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やる夫は異世界の戦士になるようです118

6201: ◆x0SRSoJXe. :2017/02/01(水) 22:38:47 ID:jXmDhVq.0

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  ( _i _i_ト、__)  ヽ、___⊥____ノ 「___ノ
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夜も更け、そろそろ日付が変わる頃となっていた。
エリヌス領での野営ほどではないが、やはり冬の寒さは厳しく、
夜になればテントの中ですら吐息が白くなる。

幸いというべきか、自分の体は今、頭部と胸のあたりくらいしか感覚が残っていない。
あとは、胴体のところどころに残っているくらいだろうか。
一応、まだ空腹や尿意程度は知覚できる。

とにかく、この壊れた体にとって、寒い夜はそれほど苦でもなかった。
人気のないテントに入り、僅かに開けられたスペースに座り込む。

テントの容量の関係で、倉庫代わりに張られていたうちの一つに
やる夫は毛布と自分の荷物を持ち込んでいた。
そもそも、今やどこのテントもすし詰めの雑魚寝なので、冷たい鉄と木材の中で
も大して変わらないのだが。
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6203: ◆x0SRSoJXe. :2017/02/01(水) 22:40:59 ID:jXmDhVq.0

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          __,..'´ ̄      `丶、
        , '" ̄ フ ̄l `ヽ         \
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      i'   ,'       l、   | l| | l、|  |   |
          |l   |  | 」ム  |ヘナ7メ、|  |   |
          || | ヽ. |ハ|=、ヽ、l 彳うミ、|  |   |       あらあら、なんだか除け者のようですね。
         |ハ、 ヽ从l 化リ   ` ゞ‐' |  |ヽ  l
             ヽトトゝ   、       |  レ'   l       まあ、こちらの方が静かで寝付きやすいかもしれませんが。
              | i、   r_,     |  |    !
              | | > 、   , イ |  |    l
              | |  /ソ)T,.,_,.、jー|  |   |
                /j |_l | レ',イムトr )|  |.,..-┴..、
           /:´l l::::::!   '´ィ,'(_゚)、|  |'::::::::::::::::::ヽ
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           l:::::::::::::| |::| / )、ルノl、|l」|  |:::::::::::::::::::::::l
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そしてなぜか、今は自分くらいしか出入りしないであろうテントに、アンゼロットが
入ってきていた。もちろん、用などないだろう。

アンゼロットは武具や薪の山を一瞥すると、やる夫と向かい合う形で行儀よく座った。

テントには天井からカンテラがぶら下げられているだけであり、
薄暗いテントの中で意中の女性と二人で向かい合うというのは、
中々に平常心を揺らがせるものがあった。

「しれっとついてきてますけど、どうしたんですか」

「いいえ? 特に用はありませんよ? ただ、明日には首都進攻ですからね。
最後の静かな夜くらい、惚れた女の顔を見ておきたいでしょうと気を利かせたのです」

冗談か本気か判別のつかない口調で、アンゼロットはつらつらとそんなことを
言ってのけた。そういえば、彼女からこの話題に触れるのは初めてのような気がする。

自分が彼女に想いを吐露した時から、彼女は拒絶の意を露わにし、
悲しむような表情を見せてきた。それがなぜなのか、未だにはっきりとしていない。
が、今夜の彼女は、少し様子が違って見えた。
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6204: ◆x0SRSoJXe. :2017/02/01(水) 22:47:04 ID:jXmDhVq.0


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時間も遅いせいか、外からは風の音しか聞こえない。
皆、明日の決戦に向けて休んでいるのだろう。自分もそのつもりだった。

「とはいっても、話題が思いつきませんね。世間話をしようにも、最近はお互い
行軍と戦闘の繰り返しばかりでしたから」

アンゼロットは全然困っていない様子で、困ったように眉を八の字にすると、
「そうですね、軽い自己紹介でもしましょうか? 私、皆からは名前が長いので
アンゼロットとだけ呼ばれていますが、全部でアンゼロット・エルジア・ヴァルトラウト・
フォン・フロイデンベルクといいます。ヴァルトラウトまでが名前でフロイデンベルクが
家の名前ですよ。私は別段、エルジアでもヴァルトラウトでもいいのですが、
アンゼロットと呼ばれる方が多いですね」

