やる夫と学ぶ北欧神話　１０



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　　　　　／　　 _ノ　　＼
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　　　　.　|　　　　（__人__）　　　　　　　　　　　　やる夫、海の水はどうして塩辛いのか知ってるか？
　　　　　 |　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
　　　　.　 |　　　 　　　　 }
　　　　.　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　 ヽ　　　　　ノ
　　　　　　　.>　　　 <
　　　　　　　|　　　　 |
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　　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　　　　いきなり聞かれても……塩が混じってるからに決まってるお。
　　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼


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　　　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　／　 ヽ､_　　＼
　　　　　　（●）（● ）　　　|　　　　　　　　　　　　じゃあ、その塩分はどこから来てるのかはわかるか？
　　　　　　（__人__）　　　　 |
　　　　 　 （｀⌒ ´　　　　　|
　　.　　　　 { 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　{　　　　　 　 ﾉ
　　　　　　　 ヽ　　　 　ノ
　　　　　　　　ﾉ　 　　 ヽ
　　　　 　 　 /　　　　　 |






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　　　　　　　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　　　　　　えっ。
　　　　　　／ 　 u （●） 　（●） ＼
　　　　　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　　　　　　……有希ちゃんお願いしますお。
　　　　　　./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
　　　　　　(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
　　　　　　.＼　“　　／＿＿|　 |
　　　　　　　　＼ ／＿＿＿ ／


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　　　　　　　　　　　　 　 　 ´: : : : : : :￣￣　 ､
　　　　　　　　 　 　 ／ : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
.　　　　　　 　 　 ／　　　: : : : : : : : : : : : 　 　 . . .＼
　　　　　　､＿_/／. /. . . . . . .　　　　. . . . : : ! : : : : ヽ　　　　　　　　　　海水の塩分は、土中や岩石等に含まれている成分が大元。
　　　　　　　￣/. : /. : : : :/ : : : : : : : : : : : ＼l: : : : : : :ヽ
.　　　　　　 　 l : : l : / : /. :/ : : ヽ、: : : ｀ヽ : !: :l: : : : :　ヽ、　　　　　　 大昔……地球が生まれて間もない頃の海は塩酸だった。
　　　　　　　　l :/ l : l: : :l :∧: :ﾄ、: lヽ、: : : :ヽ!: :l: :ｌ: : : ｌ ￣
　　　　　　　　l/!: ! : ｌ: :/l/‐-ヽ! ヽ !　 _ヽ-―!‐ !: :ｌ: : : !　 　 　 　 　 　 酸性の水によって岩石が溶かされ、そこに含まれる塩化ナトリウム等の
　　　　　　　　　ヽ! : l : ! rfチミ､　 ヽ´ fr旡ミ! : ト､l : : ′　　　　　　 　 成分が海水に溶け込んだ。
.　　　　　　　　 　 ヽ !: :l　 rっｿ　　　　 匕り !: : !丿/j/
.　　　　　　　 　 　 j∧ :ﾄ､ ｀¨　　 .　　　　　 ｌ ｌ :ｌ j/　　 　 　 　 　 　 　 それから徐々に中性へと変化したのが、現在の海。
　　　　　　　　　 　 　 V: :lヽ、　　 _ 　 　 ／j/!/
　　　　　　　　 　 　 　 ヽ: !　＞ 　 __.. ィ　ト､〃　　　　　　　　　　　　 　（以上、Google検索結果のまとめ）
　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ!　 ／/j　　 　 ト!/＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿／ :/-―――-l : : : :ヽ､__
　　　ｶﾀｶﾀ　　 　 　 　/|::|: : : :! -―――-! : : : : : :/∧
　　＿＿＿＿＿　 　 /! !::!: : : :!￣　￣￣/. : : : : :/://:!
　 ∨￣￣￣￣￣　￣￣￣￣￣∧　　 /. : : : : :/://.:::l
. 　 ∨　　　　　F　M　V　　 　　　 ∧　/. : : : : :/://.::::::l






　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　 ／⌒　　⌒＼
　　　　　　　　　／　（⌒）　（⌒）＼　　　　　　　　　　　なるほど！　さすが有希ちゃんだお、何でも知ってるお。
　　　　　　　 ／　 ::⌒（__人__）⌒::: ＼
　　　　　　 　|　 　 　　　|::::::|　　　,---、　　　　　　　　これでやる夫も一つ賢くなったお。
　　　　　　　 ＼ 　 　 　 `ｰ'　　　しＥ　|
　　　　　　 　／　　　　　　 　　　 l､Ｅ ﾉ
　　　　　　／　　　　　　　　　　　 ｜　|
　　　　　 （　　 丶- 、　　　　　　 ヽ_／
　　　　　　　`ー､＿ﾉ


.

　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 　／　─　 　 ─　＼　　　　　　　　　　　　　　海のふしぎはわかったけど、それは北欧神話と
　　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　　　　　　 　　 関係あるのかお？
　　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　 　　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|





　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　|　　　 （ ●）（●　　　　　　　　　　　　　　現代では科学が発達しているから、地球は丸いとか、
　　　　　　|　　　 　 （__人__）　　　　　　　　　　　　　 色々なことがわかるわけだ。
　　　.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　　　　　　　　　　　 だけど、昔の人達にはそういった知識は存在しなかった。
　　　　　／ 　 　 .／　＿ノ
　　　　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　　　　＼　 “　／_＿_|　 |
　　　.　　　 ＼／ ＿＿＿ /


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　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 /　ヽ､_　　　＼
　　　　　　　. （　（● ）　　　　|　　　　　　　　　　　　何故昼と夜が来るのか、季節が巡るのはどうしてなのか、
　　　　　　　. （人__）　　　　　 |　　　　　　　　　　　　人や様々な動物はどうして生まれたのか……。
　　　　　　　r-ヽ　　　　　 　　 |
　　　　　　 （三） |　　　 　　　 |　　　　　　　　　　　 そういった物事の理由を求めて生まれたのが、古くから伝わる
　　　　　　　>　ノ　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　民話などの物語だ。分類としては「由来譚」ってのがあるらしいな。
　　　　　　/ 　/ ヽ　　　　 /
　　　　　/ 　/　へ>　　　 <
　　　　　|＿__ヽ　　＼／　 )
　　　　　　　　　|＼　　　／|
　　　　　　　　　|　 ＼_／　|





　　　 　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／⌒　　⌒＼
　 　　　　／（ ●） 　（●）＼　　　　　　　　　　　　　なるほど……雷が鳴るのはトールの戦車の音、ってのもそうかお。
　　　　／ ::::⌒（__人__）⌒:::: ＼
　　　　|　　　　　|r┬-|　　　　　|　　　　　　　　　　　それじゃあ、海が塩辛い理由のお話が、北欧神話にもあるのかお？
　　　　＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 ／
　　　　　 >　　　　　　　　　<
　　　　　（　|　　　　　　　 / ）
　　　　　　`|　　　　　　　/'
　 　 　 　 　|　　　ｒ　　/
　　　　　　　ヽ　　ヽ／
　　　　　　　　>__ノ;:::......


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　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　 　 　 _ノ　　ヽ、　　＼　 　,.:┐　　　　　　　　　その通りだ。
　　　　　　　　　　　 .（ ●）（ ●）　　..|　／　｜
　　　　　　　　　　　 （__人__） 　　　　.|./　　 /　　　　　　　　　 今回は、その話を紹介しようと思う。
　　　　　　　　　　　　 i⌒ ´ .r－､　　|/　 ／
　　　　　　　　　　　　 { 　 　 ヽ,　',. .,/　:/',
　　　　　　　　　　　　 .ヽ　　　.|　 l_/_, -‐､',
　　　　　　　　　　　　　 .ヽ　.　| 　 / , -－'i|
　　　　　　　　　　　　　　/　　 {　　V , -－ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　|　　　ヽ　 Ｌ|　r=　|






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　　　　　　　　　　　　 _,..-'⌒　　'￣｀　‐ ､
　　　　　　 　 　 　 ／　　　/　.:　　::. ::::::::..ヽ
　　　　　　　　 _,／　　　　ﾊ　　　　 ::..ヽ::::::::.ヽ
　　　　　　　　￣ﾌ　　 / ｛ 人　　ﾄ､　:::::l:::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　 |　l　 l　 i八iゝ、 l ヽﾄ ｜:::｜i::ゝ
　　　　　　　　　 {ﾊ|　｛ i__ﾚ__ゝ ヽj __ｊ_Vl ::::::!::ﾚﾄ
　　　　　　　　|　　ﾉ　ﾄ｛ ｨfｧｯ　　　 ｨfﾃ､i::::::|/:/　　　　　　　　　　　……スタート。
　　　＼　　　　　　ﾍ{ iトi. 辷ｿ　 .　　辷ﾉ|::::/ﾍ{
　　　 　 　{ﾐi⌒f.}　　　i　ﾄ、　　 _　　　ノi::/
　　─　　{ﾆ} o } 〉　　　!ﾄ! ゝ､ .._ ,.. ｨ'´　j!
　　　　　　ヽ｀´ノ　　 _,-─ '´/　　　{＼
　　　　　　| ｀‐´｝ ／ｉ　||　　 ﾚﾆ二ﾆi　 ｀￣/ヽ
　　　　　　｝:::::::lｒ´::::::i　!!　　 !==＝=!　 　 //::|
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　　 　 　 　 　 i ニニニニニニニニニニニニニﾆi
　　 　 　 　 　 i i　　　　　　　　　　　　　　 　 .::::i::i
　　　　　 　 　 ｉ i　　　　　　　　 　 　 　 　 .:::::::::i::i

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　　　　昔むかしのこと。現在はデンマークと呼ばれる国に、フロージという王がいた。
　　　　彼は非常に権勢のある王で、善く国を治めた。

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　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　ヽ　　　　　i. 　 .|　　　　　/　　　 /　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　ヽ　　　　i　　|　　　　 /　　　/　　　　　／
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　　　　　　　　　　　　　　ー　　　　　　　殺伐とした北欧に救世主が！
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　　　　　　　　　　　　　　　　　二　　　　　　　.　　　　＿＿　　　　　　　　　＝　二
　　　　　　　　　　　　　　￣　　　　　　　　　　　 　 ヽ|・∀・|ノ　　　　　　　　　　　　　　￣
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　　　　　　　　　　　　　／　　　 /　　　　/　　　　　　 |　　　 i,　　　　　　丶　　　　　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【フリズレイヴの子　フロージ】


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　　　　その善政は「フロージの平和」という言葉が広く知られるほどで、殺人は一切起こらず、
　　　　黄金の腕輪が野原に落ちていても、誰もそれを盗まなかったとさえ言われている。

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　　　　フロージ王はスウェーデンで開かれた宴会を訪れた折、二人の下女を買った。

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　　　　　　　　　 ,..-──v'⌒ヽ
　　　　　　 ＿／:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.厂｀ー―ｧ
.　　 　 ／〈::::/:∨:.:.:.:/::.:.:.:/:./:ヽ:.:.:.:＜
　　 　〈::::::::Y::::/:.:.:.:.ナﾅメ|:/ヽ:.:}:.:ﾄ:.＼＞
　　　　ヽ:::/:::/:.:.:,ｨ-|∠_　ﾘ　 |:ｽ:.:|:.:.:. |
　　　 　 〉-ｒ(|:.:./ `ﾄ{:r「　　 ｲﾃﾁ:.:|:.ﾄ:.:|
.　　　　 |:.:.:|:.|:/_ 　´￣　　　ﾋ!ﾉ∧|.:「リ　　　　　　　　　　私はフェニヤよ。
.　　　　 |:.:.:|:.:.:.:.:ト､ 　 ｒｧ　 　ﾉ:|:.リ
.　 　 　 |:.:.:ﾄ､:.:.:.Ｋ:} 　 ｒ‐ ｒイ:l:.|:.:|
.　 　 　 !:.:.:|__}:.:.:|::::＼_,,>､:＼:l.:|:.:|
　　　　 |:.:/　ヽ:.:.ヽ::::::ヽ　|::::::}:/:/
　 　 　 ∨　　 ヽ:.:.:l＼:::ヽ|:::/|:./
　　　　/ 　　.|　 ヽ::ヽ ＼ |∧l:.{　　 r‐ｒこつ
.　　　/ 　 ヽ ﾚく　ヽ:.:ト-ｨ　r'＞'⌒「　|＿ ⌒⊃、
.　 　 {　　　　ﾄ､::}､ ﾄ:.|／　　＼　　|　 ヽ:::厂￣´
　　　 ＼　　　　＼ |:.:| 　 ∧　 } 　 ヽ-イ´



