,-、　　　　　　　　　 　 　 _
　　　　　　　　 | r、、　　　　　　　　　 ／ l
　　　　　　　　 l ｌ::::.、 、　　　 　 　 ／.:: /
　　　　　　　　 | l::::::::、 }r -‐-、 ／ .::: /
　　　　　　　　 ヾ 、:::i /lト ---'|/ .:::::./
　　　　　　　　　　', V/::」＝=＝l ::: ／
　　　　　　　　　　 >　 ゝ‐----' '<
　　　　　　　　　 /　　 　　 　 　 　、　　　　─── 第十二話を始める前に、
　　　　　　　　　,'　 　ノ　　 　 ＼_ ;
　　　　　　　　 ≧　　　●　　　 ●≦　　　今話より、こちら側（解説）にもう一人
　　　　　　　　　＼⊂⊃（__人._）⊂ﾉ
　　　　　　　　　　 ＞　　＿＿　l⌒ヽ　　　 加わって頂くことにしました。
　　　　　　　　　/:::::::::::::::::l＞＜l ::ｉ 　 ｉ
　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::＼／:::::::l　　|

　　　　　　　　 ,-、　　　　　　　　　 　 　 _
　　　　　　　　 | r、、　　　　　　　　　 ／ l
　　　　　　　　 l ｌ::::.、 、　　　 　 　 ／.:: /
　　　　　　　　 | l::::::::、 }r -‐-、 ／ .::: /
　　　　　　　　 ヾ 、:::i /lト ---'|/ .:::::./
　　　　　　　　　　', V/::」＝=＝l ::: ／
　　　　　　　　　　 >　 ゝ‐----' '<
　　　　　　　　　 /　　ノ　　 　 ＼_、
　　　　　　　　　,'　 　　●　　　● ;　　　　　　　 紹介します！
　　　　　　　　 ≧⊂⊃　（__人._）≦
　　　　　　　 i⌒＼ 　 　　（_.ノ　　 ﾉ_／⌒)　　　『ローゼンメイデン』より、金糸雀さんです！
　　　　　　　　_　　 ＞　　＿＿　イ::ヽ ／
　　　　　　　　∧__,ﾍ}:::::::::l＞＜l :::::::::::ﾉ
　　　　　　　　ヾ_:::ッﾘ ::::::::＼／::::::::>''´







　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　_,　-―‐,r_j_ｬ、
　 　 　 　 　　　　　　　　,〈｀ヽ、 　 ｛l´　ヽiﾕｉｭ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　,＼ ｀ ｰ- r―:薔:､ﾂ
　 　 　 　 　 　 　 　 　,　 /　 ｀`ｰ ､__ゞ´、>ｲﾍ　
　 　 　 　 　 　 　 　　 ! ｲ ー-､　 　 , -ー'くヽ !　 　 　
　 　 　 　 　 　 　 　 　', l　ｨぅ:ﾐ 　 　 ｨぅ:ﾐ　ﾊＶ　 　よろしくかしら～
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ゞ　ゞ=″.::!　 ゞ=" ﾑﾂ　
　 　 　 　 　 　 　 　 ／｛ﾊ　 　 T⌒T　 　 ﾊｿ＼　 　　　/ 　,
　 　 　 　 　 　 　 　 l＿- ゝ､ 　ヽ..ノ　　ィ¨ｰ__,ﾉ-､　 　/ ／
　 　 　 　 　 　 　 　 　!, -=､/＞:.二.:＜lz―-ｲ　、 i_／ /
　 　 　 　 　 　　,　-‐'´L＿ｿ 〈／¨＼〉く, ＝く　　ヽ
　 　 　 　 　 　 /.　 　 く＿｣ : : / c ヽ: :l|iー'７　 ,　 , -ー‐､
　 　 　 　 　 　 ｌ i　 　 　Ｌ.ノ!: :|: :c: :|: :ｌ|｀ヽ.」 '´　 /　 　 　｀丶､
　 　 　 　 　 　　〉　‐　＿ト 弋:_:_c_:_:_ノ ￣ｒ---‐'′　 　 　 　 　｀ ' ｰ-
　 　 　 　 　　／　 ／´　｣　 　／Ｔ＼　 　-Ｌ_
　 　 　　r‐ '´ ｰ､l/　　／‐'　　　 ｣!　　　　　　｀ヽ
　 　 　　! 　 　 　 | ／　 　 　 　/｣_＼　 　 　 　 　＼
　 　 　 ｜ 　 　 ／　 　 　 　 ／ﾉ: :ゝ ヽ　 　 　 　 　 ヽ

　　　　　　　　 ,-、　　　　　　　　　 　 　 _
　　　　　　　　 | r、、　　　　　　　　　 ／ l
　　　　　　　　 l ｌ::::.、 、　　　 　 　 ／.:: /
　　　　　　　　 | l::::::::、 }r -‐-、 ／ .::: /
　　　　　　　　 ヾ 、:::i /lト ---'|/ .:::::./
　　　　　　　　　　', V/::」＝=＝l ::: ／
　　　　　　　　　　 >　 ゝ‐----' '<
　　　　　　　　　 /　　 　　 　 　 　、
　　　　　　　　　,'　 　ノ　　 　 ＼_ ;
　　　　　　　　 ≧　　　●　　　 ●≦　　 金糸雀さんには、第四話にてルイス・コンパニス役として
　　　　　　　　　＼⊂⊃（__人._）⊂ﾉ
　　　　　　　　　　 ＞　　＿＿　l⌒ヽ　　 登場して頂きましたが、出番はそれっきり…
　　　　　　　　　/:::::::::::::::::l＞＜l ::ｉ 　 ｉ
　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::＼／:::::::l　　|





　　　　　　　 〃⌒　,､
　　　　　　　 !ｉ　　 ,l　｀ヽく⌒ヽー-- .､
　　　　 　 　 {ゝ.__/＼. 　 ＼ ヽヽ. ,.- ､＼
　　　　 　 　 ｀ｰ'〈　 ,/`ー ､ ＼　 {l　>-､ﾊ
.　　　　　　 　 　 ﾊ /　　　　`ー ､{l /ｒ〈l} .}　　　 せっかくＡＡも豊富にあるのに、それじゃもったいないかしら。
　　　　　 　 　 　 〉 i　＿,.　 　 '⌒ヾ::|'1| /
　　　　　　　　 　 ヽl,.､＿,.　 　 ィｆ｀ﾐ 7└'ヽ　　　それに解説は二人いた方がいろいろとやり易いことに
　　　　　　　　　 ／ !｀￣　. 　 弋リ ﾄ/)　└,
　　　　　　　　　/Yi .>､ ∩ｰｰ　 ,.イヾﾄ､ //〉､　　>>1が今さら気がついたみたいかしら。
　　　　 　 　 　 〉.ゝﾆ=' .| l>､‐ ﾊ､__ﾉﾉ　＼/_/
　　 　 　 　 　 〈　〈　 　 !　´.>　{｀~´　　 :　　 ｀￣｀ヽ
　　　　　 　 　 'ｧ-,rL　ｒ,|/ヽ-ｧ､_ゝ-　　ﾃｰ- ､ 　 　 |
　　　　　　　　（ （ 　 ', ヾ´￣ﾞヾｿ　　　　＼／　　 　 !
　　　　　　　　　｀ﾞ.　　', |　 　 /ﾊ　　 　 ＜l:i　 　 　 .|
　　 　 　 　 　 　 　 　 | !　　/ / 〉、　　　ﾚiゞ､ ＿__,ﾉヽ
　　 　 　 　 　 　 　 　 ゝ _ノ / 〈_,.ﾍ　　　｀＾V_､￣´ﾊ　ヽ.
　　　　　 　 　 　 　 　 ／人ﾉ　　 <´＼　　　　 ヽl∨ﾞ 　 ﾊ

　 　l　 　/ ／ 　 　 ＼＿＿＿辷＼ l＿,l:::::〉'l
　 　l 　 i／　 　 　 　 　　　 　 　く厶＿ｿV　l
　　｜　:|　 - ―- ､　 　 　　,　-―　- ＼ヽＶ
　 　∨ .:l　 ､. ┴ ､丶　 　 　 /,. ┴ 、 　|ヽV
　　　V‐､!　/ｔｰぃ::i 　 　 　　　ｔ‐ぃ:::ｉY　lｰY
　　／!´ハ　弋ｔ:::ノ　　　　　　弋ｔ:::ノ 　 l￣ﾒ､
　 /　ヽ くﾊ　,､,､,､　 　 ::i} 　 　 ,､,､,､　 ﾊ／　|
　 ! _, --- ﾊ　 　 　　､ _ .. _ , 　 　 　 /ー-､ /
／＼＿／　 ＼　　　　　ｰ 　 　 　 ／.＿_／＼ ＿　 というわけで、今後よろしくかしら！
ヽ 　 　 ＿　 　 　ト　、　　　　ィ ´ゝ-- ､- ､ 　 ＼
　 lz:'´二三＞‐ '′｜＞‐＜　|　 ｒ‐┴‐-､ヽ.＿／
￣/´　 　 　｀ヽ　／:::::::/ｰヽ::::::＼l 　 　 　 ｀ヽ
　└――-､　 / ＼:::／| 　 |＼:／ゝ､z=＝…┘
　 　　　／｀ ソ　 　 /::::| Ｃ |::::ヽ 　「 　 ￣｀ヽ



　　　　　　　　 ,-、　　　　　　　　　 　 　 _
　　　　　　　　 | r、、　　　　　　　　　 ／ l
　　　　　　　　 l ｌ::::.、 、　　　 　 　 ／.:: /
　　　　　　　　 | l::::::::、 }r -‐-、 ／ .::: /
　　　　　　　　 ヾ 、:::i /lト ---'|/ .:::::./
　　　　　　　　　　', V/::」＝=＝l ::: ／
　　　　　　　　　　 >　 ゝ‐----' '<
　　　　　　　　　 /　　ノ　　 　 ＼_、
　　　　　　　　　,'　 　　●　　　● ;
　　　　　　　　 ≧⊂⊃　（__人._）≦　　　　　 では紹介も済んだところで、さっそく本編を始めましょう。
　　　　　　　 i⌒＼ 　 　　（_.ノ　　 ﾉ_／⌒)
　　　　　　　　_　　 ＞　　＿＿　イ::ヽ ／
　　　　　　　　∧__,ﾍ}:::::::::l＞＜l :::::::::::ﾉ
　　　　　　　　ヾ_:::ッﾘ ::::::::＼／::::::::>''´

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やる夫がイスパニアの独裁者になるようです



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第十二話　ファランヘ党の掌握






.

　　　　　　　　　　　　ﾞｉ:::.ﾞｉ　ﾞｉ　　　　!　!::::::.,'
　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ:::ﾞｉ　ﾞｉ　　　|　|:::::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::.ﾞｉ　ﾞｉ＿|　|:::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::ﾞｉ.　V _ 1!,r'
　　　　　　　　　　　　　　　ﾝＪ 　(,___ 」,'
　　　　　　　　　　　　　,r'´ 　　　　　V ｀゛
　　　　　　　　　　　,r'　　　　　　' ,　!
　　　　　　　　　　 ﾐ 　 　 　　　ｨ、'　!
　　　　　 　 　 　 ' ┼‐- 　.,　　゛` 　,'
　　 　 　 　 　 　 '' 十‐- 　.,｀ィ 　 　ﾞｉ　　　　やる夫は1937年3月、グアダハラ作戦の失敗をうけて
　　　　　　　　　　　､　 .,　　 ｀!､　 　 〉
　　　　　　　　　'´::::::::::::::: ﾄ、　　_ﾝｰ`　　　　マドリード攻略作戦をひとまず断念し、その代案を考えます。
　　　　　　 ,. '´--､:::::::ヽ:::ﾒ'´`iT〈 ,ｨｼ´
　　　　 　 /::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::ヽﾉ、 ヾ
　　　　　 ﾊ、:::＿::::::ﾞ';::::::::ヽ::::ヾ! i ',
　　　　 ,/:::::＿::::,-::::::',::::::::::l__;vﾍl　',
　　　　/::::::::::::::::::::::::::::}::::::::::｀ヽ、:ヽ ',
　　 ／､:::::ニニ二二ﾌ::::::::::::::::::::ヽ::', l
.　 /::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::ヽlj
　/:::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ll

　　　　　　　　　　　　　 　 ＿
　　　　　　　　　　　　 , ´　_ノ　ヽ
　　　　　　　　　 　 　 | 　（ ー ●）
　　　　　　　　　 　 　 |　　（__人_）　　マドリード周辺は共和国がいまだ有利だ。
　　　　　　　　　 　 　 |　,!｀i　,. -っ
　　　　　　　　　　　　 !　!　＇　了　　決定的攻勢をかけるには十分な兵力を動員できないだろ。
　　　　　　　　　　_,.ィ'{｀.ﾉ　　 ,-´ー- -､
　　　　　 　_,.-‐'´:::/::/｀ヽ､ ./:::＼::::::::::::ｌ
　　　　　/´:::::::::::::く::/..::::::::::::::7::::´::::::::::::::〉
　　　 　/ :::::＼::::::::/.::::::::::.::／.:::::::::::::::/.:/
　　　　 ヽ､:::...ゞ::i:/...::::::. イ/::::::::::::::::/:::｀7
　　　　　　ｿ.::::::｀i〉::::..::/,.:´::::::::::::::ノ::::::::: l
　　　　　　 ＼::.:::::::::.:.::ﾚ::::o::::::::::::{ﾍ:::::::::: ｉ

　　　　　　　　　　　ファン・ヤグエ



　　　 ／￣￣￣＼
　　／　　　　　　　 ＼
　/　　　 ─　　　─　ヽ
　|　　　 （●） 　（●）　|　　　ふむ。
　＼　　∩（__人/777／
　／　　（丶＿//// ＼

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　_ノ　ヽ､_.＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　これを改善する唯一の方法は、最初に弱い地区を粉砕した後、
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　 そこに投入した兵力をマドリード攻撃に投入することだお。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　　　　　　　　　　 ___,ｫ冖'+............-,,,,_
　　　　　　　　　　　　　　　./"￣●ｱｽﾄｩﾘｱｽ　　＾ﾞ''''''●ｻﾝﾀﾝﾃﾞﾙ""`ｰ冖-‐'‐ｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　!ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　●ﾋﾞﾙﾊﾞｵ　　　　　　....+-....
　　　　　　　　　　　　　　　　├__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　冖宀‐"lｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　￣└--－┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__ｨ廴,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_フ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __ノ"￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ''"´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　亅　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｨﾚ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l! 　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ’　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..ノ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　 _--/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└ﾍ_　　　　　　　　　　　　　　l'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　,..---..--..-‐/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ_　 ノ'￣
　　 ..､　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　ﾞ'''"



..　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　―　　-＼
.　　.　／　 （●） 　（●）　　　　となれば…
　　／　　　　 （__人__）　＼
　　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　孤立している共和国北部領域 ───アストゥリアス地方、
.　　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　　ノ　　　　　　　　　＼　　　サンタンデル、ビルバオを攻略するのがベストだお。
　／´　 　　　　　　　　　　ヽ

共和国北部領域攻略作戦 ───「北方作戦」は、3月31日、まずビルバオ攻略戦としてはじまった。



　 　 　 　 ／´￣￣｀ヽ
.　　　　／　　＼　　_ノ' ,
　　　 /　　 （ ●）　（●）.!　 　敵が降伏するまで徹底的に破壊しろ！
　　　 |. 　　　　（__人__）.｜
　　 ,..-'ヽ　　　　|ｒ┬|　　!　　 制空権を活かして、波状爆撃するんだお！
　 ./::"::::`ヽ､.,＿,｀.ﾆ´_／
　/::i::::::::::::"'弋'!ｰ',イ>|'_ノ´｀ｰ -,,＿ _
. }:::ﾞ|::::::::::::::::::::~ﾞ:_戈;f"　 、　　　 ｲ/ `i
/:::::::!;:::::::::::::::::::/',r.ﾃ　　　 ＼xｰ.ｫ､__ノ
::::::::::::ヾ!:::::::::::::l .l r'　　 `　､_冫y"
:::::::::::::::::＼o:::::l .ﾄ、　 ヽ,＿ﾉ"ｰ'
:::::::::::::::::{::::{＼代 l>ｰ､,_ノ

　　　　　　　　　　─ ─ ───────────
　　　　　　　　　　　　‐‐‐‐　　‐─────　　──　─　　　　　　　　　　　　─ ─ ─
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,, ｨヵ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　/　.|i .|　　　 ,／''/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　/'　 il .ﾄ､ 　 /　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/,'　　i .|　｀>' ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /,'　　 i .|　/ ノ:｀ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 　　　　　/,'　 　イ.|　' " Ｘ　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.,'　　　.i .|　 ／　イヾＯ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　/ ,' 　 　 i .|／　:／　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　　　 / ,'　　　 i　|　:／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　/ ,'　　　 イ |／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_,, ｨ'⌒/ ,'　　　　 i／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／>､ ン::/ ,'　　　　,-,ﾆ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／<ヽン　 / ,'　　／ ／　::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉-'"^'　,　/ ,' ／ ／　 :／　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　, '　/レヘ／　::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　>､ （／ンﾍ<（__;; イ-‐ｧ
　　　　　　　　　　　ﾐ　　　　　　／　／ 　　　７':::::／'　〉:: 　　ﾉ
　　　　　　　　　　　 ヾ　　　 ／⌒ヽ,ｨﾂ　　／:::／'　,-（ 　　ノ) ）
　　　　　　　　　　　　 ヾ　／ ／ ,ｨﾂ､__）`ｰ(彳ヽ／　:ノヽ 'ー '　
　　　　　　　　　　　　　／ ヽ､ ﾂ　.:::）　　　 ＞､ヽ''／ﾌ
　　　　　　　　　 　 　/　　　.:>ｰ'" ⌒)ヘ(／:::::〉:::　/
　　　　　　　　　　　（( ヽ--‐'"彡 　 　　　　'~"（　　ノ)）
　　　　　　　　　　　　　　ヾ'　　　　　 　 　　　　`ｰ'ー'
　　　　　　　　　　　　　　ヾ
　　　　　　　　　　　　　　..ﾐ 　
　　　　　　　　　─ ─ ───────────
　　　　　　　　　　　　　　‐‐‐‐　　‐─────　　──　─　　　　　　　　　　　　─ ─ ─

　　　 .／　　! .ﾞく_./ ﾞ';;./ ＿ ､　.ﾞiﾘ,、
　　　.ﾉ　　　.!　　._,./ 　　　　　./lﾞ　｀l、
　r-/　 .ﾘ'-./ . ﾉ゛　　　＿i＿/ ,!.,,　 ~ﾞヽ
. {　　 ＿|　　　　　　　　　　 ｀L,¨.!　　 ./'ヽ､
. 弋　 .＼　　 ...．　　　　　　　　 ﾞ'､　　 . ..二二＝─　　　　　　　　　　ｌ|
─＝二　ﾞl-''''ﾞ‐　　　　　　　　　 '､　　_＿ -./ ﾞ´　　　　　　　　　　　 /.| .i、　/
　／　　 lﾞ　　　　　　　 　 　 　 　 "くﾐ,,,＿　│　　　　　　　 i　　　　/　V L//
│　　　 ."　　　　　　　　　　　　 ＼,,-‐'"゛ .そ 　 　 　 　 　 l.!　　_.'ﾞ.. -． ,i`l- 、
__＞┐　　.ヽ　 ._　　　　　　　　　　 !ﾞ"''''''　 ,て　　　　　　　 l .ｌ√　″　 ./　! .　＞ヽ
　｀`|ﾞ'''　　　 ´´ ヽ　i　　　.、　　、 　 .＿ .,,x./ 　　　　　||　 !　.!　　　　 　　.!　　,ｨ　."---ｰ‐フ
　.ノ_..-''''''Ｌ ‐'""i| ‐|.ｌ .''''ﾞヽ　.iｰ/'､ ./　 .｀"　　　　　　 .! ｌ/　　ｌ　.,i　　　　 !_／.!　　　　　 /
〃´　　　 ゛　　 ."　 ,!.ｌ　　　ﾞ'､|　　 ﾞ'　　　 　 ＿____＜　!　　　 .ﾞ‐'＿＿　　　　 ! 　..、　., ‐″
　　　　　　　　　　　 ! .|,　　　 .゛　 　 　 　 　 ,,.＞ .,ト　　!　　 ., -′　　'"゛｀ﾞ''．　　　 ﾞ'i ! .､
　　　　　 　 　 　 　 |　 ｌ　　　　 　 　 　 　 　 ＼、!、　　:!　　.′　　　　 　 　 　 　 　 /､　 ヽ
　　　　　 　 　 　 　 !　　!　 ＿、　　　　　　　 i　/　　 -〃´. 、　　　　　　　　　　!　　　l　-ｨ′
　　　..　　　　 ..i､　│　　ｌ ',ﾞ....､ヽ 、　　　　 　 ｌ′ .,　/ 　　 .|　　 　 　 　 　 　 '"──ｰ 、.,, i/冖'
　　　 ﾞlヽ .i、　 l.ヽ│　　 ｝,、　ﾞl'"''ヽ,　　.,／　ヽ/　|　 　　 .｀　　　　　　　　　　 ‐､、 . ,ﾉ:!　| ,,、　　　.i!
　　　　.ヽﾞ'"ン'^｝ ｀ﾞ　　　 巛,　　　　　,／/　,//.lﾞ　,／´　 .丶　　　　　　 　 　 　 　 ,ﾞ;;i./ .ｨ'.二＝─　iﾘ
　　　　　ヽ''"　　ｌ　　　　　.ﾞl ヽ　 ､ ／ 　 ﾞ‐r/　,, !'"　＿＿ 　　 .、　　　i､＿_‐ ｰ＿__＼て”´　　　　 / |
､.　 ..,-‐''"　　,　 .!　　/ 　　　　 __. 　　　　/　＼.,..-'"´　　ﾒ￣Ｌr从;;='ﾞ.- 　-''"´　　 ｀＞ﾆ＝-,.　iｌｌ /　|
'､"'-|、　　　/ ,,-　ｌ._lﾞ　　　　　 　 ｀ヽ　 / 　　　.ｌ,　　　　　　　″　　　　　　　　　　　　 　 .／弋 l ｌﾉ　│
　＼ ｀''-､ 　.i′　.lﾞ　　　　　　　　　 |冖|　 ｀'､　　!　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |ヽ　　 __ ,ir　　.lﾞ　　　 | ｀''､
　 ."＼　 .｀'ｒ'"　　 ゛　　　　　　　　　　　｀v　 .!　.￣二＝─ 　 　 　 　 　 　 　 │ ヽ／ . ´　　,, l--　　　ヽ‐ て
　│｀'''-　 .{　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ゛ . l　 　|_　　　　　　　　　 　 　 　 　 l　　ヽ　　, .'゛　　　　 - ＿_‐|ﾞ､
　 .ｌ　　 .、 .｀'　　　　　　　　　　　　　　　r‐　_ﾕそ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,i┤　　｀'､.,!._,,、　　　　　.／　.l　 .｣i‐
　 弋 ,／　　　 く　 .'　　 　 　 　 　 　 ＜,ﾞ .´　　　　　　　　　　　　　　　　 'ｔ､_/　|　　　 ._/　 .,.. --､、　　　　.ﾞ''"｣ﾞ､
　 ,／　　　._..〟 ,ﾞ二―　 _,＿-┬-l''''―--二;;;;-..,,,、　　　　　　　　　　　　..ｌ､｀″　　/ 　　 ゛　　 .,y￣´ﾞ'‐　　 　." て
-"._,,　‐''"゛.rﾞ‐'゛　　 ﾞ‐'´゛　　　　　 　 　 　 　 　 ￣'　　　　　 　 　 　 　 / 　 ｌ,./ '^゛ 　 　 　 　 ／ ゝ＿-ﾅ　 .‐i

　　　 _　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _.　 _ 　 _
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　'、′' ．　'、′' ・．　'　､,, 　',`　　:　　　::　　:　　　:　　::　　:　/;′。．・"；　'、．・"　`　'、．
'、′' 　、`' ． 'ヾ `､ヾ ､`　:　　:　　　:　　　　　　:　　　:　　　:,　:　／．　'`、′。．・`；　'、．・
、′' ・．'、ヾ ､`　.＼ 　､　`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,"　´,　′(　／:′。．・"；　'
．　'・．．　'・､`ヽ `､　 ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　,'　',　_,. - '．　'`、′。．
　　　`ヾ＼'i,　　`　､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　',　,ｉ　'／,′",／／
　　＼.`ヾ＼ ,,)`　　　､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　'　,　',　 ´(　／　〃´,. '
　　　　`ヾ＼'i,　　`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　',　,ｉ　’／,′",／／
　　　　　＼､ヾ　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／,　〃,　〃／
　　　　　`ヾ＼'i,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´／,. ',〃／
　　　　　　　＼､ヾ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,／〃´,. '
　　　　　　　　､`ヾ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,〃´／,. '

　　　 　 　 　 ヽ: : : :ー＝三三三三三三三!
　　　　　　 　 /: : :　　　　　　　　￣ヽ￣＝三}
　　　　　　　/: :　　　　　　　　　　　　 ＼　＼
.　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　 　 　　l
　　　　　 ,'　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _　　　 i
　　 　 　 i　　　　　　　　　　　　　 ／;ﾐ､　　 l
　　　　　 l ,　　　　　 　 　 　 　 　 ヾー'　　 ヽ
　　　 　 ／ ,／l　　　　　　　　　　　　　　　　 'っ　　　最初に攻撃目標となったのは、ビスカヤ県のドゥランゴでした。
　　　　< ／!: :/ ／: : ;　,. .-,　 ／　　　　　　　 j
　　　　　　 L: :´: : : :/／: :　／／　　/　　　　/　　　　ドゥランゴは徹底的に破壊され、多くの非戦闘員が空襲で死にました。
　　　　　　 /:, -/: : : : : : ／ :/　　 　.! ＿_ ／
　　 　 　 　 　 /: ; ﾍ: : . : : :./　　　　　 ／　　　　　　 いわゆるドゥランゴ空襲です。
　　　　　　　　 ´,ﾍ/ ヽ／: :/　　 /ー ´
　　　　　 　 　 /三ゝ、　　　　　 i
　　　　　　　 /三三三三二ﾆﾆ＝-､

