ペットを「モノではなく生き物である」と明確に規定する法案が
スペインで提出されました。この法案は、
ペットに対する暴行が人間への暴行と同様に罰せられると定めています。
El Congreso respalda la propuesta socialista de protección y bienestar de los animales
https://www.psoe.es/congreso/noticias-congreso/el-congreso-respalda-la-propuesta-socialista-de-proteccion-y-bienestar-de-los-animales/
Spain to give pets the same rights as humans, an animal welfare breakthrough in the home of bullfighting
https://inews.co.uk/news/spain-pets-human-rights-animal-welfare-bullfighting-966630
現地時間2021年4月21日、
スペイン社会労働党に所属するサンドラ・グアイタ議員が動物の福祉と保護に関する法案を新たに提出しました。この法案は
スペイン議会において、圧倒的な賛成を得ているとすでに報じられています。
提出された法律には、「
ペットの飼い主が離婚する場合は、裁判所が
ペットの福祉に関する判断を行う」「捨てられている
ペットを目撃した場合、行方不明の子どもに対する対応と同様に当局へ通報する必要がある」「
ペットをに対する暴行は、人間に対する暴行と同様に罰せられる」といった内容の規定が含まれています。
グアイタ議員は
スペインの家庭の約40%が
ペットを飼っていることに触れながら、「近年、社会全体の動物の感受性に関する理解や、動物保護への関心が深まっています。私たち立法府は、社会が要求する新たなニーズに答える必要があります」と述べ、
ペットの権利を認める法律の必要性を強調しています。
弁護士のローラ・ガルシア氏は、「私たちは、
ペットが家具などのモノと異なり、幸福・悲しみ・痛みを感じる能力を持った生き物であることを認識する必要があります」と、今回成立した法律の意義を主張しています。
なお、ニュースメディアのinewsによると、フランスやドイツ、オーストリア、ポルトガルといったヨーロッパ諸国にも、
ペットの権利を認める法律が存在しているとのこと。
近年、
スペインでは伝統的な闘牛の文化に対して「残酷だ」と非難する声が増加しており、2019年の調査では、
スペイン人の56.4%が闘牛に対して否定的な感情を持っていることが判明しており、動物に対する意識の変化が明らかになっています。