光学ドライブのないThinkPad T440s


レノボがインテルの第4世代Core iプロセッサー(Haswell)を搭載したThinkPadを発表した。そこでThinkPad Tシリーズに大きな転換があった。ThinkPad TシリーズはXシリーズに匹敵する可搬性を持ちつつも光学ドライブを搭載する上位モデルという位置づけだったがThinkPad T440sでは光学ドライブを搭載しないモデルが発表された。

このHaswell化したThinkPad としては、今回初めての発表となる。今後は他モデルのHaswell対応が発表されるようだ。従来は搭載があたりまえだったThinkPad Tシリーズの光学ドライブが非搭載となりストレージにSSDを選択するとノースピンドルモデルとなる。これを見ると、これまで紹介してきたように従来のThinkPad各シリーズごとの特徴が大きく変化することになると考えていいだろう。

従来から小型で軽量なノートパソコンには重くなり複雑化する光学ドライブを搭載しないのが一般的だった。たとえばインテルが提唱する小型・軽量のUltrabook対応製品の登場ではスピンドルレスが加速している。

UltrabookでもあえてDVDスーパーマルチやBDといった光学ドライブを搭載し、ライバルに差を付けている製品もあるが、比較的大型の筐体のノートパソコンでも光学ドライブレスは一般的になりつつある。

このドライブレス化を強力に推し進めているのが、アップルでMacBookシリーズはもちろん、デスクトップ製品でも光学ドライブを非搭載にしている。

■光学ドライブがなくても何とかなる時代へ
世界市場を見ると、日本のようにBlu-rayドライブを搭載した製品の人気はあまりなく、DVDスーパーマルチなどが主流だ。まだまだ光学ドライブを搭載するノートのほうが圧倒的に多い。

また、薄型製品に搭載できる超薄型Blu-rayドライブも市場に登場してはいないが、音楽や動画・静止画はネット経由でのやり取りが一般化、データの受け渡しやソフトのインストールもネッ経由トやUSBメモリーが普及しつつある今、薄型のノートパソコンへの光学ドライブ搭載は意味が薄くなってきている。

■オプションでのウルトラベイも排除
古い機器が新しい機器に置き換わるのは、技術の変革時にはよくあることだが、ThinkPadでは光学ドライブがなくなる以上の意味がある。ThinkPadでは光学ドライブがウルトラベイ・エンハンスドという着脱式の拡張ベイに搭載されていル製品があり、この拡張ベイ用に光学ドライブだけでなく、様々な周辺機器が提供されており、対応機器は拡張性が特徴の1つであった。

例えば、ストレージ容量を重視するならHDD用のアダプタ、バッテリー駆動時間なら拡張用のバッテリーなど自分の目的に応じて必要なオプションを選んで装着できるようになっていた。新しいThinkPad T440sでは光学ドライブはもちろん、この拡張ベイを搭載しないので、このような拡張性は望むべくもない。

今後発表される重量や厚みなどにある比較的余裕のある製品では、光学ドライブ搭載モデルも出てくるのだろうが、薄型軽量化はノートパソコンの拡張性とのトレードオフだ。こうした拡張性を失ったとしても、バッテリー駆動時間やストレージの容量などがそれを上回る性能であれば特に問題はない。もし問題があるとしたら最新のThinkPadシリーズは、そうしたものが必要ではない十分な性能になっているかどうかにかかってくる。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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