.　　　'　　　　　::.:.:. ,､ ＿ イ:::: /::::::|
　　　　　　　　　 　 　 　 |:::|:::::: 个　　　　ヽ)　　　　　イ/::::::::::':::: /::::::: |
　　　　　　　　　 　 　 　 |:::l::::::::::|::ﾘ　 ＞t-r　 　セヽ 〃:::::::::::::::/:::::::::::|
　　　　　　　　　 　 　 　 |::::l:::::::::|/　_/　/-}　　　V 　/:::::::::::::: /::ｌ::::::::: |　　　　　　　じゃあ、その名前を受け継ぐって事は…
　　　　　　　　　 　 　 　 |:::::ｌ::::::::l'´　 　 |-―=:-/　 /:::::::::::::: /| ::ｌ ::::::: |
　　　　　　　　　 　 　 　 |::::::l::::::::|ﾍ.　　 |　　　:/　 /::::::::::::: /ヽｌ:::| ::::::: |
　　　　　　　　　 　 　 　 |::: ∧:::: ｌﾍヽ　│ 　 /　 /:::::::::::: / ／ ｌ::| ::::::: |
　　　　　　　　　 　 　 　 |: / ∧:::.ヽヽ＼.l　／　 /::::::::::／ 　 　 | | ::::::: |

　　　　　　　　　＿＿＿
　　 　　　／）／ノ '　ヽ､＼
　　 　 ／ .ｲ '（●） 　.（●）＼
　 . 　/,'才.ﾐ).　 （__人__）　　　＼
　 . 　|　≧ｼ'　　 ´ ⌒｀　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　倭の乱暴者かお
　　.　＼　ヽ 　　　　　　　　　 ／


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　まぁ、父から疎まれた男には
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､　　　　　　　　　　　　丁度いい名前じゃないか
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　　　　 ,　-―/ｌ-/／
　　　　　　　 　 ∧: .: .: .: :|: .: :￣‐-..,
.　 　 　 　 　 < 廴） : .: :ｲ:∧: i: :ﾍ: .: .:＼
.　　　　　 　/ /.:|: : :|‐-<|:|. ﾍ.!_..,:ﾊ: :lヾ:ﾊ
　　 　 　 ／　|: :| :.r--_l:/ 　_lﾝ､ :ﾄ､ :|
　　 　 　 ＼イ| :,i.: :ﾊ'=!　　 f刋.ﾄ:|:ﾊ |
.　　　　　　 |: | (.ﾍ〈. 　＿＿　　|:V/V
.　　　 　 　 |: :i : ﾊ:＼└‐ ‐ﾞ _ノ.∨
　　　　　　 |: : V:∧ {　　f´＼: : .|
.　　　　　　|: / V:∧､ﾄ-ｲ|　　V:｜
.　　　　 　 |ｌ　　V:∧〉.- '| .／ !: |
　 　 　 　 ||　 　 V∧＿__!.　ｌ. ヽ!　　　　　　　　　　　　　　　けど、それだと色々と不味くない？
　 　 　 　 |〒‐┬V: :!ｉﾊ-|　|._./:|
　　　　　　| |: 　|　V ﾄ.ゝ｜ !　|:.|
　　　　　　| |: 　| 　V| | |｜ !　|.:|
　　　　　　| ｌ: 　ｌ　　ﾞ|ﾊﾊ_l. 1　|.:|


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 ＼,-、__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_,ノ 　｀⌒　ヽ.,__　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　(● ) （● ） ,.! ┴-'、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 (___人___）　〉-‐‐´　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　　　 u 〉--‐´　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　iヽｿ　 　l　　　　　　　　　　　　　 ああ、色々とな
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Λ　　　　　　∧｀;"　　 '、
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 __,. ｨ仏 ___、___ ｨ_ノﾍヽ、 _,.‐ｰ、_　　　　　　　　　　 だから、これに関して反論もあってな
　　　　　　　　　　　　　　_,. -= '''　.:::::::}:::::::::::::::::::::::／::::::::>´..:::::::.. ヽ｀.､
　　　　　　　　　　　　ノ´ ...::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈 :::::::::::::::...＼::ヽ
　　　　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ::::::::::::::::::.. ヽ:}

　　 _,,.. ,,,-,ｧ‐,v': : : : , '": : : : :,:': : :.:;!: : j! V: : : : : : : : : : ｀ヾ:;;;;-,,,、
　「;;;;;;;;;;;;;;ゞ;;;;;;;､ : :, '　 　 　 /　　../j: : ,'!　V: : :　　　　　　　 ＼;;;;;;｀!
　 ﾞ;;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;i/. , . : : .:::/: : :.:::/ !: :,' ! 　 V: i:. : : : : Y: . . . . .ヾ;;;;/
　　ヾ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;/: ;i: : : .::::/: : .:::/　l: :,' .l　 　 !: :!;:. : : : :.l::. : : : : : :ヾ
　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/: :,i: : : :::::/: : :::/　 j: / .j 　 　 i: :!∨:_;.-: l:::. : : :i; : : ﾍ
　 〈;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/:./;l: : :.:::`,ヽ､:/　　 !:/　j　　　　i:,.!'^v:. : : :l::::.: : :.l＼: :ﾍ
　　';;;;;;;;;;;;;;;;;/:/;;;!: : :::::/: ::/ ＼,,_j:/, ,.ｉ　　 ､／l:.|　 V: : : :!:::. : : :!;;;;ヽ:.ﾍ
　　 ＼;;;;;;;;;//;;;;;|: :.:::::,!';,;,',_‐-- j/　 j　　　　＿ﾘ,,.. _,V: : :|::::: : : :!;;;;;;〉ヾi
　　　　l＼;;{';;;;;;/|: :.:::ﾊ{ー‐r--┬`　′　　 ｲ--r―rﾍ{:: : ﾄ;::: : : :|;／　 ﾞ}
　　　　|:::::`::'''":λ:.::;'　l! r'゛:::::ﾊ|　　 　 　 　 r‐':::;V! ハ: :j::|i:: : : |
　　 　 |:::::::::;! ::::{ l :;'､　　ﾞ､ト-',ﾉ!　 　 　 　 　!ﾄ-'ﾉ:;'　/ﾍ:.!::|,}: : :.l
　　 　 |::::::::j:! ::::ﾞ､l:j（　 　 ヾ-‐'"　　 　 　 　 ｀`ー'　 l'゛,!:l:::|:::i: :.,'
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　　 　 |::::::::|:!i: : :::::::i:::::! `　、　 　 -―---－　 　 ,ィ:!::::::::. :!:::j/
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　　　　|.:::::::|l::::i: : :::: :.i::|　　_/　 ＼　 ￣{,ﾉ ＼ 　 ,!::!|:::::: : :.|:: |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 反論？
　　　　| :::::::l|:::ﾍ: : ::: : i:|￣ l　　　　ヽ　,<　 　 | ￣｀!!::::: : : j:: |
　　 　 .!.::::::::ll::::::}; : :: : :l|　 ！　　／ ∨　ヽ　 |　　 ji::::: : : :l::: |
　 　 　 ! ::::::::l!:::ハ: : : : :ﾞ、　ﾞ､ ／ ､｀_¨ ´,.ヘ､!　　,!!::: : : : j::: |
　　　　 l :::::::::{:/　 ﾞ､: : : :ﾞ、　　 　 　 | o| 　 　 　 ,',': : : : :.;!:: :|


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_,ノ 　｀⌒　ヽ.,__　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　(● ) （● ） ,.! ┴-'、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 (___人___）　〉-‐‐´　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　　　 u 〉--‐´　l　　　　　　　　　　　　　　 この倭建御子という読みが
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　iヽｿ　 　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Λ　　　　　　∧｀;"　　 '、　　　　　　　　　　　　　「ヤマトタケル」ではなく「ヤマトタケ」と
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 __,. ｨ仏 ___、___ ｨ_ノﾍヽ、 _,.‐ｰ、_
　　　　　　　　　　　　　　_,. -= '''　.:::::::}:::::::::::::::::::::::／::::::::>´..:::::::.. ヽ｀.､　　　　　　　　　訓ずるんじゃないかという説があってな
　　　　　　　　　　　　ノ´ ...::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈 :::::::::::::::...＼::ヽ
　　　　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ::::::::::::::::::.. ヽ:}

　　　　 　 　 　 _,. -.-.－. .､i＾ヽ.､､､、
　　　 　 ,..-_'_,´- :'':": :,: : ;::|: : : : : : : :｀:.丶.、
　　　／'", .'／: : : : ::/: : /::|: {: : :V: : : : :U: : ヽ
　　　／,/'"　 ,　　../. . ;ｲ::ﾊ: :!､: : V. .　　　､: : :v､‐,,,､
　　(;;;;;/　, . :/.::::::/: :./ i::/|.l: | ﾞ､: : V: : : : .､ﾞ、,/;;;;＼;;;`;;,,、
　　 У;;ｲ: : i.:::::::::i: :/　j:/ |！|　ヾ: :.V: : : : l:.ﾋ/;;;;;;;;;;;`､;;;;;;;;;)
　　〃;;;j: : :j::::::::::i‐/-､j:!　|　!:|､､_,>‐ﾍ‐-: : :l:|l;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;/
　 /'/;;;l: : ::|:::::::::;!/　　|l　 |　ヾ　　 ｀､:!ヾ: : : l|!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{
　　ヾ;;;!: : :;{:::::::;'｣Lz三ヒ　　　　 z=三止∨: :|!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〉
　　 　 !: :./;l::::::ﾊ ﾔr'し丁　　　　了し丁ﾞ}ﾍ: :.|;;;;;;;;;;::ィ'''"
　　　　!: j |ﾞ};::::!＾l　ヾﾆ'＾　　　　　ヾﾆｿ 　 rV:!）::l::::: |
　　　　∨ |:|:l;::!ﾞ-!　　　　　 '　 　 　 !l | !,､_,.ﾍ!j::l:::::: !
　　　　 　 !|::!N::::|ゝ、　　 r_―ｭ 　 　 ／j:|:::::::j::l::::::: !
　 　 　 　 |!::!: :::::|:::| ｀丶 ､ ,_　_,,. r.'" 　 !|:::::: l:j::::::::.j
　 　 　 　 |::j: : ::::!::j　　 ,r''ﾞ,!　　　|.,ﾞヽ.　||:::: :j/::::::::::|
　 　 　 　 |:::!: : :::|::| ／　｜　　　 /　 ＼|!:: : l'!:::::::::::j　　　　　　　　　　　　　　　一字違いなだけじゃない
　 　 　 　 !:::l: : : :Ｋ　　　 「￣￣/　　　 .!:: : :!l!::::::::::::!
　 　 　 　 !::::!: : : l､ﾞ､　 　 !　　 /　　　,.ｲ: : :jく!::::::::::::!
　 　 　 　 !:::;:!: : : lﾞ､ﾞ ､ 　 l　 ./　 ,,-'',.ｲ: : :j　ヾ::::::::::|
　 　 　 　 |::ハ: : : l､ﾞ ､ﾞ 、 ! ./,,-'',,-''イ: : /　　 ｌ:::::::::|


　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　　 それで、なんか違いがあるのかお？
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　　　　 ああ、一字違いの大違い
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_　　　　　　　　　　　　　『建』というのを「タケル」だと
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !　　　　　　　　　　 敵性を表す意味があるのはさっき話したが
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !


　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾀｹﾐｶﾂﾞﾁ
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、　　　　　　　　　　　　　　「タケ」と訓ずると建御雷神等に見られる
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _　　　　　　　天神系の名前に用いられる言葉になる
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　　 成程…
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､　　　　　　　　　　　　　　 一字違うだけで名前の指し示す意味が異なる…
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、　　　　　　　　　　　それと、平安時代から江戸時代に至るまでの
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､　　　　　　　『日本書紀』に関する資料では「ヤマトタケ」と訓じているんだ
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !

　　　　　　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　　⌒ ´ ⌒
.　　　　　　　　　｜　 　　( ●) (●）
　　　　　　　　　 ｜ 　　　 （___人__）
　　　　　　　　　　.|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　 j　　　　　 　　|
　　　　　　　　　..ノヽ、　　　　, ノ　　　　　　　_
　 ,.　ｰ、一一´:::::::::::::≧ーｰ"7　　　 　 　 　 i' Y　　　　　　　　　　 それが、江戸時代あたりから
. / .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.｀-、　　　　 　 i　l　_
/ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ＞-､　　　|　lﾌ　ト､　　　　　　　 「ヤマトタケル」という読みが少しずつ増えて
.::::::::::::::::: !::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ　　i／ ,.ｲ 丿
:::::::::::::::::: l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. v:: l　/　　i'r ´,.ｨ
:::::::::::::::::: l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::: l　j　 丿r´,.ｨ
:::::)::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::: 八　　　｀ﾁ


　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　ヽ､__
　　　　　　　　　　　　　 |　　 　（● ）（●）
　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　| 　,ｒｰ､=-､
　　　　　　 　 　 　 　 　 人､　　　　　 　| ,ｲに) |　 l
　　　　　　　　　　　_,／( ヽ､.,ヽ., ___ ,__ノi´ ｀ー' |　|ﾍ　　　　　　　　　　　　　 明治時代あたりになると
　　　　_, ､ -― ''"::::::l:::::＼:::::::::::::::::ｒ'ﾞ´~~　　 ',　jｰ,i　〉
　　　/.:::::::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'ｰ-‐え__　　ﾞﾝ'ﾞ /｀i　　　　　　　　　　　　 「ヤマトタケル」の方が一般的になっていったんだ
　　丿;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;((、ヽ （ﾊノ　/lヽ、
　　i ;;;;;;::::::::::::::::|;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;ﾊゞﾆΤﾍ_/;i　l:: l
　/ ;;;;;:::::::::::::::::::!;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::＼::::::::::::::::;;;;;;;ﾊ　::;;;;;;;;::::::::. ',/

　　　　　　／￣二ﾆ= 、　　　　 ＿_, --―=＝ﾆ二≧.＿_
.　　　 　 / ／　　 ､　　＼　　／/ ｽ､　　 -=○≠‐ゝ,-‐　｀ヽ
　　　　　ﾚ'/　　　ヽ＼＼　`< .ｲ /　-‐=≠ﾆ二＿　/￣ ｀ 　 }
　　　　　ﾚ'　 , -‐ 　ﾊﾊ　ﾄ､　':. ｜-‐　_,.=ｧﾃ从:.　（_､￣｀　　'.
　　　　　|　 // /／　 ｜lｉ ﾄ､,(］ |.ｨ=彡'／ﾙ'‐-ﾊﾄ､ヽヽ　　　　＞―=ｧ‐―--
　　　　　|/// /　　　 | l 川ﾄ､ｿ ﾙ'.:://(　 行㍉ヽ ﾉﾊ_;ﾊ　　_/　　ｒ‐'　　￣
　　　　　|//　　 　 　 | l' ﾑィ斗くﾊ:l八　　 ｀ﾆ=　 （ｆﾊﾘ:j:;>く.{　 ノl＼
　　　　　|/　　　　　　| ﾄ､::::V人ゞ ﾘ　 　 　 　 　 _､〉/:イ　　 ＼ﾆ{ ヽ＼
　　　　　'　　 　 　 　 | |',ﾊ::::）ﾉﾉﾌ′ 　 　 ＿_ ､_ ´/人ゝ　　　 ｀ヽヽ＼＼
　　　　 ,　　　　 　 　 | |'i 川'((.:/　　　 　 ´　￢｀ /　　　　　　　　 ＼ ｰ==ﾐヽ
　　　　 |　　　　　　　 , ﾘ/{/￣￣｀ヽ＼　　　　　/　　 　 　 　 　 　 　 ー=､ ヽ
　　　　 |　　　　　　　,'　//　　　　 //lﾄ.＼＿ ..ｨ＿　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　 |　　　　　　 ,　//l＼ー-=//　|　＼_|_,ﾍ　∧ｰ‐≠ﾆﾌ￣￣￣　ﾌ77ｱ广
　　　　 |　　　 　 　 l　l/ |ヽ ＼ //､__,l｀ヽ　　 ﾉ}/ ハｰ-=ﾆ、　　 　 ／ // /／　　　　　　　　　　 つまり、「ヤマトタケ」という読み方の方が
　　　　 | 　 　 　 　 l　; /|　 ＼{{　 ｰ-=二ﾆ=-く'_/＿}ｰ-､ 　ヽ＿／ /// /'
　　　　 |　　　　　 　 /,　|　　　ヽ　　　＼＼　　爪　　　　 ＼ {　 |　/// /　　　　　　　　　　　　　 古い意味な訳だね
　　　　｜　　　　　l //　|i　　　　',　　　　　 ＼{ l,ハ　　　 　 ';i　 |'/// /
.　 　 　 l　　　　　///　 ||　　　　 ',　 l　　　 　 ＼ヽ}　　　　　ﾊ　|'// / 　 　 ／
　　　 　 .　　　　//ｲ i　l||　　　 　 ヽ. l　　　　 　 　 |￣￣￣｢' | l|i/ /　　 ／



