新iPhoneは例年9月中旬に詳細が発表され、1週間後に発売(写真はiPhone 13)

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毎年9月に行われる新iPhoneの発表は、テクノロジー界隈の一大イベントだ。今年はコロナ禍によるサプライチェーンの混乱で、例年よりスケジュールが遅れるとの見方もあったが、最近になって、発表日を一週間前倒しするという説も浮上した。新iPhone発表を1か月後に控え、8月に"リーク"された情報を中心に、今分かっていることをまとめた。

メタバースで9月6日発表?

新iPhoneは例年9月中旬に詳細が発表され、1週間後に発売される。iPhone13は2021年9月14日(現地時間)、iPhone12は新型コロナウイルス拡大の影響で例年より1か月遅い20年10月13日(同)に発表された。

今年はiPhoneの製造拠点になっている中国で、春先に新型コロナウイルスが流行したため、発表が例年から1週間遅れの9月23日になるとの情報が飛び交っていた。だがiPhoneの正確な予想で知られるアナリストの郭明錤(ミンチー・クオ)氏は8月10日、ツイッターに「投資家はiPhone 14の生産台数や発売日が地政学上の影響を受けると心配しているが、サプライチェーンは通常運転だ」と投稿。スマートフォンのリークで実績のあるMax Weinbach氏は8月7日、「発表会は9月6日に行われる可能性がある」と指摘した。

発表会が開かれる米国は9月5日が「レイバー・デー」の祝日で、「多くの人が参加する一大イベントを祝日明けに開くのは(準備の面から)考えにくい」との疑問も寄せられた。だが、米メディアは「アップルはメタバース発表会の収録を始めた」とも報じている。オンライン中心で行うなら、祝日明けでもさほど負担はないだろう。

Proシリーズを大幅値上げか

現時点でiPhone 14は5.4インチの「mini」モデルが消え、6.1インチの「iPhone14」「iPhone14 Pro」、6.7インチの「iPhone14 Max」「iPhone14 Pro Max」の計4機種の発売になることが確実視されている。

クオ氏は今月、新iPhoneについて全体で15%値上げされると予想。ただし、値上げの中心はProシリーズで、最近の物価高も踏まえ、機能に大きなアップデートのない通常版の価格は据え置かれると示唆した。

新iPhoneの仕様は既に多くのリークが出ている。主なものとしては、

・Proモデルのみ最新プロセッサー「A16 Bionic」が搭載され、標準モデルは昨年と同じA15のまま。
・Proモデルでノッチが廃止され、デュアルホールパンチカメラが採用される。
・Proモデルの背面カメラに4800万画素センサーの広角カメラが搭載。

などがある。新しい要素はProモデルに集中しており、価格・機能ともにハイエンドの「Pro」と通常版の立ち位置の差がさらに明確になりそうだ。アップルは、毎年最新機種を買うような熱心なファンは、値上げについてこられると見ているのだろう。

世界の物価高が家計を直撃し、2022年はスマホの出荷台数が低迷している。調査会社のCounterpoint Researchによると、今年4〜6月の中国スマホメーカーの出荷台数は軒並み2けた減となった。しかし「iPhone 14」の売れ行きについては強気な見方が多い。

サプライヤーが集積する台湾のメディア「経済日報」は、初期の出荷台数が当初計画より5%上振れして9500万台になると報じた。

ミンチー・クオ氏は、2022年後半のiPhone 14の出荷台数を1億台と予測。特に中国では強い動きを見せると分析している。同氏はまた、これまで先進国や中国よりも数か月遅れて新製品が投入されていたインド市場で、iPhone 14が中国と同時期に発売されるかもしれないと指摘した。iPhoneの組み立てを請け負う鴻海精密工業がインドに生産拠点を設立したことや、今後伸びる市場と期待されていることが背景にあるという。

【連載】浦上早苗の「試験に出ない中国事情」

浦上早苗経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員。福岡市出身。近著に「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。「中国」は大きすぎて、何をどう切り取っても「一面しか書いてない」と言われますが、そもそも一人で全俯瞰できる代物ではないのは重々承知の上で、中国と接点のある人たちが「ああ、分かる」と共感できるような「一面」「一片」を集めるよう心がけています。Twitter:https://twitter.com/sanadi37