　　　　　　　　　　　　 ｒ‐-　､　　 /　 }
　　　　　　　.　　　　　 ＼　　 ＼」　ノ
　　　　　　　　　　　　　　＞ｚ=-､メ丶､｀丶、
　　　　　　　　　　　 ,　': : : : / ,小: :ｌ ｀＼: : ＼
　　　　　　　　　　／／: : : :」 / .| ',:」:_: : : : : : 丶
　　　　　　　　　, ' :/: : : 'フｲ/　 | ヽ|ヽ｀ヽ:ﾚ: : : :',
　　　　　　　　 / ｨ: :/: : /ｨ=ﾐ　　　 ﾃミ､: :/: : /: :}
　　　　　　　　／/ﾊ:| : /仆ｲ}　　　 トイ}ｿ : : /: :/　　　　　　　　　　メニヤです。
　　　　　　　　　　|: :|: ハ弋ﾝ　　　弋ン/: : ,ｲ: :/
　　　　　　　　　　|: :|ｲ :}　　　 '__　　　/: : /': :/
　　　　　　　　　　∨　',: :ゝ､　 ｀′ _ノ: ｲ/イ/
　　　　　　　　　　　　　∨　 ヽ;ヲ　 ﾋ/ｲﾚ'
　　　　　　　　　　　　　　／￣/＿ /　 丶､
　　　　　　　　　　　　　 /|　　「　 /　　　　_」
　　　　　　　.　　　　　　ハ　　|　/　　イ￣　}
　　　　　　　　　　　　　|　{ヽ　ﾚ'　／ /　　 /
　　　　　　　　　　　　　ｌ　/＞ｌ∠　ｨﾌ　　 /
　　　　　　　　　　　　　|　ﾚ　　 ヽ |/　　 /


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　　　　　　　 　　　 ＿＿＿_ ｜
　　　　　　　 　　＼| | ・∀・|彡　　　　　　　　　　　二人とも、体つきがしっかりしてて力が強そうだな。
　　　　　　　 　　 　| | 　―彡
　　　　　　　 　 　　|_|＿＿_|　　　　　　　　　　　 　試しにコイツを回してみてくれる？
　　　　　　　　　　　　<　>






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ィ／/____
　　　　　　　　　　　　　 ／´￣: : :!: : : : : :.｀ヽ
　　　　　　　　　 ┌‐ァ´／:/: :.l: ∧: :.!: : :｀ヽ: ＼
　　　　　　　　　　Y´:{:/: : /__:ｲ:/　 !__!､:.!: : :ヾｰ ゝ
　　　　　　　　　　{:::::/:{: /´／l/　　l/ ｀}:|: : l: :}
　　　　　　　　 　 ｀Y: ｲ:ｬ≠rﾐ 　 　 r-=rｧ: :|: :|　　　　　　　　　　これって、石臼？　……ずいぶん大きいのね。
　　　　　　　　　 　 |∧!:/ r､:::|　　　ﾄｨ,.:} 〉: ﾄ､l
　　　　　　　　　　　|l: 込.弋シ　 　 弋ﾂ｛ }ｲ:|
　　　　　　　　　　　|:!:. ｰﾄ､''''　　｡　　'''ﾉl" l:.|
　　　　　　　　　　　|:.ヽ: :|　｀　ｧ-ｬ＜.　 |: :ｌ:.|
　　　　　　　　　　　|: :.}: :|　／l ></ ﾄ､　|: :l.:|
　　　　　　　　　　　|: :.|: :|/ |／}::::{ヽ!l V: :ｲ.:|
　　　　　　　　　　　|: :.|: :| /| { .》::《 | |∧/ !:.|
　　　　　　　　　　　|: :.|: :|〉 ｌ ｌ .{:::::} ｌ l　|　|:.:|


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　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : .|
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　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | : : : : : : : : : : : : : : : : : :.｜
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ ＿＿＿＿＿＿＿＿ノ







　　　　　　　　　　.＿＿　 　 ∫　　　　　　　　　　この石臼は「グロッティ」と言う。
　　　　　　　　　　|・∀・|─0□
　　　　　　　　　.<|＿＿|　　　　　　　　　　　　 　 ヘンギキョフトって奴からもらったものなんだ。
　　　　　　　　　　 /　 |


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それで粉をひくと、望んだものが出てくるそうなんだが……
　　　　　　.＿＿　ｽﾞｽﾞｽﾞ…　　　　　　　　　　 あまりにでかくて重いものだから、回すことすら出来なくてね。
　　　　　　|・◎ヽ
　　　　　.<|＿＿|
　　　　　　 /　 |











　　　　　　 　　 ＿＿　　　　　　　　　　　　　　あ、でも、いくら体格がいいと言っても女には無理かな……。
　　　　　　　～|・∀・|～
　　　　　　　　 |＿＿|
　　　　　　　　　 |　|



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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ノ´｀ｉ
　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　　 ／ 　 　|
　　　　　　　　　　　　　　＼｀ヽ､　　　/ 　 　 　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 _〉　 ｀ヽ＿ｊ　　　　 ,/__
　　　　　　　　　　　　 ,ィ´::;{　　　 ,}:.:{,r'　　／:: : ::｀ヽ､
　　　　　　 　 　 　 ／:. :;ｨ´_＞‐-fﾆﾕ-‐＜二ﾆ=}: :.: :.:｀ヽ、
　　　　　 　 　 　 /: : :.:/／: : : : : : : : : : : : : : : : ::|:.: : : : : :ﾊ
　　　　　　　　　/: : : :,:~: : : :/: :./|ヽ: : : : :ｉ: : : : :ｉ:|:: :: : : : : :|
　　　　　　　　 /: : : :/: : : :,ｲ: :/　|　ヽ､:.: .:|: : : : :|:|::: : : : : : :|
　　　　　　 　 /: : : :ﾒ: : : :;/|:./　　|　　 ∨:;|/:: : : :ｉ|:.: : : : : : :|　　　　　　　　　　　失礼ですね、無理かどうかはやってみないとわかりませんよ！
　 　 　 　 　 /: :,ｲ::ｉ: : : ::/ |:/`ヽ､ |　　　,乂ｉ´ヽ､: :|: : :: : : :ｉ: |
　　　　　　 /: :./ｉ:.:|.:.: ::/,ｨﾁﾃヾ、　|　　　 ,ｨﾁﾃﾑ: .:|:. : : : : :|:.|
　　　　　　/:.:.:/ |::|:ｉ: : ;Y f:夭刈　　|　　　 ｨ升心ヾ;|: : : : : .|:ｊ
　　　　　 /:／　 |::|:|ｉ: :ﾊ 弋:U:;ﾘ　　　　 　 !::U::;ﾘ '"|: : : : : :|:|
　　　　　'"　　　 |::ﾘ:ヽ;;ハ ｀-‐"　 　 ,　 　 ｀‐-'"　 ｊ: :: : : :;ﾘ:|
　　　　　　 　 　 |: : : : :.ゝ}　　　　　　　　　　　　　/: : : : ::/:/　　　ﾑﾑｯ!
　　　　　　　　　 |: :人: ::|:ｉヽ､　 　 　 ＾　　　　　,/: : ;,ｨ':.:/:/､
　　　　　　　　 ,r'ｊ;ﾉ　 ＼|ﾘゝ ｀＞‐-　　 -‐＜´/:／　|:/ﾘ'＼｀ヽ、
　　　　　　　 /, ﾉ　 ヽ、　　 ｀ヽ､｀‐─--─‐'´ '"　　 '"　 ,　 ヽ　ヽ、
　　　　　　 // /　　　 ｀ヽ　　　 ｀＞──＜´　　　 　 　 /　　　ヽ ﾉ







　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ＿＿　　　　　　　　　　　　　　　それもそうだな、じゃあ頼むよ。
　　　　　　　　　　　　　　 　 |・∀・|
　　　　　　　　　　　　　　 へ|＿＿|>
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ）


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　 ノ:;|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,〟-::─:-､／:::/-‐"::∠_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ィ´:: :: :: :: :: :: :: :: ::/::: :: :: :: :: ::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　 ＿r-ｔ/:.::／: : :.／ :: :: :: :/::::: ヽ､::. :: :: :: :: :＼
　　　　　　　　　　　　,r'";;;ノ;λ;/: : ::／:: ::, :: :: :/|ヽ;: :: ::ﾊ: : : : :ヽ､_:: :＼
　　　　　　　　　　 ／;;;;;;;/;;;;;;γ:: : :/:: ::／|::. ::/　|　∨:: :.:|:: :: : : : :＼＼::|
　　　　　　　　　　ヽ､;;;;;/;;;;;;;/:: :: ::/:: :/　 |: ::/ 　 |　 ∨:: :|:: :: :: :: :: ::ﾍ　`
　　　　　　　　　　　 ｀/;;;;;;;;/:: :: :::ｊ:: :/ ＼.|::/　　 |　　 Χ::j::: :: :: :: :: ::.∧
　　　　　　　　 　 　 　＼;;;;|:: :;/::::|:/　 __､|/ヽ　　!　／__|;/＾V:: :::ｉ:: :: ; :∧　　　　　　　　　 いくわよ、メニヤ。
　　　　　　　　　　　　　|:::ｉ:ｊ:.:/|:: ::|;;ﾔﾃァｫヾ　　 　 ,ｧﾁ:ﾏ７ ﾊ:: :: :|:: :::ﾄ､::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　ｊ:: ｉ:|/::|:: :ｊ'　ﾋｚ7:;ﾘ 　 　 　 ﾋz:;7ﾘ, ﾊ::|:: : |:: :/　ヽ::|　　　　　　　　　タイミングを合わせて……。
　　　　　　　　 　 　 　 |:: :|:: :::|:::;ｲ　`-‐~　　　 ､ 　`‐-~' λ:::|: :/::./　 　 `
　　　　　 　 　 　 　 　 |:: ::|: :::|/V､　　　　　　　　　　　　〈ｿ::.:|/:|::/
　　　　　　　　 　 　 　 |:: :::|:: ::｀:l‐':ヽ､　　　 '⌒　　　　 ノ:: :: ﾒ:::´::|
　　　　　 　 　 　 　 　 |:: :.::|:: ::.::|: ::|　｀＞‐-ｧ-‐tπ爪::/:: ::/:: :: ::.:|
　　 　 　 　 　 　 　 　 |:: ::.::|:: :: :|: ::|ィ´ " ,.ｆ:〉:::　{:ｧ /::/:: :/､::_;γ´｀} 　 　 __
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￣"　￣　　　　 　　　　　　　|:: ::.:|::|＼ 　　|-‐-/　./:.: ::/　　 /　 /　 ／　／
　　　　　　　　　　　:::::＼　　 |:: :: :;ﾘ＼＼　|　 /　 ﾉ:::／　　 /´　 ｀~´　,イ_〉_＿__
､　　　　　　　　　　 ＿::;;_ヽ､. |:: :: :| ＼＼ヽ| ./／/:::/ __＿,,ﾉ　　　　　　 _＿＿,,ノ
__ヽ_＿,､,-‐─ー-‐´ |::ｉ:: ::::|ヽ|:: : :|　　＼ヽ|/／/:/´(,_＿,, ｀　　　　　　 {
　　　　　 　 　 　 　　|::.|:: ::::| ｊ |:: ::|:ヽ、.　ヽ_／ ｊ::ｊノ λ {{{`ｰ-‐⌒ヽ,_＿｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　|::.|:: :::| | .|:: :| 　 ｀＞　 ＜|::|　　 ヽヾミ≧三三彡'"`‐‐'