士気喪失した共和国部隊は、続々と北部の町ゲルニカに後退した。



　　　 ∧∧　　　　 ∧∧　　　　 ∧∧　　　　 ∧∧　　　　 ∧∧　　　　 ∧∧
　　　/⌒ヽ)　　　 /⌒ヽ)　　　 /⌒ヽ)　　　 /⌒ヽ)　　　 /⌒ヽ)　　　 /⌒ヽ)
　　　i三 ∪　　　 i三 ∪　　　 i三 ∪　　　 i三 ∪　　　 i三 ∪　　　 i三 ∪
　　 〇三 |　　　 〇三 |　　　 〇三 |　　　 〇三 |　　　 〇三 |　　　 〇三 |
　　　(/~∪　　　　(/~∪　　　　(/~∪　　　　(/~∪　　　　(/~∪　　　　(/~∪
　　 三三　　　　 三三　　　　 三三　　　　 三三　　　　 三三　　　　 三三
　　三三　　　　 三三　　　　 三三　　　　 三三　　　　 三三　　　　 三三
　 三三三　　　三三三　　　三三三　　　三三三　　　三三三　　　三三三



そして、悲劇がおきる ───

─── 4月26日、ゲルニカ



　　　 __/￣/＿_ . 　 　　　　　　　　　/￣/　./''７
　　 /__　　__　　/　 　＿＿＿_　　 　￣　　/　/
　　 _./　 //　 /　　./＿_＿＿/　　　＿__ノ　/
　　 |___ノ.|___,/.　　　　　　　　　　　/＿___,.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__/￣/＿_ . 　 　　　　　　　　　/￣/　./''７
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/__　　__　　/　 　＿＿＿_　　 　￣　　/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_./　 //　 /　　./＿_＿＿/　　　＿__ノ　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|___ノ.|___,/.　　　　　　　　　　　/＿___,.／

　　　　　　　 _,r～～～～.､　　　　な、なんだあ？
　　　 　 　 r' _,r～～～～､ヽ　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＿--､, -ｚ._
　　　　 　 ｛ ﾉ　　u ｀ﾆﾆ´　ヽ.)　　　　 　 _,-ｰvｰｚ_　　　　　　　＞::::::::::::::::::＜
.　　　　　 ｛ Ｌ_ r=＝=　u.==､l′　　 　 ｲ ,､,､,､,､,､ ヽ　　　　　 /::::::::;:::ﾊ:::､:::::ヾ
　　　　 　 {r=ｉ|　r ｡＝　 ｡=､ |　　 　 　 | l--､ v,.-ヽ|　　　　　 ｲ:::ｨ/K u >ﾍﾄ:::|
　　　　　　{|L||ij ｀ニ7　 lﾆ´v|　　 　 　 1|⊂･　･⊃|,l　　　　　 .ｈ:｢こ･j=｢･う]:ｎ
　　　　　　{`ｧ| r─' L＿｣ ｰ､|　　　　　｛ｆ|L　∪ v」|ｆ）　　　　　|f||:￣,」 L￣:||ｊ.|　　　　空襲警報だぞ！
　　　　_／{/ :| |（二二ニ二）|.　　 　 　 ｀|.⊂ニつ l´　　　　 　 ヽl　‘‐ｕ‐’v:ﾚ'
-‐'''"´::|:::::ﾄ､ ヽ_ , , , ,一, , _人　 　 　 　 ,ゝ､.二. ｲヽ_　　　　　 _/l.ヾ二二ﾌ∧
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::::::::::::::|::::::::|　 　 ,.ｲ:ヽ.　,|::::::|::::::::::::::::::〉、 : : ヽ/: : : /: :|: : : : : :|: : l 　 Ｘ.　 |: : |: : : : : :|: ハ
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　　 　 　 |　　ヽ-'/l 　 ／＿__/　l_:::　　　　_l　l.___ヽ.|
　　　　　 |　　　 /　l /　/　 , -- ､.｀`‐-‐'´_＿＿__ l　　　　　あれはユンカー爆撃機だっ！
　　　　　│　　./　 ::l. /　 /- ､＿_￣￣￣ ＿＿ｌ/.l
.　　 　 ／| 　 ./. 　 :::l.　　|_＿＿___￣￣￣　＿/ .|　　　　　 急いで地下の避難所に逃げるんだ！
　　 ／ :::::|　 /　　　::::l　　＼_　 　 ￣｀Y´￣　/　.|
. ／ ::::::::::::|. /　　　　::::l　　　 ￣￣￣￣￣￣　　|＼
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　　　 .／　　! .ﾞく_./ ﾞ';;./ ＿ ､　.ﾞiﾘ,、
　　　.ﾉ　　　.!　　._,./ 　　　　　./lﾞ　｀l、
　r-/　 .ﾘ'-./ . ﾉ゛　　　＿i＿/ ,!.,,　 ~ﾞヽ
. {　　 ＿|　　　　　　　　　　 ｀L,¨.!　　 ./'ヽ､
. 弋　 .＼　　 ...．　　　　　　　　 ﾞ'､　　 . ..二二＝─　　　　　　　　　　ｌ|
─＝二　ﾞl-''''ﾞ‐　　　　　　　　　 '､　　_＿ -./ ﾞ´　　　　　　　　　　　 /.| .i、　/
　／　　 lﾞ　　　　　　　 　 　 　 　 "くﾐ,,,＿　│　　　　　　　 i　　　　/　V L//
│　　　 ."　　　　　　　　　　　　 ＼,,-‐'"゛ .そ 　 　 　 　 　 l.!　　_.'ﾞ.. -． ,i`l- 、
__＞┐　　.ヽ　 ._　　　　　　　　　　 !ﾞ"''''''　 ,て　　　　　　　 l .ｌ√　″　 ./　! .　＞ヽ
　｀`|ﾞ'''　　　 ´´ ヽ　i　　　.、　　、 　 .＿ .,,x./ 　　　　　||　 !　.!　　　　 　　.!　　,ｨ　."---ｰ‐フ
　.ノ_..-''''''Ｌ ‐'""i| ‐|.ｌ .''''ﾞヽ　.iｰ/'､ ./　 .｀"　　　　　　 .! ｌ/　　ｌ　.,i　　　　 !_／.!　　　　　 /
〃´　　　 ゛　　 ."　 ,!.ｌ　　　ﾞ'､|　　 ﾞ'　　　 　 ＿____＜　!　　　 .ﾞ‐'＿＿　　　　 ! 　..、　., ‐″
　　　　　　　　　　　 ! .|,　　　 .゛　 　 　 　 　 ,,.＞ .,ト　　!　　 ., -′　　'"゛｀ﾞ''．　　　 ﾞ'i ! .､
　　　　　 　 　 　 　 |　 ｌ　　　　 　 　 　 　 　 ＼、!、　　:!　　.′　　　　 　 　 　 　 　 /､　 ヽ
　　　　　 　 　 　 　 !　　!　 ＿、　　　　　　　 i　/　　 -〃´. 、　　　　　　　　　　!　　　l　-ｨ′
　　　..　　　　 ..i､　│　　ｌ ',ﾞ....､ヽ 、　　　　 　 ｌ′ .,　/ 　　 .|　　 　 　 　 　 　 '"──ｰ 、.,, i/冖'
　　　 ﾞlヽ .i、　 l.ヽ│　　 ｝,、　ﾞl'"''ヽ,　　.,／　ヽ/　|　 　　 .｀　　　　　　　　　　 ‐､、 . ,ﾉ:!　| ,,、　　　.i!
　　　　.ヽﾞ'"ン'^｝ ｀ﾞ　　　 巛,　　　　　,／/　,//.lﾞ　,／´　 .丶　　　　　　 　 　 　 　 ,ﾞ;;i./ .ｨ'.二＝─　iﾘ
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､.　 ..,-‐''"　　,　 .!　　/ 　　　　 __. 　　　　/　＼.,..-'"´　　ﾒ￣Ｌr从;;='ﾞ.- 　-''"´　　 ｀＞ﾆ＝-,.　iｌｌ /　|
'､"'-|、　　　/ ,,-　ｌ._lﾞ　　　　　 　 ｀ヽ　 / 　　　.ｌ,　　　　　　　″　　　　　　　　　　　　 　 .／弋 l ｌﾉ　│
　＼ ｀''-､ 　.i′　.lﾞ　　　　　　　　　 |冖|　 ｀'､　　!　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |ヽ　　 __ ,ir　　.lﾞ　　　 | ｀''､
　 ."＼　 .｀'ｒ'"　　 ゛　　　　　　　　　　　｀v　 .!　.￣二＝─ 　 　 　 　 　 　 　 │ ヽ／ . ´　　,, l--　　　ヽ‐ て
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二ゞ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;,!ｲl　 ,!l´￣　　　　　ﾞ´　　　l/　i':;/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;,//イ , !　´`｀ゞ　 　 ,,ノ（　ヾ.,, ..）

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　　　　.l　　　ﾞ'レ　　　 |.ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ l　　 　 　 　 　 　 lr'ﾞ､Х.!　　　　　　　　.il|
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‐く.:〈　　　　　,、 　 |. : : : :.: :＼:|:::::::::::::::::::::/. ,ﾉ） : :〉〉　 　.!.|　　 人.:: : :| | : :.::.::.:::..::.:|-┘:::L、r‐//┐　,、.廴ｨ
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ドイツ・コンドル軍団は、ゲルニカの町を徹底的に絨毯爆撃した。いわゆる「ゲルニカ事件」である。



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工エ::「 /〈. ::〈|-､_/::::::..＼r':.|.::[,/T>.:/ﾛ〃乢.: :: :〈〈　　　　　　￣└─匚|＿_| :| |:L:冂_| :|┐ .::::::ｉr==| |.:::.｢.:[]:}iｌ|{´
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: :|ｪ| .:::::|:.:.|:::..|::::.|＼.::::》: :::L;:.::r| .L/∟ﾛ⊥!　　　　　　　　rｭ　　　　´　　 　 　 　 '　　　　　　 　 　 　　　　　　ﾙﾍ:
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_〈l〈V＼|コ　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿,‐|　.: : .:.| 7!＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、
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: :|ｪﾚ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / 　lニﾆﾆﾆﾆﾆl/　 //
／　　　　　　　'　　、　　　　 　 `　　 　 　 　 lニニニニニﾆﾆﾆﾆl/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`　　　　　、

　　　　　　　　／⌒　　　　＿
　 　 　 　 　 （　　へ、一'、　　＼ー- 、
　　　 　 　 　 _r⌒ヽ、＼::::＼:::_「ヽ/¨ヽ:＼
　　　　　　 ／r=ヽ_,::::＼::＼:::くヽ　＿,,ﾉ￣/＼ ,ﾍ、
　　　 　 ／／::::/∧¨＼:::＼＼」ト（:::::::＞ｋー豸〉ｰフ
　 　 　 （_//:::://　 ＼　＼:::＼辷>ゞーﾄ薔｝::::/て ヽ
　　　 　 //:::://　　　 ｀ 　 ＼::::く　〈_.／≠'＼::＼_ノ
　 　 　 ｛:l:::://一' 　 　　｀ｰ--＼弋/:::/ゝ≠ｲ＼:::<
　　　　　ゞ {:/l≧=、 　 ｀≧=ミ、 ＼＼{＿人ｯ∨}:::｝
　　　　 ｒ＝与} Ｖﾉ　　　　 廴nﾉヾ　∨＼｝∨∠:シ
　 　 　 ゝ　｀v} ｀¨　　　　 　¨¨´ 　　}::}ノ:／//
　　 　 　 　 _人　　｀_　 _　　u、＿ノノ／<／　　　　カナもゲルニカのことは知ってるわ…
　　　　　　（三ﾐ心、　｀　　　　厂￣￣¨ミヽ
　　　　 　 /}ﾆニ==ミﾌｰ-...-＜三＝ｰ-≠く　　　　 .たしか町の人口の3分の1…2千人近くの人が亡くなったかしら。
　　　　　/　＞ｰ=-ミ｝¨｀Ｙ´￣｀Ｙ三三三ﾐ人
　　　 ／　厶∠二三）＞句＜}}｛ー--―〈.　 ヽ
　　 /　 　 　ヾ三三ｦ∨/ 8∨/l ヾ三三ﾐｦ　　 ｝
　　（ 　 　 　 　 ゞテ /∧_,_,_| |ﾉ　 ヽゞテ　　　/
　　　＼　／　 　 ソ ｀ｒ‐--‐,l |　　 　ソ　　 ／
　 　　　｛ﾆ, ､二}<　 く／ハ＼>　｛ﾆ, 、ニ}〈
　　 　　 ｌ// | |　 ＼ 　/∧ヽ　　 //　 ＼＼＼





　ﾑ ｀ヽ｀ヽ　∨|　!
　　.＼　＼::, .∨　r-.､
　　　　＼　ヽ　∨}:::::::j
　　　　　　＞｀　ゞミュ!
　　　　　 ,　　　　＼ ､ヽ
　　　　　,ﾞ　　　　 ､_｀ﾊ ∨
　　　　ノ／　　　　　ゞュ.∨
　　　ｲ　　　　_＿＿＿　　｀ヽ　　　 犠牲者の数については諸説ありますが、最近の研究では死者はおよそ
.　　 ｜　　　´_　　-―-ﾐ 　 )ｒ}
.　　　ゝ　　'´　　　　　 ｀ー彡ﾘ､　　200人から300人のあいだとされています。
　　　　 ｀　､　　　　ー-ﾐ　w,ノ
　　　　　　 ハー―ュ　i´｀ヾ　　　　被害の規模では、前述のドゥランゴ空襲の方が大きかったのです。
　　　　 　 ,..＜≦￣{三rﾄ､
　rー.: :´: : : : ﾍ∨ﾊ　{__ﾏ}､
. : : ヾ: :､: : : : :∧∨ﾊ　}__ﾏﾑ
: : : : :.∨ﾏ: : : : ∧∨ム {__ﾏﾑミ : ,
; : : : : :.∨ : : : : ;ハ.トマﾍ }_ﾏﾑ: : ﾏ:､
: : : : : : :.∨: : : ﾉ: : ＞ュﾐヽ {.ﾏﾑ: : :∧
: : : : : : : :.∨: /. : : : : : : / ∨}_ﾏﾄ､: : :}
彡'｀ ー -: :}: :, : : : : : : : ＼ ゝマハ}: ｜

　　　　　　　　＞－ ' ´￣ ＞‐|:::::::::::::::::::::::::::ｲ　　 ﾉ　／
　　　　 ＞ ' ´　　　 ,,,xxｚ/::::::::ﾄ:::::::::::::::::::::::/::∨;,/／
　　　／　　　　　／;;:'´,'´l::::::::::>弋:::::::::::::::/::::::::::i　〉
　 , '　 　 　 　 , ' ／　,'　 ﾞｘ:::::::::ゝﾆ二ﾆソ::::;;::::ﾉ./
／　　　　 ,,,／ , '　　 ,　　　＼_::::::::::::::I´∨〈｀ｖ'ヽ
　　 ,,,.-‐´　,　'　　＿｛_　　　　'''''====ゝ 丶ﾍ ＼ｌ
_,,,, - ‐　' ´　　 , ' 　,ｲ ｀ヽ、　 　　　　　ヽ　ヾｌ、_!
　　　　　　　　　　　ｼ　 ﾄ-、　　　　　　 ,- ＼　＼゛、　　 ですが、たまたまゲルニカ事件が
　　　　　　　　　　 ,'　　 ゞ_〉、 　 　 　 /〉 、｀"ー 　Y
　　　　　　　　　　ｨ'　　　　　 ｀';. 　 　 'ﾜ"、￣｀　 " l　　 外国記者たちに知られるところとなり、
　　　　　　　　　＿ゝ　　　　　　..　 　 / ｲ;ﾄ<-　　　 l
　　　　　　　　　　＿゛ﾆ_‐-　　 "゛ 　 ｀´　　ｌ｀　　　_}　　 国際法違反の無差別爆撃だとして喧伝されるところとなります。
　　　　　　　　　 ＞'´::"ﾞｯ、　 ヾ__ノ'　=＝キ{、　　 _L、
　　　　　　 　 ／:::::::::::/::::| ﾃx,,ノゝ- ,,,,,='´:::::∧__　　ｿ ﾄ
　　　 　,　- ' 　: : : :::/::::::| l 一｀ ｻ゛´ー〉::::::::／ｋ_／／::::＼
, - '　´　　. . : : :::::::::l:::::::::l　｀―'´! l＞-' 〉:::::ゝー...'..´::::::::::::::
ヽ　　. . : : : : ::::::::::::::l:::::::::::l　,' 　 /／　 /::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::
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　〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::∨_l 〈　７/:::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::
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　　　　 　 　 　 　 ＼　∨:,∨ rく　 ｀ヽ〃./
　　　　　　　　　　 　 ＼ヾ:, ∨///＞ｲ,' /
　　　　　　　　　　　　　 ヽ　 ﾄ､ゝ=彡{　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　/　　 ｀ー ' ´ ヽ
　　　　　　　　　　　　　ー-､　　ヽ　　j　 ∨ノ
　　　　　　　　　　　　　ﾉ　 __　　 ﾊ　 ;　／
　　　　　　 　 　 　 　 ,´　　ゞtヽ　　　　 ﾊ　　　　 また、当時パリに居住していた
　　　　　　　　　　　　{　　　　　｀　　 } i ´ ヽ
　　　　　　　　　　　　ゝ　　　　＿　　　　　,'　　　 パブロ・ピカソは絵画「ゲルニカ」を描き、
　　　　　　　　　　　　　　＞　彡-　 ｀Y jノﾐ
　　　　　　　　　　　　 ／ ／}＞､ゝ--ムｲ｀ヽ＼　やる夫の非人道的行為を国際世論に訴えました。
　　　　　　　　　　　　　,ｲ{ |ム {: : :>xtj-ﾄ､
　　　　　　　　　　＞.:::::::::| !::∧￣{　}i}　}ハ>､
　　　　　　＞.:::´:::＞.:::::::::! !::::∧　}　{}　{:::∧::::::｀.＜
　　　　　ｲ::::::::ヽ:::::::::::::::::::! !::::::∧ {　{;{　}::::∧:::::::::ﾑﾊ
　　 　 　 !:::::::::::::ﾑ::::::::::::::{ {:::::::::∧}　}}＞-rュマ:::＞v∨
.　　　　 ｜::::::::::::::ﾑ:::::::::::ト｀ ＜::::ﾍ(_く__ﾉ_ノつ＞'　/ ﾉ!
.　 　 　 八:::::::::::::::ハ::::,:::':::::::＞｀Y＞'　ー 'ﾞ　_ 彡.'／ ﾑ
　　　　　 く:::::::::::::彡'∨.:::::::::::::://　　　　　　　　彡' ∨.::}
　　　 　 　 ト､:::::::::::::::{:::::::::::＞'´ヽ 　_＿＿,..＜>.--ｲﾊ､:＼
　　　　　　 !:::::::::::::::::::|!＞.´::::::::ヽ ﾄ=彡/／ノ.::::::}vｲ.:::::::∨ﾄ､
　　　 　 　 |::::::::::::::＞'.:::::::::::::::::::::::∨>チ.:´::::::::::::}:::::::::::::: ∨ﾊ
　　　　　　 }::::::::／.::::::::::::::::::::::::::::::::}'.:::::::::::::::::::::::ﾊ::::::::::::::::::＼}､_
　　　　　　 |:::::/.:::::::::::::::::::::::::::,.＜.::::::::::::::::::::::::::::j {＼:::::::::::::::::::.､ﾊ
　　　　　　 |::,.ﾞ:::::::::::::::::::::::,.＜.::::::::::::::::::::::::::::::::::,　!　ム:::::::::::::::::∨}
　　　　　　 i.::::::::::::::::::::,.イ.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ ﾉ　　　ゝ ::::::::::::ノ
　　　　　　 ヾ:_＿_＞´.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,彡ｲ

　　　　　　_ｒfｦ" 　 i! |　!l　|i　ヾ､ ＼丶　　　　!}　 ! ﾊ
　　　　 ィ{匂　i l 　 | i! |il　|l　 トヾ.　ヽ ヾ:、　 ||　 |　 ヽ
　　　　{ ((´i　 l l 　 | i! |il　!|　 i! !|ハ､ ＼ ハ 八　ヾ. 　 ＼
.　　 　 | j))il　 !ﾊ　 i! | ﾊ! jﾑ斗ｧト､i! ﾄ､　ヽ い、ヽ　＼　　ヽ
.　　 　 | ﾊ !|　川　 |! !i!才i|_Lｚｘｊﾊil| i! ヾﾊﾉ ヾ!i　}i　　 ヽ　 }
　　 　 八 il i! ヾi|　 !i ﾄ! jィｆ乏ヽヾ! | j ﾘ　 N　从 ﾉ ＼　　ト､`
　　　/ ,ｲi i!ﾊ 　lLi_l!ﾊﾘｲ 乂ﾟ_ノ ,　 |/,ｨｔ　_! ヾ廴ﾊ＼　ヽ ヾ ヽ
　 　 { ﾊ.!ﾄ㍉ }}Xヾj)`バ!　　.;;''°o | バ:､{　Ｙヾ ､ﾘ　 ヾ i　ﾉ　ヾ:、
　　　| ! i!ﾊ ヾ((fﾁ卞ﾐ:x 　 　 ﾟ:。 　 !{　_｀圦 ヽ ヽヽ　_ ｲ ヾ､ー､　　　　　ああ、こんな…
　　 八ヽヾト:ヾx圦均 }ﾄ､　　 __　　 |i}弋 `Ｙﾊ. ‘，! V　!ヽ. 　＼
　　　　} ハヽ　Ｙﾞ辷彡{　　 r'　 ）　 }ﾊ. r':､ ヽ:}　' 　 i　}　 ＼　 入　　　　ひどい…あまりに酷いわ…
.　 　 // 　 ヾ 人　Ｙヽ.))　　｀ ¨　 ゜|iﾘｨｿ.:.}　`’　　　 人＿__ ヾ　 ）
　　　{ { 　 　 廴_） j / Ｙ寸=- ．. _ ｨlｲｒぅ.ｲ　　　　__ ﾑｬｒ'⌒y`1　{!　　 　こんなことが許されていいの…！？
　 　 ヾ:､　　 ‘，いゞ! ﾑ　}、{! Y^Yひ7 {　{　 __　ｒ'　乙.ｲ 　 ′ﾊ
　　　　　＼　　}i{　 ilゝ{　ゞ`ー’　ヽ { / r≦´　Ｙﾘ　`　ﾉ　: : :/.∧
　　　　　　　　 i|! __川入　`ｰ''⌒　 Ⅵi_ ＼　 : :}/　　 : : :_;イ r' ヾi
　　　　　　　　 Ⅵ}x乙j⌒r'⌒y'Zｨ^「i７!｀)　ヽ: :{! __．x≦_ / ﾉ、: |ﾄ
　　　　　　　　　∨　　{／　 /　　|　ヾｿく　　/ Ｙヽ_. :ィ´ 　,ｲ　 ヾﾘ
　　　　　　　　　〈　　 ヽ 　.ｲ　　 ' 　〃 ﾉ　〈:i ﾊ |、　　　 /.:{ 　 /
　　　　　　　　　 }　　　 }〃　　　　　　"{ 　 {トxⅥﾊ　　 /: : ﾊ　{i
　　　　　　　　　 i 　 　 ヽ.　　〈::ヽ　、　|　　 }　ヾ、　　′ : : }i! ヾ
　　　　　　　　 　 ヽ ` ーヘ._　 ヾ:ﾊ `　i　 　〉 　 jく´: : : : : : |ﾊ　)）
　　　　　　　　　　　 ＼ ーァ入 　 ヾ:、ﾊ　　{ 　 :{: :ヽ: : : .　 川 《
　　　　　　　　　　　　　）､ 爪（ ヽ　　ﾏ　}::.　ヽ 　　: :　 　. ;ｲ ;ﾘ　ヾ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　パブロ・ピカソ