「な、なるほど」

「エリヌス北部のフェルンバッハの分家の娘のその孫、あたりだった気がします。
とはいっても、生まれも育ちもアラディアのディアナで、父母も私を知人に預けたきり
戦で生死不明となっておりますので、それ以前のことは分かりませんが。
好きなものはアップルパイと苺のジェラート、それから……」

と、ここまで言って、彼女は唐突に黙り込むと、「どうしましょう、本当に困って
しまいました」とこめかみに指を当ててうんうんと唸り始めた。
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6205: ◆x0SRSoJXe. :2017/02/01(水) 22:52:05 ID:jXmDhVq.0

       ____
     /_ノ  ヽ、_\
    /( ─)/)(─)\      ……もしかしてアンゼロットさん、今までこういうことって……
  /::::::⌒///)⌒::::: \
  |   /,.=゙''"/      |    「ありますよ、ええありますとも。十二年前に一度、そういう人がいましたとも」
  \. i f ,.r='"-‐'つ   /
  / i    _,.-‐'~    \     …………。
    i   ,二ニ⊃

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まるでお見合いでテンプレートをなぞる名家の令嬢でも見ているような気分だ。
恋愛経験はあるのだろうが、どうもかなり前らしい。よって、このようなぎこちなさが
生まれているのだろう。

「なんなのですか、その眼は。文句があるのであれば、そちらがお話すればいい
でしょう。それとも、黙って見つめ合うのが好きなの、なんて気色の悪いことでも
考ているのですか?」

それは心外だ。ぶんぶんと頭を振り否定する。

「とにかく、あなたのしたいような話をすればいいでしょう。最後の夜くらい
付き合いますよ」
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6206: ◆x0SRSoJXe. :2017/02/01(水) 22:59:57 ID:jXmDhVq.0

                /  ̄ ̄ \
               /ノ  ヽ__   \
             /(―)  (― )   \
             |.  (_人_)   u |
                  \   `⌒ ´     ,/
              /         ヽ
             ./ l   ,/  /   i
             (_)   (__ ノ     l
             /  /   ___ ,ノ
             !、___!、_____つ
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と言われたものの、何を話したいのか、自分でも思い浮かばなかった。
話がしたい、一緒に何かしたい、と常日頃から思ってはいたが、
いざこういう場面になると、具体的な言葉にできないのがもどかしい。

実のところ、こうして二人きりで向かい合いながら話している時点で、
自分からすれば十分嬉しいことではあるのだ。

アンゼロットの声を聞くと元気が出るし、顔を見るとなんだかほっとする。
結局、自分が飢え求めていたのは、こうした他愛もない誰かとの触れ合いなのだ。
その欲求が、最終的にアンゼロットへの恋慕として結実したのだろう。

なので、こうしてアンゼロットに、「さあしたいことをしろ」と迫られても困るのである。
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6208: ◆x0SRSoJXe. :2017/02/01(水) 23:07:38 ID:jXmDhVq.0

               /    〃                      \
            /   /                  /             ヽ
          ′   //         !   /     〃               、
            ,   ィ/|          | / |   /{/               ,
.         ,′ / l{' |.     { ─-| / │ //| |'    |           ヘ ',
        /   { ⌒ト、   从 / j/  `lメ、 | |    '|           |      ……脱げと言われれば脱ぎますが。
.        /    ∧、{| \ヘ{ V    │   | |  / | j          } !
        /   / ヘ. |   l\ ===ミ 、    | |  /ナメ、}     i   .′i       「着ててください」
      /   / /  `l|   |      `     |//jノ ,′    |  ′/
.      /    / /   l|   |                =ミ、   ′     | /          別段、この貧相な体くらい差し出しても
.    /   /   _ァ‐-|  │                 ヾ/    イ リノ
    /     '  // ト、 /li   │    丶._  ´   <.__  ノ// '′            構わないのですがね。
  /    ,厶∠... | `¨|i   | \      ` `      ,ハ//´ レ′
 /  /..:::.::.:::::..`ヽ  |    |、  \     ,..r  ´  |                    あなたはそれだけのことをしてきたと、
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 /..: : :.::.::.::.::.::::::::::::::::::::..\ │ `スrく}r‐┴く  |   |                    一応認めてはいるのですよ?
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だが、それはアンゼロット自身の気持ちではないではないか。
正直な話、アンゼロットと恋人同士の間柄になれるのであれば、
将来的にはそっちのこともしたいという願望はある。強烈にある。

