Come down, O Love divine,
seek thou this soul of mine,
and visit it with thine own ardour glowing;
O Comforter, draw near,
within my heart appear,
and kindle it, thy holy flame bestowing.
降り来たれ、神々しき愛よ
わが魂はあなたを探し求め、
あなたゆえの火照るばかりの熱情でもって訪ねます。
おお慰め主よ、近くにお寄りください
わたしの心のうちに現れいで
あなたの聖なる炎を燃え上がらせてください。
O let it freely burn,
till earthly passions turn
to dust and ashes in its heat consuming;
and let thy glorious light
shine ever on my sight,
and clothe me round, the while my path illuming.
惜しみなく焼き尽くしてください、
世俗の煩悩が
塵と灰となって燃え尽きるまで。
そしてあなたの輝かしい栄光を
わたしの視界いっぱいに輝かせて、
わたしの全身を包み、行く手を照らしてください。
Let holy charity
mine outward vesture be,
and lowliness become mine inner clothing:
true lowliness of heart,
which takes the humbler part,
and o'er its own shortcomings weeps with loathing.
聖なる愛を
わたしの外套としてまとわせてください、
そして謙遜を下着としてください。
心からの謙遜は
へりくだる人に肩を貸し*1
そして自らの弱さゆえの嘆きを受けとめます。
And so the yearning strong,
with which the soul will long,
shall far outpass the power of human telling;
for none can guess its grace,
till he become the place
wherein the Holy Spirit makes his dwelling.
Amen.
かくも慕わしく、
魂が憧れてやまないそれは、
語ろうにもあまりに人智を超えたもの。*2
そのみ恵みは何者にも推し量れない、
その身を
聖霊がみ住まいとしてくださるまでは。
アーメン。
*1 take one's partで、「役目を果たす」または「味方する」の意。
*2 outpassという言葉はジーニアスとリーダーズにはないが、ウィキショナリーにはあった。outpaceとほぼ同じ意味。
text: イタリアの神秘家詩人Bianco da Siena (シエナのビアンコ 1350? -1399?)の詩《Discendi, amor santo》をイギリス系アイルランド人の聖職者Richard Frederick Littledale (1833-1890)が英訳したもの
tune: William Henry Harris (1883-1973)
ペンテコステ(聖霊降臨節)に歌われる聖歌。イエスが復活し、昇天した後、ユダヤの祭日のために使徒たちが集まっていると、聖霊が降り異国の言葉が話せるようになった。この日からキリスト教の伝道が始まったことを記念する。
聖霊はキリスト教におけるの神の三つの位相のうちのひとつ。神から遣わされる力であり、神そのものでもある。鳩、燃え盛る炎、神の息、風などで表現される。
15~16世紀の写本『The Vaux Passional 』より『聖霊降臨節に鳩として降る聖霊』
NORTH PETHERTON
収録アルバム:In Tune With Heaven
おまけ:この歌詞を持つ聖歌はヴォーン=ウィリアムズによるメロディ(チューンネームは《Down Ampney(ダウン・アンプニー)》)の方が良く知られている。ヴォーン=ウィリアムズの遺灰がウェストミンスター寺院の一角に埋葬される際に奉唱された聖歌でもある。