　　　　　　　　　　　　　　　_　　-― …　　　__
　　　　　　　　　　　　　　´　　　　　＿　　　　　　　｀　、
　　　　　　　　　　 ／　　　, '　 　　　 　　　 　　`--､ 　ハ　　　　　　　許さない…
　　　　　　　　　　´　　　　　　　　　　― 　 　　　　　`rﾑ、ﾐ､
　　　　　　　　　|i /　　　　　, '　　　　　　　　 　＼<Y薔ﾞﾊ　 |、　　　　わたしはやる夫を許さない…
　　　　　　　　 , 　( 　／　　　　　　　　　-　´　　　　て ヾv, .| ';
　　　　　　　 /　　ﾊ　　--―　　　　　　　　　　　ヽ　ﾊ )　ﾘ　|丶　　　 奴の暴挙を世界に訴えなければ、
　　　　　　　i　,rvｲﾉ.､ 　　, 　　　　　　 l　　　　 丶　| |Y　　 i|　j
　 　 　 　 　 |i ﾌ廻 リ. 　/　 　 　 　 　 |　,　ヾ i　 |　|i　, --､L￣.ヽ　 死んだ人々も報われないわ…
　　　 　 　 　 |i、Y ´./　i|　　　　　　　　|　　| .|i　　| .i i´ ｀ｌ　i　|っ.　＼ ､_ __
　　　　　　　　|i.ノ 　i|　 .|　　　 |　|　 )) |　il |　j_＿| (´､｀i　 　　Y　　 iｌ. 　 　＼ __
　　　　　　　　 |　 i.).li、 .| l　 i| l | | il((　|./li |/ ,;ｨ=- ヽ)'. 　　　/　_f⌒丶r⌒i 　 　 ＼
　　　　　　　 　l|　l　＿.|　i |.|　ﾉ~）､r‐及ﾘ　　彳' ´　 /　　　 ./　 i　ヽ　 l|　/ 、　　　 ヽ
　　　　　　　 丿| .|/ 　 | └／/ .i |{.ﾋj心ﾐ､>　　　　　i　　　 ./　 '⌒　　v. 　　/　　　　　;
　　　　　　／　 | .|l 　 ﾉ ／/ .<　ヽ丶_彡ﾉ). 　_　 ,-､ 丶　　.' ＼｀､　_　 　　　＼　 　　/
　　　　 ／　/　.l .||　　　＼＼　`　｀　~￣`.、i￣ _. ' ./　＼　　　 ＼/ .)　　　　　 ヽ　 (_
　 　 ／　,／　　.i.∧　　　　.`ー　-- 、　　 |＿￣_／／ 　 ＼　　 て　＼　　＿　_/_ 　 ￣ ｀
　　/　　　　/　 ﾉ　∧　_,､_)ヽ　l ヽ　 i ` 　 |＿＿／　 i__l丶　＼　　( ＼ ＼― ､　　.) 　　　　ヽ
　　|　　　 ./ ／／　そ' 　|　.＼|　>　.|　　　|.　 ／￣￣　　 丿　 ＼__)　　　　 　ヽ　,ゝ　　 　 ./
　　ヽ　 ／ /　/　　　 >　丶ｊ, 　　i|　 |　 　 |ノ⌒j_f-'⌒)／ち f´ｰ 　　 　 　 　 <　＼　 　 　 /
　　　i .(　 /　 i. 　 　 |i　　　　　　/て_ 　 　|　　 　 　 /　 (　_i 　　　　　　　　　　　 ,ﾉ　　 　(
　　ノ　 　(　　l　　 　 i|　　　　　　>　 ふ_ .人 ヽ,　 　 (　　弋`ー 　　　　　　　　　 /　 　 　　)

反響を危惧したやる夫は、4月29日に声明をだす。



　　　　　　　　　／ ￣￣￣￣￣￣ ￣ ｀　 、
　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　./　　　　　　　　　　　　　　,==ﾆ_-､　丶
　　　　　 /　　　　　　 　 　 　 　 　 〃　　__ ｀ヽ 　＼
　　　　 ./　　　　　メ≧､_ノ　　　　 ｲ　　　{・} 　|}　　丶
　　 　 /　　　　　ｨ彡´三ヽ＼　　/. 丶 ＿＿ ／　　 　 '
　　　/　　　　　〃￣￣ {・}|　　　　 　￣ ￣　　　　　　　V
　　./　　　　　　廴　＿ 二´　　　 l　　　 　、　　　　　　　'
　 ,'　　　　　　　　￣ ￣, 　 　 　 人、　　　}　　　　　 　　　'　　　「ゲルニカは、赤の群れによって火とガソリンで焼かれたのだ。
　 |　　　　　　　　　　　ﾍ、 　 _／　　｀ｰ-ｪ'　 　 　 　 　 　 |
　 |　　 　　　　　　　　　　￣　　　　　　　　　　　　　　　　∧　　　赤どもは、この残虐行為の罪を、わが高貴で英雄的な
　 | 　　　　　　　　　　　　　　 　-‐'"´｀`　　　　　　　　　/
　 丶　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　 　 空軍になすりつけた」
　　　｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠
　　　　　｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　｀ﾉ｀　‐　- ＿　　　　　　　_ ＿ , ´



だが、当然のことではあるが、このような話を信じる者など誰ひとりとしていなかった。

　　　　　　　　＞－ ' ´￣ ＞‐|:::::::::::::::::::::::::::ｲ　　 ﾉ　／
　　　　 ＞ ' ´　　　 ,,,xxｚ/::::::::ﾄ:::::::::::::::::::::::/::∨;,/／
　　　／　　　　　／;;:'´,'´l::::::::::>弋:::::::::::::::/::::::::::i　〉
　 , '　 　 　 　 , ' ／　,'　 ﾞｘ:::::::::ゝﾆ二ﾆソ::::;;::::ﾉ./
／　　　　 ,,,／ , '　　 ,　　　＼_::::::::::::::I´∨〈｀ｖ'ヽ
　　 ,,,.-‐´　,　'　　＿｛_　　　　'''''====ゝ 丶ﾍ ＼ｌ
_,,,, - ‐　' ´　　 , ' 　,ｲ ｀ヽ、　 　　　　　ヽ　ヾｌ、_!
　　　　　　　　　　　ｼ　 ﾄ-、　　　　　　 ,- ＼　＼゛、　　このように、多くの非戦闘員を巻き込みながらも
　　　　　　　　　　 ,'　　 ゞ_〉、 　 　 　 /〉 、｀"ー 　Y
　　　　　　　　　　ｨ'　　　　　 ｀';. 　 　 'ﾜ"、￣｀　 " l　　反乱軍の北方作戦は順調に進行します。
　　　　　　　　　＿ゝ　　　　　　..　 　 / ｲ;ﾄ<-　　　 l
　　　　　　　　　　＿゛ﾆ_‐-　　 "゛ 　 ｀´　　ｌ｀　　　_}　　6月19日にはビルバオを占領しました。
　　　　　　　　　 ＞'´::"ﾞｯ、　 ヾ__ノ'　=＝キ{、　　 _L、
　　　　　　 　 ／:::::::::::/::::| ﾃx,,ノゝ- ,,,,,='´:::::∧__　　ｿ ﾄ
　　　 　,　- ' 　: : : :::/::::::| l 一｀ ｻ゛´ー〉::::::::／ｋ_／／::::＼
, - '　´　　. . : : :::::::::l:::::::::l　｀―'´! l＞-' 〉:::::ゝー...'..´::::::::::::::
ヽ　　. . : : : : ::::::::::::::l:::::::::::l　,' 　 /／　 /::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::
.｜::::::::::::::::::::::::::::::::::::、::::::::∨ ,l_/ ﾚ-‐./:::::::::::::::::＼::::::::::::::::::
　〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::∨_l 〈　７/:::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::〉 l　 〉 /::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::

　ﾑ ｀ヽ｀ヽ　∨|　!
　　.＼　＼::, .∨　r-.､
　　　　＼　ヽ　∨}:::::::j
　　　　　　＞｀　ゞミュ!
　　　　　 ,　　　　＼ ､ヽ
　　　　　,ﾞ　　　　 ､_｀ﾊ ∨
　　　　ノ／　　　　　ゞュ.∨
　　　ｲ　　　　_＿＿＿　　｀ヽ
.　　 ｜　　　´_　　-―-ﾐ 　 )ｒ}　　ところで、この北方作戦のさなか、
.　　　ゝ　　'´　　　　　 ｀ー彡ﾘ
　　　　 ｀　､　　　　ー-ﾐ　w,ノ　　 政府側と反乱側の双方に政治的な大事件が起きます。
　　　　　　 ハー―ュ　i´｀ヾ
　　　　 　 ,..＜≦￣{三rﾄ､
　rー.: :´: : : : ﾍ∨ﾊ　{__ﾏ}､
. : : ヾ: :､: : : : :∧∨ﾊ　}__ﾏﾑ
: : : : :.∨ﾏ: : : : ∧∨ム {__ﾏﾑミ : ,
; : : : : :.∨ : : : : ;ハ.トマﾍ }_ﾏﾑ: : ﾏ:､
: : : : : : :.∨: : : ﾉ: : ＞ュﾐヽ {.ﾏﾑ: : :∧
: : : : : : : :.∨: /. : : : : : : / ∨}_ﾏﾄ､: : :}
彡'｀ ー -: :}: :, : : : : : : : ＼ ゝマハ}: ｜

　　　　　　　　　　　 　 　 /　 ///　 　 ／　／／
　　　　　　　　　　　　　　′ /// 　 ／　／／
　　　　　　　　　　　　　 |　ｒ'/:::::＼/　ィ ／
　　　　　　　　　　 　 　 |　|'ヘ::::／ ／
　　　　　　　 　 　 　 ∠!　へ＼</´
　　　　　　　　　　　/　　＼　　ヾ
　　　　　　 　 　 ／　　　　 ヽ |!｜　　　政府側は、1937年5月3日におこった
　 　 　 　 　　／ 　 　 　 　}ヽ　 〉
　　　　　 　 ｛￣￣　 ‐-　　｀′ i　　　 「バルセロナ5月事件」です。
　　　　　　　 ヾ- ――-　　　　　〉
　 　 　 　 　 　 ＼ 　 　 　 (__,.. ｿ　　　 政府側の内部でおきたこの騒乱は
　　　　　　　　　_r―　　ｰ;.,.,.　'´
　　　　　　　_／マ＝=|ヽ{、　　　　　　 政府にはかりしれない衝撃をあたえました。
　　　 -‐ .:::.:::.::＼::＼└勺!　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,. ---，
　　//.:::.:ヽヽ:::.:::.:ヽ:::.＼　ゞヽ、　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／ ∠二／ﾉ＿
　｜l:::.:::.:::.:ｉ i:::.:::.:::.:i l:::.:ヽ ヾヽﾄ､　　　　　　　　　 　 　 　 /　´￣ ＿∠二ニ'
　｜l:::.:::.:::.:ｊ l:::.:::.:::.::|ヽ:::.::ﾍ ｀i! l:::ヽ　　　　　　　　　　　ﾍヽ　,. 　´
　亅Ｌ.　イ ／.:::.:::.:::.＼＼:::.:Ｙ i! l::.::|　　　 　 　 　／:::.:::.:::ｉ丿
　ｆ―:::　／:::.::l:.:::.:::.:::.:::.＼｀:::Ｙi! |:V| 　 　 　　　/::.::.::.::.:／
　ヾ　∠:::.:::.:::j.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.∧i!|/::ﾄ　 　 　 　/.::.::.:::／
　 | 　 /:::.:::.:/:.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.＼ｉl!|::;ハ　　　　/::.::.／/
　 |　 i:::.:::.::∧:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::ﾚ/!:＼ヽ 　／::／　/
　 |　 l:::.:::.∧ ヽ:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::/:::.:::.ヽ了/:/ 　 /

　　　　　　　　　　　 　 　 .／
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /:'　　 　 ＿
　　　　　　　　　　　 　 /:{＿. ,≦: ＝: :ミ:. .､
　　　 　 　 　 　 　 　 /: :{: : :_: : : : : : : : : : : ＼
　　　　 　 　 　 　 　 ﾊ: : v: : : : : : :＼: : : ＼: ヾ.
　　　　　　　　　　　/: :＼:{: : : : : : : : : : : : :ヽ: : :
　　　　　　　　　　 .: : : : :.|!＼: : : : : : : : : : : : ＼: |!
　　　　　　　　　　 |: :|!: :〃 ノ＼: : : :ヽ:_: : : : : :|:l:|!　　　 ホントにもう…
　　　　　　　　　　 |: :|!: f'　　 　 ｀　:＿: : : :ヽ : |:l:|!
　　　　　　　　　　 ｌ:r ､:.|. rz=ミ 　 　 r ≠ミヽ:γY!　　　 この大変なときに内ゲバやってる場合じゃないかしら…
　　　　 　 　 　 ＿ヾ　{: c从zツ　　　乂zツ　|〈 ﾂ＿_
　　　 　 　 　 /y′r_ﾏ: l｡X　　　　　　　u ﾟX|: f /　　 ＼
　 ＿＿＿_ ./_　＜ 　ヽ:{＼　　　　'　　 　 ／|:ﾘ「￣ ＼ _j ＿＿＿＿
　　 　 　 　 〈　, 　　　, 〉. 　` .-｀ｰ一´- ´　　　}ﾉ / / ,　l
　　　　　　　 ヽj_/{ノｰv　　　　　　　　　　　 　 〈_rｰ'-ﾍノ




　　　　 ＞ ' ´　　　 ,,,xxｚ/::::::::ﾄ:::::::::::::::::::::::/::∨;,/／
　　　／　　　　　／;;:'´,'´l::::::::::>弋:::::::::::::::/::::::::::i　〉
　 , '　 　 　 　 , ' ／　,'　 ﾞｘ:::::::::ゝﾆ二ﾆソ::::;;::::ﾉ./
／　　　　 ,,,／ , '　　 ,　　　＼_::::::::::::::I´∨〈｀ｖ'ヽ
　　 ,,,.-‐´　,　'　　＿｛_　　　　'''''====ゝ 丶ﾍ ＼ｌ
_,,,, - ‐　' ´　　 , ' 　,ｲ ｀ヽ、　 　　　　　ヽ　ヾｌ、_!　　　　　　　共和国政府は、もともとは自由共和派、左翼共和派、
　　　　　　　　　　　ｼ　 ﾄ-、　　　　　　 ,- ＼　＼゛、
　　　　　　　　　　 ,'　　 ゞ_〉、 　 　 　 /〉 、｀"ー 　Y　　　　　社会党の三党連立政権です。
　　　　　　　　　　ｨ'　　　　　 ｀';. 　 　 'ﾜ"、￣｀　 " l
　　　　　　　　　＿ゝ　　　　　　..　 　 / ｲ;ﾄ<-　　　 l　　　　 　反ファシズムという点では共闘を誓っていましたが、
　　　　　　　　　　＿゛ﾆ_‐-　　 "゛ 　 ｀´　　ｌ｀　　　_}
　　　　　　　　　 ＞'´::"ﾞｯ、　 ヾ__ノ'　=＝キ{、　　 _L、　　　　本質的にはまったく相容れないイデオロギーをそれぞれもっており、
　　　　　　 　 ／:::::::::::/::::| ﾃx,,ノゝ- ,,,,,='´:::::∧__　　ｿ ﾄ
　　　 　,　- ' 　: : : :::/::::::| l 一｀ ｻ゛´ー〉::::::::／ｋ_／／::::＼　 内戦の最中でもお互いの足を引っ張り合うことがしばしばありました。
, - '　´　　. . : : :::::::::l:::::::::l　｀―'´! l＞-' 〉:::::ゝー...'..´::::::::::::::
ヽ　　. . : : : : ::::::::::::::l:::::::::::l　,' 　 /／　 /::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::
.｜::::::::::::::::::::::::::::::::::::、::::::::∨ ,l_/ ﾚ-‐./:::::::::::::::::＼::::::::::::::::::
　〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::∨_l 〈　７/:::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::

5月16日、ラルゴ・カバリェーロ内閣はバルセロナ5月事件の責任をとって辞職した。
同日、フアン・ネグリン内閣が成立する。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ___＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　, -‐　ﾞ￣￣:.`.:.:.:.:.:.__ ヽ
　　　　　　　　　 〆.:.:.:.:,..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､.:.:.:.:ヽヽ:.ヽ
　　　　　　　　／.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:ヽヽ:.ヽ
　　　　　　　 /.:.:.:.:.:.:./.:.:.:l.:.:.:|:.|ヽヽ:.|..:.:.:',:.:.| |:.:.:ﾞ
　　　　　　　l.:.:.:.:.:.:.:/l.:.:./i:.:.li.l--‐l:.:.|.:.:.:|.:.:.l l.:.:.:.',
.　　　　　 　l.:/.:.:.:.:.f‐十ﾌl / l ,ィ宍ヾ.:.:.:i:.:.//.:.:.:.:}
.　　　　　　 l/ l.:.:.:.:.ﾄ〃刃　　　ー-´|.:.:.:Y /.:.:.:.:.:i
.　　　　　　　　 ',.:.λ.',` ´　 ､　　　　|.:.:.:|/:.:.:.:.:.:.:l
.　　　　　　　　　',/ ',:.ヽ　　　__　 　 /i:.:./.:.:.:.:.:.:.:|
.　　 　 　　　　　　　 ',:.,.`　.、_ ｀,.　'　|:./.:.:.:.:.:.:.:/
.　　　　　　　　　　　　'l:.',|　　 }　　　 |/.､:.:.:.:.:.:/
　　　　　　　　　　　　,-― ´/　　　／　　　` -、
　　　　　　　　　　　ィ |　 　i∠=ヽ/　　　　 ／　>
　　　　　　　　　　　}　|　　 l　　 /　　　　 /　　 |
　　　　　　　　　　　|　l　　 i　 　}　　　　/　{　　i
　　　　　　　　　　　|　',　　{ ┳/　　　 /　　}　　l

　　　　　　　　　　　　　フアン・ネグリン



このネグリンは、共和国政府における最後の首相となった。

　　　　　　　　　　　　ﾞｉ:::.ﾞｉ　ﾞｉ　　　　!　!::::::.,'
　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ:::ﾞｉ　ﾞｉ　　　|　|:::::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::.ﾞｉ　ﾞｉ＿|　|:::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::ﾞｉ.　V _ 1!,r'
　　　　　　　　　　　　　　　ﾝＪ 　(,___ 」,'
　　　　　　　　　　　　　,r'´ 　　　　　V ｀゛
　　　　　　　　　　　,r'　　　　　　' ,　!
　　　　　　　　　　 ﾐ 　 　 　　　ｨ、'　!
　　　　　 　 　 　 ' ┼‐- 　.,　　゛` 　,'
　　 　 　 　 　 　 '' 十‐- 　.,｀ィ 　 　ﾞｉ
　　　　　　　　　　　､　 .,　　 ｀!､　 　 〉　　　さて、反乱側の事件はファランヘ党の党首選出事件です。
　　　　　　　　　'´::::::::::::::: ﾄ、　　_ﾝｰ`
　　　　　　 ,. '´--､:::::::ヽ:::ﾒ'´`iT〈 ,ｨｼ´
　　　　 　 /::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::ヽﾉ、 ヾ
　　　　　 ﾊ、:::＿::::::ﾞ';::::::::ヽ::::ヾ! i ',
　　　　 ,/:::::＿::::,-::::::',::::::::::l__;vﾍl　',
　　　　/::::::::::::::::::::::::::::}::::::::::｀ヽ、:ヽ ',
　　 ／､:::::ニニ二二ﾌ::::::::::::::::::::ヽ::', l
.　 /::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::ヽlj
　/:::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ll

　　 　 　 　 　 　 　 ,．'´　　,rｰ≧~~~｀ヽ
　　　　　　　　　<´: : : : : : :{　(⌒~'⌒ヽ.ﾑ
.　　　　 　 　 　 ,へ : : : : : :{　レ‐{薔}ニ].}　　　 うーん、その前に…
　　　　　　　　　l: : :i｀ﾞｰ- ､_ゝ､,く_l::!､∨ﾉ
　　　　　　　　　'; : :!　＿_　 ｀ﾞ＝‐l::lﾊ:;〉　　　　 カナは、この「ファランヘ党」っていうのが
.　　　 　 　 　 　 '; :ﾊ,.-ｒ.､｀　　´ゞ' 7/)ヽ
　　　　　　 　 　 〃八. ゞ' 　 ,　　　/'⌒ヽ　　　 実は今一つ分かっていないのかしら。
　　 　 　 　 　 　 ﾞ '⌒ヽ､rvy.､＿ｨ_ |＝ｼ
　　　　　　　　 　 ヾ,-‐{y′　´ｒ‐'ヽ. ラ-､　　　 できればここで詳しく説明してほしいかしら。
　　　　　　　　　　 ∧ラ ヽ、　ヽ.､-.!､　　ヽ
　　　　　　　　　　.ﾊ └' ｒ'7 　 { ヾ;j .!　　 ﾊ
　　　　　　　　　　i　　　 {. ヽ　ﾊﾞYヾ!|　　　 }
　　　　　　　　　　:、　　ﾉ ヽ∨. ', }､. |　 　 〈-┐
　　　　　　 　 　 　 >介1 　 ヽヽ l.}v',.>　　 ﾊﾆ.､
　　　　　　　　　　 ｀1/<　　　 ﾞiゝ}´　　　　　,}､}}
　　　　　　　　　　//- {｀て￣￣´　　　　,. へlj｀
　　　　　　　　 　 ｀　　>､　ヽ　　　 　 ／　　　 ＼
　　　　　　　　　 　 ／ヽj_!､,、＼_ _ ,人　　　　　　＼





　　　　　　　　　　／彡'∧　}　　 ,'　 |　　/ /
　　　　　　　　　　＼////ﾍﾊ_　 ;　　j　ノ /
　　　　　　　　　　　 ヽ>'´　ｊ//ﾊ　 〃'　,ｲ
　　　　　　　　　 rｰ-=ﾆ=≦彡'ｲ　/´.／
　　　　　　　 ／ー-=＝テ'´　　　　｀ヽ
　　　　　 ,.イ　ヽﾊ　}.／!　　　　　.　-‐=ﾐ
　　　　　 } ,へヽ Y./ﾉ　:　 ,　　／　 　 　 ∨
　　　　　ﾉ　＼/ｰﾂ.,{｀ヽ　{ 　 ', 　 　 　 　 ∨
　　　　 ,'　　　 Yﾍノ　 }､　｀　jえｚ 　　　　　∨
.　　　_zi.　　　 ﾉ,ｲ　　 ﾘ　　 ﾉ'´　　　 　 　 　 ヽ
　　 ∧＼＿__ゾ　　　 {ﾉ i　　　 　 　 　 　 　 　 i
.　 〃∧　丶 {　　　　〔　　　　　-=＝＝=-　　　;　　　かしこまりました。
　////∧　　ﾉ　　, -=ﾍ'´　　´-=＝＝-　 . 　 ノ
〃/////へ/ﾊ　´ ／　 .ｰゝ--'　　　　　　 彡'
/////////＼}　 ´　　　　＼　　　 ノ　　＞{
///////////〉　　　　　　　 ゞwヽ,..＜　　´}-=＝＝ー-
/////////,ノ　　　　　　 　 ／＞介ー＜／/////////
///////／　　　　_＿＿彡'//￣〉ヽ'´／.:://////////
///////　　　　／////////r'　{　　/.:::::///////////
//////　　＿,ｲ////////〃{　 {　 /.:::::////////////
/////　　 {//////////// r'　/　/.::::〃///////////

ファランヘ党は、ホセ・アントニオ・プリモ・デ・リベラによって創立された、暴力主義を信条とする政党である。



　　　　　 　　　, ‐ ´. .::::::::::::::::::::::::｀ ‐ 、
.　　　 　　　／/ . : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.、
　　　　　／. :/::::::::::::::::::::::::::::::::: i::::::::: : ＼::＼
.　　 　 //. :/::::::::::::ｉ :::::::::::::::::://:::::::::::::＼:＼::＼
　　　 //::::::ｌ:::::::/:/{ :::::/:::::::://:/::::!::::ｌ:::::::ﾄ:::::ヽ::::.
.　　　ｌ:l::::::/|:::::ﾊ/∧:V:::/:::/::::/::::/:::/::::::/::ﾍ::::l::::ﾊ
.　 　 |:l:::::::::|:::::|::!::::∧:V:::/::::/::::/:::/::::::/|::::::|::::|::|.!|
.　 　 |:ｌ:: |: :|:::::l::|::/:::ﾍ::V::／／/:/ ::／:::|:: /!:: | l ||
　　　 ｌ::::l:::::ﾊ:::|∠:ィ７:::Y:／::イ::z≦ィ:::/::/::ﾊ/:ﾘ |!
.　　　 ｌ::|:::::小:Π:/l/-=彡１ /艾ｧﾃ｀ｼ_:ｨｆﾁ::/:/
　　　　V::ｌ: :!::l:|い小/|:ハl:|/　　｀´　 　 ｛ }ノ´
　　　　 Ⅵ: ｌ:::::｀爪|　　　　　　　　　　　　〈
　　　 　 }:!: |::|:::l::|　＼　 　 　 　 　 　 ‐ _ノ
　　　 　 ぃ::|::|:::l::|　　 丶　　　　__,　，／
　　　　　 |:∧l＼:{　　　　＼ 　 　 　 /
　　　　　 ｌ′丶　ヽ　　　　　ト､＿,ノ
　　 　 ／　　　　　　　　 　 ,′
.　 ／＼.＿＿＿＿　　 　 人_
／　　｀－――‐‐- ､｀ ‐ 、　 ＞､ｘ‐ ､
　　　 　 　 　 ＼ 　 　 ｀ヽ ヽ、　 | | 　 ＼
　　　　　　　　　 ＼　　　　＼ ` ┘!　 ＼ ＼

　　ホセ・アントニオ・プリモ・デ・リベラ

　　　 　 　 　 ヽ: : : :ー＝三三三三三三三!
　　　　　　 　 /: : :　　　　　　　　￣ヽ￣＝三}
　　　　　　　/: :　　　　　　　　　　　　 ＼　＼
.　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　 　 　　l　　　　　ファランヘ党はミニ政党でしたが、
　　　　　 ,'　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _　　　 i
　　 　 　 i　　　　　　　　　　　　　 ／;ﾐ､　　 l　　　　　軍事蜂起に積極的に参加してから
　　　　　 l ,　　　　　 　 　 　 　 　 ヾー'　　 ヽ
　　　 　 ／ ,／l　　　　　　　　　　　　　　　　 'っ　　　党員が急増しました。
　　　　< ／!: :/ ／: : ;　,. .-,　 ／　　　　　　　 j
　　　　　　 L: :´: : : :/／: :　／／　　/　　　　/　　　　しかし、党首ホセ・アントニオ・プリモ・デ・リベラは、
　　　　　　 /:, -/: : : : : : ／ :/　　 　.! ＿_ ／
　　 　 　 　 　 /: ; ﾍ: : . : : :./　　　　　 ／　　　　　　　内戦が始まってまもなく、政治犯として共和国政府に
　　　　　　　　 ´,ﾍ/ ヽ／: :/　　 /ー ´
　　　　　 　 　 /三ゝ、　　　　　 i　　　　　　　　　　　 逮捕されていました。
　　　　　　　 /三三三三二ﾆﾆ＝-､