　　　　　 　 ／ / 　 ｜l　／::／　　　　　　 ＼ ＼
.　　　　　 ,ｲ 　 |　 　 | |/:::::/　　　,ｲ　 ∧　　l ヽ　＼
　　　　　/　　　|　 　 | |:::::/ ィ'"¨/ |　/　 V ､!　 ﾍ　 ヽ
　　　　 ,′　　｜　　 l | ／ ,/　/　.| /　　 ∨|ヽ　ﾊ　　ﾍ
　　　　 i 　　　｜　　 〈j::/ ,/　/ 　 l/　　 　 Vﾍ　 ｜ 　,∧
　　 　 ｜　｜　!　　　 ∨ /,＞=ﾐ. /　　 　,r=く }|　 ｌ｜ ト､',
　　 　 ｜　｜　ｌ　 　 　 V,勹::::ﾊ ' 　　 　 jr'ﾊ∨　 |｜｜　ヽ
　　　　 l｜八　 ',　:|　　 《{::ﾄ :::ﾉ|　　　 　 |{::ﾘ }　 /! ﾄ､:|　　　　　　　　　　　　うん、大丈夫、いけるよ！
　　　　 | |∧ ヽ/∨ﾊ　　　V弋rﾘ　　　　　Vﾉ ∧/｜| ',l!
　　　　 Ⅵ　V　{　V::ﾍ　 　 ', ¨´　 　 　 '　　'' |　　:|/　ﾘ
　　　 　 ヽ　 V 廴.∨:::ヽ、　ヽ　 　 (　ﾌ 　 ,.ィ|　　:|
　　　 　 　 　 ∨ ﾄ､.∨ト､＼　 ヽ 、 _ .．＜ |/八　,'
　　　　　 　 　 ∨|　＼{￣￣＼　＼/j/}/　｜　 }/
　 　 　 　 　 　 ヽ|　　 |＼:: :: :: ＞- ＼　　　　 /
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　　　　　 　 ヽ|・∀・|ノ　　　　　　　　　……おおおお！　すごい、動いたぞ！！
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　　　　　　　　　　　　＿　　 _　　- ―― -　､_
　　　　　　　　　 ＿⌒＞｀'´: : : : : : : : : : : : : : :｀＞- ､
　　 　 　 　 　 〈ｰ､／: : : : : : : : : : : : : : : :､: : : /:.:.:.:.:∧　＿
　　　　　　　　　∨:／ : : : : : : : : : : : : : : : :＼: !:.:.:.:./＜´:.:.:.:.｀7
　　　　　　　　　/:/ : : : : : : : : : /＼: :ヽ: :!ﾄ､: ヾ;.:.:.:.{:.:.:}.:.:.:.:.／
　　 　 　 　 　 /〃 ; : :/: : : :,ｨ:/　　 ヽ: :ﾄﾘ　ヽ__' ,:.:.:∨.:.:.イ　　　　　　　　　　　　　　　 どうかしら、私たちの力がわかったかしら。
.　　　　　　　 /ｲ: :/: :/: : : :/ l !　　　　斗!＜´ ＼＼:.:.＼:.:.:＼
　　　　　　　　/! /!: /!: :ｰ/- iL_　 　 　 ﾘ　 　_ 斗ﾄ,:｀: r‐<ｰ≦　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｸﾞﾛｯﾃｨ
　　　　 　 　 〈_| l_l: :! !1 /__　　　　　　　,.ィｆ{´::::｡|ﾘヾ-､!:.:.:〉__∧　　　　　　　　　　　 　 さあ王様、この 石臼 からあなたの望むものを
.　　　　　 　 　 ﾚ'ﾍ: l : ! {ｆｷ≠=ミ　　　 　 ∨:::::リ　rﾍ l｀Y: : :l: : ＼　　　　　　　　　　　 出して差し上げます。
　　　　　　 　 　 　 ｀! ∧｀､∨::::ﾟﾘ　 　 　 　 ￣　 ､'_ノﾉ::/: : /: : : : ＼
　　　　　　　　　 　 /!: : ﾍ∧ ￣ 　 　 　 __　 ' ' '/ ￣ｌ__/: :,.ｲ : : : : : : ヽ　　　　　　　　　まずは何をお望みですか？
　 　 　 　 　 　 　 //l: : : : : ,ゝ' ' '　　＜　ﾉ 　／!,､／ ,.ｨ≦-'､: : : : : : : :'., 　 , -､
　　　　　　　　　 //　!: : : : :|! : ＞ ‐ ---r　'　／/: : /./　　　 ｀ ｰ-_..＿_ '／　 ﾉ
　 　 　 　 　 　 // 　 !: : : :∧: :l: : | ／アl__／ ,./: :〃/　　　 　 ,　´, - ／　　/
　　　　　　 　 〃　　 l: : : / __L.!.ィ´,､/´>､_,／/: ://! !　 　 　 /　 /　/　 　 .{
　　　　　　　 /　　　/: : /´　 /.:./イ⌒>'／.:.:.:.!: :/ l | ﾄ､　 　./　 / '´　 　 　 l
　　 　 　 　 /　　／: :／　i／:.:.:7/｀V /.:.:.:.:.:.:.l: :l:.:.ヾ!:l　＼　{　 .|! 　 /｀Y´∨ヽ
.　 　 　 　 / 　 /: :／　.／.:.:.:.:.:.!':::::::l/:.:.:.:.:.:.:.:.!: !:.:.:.:.ﾘｰ-ｲ丶!　 i!　 ﾉ　ﾉ 　|　 }＼
　r ､　 i´Y　 　 ! /　　/:.:.:.:.:.:.:.:.l:::::::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.リ.:.:.:.:.:.:.:./　 　＼ ゝ __ ' 　 /　/._　＼
　ヽ ＼j　|/7 ／ﾘ　　 {:.:.:.:.:.:.:.:.:.l_／:.:.､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　　 　 　 ￣| !｀T´｀:´ : }＼　ヽ
　　 ',　　 _>'´　　　 　 ｌ:.:.:.-‐:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:.:.‐-.:.:.:.:.:.:.:.:./ 　 　 　 　 　 ﾘ　 l : : : : /　 丶_ﾉ
　　 ﾉ .／/　　　　　　,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.Ｏ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　 　 　 　 　 　 　 / : : ／
. ／ _〈　 l　　　　 _／:/!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　　　　 　 　 　 　 /: :／
　¨´　 ＼_＞一 ´/: /　!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/



.

　　　　　　ヽ＿＿_ノ　　　　　　　　　　　　まずは黄金だ！　グロッティよ、赤く輝く黄金を出しておくれ！
　　　　　　　|・∀・|
　　　　　　　|＿＿|
　　　　　　　/　　＼






　　　　　　　　　　 ＿」　　 L_/　　 　／
　　　　　　　　 ,　´: : :＞､＿/ｚ‐七＜
　　　　　　　／: : :,ｚﾁ‐" : ∧: `丶ゝ:. ＼
.　　　　 　 /: : : .//: : : :/: 小 : : : |: : : : : ＼
　　　　　 /: : : : ﾚ: :,-‐ﾌ:/　| ＼:.:.|｀ヽ: : : : :.＼
　　　　　,': :ｌ: : : |／:／〃　 | 　 ヽﾄ､: :|: : : :ｌ: : :ｌ
　　　 　 |: :.|: : : |:. :/ｚ=、　　　　ﾃミ､: |: : : :| : : |　　　　　　　　さあ、グロッティから黄金を引き出しましょう、フロージ王のために。
　　　 　 |: :.|: : : |: イ ｊ｀ヽ　　　　r┘ヾｊ: : :| | ﾄ､.|
　　　　　|: :.',: :. :Ⅵ|７ ﾊ.}　　　　{.ｨ_ﾊ|ﾘ|: ﾊ:| | ｀|　　　　　　　　彼らが富の上に座ることが出来るように。
　　　　　| ｌ:λ: : :|弋廴ノ　　 　 弋_ノ ∧ 小:|
　　　　　|∧ぃ.: : :|　　　　 r‐ ┐　 　 ハｊ: ﾊ |
　　　　　|ハ:.: ﾄ､: :ト､　 　 ｌ　 ﾉ　　 ,人: :/　ﾘ
　　　　　|.　＼|. ＼|＼|＞ｒ―┬＜//}:.:/
　　　　　　　　　　 　 ／/　　 /　　＼ﾚ'
　　　　　　　　　　 ／　 |―-/ 　　／＼



.

　　　　.　　　　＿＿
　　　　　 　 ヽ|・∀・|ノ　　　　　　　　　次は平和を。我が国に平和を授けてほしい。
　　　　　　　　|＿＿|
　　　　　　　　　|　|





　　　　　　　,ｒ-､
　　　　　　 /'ﾆﾕλ､_＿_
　　　　 　 〈　､}'´ ,〉 ､: : : :`;:＝:=‐-.､/ヽ:‐::-.､_　　　＿＿
　　　　 　 _,ゝ　,.ｲ､　,＞'´;: : : : : : : : |: : : : : : : :｀ヽ､|::::::::;/
　 　 　 　 {`ｰ-‐' {∠:;ィ´: ::／: : :;/::/|: :: : : ｉ:: : : :ﾊ::ﾍ::~ﾕ､__
　　　　　 ,j　　　 ;{／: : ::／:.: ;／/:/　|::|:: : _|__:: : : : ﾍ::ﾊ::{:::::::＼
　　　 　 〈ゞ‐-‐':/: :;': ::/: : :￣`/'´ 　 |:|｀ヽ::|ヽ::: : : : :ﾊ::}: ﾍ:;;;／　　　　　　　　　グロッティ、平和を出してちょうだい。
　　　　　 ∨ 　 ｊ: :/: ::/: ::j:.:/ ___､　　 |:ｊ　 ,_`__∨::: :ｉ.: :|:ｊ::: :λ
　　　　 　 ∨　 |/|: :::j: : ::|:/ﾁ弐z､　　´ ｨﾁ弍z V::: :ﾄ､:|'::: :ｉ::∧　　　　　　　　　 この国では誰も他人を傷つけることが無いように。
　　　　　 　 〉　　 V:::|: :/:ﾊ　 　 　　,　　　 　 　,'∨:.:|）ﾍ: : :|:: ::ﾊ、
　　　　　 　 ∨. 　 ヽ:|;/ゝλ"　　 r─-､　　",/_,ﾉヽ:|　 ∨::!::: : :|:ヽ、　　　　　　 例え目の前に兄弟の仇が縛られて倒れていても、
　　　　 　 　 ∨　 　 ;{: : ::ｉ:::ヽ、　 V__,ノ　 ,／　　　　 　 ∨::::: : :|: :∧ 　 　 　 　 剣で傷つけたりすることの無いように。
　　　　　　　　｀ヽ､:: : ｀ヽ､::::;;ノ｀＞:ｒ- r;＜ｰ-.､_　 　 　 j＾,ﾍ._::: :|:: : :}
　　　　　　　 　 　 ＼: : 　゛∨　　 {' 　 ｀}　 　 ／ヽ　　〈´ゝ {｀〉:.:|:: : :|
　　　　　　　　　　　　｀ヽ､:,' ｀ヽ､　ヽ‐‐/　 ／　　 }　/｀ヽ._,ｨ:;)::: |::.: :l
　　　　　　　　　　　　　　/　 　 {.＼丶/ ／}　ｉ　　 |,/｀ヽ､__,,/:: : ｊ:.: :ｊ
　　　　　　　　　　　　　 /　　ｉ　 ｀> `ｰ'´_,/　 |::. '" 　 　 ／|:::: ::/: :/
　　　　　　　 　　 　 　 /　 _,ﾉ　 〈　::.ﾄ:: ｀〉　　|:::　　　／　,ﾉ:;／::.:/
　　　　　　 　 　 　 　 〈,,ｒ'´:ｊ｀ヽ､ ヽ､| | /　　　|､__,,／ 　 /:'":;/: /
　　　　　　　　　　　　　｀ヽﾉ￣l゛〉　　 ´　 　 :: |　　　　 /: ::〃: /


.

