――全く新しいタイプの作品で「ラブストーリー」という言葉からストーリーをイメージして、劇場に足を運んだお客さんは度肝を抜かれると思いました。
松山:そうですね。僕は、同じような物をお客さんはみたくないと思うし、僕もやりたくないし、どんどん新しいことに挑戦していかないといけないと思ってますね。
――今回の横浜監督や「人のセックスを笑うな」の井口監督など、最近30代の女性監督が活躍していますが、女性監督ならではの演出や新たな自分を発見できたことはありますか?
松山:特に女性だからっていうのは無いですね。どの監督もそれぞれ色が違いますし、個性があるとは思います。井口監督から学んだことは、今言った園児達の生活観と似ている部分でもあるんですけど、台本に縛られすぎないことですね。横浜監督には、「考えないこと」を教わりました。一つ一つの動きにとくに理由をつける必要は無くて。横浜監督は本当に独特だから監督の世界でしか通用しないのかもしれなくて、僕もまだちょっと分からない部分もあるんでもう一度監督とやってみたいですね。
――個性的を演じることが多いですが、作品を選ぶときにポイントとしてることはありますか?
松山:僕、台本を選ぶってことはほとんど無いんですよね。同じ時期に仕事の依頼がたくさんあるわけでも無いですし、来た仕事はちゃんとやり遂げたいと思ってますし。選ぶってことをしないおかげで、こうして様々なキャラクターに挑戦できて、僕はとても幸せなんです。
――役者をしていて、一番大変だと感じる時はどんな瞬間ですか?
松山:一番大変なことは、面白いことが次々と出てくるので休む暇がなくなっちゃうんですよね。自分自身に戻る時間を自分で作れなくなっちゃうっていうか。お芝居をすることが本当に楽しくて、常にそのことばかり考えてしまって、プライベートな時間を大事にできなくなって。そういうところが一番大変だと思うし、依存っていうか…。芝居に病み付きになってしまいますね。
「ウルトラミラクルラブストーリー」 青森で農業をしながら一人で暮らす純朴な青年・陽人(
松山ケンイチ)はある日、東京からやってきた保育士の町子(麻生久美子)に生まれて初めての恋をする。事故で死んだ元カレの見つからぬ首を捜すため、カミサマと呼ばれる占い師に会いにやって来たという町子。けれども、そんなうわさはお構いなしで、陽人は彼女に毎日会いに行く。そして、その強すぎる想いは、うそみたいな出来事を次々と起こしていく…。
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