ﾍ　',:::ﾍ|:::::::::l:::ﾍ::ﾊ:::::＼|:::::::::::＼:::::::＼:::::::::::::::::::::/:|:::::::::/:::::::
　',　＼:ﾍ::::::|ヽ:::ﾍﾊヽ:::::｀ヽ_::::::::::＼:::::::＼::::::::::::/::::|::::::/:ﾍ:::::
　 ',　　ヽ',ヽ| ﾍ＼::::ﾍ ＼:::ﾍl｀ヽ:::::::l＼::::: l::::::: /｀ヽ|:::/::::::::ﾍ:
＿_ヽ　./ﾍ .ﾊﾍ:l　＼:ﾍ.　＼ﾍ　 ｀ヽl::::::＼::＼::l＼::::|/:::ﾍ＼:::
｀ヽ￣./　ハ:::',ﾍ..　　｀ヽ.　　＼　 　｀ｰ-l:::＼::＼:::＼　　 ',|ヽl
　 　 /.　 　 ＼ ﾊ　　　　　　 　 　 　 　 l:::::::..
. 　 /　　　 　　 ｀ヽ　　　　　 　 　 　 　 l:::::::::::...
　 /　　　　　　　　 ﾍ　　　　　　　｀ヽ　　_／:::::::::..
. /　　　 　 　 　 ／'';;＼
　｀''ｰ-=,,,_ 　 ／　　 ';;;;;＼ 　　　 ＿＿_ ＿＿_
　　　　　　'／　　　　 ';;;|　.＼　　　 　 　 　 　 　 　 　 /
　　　, r ' ´　 　 　 　 　 |.　　 ＼　　｀￣￣´ 　 　 　 ｲ;;;
　　K　　　 　 　 　 　 　 | . 　 　 ＼　　　　 　 　 ／;;;;;;;;
　 　 ∨　　　　　　　　　 |　　 　 　 ＼　 　 　 ,イ''''''''
. 　 　 ∨　　　　　　　 　 |　　　　,r‐='｀ー― '｀ヽ
　 　 　 ∨　　　　　 　 　 |　　　/;;'ﾍ . /　/　/　/＼
　　　　　∨　　　　　　 　 |　　/　　 ∨ ./　/　/　　 ＼

　ﾑ ｀ヽ｀ヽ　∨|　!
　　.＼　＼::, .∨　r-.､
　　　　＼　ヽ　∨}:::::::j
　　　　　　＞｀　ゞミュ!
　　　　　 ,　　　　＼ ､ヽ
　　　　　,ﾞ　　　　 ､_｀ﾊ ∨
　　　　ノ／　　　　　ゞュ.∨　　　 　 党首のホセ・アントニオだけでなく、
　　　ｲ　　　　_＿＿＿　　｀ヽ
.　　 ｜　　　´_　　-―-ﾐ 　 )ｒ}　　　ファランヘ党の高級幹部の多くが
.　　　ゝ　　'´　　　　　 ｀ー彡ﾘ､
　　　　 ｀　､　　　　ー-ﾐ　w,ノ　　　 共和国政府によって逮捕・殺害されてしまいます。
　　　　　　 ハー―ュ　i´｀ヾ
　　　　 　 ,..＜≦￣{三rﾄ､
　rー.: :´: : : : ﾍ∨ﾊ　{__ﾏ}､
. : : ヾ: :､: : : : :∧∨ﾊ　}__ﾏﾑ
: : : : :.∨ﾏ: : : : ∧∨ム {__ﾏﾑミ : ,
; : : : : :.∨ : : : : ;ハ.トマﾍ }_ﾏﾑ: : ﾏ:､
: : : : : : :.∨: : : ﾉ: : ＞ュﾐヽ {.ﾏﾑ: : :∧
: : : : : : : :.∨: /. : : : : : : / ∨}_ﾏﾄ､: : :}
彡'｀ ー -: :}: :, : : : : : : : ＼ ゝマハ}: ｜






　　　　　　 　 　 　 l /　/　　　　　　　_.二ﾆYｽ.　　 ／ｿヽ／　　　 l |
　　　 　 　 　 　 　 jﾉ ｲ 　 _　　　 　 '　　　　 ヽﾍイ ／_　 ヽ　　　 ' :l
　　　　 　 　 　 　 〈 /｛／　　　 　 　 　 ,　_ﾉ_ノ└'´　＼ ヽ　l　　/　j
　　　　　　　　　　　{j:.:i　 、_ 、　 　 　 / 厶こｒ｀Y　　　　V＞-､/　 ,
　　　　 　 　 　 　 　 ヽVY〈 ﾊ 　 　 　 　 Vしり } '　　　く7ﾞ／ヽ l　/
　　　　　　　　　　　　　 ｌ} ﾋｒ」　　　　　　 ゞー '´　　　　 l!　ﾉ , / /
　　　　　　　　　　　　_,　|　ゞ'　.　　　　　　　　　　　　　/'＿.／, '　　　　 .反乱側には、ホセ・アントニオを
　　　　　　　　　　　/´　 ',　　　ヽ　　　　　　　＼_f´￣｀¨ヽ ／
　　　　　　　　　　 {!　　,.-＼　　 ﾏ二) 　 　 u 　 |　　　 . : :ヽ, -―- 、　 救出するっていう作戦はなかったのかしら？
　　　　　　　　　　 ゞ、/　　: .＼　　 ::.　　　　　　 Ｌ--　､: :／
　　　　 　 　 　 　 　 入￣ , -_‐≧:. 、　 　 _　イ―-ゝ:_／
　　　　　　　　　　　/　 ＼/´　. : : 〉 　￣ｲ⌒ト|　　 : :/
　　　　　　 　 　 　 |　　 　| ,_‐'´￣｀ーく.　TT　L --､j
　　　　　　 　 __ , -､　　 _/＿ ｀　　　 　 ヽﾄ､|　l　￣:.|　　l
　　　　　　/＿)__）,＞＜.｀ヽ　 ヽ　　　ﾄ､　 ! |ﾄ､lｰ┬:｣　　{
　　　 /￣ヽヽ.　 //￣ ヽV ﾊ　　}　　 |　ヽj/ |　＼／ ＼　', ハ

　　　　　　　　＞－ ' ´￣ ＞‐|:::::::::::::::::::::::::::ｲ　　 ﾉ　／
　　　　 ＞ ' ´　　　 ,,,xxｚ/::::::::ﾄ:::::::::::::::::::::::/::∨;,/／
　　　／　　　　　／;;:'´,'´l::::::::::>弋:::::::::::::::/::::::::::i　〉
　 , '　 　 　 　 , ' ／　,'　 ﾞｘ:::::::::ゝﾆ二ﾆソ::::;;::::ﾉ./
／　　　　 ,,,／ , '　　 ,　　　＼_::::::::::::::I´∨〈｀ｖ'ヽ　　　　　それは当然ありました。
　　 ,,,.-‐´　,　'　　＿｛_　　　　'''''====ゝ 丶ﾍ ＼ｌ
_,,,, - ‐　' ´　　 , ' 　,ｲ ｀ヽ、　 　　　　　ヽ　ヾｌ、_!　　　　 また政府側と反乱側のあいだには、政治犯を交換するための
　　　　　　　　　　　ｼ　 ﾄ-、　　　　　　 ,- ＼　＼゛、
　　　　　　　　　　 ,'　　 ゞ_〉、 　 　 　 /〉 、｀"ー 　Y　　 非公式の仕組みができていました。
　　　　　　　　　　ｨ'　　　　　 ｀';. 　 　 'ﾜ"、￣｀　 " l
　　　　　　　　　＿ゝ　　　　　　..　 　 / ｲ;ﾄ<-　　　 l　　　ホセ・アントニオの際立った知名度を考えれば彼の解放は容易では
　　　　　　　　　　＿゛ﾆ_‐-　　 "゛ 　 ｀´　　ｌ｀　　　_}
　　　　　　　　　 ＞'´::"ﾞｯ、　 ヾ__ノ'　=＝キ{、　　 _L、　 無かったでしょうが、決して不可能でもなかったのです。
　　　　　　 　 ／:::::::::::/::::| ﾃx,,ノゝ- ,,,,,='´:::::∧__　　ｿ ﾄ
　　　 　,　- ' 　: : : :::/::::::| l 一｀ ｻ゛´ー〉::::::::／ｋ_／／::::＼
, - '　´　　. . : : :::::::::l:::::::::l　｀―'´! l＞-' 〉:::::ゝー...'..´::::::::::::::
ヽ　　. . : : : : ::::::::::::::l:::::::::::l　,' 　 /／　 /::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::
.｜::::::::::::::::::::::::::::::::::::、::::::::∨ ,l_/ ﾚ-‐./:::::::::::::::::＼::::::::::::::::::
　〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::∨_l 〈　７/:::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::〉 l　 〉 /::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::

ホセ・アントニオの救出を拒んでいたのは、他ならぬやる夫であった。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -‐　´￣｀　‐- .
　　　　　　　　　　　　　　　,. ‐´　　　　　　　　　　 ｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : :　　　 'ﾊ
　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　 ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　　　 ﾊ
　　　　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　　　　ﾍ
　　　　　　　　　　 .ｉ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　　ﾍ
　　　　　　　　　　 |　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　　.}
　　　　　　　　　　　ｉ　 : : : : : : : : : : : : : : : ､. : : : : ＿　　　　/
　　　　　　　　　　 ,.-'´￣￣｀''' : : : : : : : : : : : ｀￣　　 ￣｀'ヽ'
　　　　　　　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　 ヽ,
　　　　　　　 /: : : : : , : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　　　 ﾊ
　　　　　　　,ｉ: : : : : |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、: : : :　　　　ﾊ
　　　　　／´: : : : : : }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : 　　　　 ﾊ
　　　　/: : : : : : : : ｉ': : : : : : : 〃: : : : : : : : : : : :　　 ヽ､: : : 　　　　 ｉ､
　　　/': : : : : : : 　 ｉ: : : : : : : '": : : : : : : : : : : : :　　　ﾍ: : : : 　　　　ﾊ
　　 /　: : : : : :　　ｉ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　　　ﾍ : : : : 　　　　ﾊ
　ノ'　: : : : : :　 ／ｉ　: : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　　　　 ﾍ: : : : : :　　　 ﾊ

ホセ・アントニオの従弟、アグスティン・アスナルは、ホセ・アントニオ救出計画に対するやる夫の気乗り薄の
態度に突き当たっている。



　　　　　　　／￣￣￣￣＼
　　　　　　/　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　|　 ｨ●ｧ　　ｨ●ｧ　|
　　　　　　|　　　　　　　　　　|
　　　　　　|　u　　c{　っ　　　|
　　　　　　 |　　　＿＿　　　|
　　　　　　 ヽ　　　ー　　　／
　　　　　　　　＼　　　　／
　　　　　　　　　 |　　　 |
　　　　　　　　　 |　　　 |
　　　 ／￣￣￣　　　　 ￣￣￣＼
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　 |

　　　　アグスティン・アスナル



　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　-　￣￣｀　- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ｰ､　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　, -､　　　　 ヽ､＿　　　　 ﾊ
　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾉ!o　}　　!､_　　　　　　　　　',
　　　　　　　　　　　　　　/　＞　　　 ｏ｀ー--　　　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　{ /　　　　ヽー- ＿　　＿　　　!
　　　　　　　　　　　　　　ヽ｀ー〈　　 }　 　　 イ´　　ヽ　ｊ　　　　ホセ・アントニオを解放するために、金銭を支払うべきじゃねーお。
　　　　　　　　　　　　　　　＞､　 ー'　　　 （　 , イ⌒ヽ' |
　　　　　　　　　　　　　　 <　 ７ヽー-ァー-ヾ/　　　　.ﾊi　　　 .万一金を支払うとしても、徹底的に値切るんだお。
　　　　　 ｒ='ﾍ　　　　　　／ヽ!:::{　<´　　　 ハo　　　　　i
　　　　　 ∨l∧　　　　 ノ　 / 7::｀->　 ／　 　 ｊ　　 　 /
　　　　　　 ∨l∧　　_/ ｊ　/　/:;':::〈-イ　　 　 〈　　　 ..|
　　　　　　　,イ )ﾍ}-'　/　ｊ　/:::;:r´　　　　　 　 !　　　...|
　　　　　　　!　⌒)ﾍ　　ノ　/:::::;/　　　　　　　　}　　　..|
　　　　　　　ヽ　´ノﾍ／　 /::::::/　 　　　　　ヾ　/　　　 |



それは、成功の可能性をかなりの程度減少させる言い分だった。

さらにやる夫は、ホセ・アントニオが救出された場合の処遇について奇妙なことを言い出した。



　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 ',
　　 　 　 　 　 i 　　　　　　　　　　　　　　　　!　　 　 かりにホセ・アントニオが救出されても、その事実は極秘にするべきだお。
　　　　　　　　i　　　　　 　 　 　 　 　 , ィ´j 　ｌ
　　　　　　 　 ｌ　　　　　 　 　 　 ､,ィ´ ゝ'ｨ　　 ト､　　それと、ホセ・アントニオに接触する場合はやる夫の特別の許可を得るように。
　　　 　 　 　 ｌ　 　 ＿＿_,ヾ, ヽｲ､ ｀ ー‐　　 ｊ　　ヽ
　　　　　　　　! 　　 ゝ､_!ｿｲ　　　　　 )　　　/　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 {　　 　)ー‐'　　 /　　　　 　ﾊ
　　　　　　　　　ヽ　　　　　｀ー '´　　　 ｨ´　　　　　 　　ｌ
　　　　　　　 　 ハミ≧ー　＿＿_　,, ≦　　　　　　　　　ｌ
　　　　　　　 ／ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　ｊ

やる夫は、在スペインのドイツ領事にこんな不気味なことも言っている。



　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .　 -――-　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　 　 　 ＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 , '　　　　 　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 / 　 　 　 ＿_,ノ ′' ｰヘ　Y
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　　《 ○ 　）　 （○　》 !
　　　　　　　　　　 　 　 　 　　|　　　　 ｀ ￣ ´　　 ｀¨ヽ 　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　V　　　 　 ヽ. ＿_人＿丿 /
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　∧￣ﾍ 　　　　　ー一 　／　　　「どうもホセ・アントニオは、すでに精神に変調をきたしているようだ」
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／::::::::::ヽ ＼　　　＿＿_／
　　　　　　　　　　　 　 ／::::::::::::::::::::ヽ.　＼_, -'´
　　　　　　　　　　 　 /:::::.＿:::::::::::::::::::ﾍ　　.>ﾊ
　　　　　　　　　　　/::´:::::::::::::｀:::.､:::::::::ヽ／￣}
　　　　　　　　　　 ,::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::ﾊ　　|
.　　　　　　 　 　 ,:!:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::ﾊ´¨|､
　　　 　 　 　 　 /i:::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::i.　| i
　　　　　　　　 ./.:ゝ::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ､_::::::|　} |,
　　　　　　　　 i::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::}::::i / ノ
　　　　　 　 　 i::::::::::::::V::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽi/
　　 　 　 　 　 |:::::::::::::::::V:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　 　 　 　 　 　|:::::::::::::::::::入:::::::::::::::::::::::::::::::::::V'´



この時点でファランヘ党員たちは、ホセ・アントニオ救出計画を断念せざるをえなかった。

　　　　　　　　　|　　　　　　_
　　　　　　　　　|　　 .　―ｆ　ヽ￣￣`
　　　　　　　　　|,　　　　 │ 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　|　　　　〃}　　　|　　rオミx
　　　　　　　　　|:　　 ／　　､　　　厂7　　　 ゝ≠^,
　　　　　　　　　|　／　　　　　〟　厂j 〔＞《薔〉<〕
　　　　　　　　　| ′￣｀　 　 　 ＼厂｛　　〃 ﾏ〟
　　　　　　　　 ｜　- . ヽ　　　　― ､厂＼ }!.／ﾏ〟
　　　　　　　　 │ｨ⌒ヾ　　 　 ‐　　　＼ﾉ_Υ_ノ
　　　　　　　　　| 弋tﾂ　 　 　 .ｨ⌒ヾ 　 | 　/
　　　　　　　　　|　 　 　 ,:　 　 弋tﾂ　r=-v′
　　　　　　　　　|　　　　　　　　 　u　 ハ /　　なんでやる夫は、ここまで露骨に救出計画を妨害したのかしら？
　　　　　　　　　|＼　　 ﾟ　 　 　 ＿ノ-イ　
　　　　　　　　　|ヽ:.＞-z―━くゝ＿_...ﾅ
　　　　　　　　　l′:/ ∧ ヽ : :l -ゝ- =く
　　　　　　　　　|: :〈_/}:|:｝_ｊ: . :〔ミxノﾉ　ヽ
　　　　　　　　　|: . 。 }:|:} : : :/,｝-ｱ　 　 ｜
　　　　　　　　　|: .｡ . }:|:}ｰ≠彡”　　 　.ノ






　　　　　　　　＞－ ' ´￣ ＞‐|:::::::::::::::::::::::::::ｲ　　 ﾉ　／
　　　　 ＞ ' ´　　　 ,,,xxｚ/::::::::ﾄ:::::::::::::::::::::::/::∨;,/／
　　　／　　　　　／;;:'´,'´l::::::::::>弋:::::::::::::::/::::::::::i　〉
　 , '　 　 　 　 , ' ／　,'　 ﾞｘ:::::::::ゝﾆ二ﾆソ::::;;::::ﾉ./
／　　　　 ,,,／ , '　　 ,　　　＼_::::::::::::::I´∨〈｀ｖ'ヽ
　　 ,,,.-‐´　,　'　　＿｛_　　　　'''''====ゝ 丶ﾍ ＼ｌ
_,,,, - ‐　' ´　　 , ' 　,ｲ ｀ヽ、　 　　　　　ヽ　ヾｌ、_!
　　　　　　　　　　　ｼ　 ﾄ-、　　　　　　 ,- ＼　＼゛、　　　　 　やる夫の動機は明快です。
　　　　　　　　　　 ,'　　 ゞ_〉、 　 　 　 /〉 、｀"ー 　Y
　　　　　　　　　　ｨ'　　　　　 ｀';. 　 　 'ﾜ"、￣｀　 " l　　　　 　民間人を政治的に動員するためのメカニズムとして、
　　　　　　　　　＿ゝ　　　　　　..　 　 / ｲ;ﾄ<-　　　 l
　　　　　　　　　　＿゛ﾆ_‐-　　 "゛ 　 ｀´　　ｌ｀　　　_}　　　　 　また、同盟国ドイツの理想との見せかけの一体化を創出するための手段として、
　　　　　　　　　 ＞'´::"ﾞｯ、　 ヾ__ノ'　=＝キ{、　　 _L、
　　　　　　 　 ／:::::::::::/::::| ﾃx,,ノゝ- ,,,,,='´:::::∧__　　ｿ ﾄ　　 　やる夫にはファランヘ党が必要でした。
　　　 　,　- ' 　: : : :::/::::::| l 一｀ ｻ゛´ー〉::::::::／ｋ_／／::::＼　
, - '　´　　. . : : :::::::::l:::::::::l　｀―'´! l＞-' 〉:::::ゝー...'..´::::::::::::::　ですが、そのリーダーであるホセ・アントニオは邪魔な存在だったのです。
ヽ　　. . : : : : ::::::::::::::l:::::::::::l　,' 　 /／　 /::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::
.｜::::::::::::::::::::::::::::::::::::、::::::::∨ ,l_/ ﾚ-‐./:::::::::::::::::＼::::::::::::::::::
　〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::∨_l 〈　７/:::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::

やる夫が総統就任間もなく、ポルトガル駐在ドイツ公使館参事官に述べた言葉がある。



　　　　 　,.-''"￣ "''-.、
　　　 .／,-、ﾉ （＿ 　 .ヽ
　　　/. ,.-‐､ 　 ,.-.､　 　 '.,　　　「自分がもっぱら心を砕いているのは、『思想の統一』である。
　　 .l　　┴　　　┴ ｀　 　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　ｾﾀﾞ
　　 .l　　（　　、　　）　　 　 l　　 軍、君主制支持者、CEDA（右翼政党の連合体） ───
　　　',. 　 ｀¨´｀¨¨´　　　　/
　　　 ヽ._ _,.--､_,,..........,,_／　　　彼らの間に『共通のイデオロギー』を確立することだ」
　　　　/</::::::::|::::::::::_,,-''"ヽ-..,,_
　 ,.-／ ./::::::::::|-‐''"/　　　 ',　　￣ヽ
／/　　,'::::::::::::::|　　,'　　,..-''"
　..＞　l::::::::::::::::|　 ,'　　 ＼
　 |　　|:::::::::::::::::|　|　　　／

　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　,..-''"´ 　 　 ｀"''-、
　　　　　　　　　　　　 ／　､＿)　　　　 ｰ―＼
　　　　　　　　　　　 /　　 　 　　　　　　　 　　.',
　　　 　 　 　 　 　 ,'　　 ｨ::::::{｀　　 　 　 ＿＿　',　　　しかしこれらのグループのほとんどは旧秩序と結びついている。
　　　　　　　　　　 l 　 　｀¨¨´／　　　.＼ ¨¨´　 l
　　　　　　　　　　 l　　　　　（　　　,、　　）　　　 l　　 そのような状況の中で、そういう統一を成し遂げるには、
　　　 　 　 　 　 　 '.,　　　　　｀¨¨´ ｀¨¨´　　　 /
　　　　　　　　　　　 ヽ、　＿＿　　　　　　　 ／　　　 ファランヘ党を政治的に利用するしかない。
　　　　 　 　 　 　 　 r''"´:::::::/´|　　　 _,,..-''´ヽ
　　　　　　 　 　 　 __|::::::::::::/::::::ヽ、　　　|:::::::〈.、__
　　　　　 _,,..-‐''"´　 |＼.／,::::::::::::|　　　 |:::::／-ヽ、｀''-..,,_
　　　　　|ヽ　　　　　 |　 __　'.,::::::::::＼.　 .l／::::|　 ＜_　　　.|
　　　　　|　ヽ　 　 　 ￣／ 　 '.,::::::::::::＼,':::::::::::',　 　.|　 　 .|
　　　　　|　　ヽ　　　　 ＼　　　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::',　　|　　　.|
　　　　　|　　　ヽ　　　　　＼　　 ヽ:::::::::::::::::::::::::::',　 | 　 　 |
　　　　　|　　　　l　　　　　 　＼　 |:::::::::::::::::::::::::::::|　l 　 　 .|
　　　　　|　　　　|　　　 　 　 　 ＼|:::::::::::::::::::::::::::::| ,'　　 　 |

だが、ホセ・アントニオとやる夫の政治計画は、まったく相容れないものだった。
ホセ・アントニオの生前最後のインタビューが、彼の当惑を伝えている。



　　　　　 　　　, ‐ ´. .::::::::::::::::::::::::｀ ‐ 、
.　　　 　　　／/ . : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.、
　　　　　／. :/::::::::::::::::::::::::::::::::: i::::::::: : ＼::＼
.　　 　 //. :/::::::::::::ｉ :::::::::::::::::://:::::::::::::＼:＼::＼
　　　 //::::::ｌ:::::::/:/{ :::::/:::::::://:/::::!::::ｌ:::::::ﾄ:::::ヽ::::.
.　　　ｌ:l::::::/|:::::ﾊ/∧:V:::/:::/::::/::::/:::/::::::/::ﾍ::::l::::ﾊ
.　 　 |:l:::::::::|:::::|::!::::∧:V:::/::::/::::/:::/::::::/|::::::|::::|::|.!|
.　 　 |:ｌ:: |: :|:::::l::|::/:::ﾍ::V::／／/:/ ::／:::|:: /!:: | l ||
　　　 ｌ::::l:::::ﾊ:::|∠:ィ７:::Y:／::イ::z≦ィ:::/::/::ﾊ/:ﾘ |!
.　　　 ｌ::|:::::小:Π:/l/-=彡１ /艾ｧﾃ｀ｼ_:ｨｆﾁ::/:/
　　　　V::ｌ: :!::l:|い小/|:ハl:|/　　｀´　 　 ｛ }ノ´
　　　　 Ⅵ: ｌ:::::｀爪|　　　　　　　　　　　　〈
　　　 　 }:!: |::|:::l::|　＼　 　 　 　 　 　 ‐ _ノ
　　　 　 ぃ::|::|:::l::|　　 丶　　　　__,　，／　　　　「ファランヘ党の綱領は徹底した社会変革を求めるものだが、
　　　　　 |:∧l＼:{　　　　＼ 　 　 　 /
　　　　　 ｌ′丶　ヽ　　　　　ト､＿,ノ　　　　　　 現在のナショナリスト陣営の状況を見ると、伝統的利益の擁護が優先されている」
　　 　 ／　　　　　　　　 　 ,′
.　 ／＼.＿＿＿＿　　 　 人_
／　　｀－――‐‐- ､｀ ‐ 、　 ＞､ｘ‐ ､
　　　 　 　 　 ＼ 　 　 ｀ヽ ヽ、　 | | 　 ＼
　　　　　　　　　 ＼　　　　＼ ` ┘!　 ＼ ＼