　　　　　　　　　 　 　 　 　 /′　⌒¨¨´　-=ﾆﾆﾆﾆ=-　 ｀　 ､
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾄ　｛〔/　-=ﾆﾆ=-　　 　 　 　 　 -=-　＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 }∧{=-　　-=ﾆ=- 　 -=ﾆﾆﾆ=- 　 　 　 ∧
　　　 　 　 　 　 　 　 L乂=-　 -=-　　-=ﾆニ/ﾘLﾆﾆﾆﾆ=-　　　∧
　　　　　　 　 　 　 　 }乂=-　 -=-　　-=ニ／/彡 7==ミﾆﾆﾆ=-　」_
　　　　　　 　 　 　 　 Ｖﾆ=-　　　-=ﾆニ／／斗fヾ.r==‐‐-　　 //^Y
　　　　　　　　　　　 　 ＼ﾆﾆﾆﾆﾆニ彡 _」「彡 ﾐ　 }｝　 ,　　　Ｙ ∧　}
　　　　　　　　　　　　　 ﾐミﾆﾆﾆ斗f七二」{　｀¨”´ }｝　'′　　　 〉 ） }
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀¨¨^V/〔 （ﾘ:　乂_＿__ノ′　　し 　 /_/_ノ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 乂___〈　 ､. .　 __　　　　　　 　 「　 ∧
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀V/, //^_ ノ_ 二ヽ　　　　　　 |.　 /∧__　　　　　　　　　　だったら、「ヤマトタケ」という読みが正しいんじゃないのか？
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 Vu//　V　 　 　 〉　　　　　/　 　 　 >＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼′　　ｰ　__　　　　 　 //,　 　／　　 ＼　　　　　　　俺達はとんでもない間違いを犯していたのか…！！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　 　 }//　 　 　 ／/ ′／　　　　　 }^ ､_
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　'′ _　 .彡//　／　　　　　　　｝　　　　　 =‐-　　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀ヾ¨´////// ／　　　　　　 　 /｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　_V/////／　 　 　 　 　 　 / .｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　}///// ^＼　　　　　　　/　/
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　〕V// 　 　 ＼.　　　　 /　'′

　　　　　　　　　　　　　　　 ,．'"´ ￣￣ ｀`ヽ
　　　　　　　　　　　　 ,､-''´ 　 　　　　　　　　＼
　　 　 　 　 　 　　 ／;:::.: . . .　　　　　　　 ＿ _ ﾉ,
　 　 　 　 　 　　 /;;:;:;:;:;:.:.: . .<ｶ〕.　　,．' ´　　｀`ヾ
　　　　　　　　　 !;:;;:;:;:.:.: .:. . :. .　,,､ '´　　　　　 .:..::`,
　　　　　　　　　 ﾞ､;:;: ;:.:.:.:.: .::,､‐'´;､ｨｲﾑ､;､ .:.､;.;.;.;ヾ!
　　　　　　　　　 ,ｲ＞--‐''ﾞ´.;,ｨｲノﾝ'i'`ヾﾄヾ,,::.::::.ヾﾉ
　　　　　　　　　 7;.;.;.;.;.;.;, ,ｨｼ'7_ ,,,､' ﾞ ､_,,>ﾄヾ､;::;:.ﾘ
　　　　　　 　 　_」;;;:;:;イ;;j"´,r-ﾃﾞ:;>　,ｲ^ﾓ7 `i;;;;:;ｿ
　 ＿ ,　- ー'''´,ﾊ;;;;;;!/j;;;ﾄ　　　 ´　. 　i ´ 　,ｲ;ｲｲ
.:.:. :.:. :.:. :.:. :.:.:./;:..ゞ仆ヾlﾘ　 　　　 , 　 ,!　　 jｿ/′
;;:.:;.,． -─一'/;;:.: .:.｀ﾞゞﾍ_ﾄ､　 　 　 ｀ｰ' 　　/ ヽ￣｀`ー- ､
:.:.:.:;.:. :.. :.: . . i;;;;.: .:. . 　Yj '､　　　 -ー‐:-　/　　i　　 ｰ - ､_｀ヽ､　　　　　　　　　　　だが、そうとは言い切れない
:.:.:.:.:. :.:.:. :. :.. .＼.:.: ..　,ﾍ ＼ヽ ＿_ ´￣　,ｲ ﾊ _」;,　　　　　　¨｀`ヽ,
:.:.:.:.:.. .:.:. .: . .:. .:. ＼:./ -‐'"´　 　 ｀`ｰrｧ'ｰ'-､_,::;:;　　　　　　　　　 i　　　　　　　　　 …だろう、やらない夫
,． -‐ ─ ''''"´￣ 　　　　　　 　　　　 ij||　　　　　 ￣ ｀`ヽ　　　　　|
.:.: .:.: .: . . .:. :. . . . .　　　　　　　　 　　1||.　　　¨` ー -､　､`,　　　　 ヽ
.:.:.:.:::. :. :. .:.: ..: : : : : : : . . . . .,　　　　　j i!　　　　　　　　　i i,1　/　　 j !
.: .:. :.: .:. :..: .: ,,r'"´ ￣ ￣ ｀ヽｲ;:'´　　_,ﾚ^ｰ-､_　　 ,r‐y ｀i j,ﾘ / 　 　 ! |


　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　 　　 　 ｜　 　.（ ⌒）（⌒）
.　　　 　　 　 　 　 ｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　 　　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 .|　　　　　 　　|
　　　 　 　 　　 　　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　　　 ,. -ｰｰ -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
　　／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾒ、
　 ｛ :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ､_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ええ
　　| ::::::::::::::::::::::..｀、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ
　　'| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ
　　 ﾄ､:::/ ／￣｀` ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
　　 `,ﾍ ´:::::::::::::::::. ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rｰ'､
　　　 }:,∨ :::::::::::::::::: ﾄ､:::::::::::::::::::::::::＞＜￣＼::..＼
.　　　 }:::∨::::::::::::::::､-''ﾞ~￣￣￣￣:::::::::...＼　ム:::::ヽ
　　 　 l::::∨ :::: ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.､／...:::::::::ヽ}

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ / /／:::::｀ー───‐- ..,,
　　　　　　　　　　　　　　　　 ! 　/!/!/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ＿
　　　　　　　　　　　　　　＼.!:V:::i::::::::::::::;;;::::::::::::::::::::::::::,,,/:::;;;:::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　i　l:::i::::|:::::::::::///::::::::::::;;;;;/''　''/'　ヾ,:::::::::::::i:::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､|:::::::::::::::::/　　''//''′ ,　 ,,　,,/::.､　ヾlヾi i 'l:::!
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::/,,,,　　 　 ,,,,/,, /:/::::::::::::::ヾ,　　　,,ｉ::|
　　　　　 　 　　　 　　　　 ﾄ､ﾐ､:::::::::::::::::::〃,, //::::::/:::/:::::::::::i:::::::::::ヾ､,, ;::::l
　　　　　　　　　　　　　　　､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧::::::::::::::::::::::;′
　　　　　　　 　　　　　　　　＼:::::::::::::::::＼:::::::::::::／:::::／://　 メ､:::::::::::::厶
　　　　　　　　　　　　　　　 　 `ミz､:::r─‐`ミ＜／イ＞─≦＝ミi＞イ7/ !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈ヒi{　〈__(C)__〕iﾆ!{＜__(C)__.〕 }イ　l/〈} l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾏﾑ　u　:::::::〈:ﾉ!八ヽ:::::::::::　　,! 　　_ソ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 V!＼＿ ,,.イ:ﾉ::: _＼＿＿__ノ　u /_ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｀， u　 :::::::::Y:''　::::::::: 　 　 　 / |
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ‘,　　　 ┬_─‐__､　　 u　　/　.!　　　　　　　　　　　　　どうしてだ？
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ‘. 　 　 ー──┘ 　 　 .ｲ 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 i＼　　::::::::::::　　　　／:: 　　ﾄ､　　　　　　　　　　　　 今の読み方よりも更に過去のものの方が
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／} :::＼　　　　 　 ／　.::　 　 |　＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　_／　,ﾊ　::　 ー── ´ 　 .::　.: 　 |　　　　　　　　　　　　　 より信憑性があるんじゃないのか？
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,. ィ／　　/ .:;　　　　　　　　 　.:　 .: 　　|
　　　　　　　　　　 　 ,.．　' ´　／　 　 /　 :;　　　　　　　 　 　 .::: 　　 |
　　　　　　,.．　 '"´　　　　 ／　　　　/｀`ー─-=ﾆ二 ＿＿_,,..． -─ |


　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　 ／ _ノ　 ヽ､_ ＼
　　　　　　　.|　（ ●）（● ）　|
　　　　　　　.|　　（__人__） 　│
　　　　　　　 | 　　｀⌒ ´　 　|
　　　　　　　 .| 　 　 　 　 　 |
　r､　　　 　r､ヽ　　 　　　　/
　ヽヾ　三　|:l1.ヽ　 　　　 /　　　　　　　　　　　　いやいや、古い事が常に正しいとは限らない
　　＼>ヽ　 |｀ ｝ >　 　　 <
　　　 ﾍ　lノ `'ｿ 　　 　　　ヽ　　　　　　　　　　　古い事が常に正しいなら、誰も新たに研究なんてしないだろう
　　　　　/´　 /,1　　　 　 |　|
　　　　　＼ ノ .｜　　　　 |　|

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　　__ ,. _彡'ﾉﾘ _,.ゝ、　 |　　　
　　　｀ゝf‐ゞﾞujヾ二r^ｧｕj＜ y=ﾚヽ.　　　　　　　　　　　　　確かに…
.　　　 |fjl、　￣.ﾘj＾ヾ.) ￣ 　ﾉ ﾚ ﾘ 　
　　　　ヾl.`ｰ- べ!ﾞ‐ ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　　　　　　　　　平安時代の研究内容が
　　　　　 l　 　 f,.ﾆﾆﾆヽ　u　/:|　　
　　　　 　 ﾄ､　 ヽ.＿_.丿　 ,ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　　必ずしも正確な物とは限らない…という事か
　　　　　_亅::ヽ、 ー 　 ／　i　:ﾄ､　　
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l　　　　
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　 　 ＿＿
　　　 　／　　　＼
　　 　./　 ＿,　 ＿ヽ　　　　　　　　寧ろ、古い時代の文献だと『古事記』の評価は低く見られ
.　　　 |.　　┴ 　┴ |
　　　　l 　　（__人_）.|　　　　　　　　杜撰な推論で記されている危険性があるから
　 　 　 ', 　 　 　 　 |
　　　　　|ヽ.　　　　 l　　　　　　　　 古い物でも信用できないから『古事記』研究は難しい
　　　　　|　.｀―┬"
　　　/￣￣∧　|入

　　 ／￣￣＼
　／ 　　ノ　 　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　 　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　　それに、この「ヤマトタケ」という訓はあくまで
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　 『日本書紀』における「日本武尊」の訓注だからだ
　 　 i⌒＼ ,__(‐- ､
　 　 l ＼　巛ー─;＼
　　 　|　｀ヽ-‐ーく＿）
.　　　 |　　　　　　l


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　　　　　　　　　それに何か問題でもあるのか？
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　　⌒ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 （●）（● ） 　　 |
　　　　　　　　　 　 　 　 　 （__人___）　　　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　 　 |
　　　　　　 　 　 　 　 　　 　 |　　　　　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　、 　 　　,ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　さっきも話したと思うが
　　　　　　　　　　　　　 　　 ／ヽ,ー-　　　ﾄ､
　　　　　　　　　　_, ､ -─ '".:.ヽ:.:.＼__　/ノ ﾄ、__　　　　　　　　　　　　　 『古事記』に登場する「倭建命」は父から追放されたが
　　　__　,.　ー 、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....
　　　＼ r 、　_ ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ｰ､　　　　　　　　『日本書紀』に登場する「日本武尊」は追放されていない
　　　　　}　}/　)　 V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　/:ゝ/ ./ __　 V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.＼
　　　　}:::::ゝ ソ　,Y　i::::::/::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.:.:.:. ＼


　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　 　　 　 ｜　 　.（ ●）（●）
.　　　 　　 　 　 　 ｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　 　　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 .|　　　　　 　　|
　　　 　 　 　　 　　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　　　 ,. -ｰｰ -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
　　／..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: く'、
.　｛ :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ､_　　　　　　　　　　　　　　だから、熊曾討伐の意味合いも前者には懲罰
　 '| ::::::::::::::::::::::..｀、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ
　　'| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ　　　　　　　　　　　後者には試練と功績を与える機会として用いられている違いがある
　　 ﾄ､:::/ ／￣｀` ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
　　 `,ﾍ ´:::::::::::::::::. ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rｰ'､
　　　 }:,∨ :::::::::::::::::: ﾄ､:::::::::::::::::::::::::＞＜￣＼::..＼
.　　　 }:::∨::::::::::::::::､-''ﾞ~￣￣￣￣:::::::::...＼　ム:::::ヽ
　　 　 l::::∨ :::: ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.､／...:::::::::ヽ}
　　　　{::::::＼,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／"￣:::::::::::::::::::::::::ﾉ

　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ●) (●）
　　　　　　　　　　｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 .|　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　 　 　　.|､ 　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　 その結果として敵から名前を貰うのだって
　　　　 　　 　　 　 [::.ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　_, ､-一 :::"＼　::::::::::::::::7、___　　　　　　　　　　　　　 前者ならば懲罰を跳ね除け、更に危険な存在へと肥大化した
　　　／ .:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ヽ__
　　/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::..＼ __　　　　　　熊曾建を越える敵になったという見方も出来なくもない
　 .i :::::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::.. ＼_
　 i ::::::::::::::::::: i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ｀::...､
　 l ::::::::::::j:::::: i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::/::／::::::::::::::::::::::.. ｀ヽ
　 l ::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i::´::::::::::::::::::::::::::／::::::::: l
　 l :::::/::::::::::::ｿ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l＞ｰーｰ-、r-‐:'::::´::::::: l
　 i :::::::::::::::::::〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l　　　　　 l´:／::::::::::::::: ﾉ
　 V .:::::::::::::::: lヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l　　　　　ﾉ .:::::::::::::::::: ／
　　l ::::::::ｰ::::::: |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ､　　　／..::::::::::::::::::: /


　　　　　　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　　⌒ ´ ⌒
.　　　　　　　　　｜　 　　( ●) (●）
　　　　　　　　　 ｜ 　　　 （___人__）
　　　　　　　　　　.|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　 j　　　　　 　　|
　　　　　　　　　..ノヽ、　　　　, ノ　　　　　　　_　　　　　　　　　　　それに対して、試練を果たした
　 ,.　ｰ、一一´:::::::::::::≧ーｰ"7　　　 　 　 　 i' Y
. / .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.｀-、　　　　 　 i　l　_　　　　　　　　　「日本武尊」は天皇に対する敵ではなく
/ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ＞-､　　　|　lﾌ　ト､
.::::::::::::::::: !::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ　　i／ ,.ｲ 丿　　　　　　 秩序に忠実な善の存在になっている
:::::::::::::::::: l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. v:: l　/　　i'r ´,.ｨ
:::::::::::::::::: l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::: l　j　 丿r´,.ｨ
:::::)::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::: 八　　　｀ﾁ

　　　　　　　　　　,r'ﾞ　 .:.:.::::;:;:;:;;;;;;;;;;;:;:;;:;:;.:.ヽ
　　　　　　　　　/　　　　. :.:.::::::::::;:;:;;;;;;;;;;;;;;:;.:`ヽ
　　 　 　 　 　 /　　　　　　. :.:.:.::::::::;:;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;;:!
　　 　 　 　 　,ﾚ'　//. .:.:;;;:;;,ｨｲﾊ;:;ﾄﾄ､;:;;;;;;;;;;;;;;:;;:;!
　　　　　　　/　〃 .:.::jﾉﾉｨｲｨｼ ^ﾄﾄ､;:;:,､ﾐﾐ､;:;;;:;:;l
　　　　　 　 i.:::/　.ｨｲｲソ -'一.::'' `ヾ十- ﾐ;:;:;;;;;|
　 　 　 　 　 V .:〃彳;! 　r fﾃｼ.::'　 /fﾃｭ, .};;;;;;!
　　　　　　　　V.:/ﾊ;;;;|　　　　"´　 〈｀`　　ｨｲﾉ
　 　 　 　 　 　 Vﾄ､ﾘﾘ,　　　　 　 　 i　　　l,/´
　　　　　　　　　 V;ﾂﾒ　　　　　　ｰ-'　　 ,/　　　_
　　　　　　 　 　　i.:;;;ﾘﾄ､　　　 - ｰ‐-　 /
　　　　　　　　　 ハ;;!. ', ｀､ 　 　 ー　 /iヽ
　 　 　 　 　 　 /.:::::L,,_　　＼　_＿, .ｲ ﾉ::::`､　　　　　　　　　　　　　　　つまり、２者が共通の存在ではなく
　　　　 　 　 ,.ｲ:::::::::::::::,ﾍ‐r─ ､-､--､レﾍ:::L
─‐----‐''´.::i::::::::::::::/;:;;;リ　　 ﾄ､ト､ i::::::::::::i:.`''ー-､､､_　　　　　　　　　別個の存在に分岐した可能性があるという事だね
.:.:.:::::::::::::::::::::::::ﾄ､:::::::/;:;;;;;;;|　　　l l1　/:::::.:.::::|:::::::::::::::::::::::｀¨`
:::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ:/;:;;;;;;;;;;|　　　| ﾘ /.:::::::::::.::|:::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:;::;:::::::L　　 　,/.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　　　　（___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　|_,-‐、　　／ ⌒）
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .人､　　 　　 厂丶,丶,丶´ ／￣
　　　　　　　　　　　　　　　_,／( ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ
　　　　　　　　_, ､ -― ''"::::::::::::＼:::::::::::::::::::::(　　　　<"ﾆ‐-、　　　　　　　 そして、『日本書紀』における敵を示す「タケル」には
　　　　　　　/::::::::::':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　 ／⌒ヽ::::::: )
　　　　　　丿:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　',:::::|　　　　　　　 「梟師」等の表記がされていて「武尊」と同じ字を用いていないんだ
　　　　　i .:::::::::::::::::::::|;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 〈　::::::::::::::... ',::.
　　　　/ ..::::::::::::::::::::::!;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::＼:::::::::::::::;;;ﾊ　::::::::::::::::::.. ',

