GoogleがAndroid 15 Beta 1をリリース!Pixel 6以降で利用可能に

Googleは11日(現地時間)、スマートフォン(スマホ)やタブレットなど向けプラットフォーム「Android」の次期バージョン「Android 15(開発コード名:VanillaIceCream)」( https://developer.android.com/about/versions/15 )における一般向けベータ版「Android 15 Beta 1」を公開したとお知らせしています。

すでに同社が展開する「Pixel」ブランドのスマートフォン(スマホ)において「Pixel 6」および「Pixel 6 Pro」以降のスマホやタブレット「Pixel Tablet」にて「Android Beta Program」( https://g.co/androidbeta )からネットワーク経由によるソフトウェア更新(OTA)で導入できるほか、すでにファクトリーイメージやOTAイメージも配信開始されています。

Android 15 Beta 1はビルド番号が「AP31.240322.018」、Androidセキュリティーパッチレベルが「April 2024」、ます。またGoogle Play servicesも「24.11.13」となっているほか、APIレベルもこれまでの「V DP2」から「V Beta 1」となりました。またPixel製品以外でもAndroidエミュレーターでも試せ、エミュレーターではx86(64bit)およびARM(v8-A)がサポートされています。

また同社ではAndroid 15について現地時間(PDT)の2024年5月14日(火)に開催予定の開発者向けイベント「Google I/O 2024」にてより詳細な内容が説明されるということです。なお、Android 15 Betaについてはこれまで通りにPixelスマホ以外の他のメーカーの製品についても今後順次、各メーカーから提供される見込みとなっています。


Android 15は現在の最新バージョンの「Android 14」の次のメジャーアップデートとなる予定のバージョンで、最近の流れである生産性の向上に役立つプラットフォームを構築するための取り組みを継続すると同時に最も多様な製品上で優れたメディア体験を生み出すほか、バッテリーへの影響を最小限に抑え、アプリのパフォーマンスを最大化してスムーズに動作するようにし、利用者のプライバシーやセキュリティーを保護するための新機能を提供するということです。

これにより、Androidを搭載することによってハイエンドなカメラ機能や強力なGPU、鮮やかなディスプレイ、AI処理などのプレミアムなハードウェアをアプリで活用できるようになり、折りたたみ式や反転式などのスマホやタブレットなどの大画面製品の需要は増え続けており、これらの価値の高い製品をより消費者に届ける機会が生まれるようになるとのこと。またAndroidではアプリがAIの最新技術を活用できるようにするためのツールとライブラリーの提供にも取り組んでいるとしています。

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Android 15の正式版のリリースまでのスケジュールはこれまで今年2月に提供開始されたDeveloper Preview 1、3月に提供開始されたDeveloper Preview 2、そして今回の初めてのベータ版となるBeta 1に続いて5月に「Beta 2」、6月に最初の安定版(Platform Stability)となる「Beta 3」、7月以降の今夏に正式版に近い最終テストとなる「Beta 4」以降が提供され、その後にAOSPとエコシステム向けの正式版がリリースされる予定となっています。

今回、案内された新機能は以下の通り。なお、Googleでは四半期ごとに新機能「Feature Drop」を追加しており、Android Beta Programでもプラットフォームリリース(QPR)を実施して年間を通じて拡張機能と新機能を提供し続けていますが、これらのAndroid Developer PreviewやAndroid Beta Programに関するフィードバックはAndroid の継続的な改善に重要な役割を果たすため、Androidをすべての人にとって有用なプラットフォームにするために協力して欲しいとしています。

<エッジツーエッジ>
Android 15をターゲットとするアプリはAndroid 15搭載製品ではデフォルトでエッジツーエッジで表示され、アプリがシステムバーの背後にコンテンツを表示するためにWindow.setDecorFitsSystemWindows(false)またはenableEdgeToEdge()を明示的に呼び出す必要がなくなったことを意味しますが、以前のAndroidでエッジツーエッジ体験を得るにはenableEdgeToEdge()を引き続いて呼び出すことをオススメするということです。

またアプリのエッジツーエッジを支援するためにMaterial 3コンポーザブルの多くがマテリアル仕様に従ってアプリ内でコンポーザブルがどのように配置されるかに基づいてインセットを処理します。システムバーは透明または半透明で、デフォルトではコンテンツが後ろに描画され、タッチできる部分がシステムバーによって隠れないようにする方法については「Handle overlaps using insets」(Views)または「Window insets in Compose」を参照してください。

