気になるポイントだらけの新フラグシップスマホ「AQUOS R6」を使って気が付いたアレコレをチェック!

シャープのフラグシップスマートフォン(スマホ)「AQUOS R」シリーズの新製品として「AQUOS R6」がNTTドコモから「AQUOS R6 SH-51B」が、ソフトバンクから「AQUOS R6(型番:A101SH)」が6月26日に発売されました。

AQUOS R6はカメラ用の1インチのセンサーという高価格帯のコンパクトデジタルカメラ級の大型センサーを搭載し、メインとなるリアカメラのレンズにカメラメーカー「Leica(ライカ)」と協業で開発した7重構成のズミクロンレンズを搭載した「カメラ機能に大きく特徴を振ったスマートフォン」となっています。

そしてカメラ機能全体としてもLeicaが画質を監修しており、スマホカメラとしてはかなり特徴的なものとなっています。一方で、AQUOS R6はスマホとしてのスペックも文句なしのハイエンドモデルとなっており、カメラ以外の部分でも非常に快適な動作が可能となっています。

筆者も発売早々に購入し、前回は開封レポートをお送りしましたが、本記事では本機を実際に1ヶ月以上に渡って使ってきて気が付いた点(良かった点も気になった点も合わせて)を紹介していこうと思います。なお、今回のレビューは筆者が自腹で購入したNTTドコモのAQUOS R SH-51Bを使用してのものとなります。

【AQUOS R6を使っていて思ったさまざまな点】

・高い基本性能となめらかハイスピードでゲームアプリが捗る!

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AQUOS R6はチップセット(SoC)にQualcomm製の5Gに対応したハイエンド向け「Snapdragon 888 5G Mobile Platform(型番:SM8350)」を採用し、内蔵メモリー(RAM)は12GBと文句なしのハイスペック構成となっています。

また画面解像度が先代モデルのAQUOS R5GのQHD+(1440×3168ドット)と比べて若干抑えめのWUXGA+(1260×2730×ドット)となっている点もゲーム動作の負荷を軽減させており、さらに快適な動作に一役買っています。

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静止画ではわかりませんが、実機にてアイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ、アイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズ、アイ・アム・マジカミを試してみたところ、非常に軽快かつなめらかに動作していました

ただし、ひとつ難点もあり、それは本機の画面がエッジディスプレイとなっているため、ゲームアプリによっては不都合が生じる可能性があります(エッジディスプレイに関しては後述)。

・5G対応のフラグシップスマホとしては比較的安価
AQUOS R6の本体価格はNTTドコモ版のAQUOS R6 SH-51Bの公式Webストア「ドコモオンラインショップ」での本体価格は115,632円(金額はすべて税込)とNTTドコモ向けの2021年春~夏発売のフラグシップモデルと比べると比較的買いやすい価格となっています。

例えば、参考として「Galaxy S21 Ultra 5G SC-52B」は151,272円、「Xperia 1 III SO-51B」で154,440円となっており、これらの両機種は5Gのミリ波にも対応しているものの、ミリ波が必要ないという場合にはAQUOS R6はかなり安価と言えるでしょう。もちろん、それぞれの製品には異なる特徴と長所があるので、値段だけですべてを決められるものでもありませんが、筆者はそれでもこの価格差は割と無視できないと思います。

なお、ソフトバンク版のAQUOS R6も公式Webストア「ソフトバンクオンラインショップ」での本体価格はNTTドコモ版よりも高い133,920円ですが、こちらも同じくSoftBank版の「Xperia 1 III(型番:A101SO)」が188,640円となっているため、5万円以上の価格差があります。

なお、筆者としてはSoftBank版なら187,920円とXperia 1 IIIと同じくらいに高くなりますが、SoftBank限定で販売されているLeica初のスマホ「[[Leitz Phone 1]]」も捨てがたいと思っており、価格が高くても良いのならAQUOS R6ではなく、Leitz Phone 1を選んでいたかもしれません。

・ディスプレイのアピール力が桁違い

AQUOS R6はこれまでのAQUOS Rシリーズの液晶のPro液晶IGZOから有機ELのPro IGZO OLEDとなり、さらにくっきりとした画面でコンテンツを楽しむことができます。なめらかハイスピード機能との組み合わせで動画視聴なども、さらに没入感の高いものになるでしょう。

一方、前述通りにディスプレイの難点としては両端が曲面になったエッジディスプレイであるため、一部のアプリにおいて誤操作(誤タッチ)の原因となったり、画像や動画を閲覧する際に両端(横向き時なら上下の淵)の部分に歪みが発生してしまっています。

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ここが筆者が個人的に本機の一番気になった部分です


・いろんな意味で尖っているカメラ機能

AQUOS R6の最大のアピールポイントとなるのはLeica協業で開発された1インチセンサーと7枚構成ズミクロンレンズによるリアカメラなのは言うまでもありません。しかしながら、姉妹機のLeitz Phone1もなのですが、AQUOS R6のカメラはこれまでのスマホ搭載カメラとは作法やカメラとしての振る舞いが異なるものとなっており、どちらかというと「しっかり腰を据えてじっくり撮る」ことで、驚くほど美麗な写真が撮影できる一方で、気軽にバチバチと撮るにはやや不向きなものとなっています。

