昨季までDeNAで投手としてプレーした笠井崇正さん【写真:球団提供】

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昨季限りで現役引退した笠井崇正氏はDeNAの経理部職員に「興味を持ってました」

 華やかなスポットライトを浴びるプロ野球チームを“お金のプロ”として支えていく――。昨季限りで現役を引退した元DeNA投手の笠井崇正さんは今年1月から球団職員に転身。経理部に配属され、セカンドキャリアのスタートを切った。

「今は社内ツールの使い方や勉強を含め自分が出来ることをやっています。これから少しずつ具体的な経理の仕事に入っていく予定です。経費の精算や申請が正しい手段で出来ているのかなど、まだ想像でしか話せないんですけど」

 社員研修が進むにつれて、本格的に始まる業務を心待ちにしている笠井さん。元プロ野球選手としては異例の“経理マン”転身だったという。

「昨年の夏ぐらいから経理の仕事に興味を持っていました。引退後も野球に関わる仕事をと考えていたんですけど、若いうちに会社員として月曜から金曜まで働いてみたい気持ちがありました。経理は専門的な業務で、未経験者を採用するところが少ない。その中でベイスターズが経理職を募集していたこともありました。もし、チャンスがあるならDeNAで経理をやってみたいと思っていました」

 進学校の旭川西高から早大に一般入試で進学。野球部を2日間で退部して野球サークルで野球の腕を磨いた。「自分でも、その当時にそんな決断をよくしたなと思います」。大学4年時にBCリーグ・信濃でプレーし、2016年に育成ドラフト1位指名を受けた。

 2018年キャンプ前に支配下登録され、2019年に16試合登板して防御率4.03。昨季は開幕1軍入りしたものの、開幕2戦目、3月27日の巨人戦で1回6失点と結果を出せなかった。「大きな実績もなく、20代も後半に。前半戦が勝負になると思っていた」。長く続く2軍生活。ぼんやりと第2の人生を考える中で、引退後の道も定まっていった。元々、家計簿をつけるなど収入・支出の管理に興味があった。

昨夏から隙間時間に簿記の勉強「面白みを感じました」

「いくら持っていれば、暮らせるだろうか、と考えてましたね。家計簿をつける中で興味を持つようになって、昨夏ぐらいから練習の隙間時間に簿記の勉強もちょっとずつするようになりました。そしたら家計簿もうまく付けられるようになって。面白みを感じましたね」

 現役中にセカンドキャリアについて球団関係者と雑談する機会もあった。10月5日に戦力外通告。その席上で球団から「経理部」の道を用意された。

「プロ野球選手としてやれることはやれました。素晴らしい成績は残せなかったですけど、育成から1軍の試合でも投げられて。悔いはないです。今のところは次に切り替えてやることができています」

 12月20日に現役引退を発表。経理マンへの転身が決まった。今は少しプレッシャーも感じているようだ。

「実は僕が経理をやることがこれだけ早く公になるとは思ってなくて。一人前になってから僕が経理に就いたというのを知ってもらえればいいと思っていました。今はプレッシャーというか、ちゃんとやらないといけないなと思っています。勉強して一人前にこなせるように。とりあえずそれだけを考えてやっていこうと思っています」

 プロ野球選手のセカンドキャリアに新たな光を照らす。(小谷真弥 / Masaya Kotani)