ただ、それが憐憫や慰めであるのならば、何も嬉しくない。
それならば頬にキスくらいがいい。ああ、それなら嬉しい。

「頬にキス、ですか」

その通り。唇は嫌がられるかもしれないから、頬くらいがいい。
と、そこまで考えて、気づいた。口に出ていたのか。
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6209: ◆x0SRSoJXe. :2017/02/01(水) 23:07:50 ID:jXmDhVq.0

              / `
             ,', ′
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             ゝ -f` -   、
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      |      从/|.| ∨ |||, ´ノ リ\ |    | ∨
      |  |  _ノ-/‐-  \{ ´≦弋ミヽ /. ,' | }
      | ヽ ,   | ,ィ=ミ   `  ゝ- ′ .} /, / リ          随分と欲の薄いこと。
        .|  ヽ人 ゝ      ,      /´ /
      .| | {.| ` \    _ ‐-,     | | \           まあいいでしょう。ああこら、暴れないでください。
       | ,'  ` ___入    ` -     イ  |ノ  \
       > /:::::::::::\>       イ .|  |.     \        ほら、肩の力を抜いて、目を瞑って。
      / ./::::::::-‐:::::::::ヽ 7-`- ´ .|7z.|  |      \
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肩に手を置かれ、びくりと震える。
いや、これはただの願望であって、何もしろというわけではないのだ。
だから、無理はしないでいい。そう口にしようとしたときには、もう遅かった。

アンゼロットは身を乗り出すと、やる夫の頬をそっと啄むようにして、
控えめなキスをした。恐らく、数秒も触れ合っていないだろうに、その感触は
皮膚を通して大脳に焼き付くようだった。

距離が近いからだろうか、アンゼロットの吐息と衣擦れの音が聞こえてきて、
心臓が握りつぶされる。視界が反転しかける。鼻血が出そうだ。

「……な、なにか言いなさい。ほら、感想の一つでも」

感想ときた。柔らかかったであるとか、今日は香水とかつけてないないんですね、
などという聞けば鳥肌の立つこと請け合いの台詞しか思いつかないが、
よろしいだろうか。
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6211: ◆x0SRSoJXe. :2017/02/01(水) 23:20:10 ID:jXmDhVq.0

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アンゼロットはそこから離れようとせず、そのまま隣で膝を抱えた。
手を伸ばせば届く距離。視線を少しずらせば、横顔がある。
自分の隣に、アンゼロットがいる。命すら惜しくないと思った、その人が。
それは瞬きをすれば消えてしまうような夢にも似た感覚だった。

きっと、彼女は最後の夜くらい好きにさせてやろう、程度にしか思ってくれていない
のかもしれない。でも、自分にとって、この瞬間は人生において大事な一瞬だと
やる夫は直感していた。この時間があるだけで、今までの記憶が意味のあるもの
と思えるだろう。これから生きていく中で、何度もこの瞬間を思い出すことになるだろう。
それはとても、恵まれていて、かけがえのないことなのだろう。

彼女と過ごした時間があった。彼女が触れてくれた瞬間があった。
単純で、他愛もない思い出。

何も惜しくはなかった。全てを懸ける価値があると思えた。
たとえ、この命が明日終わるとしても。終わるかもしれないからこそ。
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6212: ◆x0SRSoJXe. :2017/02/01(水) 23:20:24 ID:jXmDhVq.0

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           /   `ー-               ヽ       あ、アンゼロットさん、その……寒くないですか?
           |  、__               |
         ノ   └┘ /              |       「……ええ、今夜は冷えますね」
        (、      !_j              |
          {`ー-'                  /        …………。
          \  ,, -===ニニニニ====-、_/
            ソ´:::;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\
       ___〉:/       |i     \/_
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恐る恐る、彼女の肩に手を回す。
もう感覚はないが、腕越しに伝わる重さが、彼女の存在を感じさせてくれる。