カリスマ的なホセ・アントニオが生還してきたら、やる夫は決してファランヘ党を支配し操縦することはできなかっただろう。

1936年11月20日、ホセ・アントニオ・プリモ・デ・リベラは監獄で銃殺された。
目撃者の記録によれば、彼は「大いなる尊厳と勇気を示しつつ」死んだという。



　＿＿＿＿＿＿＿＿
　|　　　　　　　　　　　 |　　 ./:::::::::::::::::::::/.::::::/::::i:/:ﾚ:.::l::::::;ｲ::::::l::/::l:::l:::l:::::l:|::::::N:l::l:::l:::::::;::::::::l::l:::::/:/:.::.:::::::::::::::
　|　　　　　　　　　　　 |　　./::::::::::::::::::::./　:::/:::::ｲ:::::|::::ll:::/::|::::::i/::ｲl:::l:::l::ﾊlヽ::::l::::N::l:|::::::|:::::::l::l:::/:/:.:.::::::::::::::::/
　|　　　母　　　さ　　　| 　./:::::::::::::::::::.. : 　::/::::l:,ll,:::l:::l;:::l,!:::::ll;::::l//;ｲ::ll⊥/l| l::::l::::lヽ:::l::::::|::::::||::://: ..:.:::::::::::::::/
　|　　　な　　　よ　　　|　./:::::::..::.:::..... .　 ::/.,|:l::::/l:l,, ::l::/l::;ﾊl::::/ .〃汐≦,Hl,, l::l::::l::∨l:::::|l::::l::|// ::　:.::::::::::::/
　| 　　 る　　　な　　　|　/::::::::..::...::　.::　 |/|:::l:::Й=;Y,〉゛l::l　!::l 　K..〈:::::_ｦl;,〃 ヽ::l:l::l::ﾊ:::|:|::::|//　:　. ::::::::::/
　|　　　ス　　　ら　　 .| /:::::...::　.　. :　 ://|:lﾞ:::;ｲi〈::,ｿﾞ　 l:l　ﾚ　　　｀￣ ｀｀.l 　　 ﾊ;:l:l::l:::ﾄ:::::ト//. 　　. ::::::::/
　|　　　ペ　　　　　　　|/:::::..:::　:. 　.:　://::,l:i;:;ll　ｼ'ﾞ 　 　'　　　　　　　　　　　　/ ﾊll:|:::::ll.:::ﾚ//:　　　 :::::::/
　|　　　イ　　　　　　　|;:.　..　 　 :::　:://l::ﾊ , イ　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　〉l:::::i.ﾚll://:　　　: .:::::/
　|　　　 ン　　　　　　　 ,＞:.　　　:　 :://∥ilﾞ ` ヽ、　ヽ 　　　　　　　　　　　　　　 /:::,ll:::::l|://.　 　　:.:::::/
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　 　　　　　　/:::.　　 　 .:/:::://　 　 　 　 　 l　　　　　　　　　　　　　　　 ,,,　'´　 // .:::::::.: . :::::::/

　　　　　　　　　　　　ﾞｉ:::.ﾞｉ　ﾞｉ　　　　!　!::::::.,'
　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ:::ﾞｉ　ﾞｉ　　　|　|:::::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::.ﾞｉ　ﾞｉ＿|　|:::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::ﾞｉ.　V _ 1!,r'
　　　　　　　　　　　　　　　ﾝＪ 　(,___ 」,'
　　　　　　　　　　　　　,r'´ 　　　　　V ｀゛
　　　　　　　　　　　,r'　　　　　　' ,　!　　 　 処刑のニュースに接したやる夫は、
　　　　　　　　　　 ﾐ 　 　 　　　ｨ、'　!
　　　　　 　 　 　 ' ┼‐- 　.,　　゛` 　,'　　　 ホセ・アントニオを殉教者として神格化するなど
　　 　 　 　 　 　 '' 十‐- 　.,｀ィ 　 　ﾞｉ
　　　　　　　　　　　､　 .,　　 ｀!､　 　 〉　　 表面的には死者を大いに悼みつつ、
　　　　　　　　　'´::::::::::::::: ﾄ、　　_ﾝｰ`
　　　　　　 ,. '´--､:::::::ヽ:::ﾒ'´`iT〈 ,ｨｼ´　　 ファランヘ党乗っ取りにとりかかります。
　　　　 　 /::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::ヽﾉ、 ヾ
　　　　　 ﾊ、:::＿::::::ﾞ';::::::::ヽ::::ヾ! i ',
　　　　 ,/:::::＿::::,-::::::',::::::::::l__;vﾍl　',
　　　　/::::::::::::::::::::::::::::}::::::::::｀ヽ、:ヽ ',
　　 ／､:::::ニニ二二ﾌ::::::::::::::::::::ヽ::', l
.　 /::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::ヽlj
　/:::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ll





　　　＼　　ゞ:､　　＼　}ー-＝彡}==ｧﾞ　　/　/
　　　　 ｀　　　 ｀ヽ　 ＞ー-＝=彡"ｲ 　 .'　/
　　　　　　　　＞ ､ﾉゞ＝==＝´　　　　　｀V
　　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　 '.　　,
　　　 　 　 　 　 ,　　　　　　　　　　　　　　　 ／
　　　　｀ 　 　 　,　　　　ヽ　　/　　　 　 　 ／{
　　　　　　ヽ　_.ﾞ　　　　 :i　 ,:　　　　 ,　'"
　　　　　　　　/ ｀ヽ.　　.ﾙ　{　　 　 ｲ　　 ,　　 '.
　　　　　　　　} ゝ _ﾊ　　　　　 　 / ＞‐く
　　　　　　　　,　辷ﾊゝ　　　 　 ./彳ｰ= '"　　　　:.　　　　党旗など、ファランヘ党の外見上のシンボルはすべてそのままにする一方で、
　 　 　 　 　 /　　　｀ヽ　 ,　　　　　　 　 　 　 　　 '
　　　　　　 ,　 　 　 　 　 ′{　　　　　　 　 　 　 　 }　　　ホセ・アントニオの著書のいくつかを禁書にするなど、
　　　　　　 }　　　　　　 / 　 ﾞ　　　　　　　　　__　ノ
　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　　_　 -‐ '" ア ￣　　　 イデオロギーの武装解除を行ったのです。
　　　　　三二ﾆ=-_　　 乂　ノ　　　-― ―毛=＝
　　　　　　￣￣　＼　　　 ;　　　　　　彡´i{
　　　　　　　　　　　 ｀ー- ^ー-　‐=彡"　ハ.､
　　　　　　　　　　　　　i＼　　 ／イ {　 / {::∧＼
　　　　　　 　 　 　 　 /|　从(才" .|./／　 }:. ∧:.:.＼

ホセ・アントニオ死後間もなく、ファランヘ党党首の後継者問題が浮上する。
当時、党内の権力闘争で頭一つ抜けていたのは、ホセ・アントニオから後継者指名されていたマヌエル・エディーリャだった。



　　　　　　　　　　　　　 ＿
　　　　　　　　-‐=ﾆ二:::::::::::::ﾆ=-
　　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧=‐-
.　　　 ／::::::::::::::::::::::,..　-‐=ﾆ二三:::::::::::::::::::::::〕iト
　 　 /::::::::::::::::::::::／:::::,..　 -‐=ﾆ二三::::::::::::::::::::::::::::＼
. 　 /:::::::::::::::::::／:::::／:::::::::: ,..　 -‐=ﾆニ二三:::::::::::::::｛
　 /:::::::::::::: ／:::::／::::::::::::／::::::／￣￣　三二ニﾆ=-::{
. /:::::::::::::::/:::::／::::::::::::／::::::／::::::::-=ﾆ二:::::::::＞'ﾞ´ :: L
/:::::::::::::::/::: /::::::::::::／::::::／:::: ／::::::／::::＞'´::::::／ / /|
:::::::::::::::/:::::/:::::::::: /::::::／:::::／::::::／::::／::::::::::／ ／ /:::|
:::::/:::::/:::::/:::::::::::/:::／:::::／::‐-ミ::: ／}::::::::／ ／/: /:::: |
::/:::::/:::::/:::::::::: /: /::: ／ 寸rf ＜＼ /:::／}／　/: /:::::: ′
:::::::/:::::/::::::::::::/::/::／::/ 　 ≧=‐- ,/／　 斗-/／:::::::/
::: /:::::/::::::／/:::/:/:|: /　　　　 　 　 　 　 斥ア} ::::::: /
:::::::／:::／:::/:::/:/　|/　　　　　　　　　 　 ∨ ,ｲ/:::/ ′
:／:::／::::: /:::/:/{　 　 　 　 　 　 　 　 　 ノ 　/:: / ′
::::／:::::::::/:::/:: |::|　　　　　　　　　　 　 　 　 /:::/:/
:/::::::::::::/:::/ ::: |::ト　　　　 　 　 ―‐　.,,_　／:::/l/
′::::::::/:::/|::∧|::l　　`　　　　　　　ご　／／:/
:::::::::::/: / :l/　 リ　　 　 ＼　 　 　 　 /::/|: /
::::::::/:::/ﾆ≧s｡　　　　　 　 〕iト　　　ｲ / :|/
＿/}::/ニニニﾆ≧s｡　　　/≧s｡:::::::::/
ニﾆ≧=‐-　ニニニニ≧s｡.,_ニニ〕iト
ニニニニニニニ≧=‐-　ニ∧ニニニﾆ〕iトミ
ニニニニニニニニニニニﾆ≧=-　二ニニ= ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　マヌエル・エディーリャ

1937年4月、ファランヘ党はやる夫の総司令部所在地のサラマンカで党大会を開催して、正式に後継者を選出する。



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　/　　　　　 /　　　　 　 丶　　　 丶_〈´〈 l |　　｀i[､ ヽｌ ／／　 l/　l|　|　　 　 |　| l| |_￣￣￣￣￣ ｀ ‐-､l| | |
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＼ 　 　 /　　　　　　　　　　　/　　　　　　ヽ＿＿＿＿ヽ／　　|｀、　 l/ ￣￣Ｙ､l|l｣　　　　　　l　　 　 　 　 | l　l
　 ＼　/　　 　 　 　 　 　 　 /----‐─ ─‐ ∧　　　　　 ヽ　　|l ｀､　l　　 ＿/　ｌ|　　　　　 　 l　　　　　　　| l　l
　　　/　　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　　 l　ヽヽ　　　 　 ヽ　|l　｀、〈￣´ｌ__ヽ､ |　　　　　　　l　　　　　 　 |｜ |
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　　　　　　　　　　　　　　｀、　　　 / /　/___// /　 / /　|l ┌ l|ｌ ￣　 lL＿｣l|　 ／ｲl　　 　ｌ| 　_　 　 　 _　 l|　 |　|
　　　　　　　　　　　　 　 /｀、 _　〈 〈 　 ヽ＿∨ ／／l　l|､- - |＼、　 ヽ--｀'／／　|ｌ　　　ｌ|　冂 　 　 冂 _l|　 l|　|
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　　　　　　　　　 　 　 /　｀､ / ￣　｀───‐ <　　／ >─､､ _ ＼l｢￣￣￣ | ／　l| l ／　　　　　　　　　　| 　 l|　|
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　　　　　　　　　　　∧　　//　　　　 　 ｀､　　 /　〉'　 | /　 | |　　 l| |l 　 　 　 l　 　 ﾚ　　　　　　　　　　　　|　　 l|　|
　　　　　　　　　　 /　｀、 / 　 　 　 　 　 ｀､　|l　ｌ　 　l〉＿〈 ｌ|　　/| | ｌ　　　　 l　　/　　　　　　　　 　 　 　 |　 　 |　|
　　　　　　　　 　 /　　 ∨　　 　 ＿_ 　 　 ｀､ヽ l　 　 ヽ二_∨ ／ｲ |　l　　　　 l　/　 　 　 ＿＿　　　 　 　l|　　 ｜
　　　　　　　　　 ∧ 　//　　　 /　＿ヽ　　　｀､ヽ＼＿＿＿_／／ 〉'　 | ──‐ ´　 　 ／ |　＿ |　 　 　 　 |　 　 l|
　　　　　　　 　 /　｀、/　　　 /　/､　 ヽ　　 　 ､｀────‐< ／ ヽ l|　　　　　 　 ／ ／|　 　 |　 　 　 　 | 　 　 |

その結果、党首に選出されたのはエディーリャだった。



　　　　　　　　　　　　　　 -‐―――――‐-
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　　　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
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　　　　　　l::::::::::::::::::::::::::::: /l:::/|/ﾞ 　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
　　　　　　|:::::::::::::::::::::/|: / :|/ ,斗＜|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
　　　　　　|::::::::::::::::: /､|/　 　≫ゞア|::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l
　　　　　　|::::::::::::::::/ゞ7 　 　 ''ﾞ´ 　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |
　 　 　 　 И::::::::::::{　/　　　　　　　 l/|:::: /::::::::::::::::::::::::: |　　　 （私にとっての神 ───ホセ・アントニオよ。
.　　　　　　 |/|:::::::∧　､　　　　　　 　 |: /| ::::::::::::::::::::::::: |
　　　 　 　 　 |:::::/ ∧　　　　　　　 　 |/ :|/㍉ ::::::::::::::::: |　 　　 あなたの遺志は私が引き継ぎます…必ず！）
　　　 　 　 　 |/|:::/::∧　`ｰ‐-　　 　 　 　 　 | ::::::::::::::::: |
　　　　　　　 　 |:::::::::: ‘:.、 ｀　　　　 　イ　　｜ ::::::::::::: ∧
　　　　　　　 　 |: /＼:::::∧＿_,,..｡s≦　∠二 |: /|::: ∧/ ∧
　　　　　　　 　 |/　　丶::::::::::::::::＼　∠二二 |/=|::/=,ﾙﾍ:::{
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼{＼::::::／ニニニ／ニl/ニニニ‘:,
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ{二ニ= ／二二二二ニニ ‘,
　　　　　　　　　　　　　 　　 　r=}二ﾆ／二二二ニニニニニ‘,
　　　　　　　　　　　　　 　 　 //,{ﾆ／ニﾆ／￣￣＼二二ニﾆ‘,
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |/,／二ﾆ／ニニニニ 丶二二二‘,
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /,/二ﾆ／二ニニニニニﾆ寸ニニﾆ}

エディーリャは、ただちに総司令部におもむいてやる夫に報告した。



―‐--　..,_
:::::::::::::::::::::::::≧=‐-
::::≧=‐-　..,,__::::::::::::::::≧=‐-　..,,＿__
:::::::::::::::::::::::::::::::-‐=ﾆ二:::::::::::::＜￣
:丶三二ニ=‐-:::::::::::::::::::::::≧=‐-ミ
:::::::＼:::::::::::::::≧=‐-　::::::::::::::::::::::::: ＼
::::::::::: ＼::::::::::::::::/≧=‐-　､:::::::::::::::＜
::::::::::::::::::丶 /＼{　|￣ >､　　､::::::::::::::::≧=一
:＼::::::::::::::::::＼　 ,人　｛（{　　　 ､:::::::::r‐
::::: ＼:::::::: r‐一　 　 ｀ヽｿ　　　　　､::::＼
:::::::::: 丶::::乂　　　　　　　　　　 rミ｛:::::「
:::＼::::::::::＼::乂 　 　 　 　 　 　 ∨)）:: ‘,
::::::::丶:::::::::::≧=一　　　　　 　 　 寸ハ::{
::::::::::::::＼「￣ 　 r　　 　 　 　 　 　 〉　Ⅵ
トミ::::::::: ハ　　　乂‐-ミ　　　　　イ　　　　　 カウディーリョ ───
ニ=＼:/　　:,　　 　 ＼　丶 　 　 /
二ニ=丶　　　　　　　　 ､＿ア´/　　　　　　 このたびの党大会で、正式に私がファランヘ党党首に
二ニニ ‘:,　　 　 　 　 ｰ‐　　 /
二ニニニ‘:,　　　　　　　　 ／　　　　　　　　選出されたことを報告申し上げる。
二ニニニﾆ‘:,　　　　　 　 ,′
二二二二二‘:,≧s｡..,,___,/
ニニニニニニ‘:,
ニニニニニニﾆ‘:,

　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -‐　´￣｀　‐- .
　　　　　　　　　　　　　　　,. ‐´　　　　　　　　　　 ｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : :　　　 'ﾊ
　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　 ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　　　 ﾊ
　　　　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　　　　ﾍ　　 　 そうか…
　　　　　　　　　　 .ｉ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　　ﾍ
　　　　　　　　　　 |　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　　.}　　　それは良かったな。
　　　　　　　　　　　ｉ　 : : : : : : : : : : : : : : : ､. : : : : ＿　　　　/
　　　　　　　　　　 ,.-'´￣￣｀''' : : : : : : : : : : : ｀￣　　 ￣｀'ヽ'
　　　　　　　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　 ヽ,
　　　　　　　 /: : : : : , : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　　　 ﾊ
　　　　　　　,ｉ: : : : : |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、: : : :　　　　ﾊ
　　　　　／´: : : : : : }: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : 　　　　 ﾊ
　　　　/: : : : : : : : ｉ': : : : : : : 〃: : : : : : : : : : : :　　 ヽ､: : : 　　　　 ｉ､
　　　/': : : : : : : 　 ｉ: : : : : : : '": : : : : : : : : : : : :　　　ﾍ: : : : 　　　　ﾊ
　　 /　: : : : : :　　ｉ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　　　ﾍ : : : : 　　　　ﾊ
　ノ'　: : : : : :　 ／ｉ　: : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　　　　 ﾍ: : : : : :　　　 ﾊ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,　-―　…　-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 , '　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　　　　　　＿ノ 　 　ー-　丶
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　　　 〈 ①　〉　〈 ①　〉　〉
　　　　　　　　　　 　 　 　 　　|　　 　 　 　 ￣　　 　 ￣ 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　V　　　　　　　　(＿_人＿) /　　　　ではエディーリャ、これから一緒にバルコニーに出て、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　∧￣ﾍ　　 　　 　　`ー’　／
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／::::::::::ヽ ＼　　　 　＿＿／　　　　　　群衆たちに「重大発表」をしようじゃないか。
　　　　　　　　　　　 　 ／::::::::::::::::::::ヽ.　＼_, -'´
　　　　　　　　　　 　 /:::::.＿:::::::::::::::::::ﾍ　　.>ﾊ
　　　　　　　　　　　/::´:::::::::::::｀:::.､:::::::::ヽ／￣}
　　　　　　　　　　 ,::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::ﾊ　　|
.　　　　　　 　 　 ,:!:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::ﾊ´¨|､
　　　 　 　 　 　 /i:::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::i.　| i
　　　　　　　　 ./.:ゝ::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ､_::::::|　} |,
　　　　　　　　 i::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::}::::i / ノ
　　　　　 　 　 i::::::::::::::V::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽi/
　　 　 　 　 　 |:::::::::::::::::V:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　 　 　 　 　 　|:::::::::::::::::::入:::::::::::::::::::::::::::::::::::V'´





::::::::::::::::::::::::::/::/:::: /::::/::::::::::::::::::::::‘:,
:::::::::/:::/::::::/::/l::: /::::/::::::/::::::::::::::::::::‘:,
::::::/:::/::::::/／/／|: /|:::::/::::::::::::::/:::::::: |
:::/:::/::::::/ 〕iトミ{, |/ :|: /::::::::: ／::::::::: /
/:: /:::: /寸ミメ、＼　|/l ::: ／｜::::::: /
:: /::::::/ 　 ＼ ゞ' 　 　 :|／ 斗:|::::::::/
:/::::::/　　　　　　　　　　 〈≦ ﾉ/: /
:::::::〈　　　　　　　 　 　 　 ∨ /:::/
:::::::∧　　　　　　 　 　 　 __∨／
:::::/ ∧
＼::/ ∧　　‐-　..,,__　 /　　　　　（重大発表…つまり私の党首就任のことか）
　 丶:: ∧　　　　　　 /
　　　＼｛　　　　 　 /
　〕iト　　　　　　　 /　　　　　　　はい、カウディーリョ…仰せのままに。
　　　　　〕iト　__／
　　,／￣￣｜
＼/:::::::|::::::::::|
　 丶 : |::: ∧|
＼__∧:|::/
ニ丶,__j/
ニﾆ/≧ミx
_,／　　　　{{
ﾆ∧　　　　{{

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　 　 ｜｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｜　 　 　 ｜　 　 　 　 　 　 　 　 ｜
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　 　 ｜｜　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｜　 　 └┼――――――――┼―┘
　 　 └┘　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｜　 　 　 ｜　 　 　 　 　 　 　 　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜　 　 　 ｜　 　 　 　 　 　 　 　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜　 　 ―┼――――――――┼―――――――――――
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜　 　 　 ｜　 　 　 　 　 　 　 　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 └―――┘　 　 　 　 　 　 　 　 ｜


.

　　iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii ／|| 　 　 　 .､　ノ、　　　　　　　　　 　 |:.|.　　.　　.　　.　　.　　,
　　iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii／||.:.||＿.rヤ● ●） ヽ.==============|:.|===========================
　　iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii／||..!||::::::::::::.ヽ.（人__）　ノ:.:: :. :::. ::::. ::.: :.::. ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　iiiiiiiiiiiiiiiii: ／|| .||::::::::::::::::::::::::.|　 　 　 ヽ..:::.::.::.::.:.::.:.::.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　iiiiiiiiiiiiii／||.:.||::::::::::::::::::::::::::::.:|　　 　 し'.:.:.::.:.::.:.:.::.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　iiiii:: ／|| :||:::::::::::::::::::::::::::::::::::.し　　　Ｊ.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　iii／||＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　　 |三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三￣;'`'゜; ;;; ;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`,"三
┌┴─────────────────────────ﾐ　;;　;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::;;;;..ﾐ
　iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii ミ;,.;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::;;;;;;;;ミ



　　　 ヽ､_,人_,ノ､_,从,　　　　　　　　 ヽ､_,人_,ノ､_,从,
　　　　 ）　　　　　　　　　　　　　　　　 ）
　 ‐=､´　　ビバやる夫！　　　　‐=､´　　ビバやる夫！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､_,人_,ノ､_,从,
　　　）　　　　　　　　　　　　　　　　　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f¨ﾞ!　　　　　　　　　　　　　）
:┐　, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ　　　　　　　 , '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ　　　　　　　　　　/^〉'　　　　　　　　　　‐=､´　　ビバやる夫！
　!　　　　　　　　　}”/　　　　　　　　　　　　　　,､　 <｀ヽ　　　　　　　 ./:::/.,､　　　　　　　　　　　　）
⌒!ｨ　　　　　　　 f¨ﾟ{　　　　　　　　　　　　　<´ 'ヽ　Vハ 　 |ヽ　Y¨!　|::::}ｲ { , -ー ､　　_ /¨>　 r, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ
::〈人_r-ｰ- ､_r＜}|　＞::::￣:｀ヽ__, - ､__r ､r=¨>‐-!　/:::::}＿_Vﾍ　}:::|__}::::{.ィ1.|:.:.:.:.:.:.}_, くﾉ￣!　./;;;;;;;;;}_, ﾍ⌒',
/:.< /::::::::::::::::Y::/|i /::::::::::::::::::::::Y:.:.:.:.:.YVｲ!:::::}::::::::|/::::::/:ァ＜!　V_::|　',く/⌒!}:.:.:.:.:ノ/ /:/^V__〈ヽ;;;;;/_!__ノ::::::ヽ
:.:.:.:}|:::::::::::::::::::|:{:. }:!:::::::::::::::::::::::: l:.:.:.:.:.:.|ィ　ゝx}:::::: |::::::/:.:/　 /　> ¨⌒ヽ:'.　　V¨¨ヒ{_. V==<:::::｀ヾア´:f⌒!ヽ:::::}
＼f':!::::::::::::::::::lﾊ:.:ﾘ'.:::::::::::::::::::::::∧:.:.:.:./　＞ｲ::! :::: |:::::{Y/'　〈　/:::::::::::::::::}:' 　　V::::::::::{ .}　　.}::::::::::|:.:.:.:.|:.:.:|:.:.}-:'
　 ヾ!,､:::::::::__/_／　 ヽ::::::::::::::::/|ﾚVWハ/::::::::/:::::: |::::::|ﾊ　　 V!::::::::::::::::::!:/　　./:::::::;:::Y　　/^!:::::::{:ﾄ､: |:.:.:|:./:::::
　　　　｀Yﾟ￣　 　 ＿/VﾚvｲW:::::｀ー-::＿_／:::::::::/:::::::|　ヽ　 ｀!:::::i:::::::::::|'　　 /:::::::/L_|　　￣⌒¨}＞ﾍ}:.:.:|”::::::::
、　　　　　　f´￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|　　ヽ　.|:::::l::::i::::::|　　/:::::::::|　　＞-　._　　}} 　 |:.: |ヽ:::::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　￣ ＼　　　　　｢l「l｢ｈ
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　-l⌒l 、}　　　__　| |｜| |
　　　　　　　　 　 　 　 　／　／　 人_ﾉ 仏 - └ ､ヽ ￣　!
　　　　　　　　　　　　　（_　 / c∠二≦二}つノ 　 }　l /　|
　　　　　　　　 　　　　　／　　 ─　　 　 ― ､　　　ｈ.＿_ｲ
　　　　　　　　　　　　／ 　 　　（ ●） 　（●）'　　　| 　 　 |
　　　　　　　　　　　　|　 　 　 　 　（__人__）　 |　　｜ｰ一.｜　　　えー、諸君らに重大な発表があるお。
　　　　　　　　　　　　＼　 　　 　 　｀ ⌒´　／ 　　| 　　 　|
　　　　　　　　　　　　/{＼　　　　　ー　　ノ'-､　　 |　　 　 |　　　 このたび ───
　　　　　　　　r=ﾆ,二|　＼｀ ー-r--イ |　 }}　 ￣ﾉ!　　　　|
　　　　　　　 /　　|　 ∟ _ ＼　/＾＼ |/_　 }}　 !　　　　　　|
　　 　 　 　 人_　 |　　　く　　＼〉-〈/　/　 }}　|　　＿＿／
　 　 　 　 /　　　 l r―― ト　　_ У_／r―‐i} |／
　　　　　/　　 ／ ! |ー rｰ|　　　 |　| 　 |ーrf ﾘ
　　　 ／　　　　 /　!　 l|　|　　　 |　|　　l　l| l |
　　 ｛　　　　 ／{　　＼ ／　　　｜ |　　 ＼/ﾊ}
　　　＼　　 '　　|　　　　 　 　 　 |　|　　 　 　 |





