写真はEricssonがLTE-Advanced TDDでCAのデモを行った時のもの

ソフトバンクモバイルは29日、モバイルブロードバンドでのさらなる快適な通信環境の検証を目的とし、東京都内の銀座および池袋周辺において、3.4〜3.6GHz帯を利用した「LTE-Advanced TDD」の実証実験を行っており、今回「GTI Ad Hoc Seminar」においてバスを使った走行時のLTE-Advanced TDDのデモンストレーションを実施したと発表しています。

なお、実証実験にあたり、2013年7月22日および7月30日、8月21日の3日間に渡り、総務省関東総合通信局より実験試験局の本免許を取得(3.4〜3.6GHz帯で周波数帯域幅80MHz)しており、2014年12月末まで評価を継続する予定とのことです。

LTE-Advanced TDDは、第4世代移動通信システム「IMT-Advanced」の無線インタフェース技術の一つとしてITUに承認された「LTE-Advanced」のTDD(時分割複信)方式です。

ソフトバンクモバイルでは、グループ傘下のWireless City PlannningがTD-LTE互換の「AXGP」を構築・運営しており、AXGPの拡張としてLTE-Advanced TDDの要素を取り入れることが考えられます。

第4世代移動通信システムは、従来技術より広い周波数帯域幅を使うことで、下り最大1Gbpsの通信速度を実現できるシステムで、周波数利用効率のさらなる向上のため、キャリア・アグリゲーション(CA)や高度化MIMO、HetNet(ヘテロジニアス・ネットワーク)、CoMPなどの高度技術が導入されます。

特に、今回利用した3.4〜3.6GHz帯(3480~3560MHz)は高い周波数帯域であるため、スマートフォンや携帯デバイスで安定した通信サービスを提供できるのか、モバイルブロードバンドはさらに高い周波数でも発展していくのか、今回の東京都心における実証実験の成否に関心が高まっています。

また、3.4〜3.6GHz帯は世界の4割以上の事業者が40MHz以上の割当が可能となっており、TDD方式の世界的な共通周波数として注目されています。

ソフトバンクモバイルの発案と準備により、8月27日と28日に東京都港区で開催したGTI Ad Hoc Seminarには、世界のモバイルブロードバンドの進展に寄与すべく、18カ国・約150名にのぼる各国の政府系機関や通信事業者、ベンダー等の関係者などが参加したとのこと。

2日目の8月28日には、ソフトバンクモバイルがバスを使った走行時のデモンストレーションを実施し、3.4〜3.6GHz帯の実用化を見据えた都心部での伝搬特性、スループットを含めたパフォーマンス評価実験の様子を公開したということです。目標値としては、1Gbpsとなっていますが、今回のデモンストレーションでは700~800Mbpsで通信が行えた模様。

◯デモンストレーションの概要
実施日:2013年8月28日
システム:LTE-Advanced TDD
エリア:東京都内の銀座および池袋周辺の2カ所
周波数:3480-3560MHz(80MHz幅)
基地局数:銀座周辺6局、池袋周辺3局
実験概要:キャリア・アグリゲーション、高度化MIMO(4x4)、CoMP等の高度技術の評価、ミニセル展開によるグランドフロアカバーやモビリティ性能の評価など

記事執筆:memn0ck


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3.4-3.6GHz帯を用いた高速通信のデモンストレーションを実施 | ソフトバンクモバイル株式会社
2013 GTI Ad Hoc Seminar in Tokyo
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