　　　　　　　　♪
　　　　　　♪　　　 ＿＿　　　　　　　　　　　最後は幸福だ。富と平和と幸福さえあれば、私の国は
　　　　　　　　(( ヽ|・∀・|ノ ))　　　　　　　　 永遠に栄えるだろう。
　　　　　　　　　 　|＿へ|
　　　　　　　　　　　く






　　　　 　 　 　 　 　 !｀ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 l 　　＼___　　　 ＿＿
　　　　　　　　　　,.　ﾍ　　　 ヽ:｀＞'´ 　　　｀ヽ
　　　　　　　　 ／: : : :.＼　　　ハ､ ＿＿＿＿_ヽ
　　 　 　 　 ／: :　 : : : :.´ヘr.'´: ﾊ:ヽ: : : : :｀ヽ
　　　　　　/:　　. : : : : /: : _,/:: :/　 い: : : :.',
　　　　 　 　 .: : : : : :./:ｨ'´:/ : /　　 l:.ﾄ、: : :l : : :'.
　　 　 　 l: : : :l: : : : :l: :／/／ 　 　 l/　ヽ: :}: : : :.l　　　　　　　　　わかりました。
　　　　　 |: : : l: : : : :.ｨ'ﾗ示 　 　 　 x=ﾐ }: /: : :!: :|
.　 　 　 　|: : _|: : : :〈 代::ﾊ　　　　 んハ|/: : : :ﾄ. :!　　　　　　　　 それで、王様。この石臼はあとどれだけ回せばいいですか？
　 　 　 　 l:.:.{ |: : : : l 辷ソ　 　 　 {ゝ-:ﾊ/l: : :./ '.:l
　　　　　　ｌ: :｀l:.l: : : | :;:;:;　　　 .　　 ｰ' ム!: :./ 　|l
　　　　　　|∧:| l: : : |、　　　‐-　　 :;:; /ｰr ヽ
.　 　 　 　 l/ ｀い: : :|:｀: ..､ ____,.　　 ィ ど´ /
　　　　　　　　 ∨ヽ:.!`y'ﾉ　　ﾉrヽム,(´ 　 ﾉ
　　　 　　 　 　 /:.７ﾍﾉ {　／　 r‐'/:.〉　 ｲ｀i
　　　　　　　　/l: :|　!て V　 rイ　 !/ヽ.／　 !
　　　　　　 　 l　!:.{　!　!ｰr ｲ　ｌ　 / ／　 　 ﾄ、
　　　　　　 　 |　ｌ:.|　l　!　!　!　ｌ　ヽ、　　 　 | }、


.

　　　　　　　　　.＿＿　　　　　　　　　　　　　　とにかく回し続けてくれ！
　　　　　　　((ヽ|・∀・|ノ
　　　　　　　　　|＿＿|　))　　　　　　　　　　　　カッコウが鳴き止んでいる間よりも長い休息はしてはならぬぞ、
　　　　　　　　　　|　|　　　　　　　　　　　　　 　 私のためにグロッティを回すのだ。
　 　 　 　 　 　 　 図
　　"""""""""""""""""""""""""






　　　　　　　　　　　　　 |　　＼
　　　　 人　　＜￣￣ ｀l 　　　ヽ、　　　＿＿＿
　　　厂　　　　　＼　　　＞rz- く￣￣ : : : : : : : : :｀: . .、
　 　 ｀)　 　 　 　 　`　ｧ「￣ : :＼ ＼: : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　 ｀Y⌒　　　　, : ´: |: : : |: : : ＼ V: : : : : : : : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　／: : : : |: : : |: : : : : V: : : : : : : : : : : : : : : : :l
　　　　　　　　/: : : : : : :|: :|、＼: : : / : : ∧: : : : : : : : : : : : :l
　 　 　 　 　 /: :／: : : : |_.:| メ: :＼_|:.:. : :し: : : : :/: : : : : : : :|
　　　　　　 /／ /: : : : : |｀「　 ＼: : l: : : : : : : : :/: : : : : : : : :|　　　　　　　　　　ええっ、何それ～。
　　　　　　　　 /: : : : : ∧　　　　＼l: : : : : : l: /､: : : : : : : : :|
　　　　　　　　, : : ｲ: :/: : }　三三　l: :l: : : : l /　}: : : : : : : : :|
　　　　　　 　 |: :/ |: : : : :l　　　 :::: l: :l: : : : l厶イ : : : : : /: :.|
　　　　　　 　 |/　 |: : : : l　　　　　l: :l: : : : lヽ : |: : : : : ｲ :/ﾘ
　　　　　　　　|　　∨: : : ＼ /⌒V: :l: : : : ｌ　〉: |: ∧: / l/
　　　　　　　　　　　∨ : : /|: :￣ | :∧: : :/　トｚk′|/
　　　　 　 　 　 　 　 ∨ / .l:.∧ノ|/ノ|: :/　／:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　 ∨　v′　∠__|ノ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／ｌ　 ,／:.:.:.:.:.:.;r‐ｧ'Ｚ三＼
　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.l　/:.:.:.:.:.:.:／／ ,ィ ⌒ヽ:}
　　　　　　　　　　　　　　∧ﾊ:.:.:.l /:.:.:.:.:.／／／ 　　　　}|
　　　　　　　　　　　　　 /　Vﾊ:.:l/:.:.:.／／／　　　　　 ,':.|



.

　　　　　　　　　　 ,　-――-　､ _ _／ヽ
　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : !-.-.‐.‐.‐. ｧ
　　　　＿＿∧': ／　　　. . . : : : : : /: :/: : : :｀: :＜
.　　／:::::::::::::::::〉: : : : : : :.／: : : :,:イ: :∧: :ｉ: : . .＼:｀ヽ　　　○
　 〈::::／:::::::::::/: : : : : : :/ : : : ／ /: /　 ',: |: : ﾊ: : ヽ 　＼
　　∨:::::::::::::/: /: : : : :/: :-∠＿/_:/　　 |: |: : :∧: : :ﾍ､ 　',　　　　　　　　　　明らかに労働基準法違反よー！
　　〈:::::::::::::/: /: : : : :/: :.Ｘ　 　/／ 　 ＼!∧: : : :',: : : ﾊ＼j
　　/＼:::::/: /|: : : : /i／ 　＼　　　　　 /｀ｰ∨: : :ｌ: : : :.!　 　　　　　　o　　 　労基署に訴えてやるわよ！！
　 ,'.:: : :ヾ:./´ !: : : / ￣￣￣ 　 　 　 ＿＿＿∨: :ｉ:. : : :!
.　ｉ.: : : ./ｲ!　 |: : /　　　　　　__　　　 ＼　 　 /!: ;ｲ::. : :.i〉
.　!: : : : .::|:.ヽ_j: /　　　　　／:::::｀:.､　　　＼ /､|:/:.|:::. : ,'
　j: : : : : .:!:.:/ |/ ＼　 　 /::::::::::::::::::〉　　 　 !　}':.:.:|∨:/　　　　　o
　|: : : : : .:|:/　　　　＞ ､ｊ::::::::::::::::::/　　　, ｲ-<:.:.;ｲ:.Ⅳ
　|: : : : : .:|'　　　／　　 |｀ ｰrｰ-イ--‐ ' 　|:.:.:.∨:.!: |
　|: : : : : : !　　　〉 　 　 | 　/ヽ 　ヽ　　o　ｊ:.:.:.:.:. : !: |　　　　　　　　　　Ｏ
　|: : : : : : |　 ／｀ｰ ､　 |　 　 ,!　　}､　　　|:.:.:.:. : :.|: ! 　　　○
　|: : : : : : | ./　　　　ヽ |＼／,|　 / ﾊ　 　|:.:.:. : : :.|/
　|: : : : : : |/　　　　　 ｀|＼／/／ 　 |　　.|::. : : : : |







　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　 .|・∀・|ノ　　　　　　　　　　　ハッハッハ。そんなもの、この時代には無いもんね～。
　　　　　　　　　<|＿＿|へ
　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　 調子
　　"""""""""""""""""""""""""


.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　じゃ、私はそろそろ休むからね。おやすみんちょ！
　　　　　　　　 ＿＿_
　　　　　　　　|･∀･l |
　　　　　　　　lヽノ. l |
　　　 l￣￣￣<<￣￣￣￣









　　　　　　　　　　　　　　●

　　　　　　　　　　　　　　●

　　　　　　　　　　　　　　●






　　　　　　　　 　 _／＼―-ｚ-――- ､
　　　　　　 , . :￣く　　 ｀ｔ＾ｆ′　　　　　＼
　　　　　／: : : : :/:＼　 Ⅴｒ‐――-＜￣
.　　　 , ': : : : : : : : /: :＼ .} |､.: : : : : : : :ヽ-､
　　　/ : : /: : : :|: /: : :,ｲ:λｌ ､: : |: : : : : ､:＼＼
　　 /:/: : |: : : : ﾚ': :／ｊ /　 | ヽ: ﾄ: : : : : 丶: ＼
　　 ﾚ´: : :|: : : : | _∠ｲ/　　 |　｀」_V: : : : : :＼ }
　　/ｌ: : :.∥: : :Tﾌ　　/　　　ｊ　 ヽ ｀ヽ: :| |: :l　＼　　　　　　　　　うう、王様ってばひどいよ……。
　 / .{: : : ||: : : : |＿＿　　　　_　　　 〉: | ﾄ: |
　　　| /: ,」 |: : :.三三ﾆ　　　 ,三三/､V: |ヽ|
　　　V: :ヽ :|: : : |　　 |　　　　|　　 |ノ:/: :|
　　　 |ヽ: :｀ﾄ､: :.{　　 |　 　'　 |　　ﾉ: :ハ:.|
.　　　　 ヽ ハ＞ｆ= ､ j⊆ﾆつ_-=＜: /　｀|　　　　ぐーる
　　　　　　　ｆミﾐヽ;:;:;:ヽ二{i:;:;:;:;:|.ﾘｌｊ/　　　　　　　　　ぐーる
　　　　　　　{　 ＼ヽ;:;:丶　};:;;;:/ｊ//|


.

　　　　　　　 　 　 / ／ /　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　＼
　　　　 　 　 ／Y＾Y^ヽ/　 /　　　　/　　.ｲヽ　 　 　 　 ＼　＼
.　　 　 　 ／: : : ∨: : /　 /　　 　 / /　/ !　 !　　!　!　　　＼　ヽ
　　　　／: : : : :::/: : :.l　 /　　 　 / ｲ　/　| 　|　　|　l　 ',　　 ｌ｀ヽ.l
　　 ／: : : : : :: /: : : :{　 l､_　　／ / ! /　 | 　|　 ,.l -ﾄ　 l 　　| 　 l　　　　　　　　　 こうなったら、アイツに仕返ししてやりましょ！
　　 ＼: : : : : : i: : : : :|　 {　｀メ､ l/　ｌ/　　ｌ　 l／/l　|　　! 　　ﾄ､
　　　　＼: : : :.|: : : : :| 　|　/ /　｀ﾆﾅｰ〃　ｰ'l /　!/l　　ｌ　　 l: :〉 　 　　　　　　　　フロージ王、恨むなら自分の思慮の無さを恨むことね。
　　 　 　 ＼／l＿__.r| 　l え¨斤〒　　　　　f 斤fア从 ∧ 　 |/
　　　　　 　 |　 ｌ　 l{ ﾍ　l/　辷ﾗﾉ　　　　　 辷ﾉﾉ /}l　/: :〉　/　　　　　　　　　　　力の強さばかりを考えて、私たちの生まれを気にもしなかった
　　　　　 　 |　 ｌ　 lﾄ､_V　　　　　　　 　 ,　 　 ､､ {/l /'´/／　　　　　　　　　　 　 愚かさをね……。
　　　　　 　 |　 ｌ　 l　　￣lヽ、 　　f＾ｰ--ｧ 　　　ﾉ l/
　　　　　 　 ｌ　 l 　 ',　 　 | 　 ＞　 辻_ノ_,.　　イ　 l
.　 　 　 　 / 　 ﾄ､　 ヽ、　|／: :.|　　 T:.ヽ |　　 l 　 |
　　　　　 / 　 /　 ＼　 ＼|: : :.<　　　Lｭ: 弋. 　l 　 |
　　　 　 / 　 /　　　| >､　 ＼: : ＼＿__ ヽ: : lヽ.l 　 |　　　　　　　　ぐーる
.　　 　 /　　 l　　 /⌒ヽヽ　　ヽ: : : ＼ ￣| : l: :l| 　 |　　　　　　　　　　ぐーる



================================================================================

　　　　フェニヤとメニヤの力の強さの源は、彼女たちの生まれにあった。
　　　　二人は巨人族だったのだ。

================================================================================


.