　　　　　　　　　　　　　　　　　　 斗-‐――‐‐-
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｡s≦:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〕iト
　　　　　 　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〕iト
　　　　　 　 　 　 ｡s≦::::::::: ／::::::／::::::::::::::::／／ /::/::::::/:::::: ∧
　　　 　 　 　 ／:::::::::::::::::: /::::::／:::::::::::::: ／／::／: /:::: /::::::::/::∧
　　　　　　　/::::::::::::::::::::: /::::::/::::::::::::::::::/: /:::::/: ／:::: /::::::::/::/::∧
　　　　　 　 |:::::::::::::::::::: /::::::/::::::::::::::::::/::::仏斗 七:::::/l:::::::/::/:::::::∧
　　　　　 　 | :::: /:::::::::/::::::/:::/::::::::::: /:::::: 寸ツア|／/:::／::: /::::/::::|
　　　　　 　 |:::::/::::::::::::::::::/:::/::::::::::::/ :::::: N　　　　 /／ 　∨::/ ::::: l
　　　　　　 /: /::::::: /:::::::/:::/ ハ:::::/:::::::::: |　　　 　 　 　 　 ∨:::::::::,′
.　　 　 　 /::://::::::/:: /:/:::/:〈ん}|/::::::::::::: |　　　　 　 　 　 イ :::::::: |
　　　 　 /::://::::::/:: /:/:::/:: ∧　|:::::::::::|:::::|　u　　 　 　 　　　::::::::::|
.　　 　 /::://::::::/:: /:/:::/::::/.　ゝ|:::::::::::|:::::| 　 　 `ー‐‐く二ｱ:::::::::N
　　　 /::://::::::/:: /:/:::/::::/　 　 И::/ｌ |::l∧　 　 　 　 　 　 〉:::::::::|
.　　 /::://::::::/::::/:/:::/::::/　　　　 |/ :| |::|::∧　　　　 　 　 /:::::::::: |
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　　　　　｜:::: /:: /｡s≦ニニニニニニﾆ|　　　｡s≦「:::::::::::::::: /
　　　　　｜: /|: /二二二ニニニニニニ|　 　 {ニニ≧=‐- ::/
　　　　　｜/=|/ニニニニニニニニニ ∧　　｛ニニニニニニﾆ≧s｡　　ﾄﾞｷﾄﾞｷ
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　　　　 　 　 　 　 　 　 , -―- ,
　　　　　　　　 　 　 ／_ ,r=ィ:.::.:＞､
　　 　 　 　 　 　 ／.`ー介´:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　 　　 /.:.:.:.:.:.:.:　 :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:＼
　 　 　 　 　 　/ .:.:.:..;:ｨ¨X¨>'￣＞-､:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　　l : .:.:∠ｨ之xrfrｸﾌr=ｨ:＾:.:.:.:.:.:.:.:>,
　 　 　 　 　 　', .:.:.:.k企nrtttrn企升ﾄ､:.:.:.: l:.:.:ﾑ
　　　　　　　　 ∨:.,<＞'"´￣￣｀　‐-､≧xrﾄ､ ..:l
　　　　　　　　　rｸfﾆ二二ニニニﾆﾆﾆr'￣ﾄ､}:::ﾉ
　　　　　　　　　ーr==、 ゝ,_＿__,.　　　　 　 }イ
　　　　　　　　　　}{{:::::}}! :.ｲ{:::::::} ｊ.　　 　 　 |
　　　　　　　　　 iﾞ ￣　j 　￣｀¨¨ ` 　 　 　 |　　　.このたび私は、ファランヘ党とカルロス党の
　　　　　　　　　 ゝ ＿人　＿＿__,.ﾉ　　　 .ｲ
　　　　　　　　　　 }{　　　　　　 ｊ　　　　r´K.　　　 合併を発表する！
　　　　　　　　　　 ゝ`======='　　　 　j　 ,r外､
　　　　　　　　_, イ´ヽ, 　　　　　　　 , イ 　 !:.ﾑ
　　_,_,_,,,､__,イ:／.:.:.:.:l:ﾄー――一 ' ´　　 ,ｲ:.:.:.:.:＞､
　　北!ﾋ!j.:.://.:.:.:. : : l !:ﾄ､ 　 ＼__ノ　 _／/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞､
　　""＞::://.:.:.:.:.:.:.:. l !:l:.ﾍ　　 AﾆﾆA 　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　∠.:.:.://.:.:.:.:.:.:.:.;斗!:j:.:.:ﾍ　 l__}傘{A_/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　.:.:.:.:.:.l |.:.:,.:,　'":／>.:.:.:.:.:ﾍ/:.:.:》|《:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　.:.:.:.:.:.l_l=イ:.:.／／／>.:.:.:.:ﾍf~ｰ' ｰ'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
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　!　:|:　:　!::|:::|　:::::|t气､:::ﾊ:::::::::::ﾄ､:::∀ 7:/_メr≦コ::|: |::::|　ヽ.::::::::::
　!　:|:　:　!::|:::|:. :::::{{}i　 Vﾍ}ﾍ.::::::| : ､:::V:/`ー ´　　l::|: |::::{ :　: }::::::::
　! .:.}:　:　!::{:::{:::.:::::廴r≦7′ !:::::}　: ＼{　　　　 　 И: ﾄ､::', : ,:'.::::::::
　! .ｲ:::. : :|::::V::､:::::{　 ア　 .　:|∧|i　:　: ｀ 　 　 　　　|: :}　ヽV.:::::/.::
　!　{::::::::.:l::::::lN{:::::.',　{　 .　:　‐一ﾄ､:　:　:　.　　　.U: |ノ:　: . |::::/.:::::
　!　 、::::::l::::::l::::ﾄ､:::l　ヽ　:　:　_:　:　:ヽ、 :　:　.　:　:　:　: ,:' : }::∧:::::::　　 （なっ、なんだと！？）
　',　　',:::::l::::::l::::|　V}　{ ト､_:　{､｀ヽ:　:ノ＼ :　:　.　:　:　/: : //. : ',:::::
　 ヽ　 }::::l::::::l::::{　 }′! ｀　}　 :　:　:　:　: : ヽ　:　:　:　/. : ノｲ: : : :}::::
　　　　|::∧::::l:::::.V i { |　 厶ノ´￣｀丶: : . . : ヽ、　: / . : : : :! : : : !::::
　　　　l/　 ヽﾄ､::::ヽ ヽ　/＿,rｧ丕≧､ ＼: : : : : ヽ :{ : : : : : | : : : |::::

　　 　 (^　　／く⌒vＹ　 　 　.／¨¨.,⌒V1
　　 　(ヽ　/ / ＼､ ./ ヽ　　./　/ / ＼　 | 　 　 七　　 えーっ、ちょっとちょっと！
　 r　.､　　 v0　　 0､　ﾉ 三 ｆ1　, 0 　 0Y　　.i （ノ )
　 乂_ﾉl |く,ﾍf⌒^~jノＫ１ 　 く乂_ｆ _　｝人　 7|⌒)　　　どういうことかしら！？
　　 　｜|くノ≧≦ Ｖ⌒Ｙ　( _ ノ￣￣/_ﾌｿ
　 　 ( ノ" ⌒乂ノ / 　 .|　/ 　 ＼_／＼　　　　　　　　 そもそもカルロス党ってなに？




　　　　　　　　 ,-、　　　　　　　　　 　 　 _
　　　　　　　　 | r、、　　　　　　　　　 ／ l
　　　　　　　　 l ｌ::::.、 、　　　 　 　 ／.:: /
　　　　　　　　 | l::::::::、 }r -‐-、 ／ .::: /
　　　　　　　　 ヾ 、:::i /lト ---'|/ .:::::./
　　　　　　　　　　', V/::」＝=＝l ::: ／
　　　　　　　　　　 >　 ゝ‐----' '<
　　　　　　　　　 /　　 　　 　 　 　、
　　　　　　　　　,'　 　ノ　　 　 ＼_ ;　　 　 カルロス党については、またの名を「伝統主義派」といい、
　　　　　　　　 ≧　　　●　　　 ●≦
　　　　　　　　　＼⊂⊃（__人._）⊂ﾉ　　　伝統的なイデオロギーを重んじる政党…という大雑把な理解で結構です。
　　　　　　　　　　 ＞　　＿＿　l⌒ヽ
　　　　　　　　　/:::::::::::::::::l＞＜l ::ｉ 　 ｉ
　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::＼／:::::::l　　|

　　　　　　　　 ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
　　　　 　 　 (.＿＿_,,,... -ｧァﾌ|　　　　　　　　　　あ…ありのまま 今　起こった事を話すぜ！
　 　 　 　 　 |i i|　 　 }!　}} /／|
　　　　 　 　 |l､{　 　j}　/,,ｨ//｜　　　　　　　『おれはファランヘ党党首に選ばれたと思ったら
　　　　　　　 i|:!ヾ､_ﾉ／ u {:}//ﾍ　　　　　　　　やる夫にその地位を譲っていた』
　　　　　　　 |ﾘ u' }　 ,ﾉ　_,!V,ﾊ |
　　 　 　 ／´fト､_{ﾙ{,ィ'ｅﾗ　, ﾀ人　　　　　　　　な…　何を言ってるのか　わからねーと思うが
　　　　 /' 　 ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽﾄiゝ　　　　　　　　おれも何をされたのかわからなかった…
　　　　,ﾞ　 ／ )ヽ iLﾚ 　u' |　| ヾｌﾄﾊ〉
　　 　 |／_／　 ﾊ !ニ⊇　'／:} 　V:::::ヽ　　　　　　　　頭がどうにかなりそうだった…
　　　 /／ 二二二7'T'' ／u'　__ /:::::::/｀ヽ
　　　/'´r　-―一ｧ‐ﾞＴ´　'"´ ／::::／-‐ 　＼　　　　ファシズムだとか独裁政権だとか
　　 / // 　 广¨´ 　/'　　 ／:::::／´￣｀ヽ ⌒ヽ　　　　そんなチャチなもんじゃあ　断じてねえ
　　ﾉ ' /　 ノ:::::`ー-､___／:::::／/ 　 　 　 ヽ　　}
_／｀丶　/::::::::::::::::::::::::::￣`ー-{:::...　　　 　　　ｲ　 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

　　　　　　　↑エディーリャです





　　　　　　　　 ,-、　　　　　　　　　 　 　 _
　　　　　　　　 | r、、　　　　　　　　　 ／ l
　　　　　　　　 l ｌ::::.、 、　　　 　 　 ／.:: /
　　　　　　　　 | l::::::::、 }r -‐-、 ／ .::: /
　　　　　　　　 ヾ 、:::i /lト ---'|/ .:::::./　　　　　要するに、やる夫はエディーリャを嵌めたのです。
　　　　　　　　　　', V/::」＝=＝l ::: ／
　　　　　　　　　　 >　 ゝ‐----' '<　　　　　　　 大群衆の前でやる夫はエディーリャと抱擁する演出をしてみせました。
　　　　　　　　　 /　　ノ　　 　 ＼_、
　　　　　　　　　,'　 　　●　　　● ;　　　　　　　すると翌日の新聞やラジオは、
　　　　　　　　 ≧⊂⊃　（__人._）≦
　　　　　　　 i⌒＼ 　 　　（_.ノ　　 ﾉ_／⌒)　　 「就任したばかりのファランヘ党党首エディーリャは、
　　　　　　　　_　　 ＞　　＿＿　イ::ヽ ／
　　　　　　　　∧__,ﾍ}:::::::::l＞＜l :::::::::::ﾉ　　　　 その権限をカウディーリョに委譲した」と報じました。
　　　　　　　　ヾ_:::ッﾘ ::::::::＼／::::::::>''´

　　　　　　　　 ,-、　　　　　　　　　 　 　 _
　　　　　　　　 | r、、　　　　　　　　　 ／ l
　　　　　　　　 l ｌ::::.、 、　　　 　 　 ／.:: /
　　　　　　　　 | l::::::::、 }r -‐-、 ／ .::: /
　　　　　　　　 ヾ 、:::i /lト ---'|/ .:::::./
　　　　　　　　　　', V/::」＝=＝l ::: ／
　　　　　　　　　　 >　 ゝ‐----' '<　
　　　　　　　　　 /　　 　　 　 　 　、　　　　すぐに新ファランヘ党の指導部が発表されます。
　　　　　　　　　,'　 　ノ　　 　 ＼_ ;　
　　　　　　　　 ≧　　　●　　　 ●≦　　　党首にはやる夫が選出され、前党首エディーリャには
　　　　　　　　　＼⊂⊃（__人._）⊂ﾉ　
　　　　　　　　　　 ＞　　＿＿　l⌒ヽ　　　単に執行委員会のポストしか与えられませんでした。
　　　　　　　　　/:::::::::::::::::l＞＜l ::ｉ 　 ｉ
　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::＼／:::::::l　　|




　　　　　　　　 ,-、　　　　　　　　　 　 　 _
　　　　　　　　 | r、、　　　　　　　　　 ／ l
　　　　　　　　 l ｌ::::.、 、　　　 　 　 ／.:: /
　　　　　　　　 | l::::::::、 }r -‐-、 ／ .::: /
　　　　　　　　 ヾ 、:::i /lト ---'|/ .:::::./
　　　　　　　　　　', V/::」＝=＝l ::: ／
　　　　　　　　　　 >　 ゝ‐----' '<　　　　　　ちなみに.新政党の正式名称は
　　　　　　　　　 /　　ノ　　 　 ＼_、
　　　　　　　　　,'　 　　●　　　● ;　　　　　 「国家組合主義攻勢委員会のスペイン伝統主義ファランヘ党」ですが、
　　　　　　　　 ≧⊂⊃　（__人._）≦　
　　　　　　　 i⌒＼ 　 　　（_.ノ　　 ﾉ_／⌒)　面倒なので本作ではファランヘ党で統一したいと思います。
　　　　　　　　_　　 ＞　　＿＿　イ::ヽ ／
　　　　　　　　∧__,ﾍ}:::::::::l＞＜l :::::::::::ﾉ
　　　　　　　　ヾ_:::ッﾘ ::::::::＼／::::::::>''´

エディーリャは、この屈辱的な執行委員への就任を拒否する。



.:.:.:.:.:.:.:.:＼:::::::::::::::::::::::::::::i　l:::::::/:::::/!:::::／l::::::::::::i:::::::ヾ、:::::::l
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、:::::::::::::::::::::l　i:::::/::::/ /::/ 　 |:::::::l::::ﾄ::::::ヽ _`,.ゝ!
::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::i:::::::::l /::::l:::/ /／ ｀! 　l:::::::li::::i l::::::＼ ヽ､:i
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.::/l:::ﾊ::ﾚ::::::i/ /'´ﾊ　　l　i:::::::::!l::::l !::::::::::ヽ、:ヽ._
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ::|/　!::::::ﾄ､!　　l　!　 |　ヽ、::::il::::i::li､::::::::::::ヽ、:::＞
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼!　ヽ:::l　ヽ　 ﾚｿ!　l　　ﾉ:::::::l::::i:::|l ヽ、::::::::::｀:￣:7
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:>　 ヽ!　　　　　　　,.ｒ'::::＼:::ﾚ'::::l:i　　ヽ､::::::::::ノ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／!　　　 ヽ　　　　　 /:::::ヽ､:::ヽ､::::|:l
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ'´ﾄ､::::l　U　　　　 　 　 /‐-- ､__ヽ:::::｀ﾘ二ﾆ=一
.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ::::i　l:::l　ヽ:ゝ　　　　　　 　 i:ヽ、
.:.:.:.:.:.:.:.:ハ i::l　 V　｀ _‐-､　　　 丶__ｊ:::ﾄ､ヽ　　　 　　 冗談じゃないっ！
.:.:.:.:.:.:.:i 　l ﾘ　　　　　 ｀ヽ_,ゝ-'´￣:ヽ::::i　 ヾ:ゝ
::::/l.:.:.:l￣｀ﾍ　　　　 ｀ﾅ‐′::::::ヽ、::::::ヽ:l、　　　　　　僕はホセ・アントニオから後継指名され、
::/ l.:.:.::l.:.:.:.:.:ヽ.　　　/::ヽ､::::＼:::::::ﾊ、::::ヽゝ、
/,ｲl:::::::i:.:.:.:.:.:.::｀ ‐‐'.:.:.:.:.:.:ﾄ､::::ヽ/.:.:..｀￣ヽ´　　　　　 さらには党大会で党首に選ばれたんだぞ！
:://.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i.:.｀ヽi.:.:.:.:.:..:.::.:.ﾒ
//:.:.:.::l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:／
/:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:..:／

─── ほどなくエディーリャはやる夫暗殺を企てたとして逮捕。死刑が宣告される。



　　＼
:::::　　＼
＼:::::　　＼
　＼:::::　＿ヽ ＿_ 　 ＿
　　ヽ／,　 ／＿ ヽ/、　ヽ＿
　　 // ／<　 ＿＿） l -,|__) >
　　 || ｜ <　 ＿＿）_ゝJ_)＿>
＼　||.｜　<　 ＿__）_(＿)_　>
　 ＼|　|　 <_＿__ノ_(＿)＿ )
　　　ヾヽニニ/ー--'/
　　　 |_|＿t＿|_♀__|
　　　 　　９　 　∂
　　　　 　 ６　　∂　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿　　 　 　 　 ',
　　　　　 　(9_∂　　　　　　　　　　　 ＿＿,,..．-‐'''"´　　 　 　 .γ´　　　　　　｀ヽ 　　　 　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／　　 ,,....,　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　（::::0::}　 Ｙ　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　':, 　 　｀ｰ ' 　 ﾉ　　　　　　 　 ｀ー――――''´　　　 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ ―――‐／　 　 ｀Y´ 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 　　i　　　　　 ',　　　　　　　　　　 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.{　 　 　 　 .l　　　　　　}　　　　　　 　 　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂　 　 　 .人　　　　　ﾉ　　　　　 　 　 　 　 ./

　　 　 　 　 , '´　/　　　,'＾丶､　　　 丶　　ヽrｖx_rｘ
.　　　 　 ／ /　 ′　　,′　　 ｀丶､　　＼ ｛ /了示ｋ
　 　 　 /　〃 　 　 　 l|　　　　　　　｀丶、　{ﾍ（{_乂X}
.　　　 ,'　 /　 　 　 　 ﾘ　　　 ＿_　　　　 ＼ {／:7^ﾊ::〉
　　　 ′ {　 ｌ　 ,　　 /´￣￣ 、 　 　 　 ｀ヽ､ヽく∨r┘
.　　　l　　l　｜ ′／ 　 >,ﾆ弌xヽ　　 　 ィニﾝ∨彳
.　 　 { ､　|　 l ﾚ'´　　 〃{ﾌ癶j}`　　　　 /斤!Ｆﾊ /
.　　 ！ ヽﾚｰ､ｊ　　　 ｌ|l ｃゞ＝′ 　 　 　 辷j　ﾙ'＿_
　　　！　{∠、　　 　 川l　　　　　　 　 /　　　∨　 /　　　　　　 こ、怖いっ！
　　　　ヽ弋／＿_ ／　　　　　　　＿＿_　　 　 } 　 ﾚ'´￣ヽ
　　　 　 厶イ,ゝ-‐￢　　U　　 に= ―-′　 , ′ 　 　 　 /　　　カウディーリョ、怖すぎかしらっ！
,　' ´￣￣｀ く　 　 _厶　　　 　 　 　 　 　 ∠--､ヽ､＿ ／
　　　 　 　 　 ｀く彡,二ﾌヽ　　 　 　 　 ／　-‐=厶
　/　　　 　 　 　 ∨　ム=ﾐ＞:-r‐Fマ´イ_￣｀Ｙ　 ｀丶､
'/　　　 　 　 　 　 ∨　 ＿l::.:::_｣ｰﾄ､::＼ うﾆ７´ 　 　 　 ヽ
　　　　　　 　 　 　 |Ｙ乙ィ;::イ::/ o|:::∨ヽ｀了　　　　　　　l
　　　　　 　 　 　 ,　|l て（__/::/　　ヽ::ヽ ､∨ /　　 　 |　　|
ー- ､　　　　 　 /　 ヾ、｀７::/　　　o〉:::〉 | ∨　　　　 |l　く
　￣´　　　　 ／　　 　 ＼∨　　　 〈:_/　 ｝ ｀、　　　　　　 ｀丶､

　　　＼　　ゞ:､　　＼　}ー-＝彡}==ｧﾞ　　/　/
　　　　 ｀　　　 ｀ヽ　 ＞ー-＝=彡"ｲ 　 .'　/
　　　　　　　　＞ ､ﾉゞ＝==＝´　　　　　｀V
　　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　 '.　　,
　　　 　 　 　 　 ,　　　　　　　　　　　　　　　 ／
　　　　｀ 　 　 　,　　　　ヽ　　/　　　 　 　 ／{
　　　　　　ヽ　_.ﾞ　　　　 :i　 ,:　　　　 ,　'"
　　　　　　　　/ ｀ヽ.　　.ﾙ　{　　 　 ｲ　　 ,　　 '.　　　 いったん小さな根拠を手に入れると、
　　　　　　　　} ゝ _ﾊ　　　　　 　 / ＞‐く
　　　　　　　　,　辷ﾊゝ　　　 　 ./彳ｰ= '"　　　　:.　　それを際限もなく拡大解釈して全部をものにする ───
　 　 　 　 　 /　　　｀ヽ　 ,　　　　　　 　 　 　 　　 '
　　　　　　 ,　 　 　 　 　 ′{　　　　　　 　 　 　 　 }　 やる夫の権力獲得の常套手段ですが、
　　　　　　 }　　　　　　 / 　 ﾞ　　　　　　　　　__　ノ
　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　　_　 -‐ '" ア ￣　 この場合は、やる夫の義弟セラノ・スーニェルの入れ知恵もあったと
　　　　　三二ﾆ=-_　　 乂　ノ　　　-― ―毛=＝
　　　　　　￣￣　＼　　　 ;　　　　　　彡´i{　　　　　　考えられています。
　　　　　　　　　　　 ｀ー- ^ー-　‐=彡"　ハ.､
　　　　　　　　　　　　　i＼　　 ／イ {　 / {::∧＼
　　　　　　 　 　 　 　 /|　从(才" .|./／　 }:. ∧:.:.＼






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_ ,,, ,,,　＿
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _, - '´￣　　　　　　　　｀ ＜
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,.イ　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ
　　　　　　　 　 　 　 　 ／.:　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　／:::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ
　　　　　 　 　 　 　 / .::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾍ
　　　 　 　 　 　 　 /
　　　　 　 　 　 　 ,'　::::__､　　 　 　 _,ィェｪｭ、
.　　　　　 　 　 　 i　,イ ･ヽ　　　　´＿从爻
　　　　　　　　　　{ ' -≠:'
　　　　　　　　_．＜~）:::〈
　 　 　 　 　 /　 ／￣つ｀_
. 　 　 　 　 / ／　／／ ＿）　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /
　　　　　　 { .ﾍ　　Y　 〈 　　　 _　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　 〈 .!　ﾍ　｜　 ﾍ￣￣　`　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／
　　　　　　ﾍ　　　　　　　 ｀＞ ､　　　　　　　　　　　　　　　　 ．´{_
　　　　　　　}　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　_ ．＜　 ノ ＼
　 　 　 　 　 !、　　　 　 　 　 　 　 ﾍ　　　　 __,,..．-＜　　　　／　　 ｀
　　 　 　 　 　 ＼ 　 　 　 　 　 　 　 ﾞ¨~´￣::::::::::　　 　 　 ／
　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　 }:::::::::　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　〈　　 　 　 　 　 ／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　セラノ・スーニェル

　　　　 ／.:￣￣￣￣￣＼
　 　 ／: : :　　 　 　 　 　 　＼
　 ／: : : ＿　　　　　　 ＿　　 ＼
／: : : : ´　 , ｀ 　 　　 ´ 　 ｀　 　 ＼
: : : : :／´ ｀ヽ　　 　　 r´　｀ヽ. 　 　 ＼
: : : ::（ 　f;;;;j　l,　 　 　l　f;;;;j　）　 　 　 l
: : : : ヽ_ ｀ _ノ　　　　 ヽ_ ´_ ノ;;:::　　　 |
: : : : : : ´"''"　　 '　　　"''"´　 　 　 　 l
: : : : : : . .　　　　`　　　　　　 　 　　／
＼: : : : : : :.　ー -- - -　　　　　／
／ヽ: : : : : : : : : : : 　　　　　　イ＼
: : : : : : : : : :.｀`ｰ- -‐'"´　　　 　　＼
: : : : . : : . : : .　 　 　 　 　 　 　 　　　＼



セラノ・スーニェルは、やる夫主義国家の設計者となるべき知性と政治的資格を兼ね備えていた。
また、ホセ・アントニオの生涯の友人であったがゆえに、多くの古株ファランヘ党員に受け入れられやすかった。