　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　 　 _,.ノ　⌒
　　　　　　　　　　|　　 　（ ー）（ー）
　　　　　　　　　　.|　　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　|_,-‐、_ -、
　　　　　　　　　　.人､　　 　　 厂丶,丶　v　〉
　　　　　　　 _,／::::ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ　　　　　　　　　　　だから、「建」と「武尊」では同じ訓とは限らない
　_, ､ -― ''"...:::::::::＼::::::::::::::::::::(　　　　〔"ﾆ‐-、
/.::::::: ':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　 ／⌒ヽ:::::: )　　　　　　　　　 「日本武尊」≒「ヤマトタケ」≠「倭建」ってことだな
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　',::::|
:::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈　:::::::::::::::... ',::i
:::::::::::::::!::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　::::::::::::::::::. ',


　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _.,ノ　ヽ､,_　　＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 (＝ ) (＝ )　　　|
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 （__人___）　　u　| 　 　　　　　　⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 '､　　　　　　　 |　　　____ 　,.-、ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 ,,.　-ｰ|　　　 　　 　 |ヽ__∠___ゝ」　r'
　　　　　　　　　　　　 / .::::::、::|　　　　　　 /ｨ::::〔 _,.-ｰ 　｀'r-、
　　　　　　　　　　　　 l :::::::::::::::::ヽ__､____,.　":::/:::〔／　　　 l:::. ヽ　　　　　　　　　まぁ…
　　　　　　　　　　　　」 ::::l:::::::::::::::「二二::::／ :::::::ﾄ､ y　　　|::::::. ',
　　　　　　　　　　　　l ::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　　　　l:::::::: i　　　　　　　　 倭建が天皇に対して敵になるって仮定は
　　　　　　　　　　　/ :::::;;:ｰミ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､＿ ノ L::::|
　　　　　　　　　　/ :::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く:::::::::::::::: i::|　　　　　　　　　俺の自説だから、これが定説って訳じゃないと了解してくれ
　　　　　　　　　/ ::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::「 :::::::::::::::: ||
　　　　　　　　 / ::::::::::::::::::::/　　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::V :::::::::::::::: |

　　 _,,.. ,,,-,ｧ‐,v': : : : , '": : : : :,:': : :.:;!: : j! V: : : : : : : : : : ｀ヾ:;;;;-,,,、
　「;;;;;;;;;;;;;;ゞ;;;;;;;､ : :, '　 　 　 /　　../j: : ,'!　V: : :　　　　　　　 ＼;;;;;;｀!
　 ﾞ;;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;i/. , . : : .:::/: : :.:::/ !: :,' ! 　 V: i:. : : : : Y: . . . . .ヾ;;;;/
　　ヾ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;/: ;i: : : .::::/: : .:::/　l: :,' .l　 　 !: :!;:. : : : :.l::. : : : : : :ヾ
　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/: :,i: : : :::::/: : :::/　 j: / .j 　 　 i: :!∨:_;.-: l:::. : : :i; : : ﾍ
　 〈;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/:./;l: : :.:::`,ヽ､:/　　 !:/　j　　　　i:,.!'^v:. : : :l::::.: : :.l＼: :ﾍ
　　';;;;;;;;;;;;;;;;;/:/;;;!: : :::::/: ::/ ＼,,_j:/, ,.ｉ　　 ､／l:.|　 V: : : :!:::. : : :!;;;;ヽ:.ﾍ
　　 ＼;;;;;;;;;//;;;;;|: :.:::::,!';,;,',_‐-- j/　 j　　　　＿ﾘ,,.. _,V: : :|::::: : : :!;;;;;;〉ヾi
　　　　l＼;;{';;;;;;/|: :.:::ﾊ{ー‐r--┬`　′　　 ｲ--r―rﾍ{:: : ﾄ;::: : : :|;／　 ﾞ}
　　　　|:::::`::'''":λ:.::;'　l! r'゛:::::ﾊ|　　 　 　 　 r‐':::;V! ハ: :j::|i:: : : |
　　 　 |:::::::::;! ::::{ l :;'､　　ﾞ､ト-',ﾉ!　 　 　 　 　!ﾄ-'ﾉ:;'　/ﾍ:.!::|,}: : :.l
　　 　 |::::::::j:! ::::ﾞ､l:j（　 　 ヾ-‐'"　　 　 　 　 ｀`ー'　 l'゛,!:l:::|:::i: :.,'
　　 　 |::::::::|:|: :::::::ﾞ`ｰ:'|.、　　　　　　　　 ′　　　　　,!"::ﾘ:: |::::l:.,'
　　 　 |::::::::|:!i: : :::::::i:::::! `　、　 　 -―---－　 　 ,ィ:!::::::::. :!:::j/
　　　　|::::::::|j::i: : ::::: :i:::|　　　 ＞;　、　　 _,,、‐''"　|::!j:::::::: : |:: |　　　　　　　　　　　 そうね
　　　　|.:::::::|l::::i: : :::: :.i::|　　_/　 ＼　 ￣{,ﾉ ＼ 　 ,!::!|:::::: : :.|:: |
　　　　| :::::::l|:::ﾍ: : ::: : i:|￣ l　　　　ヽ　,<　 　 | ￣｀!!::::: : : j:: |　　　　　　　　　　　 結構、突拍子もないもんね
　　 　 .!.::::::::ll::::::}; : :: : :l|　 ！　　／ ∨　ヽ　 |　　 ji::::: : : :l::: |
　 　 　 ! ::::::::l!:::ハ: : : : :ﾞ、　ﾞ､ ／ ､｀_¨ ´,.ヘ､!　　,!!::: : : : j::: |
　　　　 l :::::::::{:/　 ﾞ､: : : :ﾞ、　　 　 　 | o| 　 　 　 ,',': : : : :.;!:: :|


　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　ああ、従来の説をたどるなら
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、　　　　　　　　　　　　　　　　倭建命は熊曾建を打ち倒して一人前の戦士となった
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _　　　　　　　　 という伝承を語ったといった所だ
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／_,ノ 　｀⌒　＼
　　　　　　　　　　　　　　　-、　　　　　　　　　 |　(● ). (● )　 |
　　　　　　　　　　　　　　ﾔ　 ',　　　　　　 　 　 |　.(___人___） 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　i. 　l　　　　 ,.-､　　　| 　 ｀ ⌒ ´　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 ',　 j　　　/　/ 　 　 .|　　　　 　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　 さて、この後のヤマトタケルの伝承について
　　　　　　　　　　　　　 　 ノ＿..ヽ-､′,' 　 　 　 ',　　　　　　,/'|、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .l .＿＿_　ヽﾉ　　　 __ .j '.、__ , ___ ｨ／::L＿　　　　　　　　　　　　　 引き続き見てみようか
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ｙ　　　　　）ﾊ.‐ ' ´ ..::ヽ::::::::::::::::::::::::::／:::::::...｀' ｰ- ､ _
　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ. ￣￣ 〕y::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..＼
　　　　　　　　　　　　　　 ハヽ 一ﾆｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: r;;;;;:::::::: ',
　　　　　　　　　　　　　 /...::::::;;;;;;;;;;; /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ;;;;;::::::::::::::〉


　　　　　　　, -‐―- ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , - ― - ､
　　　　　 ／:: :: :: ＼ヽヽ､　　　　　 .／￣￣ ＼　　　　　 ／/:: :: :: :: :: ::ヽ
　　　　　 .|:: :: :: :: :: ::ヽ､:: ヽ､　　 ／__,.ノ　ヽ､,_ ＼　　,-/:: i:/::／⌒:: :: :: ::|
　　　　　　v:: :: :: :: :: l:|Y⌒ ､｀、 ｌ　( ＝ ）（ ＝ )　ｌ-'´:: l:: /::l '´:: :: :: :: :: ::/
　　　　　　 v:: :: :: :: ::l::ヾ:: :: |:: :: :l.　 （___人___）　 .|:: :: :: 〉ﾚ´:: :: :: :: :: :: ::/
　　　　　　　l:: :: :: :: ::|:: ∧:: ::l:: :: ｌ　　 ｀ ⌒ ´　'J |:::::::::::Sﾚ‐i:: :: :: :: :: ::/
　　　　　　　 v:::lヽ:: ::|::l:: ::｀ヾ＿　i　　　　　　　　 |;;-っ´:: :: |:: i:: :: :/:: /
　　　　　　　　ｌ::|;;ｌ:: ::|:::!:: :: :/:.ヾ =',　　　　　　　/L,／´ヽ:: :: ::l::|::/:: :/
　　　　　　　　 ';!::ｌ:: ::|:: :: ::/:. :.,,＞》'ヽ､.＿,＿／:::ゞ ヾ､　ヽ;; :: |::ｌ:: :/
　　　　　　　　　';:: ::ｌ:: :::/:. :.ヽ'´:.i｀ヽ:. ニ二ニ :.／ :. :. ｖ:. :. l::|:: :: :/　　　　　　　　　　　それと、次に語る話は
　　　　　　　　　　i:: :::ｌ:: /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :!::l::l:: :/
　　　　　　　　　　∨:::|::/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. v:ｌ::/　　　　　　　　　　　　 書き下し文を先に見てもらいたい
　　　　　　　　　　　|;: :ﾚiヽ､:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. |､/
　　　　　　　　　　　∨ ｌ :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: Y
　　　　　　　　　　　 ヽ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::|

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　また、解釈が分かれる話かお？
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／


.　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 _______
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 ＼,-、__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_,ノ 　｀⌒　ヽ.,__　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　(● ) （● ） ,.! ┴-'、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 (___人___）　〉-‐‐´　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　　　 u 〉--‐´　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　iヽｿ　 　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Λ　　　　　　∧｀;"　　 '、　　　　　　　　　　　　　　　　…まぁな
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 __,. ｨ仏 ___、___ ｨ_ノﾍヽ、 _,.‐ｰ、_
　　　　　　　　　　　　　　_,. -= '''　.:::::::}:::::::::::::::::::::::／::::::::>´..:::::::.. ヽ｀.､
　　　　　　　　　　　　ノ´ ...::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈 :::::::::::::::...＼::ヽ
　　　　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ::::::::::::::::::.. ヽ:}

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-ヤマトタケルの出雲建殺し-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/



┌──────────────────────────────────────────┐
│【書き下し文（小学館、新編日本古典文学全集版より）】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│即(すなは)ち、出雲(いづもの)国(くに)に入(い)り坐(ま)しき。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│其の出雲(いづも)建(たける)を殺さむと欲(おも)ひて、到(いた)りて即ち友(うるはしみ)を結びき。　　　　│
│故(かれ)、窃(ひそ)かに赤檮(いちひ)を以て詐(いつは)りの刀(たち)を作り、　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│御佩(みはかし)と為(し)て、共に肥(ひの)河(かは)に沐(かはあ)みき。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│爾(しか)くして、倭建命、河より先(ま)づ上(あが)り、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│出雲建が解き置ける横(た)刀(ち)を取(と)り佩(は)きて、詔(のりたま)ひしく、　　　　　　　　　　　　　　　....│
│「刀(たち)を易(か)へむと為(おも)ふ」とのりたまひき。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│故、後(のち)に出雲建、河より上(あが)がりて、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│倭(やまと)建(たけるの)命(みこと)の詐(いつは)りの刀(たち)を佩(は)きき。　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│是(ここ)に、倭建、誂(あとら)へて云(い)ひしく、「いざ刀(たち)を合(あは)せむ」といひき。　　　　　　　　...│
│爾(しか)くして、各(おのおの)其の刀を抜かむとせし時に、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│出雲(いづも)建(たける)、詐(いつは)りの刀を抜くこと得ず。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│即(すなは)ち、倭建命、其の刀を抜きて、出雲建を打ち殺しき。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│爾(しか)くして、御歌(みうた)に曰(いは)く、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│やつめさす　出雲建が　佩(は)ける大刀(たち)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│黒葛(つづら)多纏(さはま)き　さ身(み)無(な)しにあはれ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│故(かれ)、如(か)此(く)撥(はら)ひ治(おさ)めて、参(ま)ゐ上(のぼ)りて、覆奏(かへりことまを)しき。　 　 .│
└──────────────────────────────────────────┘

┌─────────────────────────────────────┐
│【現代語訳】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│　さて、倭建命は出雲の国に入って　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│その国の出雲建を殺そうと思われて、嘘の友諠を結んだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│そして、こっそりとイチイガシの木で偽物の大刀を作り、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│それを身に着けて、一緒に肥河で水浴びをした。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│そうして、倭建命は、川から先にあがり　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│出雲建の解いて置いてあった大刀を取って身に付け　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│「大刀を交換しよう」と言った。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│出雲建は、川から上がってきて偽物の大刀を身に付けた　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│そこで、倭建命は誘って「さあ大刀を合せよう」と言った　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│そして、それぞれ身に付けた大刀を抜こうとした時に　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│出雲建は、その大刀を抜いて、出雲建を打ち殺した　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│そして、お歌いになるには　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│　出雲建が腰につけていた大刀は　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│　その鞘にはに葛をたくさん巻いて飾りは立派だが、刀身が無い　ああ、おかしい　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│さて、このように服従しない者達を討ち払い平らげて参上し、天皇に復命申し上げた　　　 │
└─────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、　　　　　　　　　　　 さて、この話についてなんだが
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､　　　　　　　現代語訳で一応筋は分かったと思うが、どう思う？
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　 ん…
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､　　　　　　　　　 これも英雄の知恵を見せつける場面なんだな
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　　　 ,..-──v'⌒ヽ
　　　　　　 ＿／:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.厂｀ー―ｧ
.　　 　 ／〈::::/:∨:.:.:.:/::.:.:.:/:./:ヽ:.:.:.:＜
　　 　〈::::::::Y::::/:.:.:.:.ナﾅメ|:/ヽ:.:}:.:ﾄ:.＼＞
　　　　ヽ:::/:::/:.:.:,ｨ-|∠_　ﾘ　 |:ｽ:.:|:.:.:. |
　　　 　 〉-ｒ(|:.:./ `ﾄ{:r「　　 ｲﾃﾁ:.:|:.ﾄ:.:|
.　　　　 |:.:.:|:.|:/_ 　´￣　　　ﾋ!ﾉ∧|.:「リ
.　　　　 |:.:.:|:.:.:.:.:ト､ 　 ｒｧ　 　ﾉ:|:.リ
.　 　 　 |:.:.:ﾄ､:.:.:.Ｋ:} 　 ｒ‐ ｒイ:l:.|:.:|
.　 　 　 !:.:.:|__}:.:.:|::::＼_,,>､:＼:l.:|:.:|
　　　　 |:.:/　ヽ:.:.ヽ::::::ヽ　|::::::}:/:/　　　　　　　　　　　　　　　　　　 そうよね
　 　 　 ∨　　 ヽ:.:.:l＼:::ヽ|:::/|:./
　　　　/ 　　.|　 ヽ::ヽ ＼ |∧l:.{　　 r‐ｒこつ
.　　　/ 　 ヽ ﾚく　ヽ:.:ト-ｨ　r'＞'⌒「　|＿ ⌒⊃、
.　 　 {　　　　ﾄ､::}､ ﾄ:.|／　　＼　　|　 ヽ:::厂￣´
　　　 ＼　　　　＼ |:.:| 　 ∧　 } 　 ヽ-イ´


