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春はスギ花粉の季節。花粉が鼻に入ると鼻水で、目に入ると涙で洗い流そうとします。このように身体が過剰に反応する状態がアレルギーです。免疫は、人間の身体にとって本来なくてはならない仕組み。免疫反応があるということは、身体にとっては非常に良いことなのですが、これが過剰に発現するとアレルギーとなってしまいます。しかし、なぜ日本ではアレルギーを持つ人が多くなってしまったのでしょうか。
その昔、日本では結核や腸チフスなどの細菌感染症で多くの人が亡くなっていました。発展途上国では現在も同じ状況。しかし、発展した国ではアレルギー反応が多く見られます。つまりアレルギーは、環境の変化とともに起きた過剰な免疫反応なのです。昔は便を調べる寄生虫検査がありましたが、最近では行っていません。さらに抗生物質の発達により、感染症は極めて減少しています。世の中が衛生的になったためアレルギーが増えたとする仮説を「衛生仮説」と呼びます。昔は床に落ちたものでも「フッ」と吹いて食べていましたが、今は捨ててしまいます。世の中が清潔になること自体は大変良いことですが、そのために現代人は生まれつき汚れに慣れていません。成長してから汚れや異物が身体に入って来ると身体がビックリしてしまい、免疫が過剰に働くことでアレルギー症状として現れてしまうのです。
生まれてからの環境は個人差があるため、アレルギー症状も人によって大きく異なります。いま注目を集めているのは、「アレルギーマーチ」と呼ばれる言葉。アレルギーはいろいろな臓器にできるもの。例えばこどもにアトピー性皮膚炎が出て、食物アレルギーが出て、アレルギー性鼻炎が出て、気管支の病気であるぜんそくなどの疾患が出ることがあります。このように、同一の個体において異なる時期にアレルギーが連続的に現れる様子が、あたかも“行進”のようであることから、「アレルギーマーチ」と呼ばれているのです。
アレルギーは明らかに「現代病」であり「国民病」である、と堀口先生。堀口先生の実感としても、アレルギーは年々増加しているといいます。アレルギーはまだまだ未解明の部分が多く、原因や悪化する因子もさまざま。同じ量の花粉を浴びても、花粉症を発症する人、しない人、遅れて発症する人など、それぞれ異なります。アレルギー発症のメカニズムや悪化する因子は少しずつ解明されはじめ、治療も進化してきてはいますが、まだまだ厄介な病気に我々現代人は悩まされているのです。(minto)
多田しげおの気分爽快!!〜朝からP・O・N2021年02月22日07時19分〜抜粋(Radikoタイムフリー)