　　　　　 　 　 　　 ／_: :／　 　 /: : //: /　|V: :|ヽ : : : : ', : : : : : ヽ
　　　　　　　　 　 /／//:　　 : :/ : :/ ,|:/ 　 | ∨|　V: : : : | : : : : : : ',
　　　　C 　　　　′ //: : : : : :_| 斗 　|{　　│ |.:|＼∨ : : |: : : : : : : |
　c　　　C　　　 　 //: :,ｨ: : : : :| /　__｣　 　 |　}/ __ ｀',ｰ: :|: : : : : : : |　　　　　　　　　うーん、とは言っても、どうすればいいの？
　 c 　 　 C　　　 .': |: / |: : : :/{/,イ元x　　　　　イ旡x､: :|: : : : :|: :│
　　c　　　　　　　 |: {/ /|: : :∧ /ｒイ::ﾊ　　　　　 ｆｒｲ::: ﾍ :|: : : : :|: :│　　　　　　　　 人間の戦士とは何度か戦ったことがあるけど、
　 　 　 　 　 　 　 |: : /:│: / ﾑ{ |:ﾄｰｲ|　 　　 　 |:ﾄｰ'∨}〉: : : : .′ ′　　　　　　　　流石に私たち二人だけじゃ、一国の軍勢には
　 　 　 　 　 　 　 |: /　 Ⅳ{: f ﾊ ヾxン　　. 　 　 ヾｘン　 |: :,': :/ : :.′　　　　　　　　 敵わないよ。
　 　 　 　 　 　 　 Ⅴ 　 |ﾍ|: ﾍ :}.:.:.:.　　　　 　　　　.:.:.u:./ /: /: : /
　 　 　 　 　 　 　　　 　 ',:.{ : : 小､:.:　　　{⌒) 　　 :.:.:.:.ｲ:/:/＾}: /
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ',ﾊ: : :|: {　{≧ ､.. ___ .. 　 ＜ // :{　 l/
　　　　　　　　　　　　　　 ∨ : :|: |　ヽ;≦} 　　 {ヘ:∧:j/|: :|　/__
　　　　　　　　　　　 　 　 　＼:.|: | ／.:.:ヽ、　 　 ',:.:.｀く. |:/⌒)　}_ _
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＞く.:.:.:.:.:.:.:.:＼-―ﾍ.:.:.:.:ヽ{／{ _/ ﾉ ）







　　　 　 　 　 　 　 　 .. ≧ー‐: : : : : :/ : : : : : : : : : : : :＞､
　　　　　　　 　　 イ: : : : : : : : : : : : : | : : : : : : : : : : : : : : : ＼
.　 　 　 　　　／: : : ／ : : : : : : : :/: │: : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　／: , -／ : : : : /: : : :/ : : ,|: :|: : : : : :| : : : : ヽ : : : : : :ヽ
　 　 　 ／: ／／: : :/: : :/: : : ,ｲ: : :/ |: :|: : : : : :| : : : : : :', : : : : |_ ｣__
　　　 /: ／　.': : : :/ : : /.: : :/ |: : ｲ　|: :|', : : : : | : : : : : : ',ニ/⌒ヽ.:.:＞､
.　　 /／　 /: : : :/: : : .': ＼/　|: /:|　 ',: ',ヽ: : : :|', : : : : : : ',/￣.:ヽ}___.:.:.:.＼
　　/　 　 /: : : :/|: : : :|: : :/＼.|/　| 　 v ',　＼斗―: : : : : :|.:.:.:.:.:.:.＼:ヽ.:.:.:.:|　　　　　　　　　別にそんなことする必要は無いのよ。
　　　　　 |: : : /.:.|: : : :|: :ｆ≧x､ヽ　|　　 ヽ{ ／ヽ|　', : : : : : |.:.:.:.:.:.:.:.:.:| :|.:.:.:.:|
　　　　　 |: : ∧.:.|: : : :|: :|! {rｲ心　　､__ ／x≦云示ｱ／⌒ヽ.:.:.:.:.:.:.:.| :|.:.:.:.:|　　　　　　　　　何でも願いを叶えてくれる魔法の道具が、
　　　　　 |: :/　ヽ!: : : :!:ハ Ⅵ::::j}　　　　〃ｆrｲ:::::::::/' 　 　 　}.:.:.:.:.:.:.:| :|.:.:.:/　　　　　　　　　 目の前にあるじゃない！
　　　　　 |:/ 　　 V: : :|{: :ﾊ ヽｚｿ　 　 　 　 vﾄｰイ/ 　　 　 /.:.:.:.:.:.:.:.:| :|ｰ '
　　　　　 |{ｒ=≠ﾆﾍ : ∧/ {.:.:.:.:.　 ､　　　 　ヽzxＶ　　　 　/＿＿＿_｣ :|
　　　 　 　 }　　　　|V : : :个 ､　　　f⌒ヽ　　.:.:.:.{　 　 　 ′: : : :/ : : : |
　　　 　 　 { ＼ー‐|: : : : : |: /｢ ＞- ､___ﾉ__ ...　-',　　　 {: : : :／: : : : │
　　　 　 　 |　　`ー|: : : : : |/ :| |　|　 ヽ ｘ-- ､／ }　　　 |: ／:}: : : : : : |
　　 　　　　ヽ.ヽ､　ﾍ : : : :∧/| | . ＞ー{　　　ヽ／￣￣￣ヽ. |: : : : : :│
　　　　 　 　 {ヽ.＿_ﾑ: : : {-ﾍ ｰ ' {.:.:.:.:.:.>､　　 {　　　　　　　',ヽ: : : : : |
　　　　　　　 ヽ.ー―ﾍ: : :|-/ヽ 　 〉ーく　/ヽ　 ヽ／⌒ 　　　|　',: : : : |
　　　　　　　　　}ー―ﾍ : |/　,/　/.:.:.:.:.:| {: : :}　　{ 　 　 　　　}ヽ.} : : : |


.

　　　 　 　 　 　 ,.　　,. -=キ≠=- ､
　　　　　　　 ／: : :'´: : : : : :.ｨ: : : :｀ヽヽ:＼
　 　 　 　 ／: : : : : :/ : : ://!l: : : !: : :.い: : ヽ
.　　　　 /　　/　.. :/. :/:.//　ｌｌ: : :l: : ヽｌ:.|. 　 :.
　 　 　// : : ｌ:./: : !／「/ l　　lヽ卞ヽ、l:.!: : : : i　　　　　　　　　　　そっか、グロッティを使うのね！
　　　/ /: /: :l/: :ｲ|:./ l/　　　　 V }从:ﾄ: : : : : !
.　　　 / ｲ: : :l: : :/ﾚ勹示 　　　 i勹tﾄV: : : .!: :|　　　　　　　　　　　何を出そうかな？　う～ん……。
　　 　ｌ / l:.: :.{:.: | i乍心:|　　 　 |;心:.}豸: :.,′:|
　　 　l/　|: : ∧:.l　 辷ツ　 　 　 辷ツl: : :/､∧|
　　　　　 |: :/ﾄ.Vt　 ¨¨　　___　　 ¨¨ //:ﾑ/　 ｀
　　　　　 ｌ / l |: :.〉r､ 　 　{___} 　　 _ｲ:.ｲ:/
　　　　　 l/ 　 !:/.rLl＾l^i､ ‐-‐ ,i^l＾|」:/l/
　　　　　 　 　 ｨrﾄ､ ｀ ｰ┴ v-┴‐'´_,{ｧ､
　 　 　 　 　 ∧∨､｀ ｰ---┼--‐'´　|/∧
　　　　　　　 { ∨､.｀ｰ----┼‐‐--'´∨　}
　　　　　　　 l　|　｀ ｰ----┼---─'´|　 l





　　　　　　 ､ _
　　　　　　　＼_ー､ _f ヽ, ‐───-　､
　　　　　 ＿　─｀　　l　 　 　 　 　 ､　　`ｒ＜￣:::/
　　　 ／ 　 　 　 　 ,　〉.　､　　 　 　 ＼__j:::::::＼_|_
　　∠ -─ フ´　　 l ./|ヽ_ﾍ＼＿_＼　､＼:::::::::::::::::＼
　　　　　r'/　/　　｜|　!　ﾍl　 ＼_｀ヽ　＼ヽ、::::::::::::/
　　　　　〉　/　　-７l.!　l　　ヽ　 　＼ ヽ　ヽ､ヽ:::::::::人　　　　　　　　　　　　　そうね、フロージ王を倒してくれる軍勢とか
　　　 　.'　,'　 !　　i　l　　 　 　 ＿_,rz ヽ}　ヽl ｀::／　 ＼　　　　　　　　　　　　どうかしら。
　　　　 l /:l　 |　　|　 _,,z 　 　 ＝＝"　rへﾍｰ!´ヽ, ‐, 　＼
　　　　 K__| 　ヽ　ﾊ彡"　　　 _　　　　 __,イ｀ rﾍ / /.　　 　＼
　　　　　　 l 　/入!､!　　 　 く 冫 　 ／　! !　 l　i' /っ､　 　 　 ＼
.　　　　　　 ∨/　/ .>､　＿＿___ ／l´ヽ､j/　 f　 {　｀l　ヽ　 　 　 ＼
.　　　　　　　 ,'　/　/　!　　| /:::;j_　/:::::::/　　A　そ_,ﾍ 　 ＼.　　　　＼
　　　　 　 　 l　/　/　 |　 イ:::::|´ ｀!:::::::/　　//::ヽ／　ﾊ､_ 　＼　 　 　 ＼
　　　　　　　 |/ 　,　　 |,ﾊ:ヽ::::|　 ,'::::::/　　//:;;／／'／ﾉ　l 　　＼.　　　　＼
　　　　　　　/　　,　 　 !ﾍ〉､ヽ:! .,':／//　/. ＼／／ ／ 　 ヽ 　 　＼　 　 　 ＼
　　　 　 　 /　　,'　 　 ﾉ///}_ﾍ!.!/´//　,'　＿ ｀l､／ 　 　 　 }　　 　 ＼　 　　　＼
　 　 　 　 ,'　　 ,　　 /k　 '　' ﾄV/'//　 l　　　 i､｀ヽ、　 　　/　　　　　　＼　＼ 　 ＼
.　　　　　 !　　 l　　ｲヽ、ヽ､△ヽｲ/!　　!　 　　 ＼ 　￣￣　　　　　　　　　＼　＼､　＼



.

　　　　　　　 {ヽ　　　　　　　　 ／}
　　　　　　　 |　 ＼　　　　　／　 l
　　　　　　　 |　　　ヽ、　　/　 　 |
　　　　　　　 {　　　 　 r-ｧ'　　　 ト
　　　　　　　　>､　　　ﾉ-{　　 　 /: : :｀ヽ
　　　　　　 ／: : ,ゝ､_ｨ､__x---rく: : : : : : :＼
　　　 　 ／／: :´: : :/: :.ｨ: : : : ｀ヽヽ: : :ヽ : ::.
　　　　/: /: :./: : : :/: :/ |: :l: : :.＼: :l: : : :.l : : :i
.　　　/: /: : /: : : :/: /　 l:.:ﾄ､: : :.:.ヽ| : : : | : : :|　　　　　　　　　　よーし。グロッティ、軍勢を出してちょうだい。
　　 /: ｲ: : :.! :.:.､/l:./　　 !:.l　＼／: | : : : |: : :.:|
　　 |/ l: : !:.|: : :/ﾒ/　　　 ヾ,_／＼:.:|: : : :.!: : : |　　　　　　　　　　誰でもいいからフロージ王を倒してください。
　　　　|: :.l: |: :./ l/ `　　 　 ヽ___　ヽｌ : : : | : : :|
　　　　|:./|: !:.∧ rf云　　　　=‐rx､._|: : : :.|):,ｲ:l
　　　　|/ l:.:|/:｀.}. 辷ﾉ　　　 弋辷ﾉ ﾄ: : :.ｌ:|/ l/
.　　　　　 l∧::::（　''　　　　　　　''' /: :.i:.∧!　　　　　　ぐる
　　　　 　 　 ヽ:./≧T>‐-r'ｰ--‐イ : /lﾒ、　　　　　　　　ぐる
　　　　　　　　Ⅵ:.:.:.:|.{ 　 }　　／ |／:/＾ヽ　　　　　　　　　ぐる