そしてセラノ・スーニェルは、やる夫の妻カルメンの妹シータの夫である。
やる夫にとって、その家族的結びつきのゆえに、安心できる存在でもあった。



′／　∧:::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ー =　　　　　　..　　　　　≧s｡,,: : :.` ぐx,,: : :.,,ｲ}卩厂i n从､: : :. :. :.{乂/
イ　　/:　∨ 　 /　　 　 　 / l　　′　　　　ヽ　　　‘　　　　　.　　　　　　 　 /№: : :. :.゜~,x夕´　　　乂_k 丈x: : : :,xくﾍ}_
/　 :/::　　　　/　　 　 　 .:′|　 :|　　　　　　 '.　　　 '.　　　　.　　　　　 ／ ,　　∧.: : : :,ﾀ.　　　 /　　　`k,: :｀≧≪: : :.ﾍ}_
　 .:′　　 　 ′　　　 　 :|　 |　 :|　 |　　　| 　}　　　　　　　　　　　　　　　 ′.　 ∧: : ,ﾀ　　 　 , 　 　 　 `k,: : : : :. :. :. :.ﾍ}
　　　　　 　 {!　　 :l:」 __i :|　 |　 :|　 |　　　|　.:　|　　　　　　　　　　　　　／　　　　∧,ﾀ. !.　　　′.　 ! 　 ! `k,.: :／￣又ア
　　　　　　 .:|　　 .:| |　 i :｢　iﾄ､ :|　 l　'⌒Yヽ!　|　　　 :}　　　.　　 　 　 / |　 　 !.　 　 l |.　　　|　 　 l　　ﾄ､.`k/. }.　 　 レ
　　　　　　:八　:! .:l寸芋ミ､八　:|　 | 　 ノ|　:!　|　　　　　　　　　　　　 ′l　 　 i.　　　| | 　 　 !. 　 / . /.|-∨ }　}　 ,xくﾉ
　　/　　 :/ :|:.ゝﾄ从 ﾟf ri;/:ﾄﾞ､ ヽ{＼{　(‐_」__j　:!　　 ,′　　　　　　　　乂i　 　 |.　 　 | |.　　　| 　/i　/}/ 　 Ⅵ　}／／:／
　:/　　 :/ : :|: l :!　　 乂/ソ　　　 　 Y７;r～L从　 /　　　　　　　　　　 从..　　|i　 　 从　　　|. /. }/.彡芋ミ}.　从/　/:/´
.:/　　 :/ : :/|: l :! 　 　 ´¨¨`　　　 　 {:.V⌒ﾌ:ｧ　　　　　　　　　　　　　く.ノ入　 ﾄ､..　　l　＼　 |/　　 　乂::_丿ノ//　/:/⌒
:′　.:/ : :/ :|ﾚ从　　　　　　　　 　 〉 }:.乂彡′イ　　　　　　. 　 　 　 くx=ミ,＼|　＼ 人　 {＼l{. 　 　 　 ／ ´　⌒Y. /／
　..:／ : :/ : :|､::::.　　　　　　　　　　　└y′! 　 :|　　　　　　　　　　　　 x冬ン 入　　ト. ＼{ 　 `､　 　 　 　 　 ,x冬 /{　／
:／ : : :/⌒f({ヽrヘ:.　　　　　 - ､　 (_,ノ　　|　　:|　　　　　　　　　　　 /. , く.　 　 ＼ 乂ヽ父s｡　 　 -　'　　x冬: : : 乂(.)'⌒
: : : : :/:＞ｲ⌒ヽ. . .）:..　 　 　 ｀ 　 ィ　|　　:|　　:|　　　　　　　　　　　　/三二ﾆツテｦ 　 / /　 ≧s｡,,__　,ｨ〔.: : :.:. :. :. :.　
: : : :// : : :ヽ: くr～ｧ＞ヘr～＜}: : :!　|　　:|　　:|　　　　　　　　　　　　　　　￣丈{ ( 　 ﾉ＞*≦⌒ヾ 　 x冬: : : : : : :. :. :.
: : :/ :｀＞=ミ:＼ヽ:廴;_. . ({／.／: : .:!　|　　:|　　:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣　　　　／.　,x冬: :: : : : : : :. :. :. :.
￣￣: : :ヽ＼: : :＼: : .:ヽ./⌒フ:: : : :!　|　　:|　　:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Y´　Y´: : : : : : : : : : : : : :. :..
: : : : :｀ヽ: : : ｀: : : : : : : :ゝ＜¨ﾌ: : : :!　|　　:|　　:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂(八: : : : : : : : : : : : : : : : :

　　　　　　　　やる夫の妻　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　セラノ・スーニェルの妻
　　　　　　　カルメン・ポーロ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　シータ・ポーロ

　　　　　　　　　　　　ﾞｉ:::.ﾞｉ　ﾞｉ　　　　!　!::::::.,'
　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ:::ﾞｉ　ﾞｉ　　　|　|:::::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::.ﾞｉ　ﾞｉ＿|　|:::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::ﾞｉ.　V _ 1!,r'
　　　　　　　　　　　　　　　ﾝＪ 　(,___ 」,'
　　　　　　　　　　　　　,r'´ 　　　　　V ｀゛
　　　　　　　　　　　,r'　　　　　　' ,　!
　　　　　　　　　　 ﾐ 　 　 　　　ｨ、'　!
　　　　　 　 　 　 ' ┼‐- 　.,　　゛` 　,'
　　 　 　 　 　 　 '' 十‐- 　.,｀ィ 　 　ﾞｉ　　　─── さて、反乱側に再び「事件」がおきます。
　　　　　　　　　　　､　 .,　　 ｀!､　 　 〉
　　　　　　　　　'´::::::::::::::: ﾄ、　　_ﾝｰ`　　　反乱軍首謀者の一人、エミリオ・モラの死でした。
　　　　　　 ,. '´--､:::::::ヽ:::ﾒ'´`iT〈 ,ｨｼ´
　　　　 　 /::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::ヽﾉ、 ヾ
　　　　　 ﾊ、:::＿::::::ﾞ';::::::::ヽ::::ヾ! i ',
　　　　 ,/:::::＿::::,-::::::',::::::::::l__;vﾍl　',
　　　　/::::::::::::::::::::::::::::}::::::::::｀ヽ、:ヽ ',
　　 ／､:::::ニニ二二ﾌ::::::::::::::::::::ヽ::', l
.　 /::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::ヽlj
　/:::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ll

1937年6月3日、前線視察のために飛び立ったモラを乗せた飛行機が墜落し、搭乗者全員が死亡した。



　　　　　　　　　　　　　　　　　..... ............. ..　.　........　......
　　..... ............. ..　.　........　......　　　　　ノ ⌒ ＼..... ............. ..　.　........　......
　　　　..... ............. ..　.　........　......　　/―,　　　　＼....... ............. ..　.　........　......
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ξノ　　　　　　ヽ..... ............. ..　.　........　......
　　　..... ............. ..　.　........　......　i---- ､､__　　　　|..... ............. ..　.　........　......
　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ￣￣'''''''---､､,,__）..... ............. ..　.　........　......
　　　..... ............. ..　.　........　......⊂ ――'''''二￣　　　i..... ............. ..　.　........　......
　　..... ............. ..　.　........　......　（ヾ）√（ヾ））コ''--､!..... ............. ..　.　........　......
　　　　　..... ............. ..　.　........　.....^.!　　' ⌒　 >''ヽ!..... ............. ..　.　........　......
　　　　 ..... ............. ..　.　........　......　i '-='　　i'' 　i.δl..... ............. ..　.　........　......
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !i. -‐‐- ! 　 !　ｲ..... ............. ..　.　........　..........
　　　　..... ............. ..　.　........　......　!i　"　 ﾉ　 ノi　.|..... ............. ..　.　........　......
　　　　　..... ............. ..　.　........　......ゝ-　―'￣ノ___!入..... ............. ..　.　........　......
　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,=ﾍヽ '''''　￣､､―''　＼..... ............. ..　.　........　......
　　　　 ..... ............. ..　.　........　......　　ヽ |||└／＼..... ............. ..　.　........　......
　　　　　　　　　　　　　　　　..... ............. ..　.　........　........... ............. ..　.　........　......
:.... .... ..:.... .... ..... .... ..　.:.... .... ..　..... .... ..　..... ............. ..　.　........　......
:.... . ∧∧　 　∧∧　　∧∧　 　∧∧　.... .... ..　.:.... .... ..... .... ..　.
... ..:（　　 ）ゝ （　　 ）ゝ（　　 ）ゝ（　　 ）ゝ .................. ...........　.
....　 i⌒　/ 　 i⌒　/ 　i⌒　/ 　 i⌒　/　..　..... ................... ..　.　...
.. 　 三　 | 　 三　 | 　 三　 | 　 三　|　　... ............. ...........　.　.....
...　 ∪ ∪ 　 ∪ ∪ 　 ∪ ∪ 　∪ ∪　............. ............. ..　........　...
　　三三　　三三　　三三　　　三三
　三三　　三三　　三三　　　三三

モラの死の知らせをやる夫は冷淡な態度で受け止めた。



　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　-　￣￣｀　- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ｰ､　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　, -､　　　　 ヽ､＿　　　　 ﾊ
　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾉ!o　}　　!､_　　　　　　　　　',
　　　　　　　　　　　　　　/　＞　　　 ｏ｀ー--　　　　　　}　　　 「モラは頑迷な男だった。
　　　　　　　　　　　　　　{ /　　　　ヽー- ＿　　＿　　　!
　　　　　　　　　　　　　　ヽ｀ー〈　　 }　 　　 イ´　　ヽ　ｊ　　　　 モラの申し出と異なる指示を与えると、よく彼は、
　　　　　　　　　　　　　　　＞､　 ー'　　　 （　 , イ⌒ヽ' |
　　　　　　　　　　　　　　 <　 ７ヽー-ァー-ヾ/　　　　.ﾊi　　　 　『お前は俺を信用していないのか』と聞いてきたものだ」
　　　　　 ｒ='ﾍ　　　　　　／ヽ!:::{　<´　　　 ハo　　　　　i
　　　　　 ∨l∧　　　　 ノ　 / 7::｀->　 ／　 　 ｊ　　 　 /
　　　　　　 ∨l∧　　_/ ｊ　/　/:;':::〈-イ　　 　 〈　　　 ..|
　　　　　　　,イ )ﾍ}-'　/　ｊ　/:::;:r´　　　　　 　 !　　　...|
　　　　　　　!　⌒)ﾍ　　ノ　/:::::;/　　　　　　　　}　　　..|
　　　　　　　ヽ　´ノﾍ／　 /::::::/　 　　　　　ヾ　/　　　 |

一方でヒトラーは、次のように語ったといわれる。



　　　　　, '〆.:.:.:.:.〆 　 　 　 　 ｀　､
　　　／｛f7.:.:.:.:〆　　　　　　　　　　＼
　　 / -∠.:.:.∠　 /　　l　 　 　 　 ＼　＼
　≪_ﾊハ.:V､＼ | |　　 |　　　　　　　l　 　ヽ
　/ヾｲ　ｲﾊノ／ | |ヽ　 |＼　　 '　 　 !　　l　',
./ /:/／!l l:l∠　 |庁ﾞﾄ､|､　｀ ,　|!　　 ! l　|l　|
　,'l::l/.　!| l:l　＼ | 仆｛!ﾝヽヾ　 { | ／　K/ /
, ' |::| 　 ｌ| |:|＼　＼ ｀￣¨｀　　 ﾚrﾃ/ //／
　 l::ｌ　　ｌ| |:|　ｌ＼　＼ 　　 　 、｀¨/ ｲﾚ´
　 l/　　ｌ|　 　 |.　丶-ー 　 ___ 　 /　/　　　　スペインにとって真の悲劇はモラの死よ。
　　　　 ﾊ　 　 ト、　 　 　‘ ‐'´ ｨ 　/
　　　／ハ　　 l:＼:＞､ 　___ ／|／|　　　　　彼は真の頭脳、真の指導者だったわあ。
　 ／　　∧ 　 l:::/:.:7爪::.:7　l　|　/
￣｀ー_＜:::ヽ　Ⅴ::/ 小ヽ::|　l　| /
::::::.ヽ⌒マ}:::::ﾄ、Ⅴ/::||::L::.ﾄ､l　//
:::::::::::::::::::::マ}::::ﾄ､Ⅴ:::l|::ﾍ｀ｰ|　/'ﾍ
:::::::::::::::::::::::::::マ}:::::|<Y⌒Y>:| /::::::ﾍ
:::::::::::::::::::::::::::::::マ}::{ﾍ薔ﾑ}:::l/:::::::::::ﾍ

　　　　　　　アドルフ・ヒトラー



モラは、やる夫ほどの政治力はなかったが、高級指揮官としては傑出した人物で、ヒトラーもその点では
やる夫よりも高く評価していた。

　　　　　　　　　　／彡'∧　}　　 ,'　 |　　/ /
　　　　　　　　　　＼////ﾍﾊ_　 ;　　j　ノ /
　　　　　　　　　　　 ヽ>'´　ｊ//ﾊ　 〃'　,ｲ
　　　　　　　　　 rｰ-=ﾆ=≦彡'ｲ　/´.／
　　　　　　　 ／ー-=＝テ'´　　　　｀ヽ
　　　　　 ,.イ　ヽﾊ　}.／!　　　　　.　-‐=ﾐ
　　　　　 } ,へヽ Y./ﾉ　:　 ,　　／　 　 　 ∨
　　　　　ﾉ　＼/ｰﾂ.,{｀ヽ　{ 　 ', 　 　 　 　 ∨
　　　　 ,'　　　 Yﾍノ　 }､　｀　jえｚ 　　　　　∨　　　 モラの事故死については、多くの議論がなされています。
.　　　_zi.　　　 ﾉ,ｲ　　 ﾘ　　 ﾉ'´　　　 　 　 　 ヽ
　　 ∧＼＿__ゾ　　　 {ﾉ i　　　 　 　 　 　 　 　 i　　 やる夫による陰謀ではないかとも言われていますが、
.　 〃∧　丶 {　　　　〔　　　　　-=＝＝=-　　　;
　////∧　　ﾉ　　, -=ﾍ'´　　´-=＝＝-　 . 　 ノ　　 真実は定かではありません。
〃/////へ/ﾊ　´ ／　 .ｰゝ--'　　　　　　 彡'
/////////＼}　 ´　　　　＼　　　 ノ　　＞{
///////////〉　　　　　　　 ゞwヽ,..＜　　´}-=＝＝ー-
/////////,ノ　　　　　　 　 ／＞介ー＜／/////////
///////／　　　　_＿＿彡'//￣〉ヽ'´／.:://////////
///////　　　　／////////r'　{　　/.:::::///////////
//////　　＿,ｲ////////〃{　 {　 /.:::::////////////
/////　　 {//////////// r'　/　/.::::〃///////////





　　　　　　　　　 ,.　-―‐　 ー- ､
　　　　　＿　 ／　　　　　　　　　 ＼
　　　 ／　 ｀　　　ー- ､　iｿ´ヾl ,､_ ハ
　　 //　　 ,〃　＼　､　 >!<,j- ､__ヽｧ ',
　　 l/　 　 l/　　　 ｀ ｰ=(,〉 {薔}-' ﾉｒ' ﾊ
　　 丶　　 !i　　　　　　　ゝ'i_ィ､‐､"　　.}
　　 　 　 　 ',　 -'　　　 ｀ｰ 　 　 >-、 /　　　やる夫がいまさらモラを殺す必要があるかどうかは
　　　　 　 　 ! ━　 　 　 ━　 ｒ=っ У
.　　　　 　 /ﾊ　　　　　　u　　|l ＿'_　　　　　分からないけど、やる夫ならやりかねないというのが何とも…
　　　　　　 ﾞ 「 ､　　 n　　 　 ,.ィﾞ＿　i
　　　　　　　´ニﾕ_＞-ｒｒ彡´ﾉt=ｭｧ_´ー ､　
　　　　　　　└‐､7（(ﾆｱﾄゝ） 'ーｧ‐'　　 ﾊ
　　　　　　　／｀´ /｀ｲll !￣　　 テ　　　 ﾊ
　　　　　 　 i　/　l　　ljl.j　　　/　/　　 　 ﾊ
　　　　　　く　| 　 ヽ _　　　_ノ 　 ',　　　　 〈
.　　　　　　/　!　i彡ア､＜　　 　 /　　　　　ヽ
　　　　　 /　/　 ｀//!ﾄ--'　　　　 ヽ　　　　く
.　　　　 /　/　　　｀/lj　　　　　　　 |　 　 　 ヽ

　　　　　　　　　　　　ﾞｉ:::.ﾞｉ　ﾞｉ　　　　!　!::::::.,'
　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ:::ﾞｉ　ﾞｉ　　　|　|:::::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::.ﾞｉ　ﾞｉ＿|　|:::,'
　　　　　　　　　　　　　　ﾞｉ::ﾞｉ.　V _ 1!,r'
　　　　　　　　　　　　　　　ﾝＪ 　(,___ 」,'
　　　　　　　　　　　　　,r'´ 　　　　　V ｀゛
　　　　　　　　　　　,r'　　　　　　' ,　!
　　　　　　　　　　 ﾐ 　 　 　　　ｨ、'　!　　　　 とにもかくにもモラの偶然の死によって、
　　　　　 　 　 　 ' ┼‐- 　.,　　゛` 　,'
　　 　 　 　 　 　 '' 十‐- 　.,｀ィ 　 　ﾞｉ　　　　やる夫の権力闘争において
　　　　　　　　　　　､　 .,　　 ｀!､　 　 〉
　　　　　　　　　'´::::::::::::::: ﾄ、　　_ﾝｰ`　　　　競争相手となる人物はすべて排除されました。
　　　　　　 ,. '´--､:::::::ヽ:::ﾒ'´`iT〈 ,ｨｼ´
　　　　 　 /::::::::::::::ヽ:::::::ヽ::ヽﾉ、 ヾ
　　　　　 ﾊ、:::＿::::::ﾞ';::::::::ヽ::::ヾ! i ',
　　　　 ,/:::::＿::::,-::::::',::::::::::l__;vﾍl　',
　　　　/::::::::::::::::::::::::::::}::::::::::｀ヽ、:ヽ ',
　　 ／､:::::ニニ二二ﾌ::::::::::::::::::::ヽ::', l
.　 /::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::ヽlj
　/:::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ll

─── サラマンカ、コロンブスのアメリカ大陸発見の記念式典にて



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｬ――z
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　／
　　　　　　　　　　　　　 　 　 lｰ ''''"￣￣"　　 ￣￣｀'､
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∠,,､ -z　　　 ,r――― ''"
　　　　　　　　　　　　　　　　､ '"´,､ィ 　 /
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　　　　　　　　　 　 | ,､ '´　　　 /　　/　　 　 ｀ﾞ＾ _,| │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |＾l
　 　 　 　 　 　 　 　 '´　　　　/ ／l/　　　　　.,／,_　|　　　　　 　 ;‐i　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /'''',,,," 彡
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /／　　　　　　 l＿,'" | .|　　　　　　lﾆ　ﾆl　　　　 ;‐i　　　　　　　 　 　 　 ｀ﾞ＾ _,| │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 {_,lﾞ　　 　 　 .〈/!_|　　　　 lﾆ　ﾆl　　 　 　 　 　 　 　 .,／,_　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 〈/!_|　　　　　　　　　　　l＿,'" | .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {_,lﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f¨ﾞ!
:┐　　　　　 　　　n /〉　　　　　　　　　　　　　　　<ヽ　　　　　　　　　　/^〉'
　!　　　　　　　　　}”/　　　　　　　　　　　　　　,､　 <｀ヽ　　　　　　　 ./:::/.,､
⌒!ｨ　　　　　　　 f¨ﾟ{　　　　　　　　　　　　　<´ 'ヽ　Vハ 　 |ヽ　Y¨!　|::::}ｲ { , -ー ､　　_ /¨>　 r-‐,､ <⌒!
::〈人_r-ｰ- ､_r＜}|　＞::::￣:｀ヽ__, - ､__r ､r=¨>‐-!　/:::::}＿_Vﾍ　}:::|__}::::{.ィ1.|:.:.:.:.:.:.}_, くﾉ￣!　./;;;;;;;;;}_, ﾍ⌒',
/:.< /::::::::::::::::Y::/|i /::::::::::::::::::::::Y:.:.:.:.:.YVｲ!:::::}::::::::|/::::::/:ァ＜!　V_::|　',く/⌒!}:.:.:.:.:ノ/ /:/^V__〈ヽ;;;;;/_!__ノ::::::ヽ
:.:.:.:}|:::::::::::::::::::|:{:. }:!:::::::::::::::::::::::: l:.:.:.:.:.:.|ィ　ゝx}:::::: |::::::/:.:/　 /　> ¨⌒ヽ:'.　　V¨¨ヒ{_. V==<:::::｀ヾア´:f⌒!ヽ:::::}
＼f':!::::::::::::::::::lﾊ:.:ﾘ'.:::::::::::::::::::::::∧:.:.:.:./　＞ｲ::! :::: |:::::{Y/'　〈　/:::::::::::::::::}:' 　　V::::::::::{ .}　　.}::::::::::|:.:.:.:.|:.:.:|:.:.}-:'
　 ヾ!,､:::::::::__/_／　 ヽ::::::::::::::::/|ﾚVWハ/::::::::/:::::: |::::::|ﾊ　　 V!::::::::::::::::::!:/　　./:::::::;:::Y　　/^!:::::::{:ﾄ､: |:.:.:|:./:::::
　　　　｀Yﾟ￣　 　 ＿/VﾚvｲW:::::｀ー-::＿_／:::::::::/:::::::|　ヽ　 ｀!:::::i:::::::::::|'　　 /:::::::/L_|　　￣⌒¨}＞ﾍ}:.:.:|”::::::::
、　　　　　　f´￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|　　ヽ　.|:::::l::::i::::::|　　/:::::::::|　　＞-　._　　}} 　 |:.: |ヽ:::::::

　　　　　　　　　　　-─ ､　 ,　-──- ､
　　　　　　　　　　 , - ─｀＜::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::｀- ､　　　　　　　ヽ､_,人_,ノ､_,从,_,ノ､_,从,
　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　 ）
　　 　 　 　 /:.:.:.:.:.::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　‐=､´　　ビバ・ムエルテ！（死よ万歳）
　　　　　　/: : : : : : ::::i: ::::ﾊ:: :::::::: : :::ﾄ:::::::: : i: : :::::::::::ヽ　　　）
　　 　 　 /: : /: /: ::::::|:::/　.V::ﾄ::::::: :::| ＼::: :V: : :::::::::::|　　 , '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ_,ノ､_,从,
　　 　 　 |: :/: /: :/:::::|/ _ノ .V|ヾ:::::::::| 　 ∨::i::::::::::::::::::}
　　　　　 ﾚ.|:.::::|:::i:::::/|　 　 ､ﾊi　＼::::|｀^ｰV::ﾄ::::::::::::::::ヽ
.　　　 　 　 |::::::|:::l::/|::ﾚ'¨￣ヽ　　　ヾ| .ｨｧiｭVﾊ::::::::::::::::ﾊ
　　 　 　 　 |::::::|:::K .V　ｨTj.}　　　　 　 { J i ' ﾊ::::::::::::ﾄ;;ゝ　　　　　　　　　　　　　　ヽ､_,人_,ノ､_,从,
　　　　　　　|::::∧:r-､. ┴‐┴　　　　　￣￣　i .ﾋ V:ﾊ::::i::＞　　　　　　　　　　　　　　）
　　　　　　　|::/　|:|ﾚヽ　　　　　　i 　　　 ､　　 レｲ/'ﾘ::::::＞　　　　　　　　　　　 ‐=､´　ビバ・イスパニア！
　　　　　　　ヾ.　 | ヽ∧ 　　 ＿　　.. -イ　　.r‐ム::ﾊ／　　　　　　　　　　　　　　　　）
　　　　　　　　　　V:::/ ヽ､　　｀ ー‐‐ ´　 ／'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ
　　　　　　　　　　 ヾi　 　}＞　　　　　, イ　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　 | ｀ - ´_ -┴┐
　　　　　　　　　　　　　　　r‐'V/￣　　　　/::＼　　　　　　　　ヽ､_,人_,ノ､_,从,
　　　　　　　　　　　　　　 / /:::::入 　 　 ./::::::::::|""＼　　　　　　）
　　　　　　　　　　　　／:/ /:::::::::::∧　　/::::::::::::|::::::::::::" - ､‐=､´　　ビバやる夫！
　　　　　　　　　　／/:::::|V∧::::::/　 ＼/::::::::::::::|::::::::::::::::::::::　　）
　　　　　　　　 ／:::/:::::::|　 /:=:::i　 　 /::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::　 , '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ
　　　　　　　 /:::::::::|::::::::|　/::/::::|　　 /:::::::::::::::::/::::/:::::::::::::::::

