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最大の違いは、節税のタイミングとお金を引き出せるかどうか。iDeCoはまさに年金なので一度始めると60歳まで引き出せません。つみたてNISAはいつでも引き出せますが、時間を味方につける投資法なので、基本的には途中の現金化はおすすめしません。節税効果を重視する人はiDeCo、いざというときに現金化して引き出せるようにしておきたいという人はNISAを選ぶといいでしょう。
つみたてNISAを始める場合、まず証券口座を開くところからです。証券口座の中にNISA口座を開く、という形になります。NISA口座は開設すると1年単位でしか金融機関を変更できないので、最初が肝心です。
つい、窓口に人がいて安心だから、という理由で「まずは銀行で」と思いがちですが、おすすめなのはネット証券。この一択と言っても過言ではありません。なぜなら、店舗や窓口がない分、手数料が圧倒的に安いからです。また、店舗型の証券会社や銀行で買えるのは多くても20種類程度ですが、ネット証券の場合は100種類以上の中から選ぶことができます。
ネット証券もいろいろありますが、ずばり初心者には楽天証券がおすすめです。画面操作がわかりやすく、つみたてNISAをしながら楽天ポイントが貯められます。また、証券口座とつみたてNISA口座を同時に申し込めるという点も便利です。パソコンがなくてもスマホから申し込めます。
ネット証券は100種類以上から選べるのが魅力、とお伝えしましたが、とはいえ素人だと「いったいどれを選べばいいの?」と途方にくれてしまうかもしれません。そこで、税理士・大河内薫が個人的におすすめの投資信託をご紹介します。
【おすすめの投資信託】
プランA:過去の運用成績がいいアメリカ株式でいくなら・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)……S&P500に連動していて、手数料が最安!・楽天・全米株式インデックス・ファンド(【 愛称】楽天・バンガード・ファンド 全米株式)……アメリカ主要500社だけではなく、アメリカ株式全体に連動!
プランB:アメリカを含む全世界株式で安定的成長を期待するなら・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)……手数料最安で、日本を含む世界の3000社に投資!・楽天・全世界株式インデックス・ファンド(【 愛称】楽天・ バンガード・ファンド 全世界株式)……日本を含む世界の8000社に投資!
プランC:比較的ローリスクでいくなら(その分ローリターン)・eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)……世界中の株式+債券や不動産にも投資!
(イラスト:『貯金すらまともにできていませんが この先ずっとお金に困らない方法を教えてください!』より)
iDeCoは節税になるので「所得税が高い人におすすめ」とお伝えしました。NISAとの違いは、iDeCoは、「確定拠出年金」というその正式名称どおり「年金」であるということです。老後の年金を自分で増やせる以外にも、事故などで障害を負ってしまったときに障害給付金が受け取れる、死亡した場合遺族に死亡一時金が支払われる、など「保険」的な意味合いを持ちます。
正直なところ、iDeCoでいくら節税ができるのかは職種によっても違います。
ケース1:会社員(年収400万円で税率15%と仮定)の場合掛金が10,000円なら、毎年の節税額は18,000円掛金が上限いっぱいの23,000円なら、毎年の節税額は41,400円
ケース2:公務員(年収700万円で税率30%と仮定)の場合掛金が上限金額の12,000円なら、毎年の節税額は43,200円
ケース3:専業主婦・主夫(年収なし)の場合掛金上限額の23,000円なら、毎年の節税額は0円
このように、収入が多く税率が高い人ほど、節税できる金額が増えていきます。
専業主婦(主夫)の場合は節税にならないのでNISAのほうがいいのかというと必ずしもそうではありません。つみたてNISAの非課税期間は20年なので、もし20年を超えて長期投資をする場合は、iDeCoのほうが受け取りの際にトータルの税金が安くなる可能性があります。
iDeCoは、受け取りの際に「分割」で受け取ると「年金扱い」、「一括」で受け取ると「退職金扱い」になるという仕組みがあります。そして、一括で受け取る場合は「退職所得控除」の制度が適用されます。
退職金と聞くと、フリーランスや専業主婦(主夫)には関係がないと思うかもしれませんが、「iDeCoで貯めたお金をマイ退職金として受け取る」=会社員と同じように「退職所得控除」が適用され、受け取りの際の税金が安くなります。専業主婦やフリーランスの方でも、税制の優遇を受けつつ自分の退職金を自分で用意することができるのです。
退職金制度のある会社に勤める会社員の場合は、会社から支払われる退職金だけで「退職所得控除」の枠を使い切ってしまうので、iDeCoで運用したお金は一括ではなく分割で年金として受け取ったほうがお得、ということもあります。