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左が「Android 14(SDK 34)」をターゲットにしたアプリでエッジツーエッジではなく、右が「Android 15(SDK 35)」をターゲットにしたアプリでエッジツーエッジとなっており、Material 3のTopAppBarはデフォルトで透明になるステータスバーを自動的に保護しています

<よりスムーズなNFC体験(第2弾)>
Android 15ではAndroidの堅牢なNFCを利用したアプリのエコシステムにおけるサポートを継続しながらタップして支払う体験をよりシームレスで信頼性の高いものにするよう取り組んでおり、Android 15のDeveloper Preview 2にて導入された監視モードの変更に加えてBeta 1ではアプリがサポートされている製品に指紋を登録でき、ポーリング ループ アクティビティーの通知を受け取ることができるようになって複数のNFC対応アプリでスムーズな操作が可能になります。

<文字間の位置揃え>
Android 15以降では@JUSTIFICATION_MODE_INTER_CHARACTER」を使って文字間隔においてテキストを両端揃えできるようになりました。単語間の位置揃えはAndroid 8.0(開発コード名:Oreo)で初めて導入されましたが、今回の両端揃えによって文字間隔の問題は中国語や日本語などのセグメンテーションに空白を使用する言語でも解決されます。

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<アプリのアーカイブ>
AndroidとGoogle Playでは昨年にアプリのアーカイブのサポートを発表しました。これにより、利用者はGoogle PlayのAndroid App Bundleを使って公開された使用頻度の低いアプリを製品から部分的に削除してストレージを解放できるようになりました。さらにAndroid 15にはアプリのアーカイブとアーカイブ解除に対するOSレベルのサポートが含まれるようになり、すべてのアプリストアでの実装が容易になります。

また「REQUEST_DELETE_PACKAGES」権限を持つアプリはパッケージインストラーの「requestArchive」メソッドを呼び出して現在インストールされているアプリのパッケージをアーカイブするように要求できます。これにより、APKとキャッシュファイルは削除されますが、ユーザーデータは保持され、アーカイブされたアプリは「LauncherApps API」を通じて表示可能なアプリとして返されます。

さらに利用者にはそれらのアプリがアーカイブされていることを強調するユーザーインターフェース(UI)処理が表示されま、アーカイブされたアプリをタップすると、責任のあるインストーラーはそのアプリをアーカイブ解除するリクエストを受け取り、復元プロセスは「ACTION_PACKAGE_ADDED」ブロードキャストによって監視できます。

<アプリ管理のプロファイリング>
Android 15 には、アプリ内からプロファイリング情報を収集できるまったく新しいProfilingManagerクラスが含まれています。プロファイリング リクエストの構築を簡素化する Android Jetpack API でこれをラップする予定ですが、コア API ではヒープ ダンプ、ヒープ プロファイル、スタック サンプリングなどの収集が可能になります。指定されたタグを使用してアプリにコールバックを提供し、出力ファイルを識別します。出力ファイルはアプリのファイル ディレクトリに配信されます。 API はパフォーマンスへの影響を最小限に抑えるためにレート制限を行います。

<点字の改善>
Android 15ではTalkBackがUSBとセキュアなBluetoothの両方でHID標準入力デバイスを使用する点字ディスプレイをサポートできるようになりました。この標準入力デバイスはマウスやキーボードで使用されているものとよく似ており、Androidが将来的により広範囲の点字ディスプレイをサポートするのに役立ちます。

<エンドツーエンド暗号化のための鍵管理>
Android 15では「E2eeContactKeysManager」が導入され、暗号化公開キーを保存するためのOSレベルのAPIを提供することによってAndroid向けアプリでのエンドツーエンド暗号化(E2EE)を容易にします。またE2eeContactKeysManagerはプラットフォームの連絡先アプリと統合して利用者が連絡先の公開キーを一元的に管理および検証できるように設計されています。

<安全なバックグラウンドアクティビティーの起動>
Android 15では悪意のあるバックグラウンドアプリが他のアプリをフォアグラウンドに移動させたり、権限を昇格させたり、ユーザーインタラクションを悪用したりするのを防ぐための追加の変更が加えられ、悪意のあるアプリから利用者を保護してAndroid搭載製品をより詳細に制御できるようにすることを目的としています。なお、Android 10以降ではバックグラウンド アクティビティーの起動が制限されています。



記事執筆:memn0ck


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