　　　　　　　　　　　　　　　もくもく……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,: ´　⌒＾ ヾヽ　　 ,爻
　　　　　　　　 ,、　　　　 　 　 (,, ""⌒　'' .. " ヾ　）彡ミ_　　　　　_,爻_　　　　　　　 ,、
　　　 　 　 　 爻、 　 　 　 .,, . :::::::（　ﾉ( ソ( ､ﾉノ..:::.... ,,..:::...:: ..　　_,彡ミ、　　　　 　 ,爻_
　　　　　　　､彡ミ, 　 　 　 　 . ,, :::::::'''(, イ")ﾉ::..:::::,,::彡ミﾐ_　　　 ｨ爻爻ﾐ､_　　　　_,彡ミ、　.:.
　　　　　　 _爻爻ﾐ_　　　　 . . .,,, :::::（’''....ノソ),,:: 爻彡ミﾐ､_　　｀ｼ爻彡ミ｀　 :.　 ｰ爻爻ﾐ､_.::::
　 　 　 　 =爻彡ミﾐ､_　　 　. .. .ノ(~～ノ 　 爻　ｼ彡ミミミﾐ　　　爻彡{ミﾐ、 .:::. -=爻彡ミﾐ;::::::
　　　　　_,爻彡ミミ;x_　　　,,（、、...,,,Y)　　彡ミ 爻爻彡ミﾐﾐ= -爻爻ミミミ､::::::.,ｨ爻彡ミﾐミ､:::　 :,,､,
　　 爻、 ,彡ミミミﾐﾐ=- ::　 ,爻、　　　　 爻爻ﾐ ﾞミ彡ミﾐミﾐ、 ,爻彡ミミミﾐ､:::::=爻爻彡ミﾐ;:::::.:.:ﾐ爻;
:.　 彡ミV彡爻ミﾐミﾐ､ .::::. ,彡ミ､_ 　.::. ﾞ=爻ﾐ-ﾐ;:'ミﾐ彡ミﾐミ彡爻爻爻ミﾐミﾐﾒ爻爻ﾐミﾐ爻彡:::::;ﾐ爻彡;
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ﾞ':;ゞ;爻彡;yゞ;ゞ;,”〈oヾv;;ﾐﾞ'爻:";v;oゞ;＾ y爻爻ﾐﾞ'爻ゞゞ;;yゞ彡ヾﾐﾒﾞ';ゞ;,”v:";v〃ヾ爻ゞ;yヾv;ﾐﾞ';ゞ;,”v:";v
'' ;~　;＾::;”v:";y;''ﾟ 　; ::;y　　; ::;　: ;:; '',;: ;:; ;~''＾"''＾”v:";v　; ::; : ;:; ;~　;y ::; : ;:; ''ヾ;ゞヾv;ヾ;ゞヾv;ヾ;ﾐﾞ': ;: ',;
";: ;: ;: ;:　　; ::;　: ;:; :; :　 :: :; : ;:; ;~'',;'　'　: ;:; ;~　; ::; ;~'',;'' 　; :　; ::;　:;~'',;:;　: ;:; ':　; ::;　:;~'',;:;　: ;: ;:; ;~'',;'' ;~'',;'


.

　　　　　　　　　／/ 　 / ∧　　　 '. ∧　.
　　　　　　　　/ ,　 , -/ /　　.　- ､| {_,}　i
　　　　.　 　 / // |　/j/　 　 ∨　｜　|　|
　　　　　　 / /　　}/ｨﾃ. 　 　 ｨﾃx｜　|　|　　　　　　　　　あっ、東のほうに狼煙が見えるよ！
　　　　　 　 /　|　ﾊ{!|ｔ.ｉ| 　 　 |ｔ.ｉ|j〉　 ′|
　　　　.　　｜ ∧{f } ゝ'.:.:.:.:.:.:. ｰ'　j / ﾊ |
　　　　　　　}∧　 人　　 (..)　 　 // / ∧
　　　　.　 　 　 ∨∨__〕7冖　iチj/∨V
　　　　　 _入 　 　 ∧　{　 {_,ﾉ ,．-‐ﾍﾊ
　　　　　 〉 　 、　｜　 ﾊ　j｛_// //　 ﾊ
　　　　　⌒}／ 　 ｜ vしV /_,ﾉ {/　　 /
　　　　.　　　　　　｜｜　|｜　 /　　 /







　　　　　　　　　　　　　　　　　,
　　　　　　　　　　　　　 , ィ／/____　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾜｰ
　　　　　　　　　 ／´￣: : :!: : : : : :.｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾜｰ
　　　　　 ┌‐ァ´／:/: :.l: ∧: :.!: : :｀ヽ: ＼
　　　　　　Y´:{:/: : /__:ｲ:/　 !__!､:.!: : :ヾｰ ゝ
　　　　　　{:::::/:{: /´／l/　　l/ ｀}:|: : l: :}
　　　　 　 ｀Y: ｲ:ｬ≠rﾐ 　 　 r-=rｧ: :|: :|　　　　　　　　　　あれは、戦の始まりの報せ……まさか、もう来たの？
　　　　　 　 |∧!:/ r､:::|　　　ﾄｨ,.:} 〉: ﾄ､l
　　　　　　　|l: 込.弋シ　 　 弋ﾂ｛ }ｲ:|
　　　　　　　|:!:. ｰﾄ､''''　　｡　　'''ﾉl" l:.|
　　　　　　　|:.ヽ: :|　｀　ｧ-ｬ＜.　 |: :ｌ:.|
　　　　　　　|: :.}: :|　／l ></ ﾄ､　|: :l.:|
　　　　　　　|: :.|: :|/ |／}::::{ヽ!l V: :ｲ.:|
　　　　　　　|: :.|: :| /| { .》::《 | |∧/ !:.|
　　　　　　　|: :.|: :|〉 ｌ ｌ .{:::::} ｌ l　|　|:.:|


.

　　　　　　　　　　　　,ヘ　　　　　 　　 　 ,:ﾍ.
　 　 　 　 　 　 　 　/: :　＼　　　　 　 ／::　 !
　　　　　　 　 　 　/::::.....　　＼--―‐'.:.:::...　　!
　　　　　　 　 　 /::::::　　　　　　　　 　 　 　 　 ',
　　　　　　 　 　,'::::　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　我は海王ミューシングなり。
　 　 　 　 　 　.i::::　　　 　 '''''''　　　　 　　 ''''''' 　 !
　　 　 　 　 　 !:::. 　 　 　 （●）, 　　 　　 ､（●）､ !　　＋　　　　　　　　　　　　　　　 フロージよ、覚悟しろ！
　　　　　　　　|::::..　　 　 　 　　.　,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　 　 l　　　　　　　　　　 　 _,-,.、
　　 　 　 　 　 i;::::..　 　 　 　 　ﾉ 　　 ___,,,:: -ｲ 　　!　　　　　　 i´ヽ 　 　い {,-ゝ.
　　　　　 　　 　':;::::...　　　　　　ヾ二--‐＜/ 　　/　　+　　 　 l　,人　__,!...!_}ゝ l
　　 　 　 　 ＿　 ＼:::::....　　 　 　 ヽ..＿_,,/ 　 ／　　　　+　 　 ヽ. '´　　　　｀ /
　　　　 ／　　　｀ヽ　｀ゝ:::::........ 　　　　　......／_ 　 　 　 　 　 　　/　　　 ｧ-- '
　　　　 i::.....　　　　;＼!..-ー 、 /⌒ヽ　　　　　 ､＼　　　　　　／　　　 .:/
　　　　　` '''''ｰ- ､::::/ ,..　.　 `/:::　 　〉‐ 、　　　＼ ＼　　　／ 　 　 ..::ﾉ
　　　　　　　　 　 .ｿ'　　　 :　/::.　 　/::　　〉　　　　 ＼＼,／ 　　 　 .:/
　　　　　　　　　/i:. 　 　 　 :,'::.　　 /:: 　./ヽ　　　　 　 ＼!　　　　 ..:;'
　　　　　　　　 / |:: 　 　 　 |ヽ.:..　　　　:'::／　　　　　　　＼　 　 .::/
　　　 　 　 　 /　 !::.　　　　i::.:.:`:‐"ｰ､_,ノ　　　　　　　　　　＼:::／
　　　　　　　/ ,／ヾ;:.... 　 /:.:.:.:.:／:::.:..　　　　　　　　　　　　　ヽ、
　 　 　 　 　| :i　　　`ー::':.:.::.:.:./＼:::::.:.:.　　　　　　　　　　　　 　 ':;








　　　 　 ┌―┬──────――┐
　　 　 　 ／^) |　　　-―-'' 　 '―- 　 |^ヽ
　　 　 ／／:::: |　 （●)　ト-─-イ（●)|＼＼　　　　　　　　　　　敵襲！？　グロッティが平和を引き出してくれるはずでは
　　 　 ＼＼:::: | u　　　　|　 　　 | 　 　|／／　　　　　　　　　　　なかったのか？
　 . 　 　 ヽノ : |.　　　 　 i.　　 　,! 　 　|／
　　　　　 | :::::: |　　 　 　 `ｰ--‐' 　 　 |
　　　　　 | :::::: |　　　　　 　 　 　 　 　 |
　　　　　 | :::::: |　　　　　 　 　 　 　 　 |
　　　　　 | :::::: |　　　　　 　 　 　 　 　 |
　　　 　 └――┬┬―――┬┬―┘
　　　 　 　 　 　 ｜｜　 　 　 ｜｜


.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　覚悟するおー！
　　　　　　　 　 　 　 　 ＿＿＿_
　　　　 　 　 　 　 　 ／⌒　　⌒＼　　　　ｻﾞｸｯ　　　　 　ﾟ_　　　 ,､-
　　　　　　　　　　.／（ ●） 　（●）＼.　 　　　　　　　　 　ｌ」　,ｨ'´
　　　　　　　　 .／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼　 　 　 _,､- '"´| 　 /:::|
　　　　　　　　 |　　　　　|r┬-|　　　　 |,　- ''"´　 　 　 l　/:::::::!
　　　 　 　 　 　＼ 　　 　`ー'´ 　 　 ／ 　　　 　　　　　|/::::::::::|
　　　 　 　 　 　 　 ヽ_ ェ三彡'´⌒ヽ　|　　　　　　　　　l:::::::::::::|
　　　　　　　　　　 / .　　ｲ　__　 　 ｜ |　　　　　　　 　 |:::::::::::::|_,､-''"´
　　　　 　 　 　 _く○___,ノｒ-‐ ､｀ヽ_,ﾉ　| 　 　 　 _,､-‐''"!:::::::::::/
　　　　　　　ｒ'´ / 　 　 （ ｒｰ￢､_,ﾉ|　　|_,､- ''"´　　　　｡:::::::::/
　　　　　 ⊂|　/　　　　 ｀'ｌ　 　 ＼|　 　＼ 　　　　　 + :::::::::/
　　　　　　　У /　　　 　 ヽ､　　　＼ 　　 ＼　 　 ●/::::::::/　　 　 　 ,ｨ 　　　　　　　ｷﾞｬｰｯ
　　　　　　 /　/　　　　　 　　｀'ｰ--＜　　　　＼　 "∧:::::/　､＿___,ノ　!
　 　 　 　 〈　/　　 　 !　　　　　　 ＼ ｀ヽ　　　　＼/　 Ｖ　　ヽ、 　　 /
　　　　　　 >!　 　 　 |　　　　　 　 　 ヽ、!　　 　 ｏ ゛　/　,　 　｀'ｰ‐'´
　　　　　　ﾞ～ヾ、 　 |　　　　　　　 　　//　　　 　 　 /　ハ　　　 　 ,､イ
　　　　　　　 |｀ﾞヾ､_,ﾉ､＿＿＿＿＿_ノ/ 　 　 　 （__）_,ノ　 ヽ､_,､ｨ'´ |　|
　　　　　　　 |　　　/ﾞ～～～ﾊ'ｰﾍ イ´　　　　　 　 　 　 　 　 |　|_ｒ､|　|
　　　　　　　 | "" /　　　　　｜　 　 |　　　　　　　　　　 　 　　ヽ､_,ﾉ|　|







　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　| |.　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　| |.　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|￣|￣￣￣￣|
　　　　　　　　　　　　　　　　|￣￣|￣￣￣￣￣￣|
　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　 |..　フロージ王..|
　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　 |.　ここに眠る　|
　　　　　　　　　　　　　　　　|＿＿|＿＿＿＿＿＿|


================================================================================

　　　　グロッティによって多くの富を得た王は、グロッティが呼び寄せたミューシングによって
　　　　財産と命を失ったのだった。

　　　　こうして、「フロージの平和」は終わりを告げた。

================================================================================

.

　　　　　　　　　　　　　　●

　　　　　　　　　　　　　　●

　　　　　　　　　　　　　　●





　　　　　　　　 /＼＿＿_／＼
　　　　　　　／　⌒　　　⌒　::＼
　　　　　　　|　（●）,　､ （●）､ ::|　　　　　　　　どんどん積み込め、船にはまだ余裕があるぞ。
　　　　　　　|　　,,ノ(､_, )ヽ､, 　 :::|
　　　　　　　|　　　ト‐＝‐ｧ' 　 .:::|　　　　　　　　いやー、噂には聞いていたが、これほどの黄金を蓄えていたとは。
　　　　　　　＼　　｀ニニ´　 .::／
　　　　　　　／｀ー‐--‐‐一''´＼






　　　　　　　　 　∧＿∧
　　　　　　　　　（　´Д｀）　　　　　　　　　　　　　ミューシング様、この石臼はどうしましょうか。
　　　　　　　　　_,　i -イ、
　　　　　　　（⌒`　　　 ⌒ヽ
　　　　　　　 ヽ　 ~~⌒γ⌒）
　　　　　　　 　ヽー―'^ー-'
　　　　　　　 　　〉　　　 |
　　　　　　　　 /　　　　 |
　　　　　　　　{　　　　　 }
　　　　　　　　|　　　　　 |
　　　　　　　　{　　,イ　ノ


.