　　　　　　　　　ファランヘ党　新聞宣伝部長
　　　　　　　　　　　　ミリャン・アストライ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｬ――z
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　／
　　　　　　　　　　　　　 　 　 lｰ ''''"￣￣"　　 ￣￣｀'､
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∠,,､ -z　　　 ,r――― ''"
　　　　　　　　　　　　　　　　､ '"´,､ィ 　 /
　　　　　　 　 　 　 　 　 ､ '" ,､ '":ﾂ 　 /　　　　　 |＾l
　　　　　 　 　 　 　 ､-'　,､ '´　　/　　/ 　 　 /'''',,,," 彡
　　　　　　　　　 　 | ,､ '´　　　 /　　/　　 　 ｀ﾞ＾ _,| │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |＾l
　 　 　 　 　 　 　 　 '´　　　　/ ／l/　　　　　.,／,_　|　　　　　 　 ;‐i　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /'''',,,," 彡
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /／　　　　　　 l＿,'" | .|　　　　　　lﾆ　ﾆl　　　　 ;‐i　　　　　　　 　 　 　 ｀ﾞ＾ _,| │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 {_,lﾞ　　 　 　 .〈/!_|　　　　 lﾆ　ﾆl　　 　 　 　 　 　 　 .,／,_　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 〈/!_|　　　　　　　　　　　l＿,'" | .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {_,lﾞ
　　　　　　　　　　　　　＿＿_
　　　　　　　　　　　..::´::::::::::::::::〃⌒ヽ､
　　　　　　　　_　／::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::＼　　　　　　 ヽ､_,人_,ノ､_,从,
　　 　 　 　 　 ｊ/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　）
　　　　　　 　 /:::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　‐=､´　　ウナ！（単一の）
　　　 　 　 　 i::::::/::::::i::::::::!:::::::::::::､::::::::::::::::::::::::::',　　　 ）
　　　　　　　 .|:::/::::::::ｉ::::::∧:::::::::::::ﾄ､::::::::::::::::::i､::l　　　, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ
　　　　　　､__Ⅳ::::/:::i:::::ﾒ__!::::::::::::匕ヽ:::::::::::::ハ:|
　　　　　　　ﾌ::l::ｒ'l:::/!::/ｾﾐl::::::ﾊ:::尨_ハ::::::i:::ﾄ､`!
　　　　　　´￣]八!/i」:i ￣ !／ Ⅳ　　　小ハl　　－､_　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､_,人_,ノ､_,从,
　　　　　　　　／ ｊ､八i　　´　　ｊ〉　　 爪i　　 　 　 　 ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　 ）
　　　　　　 ／ 　 ハ　ｊヽ､　 ｔ＿ｱ　.ｨ 　 !　　　　〉　 ,　!　　　　　　　　　　　　 ‐=､´　　グランデ！（偉大な）
　　　 　 ／　　　　｜　 {　＞　__／ ,! 　 !　　　〈 　 /　{　　　　　　　　　　　　　　 ）
　　 　 ,　　　　　〈　l　　 ｔ―- 、 ／ !　　i　　 　 ｖ /　 ｛　　　　　　　　　　　　　　, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ
.　 　 /　　　　　　 ,　、　 ＼ 　 　　 '　　 !　　 　 ﾚﾞ　　 i
　 　 {　　　〈｀ヽ　 ｊ__ ＼　　 ヽ　　/　　　〉　　　 { 　 　 ヽ
.　 　 〉　＼ ヽ　∨ ) }　 >= ､ ,｀=ｖ　　　/　　　　′　　　 ﾞ,
　　　|　　　丶}　;'　 厶_/　 //　 /!　　/　　　 ! {　　　　　 !　　　　　ヽ､_,人_,ノ､_,从,人_,ノ､_,从,
　　　|　　　　 ∨　/　 /　 //　 ,　!　 /　　　　}！　　　　 ⅰ　　　　　）
　　　{　　　 　 ′/、 /　 〃丶,′!　.ﾞ　　　　 ヽｊ　　 　 　 ｛　　 ‐=､´　　リーブレ・イスパニア！（自由なスペイン）
　　　ヽ 　 　 〈　 ﾞ　ｙ 　 /　　/､丿ｲ　　　　　　 〉 　 　 　 ム　　　　）
　　　丿 　 ＿_>、 ′　 ′／／　丿　　　 　 ∠　　 　 　 　 }　　　, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ'ヽｨ'⌒Ｙｿ
　　 〈＿／┌／ `ー‐ー-ｒ匕ｒ''⌒ヽ ｚ―‐ｔ　 ／ヽ　　 ／　〈
　　 く /　　八 　 　　 　 ∧/ ヘ､　く　＼　｀く　　｜／ 　 　 ｀､
.　 　 ﾘ　　 　 `,　 　 　 /　 〉　 ∧　 ぃ　 ￣ｿ　　 ヽ
　　　 ＼　　　！　　　/、 /　 /　ｊ　｜ ＼ ｲ

　　　　　　　　　　　　　￣ヽ､
　　　　　　　　　　_　,-─ ､,〉ゝ－-::...　、
　　　　　　　 ,..::´:::::ヽ:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::`＼_
　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
　　　　　, ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　/:::.／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　,/::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ｌ
　 　 l::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
　 　 |/|:::::::::::::/:::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　　|::::::::::::::::::::::::_:::/　ｌ:::::::::::::::::::|＼:::::::::::::::::::::::::::ｌ:::::::::|
　　　　|:::::::::::::::::::::::::/≧､ｌ:::::::::::::::::::| 　＼斗::::::::::::::::ｌ:::::::::ｌ
　　　　|:::::::::|:::::::::/l::/ｲ⌒ﾞ`ﾒ::::::|＼::ｌィ千代`:::::|:::::::::ｌ:::::l〉ﾘ
　　　　|::::::::/|:: /　ﾘ弋､ _ﾉｌ　ヽ|　 ヽﾚ; __ｿ ｌ j|人:::::::ｌ:::::|
.　　　　|::::/　|:::fzlｌ　＾ー‐'´　　　　　＾　‐-'´　jｌノ:::::l::l::て　　　.ファシズムはスペインの治癒者だ！
　 　　　|/　　ヽ.:::|ﾍ　　　　　　　i　　　　　　　/ィ<"j ﾒ_／
　　　　　　　　　ゝ;八　　　　/二二ヽ　　　　/ｲ　　　　　　　　 国家という体にできた癌を根絶やしにするんだ！
　　　　　　　　　　　x > ､　 ｛　　　　｝　　　ｲゝ:::｀＞-､
　　　　　　　　　〆::::;//ﾊ`　ヽ--- '′ <´/　 ｌ）:::}:::::::::::::::` ､
　　　　　　　 ／/::::://　　＼ 　｀‘´　　 /　 /::::7::::::::::::::::::::ﾊ::l
　　　　　　 ﾉ::::/::::::《〈 ヽ／ﾍヽ 　　　／　 /::::/::::::::::::::::::::::/::::l





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f¨ﾞ!
:┐　　　　　 　　　n /〉　　　　　　　　　　　　　　　<ヽ　　　　　　　　　　/^〉'
　!　　　　　　　　　}”/　　　　　　　　　　　　　　,､　 <｀ヽ　　　　　　　 ./:::/.,､
⌒!ｨ　　　　　　　 f¨ﾟ{　　　　　　　　　　　　　<´ 'ヽ　Vハ 　 |ヽ　Y¨!　|::::}ｲ { , -ー ､　　_ /¨>　 r-‐,､ <⌒!
::〈人_r-ｰ- ､_r＜}|　＞::::￣:｀ヽ__, - ､__r ､r=¨>‐-!　/:::::}＿_Vﾍ　}:::|__}::::{.ィ1.|:.:.:.:.:.:.}_, くﾉ￣!　./;;;;;;;;;}_, ﾍ⌒',
/:.< /::::::::::::::::Y::/|i /::::::::::::::::::::::Y:.:.:.:.:.YVｲ!:::::}::::::::|/::::::/:ァ＜!　V_::|　',く/⌒!}:.:.:.:.:ノ/ /:/^V__〈ヽ;;;;;/_!__ノ::::::ヽ
:.:.:.:}|:::::::::::::::::::|:{:. }:!:::::::::::::::::::::::: l:.:.:.:.:.:.|ィ　ゝx}:::::: |::::::/:.:/　 /　> ¨⌒ヽ:'.　　V¨¨ヒ{_. V==<:::::｀ヾア´:f⌒!ヽ:::::}
＼f':!::::::::::::::::::lﾊ:.:ﾘ'.:::::::::::::::::::::::∧:.:.:.:./　＞ｲ::! :::: |:::::{Y/'　〈　/:::::::::::::::::}:' 　　V::::::::::{ .}　　.}::::::::::|:.:.:.:.|:.:.:|:.:.}-:'
　 ヾ!,､:::::::::__/_／　 ヽ::::::::::::::::/|ﾚVWハ/::::::::/:::::: |::::::|ﾊ　　 V!::::::::::::::::::!:/　　./:::::::;:::Y　　/^!:::::::{:ﾄ､: |:.:.:|:./:::::
　　　　｀Yﾟ￣　 　 ＿/VﾚvｲW:::::｀ー-::＿_／:::::::::/:::::::|　ヽ　 ｀!:::::i:::::::::::|'　　 /:::::::/L_|　　￣⌒¨}＞ﾍ}:.:.:|”::::::::
、　　　　　　f´￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|　　ヽ　.|:::::l::::i::::::|　　/:::::::::|　　＞-　._　　}} 　 |:.: |ヽ:::::::

　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿_
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,.　´　　　｀ヽ.
　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣｀ヽ 　/　　, ‐ 、　, ‐'.
　　　　　　　　　　　　　/,　⌒ヽ　i ｜　　｀⌒　　⌒ｉ
　　　　　 　 　 　 　 　 { {　､__ノ ,ﾉ　|^v=｢ ￣｀H´￣}　　　　　　　 愚かな…！
　　　　　　　　　　　 　 い､　__ノ}:ｰｧ!u　ヽ＿_ハ__,ｲ‐.､
　　　　　　　　　　　　　,ゝ､　　,ｲ.:｜{`┐ ,. -‐～ｰ〈:.:. :.＼　　　　 お前さんが血を求めるのは、自分同様傷だらけになった
　　　　　　　　　　　 ／. .:.:.｀ｉ＿}.: :ヽ｀ｰＶ : : :, へ.:.::',:.:. :. :.ヽ,
　　　　　 　 　 　 ／ . : .:.:./´ ＿}ヽ : ｀!7 : ／.:.::::,ﾊ.::}.:.:',:.ｌ.:. :.',　　 他人を見たいだけだからじゃろうが！※
　　　　　　　 　 / :, -‐ァ´| 　＿｣丿: : !{／ｉヽ.:.::/: :ｌ/.:.:.:l/.:. : :′
.　　　　　　 　 / :/.:.:.:/　/ 、 ―j.:. .: .:i―┼‐∨.:. .:. .:.:.:l:. : : : :ｉ
　　　　　　　　|: : .:.:.:.i　｜　,ｌ￣l:.:. .: .:|＿_|＿_|:. :. :. .:.:.:|:. : : : :|
　　　　　　　　|: : .:.:.:.ｌ　 ｌ／ | 　|.:. .: .:| 　 | 　 |:. :. :. .:.:.:|:. : : .:/　　（※…外人部隊の創設者アストライは、戦傷により隻腕・隻眼だった）
.　　　　　　 　 ＼: .:.:.:＼ ＼,.| 　l.:. .: .:!＿_!_＿!:. :. :. .:.:.:!: : ／
　　　　　 　 　 　 `ｰ―→一'|　 l:. .: .:| 　 | 　 |:. :. :. .:.:.:|／
　　　　　 　 　 　 　 　 /: .:.:.:.|　 |: .: :,'―┼―',:. :. : : : :',
.　　　　 　 　 　 　 　 〈: .:.:.:.:.:l　 |: .: '　　∧　　',:. :. : : : :〉
　　 　 　 　 　 　 　 　 丶、.:.:l　 l: /　　/:::::',　　',:.:. .:.／
　　　　　　　 　 　 　 　 　 丶i　 l/　　/ ::::::::',　 　,／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　哲学者
　　　　　　　　　　　　　　　ミゲル・デ・ウナムーノ





:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ、:::::l
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::! ';:::::i
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::／ヘ|::::::::::::::::::::::::::!　';:::l
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ |:::::／／IIj:|:::::::::::::::::ﾄ::::/ 　 !:!
::::::::::{:/:::::::::/::::::/　　 !::/ ヽ　|;iｊ |::::/ﾚ:::::/ |/ 　 　ﾘ
:::::::::::i:::::::::/ |:::/　　　i/ 　 　ヽ7 |:∧　|:/　′
:::::::::::::::::::/　|/　　　　　　　　　　ﾞ　 ヽｿ
:::::::::::::::::∧　　　　　　　　　　　　　　　＼
:::::::∧:::/　｀ｰ　　u　　　　　　　　　　／
:::::/　∨　　　　　　　 　　　 ( ￣ 7 /　　　　　　なんだと貴様！
／ﾍ　　　　　　　　　　 　　　 ￣ , '
＼　 ＼　　　　　 ＿　 　 　 　 /　　　　　　　　インテリ風情が偉そうに！
　 ＼　 ＼　　　 /　　｀　ー - ′
　　　＼ 　＼__ /
　　　　　￣＼ ＼

　　　 ヽ､_,人_,ノ､_,从,,人_,ノ､_,从,
　　　　 ）
　 ‐=､´　くたばれ、インテリが！
　　　 ）
　　　, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ'ヽｨ'⌒Ｙｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､_,人_,ノ､_,从,,人_,ノ､_,从,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 , : ´　　 　 　 ｀　、　　　　　‐=､´　そうだ、くたばれ！
　　　　　　　　　　　　　　 , '　　　　　　　　　　ﾟ ,　　　　　　）
　　　　　　 　 　 　 　 　 ,′　　　　　　　　u　　ﾟ,　　　　　 , '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ'ヽｨ'⌒Ｙｿ
　　　　　　　　　　　 __　.!　 -- ､ ､　　　　　-　　i　_
　　　 　 　 　 　 　 ,'　 ﾟ | Y⌒ヽﾍ ヽ- ' ／x=ミ　ﾚ' ヽ　　　　　　ま、待て！
　　　 　 　 　 　 　 |　ﾊ｜i/⌒ヽ',　　　, ',. --､i} i,ﾊ　}
　　　　　　 　 　 　 ｌ　　,.r=＝＝ｭ､{__j／=＝ミ-'/:..　,　　　　　　ワシの話を最後まで聞かんか！
　　　　　　　 ,　:　´ﾍ　｛:ﾍ:::,'　　 ::}＝:{:,'　　;:::j:ｲi　 /iト .
.　 　 　__, イ 　 　 　 ＼　i_｀ ＝彡:|　｀ ＝＝' j-'／　　　 〕iﾄ､
　　　「　　　　　　　　/ { ト:|｀ --'-､　, ----' ミ´ } !　　　　　　｀ー┐
　　 「　 ﾍ　　　　 　 {　 '／　 　 　 ｀′　 　 　 ヽ' }　　　 　 　 ,:　　}┐
　, '　　　 :ﾟ, 　 　 　 　 〃　　　　,. 今x　　　　　 ﾐ　　　　　　 /　　　 {
, 　　　　　 ﾟ,　 　 　 　 {!　 _,.r　´ー─一｀ヽ　　 ﾐ　　　 ,　　/
.　　　　　　 ',　　　　　 | 〃　!　 　 ⌒　　 /! ヽ　i　 　 /　　'
.　　　　　 　 i .|　 ', ',　 　 　 lﾟ､.　　　　　/｜　 ヾ　　/　　i,'　　　　　　 ヽ､_,人_,ノ､_,从,,
　　　　　　　 l | 　 ヽ＼　　　|　ヾ、 　 , '　 !　　　　./　 　 {　　　　　　　 ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‐=､´　くたばれ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙ

　　　　　　 ,.　＜,ｨ　/／､､＿＿　　　　　　　　 　 　 　 　 〃/ |＼
　　　,. ＜　　 ／/ //　　｀==ニ二´　　　　　　 ｀二ニ==彳/　仆､＼
　∠ ＿＿_／　/ /,′　　　　　 　 　 　 　 　 ｌ　　 　 　 　 |l /l　|　＼〉
／　　　　　　 厶∨　　　 |　　 　 l　 ｜ 　 　 |　l|　 、 | 　 |/ l| ∧　 ヽ＼
　　　　　　　　/　l　,　 　 l　　　　|　　|　　　　l　 |　 |　|　　l　l　l |ヽ.　 ＼＼
　　　　 　 　 /　 | /　　　| , |　｀ヽ、　|　　　　ｌ　 ｌ　 |　| 　 |　| ｌ| l　|　　　＼＼
.　　　 　 　 /　　| |l　| ｌ　| | l　　 |l ＼!　　　　|　 l　 |　| 　 !　| ｌ| l　|　 　 　 ヽ ヽ
　　　　 　 /　 /｜|l　| |l ｌ l |　_j.Lゝ‐|＼　　 ﾊ ∧ /　l　 /　,　j |l/|　　　　　 ｌ　|
‐-　､　　/　 /　 | ﾄ､ | ｌ斗七i !| 」{ ｜l　 ＼/ 厶斗‐メ､/!l / / /　{　　　　　｜ |　　　　ウナムーノ…
￣ヽ冫, ′, ′　ヽ!　Ｎト|ｨ=＝弐ゞ、　ﾍ　ﾘr￢〒ryfz-{ |/ﾚﾍ j　　＼　　 　 ｌ　|
　／／ 　, 　　　/　　ﾚ∧ ヽ {Ч;;'j}　 　 ∨ Ｖﾍ｛(f卮}_） 〉ト､　　　ヽ　 ヽ、　/ /　　　　会場を出て。
´／　 ／　　　 ,′　八rﾍ.　 ゞニ-　　　　　　∨ ゞﾐYｼ／ハ !｀丶、　＼　 ∨ /
　　／　　　　 /　　/＞ ､_〉　　　　　　　　　 　 ｀ｰ…く　/_／ヽ、　＼　 ＼　｀ヽ、　　　.ここにいたら危ないわ。
　'′　　　　 /　　/　,　　 ∧　 　 　 　 　 i　　　　､＿ﾉ/´ヽ　　 ｀、　 ｀､　 丶 　 l
　　＿＿_　/　　/　,′　 / rへ、　　　　-　-　　 　 ／ 〉　ｌ|　　　l　　　丶　　}　 |
￣: : : : : :.:￣｀丶､/　　 / /しﾍこ＞ ､　　　　　r～'⌒r勹 ｌ|　 　 l|　　 　 　 / 　 |
: : : : : : : : : : : : : : ＼　/　 ＼: : : : : : : ＞‐＜/⌒Y´: :／　 | 　 　 |　　　　 〈　　∧

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やる夫の妻
　　　　　　　　　　　　　　　　　　カルメン・ポーロ




　　　　　　　　　　　　　　／ ￣ ⌒　　丶　　　　　　おのれ…なんということじゃ…
　　　　_　- 　　　 　　　/　　　　　　　　　＼
　　　/::::::::::;;;;;）　 　 　/ﾍ　　　/⌒＼　u 　丶　　　 スペインはどうなってしまうんじゃ…！
　　（:::::/;;::::::;;;;;;)　　　| へ　:　/＿＿＿　 　　ト～ ー ＿
　　⊥::::::(;;::::;;;;;;;;;）　┌～^~ ／ー―ヽー/~） | 　　　/　　丶～
　/:::::::::（;;;:::::);;;::く　　|⌒~/Ｒ;;: 　::::;;;;;リ /∂| ）:～─ ＿　/　＼￣ ヽ
（;::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;| 　|＿ｊ| 　丶＿__ノ　　　；/| ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`＼/＼:::::::＼
　)::::::;;;;し::::::::::;;;;;;;ﾉ　　|　|　ﾍ　　　丿 ｒこノ~ノ⌒ー　＿;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ::Ｙ　　＼
し;:::::::::;;;;;;;;::::）;;;;;;;;;;) 　 ｙ し～⌒～、/::　ｒ |;;;:　＼　;:: |:| ～　　＿ ＼　　＼
　＼::::（:::::::::;;;;;;;;:ﾉ　／/　　　　　　　　＼Ｊ　 |;;;::　 ~;;;| |:| 　　　　　フ＼ 　＼ |
　　（;:(;:::::::;;;;;;;;;;;;ﾉ /　/　　人　　　　　　ヽ:　 ﾉ;;;::　　ゝ |:|　　　　　ｒ 　　＼　ヽ）
　　　 ＼::::::;;;;;;/　/ 　| 　/ ∨＼　　　　　|:: /;;;:: 　／ 　 |:| 　　　　/　　　　丶 ヽ
　　　　（::::::::;;/　 /　　|　/　　　　ヽ　　　　| |;:: ／　　　　|:| 　　　/　　　　　　＼
　　　（⌒ ￣　)ヽ　 //|/　　　　　　＼　 　|r;:/
　　　ｒ⌒ ￣ ）し　 // 　 　 　　 　　） ＼ ）



スペインを代表する哲学者ミゲル・デ・ウナムーノは、カルメン・ポーロに助けられて会場を去った。
その後彼は、事実上の自宅軟禁となり、内戦終結を見ることなく死んだ。

死の直前、ミゲル・デ・ウナムーノは友人に宛てて書いた手紙で、次のように書いている。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｛',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ':ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ',ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 Vﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _V_ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　 _,.　　-‐　　¨´￣　　_丶｀丶、
　　 　 　 　 _　 　 ／＾>'´　　　　　　　　 　 　 　 、 ＼　＼
　　,　-‐- 〈_ ｀¨´　　 {　　　　　　　　　　　　　 　 ＼　ヽ.　〉
　〃　 　 　 /)　　　 八　　　　　　　　　 　 　 　 ＼　＼｜|
./　　　　　/ (__　　　　 ＼x个'ｰ---------一-､　 ',　 〕! |
　　 　 　 /　　 )　　　,　-‐ '´　　　　　　 　 　 　 }　 |／/:J
　　　　　　　　丶-,　 {　　　　　　　　 　 　 　 　 /　/{_∧/ﾊ
　　　　　　　 　 　 〉-'　　　 　 　 　 　 　 　 　 〔.／ 　 　‘{ ﾍ
　　　　　　　 　 〃　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼',
　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｀
　 　 　 　 ／
　　-‐ｧ'´

　　　　　　　　　／ ￣￣￣￣￣￣ ￣ ｀　 、
　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　./　　　　　　　　　　　　　　,==ﾆ_-､　丶
　　　　　 /　　　　　　 　 　 　 　 　 〃　　__ ｀ヽ 　＼
　　　　 ./　　　　　メ≧､_ノ　　　　 ｲ　　　{・} 　|}　　丶
　　 　 /　　　　　ｨ彡´三ヽ＼　　/. 丶 ＿＿ ／　　 　 '
　　　/　　　　　〃￣￣ {・}|　　　　 　￣ ￣　　　　　　　V
　　./　　　　　　廴　＿ 二´　　　 l　　　 　、　　　　　　　'
　 ,'　　　　　　　　￣ ￣, 　 　 　 人、　　　}　　　　　 　　　'
　 |　　　　　　　　　　　ﾍ、 　 _／　　｀ｰ-ｪ'　 　 　 　 　 　 |
　 |　　 　　　　　　　　　　￣　　　　　　　　　　　　　　　　∧
　 | 　　　　　　　　　　　　　　 　-‐'"´｀`　　　　　　　　　/
　 丶　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠
　　　　　｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　｀ﾉ｀　‐　- ＿　　　　　　　_ ＿ , ´

・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
カウディーリョ───これがあの哀れなやる夫将軍の呼び名らしいが────は、

残酷な弾圧に直接手を染めてはいない。他の者のやるがままにしている。

わたしがそのことを言うと、やる夫は繰り返し述べた。

「スペインにおいて救わなければならないものは、ボリシェヴィズムの脅威の下にある

西欧的キリスト教文明である」、と。
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ´ ＼:::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　 γ´￣￣＞o｡. ＼:::::::::::ーｉ´
　　　　　　　　=====≦　　　　　　ヾ::::｀ヽ廴:::::::ﾉ 弋ヽ
　　　　　.｡o＜￣｀ヽ　｀ヽ　　 　 　 |ｉ／ｉ!三三}|孑´-｡＼
　 　 γ´　　　｀ヽ　ｉ!　　ｉ　　　　　ノ::::::ｉ!:::::::::::ｉ!ｰo.｡　|≧ｰ､
　　 ./　　　　　　弋 ｀ｰ　　　　／―┐:ｉ!:::::::::::ｉ!:::::::::::::|:::::::::::|
　　/　　　　　　　　 ＞o｡. 　イー―‐|ｉ!ｉ!:::::::::::ｉｉ:::::::::::::|:::::::::::|
　　ｉ　　　　　　　　　　　　＞､:::::::::::::::|ｉ!＿＿__|＿＿__|＿,r====r,､‐‐r ､―-､＿__　　　　　　ﾉｉ!
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しかし、やる夫が用いている手段は文明的でなく、西欧的でもなく、むしろアフリカ的だ。

…もちろんキリスト教的でもない。

ここにあるのは異教的帝国主義的アフリカ的軍国主義だ。
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このやり方では決して真の平和は来ない。

やる夫は勝利するだろう。

しかし納得させることはできないだろう。

やる夫は征服するだろう。

しかし人々の心を変えることはないだろう。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やる夫がイスパニアの独裁者になるようです



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第十二話　ファランヘ党の掌握

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　終わり




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本日の投下は以上です。
また次回、お付き合いくださいませ。

6月中にはスペイン内戦編を終わらせることができれば、と考えています。

乙

>>423の「ユンカー爆撃機」てユンカース（Junkers）のスペイン語発音てことでおｋ？

乙
しかしアフリカアフリカってそっちゅう差別的な意味で、スペイン人左派は言うけど、
勝てなかったっていう事実しか残らんかったなあ。

乙

しかし、丁寧にスペイン内戦の要所を抑えつつ、コンパクトに仕上げてくるな。
これだけ簡単にできたんだ…

乙乙！　野蛮は文明を駆逐する

一応、やる夫をアフリカ的と批判したミゲル・デ・ウナムーノの名誉のために…。

彼は第二共和制の初期から国会議員をつとめ、アサーニャら左派を国会で追及し、
スペインとは何かを探求し続けた寧ろ保守派に類する人物だよ。
仮に彼が左派だった場合、あの集会に出席することはできない。

当時、国民戦線支配領域で起きていた恐るべき殺戮に目を背けることが出来なかっただけだ。
そして、彼にとってさらに気の毒なことに人民戦線側でも同様の殺戮が保守派に対して行われていた。
（ウムナーノが人民戦線支配領域にいた場合、それまでの活動から高確率でリンチで殺されていたに違いない）

>>495さん
参考資料中に「共和国兵士は…ユンカーと呼んでいた」という記述がありましたので、
それに倣いました。

>>502さん
補足ありがとうございます。
そうとうスペイン史に精通している方とお見受けします。