許されるのであれば、もう少しだけ、近くにいてほしかったのだ。
彼女がしなだれかかり、肩に頭を乗せてくる。透き通るような金色の髪が揺れ、
自分の胸の辺りからカーテンのようにゆらりと垂れる。

明日が来る。全てを決する明日を、二人で迎える。
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6213: ◆x0SRSoJXe. :2017/02/01(水) 23:20:39 ID:jXmDhVq.0

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                               ┌┐
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                                   □

                               ・

6214: ◆x0SRSoJXe. :2017/02/01(水) 23:31:30 ID:jXmDhVq.0

【大陸歴725年3月2日】
            ____
          /      \
         /─   ─   \
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       / / l        } l
     /ユ¨‐‐- 、_     l !
  _ /   ` ヽ__  `-   {し|
 /          `ヽ }/
            / //
  ,,, __ ___ _/ /_/
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起床の合図が響くよりも先に、やる夫は目を覚ました。
微かに体温を感じ、自分のすぐ横のアンゼロットの寝顔に視線を落とす。

「あなたのお好きなように。あなたのこれまでとこれからを思えば、まだ安いくらい
でしょう」と言って、彼女はあの夜、自分に身を捧げるつもりで寝床へと入ってきた。

まあ、嬉しくないと言えば嘘になる。だが、憐憫ありきの関係など、余計に
気持ちに罅が入りそうだった。

結局、彼女からの献身は、頬への口づけと同衾に留まった。
それだけでもかなり刺激的には違いない。事実、心臓と股間の辺りが爆発寸前
だった。悲しいかな、その辺りは最期まで機能しているのだ。
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6215: ◆x0SRSoJXe. :2017/02/01(水) 23:43:32 ID:jXmDhVq.0


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      | | /      |   {/ __' {      '_jノ _厶ニL _ |       |
      | |'{      | ィ'{「 __`j八    / ノ ;ノ乙心jノ|   /   r: 、
         | .    {  ,   l ァァぅ, ハ  /   ‘;::::タ刈 |. /    ′ |         もう朝ですか。
         {. ',   ∧ '.  |〈{ {:::hム  ∨      ー '' ” | /   ル ) 从     i
.          ‘. / ,ハ ヽム 弋:㌣           j/     ハ /  }   i     しかし、この時間は冷えますねえ。
             )' /  V{ ハ    〈             /     厶ィ´      i
          /      \ ',       __       ,     ′│        !     上着を取っていただけます?
                 /  人      `´     /     .′/ |         !
                /  /  > .     /       /}丁厂   !     l
              /  /  /    >-=''" ̄`丶、/ j j  ′  i   │
.              /   〃    /..:::::::::::::::::::::::::::::..\ リ j ′   !     |
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┃system message
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やる夫より少し遅れて目を覚ましたアンゼロットは、しばらくやる夫の顔を見つめ、
「結局何もしなかったのですか。あなたらしい、と言えばそうかもしれませんが」
とぼやきながら毛布に頭をひっこめた。

自然と頬が緩む。やる夫は毛布をアンゼロットに明け渡し、
畳まれていた上着を取った。

「そろそろ起きましょう、アンゼロットさん。火を起こして、何か暖かい飲み物でも
一緒に飲みましょう」

蓑虫と化したアンゼロットに上着を差し出し、自分も外套を羽織る。
そして、傍らに置いていた剣を取り、軍服のベルトに鞘の革紐を結んだ。
もう悔いはないと、そう自分に言い聞かせながら。

やる夫は、二度と訪れないであろう平穏な朝に背を向けた。
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6216: ◆x0SRSoJXe. :2017/02/01(水) 23:43:43 ID:jXmDhVq.0

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6217: ◆x0SRSoJXe. :2017/02/01(水) 23:54:58 ID:jXmDhVq.0
短くてすまんねえ。今日はここまでだ。

次は……どうしよっか。ある程度書き溜め終わり次第投下するよ。少し待っててね。
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