怪談1話につき100円で買い取る怪談師・宇津呂鹿太郎　霊感がない人の体験にかぎって「ものすごく怖いことがある」

（左から）小山薫堂、宇津呂鹿太郎さん

宇津呂さんは、兵庫県尼崎市にある三和市場の空き店舗に、月に2日間だけ「怪談売買所」を出店し、怪談1話につき100円で買い取りをしています。

「世の中には不思議な体験や怖い体験をされた方がたくさんいらっしゃるので、そういった方々から詳しくお話を聞かせていただいています。基本、実体験です。同じような話は（確かに）あるのですが、それが実体験であれば、一律100円で買わせていただいている」と宇津呂さん。これまで買い取ってきた怪談は、数えたことはないものの、「600以上は優に超えるんじゃないか」と言います、

「怪談売買所」では、怪談の買い取りだけでなく、怪談話の披露も。100円を支払うと、宇津呂さんがこれまで収集した怖い話や、不思議な話を披露してくれます。

不思議な体験や怖い体験談を買い取る際、「来られる方がすべて話し慣れているわけではないし、話が支離滅裂なときやよくわからない場合もありますので、そのときは細かくこちらから質問させていただいて、疑問点がないようにしている」と宇津呂さん。そして、その話が実体験かどうなのか「裏付けという意味では、不思議な体験をした場所が特定できるようであれば、後日、僕がそこを訪れて、体験されたことが本当にあったのか。これは疑っているわけではなくて、どんなところで起きたのかを調べるということはおこなうようにしています」とこだわりを語ります。

そんな宇津呂さんは、小さい頃から怖い話が大好きだったそう。宇賀が、「怖くて眠れなくなっちゃうことはないんですか？」と尋ねると、「子どもの頃は、昼間とか明るいときには怖い話を聞いて喜ぶんですけど、暗くなってからはすごく怖く感じるんですよね」と振り返ります。

当時は、怖くてひとりでトイレに行けなかったり、なかなか眠れなかったりしたことがあるものの、「さすがに今は、怖くて眠れないということはないですね。逆に怖い話を聞いたほうがテンションが上がって、眠れないとすれば、興奮して眠れない（笑）」と笑いを誘います。

なかには、ものすごく怖い話のときもあり、「やった〜！」と心躍るほどの内容だったときはというと、「さすがに“この話は100円では申し訳ないな”と思って、300円とか500円とかちょっと上乗せして払わせてもらうこともあります」と明かします。

これまで数多くの怪談を買い取ってきた宇津呂さんいわく、霊感の有無はあまり関係ないようで「霊感がなかったとしても、よくよく思い出してみたら、1個だけ不可解な体験があったっていう方がけっこういらっしゃるんですよ。そういう方の体験にかぎって、ものすごく怖いことがある」と言います。

宇津呂さんにとって怪談とは、「人生そのものですね」とキッパリ。「怪談のない人生はもう考えられません。怪談というものに接していると、もう怖い話だけが怪談ではなく、亡くなった人と生きている人間、残された人間をつなぐ絆のようなものだと思うんです。いろいろな怖い話、不思議な体験を聞いていると、死をもってしても人と人とのつながりを断つことはできないんだなと思います」としみじみと語ります。

また、「怪談に触れていると、すごくホッとするんですよね」とも。「亡くなってしまったおばあさんも、存在をすごく身近に感じられますし。あっちの世界に行ってしまった大切な人が見守ってくれているという実感が湧きますから。その実感が湧いたら、今日を生き生きと、楽しく、元気に生きていけると思います」と語りました。

この日、スタジオでは怪談を披露してくれた宇津呂さん。怪談を終えると、宇賀は「怖っ……でも、リアルですね。派手さがない分、本当にありそうというか」と感想を告げると、小山も「（宇津呂さんの）関西弁がリアルさに輪をかけますね」とうなずいていました。

宇津呂さんによるとっておきの怖い話は、ぜひradiko http://www.tfm.co.jp/link.php?id=7728でお聴きください（2022年8月15日（月） AM 4:59 まで聴取可能）。

次回8月14日（日）の放送も、どうぞお楽しみに！

＜番組概要＞
番組名：日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時：毎週日曜 15:00〜15:50
パーソナリティ：小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト：https://www.tfm.co.jp/post/