　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
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(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　　そうかお？
.＼　“　　／＿＿|　 |
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　　　　　　　 ,. .-'_",...,．‐: : : : : : .::|: : : : :､、: :｀:丶､
　 　 　 　 ／-''".　'"　　　　　: : :::;.!: : : : : ::ヽ: : : : : ヽ
　　　　／'´,,,,／　　..... . . , : : ::/::/ i: : ､: : : :::ﾍ: : : :.ヽ:｀､_
　　　　 ／;;; ′. :.:::::/: :./: : :::/!::;'　 !: ::|i､: : : ::ﾍ.: : : :.ﾍ;ﾎ;;;＼
　　　 ヾ;;;;/: ::/:/::::/: : :i,:-‐:7-:::!　　V: l.i.>‐:-:､;i: : : : : :V!;ヾ;;;＼
　　　　 У:,;ｲ:/::::/: : .::j: :.::/　|::!　 　 Ｖ:l i. ＼: :.:j:. : : : : '{!;;;;ﾍ;;/
　　 　 ,/:./;;i:j:::::::i: : .::::!: :/ 　 l:!.　　　 Vj ﾞ:、 ＼::}:. : : :j:. {;;;;;;;;;;,
　　 　 〉/;;;;;!i:::::::j: : ::::;l:,;/二__|!　　　　 ヾ __ｚ‐ﾆゝｨ: : :.|';, !;;;;;;;;;〉
　　 　 !' ヾ;;!!:::::::}: : :::{.丁勹ホト　　　　　/'"｣不｢ﾊ:. : :.!';;;,j;;;／
　　 　 　 　 i!:::::ﾊ: : :∧　｢::し'::|　　　　　　｢::し'::|　,!: :./:!;;:ｲ
　　　　　 　 ,!:::j: :i; :::!ハ ヾ:,,,,:ｼ　 　 　 　 ヾ:,,,:ｼ　/ｌ :/: : : :!
　　　　　 　 l:i::|: :::l､:ト-:i 　 　 　 　 '　　 　 　 　 厶|/: : :.|:.|
　　 　 　_　 |:Ｎ: :.::!ヾ:::::iﾄ､　　　　　ｏ　　 　 　 ノ:::::}!:: : : l:.|
　 　 　 l　l　||: : : :::!: :::::::il　｀丶 ､　　　,.,. -: '"|i::::::::,!::: : : ｌ:l
　　　　 ｌ　l　!!: : : ::|i: : ::::::!　_,r'"´l ﾞ¨ﾞ　!｀ヽ、.j!::::: :j!::: : : :l:!　　　　　　　　　　　　 え？
　　　 ,-:、 !、!: : :.:::!:i: : : ::f'´　 |'" 　 　 ｀|　 ﾞ/:: : :,'|::::: : : jl
　　／i. ,ゝ-ヽ!: : .:::|:::j: : : :.!　　 l''"￣｀` l　 /: : : :,､|::::: : :!:|　　　　　　　　　　　　　どうしてよ、やる夫？
　 ｛ 、ﾞ､>ｧ　 !: : .:::l, '`i: : : :i､　　l.　　　 j　./: : : :/:久::: : :!:l
　　ﾞ:r`‐'　　 ,! : ;ノ　　 '; : : l､＼　!　　 j　,ｲ: : : :/'゛　ﾞ､: : l:.!
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　　　　 　/|｀ ｝　　　　　　　　　　　 ｛ ´|ヽ
　　　 　 ノ `'ｿ 　　　　　　　 　　　　 ゝ' `ヽ、　　　　　　　　　　 んー、卑怯っぽい感じがするお
　　　　/´　 /　　　　　　　　　　 　 　 ヽ、　ヽ
　　　　＼. ｨ 　　　　　　 　 　 　 　　 　 个‐´
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　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
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　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
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　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
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　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン　　　　　　　　　　　　　　 卑怯？
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　　 これは今までの場合と同じく
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､　　　　　　　　　　　 当時の人からすれば知恵だろう
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　-　￣￣｀　- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ｰ､　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　, -､　　　　 ヽ､＿　　　　 ﾊ
　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾉ!o　}　　!､_　　　　　　　　　',
　　　　　　　　　　　　　　/　＞　　　 ｏ｀ー--　　　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　{ /　　　　ヽー- ＿　　＿　　　!
　　　　　　　　　　　　　　ヽ｀ー〈　　 }　 　　 イ´　　ヽ　ｊ
　　　　　　　　　　　　　　　＞､　 ー'　　　 （　 , イ⌒ヽ' |
　　　　　　　　　　　　　　 <　 ７ヽー-ァー-ヾ/　　　　.ﾊi
　　　　　　　　　　　　　　／ヽ!:::{　<´　　　 ハo　　　　　i　　　　　　　　　　　　やらない夫ー
　　　　　 　　　 　　　　 ノ　 / 7::｀->　 ／　 　 ｊ　　 　 /
　　　　　　 　　　　　_/ ｊ　/　/:;':::〈-イ　　 　 〈　　　 ..|　　　　　　　　　　　　　 そういうモンなのかお？
　　　　　　　,イ )ﾍ}-'　/　ｊ　/:::;:r´　　　　　 　 !　　　...|
　　　　　　　!　⌒)ﾍ　　ノ　/:::::;/　　　　　　　　}　　　..|
　　　　　　　ヽ　´ノﾍ／　 /::::::/　 　　　　　ヾ　/　　　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　　　　　んー
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_　　　　　　　　　　　　　 今までの説に則るなら
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !　　　　　　　　　　　キバヤシの言うヤマトタケル知恵を見せる場面である
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !


　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　そういう解釈でいいんだが
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___　　　　　　　　　　　　　　　異論もあるっちゃある
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　　　異論…？
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　 　 　 　 　　⌒ 　｀⌒　　＼　　　 　v-,
　　　　　　　　　　　　( ●) ( ●)　　　|　　　　 |　r
　　　　　　　　　　 　 （__人___）　　 　 | 　 　　 |　|
　　　　　　　　 　　　　'､　　　　　　　 |　　　　 |　|,.-、.
　　　　　　　　　 ,,.　-ｰ|　　　 　　 　 |ヽ__／￣ヽ｀ r´
　　　　　　　　 / .::::::、::|　　　　　　 /ｨ::::〔￣￣ ｀' ト-、
　　　　　　　　l :::::::::::::::::ヽ__､____,.　":::/::::〔￣　　　l:::. ヽ　　　　　　　　　そう、この話にはいくつかの不可解な点があってな
　　　　　　　 」 ::::::::l:::: ::::::「二二::::／ :::::::ヽ y　　　l::::::. ',
　　　　　　　 l :::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　　　l:::::::: i　　　　　　　　 まず、そこから見ていこう
　　　　　　 / ::::::ｰ-ミ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ＿／:: L::::|
　　　　　 / :::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く::::::::::::::::::|::|
　　　　　/ ::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::「 ::::::::::::::::::||
　　　　/ :::::::::::::::::::/　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::V ::::::::::::::: |

　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　（●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　　　　 　 （__人___）　　 　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　 '､｀ ⌒´ 　 　 　|
　　　　　　　　　　　　　-ｰー|　　　 　　　　ﾄ､______
　　　　　　　　　　　 / .::::::、::|　　　　　　 /:::ﾉ:::::::::.｀' ｰ-
　　　　　　　　　　　l :::::::::::::::::ヽ__､____,.　"／::::::::::::::::::::::::..　ヽ
　　　　　　　　　　 」 ::::::::l:::: ::::::「､:::::::::::::／ ::::::::::::::::::::::::::::::::.. '､
　　　　　　　　　　l ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '､　　　　　　　　　最初の問題は、出雲建討伐の時期なんだ
　　　　　　　　　 / .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::|
　 　 　 　 　 　 / .::::::ｰ-ミﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::::|
　　　　　　 　 / .::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::／ ||
　　　　　　　/ .::::::::::::::::::::/　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|
　　　　　　 / .:::::::::::::::::::/'　　　　 `‐-､::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|
　　　　　　/::::::-‐…‐､/　　　　　　　i　`ｰ-,:::::::::::::::::| :::::::::::::::: |::|
　　　　 　 l::::::::::::::::::::.. ＼　　　　　　 ヽ::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:::|


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　　 討伐の時期？
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　 ああ、この討伐が行われたのは
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、　　　　　　　　　　　　　　 熊曾建討伐の後に行われているのは
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _　　　　　　　「倭建命」という名前を名乗っている所から確実なんだが…
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l


　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／_,ノ 　｀⌒　＼
　　　　　　　　　　　　　　　-、　　　　　　　　　 |　(● ). (● )　 |
　　　　　　　　　　　　　　ﾔ　 ',　　　　　　 　 　 |　.(___人___） 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　i. 　l　　　　 ,.-､　　　| 　 ｀ ⌒ ´　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 ',　 j　　　/　/ 　 　 .|　　　　 　　　 |　　　　　　　　　　　　　　 出雲に赴いたのは熊曾建討伐の直後か
　　　　　　　　　　　　　 　 ノ＿..ヽ-､′,' 　 　 　 ',　　　　　　,/'|、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .l .＿＿_　ヽﾉ　　　 __ .j '.、__ , ___ ｨ／::L＿　　　　　　　　　　　 一度倭へ帰った後かという点が不正確なんだ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ｙ　　　　　）ﾊ.‐ ' ´ ..::ヽ::::::::::::::::::::::::::／:::::::...｀' ｰ- ､ _
　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ. ￣￣ 〕y::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..＼
　　　　　　　　　　　　　　 ハヽ 一ﾆｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: r;;;;;:::::::: ',
　　　　　　　　　　　　　 /...::::::;;;;;;;;;;; /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ;;;;;::::::::::::::〉

　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　´￣￣￣￣ ｀　 、
　　　　　　　 , ‐､_,-､. 　 　 ／　　　　　　　　　 　 　 ＼
　　　　　　r.ｲ .　　　 ﾄ.、.,.:′　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ
　　　　　　ヽ　　　　　/ /　、　　　　,　　　　、　　　　　　 ',
　　　　　　　}　　　 ノ　,′　￣￣￣ 　 　 　 ｀￣￣￣　　.i
　　　 　 　 .,′ 　 ,′ .l　弋●￣ ﾉ　　　　 弋●￣　ﾌ 　 |
　　　　　　/　 　 .;'　　:|.　　ヽ― '　　　　　　 ヽー―′　 .!
　　 　 　 ,'　　 　 i　　 .l　　　　 　 ,　　　　　　 ,　　　　　 .,′　　　　　　　　　　　　　　なんでだお？
　　　 　 .i　 　 　 |　_..,∧　　　　　ゝ-r‐^ｰ‐r‐'　　　　__./ 〉
　　　　 ,ｲ　　　　.}ト,Y.:.:.:丶　　　 　 └―‐┘　 　 ／.:::／￣ ｀ヽ　　　　　　　　　　　 普通に考えて、熊曾を倒したついでに
　　　 ./｜ 　 .:　 ||::}:l::::::::::::::}≧. 　＿＿＿＿_　／.:::／ { 　 　 　 ',
　　　〈　　　　l::　 〉ｌ|:|:::::::::::.＼::::.＼　　 　 　 ／.:::／_.:::∧_　　　　,!　　　　　　　　　　 出雲も倒したってんじゃないのかお？
　　　 }､　 　 ﾉ:　/::ﾘｊ'::::::::::::::::..＼::::.ヽ.＿＿.;:〉-イ´ /　イ:.. 　 　 ｲ=ﾍ
　　　ﾘ∧　　　.ｲ/:/.::::::::::;::::::::::::::r＞ﾐ三三'/＼　＼／ヽ.｀ ー＝彡ﾍ_〉


.　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 _______
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 ＼,-、__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_,ノ 　｀⌒　ヽ.,__　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　(● ) （● ） ,.! ┴-'、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 (___人___）　〉-‐‐´　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　　　 u 〉--‐´　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　iヽｿ　 　l　　　　　　　　　 大方の注釈書ではそうなっているが
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Λ　　　　　　∧｀;"　　 '、
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 __,. ｨ仏 ___、___ ｨ_ノﾍヽ、 _,.‐ｰ、_　　　　　　 この解釈には問題がある
　　　　　　　　　　　　　　_,. -= '''　.:::::::}:::::::::::::::::::::::／::::::::>´..:::::::.. ヽ｀.､
　　　　　　　　　　　　ノ´ ...::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈 :::::::::::::::...＼::ヽ
　　　　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ::::::::::::::::::.. ヽ:}

　　 _,,.. ,,,-,ｧ‐,v': : : : , '": : : : :,:': : :.:;!: : j! V: : : : : : : : : : ｀ヾ:;;;;-,,,、
　「;;;;;;;;;;;;;;ゞ;;;;;;;､ : :, '　 　 　 /　　../j: : ,'!　V: : :　　　　　　　 ＼;;;;;;｀!
　 ﾞ;;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;i/. , . : : .:::/: : :.:::/ !: :,' ! 　 V: i:. : : : : Y: . . . . .ヾ;;;;/
　　ヾ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;/: ;i: : : .::::/: : .:::/　l: :,' .l　 　 !: :!;:. : : : :.l::. : : : : : :ヾ
　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/: :,i: : : :::::/: : :::/　 j: / .j 　 　 i: :!∨:_;.-: l:::. : : :i; : : ﾍ
　 〈;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/:./;l: : :.:::`,ヽ､:/　　 !:/　j　　　　i:,.!'^v:. : : :l::::.: : :.l＼: :ﾍ
　　';;;;;;;;;;;;;;;;;/:/;;;!: : :::::/: ::/ ＼,,_j:/, ,.ｉ　　 ､／l:.|　 V: : : :!:::. : : :!;;;;ヽ:.ﾍ
　　 ＼;;;;;;;;;//;;;;;|: :.:::::,!';,;,',_‐-- j/　 j　　　　＿ﾘ,,.. _,V: : :|::::: : : :!;;;;;;〉ヾi
　　　　l＼;;{';;;;;;/|: :.:::ﾊ{ー‐r--┬`　′　　 ｲ--r―rﾍ{:: : ﾄ;::: : : :|;／　 ﾞ}
　　　　|:::::`::'''":λ:.::;'　l! r'゛:::::ﾊ|　　 　 　 　 r‐':::;V! ハ: :j::|i:: : : |
　　 　 |:::::::::;! ::::{ l :;'､　　ﾞ､ト-',ﾉ!　 　 　 　 　!ﾄ-'ﾉ:;'　/ﾍ:.!::|,}: : :.l
　　 　 |::::::::j:! ::::ﾞ､l:j（　 　 ヾ-‐'"　　 　 　 　 ｀`ー'　 l'゛,!:l:::|:::i: :.,'
　　 　 |::::::::|:|: :::::::ﾞ`ｰ:'|.、　　　　　　　　 ′　　　　　,!"::ﾘ:: |::::l:.,'
　　 　 |::::::::|:!i: : :::::::i:::::! `　、　 　 -―---－　 　 ,ィ:!::::::::. :!:::j/
　　　　|::::::::|j::i: : ::::: :i:::|　　　 ＞;　、　　 _,,、‐''"　|::!j:::::::: : |:: |
　　　　|.:::::::|l::::i: : :::: :.i::|　　_/　 ＼　 ￣{,ﾉ ＼ 　 ,!::!|:::::: : :.|:: |
　　　　| :::::::l|:::ﾍ: : ::: : i:|￣ l　　　　ヽ　,<　 　 | ￣｀!!::::: : : j:: |　　　　　　　　　　　　 どういう問題よ？
　　 　 .!.::::::::ll::::::}; : :: : :l|　 ！　　／ ∨　ヽ　 |　　 ji::::: : : :l::: |
　 　 　 ! ::::::::l!:::ハ: : : : :ﾞ、　ﾞ､ ／ ､｀_¨ ´,.ヘ､!　　,!!::: : : : j::: |
　　　　 l :::::::::{:/　 ﾞ､: : : :ﾞ、　　 　 　 | o| 　 　 　 ,',': : : : :.;!:: :|


　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　それは、前段の熊曾討伐が
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___　　　　　　　　　　　　　　　倭に帰還して天皇に報告する為に上京しているからだ
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　 つまり、熊曾を討伐した段階で
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､　　　　　　　　　 一度倭に帰還したという見方も出来るという訳か
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　 ,. . -: :‐.-:.':':":.:/ヽ￢‐-. .,_
　　　 　 　 ,. :_',:. ,-‐': : : : : : : : :|: : : : :､、: : ｀: .､
　　　　 ,.:'‐'" ／　　 　 　 　 !: /l: : : : :.ヾ:､: : : : :ヽ
　　　／ ,,,;;; '　. . : : : : /: : ::,!: l　l: : !、: : V':,: : : ヽ:ヽ-,,､
　　　r';;;;;,.'. :/:,:': :/: :./:_;,;_/l:.:ｌ　 l: :.l､V_:_:.V'; : : : :V:ト､;;;;,､
　　　ヾ;/: :,ｨ:/: :/: : :j'": :/｀!:j　　∨:i`＾:､:｀:V!: : : : :V!;;ヾ;;;;;〉
　　　,,;;':./;//: :.i: : : :ｌ: :./　 !:!　　　V:!｀、＼:.'li: : : : : :{;;;;;;;V
　　　Y:/;;;;!i: : :j: : : :j: :ﾑ,,,_ |!.　　　 ヾ! ヽ_,,.＼!: : : :!､:i;;;;;;;;;;,
　　　,':ﾍ;;;;!!: : :|: : : ﾊﾔ'''j‐-ﾄ､　　　　 ィっ￢ﾃ{: : : !;;i.l;;;;;／
　 　 {'　 ヾ!.:.:.ﾊ: : :ﾊ{j |:;'し' |　　　　　 r:'し' ;!ハ: :.ﾊ;;;ﾘ'"
　　　　　　}::::l: :l: :.l＾l、ヾ､_ﾉi　 　 　 　 ! ､_ﾉ'　,'i: :,': ": !
　　　　 　 |j::l: : |ｉ:.トコ　´￣　　　'　　　￣｀　,'_,l:/: : :!:.!
　　　　 　 |:V: : :!:､|:::::ﾄ､ 　 　 　 c　　　　　,/::::'゛: : : !:|
　　　 /ﾞi . |j: : : ::l: .:.::::l! ｀丶　、　　,.,. - ''"!;::::::j!::: : : !:!
　　　.|　|　||: : :.:::|i: : ::::l　 ,ノi´,! 　 人jヽ、,!:::: :.l!::: : : :!!
　 ,r￢　!､ ﾞ|: : ::::j::i: : : :l" 　 lﾞ　　　　j.　 ,'::: : :l:|:::: : : :{　　　　　　　　 そこから、また出雲に出征したという可能性もある訳ね
./　| r￢　! l: : ::::i::;}!: : : l　　 l´ ￣ ｀:l　 ,': : : :l>!:::: : l:.|
{_ヽ_ﾞj７　 ,! |: : ::;l'' ﾍ: : : :!、　 !　 　 ,′/: : : ;'"ﾍ:::: : |:|
　ﾞ、　　 /　,ﾚ ''゛　　ﾍ: : :|､＼ .! 　 ,' ,.ｲ: : : :/゛　ヾ: :.l:|
　　l　　 l　/　 　 　 ﾞ､ﾍ: :.l､＼`j　/'",.:'!: : :/v'　　 ヾﾐj

　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　 そういう事だな
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_　　　　　　　　　　原文でも「即ち」という一語でいきなり始まっているから
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !　　　　　　　 これは後になって挿入された話じゃないかとも言われているし
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i　　　　　　　熊曾討伐とは独立した話である可能性が高い
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !


　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_
　　　 　 　 　 　 　 │　 　 ( ●) (●）
　　　　　　 　 　 　 │ 　　　（___人__）　　　　　 _､
　　　　　　　　　　　（ ヽ　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　 ／ノ
　　　　　　　　　　　　ﾄ、＼､ 　　　 |　　　／,／
　 　 　 　　 　　 　　 人｀v rｰrｰ、 |　　ノ　へ、
　　　　 　　 　　 _,／(r-〈 .ｲ　i　r、ヽ／　　　　_, }
　　　_, ､ -― ''"...::::::::｀ｰﾐｭ'-'ヽ-'／　　　 　,.<_/　　　　　　　　　　　　そうなると、次に討伐理由に疑問が生じる
　　/.;:::::::...':､:::::::::::::::::::::::::::ヽ___,.ー- 、　___ノ￣
.　 i ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ／..::::::::::::: 〉´:..＼:ヽ
　 i ::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::: ／..:::::::::::::::: /:::::::::::::..＼:ヽ
.　 { ::::::::::::::::::::::::::ヽ::::／..:::::::::::::::::::: ハ:::::::::::::::::::..＼

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　　　　　　　　　　どうしてだお？
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／


　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　熊曾討伐の帰りならば
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、　　　　　　　　　　　　　　天皇の命による出征の旅路の出来事だから
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _　　　　　　 その軍事的行動には、ある程度正統性が保たれるが…
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l

　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　／　　 _,ノ　ヽ､_
　　　　 　　 　 ｜　 　 ( ●) (●）
.　 　　 　 　 　 ｜ 　　　（___人__）
　　　　　　 　 　 |　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　 　 　 　 　 .|　　　　　 　　|
　 　 　 　　 　　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　 ,. -ｰｰ -‐ ´::::::::::::::::::::::::::::::::7
／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、　　　　　　　　　　　　　　 一度、倭に帰参したなら
.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ＼､_
::::::::::.＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... ヽ　　　　　　　　　　　天皇の命なく他国の族長を討伐するのは
:::::::::::::..ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ﾍ
:::::::::::::::::::V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::　　　　　　　　　　秩序に反する行いになりかねん
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::
:::::::::::::::::ｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::
::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:|


　　　　　　 ,. ─- ､,,.＿__
　 　 　 ,ｲ〃　 　 　 　 　 ｀ヽ,__
.　　　N. {'　　　　　　　　　　 　 ＼
.　　N. {　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.　 N.ヽ｀　　　　　　　　　　　　　　　〉
　 N.ヽ｀　 　 　 　 ,.ｨｲ从　　 　 　 /
.　 ヾミ.＿__-‐=彡'ノﾉﾉ__,ゞミ=-_rく
　　　　lrf´ゞ“ﾓ=ヾｰf =ﾓﾁ＜}rv^i !
　　　　ヾﾄ、｀￣,り「弋! ￣´ノ　ソ
　　 　 　 !　￣　 ii{_,.　 ￣　　/r'´
　　 　 　 ,ゝ、　 ｉｰ-ー､　　, '　|＼
　　-‐''7´　ドヽ. ｀ニﾆ´ .／;;　 |　 ヾ''ｰ-　　　　　　　　　　　つまりは、無断での出征ということか？
　　　 /　　 ﾄ､　` ｰ-- ´　,;'　,ｲ　　:|
.　　 /　　　:ト､` ｰ-､ r--‐_'´/　　　|
　　/　_,..､-‐＼ ￣! ﾚ' 厂　/へ、　 :|
　　T´　ヽ＼l.0| 　 V / 　 / /　 ＼　|

　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ●) (●）
　　　　　　　　　　｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 .|　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　 　 　　.|､ 　　　　　　|
　　　　 　　 　　 　 [::.ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　_, ､-一 :::"＼　::::::::::::::::7、___
　　　／ .:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ヽ__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 そう考えられる
　　/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::..＼ __
　 .i :::::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::.. ＼_　　　　　　　　　　　　　原文でも討伐理由は
　 i ::::::::::::::::::: i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ｀::...､
　 l ::::::::::::j:::::: i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::/::／::::::::::::::::::::::.. ｀ヽ　　　　　　　　「倭建命が出雲建を殺そうと思った」
　 l ::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i::´::::::::::::::::::::::::::／::::::::: l
　 l :::::/::::::::::::ｿ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l＞ｰーｰ-、r-‐:'::::´::::::: l　　　　　　　 って書いてあるしな
　 i :::::::::::::::::::〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l　　　　　 l´:／::::::::::::::: ﾉ
　 V .:::::::::::::::: lヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l　　　　　ﾉ .:::::::::::::::::: ／
　　l ::::::::ｰ::::::: |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ､　　　／..::::::::::::::::::: /


　　 　 　 　 　 　 ／;:;::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.::ヽ
　　　　　　 　 　/;;;;;;;:;:;:;:;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::, .イ､
　　　　　　　　/;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:::::::::::::::::,､-‐'''"´..: .:;.;:;ヽ,
　　　　　　 　 |;:;;;;;;;;;;〔カ;:;:;:;:;:;:::::,r'´　ヽ.:.:;;;:;;ヽﾐヽ;.:.:..ヽ
　　　　　　　　!;:;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;ｲ　 ;:ﾄ､ ;:;;､.:.:;:;:;:;;;;;`ヽ;:;:;!
　　　　　　　　`ﾄ､;:;;;;;;;;;;,､‐'ｨｲ ;:; :; ;;､ ;:;:;､`ミﾐﾐ､:;;;`ヾ;:;;|
　　　　　　　　,'.:;:　,:　,ｨｲﾉlﾉ;'ﾊﾄﾄ､ヾ;:;:ﾄﾄ､ヾﾐヾ;: ;;;;;;.:;;;ﾘ
　　　　　　　　V,:;`,;',;,'ﾙ'ﾞ-ｲ=≡'´　 ｀`''＝- ､`ﾉﾉ　.:.:/
　　　　　　　　 ﾙ,;:',ﾍ;;! 　ｰ＝'''´ヽ　　ｰ＝‐`　 ii! l;:;/
　　　　　　　　　ﾄﾄ;;ﾄ､j!　　　 "´　　　｀`　　 　 / //
　　　　　　　　　 '`ヾ>ﾄ､　　　　　　　; 　　 　 ,ﾍ;:;k
　　　　　　　　　　　 `1ik､　　　　`ー′　　 ,ﾍ;:;;ｲ
　　　　　　　　　　　 /.:.:L:.､　　 -‐-‐-　　/ 1;;/ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　軍人の独断専行か…
　　　　　　 　 　 　 /.:.::.:.:/1ヽ　　´￣　 ,.ｲ /;:;:;ﾊ.:`,
　　　　　　　　　_,ノ.:.::::::/;:;;ﾚ''｀`ー─.＜ V;;;;;i.:l/.:::::L_＿　　　　　　　　　　　　 これはいただけないね
　　　　　-‐''"´.:.:.::::::::::/;:;;;;;l　　 /l　　　ヽi;:;;;;;;l.::::::/::::::::::::.`
　　　　.:.:.:.::::::::::::::::::::V;:;:;;;;;;;|　　lk!　　　　l;:;;;;;;;|.::/.::::::::::::::::::
　　　 .::.::::::::::::::::::::::::::;:;:;;;;:;::::L＿|ﾉ ＿_」_ﾉ;:;;;;;;;;;/::::::::::::::::::::::
　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:;:::;:;;::::::::::::::::::::::::
　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ●) (●）
　　　　　　　　　　｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　　　　 .|　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　 　 　　.|､ 　　　　　　|
　　　　 　　 　　 　 [::.ヽ､　 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 それにだ、熊曾の場合は
　　　　　_, ､-一 :::"＼　::::::::::::::::7、___
　　　／ .:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ヽ__　　　　　　　　　　　　　　　　天皇が口からの方便とはいえ倭に従わないという
　　/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::..＼ __
　 .i :::::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::.. ＼_　　　　　　　　　 討伐理由があったのに対して
　 i ::::::::::::::::::: i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ｀::...､
　 l ::::::::::::j:::::: i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::/::／::::::::::::::::::::::.. ｀ヽ
　 l ::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i::´::::::::::::::::::::::::::／::::::::: l
　 l :::::/::::::::::::ｿ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l＞ｰーｰ-、r-‐:'::::´::::::: l
　 i :::::::::::::::::::〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l　　　　　 l´:／::::::::::::::: ﾉ
　 V .:::::::::::::::: lヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l　　　　　ﾉ .:::::::::::::::::: ／
　　l ::::::::ｰ::::::: |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ､　　　／..::::::::::::::::::: /


　　　　　　　　　　　／￣￣ ＼
　　　　　　　 　 　 _,ノ　ヽ､,_　　＼
　　　　　　　　　 （●）（● ） 　　 |
　　　　　　　　　 （__人___）　　 　 |
　　　　　　　　　　'､｀⌒ ´　　u　 |
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　 ヽ　、 　 　　ｲ
　　　　　　　　　　　ｨヽ-ー　≦ノ7
　　　　_, ､ -― ''"....:::::::::::::::::::::::::::ﾄ、　　　　　　　　　　　　　 出雲の場合は景行天皇に従わなかったという
　　　/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::........--、
　　丿.:::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r::::: {　　　　　　　　　　記述がどこにもないんだ
　 r :::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀,::::i
　/.:::::::::::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',::i
/.:::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V

　　　　 　 　 　 _,. -.-.－. .､i＾ヽ.､､､、
　　　 　 ,..-_'_,´- :'':": :,: : ;::|: : : : : : : :｀:.丶.、
　　　／'", .'／: : : : ::/: : /::|: {: : :V: : : : :U: : ヽ
　　　／,/'"　 ,　　../. . ;ｲ::ﾊ: :!､: : V. .　　　､: : :v､‐,,,､
　　(;;;;;/　, . :/.::::::/: :./ i::/|.l: | ﾞ､: : V: : : : .､ﾞ、,/;;;;＼;;;`;;,,、
　　 У;;ｲ: : i.:::::::::i: :/　j:/ |！|　ヾ: :.V: : : : l:.ﾋ/;;;;;;;;;;;`､;;;;;;;;;)
　　〃;;;j: : :j::::::::::i‐/-､j:!　|　!:|､､_,>‐ﾍ‐-: : :l:|l;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;/
　 /'/;;;l: : ::|:::::::::;!/　　|l　 |　ヾ　　 ｀､:!ヾ: : : l|!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{
　　ヾ;;;!: : :;{:::::::;'｣Lz三ヒ　　　　 z=三止∨: :|!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〉
　　 　 !: :./;l::::::ﾊ ﾔr'し丁　　　　了し丁ﾞ}ﾍ: :.|;;;;;;;;;;::ィ'''"
　　　　!: j |ﾞ};::::!＾l　ヾﾆ'＾　　　　　ヾﾆｿ 　 rV:!）::l::::: |
　　　　∨ |:|:l;::!ﾞ-!　　　　　 '　 　 　 !l | !,､_,.ﾍ!j::l:::::: !
　　　　 　 !|::!N::::|ゝ、　　 r_―ｭ 　 　 ／j:|:::::::j::l::::::: !
　 　 　 　 |!::!: :::::|:::| ｀丶 ､ ,_　_,,. r.'" 　 !|:::::: l:j::::::::.j
　 　 　 　 |::j: : ::::!::j　　 ,r''ﾞ,!　　　|.,ﾞヽ.　||:::: :j/::::::::::|　　　　　　　　　　　じゃあ、出雲建は何も悪い事をしてないの？
　 　 　 　 |:::!: : :::|::| ／　｜　　　 /　 ＼|!:: : l'!:::::::::::j
　 　 　 　 !:::l: : : :Ｋ　　　 「￣￣/　　　 .!:: : :!l!::::::::::::!
　 　 　 　 !::::!: : : l､ﾞ､　 　 !　　 /　　　,.ｲ: : :jく!::::::::::::!
　 　 　 　 !:::;:!: : : lﾞ､ﾞ ､ 　 l　 ./　 ,,-'',.ｲ: : :j　ヾ::::::::::|
　 　 　 　 |::ハ: : : l､ﾞ ､ﾞ 、 ! ./,,-'',,-''イ: : /　　 ｌ:::::::::|


　　 　　　　 |
　　 　＼　　__　　／
　　 　＿　（ｍ）　＿
　　 　　　　|ミ|
　　 　 ／ 　｀´　 ＼
　 　　　＿＿＿_
　　　／⌒　　⌒＼　　　　ﾁｰﾝ!
　 ／（ ●） 　（●）＼
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
|　　　　　|r┬-|　　　　　|　　　　　　　　　　　　おお！
/　　　　　`ー'´　　　 　 ∩ノ ⊃
(　＼　 　 　 　 　 　 　／＿ノ　　　　　　　　　　そうだお！
.＼　“　　＿＿＿＿ノ　 ／
　　＼_ ＿＿＿＿　　／　　　　　　　　　　　　　そこが引っ掛かってたんだお！

　　　　　　 ,. ─- ､,,.＿__
　 　 　 ,ｲ〃　 　 　 　 　 ｀ヽ,__
.　　　N. {'　　　　　　　　　　 　 ＼
.　　N. {　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.　 N.ヽ｀　　　　　　　　　　　　　　　〉
　 N.ヽ｀　 　 　 　 ,.ｨｲ从　　 　 　 /
.　 ヾミ.＿__-‐=彡'ノﾉﾉ__,ゞミ=-_rく
　　　　lrf´ゞ“ﾓ=ヾｰf =ﾓﾁ＜}rv^i !
　　　　ヾﾄ、｀￣,り「弋! ￣´ノ　ソ
　　 　 　 !　￣　 ii{_,.　 ￣　　/r'´　　　　　　　　　　 確かに、悪事を働いていない相手に
　　 　 　 ,ゝ、　 ｉｰ-ー､　　, '　|＼
　　-‐''7´　ドヽ. ｀ニﾆ´ .／;;　 |　 ヾ''ｰ-　　　　　　　自分の殺意を理由に罠に嵌めて殺す…
　　　 /　　 ﾄ､　` ｰ-- ´　,;'　,ｲ　　:|
.　　 /　　　:ト､` ｰ-､ r--‐_'´/　　　|
　　/　_,..､-‐＼ ￣! ﾚ' 厂　/へ、　 :|
　　T´　ヽ＼l.0| 　 V / 　 / /　 ＼　|


　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　　 確かに、これは不可思議だな
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /

