(画像:『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』公式サイトより)

 映画の公開から1ヶ月をすぎても依然とまらない鬼滅フィーバー。子どもから大人まで幅広い世代をとりこにしていますが、その人気は幼稚園にまで広がり、「鬼滅ごっこ」と称した戦いごっこがはやっているそうです。

 ただ、気がかりなのは、映倫の年齢制限によってPG12に指定されている『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を幼い子どもが観ても問題ないのかです。実際、映画館で泣いてしまう子どもや、おもちゃの包丁で友達の首を斬るマネが増え「鬼滅ごっこ」が禁止になった幼稚園もあると耳に挟みました。

 そこで、PG12に指定されている映画を幼い子どもに観せる場合、保護者はどのようなことに気をつければよいのか。また、残酷なシーンを観て子どもがショックを受けてしまった時のケア方法などについて、「こころと眠りのクリニック成増」院長の澤田法英先生に話を聞きました。

◆映画を観る前に、子どもに確認する

 PG12の「12歳未満の観覧は保護者の助言・指導が必要」とは、具体的にどのような助言や指導を行えばよいのでしょうか。

「PG12といっても程度の差はあるかと思いますが、映画を観る前にどのくらいの残虐性なのか調べて、『こういう怖いシーンがあるけど大丈夫?』と子どもに聞いてあげてください。また、怖いシーンを友達や兄弟で真似しないよう、事前に約束するようにしましょう。

 情緒が不安定な子どもや、喧嘩を繰り返すなど攻撃的な傾向がある子どもに対しては、PG12の映画はまだ早いと考えられます。『もう少し大きくなってから見に行こう』とか、『こっちの映画も面白いらしいよ』など代案を提示しながら伝えてください。ただ通常であれば、あまり問題になることはないのではないかと思います」(コメントは澤田法英先生、以下同)

◆ショックを受けた子どものケア方法

 鬼滅にかぎらず、PG12の映画で残酷なシーンを観てショックを受けてしまった子どもへのケア方法を教えてください。

「怯えていたり、顔色が青ざめていたりするような場合には、具体的にどのシーンが怖かったのか聞いて、まず本人の気持ちを丁寧に確認します。『何があったの? 大丈夫だった?』『お母さんはこのシーンが怖かったから、A君も怖かったんじゃないかなと思う』と聞いてあげてください。

 続いて、子どもの気持ちを受け止めて、不安解消につながる言葉がけを行います。『映画の世界の話だから、現実の世界じゃないから大丈夫だよ』『もしそういう怖い体験をすることがあったら、いつでもお父さんお母さんに話してほしい』『できるだけA君の味方だから』と伝えてあげましょう。

 そして少し気持ちが落ち着いたら、雰囲気を変えるために『公園にでも行こうか』『美味しいものでも食べに行こうか』と楽しい話題に切り替えて、気分を変えていけるように援助していきます。

 親に丁寧に話を聞いてもらって、辛いことがあっても乗り越えていけたという体験を積み重ねていくことは、その子の将来の情動の安定化やメンタルタフネスにつながります。子育てのなかで繰り返しやっていくとよいかなと思います」

◆悪影響を受けやすい家庭環境の特徴

 映画で残酷なシーンを観たからといって、すべての子どもに悪影響を及ぼすわけではありません。ですが、悪影響を受けてしまう子と、受けない子では、「家庭環境に違いがある」と澤田先生は言います。

「悪影響という点でいえば、子どもが反社会的な行動をとるようになる家庭の特徴がいくつかあります。 1つ目は、家庭内でのルールの欠如です。食事や他の活動において一定の決まりごとがなく、子どもがしてもいいこと・してはならないことが明確ではない。家庭内のルールがない家庭では反社会的な行動が多くなると言われています。