　　　　　 ,, -─-∧
　　　　／　　　 ─ ＼
　　　/　　　（●）　　　ヽ　　　　　　　　　　　こりゃまた、大きな石臼だな。
　　　| 　 ,　-''(､_,.)　　 |　＞
　　　ヽ　( (´＼　( （●）/
　　／　＼ヽ｀ﾆ´ ﾉ　 ／
　/　　　　｀ー- ､一''
　|　 |　　　　 ､　|






　　　　　　　　　　　　／. . . . . . : : : : : : : : i!: : : : : : : : : : :｀　 、
　　　　　　　　　　　　￣ ／　　. . . . : : : ; 小: : : : : : : : : : ヽ: : :ヽ、
　　　　　　　　　　　　 ／　 . . : : /: : : : // | ﾍ　: : : : : : : : :ﾍ: : : : r‐t‐-　　 、
　　　　　　　　　　　 /　. . : : : : /-‐‐:メ/　 |　V:. :-ﾄ‐- ､ : : ﾍ: : : l::::::＼::::::::::ヽ
　　　　　　 　 　 　 /. :／/: : : :,: : : :/ノ　　 |　 V : :ｌ ＼ : : : : ﾍ: :/::::::::::::＼:::::/
　　　　　　　　　　/／　 ' : : : :.|: : :/＿_　　 |　　＼:.l 　ヾ: : : : :∨::::::::::::::／::/　　　　　　　　　それは「グロッティ」という魔法の石臼です。
　　　　　　　　　　　　　 | : : : : !: ﾔ孑仍ｭ　　　　ィfチ庁ﾏ:. : : : |::::::::::／|::::/
　　　　　　　　　　　　　 | : : : ∧/　{ ::;;;j} 　 　 　 { ::;;;jｌ} ﾉ＼ : : |::::／: : :!`′　　　　　　　　　（どんな石臼かの説明）
　　　　　　　　　　　　　 | : : ｲ :ﾍ　弋zソ　　　 　 辷zり　　ﾚV /7´/: :j: |
　　　　　　　　　　　　　 |: :/ |: : :.ﾄ　　　　　'　　　 ｀ ¨　　　)´V/: /: :/:.｜
　　　　　　　　　　　　　 |/　 |:. : :.{　　　　 ｰ‐ '　　　　　 ,r- イ: :/: :ﾒv⌒}
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,': : : :|＞　..　　　　　　 . ＜　／: : r'-「　　　!ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　/: : : :,'l : : : : :.｀卞　 ¨´{＿ ィ´ :／ | 　 　 　 ｀二つ
　　　　　　　　　＿＿_　..ノ : : : / |: : : : :／ ﾚ'´￣: : : : : ／:.;「￣￣￣￣ | ＼＼
　　　　　　, . :´ : : : : : : : : __: :ノr十' "７ ／7: : : :＿ : イ:.／ |＝＝＝＝=| 　 ＼＼
　　　　　/: : : : ._..　-… '"ノ ﾉ/|l!l!:.:.:.//ノ/:. :.／:.:〃:.:／　　|＝＝＝＝=|　　　 ＼＼
　 　 　 /: : : ／　　 　 ∠ イ/　|l!l!:.:/　　 {: :/:.:.:〃:／　　　 .|￣￣￣￣´|　　　　　＼＼


.

　　　　＿_／ヽ_∠Ｌ_
　　 ／:::::::　　　　　''''＼
　　.|:::::::::　　　　（●）,　|
　　|::::::::　　　　　　,,イ_,｀)　　　　　　　　　　　　　ほほう、それは素晴らしい。
. 　 |::::::::: 　　　　　ﾉ.-=ﾗ
　　 ＼:::::::　　　　　　｀ﾌ　　　　　　　　　　　　　　こいつも持っていこう。
,,.....イ.ヽヽ::　　､　-─'--､.
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜






　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿
　　　　　　　　　　　　　　　／　/
　　 　 　 　 　 　 , 　-― （　　/
.　　　　　　 　 ／: : : :-＝千＜／￣＞
　　　　 　 　 /.:.:.:.: /.:.:.:.:.:/.:∧`ｰ＜
.　　　 　 　 ,'::::/::::/::/⌒ｲ::/　|:l_:::::::ヽ
　　　　 　 /::::,':::: Ⅳ|／ j:/　 j∧｀::: ハ
　 　 　 　 ﾚl（|::::: |　 ○　　　　 j::/:/::::|　　　　　　　あ、でも私たちでないと動かせないけど……
.　　　 　 　 l/|::::: |　　　　　 ○ん|/:∧|
.　　　　 　 　 lﾍ:: ﾄ､　 `‐'-'　 ﾉ::::: /
.　　　 　 　 　 _ﾑ:|-f`_r―ｧ≠!:::::/
　　　　　　　 /=､＼｢｀}ヽ/／ j／
　　 　 　 　 （ 　 ＼{: ﾘ ∧
　　　　　 　 ﾉ　 ＿,}Ｖ／　}
　　　　　 　 〉彡＝{ﾚ'＝ﾐ､{



.

　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　.　　|（●）,　　　､（●）､.:|　＋　　　　　　　　 そうなのか？　では、お前たちも私の国に来るといい。
　　　　.　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
　　　　.　　|　　 ´ﾄｪｪｪｲ｀　 .::::::|　+
　　　　　　 ＼　　|,ｒ-ｒ-|　 .::::／　　　　　+
　　　　,,.....イ.ヽヽ、｀ﾆﾆ´ーノﾞ-､. 　 　 　 　/＾)
　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　iヽ　__ ‐┘（
　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|´⌒　)二 　ﾄ､








　　　　　　　　　　　　　　　　＜´￣￣　 ‐-　＿＿,,,
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　｀i　　¨＞ 、
　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　 :i　　 !　　ヽ　ヽ ＼
　　　　　　　　　　 /　　　/　　 /　　:|　　/　 ヽ　ヽ　',丶丶、
　　　　　　　 _,. ＜~ﾊ　 /　　:/　　　i　 /　 i　 ',　　i　i＼　｀ﾞ
　　　　　　　ﾍ;:;:;:/;:;:;|　,' ｰ-/､　 ／j: /|　 ∧　|　　l: lヽ;:}
　　　　　　　　t;/:;:;:;:;|　i≧x､ン｀ﾞｰ//　| 7''ｰl‐l'"　 l l;:;:;:》
　　　　　　　　| ＼;:;:;| ,.| ﾐて ≧ﾐ／　　!/,,.ィ杉i　 /l l;:;:/
　　　　　　　　|　　T´（ |/　ヾﾆｼ　　　　 frｼ/ /　/: ﾘ-'i　　　　　　　　　　いいですけど……あんまりこき使わないでくださいよ。
　　　　　　　　|　　ﾍ　 ｀t-ﾍ :::::::　　､　　::::u /_|/　/:　ﾊ
　　　　　　　 ,' 　　　＼　＼ ＼, -､-‐　 _ ィ /　　∧　　ﾍ
　　　　　　　/:i　　　　} ヽ　 ',/ <ヽ_i｀i´| ＼/　　/　 ',　　 ＼
　　　　　　 //|　　　,xf＜ヽ/ ｧ-､ﾞi::::/つ: :/　　,'＞ｰ､ﾄ　　　 ＼
　　　　　 // /　　 fi　i: : :/ﾄヽヽ,.-' ｲ V: /　／／　　｀ﾍ＼　　 ヽ
　　　　／" /　　　i ',　V｀ヽ、｀´,イ 'ﾍ/:/　/ /　/　　　 ＞｀-､　　ﾍ
　　 ／　　/　,'　　j _,ｨ': : : : : :/ }　　/:/　/ /　/ ヽ　r'"　く彡 ＼　 ﾊ
　／　　 /　/　　/V　　｀ヽ=-i　l　 /: {　/ /￣/＼ Y ,へ､ﾝKv￣＞　',
　　　　/　/　　 //i　　　　　 }　lｊl[/: : i ,' /　　/'￣｀l l ﾞ!ゝ》,.イ￣ ＼　ヽ
　　　/　 /　　 iｼ　j　　　　,.ｲ /i /: :〃! /　　 j　　　 ＼｀/┴'"￣　 j


.

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　 ／ノ⌒'" `'ｰ-､::::＼
.　　|　 （●）,､（●）､　 .:|　＋　　　　　　　　　　心配するな、フロージはそうやって滅びたのだろう？
.　　|　　 ,. (,､_,､)､_　　.:::|
.　　| 　 {,｀ﾄ===ｲ ,}　.:::::|　+　　　　　　　　　 　 お前たちを怒らせるような真似はしないようにしよう。
　　 ＼　　ヾﾆノ　 .:::::／　　　　 +
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､.
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜






　　　　 　 　 　 　 　 　 {＼　　　／}
　　　　　　　　　　　,. -‐＞_｀ﾆ´_＜-.,
　　　　 　 　 　 ,..:.´.:.:.:.´´.:.:.:.:.:.:.:.:｀｀.:.:｀:..､
　 　 　 　 　 ／.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.;ｲ∧:.:.:i:.:.:.i:.:. 　ヽ
　　　 　 　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:,':.:.:/ |j　∨:|:.:.:.:!:.:.... 　'.,
　　　 　 　,' ...:.:.:.:.:!:.斗‐/　j! 　 ',:!＼‐|-:.:.:.:.:.:ﾊ
　 　 　 　 i.:.:.:.:.:.:.:.|:.:/!/ 　 　 　 ｉ!　 ヽ!.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ
　 　 　 　 |.:.:|.:.:.:.:.:|/ｨﾁ行 　 　　ミx∨:.:.:.:ｉ:.::.:!　　　　　　　　　ほっ、よかった～。
　 　 　 　 |.:.:|:i.:.:.:.:.!{ !､::ﾉ!　　　　{､::ﾉj }.∨:.:.|.|､:.!
　　　　 　 |.:.:|:|:.:.:.:.:!弋ｚｿ　 　 　弋ｚ'ｿ .∧:.:ｲ:| ヾ
.　 　 　 　 |.:.:!:|:.:.:.:.|xwx 　 　 '　　 xwx/　!/ｌ:.ｌ
.　　　　　　|/|.:|.:.|:.:.!､　　 　r_っ　　　 /<´:.:.i､!
　　　　　　　 |ｲ.:.|:.:.|､＞ .,__　　__,.. イ:./∨:,'
.　　　　　　　　ヽj.:.:.| ヽ;r‐| ￣ |‐ ､/i/　 i/
　　 　 　 　 　 　 ＼ｌ／　i' 　　 ｀i　＼
　　　　　　　　　　／　　 ｉ＿＿__j　　 ＼
　　　　　　　　　∧　　　 |　　 　 |　　　 ﾊ
　　 　 　 　 　 /ヽヽ　 　 ',　　　/　　　/∧


.