　　　　　　　, -‐―- ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , - ― - ､
　　　　　 ／:: :: :: ＼ヽヽ､　　　　　 .／￣￣ ＼　　　　　 ／/:: :: :: :: :: ::ヽ
　　　　　 .|:: :: :: :: :: ::ヽ､:: ヽ､　　 ／__,.ノ　ヽ､,_ ＼　　,-/:: i:/::／⌒:: :: :: ::|
　　　　　　v:: :: :: :: :: l:|Y⌒ ､｀、 ｌ　( ＝ ）（ ＝ )　ｌ-'´:: l:: /::l '´:: :: :: :: :: ::/
　　　　　　 v:: :: :: :: ::l::ヾ:: :: |:: :: :l.　 （___人___）　 .|:: :: :: 〉ﾚ´:: :: :: :: :: :: ::/
　　　　　　　l:: :: :: :: ::|:: ∧:: ::l:: :: ｌ　　 ｀ ⌒ ´　'J |:::::::::::Sﾚ‐i:: :: :: :: :: ::/
　　　　　　　 v:::lヽ:: ::|::l:: ::｀ヾ＿　i　　　　　　　　 |;;-っ´:: :: |:: i:: :: :/:: /
　　　　　　　　ｌ::|;;ｌ:: ::|:::!:: :: :/:.ヾ =',　　　　　　　/L,／´ヽ:: :: ::l::|::/:: :/
　　　　　　　　 ';!::ｌ:: ::|:: :: ::/:. :.,,＞》'ヽ､.＿,＿／:::ゞ ヾ､　ヽ;; :: |::ｌ:: :/　　　　　　　　まぁ、大方の注釈書では知恵だと
　　　　　　　　　';:: ::ｌ:: :::/:. :.ヽ'´:.i｀ヽ:. ニ二ニ :.／ :. :. ｖ:. :. l::|:: :: :/
　　　　　　　　　　i:: :::ｌ:: /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :!::l::l:: :/　　　　　　　　　 褒め称えているから、俺の考えが捻くれてるだけで
　　　　　　　　　　∨:::|::/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. v:ｌ::/
　　　　　　　　　　　|;: :ﾚiヽ､:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. |､/　　　　　　　　　　　そっちが正しいのかもな
　　　　　　　　　　　∨ ｌ :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: Y
　　　　　　　　　　　 ヽ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::|


　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　まぁ、オレの考えるこの３点から
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_　　　　　　　　　 ヤマトタケルが出雲建を討伐する
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !　　　　　　　正当な理由が無いことがわかるな？
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　　　　そうだな…
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　　　　 _　　　　 ______
　　　　　　　　　　　　l　i　　／　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　l　l_.／ _,ノ　 ヽ､,_＼
　　　　　　　　　　　　l/ ニヽ( ●) （ ●） .|
　　　　　　　　　　　　l /　y 「'i___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　l　　 <、.l 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　',　　　 ',/　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　 それに加えて、倭建命と出雲建という
　　　　　　　　　　　　 j　 　 ﾉ　　　　　 ,/'|、
　　　　　　　　　　 _∠⌒ヽ j 'i,　__ , __ ｨ／::L___　　　　　　　　　　　　　両者の名前からもある疑問が生じる
　　　　　　　　　／ ...::::::::::ヽVヽ::::::::::::::::::::::::::／:::..´''' ､､､ _
　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::: 〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... i::..＼
　　　　　／ .:::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: l

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　　　　　 ある疑問？
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／_,ノ 　｀⌒　＼
　　　　　　　　　　　　　　　-、　　　　　　　　　 |　(● ). (● )　 |
　　　　　　　　　　　　　　ﾔ　 ',　　　　　　 　 　 |　.(___人___） 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　i. 　l　　　　 ,.-､　　　| 　 ｀ ⌒ ´　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 ',　 j　　　/　/ 　 　 .|　　　　 　　　 |
　　　　　　　　　　　　　 　 ノ＿..ヽ-､′,' 　 　 　 ',　　　　　　,/'|、　　　　　　　　　　　　　　ああ、これはやる夫が漠然と感じた
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .l .＿＿_　ヽﾉ　　　 __ .j '.、__ , ___ ｨ／::L＿
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ｙ　　　　　）ﾊ.‐ ' ´ ..::ヽ::::::::::::::::::::::::::／:::::::...｀' ｰ- ､ _　　　　　　 ヤマトタケルの卑怯さにつながると思うんだ
　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ. ￣￣ 〕y::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..＼
　　　　　　　　　　　　　　 ハヽ 一ﾆｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: r;;;;;:::::::: ',
　　　　　　　　　　　　　 /...::::::;;;;;;;;;;; /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ;;;;;::::::::::::::〉

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　　　─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　　　　おお？
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／


　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 __,ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　　　　｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 _,／(:::::ヽ､　 __ ,_ ノ
　　　　　　　　_, ､ -― ''"...:::::::＼　::::::::::::::::::7、　　　　　　　　　　　　　　　 今までの英雄の知恵というのは相手に対して
　　　　　　　/.;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..-､_
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'ｰ､　　　　　　　　　　　 自分が力で及ばないという背景があるのが大前提だったな？
　　　　　 r ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: !
　　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:: |
　　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:: i
　　　/ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'''丿;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:: !

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|　　　　　　　　　　　　スサノヲの場合は身の丈が山八つの大蛇だったし
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､　　　　　　　　オホクニヌシの場合は兄だった
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　 _,,.. ,,,-,ｧ‐,v': : : : , '": : : : :,:': : :.:;!: : j! V: : : : : : : : : : ｀ヾ:;;;;-,,,、
　「;;;;;;;;;;;;;;ゞ;;;;;;;､ : :, '　 　 　 /　　../j: : ,'!　V: : :　　　　　　　 ＼;;;;;;｀!
　 ﾞ;;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;i/. , . : : .:::/: : :.:::/ !: :,' ! 　 V: i:. : : : : Y: . . . . .ヾ;;;;/
　　ヾ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;/: ;i: : : .::::/: : .:::/　l: :,' .l　 　 !: :!;:. : : : :.l::. : : : : : :ヾ
　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/: :,i: : : :::::/: : :::/　 j: / .j 　 　 i: :!∨:_;.-: l:::. : : :i; : : ﾍ
　 〈;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/:./;l: : :.:::`,ヽ､:/　　 !:/　j　　　　i:,.!'^v:. : : :l::::.: : :.l＼: :ﾍ
　　';;;;;;;;;;;;;;;;;/:/;;;!: : :::::/: ::/ ＼,,_j:/, ,.ｉ　　 ､／l:.|　 V: : : :!:::. : : :!;;;;ヽ:.ﾍ
　　 ＼;;;;;;;;;//;;;;;|: :.:::::,!';,;,',_‐-- j/　 j　　　　＿ﾘ,,.. _,V: : :|::::: : : :!;;;;;;〉ヾi
　　　　l＼;;{';;;;;;/|: :.:::ﾊ{ー‐r--┬`　′　　 ｲ--r―rﾍ{:: : ﾄ;::: : : :|;／　 ﾞ}
　　　　|:::::`::'''":λ:.::;'　l! r'゛:::::ﾊ|　　 　 　 　 r‐':::;V! ハ: :j::|i:: : : |
　　 　 |:::::::::;! ::::{ l :;'､　　ﾞ､ト-',ﾉ!　 　 　 　 　!ﾄ-'ﾉ:;'　/ﾍ:.!::|,}: : :.l
　　 　 |::::::::j:! ::::ﾞ､l:j（　 　 ヾ-‐'"　　 　 　 　 ｀`ー'　 l'゛,!:l:::|:::i: :.,'
　　 　 |::::::::|:|: :::::::ﾞ`ｰ:'|.、　　　　　　　　 ′　　　　　,!"::ﾘ:: |::::l:.,'
　　 　 |::::::::|:!i: : :::::::i:::::! `　、　 　 -―---－　 　 ,ィ:!::::::::. :!:::j/
　　　　|::::::::|j::i: : ::::: :i:::|　　　 ＞;　、　　 _,,、‐''"　|::!j:::::::: : |:: |　　　　　　　　　　　　 えーっと、神武天皇の場合は
　　　　|.:::::::|l::::i: : :::: :.i::|　　_/　 ＼　 ￣{,ﾉ ＼ 　 ,!::!|:::::: : :.|:: |
　　　　| :::::::l|:::ﾍ: : ::: : i:|￣ l　　　　ヽ　,<　 　 | ￣｀!!::::: : : j:: |　　　　　　　　　　　　 お兄さんを殺した相手…
　　 　 .!.::::::::ll::::::}; : :: : :l|　 ！　　／ ∨　ヽ　 |　　 ji::::: : : :l::: |
　 　 　 ! ::::::::l!:::ハ: : : : :ﾞ、　ﾞ､ ／ ､｀_¨ ´,.ヘ､!　　,!!::: : : : j::: |
　　　　 l :::::::::{:/　 ﾞ､: : : :ﾞ、　　 　 　 | o| 　 　 　 ,',': : : : :.;!:: :|

　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　ヽ､__
　　　　　　　　　　　　　 |　　 　（● ）（●）
　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　| 　,ｒｰ､=-､
　　　　　　 　 　 　 　 　 人､　　　　　 　| ,ｲに) |　 l　　　　　　　　　　 そう、これまでの知恵の発現した戦いは
　　　　　　　　　　　_,／( ヽ､.,ヽ., ___ ,__ノi´ ｀ー' |　|ﾍ
　　　　_, ､ -― ''"::::::l:::::＼:::::::::::::::::ｒ'ﾞ´~~　　 ',　jｰ,i　〉　　　　　　　　　戦う以前に敵を持ち上げて強さをアピールしているから
　　　/.:::::::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'ｰ-‐え__　　ﾞﾝ'ﾞ /｀i
　　丿;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;((、ヽ （ﾊノ　/lヽ、　　　　　　知恵を用いた戦いをすることを物語の聞き手、読み手に了解させるプロセスがある
　　i ;;;;;;::::::::::::::::|;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;ﾊゞﾆΤﾍ_/;i　l:: l
　/ ;;;;;:::::::::::::::::::!;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::＼::::::::::::::::;;;;;;;ﾊ　::;;;;;;;;::::::::. ',/



　　　　　　 ,. ─- ､,,.＿__
　 　 　 ,ｲ〃　 　 　 　 　 ｀ヽ,__
.　　　N. {'　　　　　　　　　　 　 ＼
.　　N. {　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.　 N.ヽ｀　　　　　　　　　　　　　　　〉
　 N.ヽ｀　 　 　 　 ,.ｨｲ从　　 　 　 /
.　 ヾミ.＿__-‐=彡'ノﾉﾉ__,ゞミ=-_rく
　　　　lrf´ゞ“ﾓ=ヾｰf =ﾓﾁ＜}rv^i !
　　　　ヾﾄ、｀￣,り「弋! ￣´ノ　ソ
　　 　 　 !　￣　 ii{_,.　 ￣　　/r'´
　　 　 　 ,ゝ、　 ｉｰ-ー､　　, '　|＼
　　-‐''7´　ドヽ. ｀ニﾆ´ .／;;　 |　 ヾ''ｰ-　　　　　　　　　だが、この物語にはそれが欠落している
　　　 /　　 ﾄ､　` ｰ-- ´　,;'　,ｲ　　:|
.　　 /　　　:ト､` ｰ-､ r--‐_'´/　　　|
　　/　_,..､-‐＼ ￣! ﾚ' 厂　/へ、　 :|
　　T´　ヽ＼l.0| 　 V / 　 / /　 ＼　|

　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ノ|
　　　　　　　　　　　　　_＿＿__／〉-‐:´::/
　　　　　　　　　__,.-‐":: :: :: :: :: :;/:: : :: :: ::｀ヽ､
　　　　　　　,ィ´,:: :: :: :: ::/: :: :: ;ｲ､:::､:: .: :: :: :: ::＼
　　　　　__,/::_:/::; ::/:: ::/:: :/|:::/| ∨:|:: :: ::.､::.:ヽ､::｀ヽ
　　　 ／;;;;ﾏ;;/:.:/:::ｉ: :: :⌒://:/ |　 |::|;⌒:: ::.ｉ:: :: ::ヽ､::＼
　　／;;;;;;;,|;;;;|::/|: ::|:: :/:／__'"　|　_|/_ヽ､: :; :|:: : :: :: :ﾄ‐-｀
　　ヽ､_;;/{_;;|;/;;| ::|:: ;ヤﾁﾃｫ゛　　 'ｨｧﾔ:7∨::|: :: ::ｉ: ::|
　　　　ｊ:::∧;: ::{ |:.:|/ ､込:z:;i　　 　 ﾋ::z;ｊ, ﾊ:;ﾘ::: :;/:::/
　　　　|:: ::∧:弋|;/, 　 `-‐'　　　､　｀‐" 〈_）:|: :/|:;/　　　　　　　　　　 確かに…
　　 　 ｊ:: :: :∧:: :ﾍλ 　 　 　 　 ．_　　 丿::::|;/　'´
　　　　|: :: :: ﾊ:: : :∧｀＞ ､ __　　 |:| ,.ィ´::ｉ:: ::|　　　　　　　　　　　　　 出雲建の強さが全く見えないわね
　　 　 |:: :: :::ｉλ:: : ∧__,.-‐ｊ.　 Τ|:|､_.|:: ::ｉ.: ::|


　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　.-´　　　｀｀ヽ
　　　　　　　　　　 ／ ⌒　　　　　 ｀ヽ
　　　　　　 　　／　　　　　 　　｀ヽ 　ヽ
　　　　（（　　 /　（●）　　 　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　|::⌒（__　　 （● ）　　　　　|
　　　　　　　　ヽ 　 人__） ⌒::::　　　　　 |　　　　　　　　　　　　もしかしたら、熊曾建より
　　　　 　　　　 ヽ（__ン　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　人　　　　　　　　　　　/　　| |　　　　　　　　　　弱かったかもしれねーお
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　＿ノ　　ノﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |

　　　　　　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　　⌒ ´ ⌒
.　　　　　　　　　｜　 　　( ●) (●）
　　　　　　　　　 ｜ 　　　 （___人__）
　　　　　　　　　　.|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　 j　　　　　 　　|
　　　　　　　　　..ノヽ、　　　　, ノ　　　　　　　_
　 ,.　ｰ、一一´:::::::::::::≧ーｰ"7　　　 　 　 　 i' Y　　　　　　　　　　　　それも考えられる
. / .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.｀-、　　　　 　 i　l　_
/ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ＞-､　　　|　lﾌ　ト､　　　　　　　　　熊曾建が死ぬ際に言った言葉に
.::::::::::::::::: !::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ　　i／ ,.ｲ 丿
:::::::::::::::::: l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. v:: l　/　　i'r ´,.ｨ
:::::::::::::::::: l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::: l　j　 丿r´,.ｨ
:::::)::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::: 八　　　｀ﾁ


　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　ヽ､__
　　　　　　　　　　　　　 |　　 　（● ）（●）
　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　| 　,ｒｰ､=-､
　　　　　　 　 　 　 　 　 人､　　　　　 　| ,ｲに) |　 l
　　　　　　　　　　　_,／( ヽ､.,ヽ., ___ ,__ノi´ ｀ー' |　|ﾍ　　　　　　　　　　 「西の方には私たちをおいて他には、猛々しく強い者はありません」
　　　　_, ､ -― ''"::::::l:::::＼:::::::::::::::::ｒ'ﾞ´~~　　 ',　jｰ,i　〉
　　　/.:::::::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'ｰ-‐え__　　ﾞﾝ'ﾞ /｀i
　　丿;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;((、ヽ （ﾊノ　/lヽ、
　　i ;;;;;;::::::::::::::::|;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;ﾊゞﾆΤﾍ_/;i　l:: l　　　　　　 という言葉があったな？
　/ ;;;;;:::::::::::::::::::!;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::＼::::::::::::::::;;;;;;;ﾊ　::;;;;;;;;::::::::. ',/

　　　　　,ｨ, (fー--─‐- ､、
.　 　 ,ｲ/〃　　　　　　　　ヾ= 、
　　 N ｛　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　 ﾄ.l ヽ　　　　　　　　　　　　　　 l
　､ゝ丶　　　　 　 　 ,..ｨ从　　　　|
　 ＼`.、_　 　 _,. _彡'ﾉﾘ__,.ゝ、　 |
　　　｀ゞf‐＞ｎ;ﾊ二r^ｧｎj＜ y=ﾚヽ
.　　　 |fjl、 ｀￣ﾘj＾ヾ) ￣´　ﾉ ﾚ ﾘ
　　　　ヾl.`ｰ- べｌ,- ｀ ｰ-‐'　 ,ン
　　　　　 l 　 　 r─‐-､　　　/:|　　　　　　　　　　　　　　　　　だったら、熊曾建≧出雲建という事か
　　　　 　 ﾄ､　　｀二¨´　　,.ｲ　|
　　　　　_亅::ヽ、　　　 .／　i　:ﾄ､
　　-‐''｢ F′::　 `:ー '´　　,.'　 ﾌ ＞ｰ､
　　　　ﾄ､ヾ;､..__　　　　　, '_,.／ ／l
　　　ヽl　＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /


