日本プロサッカー選手会(JPFA)は1月18日、選手が選手を選ぶ、新設の「JPFAアワード」の受賞者を発表。2022年の年間最優秀選手賞(MVP)には日本代表MF三笘薫選手(ブライトン)が選出された。
「一緒にピッチに立った選手や対戦相手として戦った選手から評価していただき、これ以上ない嬉しさがある」
選手会所属の選手によって所属リーグに関係なく選出されるMVPを獲得した三笘選手は、喜びをそう表現した。
昨年のワールドカップ(W杯)ではスペイン戦ではゴールラインぎりぎりの折り返しでMF田中碧選手(デュッセルドルフ)の決勝ゴールをアシストし、世界中の注目を集め、日本の16強進出に貢献した。
W杯後もイングランド・プレミアリーグで好調を維持している25歳のドリブラーは、発表会見にビデオで登場すると、「この賞に恥じぬよう、これからも精進していきたい。トップ6を目指してチームとして頑張っていきたい。数字にこだわって、ゴールやアシストで毎試合勝利に貢献できるように頑張りたい」とコメントした。
さらに、三笘選手は海外でのプレーを夢見る子どもたちへ向けて、「自分にしかない武器を持つこと」「自分を分析する力を持つこと」「毎日を大事にすること」の3つのポイントも披露した。
「僕自身、ドリブルという武器で、どんな場所に行っても自信を持って相手に立ち向かうことができた。自分を信じる力につながる」と自身の経験に言及。
また、「将来なりたい理想をイメージしながら、日々どうやって練習していくかを考えるのが大事。将来なりたい自分になるためには、日々の小さな積み上げしか成長する方法はない」と説いた。
三苫選手も選出されたJPFAベストイレブン賞には、MF堂安律(フライブルク)、FW伊東純也選手(ランス)、DF板倉滉選手(ボルシアMG)らW杯で活躍した選手が選らばれ、カタール大会メンバー外ではFW古橋亨梧選手(セルティック)が唯一、名を連ねた。
また、J1の最優秀選手には今オフに横浜マリノスからセルティックへ移籍したDF岩田智輝選手が選出され、J2最優秀選手はFW小川航基選手(横浜FC)が獲得。J3の最優秀選手賞はFW有田稜(いわきFC)が受賞した。
JPFA J1最優秀選手 岩田智輝 写真:REX/アフロ
JPFAアワードは今回初めて導入され、出場試合数や所属カテゴリーに関係なく、選手会所属の男子選手が所属する選手を対象に活躍した選手を選ぶ。Jリーグアウォーズとは異なり、海外リーグでプレーする選手会所属メンバーも選考の対象となる。表彰はJ1,J2,J3のディヴィジョンごとの部門に加え、海外所属を含めた全カテゴリーが対象のJPFA部門で行われる。
JPFA会長を務める吉田麻也選手(シャルケ)はオンラインで会見に出席。イングランドなどでは長年行われてきた選手会所属選手による表彰を導入したことについて、「サウサンプトン時代から、なぜ日本にはないのかと疑問に思っていた。Jリーグ以外で活躍している選手も評価すべきと思っていた」と話して、以前から構想を抱いていたことを明かした。
「形にできて、すごくうれしい。実際に対戦した相手からも評価される。選手のモチベーションになってほしいし、この賞が10年20年、100年200年と続いて、日本の選手のステータスが高まるようになればいい」と語った。
今回のベストイレブンには吉田選手の名前はなく、センターバックからは板倉選手と冨安健洋選手(アーセナル)が選出されたが、吉田選手は「二人とも選ばれるにふさわしい。僕も取れるように頑張りたい」と述べて、11人の顔ぶれについては「(日本代表の)森保監督の選ぶメンバーとも微妙に違うところもあって、選手ならでは。ほかの選手たちが客観的に判断して評価したのが結果に表れている。面白い」と話した。
取材・文:木ノ原句望
<JPFAアワード2022受賞者>
JPFA最優秀選手賞:三笘薫(ブライトン)
JPFAベストイレブン:
GK シュミット・ダニエル(シントトロイデン)
DF 板倉滉(ボルシアMG)
DF 遠藤航(シュツットガルト)
DF 冨安健洋(アーセナル)
MF 鎌田大地(フランクフルト)
MF 久保建英(レアル・ソシエダ)
MF 堂安律(フライブルク)
MF 三笘薫(ブライトン)
FW 浅野拓磨(ボーフム)
FW 伊東純也(ランス)
FW 古橋亨梧(セルティック)
JPFA J1最優秀選手:岩田智輝(横浜FM→現・セルティック)
JPFA J1ベストイレブン:
GK 高丘陽平(横浜FM)
DF 谷口彰悟(川崎→現・アルラーヤン)
DF 山根視来(川崎)
DF 岩田智輝(横浜FM→現・セルティック)
MF 家長昭博(川崎)
MF 脇坂泰斗(川崎)
MF 水沼宏太(横浜FM)
FW 上田綺世(鹿島→セルクル・ブルージュ)
FW 西村拓真(横浜FM)
FW 町野修斗(湘南)
FW 満田誠(広島)
JPFA J2最優秀選手:小川航基(横浜FC)
JPFA J2ベストイレブン:
GK 小島亨介(新潟)
DF 半田陸(山形→現・G大阪)
DF 堀米悠斗(新潟)
DF 舞行龍ジェームズ(新潟)
MF 長谷川竜也(横浜FC)
MF 伊藤涼太郎(新潟)
MF 河原創(熊本→現・鳥栖)
FW 中山仁斗(仙台)
FW ディサロ燐シルヴァーノ(山形→現・清水)
FW 小川航基(横浜FC)
FW 高橋利樹(熊本→現・浦和)
JPFA J3最優秀選手:有田稜(いわきFC)
JPFA J3ベストイレブン:
GK 内山圭(藤枝MYFC→現・鳥栖)
DF 家泉怜依(いわきFC)
DF 林堂眞(カターレ富山)
DF 安藤智哉(FC今治→現・大分)
DF 広瀬健太(鹿児島ユナイテッド)
MF 嵯峨理久(いわきFC)
MF 日高大(いわきFC→現・千葉)
MF 山下優人(いわきFC)
FW 有田稜(いわきFC)
FW 有田光希(鹿児島ユナイテッド)
FW 米澤令衣(鹿児島ユナイテッド)