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一言でいえば「とてつもない底力を持つが極めてピーキーなカメラ」

AQUOS R6のカメラの感覚はスマホカメラというよりも「ハイエンドのコンパクトデジカメ」に近いものがあります。あくまでも「近い」であり、そのものでは決してありませんが……。筆者は前モデルのAQUOS R5からの機種変更で購入したのですが、最初はカメラ機能のあまりの変貌ぶりに戸惑いました。例えば、被写体へ近寄って撮影すると「被写体から離れるよう注意が出たり……」といった具合です。

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AQUOS R6でマクロ写真撮影のような被写体に近い写真を撮る場合は少し離れてズームして撮るのがコツです

以下に、AQUOS R6にて撮影した写真の作例をいくつか掲載します。これらの画像はオート設定のみ(モノクロ写真はマニュアルモードで色合いの設定を0にして他の項目はオート設定)で撮影し、リサイズのみ行ったものです。

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手軽さの面では同世代のスマホカメラと比べるとちょっと劣るが、モノクロ撮影を含めてビックリするほどきれいな写真が撮れます

一方で、前モデルのAQUOS R5Gでは可能だった8K動画録画機能はなくなっています。8Kの動画は数分でも1GB以上のファイルサイズになることもあってか、多用する人はあまりいなかったと思いますが、個人的にはちょっと残念です。

8K解像度の動画を再生できる環境が一般的に広まっているかどうか、ではなくこれまでできたことができなくなっているというのが気になった点のひとつでもあります。ちなみに8K動画撮影ができなくなったフォローとして4Kで撮影した動画を8Kへアップコンバートする機能を利用することが可能です。

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動画のアップコンバートの方法はカメラアプリからアルバムを開いてから、「編集」→「その他」で項目が現れます


【まとめ:カメラ機能が本当に生まれ変わった「カメラに攻めてるスマホ」】

AQUOS R6を購入してからしばらく使ってきましたが、筆者としては「刷新されて、文字通り生まれ変わったカメラ機能が賛否あるかもしれない。けど、ハマると写真を撮るという行動そのものがとっても楽しくなるスマホ」ではないかな……というのが筆者の印象です。

1インチというスマホに搭載するものとしては極めて異例な大きさのイメージセンサーと新開発の7層レンズという強力なハードウェア筐体内に無事に納めることができましたが、フォーカスの合わせがちょっと遅かったり、マニュアルモードでないとモノクロ撮影ができないなど、まだシャープは完全に扱いきれてないのかな、と感じることもあります。

ですが、それを差し引いても色々と設定をいじって写真を撮ってみることが楽しく、筆者は「本機で写真を撮るためだけに出かけたくなる」という買って良かったスマホだと思いました。その一方で、高い基本スペックやスムーズな描画によるディスプレイも非常に好印象で、ゲームアプリや動画などのコンテンツ試聴にもぬかりはありません。

前モデルのAQUOS R5Gまでのバランスの取れた多くの人に勧めやすい優等生なスマホではなく、新たに「カメラ機能一点突破のために尖りまくったコンセプトで生まれた個性的な1台」に生まれ変わったスマホではないでしょうか。気になったなら是非、手に取ってみて欲しいと思います。ハマるとすっかり惚れこんでしまいますよ!

【docomo AQUOS R6 SH-51Bの主な仕様】
機種名AQUOS R6 SH-51B
サイズ[高さ×幅×厚さ/㎜]約162×74×9.5mm
質量[g](電池含む)約207g
OSAndroid 11
ディスプレイ[サイズ、解像度(横×縦)、方式]約6.6インチPro IGZO OLED
WUXGA+(1260×2730ドット)
HDR表示
SoCSnapdragon 888 5G Mobile Platform
CPUオクタコアCPU
(2.8GHz×1+2.4GHz×3+1.8GHz×4)
内蔵メモリー(RAM)12GB
内蔵ストレージ128GB
外部ストレージ(最大対応容量)microSDXC(1TB)
リアカメラ[有効画素数/F値]約2020万画素CMOS(F1.9、広角・超広角レンズ)
フロントカメラ[有効画素数/F値]約1260万画素CMOS(F2.3、広角レンズ)
バッテリー容量5000mAh(内蔵電池)
連続待受時間(静止時)[4G(LTE)]約420時間
連続通話時間(LTE)[VoLTE/VoLTE(HD+)/VoLTEビデオコール]約1940分/約1850分/ー
接続端子USB Type-C
ワイヤレス充電(Qi)
5G通信速度(受信時/送信時の最大速度)4.1Gbps/218Mbps
4G(LTE)通信速度(受信時/送信時の最大速度)1.7Gbps/131.3Mbps
VoLTE/VoLTE(HD+)○/○
WORLD WING[対応ネットワ−ク:LTE/3G/GSM]○/○/○
テザリング同時接続数[Wi-Fi/Bluetooth/USB]10台/1台/4台
Bluetooth○(5.2)
防水・防塵○/○
ワンセグ/フルセグー/ー
おサイフケータイ[FeliCa/NFC(FeliCa搭載)]−/○
生体認証○(指紋、顔)
ハイレゾ
スグ電
SIMカードnanoUIM
本体カラーブラック、ホワイト
メーカーシャープ




記事執筆:河童丸


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