　　　　　　　 ,. .-'_",...,．‐: : : : : : .::|: : : : :､、: :｀:丶､
　 　 　 　 ／-''".　'"　　　　　: : :::;.!: : : : : ::ヽ: : : : : ヽ
　　　　／'´,,,,／　　..... . . , : : ::/::/ i: : ､: : : :::ﾍ: : : :.ヽ:｀､_
　　　　 ／;;; ′. :.:::::/: :./: : :::/!::;'　 !: ::|i､: : : ::ﾍ.: : : :.ﾍ;ﾎ;;;＼
　　　 ヾ;;;;/: ::/:/::::/: : :i,:-‐:7-:::!　　V: l.i.>‐:-:､;i: : : : : :V!;ヾ;;;＼
　　　　 У:,;ｲ:/::::/: : .::j: :.::/　|::!　 　 Ｖ:l i. ＼: :.:j:. : : : : '{!;;;;ﾍ;;/
　　 　 ,/:./;;i:j:::::::i: : .::::!: :/ 　 l:!.　　　 Vj ﾞ:、 ＼::}:. : : :j:. {;;;;;;;;;;,
　　 　 〉/;;;;;!i:::::::j: : ::::;l:,;/二__|!　　　　 ヾ __ｚ‐ﾆゝｨ: : :.|';, !;;;;;;;;;〉
　　 　 !' ヾ;;!!:::::::}: : :::{.丁勹ホト　　　　　/'"｣不｢ﾊ:. : :.!';;;,j;;;／
　　 　 　 　 i!:::::ﾊ: : :∧　｢::し'::|　　　　　　｢::し'::|　,!: :./:!;;:ｲ
　　　　　 　 ,!:::j: :i; :::!ハ ヾ:,,,,:ｼ　 　 　 　 ヾ:,,,:ｼ　/ｌ :/: : : :!
　　　　　 　 l:i::|: :::l､:ト-:i 　 　 　 　 '　　 　 　 　 厶|/: : :.|:.|
　　 　 　_　 |:Ｎ: :.::!ヾ:::::iﾄ､　　　　　ｏ　　 　 　 ノ:::::}!:: : : l:.|
　 　 　 l　l　||: : : :::!: :::::::il　｀丶 ､　　　,.,. -: '"|i::::::::,!::: : : ｌ:l
　　　　 ｌ　l　!!: : : ::|i: : ::::::!　_,r'"´l ﾞ¨ﾞ　!｀ヽ、.j!::::: :j!::: : : :l:!　　　　　　　　　となると…
　　　 ,-:、 !、!: : :.:::!:i: : : ::f'´　 |'" 　 　 ｀|　 ﾞ/:: : :,'|::::: : : jl
　　／i. ,ゝ-ヽ!: : .:::|:::j: : : :.!　　 l''"￣｀` l　 /: : : :,､|::::: : :!:|　　　　　　　　　 倭建＞＞（越えられない壁）＞＞熊曾建≧出雲建
　 ｛ 、ﾞ､>ｧ　 !: : .:::l, '`i: : : :i､　　l.　　　 j　./: : : :/:久::: : :!:l
　　ﾞ:r`‐'　　 ,! : ;ノ　　 '; : : l､＼　!　　 j　,ｲ: : : :/'゛　ﾞ､: : l:.!
　　　ﾞ':,　　　{'"　　　　:..',: : :l､＼`:i 　 i／,ｨ: : :./i:/　　ヽ: |:|

　　　　　　　　　 　 　,r'´;:;;;:;:;::::::::::::::::::::::::::::::.｀ヽ､
　　　　　　　　　　　/;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;::::::::::::::::.:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　>;;:;:;:;:;:;;:;::::::::::::::::<カ:::::::::::::.:.::::::.:.＼
　　　　　 　 　 　　/;:;;:;:;:;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;:;;::'''"´.:.:.:.:.｀`ヽ::::j
　　　　　　　 　　 jﾞ:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;;;;;;:;;:ｨｲﾊｲji;:;:;:.:.:.:.:.:Y
　　　　　　　　　 ﾉ.;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;ィ^ｼｲﾉ^|N､j､j､:.:.:.ﾞ､
　　　 　 　 　 　 i!.:;:;;;;r'⌒ヾ;:;ｨｲ´, -─‐- ､　'ヾ:;:;:;;;;;:;.:,:ﾞ,
　　　　　　　　　 |:;:;;〈 <　ﾉｲｲ　　　<じｿﾆ;::.:.　､,,_ヾ;;;:;:;;:j!
　　　　　　　　　 ﾞi;:;:;;ﾞ､ ヽ!ﾘﾘ　　　　´￣´　　,ｲｼヽj!ﾊﾄｿ
　　　　 　 　 　　 !;:;:;;;;;:ゞ､　　　　　　　　.::::; i `　 ﾉｿ'´
　　　　　　 　　 　|;:;:;;ｲﾘ.:.i　　　 　 　 　.:.:ｰ､ﾉ　 /
　　　　　 　 　　 _从仆　.:.', 　　　　､ ＿ _　　　/
　　 　 　 　 　 /.:.::::.`ヽ､.:.:.ヽ　　 　　`ー-` 　/　　　　　　　　　　これじゃあ、強い側が弱い側を罠に嵌めて
　　　　　　　 /.:.:.::::::::::::.:.:.ヽ､:.＼ 　 　 　 　／
　　　　　 _ ノ.:.:.::::::::::::::::::::::::::.:＼:ヽ､ __, .イL　　　　　　　　　　　　そこをこれ見よがしに甚振る場面になってしまうね
,､､-‐''"´.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:/^ヽ⌒ヽヽ:::/､＿
.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:.:.:.:.|　 ﾉ ﾉ:::::::::::.:.:..:.ヽ


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　　　　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : :,.: : : : : : :|｀`丶､
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　　　./　／;;;;;;;;!j;;;;;;;;;;;;;＼ :/　　 　 　 |　:i.　　ヽ
　　 / ,/;;;;;;;;;;;;;l:.|;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　 　 . : :/|　{: :.ﾞ:.､ ﾊ
　 ,ｲ /;;;;;;;;;;;;;;;;l: l;;;;;;;;;;;;;;/ ,i　 `.ｰ-: /-| ,'|: : :.i ヽﾊ
. /;;! '-､;;;;;;;;;;;;;!: :l;;;;;;;;:ィ /:!　 . : :-/―l/ l: : : :i　 ﾞ:}
〈;;;;j　　 `７r-': : :ﾞ!´: //: :!　: : : ﾔT寸′l: : : :|
　｀ﾞ:、　 /:'!: : !: : :l.;ィ＜::j : : : /　！::|　 l: i: : :|
　　 .i､,//::!: : :i: : /⌒ヽ .l: : :/　　　ニ　 !: ﾄ､: |
　　 j::iﾞ:､: l: : : :!: :＼　　 !: /　　　　　 　 ∨ ∨
　　 ｌ:j: : `!: : : ﾊ : : :`:T''ﾚ′　　　　＿_／
　　.l:j: : :.l: : : : :iﾞ:、: : : ﾍ;l　 　 ⊂´-‐ァ　　　　　　　　　　　　最悪の図柄ね
　　j:i: : :.l: : : : :i: :ﾍ　: : :.ヾー―‐ '''"
　　l:l: : :j : : : :.i: :/ ﾞ:､　 : : ﾞ:、 ,、　　　　　　　　　　　　　　　 その後に相手をなじるような歌まで歌って
　　!i : :.i : : : :.i: /　　_ヽ.　　 ﾞ:、`､
　 .j:! : :i　: : : i ,'　,,-'' .ﾆ＼　　ﾞ:、ﾞ:、　　　　　　　　　　　　　 嫌味なぐらいだわ
　 .lj:　:i　 : : :i:,',-'' ／　　　｀、､ `:､ﾞ:,
　 j|　 i　　: :.ij',,' /　　　　　　＼＼ﾞ:;.',
　 i|　 i　　 : j!,' /　　　　　　　　＼ヽ}.',

　　　　　　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　　⌒ ´ ⌒
.　　　　　　　　　｜　 　　( ●) (●）
　　　　　　　　　 ｜ 　　　 （___人__）
　　　　　　　　　　.|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　 j　　　　　 　　|
　　　　　　　　　..ノヽ、　　　　, ノ　　　　　　　_
　 ,.　ｰ、一一´:::::::::::::≧ーｰ"7　　　 　 　 　 i' Y　　　　　　　　　　　　　　　この歌なんだが、日本書紀にこれと似た話があって
. / .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.｀-、　　　　 　 i　l　_
/ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ＞-､　　　|　lﾌ　ト､　　　　　　　　　　　　全く同じように歌われているんだ
.::::::::::::::::: !::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ　　i／ ,.ｲ 丿
:::::::::::::::::: l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. v:: l　/　　i'r ´,.ｨ
:::::::::::::::::: l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::: l　j　 丿r´,.ｨ
:::::)::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::: 八　　　｀ﾁ


　　　　 　 　 　 _,. -.-.－. .､i＾ヽ.､､､、
　　　 　 ,..-_'_,´- :'':": :,: : ;::|: : : : : : : :｀:.丶.、
　　　／'", .'／: : : : ::/: : /::|: {: : :V: : : : :U: : ヽ
　　　／,/'"　 ,　　../. . ;ｲ::ﾊ: :!､: : V. .　　　､: : :v､‐,,,､
　　(;;;;;/　, . :/.::::::/: :./ i::/|.l: | ﾞ､: : V: : : : .､ﾞ、,/;;;;＼;;;`;;,,、
　　 У;;ｲ: : i.:::::::::i: :/　j:/ |！|　ヾ: :.V: : : : l:.ﾋ/;;;;;;;;;;;`､;;;;;;;;;)
　　〃;;;j: : :j::::::::::i‐/-､j:!　|　!:|､､_,>‐ﾍ‐-: : :l:|l;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;/
　 /'/;;;l: : ::|:::::::::;!/　　|l　 |　ヾ　　 ｀､:!ヾ: : : l|!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{
　　ヾ;;;!: : :;{:::::::;'｣Lz三ヒ　　　　 z=三止∨: :|!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〉
　　 　 !: :./;l::::::ﾊ ﾔr'し丁　　　　了し丁ﾞ}ﾍ: :.|;;;;;;;;;;::ィ'''"
　　　　!: j |ﾞ};::::!＾l　ヾﾆ'＾　　　　　ヾﾆｿ 　 rV:!）::l::::: |
　　　　∨ |:|:l;::!ﾞ-!　　　　　 '　 　 　 !l | !,､_,.ﾍ!j::l:::::: !
　　　　 　 !|::!N::::|ゝ、　　 r_―ｭ 　 　 ／j:|:::::::j::l::::::: !
　 　 　 　 |!::!: :::::|:::| ｀丶 ､ ,_　_,,. r.'" 　 !|:::::: l:j::::::::.j
　 　 　 　 |::j: : ::::!::j　　 ,r''ﾞ,!　　　|.,ﾞヽ.　||:::: :j/::::::::::|　　　　　　　　　　　　　 えっ？
　 　 　 　 |:::!: : :::|::| ／　｜　　　 /　 ＼|!:: : l'!:::::::::::j
　 　 　 　 !:::l: : : :Ｋ　　　 「￣￣/　　　 .!:: : :!l!::::::::::::!
　 　 　 　 !::::!: : : l､ﾞ､　 　 !　　 /　　　,.ｲ: : :jく!::::::::::::!
　 　 　 　 !:::;:!: : : lﾞ､ﾞ ､ 　 l　 ./　 ,,-'',.ｲ: : :j　ヾ::::::::::|
　 　 　 　 |::ハ: : : l､ﾞ ､ﾞ 、 ! ./,,-'',,-''イ: : /　　 ｌ:::::::::|

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／_,ノ 　｀⌒　＼
　　　　　　　　　　　　　　　-、　　　　　　　　　 |　(● ). (● )　 |
　　　　　　　　　　　　　　ﾔ　 ',　　　　　　 　 　 |　.(___人___） 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　i. 　l　　　　 ,.-､　　　| 　 ｀ ⌒ ´　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 ',　 j　　　/　/ 　 　 .|　　　　 　　　 |
　　　　　　　　　　　　　 　 ノ＿..ヽ-､′,' 　 　 　 ',　　　　　　,/'|、　　　　　　　　　　　　　　　ちょっと、このＶＴＲを見てもらおうかな
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .l .＿＿_　ヽﾉ　　　 __ .j '.、__ , ___ ｨ／::L＿
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Ｙ　　　　　）ﾊ.‐ ' ´ ..::ヽ::::::::::::::::::::::::::／:::::::...｀' ｰ- ､ _
　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ. ￣￣ 〕y::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..＼
　　　　　　　　　　　　　　 ハヽ 一ﾆｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: r;;;;;:::::::: ',
　　　　　　　　　　　　　 /...::::::;;;;;;;;;;; /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ;;;;;::::::::::::::〉

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-『日本書紀』崇神天皇六十年-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__/

--------　　 ....,,　_
　　　　　　　　　　　　 ''　　,,
　　　　　　　　　　　　　　 　 'i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |
　-―　　''''''''　- ､　　　　　 ｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「あるとき、崇神天皇はこう仰られた」
￣　　　　　　　　 ヽ　 　 　 ,..|,
ﾆ　　　　　　　　 　.|　　　 /::　 ヽ
三ﾆ　　　　　　　　 |　　　i::::　　 i
三ﾆ;;＿＿　　　　ノ　　　 !:::　　　|
　　　　　　　￣　　　　　　 ::;:　　.,
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ_ノ　　　　 　 ／>　　 .<＼
　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 　 　 ／／　　　　 ＼＼
------　　　　 ...,,　_　 　 　 | 　 　 　 　 |　|　　　　　　　|　|
二'' --　,,.　 .　 　 　 　 ﾞﾞ　'' |　　　 　 　 |　|　　　　　　　|　|
三二:::::::::::::ﾞ '':::-....,_　　　　.,,| 　 　 　 　 |　|　　　　　　　|　|　　　　　　　　　　　 出雲国の出雲大神の宮に収蔵されている
三二;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::'':.､:::''::::::::|　　　　　　 ＼＼__　　 .__／／
三二:::::::::::::::::::::::::￣:::::::￣::::-|､　　　　　　　'-,__工工__,-'　　　　　　　　　　　　　神宝を一度見てみたいものだ…
三二::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::ヽ　　　　　　　　｜｜
三二::::::::::::::::::::::::::::::( ⌒):::::::: |::::::＼　　　　　　 ノ,ｼ

　　　　　　 　 　 　 ... -=＝..＝=-　_
　　　　　　　　..::::´:::::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶
　　　　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ_
　　 　 　 '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/｀ ｰ=ﾆ.._:::::::｀丶
　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ 从　　　　ﾍ:::::::ハ
　　　 '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ン　｀ヽゝ._　 　 Ⅵ::::小
　　　 :::::::::::::::::::::::::::r'"'´　　y tッYー’　r≠Y:::::j　}
　 　 {::::::::::/　　ヽ::　　　　　　¨¨ 　 　 大ツ'{ソｿ　　　　　　　　　　　　ﾔﾀﾍﾞﾉﾐﾔﾂｺ　 　 　 ﾀｹﾓﾛｽﾐ
　　　V:::::::{　rｲ　ﾘ　　　　　　 　 　 　 　 〉　}　　　　　　　　　　「そこで矢田部造の遠祖、武諸隅を出雲に派遣した」
　　 　 V:::ﾍ　J　　　　　　　　　　　 ／::7
　　　　 V:::::ゝ　　　　　　　　　　　　｀⌒　　'
　　　　　V:::/^⌒ 　 　 　 　 　 _二ﾆ二_　/
　　　　　 Ⅴ　　　　　 　 　 　 　 -=-　　;
　　　　　 ∧　　　　ゝ　　　　　　　　　 ,
.　　　 　/≧=-　　　　≧ｭ　　　　　　 '　　　　　　　　　　　　　　 では、私が献上を申し付けに行きましょう
　　　　/三三≧=-　　　　　　 T
.　　　/三三三三三≧=-　　　j､
。ィ千三三三三三三三三≧=彳
三三三三三三三三三三三三7≧=-
三三三三三三三三三三三三{三三三≧=-



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 ＼＼:::::::::::::::＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　_　-----､　　　　　　　 　 ＼＼::::::::::::::::＼
　　　　　　　／/　　　　　　／　　　　　　 ｀ヽ､　　　　　　　 ＼＼::::::::::::::
　　　　　 ／ﾌ/　　　　　., '　 　 　 　 　　　　 }::＼　　　　　　　＼ヽ::::::::::::
　　　　／:::::/{　　　　　/　 　　　　　 　 　 　 l:::::::ヽ、 　　　　　　| }::::::::::::
　　　//::::::::l l　　　　　ｆ　　　　　　　　　　　 /:::/::::ｲ　　　　　　　| |:::::::::::
.　　//::::::::::l {　　　　　|ヽ　　　　　　　　　／::://:::::{　　　　　　　 | |:::::::::::
.　 //::::::::::::l !　　　　　l､::＼ 　　　　　 ／::::／ノ::r-‐イ　　　　 　 } |:::::::::::
　 l/::::::::::::::| | 　　　　　!ヽ::::｀ｰ―r―´::r‐ﾆ-´:::::::::::::/　　　　　 / /::::::::::
　 |{:::::::::::::::l l　　　　 ､」:::::ヾｰ┐::::::::::::::} 「:::::::::::::::::ノ　　　　　 / /::::::::::::
　 ｌl::::::::::::::::〉ｌ　　　 　 ＼:::::::::l {:::::::::::::://:::::::::::::／/　 　 --／／::::::::::::::
　 ヾ::::::::::::::ヽヽ　　　　　 ＼_-､:＼:::::／::::::::,.‐:´:∠-－´.／／::::::::::::::::::／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　ｲｽﾞﾓﾌﾙﾈ
　　 ＼::::::::::::ヽヽ　　　　　　　ヾ:ヽ､::::::::::::::ﾉr､::::/　　 ／／:::::::::::::::::::／　　　　　　 「この時、神宝は出雲臣の遠祖、出雲振根が管理していた」
　　　　＼::::::::＼ヾー―――－＞- ゝｲ7´ ∧ﾐ-ﾆ ´- ´:::::::::::_ -―＜―
　　　　　 ｀ ヽ､:::＼＼　　　　ｒイ　.i {　/　　{　ゝﾆ‐"-＝ニ‐" -―￣:::>
　　　　 ヽｰ､　 ＼::＼＼　 ／ /　 | Lム-ﾆニ´／::::::::::::／:::　 ／::::／:::::
　　 　 　 ヽ ゝﾆﾆゝ- ＼ニﾆムﾄ=ﾆﾆ‐::::::::_::／::::::::::::::::::_／.／::::::/:::::::::::
　　　　　 -} |＼ゞ^―――― ´:::::::::::::／ﾍ ヽー―‐ ￣ _／:::::::::/::::::::::::::
　　　/´:::::::| |::::＼＼:::::::::::::::::::::::::::::／／:::｀ヽ―― ￣:::::::::::::::::/::::::::::::::::::

