[8.10 ルヴァン杯準々決勝第2戦 浦和 3-0 名古屋 埼玉]

 無失点でルヴァンカップ準々決勝突破に導いた浦和レッズGK鈴木彩艶だったが、満足した様子はなかった。「攻撃で味方に迷惑をかけてしまったというか、ドタバタ感を作ってしまった。勝って反省できるのでもっともっと練習して対応していきたい」。試合途中にキャプテンマークも託された19歳は、自身の課題を冷静に見つめていた。

 この1週間で3度目となる対戦相手はFWマテウス・カストロ、MF相馬勇紀ら質の高いキッカーを揃える名古屋グランパス。3日のルヴァン杯準々決勝第1戦に続く出場となった鈴木には、前半15分のマテウスのロングシュートを皮切りに鋭い回転のクロスやシュートが襲いかかってきたが、浦和のゴールは最後まで破られることはなかった。

「シュート対応でもいつもと違う落ちたりというボールがあった。難しくはなったけど、慌てずに対応できて良かった」。この日はパンチングで処理する場面が目立っていたが、風やシュートの軌道を考えての判断。「シュートの質、ボールの質もそうだけど、キャッチするのを頭の中に入れた上で、ボールを見極めて弾く判断に変えられたので冷静に対応できた」。あくまでもキャッチングを最優先とした上で、臨機応変な対応でピンチの芽を摘んでいた。

 終盤にはバックパスをキャッチしたことでファウルを取られる想定外も起き、また試合序盤にマテウスに抜け出された場面を筆頭に飛び出し対応で反省点もあったという。それでも「ミスばかりしかしていないけど、自分の中では一つ一つのプレーはミスではない。ミスをしてリカバーできないことがミスだと思っている」と“切り替え”に注力。悪いプレーを引きずらないことに気持ちを向けたことで切り抜けていた。

 そうした姿勢は課題として実感した攻撃面でも同様だった。「全体的に前につけるボールが真ん中に行ってしまったり、風に対応しきれなかったり、不安定なところを出してしまったけど、こういう日なんだなと割り切って、ゼロで抑えることだけを考えていた」。自身の成長を追い求めつつも、試合中は割り切りも必要。そうしたメンタリティーで試合経験を重ねているようだ。

 J1リーグ戦はベテランのGK西川周作がレギュラーを担っているが、この日の勝利によってルヴァン杯でのチャンスは広がった。準決勝は自身が昨季涙をのんだ舞台で、相手も同じC大阪。鈴木は「まだ何も成し遂げていない。去年は準々決勝で劇的な勝利をしたのに(準決勝で)負けてしまっている。次の一戦が決勝に行くために重要」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)