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COPDの恐いところは、肺だけの病気ではないということ。全身に炎症や「酸化ストレス」という血管や組織を痛めつける物質を出し、糖尿病、貧血、骨粗鬆症、胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、うつなどを引き起こします。中でも最も恐いのが心臓病です。COPDの患者では、健康な人と比べて狭心症や心筋梗塞が約2倍、心不全が約4倍、起こりやすいと言われています。「咳が続くな」と思っていたら、ある日突然、心臓発作が起きて救急車で運ばれるということがありうるわけです。日本では、心臓病で循環器にかかっている患者の約20%は、COPDを併せ持っていると言われています。
COPDは、たばこ害の病気ですから、まずは禁煙が重要です。また、たばこの煙を吸うと息苦しさが増幅しますので、患者はたばこが吸われている場所に行かない、そして周りのもたばこを控えるというのが重要です。お薬は、細くなった気管支を広げるようなものが選ばれます。その中でも、吸入薬が最も安全で効果的で、副作用がなく、お勧めです。長時間作用型の「抗コリン薬」や「β刺激薬」といったお薬がそれにあたりますが、手のひらに乗るような小さな使い捨ての携帯用です。はじめは慣れないので抵抗があるかもしれませんが、高齢者も上手に使えるので、医師から勧められたら一度トライしてみてください。
お薬で症状は回復できて、早期に使えばCOPDの進展を抑えるかもしれません。しかし、一度壊れた肺はなかなか元に戻りません。快適な日常生活を送るためには、歩けるようにしないといけません。そのために、背中、おしり、足の筋力を維持する必要があります。一番良いのは、お散歩です。毎日、歩く習慣をつけましょう。心臓病の予防にも、歩くことが重要です。医師と相談して、適度な運動を行ってください。
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