　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 . 　 ´￣￣￣｀`丶、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／ZL 　　　 　 　 ､ 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　　 　 　 　 ､_　__/　／_{_　　　　　　　}　　 }　＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 `ｰｧ′￣　／ ／／_ノ} / _ノ八　,_∧
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 {　/　／　 /_//´　ノヘ{_´　　vVW}　 ,
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨ /　{　７i丁[￣`ヽ　　｀　　 } ､_ ﾄ='′
　　　　　　　　　　　　　　　　　 }/∧ ｌVィ恭ミﾐ｀ 　 　 ‐‐ ､_ﾉ从iﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　〔 {〈､｀　 Lｔタ′　　　ｨ=ﾐ、/／ /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽﾄﾍ　　　　　　　　{tVﾊ/´ ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _}　 ､　　 ＿_　　{ ｀¨ 厶ィ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／＼ ､ ヽ、 `　_ア´　／　　　　　　　　　　　　 「けれども、出雲振根は築紫の国に出かけていた為、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／__ＦL　〉＼ ＼ _ .　　´
　　　　　　　_　-───　´　{ｈ7rv//＾ｰ`=ｧ′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲｲｲﾘﾈ
　　　　　 ／ ､　　　　　　　　 _/り//　　 rく　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弟の飯入根が代わりに対応に当たった」
　　　　　{　　　ヽ　　　　　　　 　 { {　　 /∧`ｰ- ､_
. 　 　 　 l　　　　 ＼　　　}　　 　 l ｌ　　{ {　　　　　 ＼
. 　 　　　l　　　　 　 ヽ.　/　　　　 〉〉　 }_}　　 　 　　　}
.　　　　　l　　　　　　　V　　　　 //　_,〃　　　 　 　 _/
　 　 　 　l　　　　 　 　 }／二二LニニL、＿__　/／/
　 　 　 　l　　　　　　　ﾉ/r‐ぅ　　　 　 　｀二}//´　/
　　　　　 l　　　　　　/{ { ｀´　 　 　 　 　{_/// 　 /
　　　　　 l　　 　 　 ,'　! !　 　 　 　 　 　 l l〃　 /



　　　　　　　　　　　　 ,．　　￣￣"￣｀丶､＿__丿
　　　　　　 　 　 　 ／　　 　 　 　 　 l､ヽ　 ‐＜
　　　　　　　　　 ,　　 ／　　　 　 ,　丿 !l_、　　 ＼
　 　 　 　 　 　 / 　 /　/　／ / /ｨ　　Al、ヽヽ l | l
　　　　　　　　/　　/　｜ {　/i //」　ノ ﾉ ＼| | l | |
　　　　　　 _ノィ　/:l ｜l　Ⅳ７ﾍl　{ （　 ⌒ ｖ丿' ｊ/
　　　　　　 　 ‘ /:/l　l ヽ l , ≠ミ　｀ヽ ,ｒｚ､ｲル'/
　　　 　 　　 　 ∨ム ! ｛.イ仇_「　　　 代ｊ 》ｌ｜　　　　　　　　　　　　「飯入根は速やかに皇命を受け入れ、神宝を献上した」
　　　　　　　　　 ｀{ ｒlハ'､弋乞ｊ　　 　 ﾋzi, ハ|
　　　　　　　　　　 ヽ{､ｭ｀＼　　　　　,{〉　 , |:｜
　　　　　　　　　　　　ｖ￢＼ 　 　 , :ｭ　 .ｲ :|:｜
　　　　　　　 　 　 　 ﾉ:::└z ＞　　　／　!:｜:|　　　　　　　　　　　　　　天皇陛下の命令ならば、お持ちください
　　　　　　　　　　, 〈::::::::::::::└ｔ　厂{__ 　 !:｜:|
　　　　　　 ＿_∠.　 ＼::::::::::::::::Vﾞ〉:/ ｀ ミ ⊥」
　　　　／┬─　､ ＼　丶::::::::::::l/:::{　　　 ￣〔_
.　 　 /　 ´::::::::::::::::..､ ＼　＼::::ｒiﾞiヽヽ　　 　 /::ヽ
　 　｜/:::::::::::::::::::::::::::>､l　　 V 水く:::!　 ｛//＞┴-､
　　　| |:::::::::::::::::: ｨ≪　ﾉﾑ　　'::《 》:::::l 　 l／　 　 　 ヽ

　　　　　　　　　|:::::::::::ﾍ
　　　 　 　 　 　 |:::::::::::::ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　_,..､-''::＞
　　　　　　　　　 |::::::::::::::ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　７:::::::/"　　　 y"l , -'"｀,
　　　　　　　　　 ﾔ::::::::::::::ﾍ　　　　　　　　　　　　　　/:::::::/　　　　/ (/:::::::::::::::i_/l
、　 　 　 　 　 　 ヽ::::::::::::::::＼　　　　　　　　　　 　 /:::::::/　　 iヽ'"::::, -'""' -,:::::::|
::::＼　　　　　　　　 ＼::::::::::::::::＼　 　 　 　 　 　 　 |::::::::Y　　|:::::::､"　　　 　 ヽ:::::|　　　ｌ::.、
:::::::::＼　　　　　　　　 ＼::::::::::::::::＼　 　 　 　 　 　 |::::::::∧::::::|:::::::l　　　　　　 i::::l'"l 　 .|::::ヽ
:::::::::::::::＼　　　　　　　　 ＼::::::::::::::::｀`丶 　　 　 　 ﾔ::::::::∧::::i_:::::i　　　　　　/:::::::/ 　 /:::::::|
ヽ::::::::::::::::::｀:ﾞ''-､,_　　　_,,..-‐'::、::::::::::::::::::ヽ、　　 .＿>:::::::::∧::::>　ヽ　　　　ノ:::::／ 　 /:::::::::.|
　ヽ､,_::::::::::::::::::::::｀ﾞ''ｰ-､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀'､,/:::::::::::ヽ:::::::∧ヽ:::::::::"'''":::::／:::::::::::／:::::::::::::|　　　　　 「のちに、出雲振根は築紫から帰り、神宝を朝廷に献じた弟を責めた」
　　 　ﾞ''ｰ-､,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::ﾔ、＼ヽ:::::::::::／:::::::-‐'':::::::::::::::／
　　　　　　　｀ﾞ''ｰ-､,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::"""""ヽ、.∨｀:、ヽ_,..､-''":::::::::::::::::::::::／
　　　　　　　,.､'"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ﾞ''ｰ---､,::::::::::::::::::::_,..､-''"　　　　　　　　　 ここ数日待てば、オレが帰って来たというのに
__,,.. ．-‐ "::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿ノ::::::::::::::::::::::::::￣＼
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,,..-‐''"":.:.:.:.:ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　　　　　　何を恐れてこんなにも容易く神宝を差し出したのか！！
:::::::::::::::_,..､-''ヽ,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,..､-":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::::::∧
_,,..-‐''　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::,---､,＿ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ



　　　　　　　　 　 　 　 　 ,.....､
　　　　　　　　　　　　　 〈:::::::::〉
　 　 　 　 　 　 　 　 　 {::::::::::::::}
　　　　　　　　　　　　　 ｀:::::::::´
　　　　　　　　　 　 　 　 i:::::::::i
　　　　　　　　　 　 　 　 i:::::::::i
　　　　　　　　　 　 　 　 ':::::::::'
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　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::ム
　　　　 　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::ム
　　　　　　　　　　　/::::／｀|l| ＼:::::::ﾑ
　　　　　　 　 　 　 {:::::′　|l|　　＼::::ﾑ　　　　　　　　　　 「それから、数年の月日が過ぎたが、出雲振根は未だに弟に怨みを持っていた」
　　　 　 　 　 　 　 乂{　　 |l|　　　 ｀ヾ;
　　　　　　　　　 　 　 ｀ 　 |l|　　　　　}!
　　　　　　　　　　　　　　　|l| 　 　 　 ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　|l|
　　　　　　　　　　　　　　　|l|
　　　　　　　　　　　　　　　|l|
　　　　　　　　　　　　　　　|l|
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _|l|_
　　　　　　　　　　　　　　　|l|
　　　　　　　　　　　 　 　 |l|l|l|
　　　　　　　　　　　 　 　 |l|l|l|
　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀|l|´
　　　　　　　　　　　　　　　|l|

　　　　　　　　　　　　　　　＼::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::::::::ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::／　　　　　　　　　　　,
　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 /:::::::::::::::／　　　　　　　,　,....イ´::::〉
　＼＼､　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::::ヽ　　　　　　　 　 　 　 　 /::::::::::::／　　　　,...ィイ´ll､_::::＜´
　　　＼::｀lへ,,‐-,､_　 　 　 　 　 　 ヾ::::::::l　　　　　　　　,､　　　 /::::::::::／　 , -‐´´　 ll　| /l　 ｀＞'
　　　／ノll　ll　ll　　｀`‐-､　　　　　　ヾ::::::l　,､　　,へ　　ll＼　 /::::::::／, -´　　　 , -┴ ┴'
　　　`´　└┴┴､＿　　　｀`‐-､　　　ヾ:::V::ll ／´T｀＼ll:::::::〉/:::::／´´　_, -‐ ´
　　　　　　　　　　　　 ￣｀`‐-､_ ｀`‐-､ヾ::::::::ゝ＼ l　 //::::／::::／ _, -‐´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀`‐､　ヾ::::::､:ヾ⊂ノノ:／:::／´‐´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀` ＼::＼::........:::::::イ ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l｀｀┐ィ ´´ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　lll　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　 lll　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　 lll　　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「そして、弟を殺そうと思い立ち、偽物の太刀を作り、水浴びに誘った」
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　lll　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　川　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 そうだ、弟よ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / ノﾍヽ　へ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ // ヽヽ |　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 水浴びに行こうではないか！
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _ -┤//　 ヽl l　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　,　-‐　´　　　 |l l　∩　ll |　　　　　　 ヽ､
　　　　　　　　　　　,　-　´　　 　 　 　 　 l ll　 l.|　ll |　　　　　　　　　ヽ､
　　　　　　_　-‐ ´　　　　 　 　 　 　 　 　 l ll　 l|　ll |　　　　　　　　　　　　ヽ､
,　　-‐　´　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l ll　 |　ll |　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ll　l　ll |　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _／／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _／ ／
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _／ _／
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｢ V＾レ-'
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 くf彡へ、
　　　　　　　　　 　 　 　 ノ^Xへ._/　　　..,　　 r‐^‐､ 　 、
　　　　　　　 　 　 　 　 ×〆＼　　　　.( { 　 {l　　 l} 　 } ）
　　　　 　 　 　 　 　 ／　　＼ノ＼＿＿＼ ‐-ヽ＝''-‐' ／　　　　　　　　　　「水浴びをしている間に、弟の太刀と自分の偽物の刀をすり替えた」
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼_::::::::::::::::::::::ﾄ┴┴''´
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣￣入|:::|: : : : : `ｰ-ｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / 　 |:::＼: : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　 i::::::::::＼ : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　　 .〕::::::::::::..＼: : : :.＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 / 　 　 .ヽ::::::::::::::::./＼:: : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　 　 　 .〉::::::::::::::::i_　 ＼: : :＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / 　 　 　 .//::::::::::::::::::＼_　.＼: :.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 　 .//::::::::::::::::::::::::::::＼　.＼: :＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　.//::::::::::/＾＼::::::::::::::::＼.　＼: :＼

　　　　　/: :.:./　.:.:/ ./:.:l:　ｉ:.　!l　/丿　　　 ミ､: l: ヽ　､:ヽ
.　　　　 ':. .:./　.:.:/:.:/ .:∧:.|､ 从 { 　 ､-―‐-､」:ﾄ､: ｉ　i い
　　　　 |:. .:.': .:.:.:.l:.:.' .:./‐l: |ﾍ{　 ｀　　　＿＿　ｊﾒ､|: |　|: !:|
　　　　 |:.:.:.l:.:.:./:.!:.:|:./　_ｌ厶 ヽ　 　 　 ﾉｧ＝=ﾐ、 |: i: , :ﾊ:!
　　　　 '､:.:.|:.:.:l:.ｉ:.､:l:.{／, =ﾐ　　　　　　'/ ｒぃ　 》 ｉ: ｉ/:/〃
　　　　　}:.:.:､.:.l:.|:.:ﾄＮ／ ｒぃ＼　　　　　 弋_ﾘ 　ノｨ:／/
.　　　 _ノヘ:.ヽl､:､:'､ 《　弋ﾘ　　　　　i　　`＝彡 ィﾘ
　 　　 　 　 ＼i:.i､ヽヽ ､＿__ノ　　　　',ヽ　　　 　 l´
　　　　　＿＿_l:.l､＼: ＼￣　　　　 　 iﾉ　　　　 /
　　　／　　　　ヽ!｀≫ミ=-　　　　　 ,. -‐ｭ　　∠ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　「自分の太刀を腰に帯びている兄を見て、弟は驚き、兄の木刀を抜こうとしたが…」
　_／　　　　　　 乂　　 _≫ 　　 　 ‘¨´　　 ｲ: : :l├ ､
//　　　　　　　/　　 ／ {{: : ､＞　　　　 ／丿: : ｊ小ヽ＼＿
7　　　　　　　/　　,　／ }} : : ヽ　　 ｀二 イ: : : :/　}}　／へ　∨￣　 ､
ｉ　　　　　　　′　/ /　 从 、: :｀二二 -‐'ﾞ: : ／　 〆／　　／　　 　 　 丶、
|　　　　　　　!　 / /　 〃 ヽ＼二二二 -‐ '´　 ／／ 　 ／　　　　　　　　　＼


　　　　　　　　　　　　:,:　　　　　　　　　　 :(::)
　　　　　　　　　　　　/⌒''⌒) :,,゜　　　　　 '　　　　　　　　 ,,,,,,,
　　　　　　　　　　　(:::::::::::::::!'　　　　　　　　　　　　　　　　 (::::::)
　　　　　　　　　　　ヽ::::::::';'''　　　　　　　　　　　　　　　　　''``　　 。
　　　　　　　　　　 τ'::/ .;:
　　　　　　　　　　　 )/
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`'''`~''・　　　　' `
　　　　　f''`⌒(　　　　　,,,,　　　　　　　　　　　　　　　!:(',,,,、　　　　　　　　　　　　　　::,,,,,、...　　　　　　　　　　　 「偽物であるから抜くことが出来ずに打ち殺されてしまった」
　　　　　,!,,,、(　　　　　/::τ　　　　　　　　　　　　　ノ:::::::::::::::::)　　　　　　　　 　。 　!::::::::::`!　、
　:.、　　　　　　　　　　!:::(　　　　　ﾉ::`!　 　o　　　(::::::::::::::::::τ　　　　　　　　　　　　(:::,,;,;,、; 。
　　　　　　 ゜　　　　　(/　　　　　　⌒・　.　　 ・、;::::::::::::;;.;`` ''
　　　　　,,、..　　　／/　　　ノ'　　　　　　　　 　/／'''`'`'` `　　　　　　 ..,,.. _,,,.、 ・　　　　　　　　　,, ...:・..
　　π /;::::::::(,.,.(;;;::::(　　 ,,.,　　・っ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;,;;( ):::::;.　　　　c::── '`'''::::::::::;''
　　　):::::::::::::::::::::::::::/　　'''''`　　　`　　　　　　　　'`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒　` !.:::τ''　``
　τ　!::::::::::::::::::::::::::::)／,,,,,　γ　　　　　　　　　　　　　　 :'`'``:!
　　　(::::::::::::::::::::::::::::冫 `'`'　　　　、,:'::::::`:::,,,,　　　　　　　 !:::::ノ　　　　　　　　　・
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