　　　　　　　 ∧＿∧:::
　　　　　　　（　´Д｀）:::
　　　　　/⌒ 丶'　　 ⌒）:::　　　　　　　　　　ふう、この石臼で最後だな。
　　　　 / ヽ　　　　 /　/:::
　　　　/　/へ ヘ　/　/l:::
　　　 /　　＼ ヾミ　 //:::
　　　（__／|　 ＼___ノ/:::
　　　　　　 〉　　　　/:::






　　　　　　　　　　　　　 ＼　 ＿__
　　　　　　　　　　　　　　 _＞‐　　`ー‐｢ ｀ー―――‐-
　　　　　　 　 　 　 　 　'"　: : : : : : : : /|: : : : : : : : : : : : : : 丶､
　　　　　　　 　 　 ／.:.:.:.:.:　　'".:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ:.:.:ヽ
　 　 　 　 　 　 ／:; -ｧ:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∨___V⌒＼
　　　　　　　　/／　/:/:::::::::::::: /:: /:::/　 ｌ:::::: ＼:::::::::::::::::::::::::::∨ﾝ′!　 jヽ
　　　　　　　　　　　ｌ/:::::/::::::: /::_/_:/　　 l:::::| ::: ＼＿:::::::::::::::::::',:　　K_/　 ',
　　　 　 　 　 　 　 /::::〃:::::::,'::: / !:l 　 　 ',:: lヽ´:::::＼｀:::::::::::::::: ｌ　　|::::|　　l
.　　　　　 　 　 　 ,':::::::{{:::::::: |:::/　|:{　　 　 ヽl　＼|_　 ＼ ::::::::::: |　　|::::|　　|
　　　　　　　　　　!:::::::/!::::::::jﾚ えテトﾐ　　　　　ｨ斗テ〒ｱ ::::::::::|　　|::::|　　|　　　　　　　良かったら私たちが運びましょうか。
　　　　　　　　 　 |:::::/│::::::Ⅳヾ r'::::::｢　　 　 　 r'::::::: j バ ::::::: |＿/ ::,|_,／
　　　　　　　　 　 |:::/_厶:::::::|ハ　Vﾍ j　　　　　　!ﾍイ/　　ﾍ :::: |:::::::::/:|
　 　 　 　 　 　 　 V　 ヾﾍ::::|ヽﾊ　ゞ ''　　　　　　` ｰ''　　 ﾚ'Ⅳ^|）:: /:: |
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　　　 ／｀ｰ──一'＼
　　 ,ｒ（●）(､_, )､（●）＼
　　.|　　'"トﾆニﾆ┤'｀ .:::|　　　　　　　　　　　　ああ、頼む。
　　.|　　　|　　　.:::|　 .::::::|
　　.|　　　ヽ　 .::::ﾉ　.::::::::|
　　 ＼　　 ｀ﾆﾆ´ ..::::::／
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ーーノﾞ -､　　　　　　　　　　　　　　　　　……そうだ！
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜







　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　 ／　''''''　　　 ''''''　＼
　　　　　　 │:::::::（ー）,　　､（●） l　　　　　　　　　　　　私の国に着くまでの間、グロッティから塩を出してくれないか？
　　　　　 　│/') 　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,, │　＋
　　　　　　　 /‐:::　　｀-=ﾆ=- '　/　　　　　　　　　　　　 塩は高く売れるから、いくらあっても困らないしな。
　　　　　　_,,,l ;! |:::＿＿__＿＿/ 　　　　+
　　 , -‐'ﾞ゛　i::.. 　| .ヽ/;ヽj!　`‐-､_ 　+
　　 l 　　　 ﾉ::.　.:|、 .ヽ,:ヽ|　　 <゛~ヽ、
　　,:''`` ''"ﾞ.|;;:‐''ﾞ|.ヽ、 ヽ;::|　　 /　 .|ﾞl
　 ,:　　　　 ヽ::il;;!　　ヽ､ヽ|　　/　　 | :|






　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __＿＿___
　　　　　　　　 　 　 ＿/:ヽ-‐':´: :: : : : : : : : ::｀ヽ、
　　　　　 　 -‐=ﾆ´: ::/:.:､: : : : : : ::､: : : : : : : : : : :ﾍ、
　　　 　 　 　 ／: ::;ｲ:|: ::λ: : :ｉ: : : :|:: ::／;;;｀};;};`;ヽ::ﾊ
　　　　　 　 /: :／/: :ｊ : :| ﾍ‐､:|: : : :|::/;;;;;;;;;;/: : ~:|;;;〉:ｊ
　　 　 　 　 l／　/ ::::|: : :|　∨::|､: : :|::ヽ､;;;/: :: : : :|: ::ﾘ
　　　　　　 　 　 ｊ: ::::ヽ:: :| ___ヽ{ﾍ: : :ﾄ: : :|: : :::: : : :|::/
　　　 　 　 　 　 |/ﾍ:::',ヽ{ ｬ;ﾁﾔ ヽ;: ::|ﾍ: :|: : : : : : :|'　　　　　　　　　わかりました。
　　　　　　　　　　　ヽ::〉　 |ｊ:;ｿ,　　V::.{´ヽ{: : ::|:: : :|ｉ
　　　　　　　　　　　　〈　　 ゛　　　 ∨_ﾉ: : :/:::|::: : |:|　　　　　　　　　それじゃ、のんびり回しますか。
　　　　　　　　 　 　 　 ＼-'　　　 　 /: : ::/:::::ｊ::: : :|::|
　　　　　　　　　　　　　 　` ‐-‐ｧャ/: : ::/::::;人:::: :|:.:|
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:::/: : :ノ,ィ´ ヽﾍ:: |: :|
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 r'-/: ::;ｆ´ｒ=＝=､　 |::|: :|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉ 〈: :;ノ〉´￣゛＼ヽ　|::!: :|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 / /V　/　　　　　| ｉ　|:: : :|
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /ｲ　 ／　　　　 　 | |　|:: : :|


.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　⌒ヽ　　　(　　　　　ヽ　　　ゝ　　　　'⌒　)　　　　　　⌒ヽ
　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　（　　　　⌒　'　　　　　　　　（　　　　　　　　'　⌒ヽ　　（
　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 |>　　　　／,/　　　　　　　 ゝ　　　　　　　　(　⌒ヽ　　　　　　　　　　　　　　）　　ゝ
　　　　　　　　　 　　　　　　 　 　 !!　 　 ／　7　　　　　　　 （　　　　　　　　　ゝ　　　　）　　　　　　　　（　　　　　）,
　　　　　　　　　 　　　　　　　　　 ｌl　 ／ 　 7　　　　　　（´　　　　　　　　　(　　　　　　⌒　　　　　　(　　　　　　　⌒ヽ
　　　　　　　　　 　　 　 　 　 　 　 !ﾚ' 　 　 7　　 F'　　 ,／､
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　,'　　　!!　 ／,/ト'
　　　　　　　　　 　　　　　　　 ／　　　　　{ 　 　 !!／　7 :
　　　　　　　　　 　　　　　　／　　 　 　 　 !　　,／　　,' :
　　　　　　　　　 　_ l~~) ,／ 　 　 　 　 　 人／　　 .八:
　　　　　　　　　 　!ﾞi~~／＿,,,　-─'ｉi'~¨'' ‐-ヽ､''ｉi¨''_.-_､　　　　　ｻﾞｻﾞｰﾝ...
　　　　　　　　　 　ｌ lﾞｰ´-- ､.,,,__　　ｌl　　 /¨¨~j~￣--‐ |
―――――― .:::　l !　　　　　　 ~~¨''''　ー‐-‐'　　　　 7―――――――――――――――――‐‐‐
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::─i、,.rﾆﾐヽ､_,;,_,;:,._　　 　 　 ＿＿＿,/───::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.::::.:. . :.　.:. .
::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　~~~~~~　¨¨''''''''''ー─----...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:. :::.:..　.:.










　　　 　 　 　 　 ,.　　,. -=キ≠=- ､
　　　　　　　 ／: : :'´: : : : : :.ｨ: : : :｀ヽヽ:＼
　 　 　 　 ／: : : : : :/ : : ://!l: : : !: : :.い: : ヽ
.　　　　 /　　/　.. :/. :/:.//　ｌｌ: : :l: : ヽｌ:.|. 　 :.
　 　 　// : : ｌ:./: : !／「/ l　　lヽ卞ヽ、l:.!: : : : i
　　　/ /: /: :l/: :ｲ|:./ l/　　　　 V }从:ﾄ: : : : : !
.　　　 / ｲ: : :l: : :/ﾚ勹示 　　　 i勹tﾄV: : : .!: :|
　　 　ｌ / l:.: :.{:.: | i乍心:|　　 　 |;心:.}豸: :.,′:|　　　　　　　　今度はいいところみたいで良かったね～。
　　 　l/　|: : ∧:.l　 辷ツ　 　 　 辷ツl: : :/､∧|
　　　　　 |: :/ﾄ.Vt　 ¨¨　　___　　 ¨¨ //:ﾑ/　 ｀
　　　　　 ｌ / l |: :.〉r､ 　 　{___} 　　 _ｲ:.ｲ:/
　　　　　 l/ 　 !:/.rLl＾l^i､ ‐-‐ ,i^l＾|」:/l/
　　　　　 　 　 ｨrﾄ､ ｀ ｰ┴ v-┴‐'´_,{ｧ､
　 　 　 　 　 ∧∨､｀ ｰ---┼--‐'´　|/∧
　　　　　　　 { ∨､.｀ｰ----┼‐‐--'´∨　}
　　　　　　　 l　|　｀ ｰ----┼---─'´|　 l


.

　　　　　　　　　＿＞ー-　 -―∧ー-　＿
　　　　　 , ＜´　: : : : : : : : : : : :|: : : : : : : :｀ - 、
　　　　／　 ＿／　　　　 : : : : :|: : :.: : : : : : : : : :＼
　　 ／:_: ＜:〃　　　 /: : : /: : .:|: ∧:.:.: : : : : : : : : : ヽ
　 /イ:;:;:;://: : : : : :.:/: : : :ｲ: : / |:;|iハ:.:.:.:. : : : : ヽ:.:.:.:>＞- _
　'　 ﾍ／/: : : : : :;:;/: : : / |: :/　 |:;|l　 i:.:.:.:.: : : : : :l: : i:;:;:;:;l:;:;:;:￣＼
　　／:;:/: : /: : :.:/!: :__/＿|:/　　 |:| l　 i＿ｌ: : : : : : l: :l:;:;:;:;!:;:;:;:;:;:;:;/
　<:;:;:;:/:. :/: : :.:.:i:.l: ´/　　|,'｀ 　　|!　l '´＼l｀ﾞ: : : i : l: :l:;:;:;:;:;i:;:;:;:;/　　　　　　　　そうね、ちゃんと休憩もさせてくれるし。
　　＼i: :/|: : : : :l:.:|: /　　 |!.　　　 |　 !　　　ヽ!: : :| : l: |:;:;:;:;:;:!:／
　　　 |:/-|: : : : |/不示テミ、　　　!　ィ=≠＝z＼|: :ﾊ |:;:;:;:;:;:;|　　　　　　　　　　塩のせいか髪がちょっとベトベトしてるから、
　　　 |i　 |:. : : :|l-||! V{::::::|　　　　　　ﾍﾉ:::::::} ｱ'|i: i:;:;l:|t―f-´　　　　　　　　　　船から下りたら水浴びしようかしら。
　　　 !　 li: : : :f.{ !|　i ゝｲj　　　　　　|iゞ-ｲｿ '　|!'|ﾞi､:|!:l: : |
　　　　　|:.ヽ: : |:丶i　ゞ-''"　　　　　　ヾ''-"　　う'´|j:.:.:.! : |
　　　　　|:.:.:.:ﾊ:|:.:.|/!　'"'　　　　'　　　　 '"'　 ｨ‐ﾅ":.:.:/:. : |
　　　　　|:.:.:.:.:|i|:.:.:!　＞ 、　　　ー　　　 _＜___/:.:.:.:./|: : : |
　　　　　|:.:.:.:.:|!: : :∨'￣　｀＞ ､　　 ィ7:;:;:;:;:;//:.:.:.:/|:|:.:.:.:.:|
　　　　　|:.:.:.:.:.ﾄ､: :/　　　　_ィ--｀}‐-/:;:;:;:;:ｨf/:.:.: /　ﾍi:.:.:.:|
　　　　　|:.:.:.:.:|/ヽ/　　　 /:;:｀iー"　/:;:;:;:;:;:/: : : :/　　　}:.:.:|
　　　　　|:.:.:.:.:! ∨　　　/:i:;:;:;:;l　　/:;:;:;:;:;:;/: : : :/　　　　l:.:.:|
　　　　　|:.:／　/　　　 l: }ヽ:;:;:;l　/:;:;:;／/: : : :/　　　　　l:.:.:|
　　　　 {: {　　/　　　　lヽ　＼:∨:;／　/: : :／　　　　　　}:.:.|








　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿
　　　　　　　　　　　　　　　／　/
　　 　 　 　 　 　 , 　-― （　　/
.　　　　　　 　 ／: : : :-＝千＜／￣＞
　　　　 　 　 /.:.:.:.: /.:.:.:.:.:/.:∧`ｰ＜
.　　　 　 　 ,'::::/::::/::/⌒ｲ::/　|:l_:::::::ヽ
　　　　 　 /::::,':::: Ⅳ|／ j:/　 j∧｀::: ハ　　　　　　　　　　　　　結構回したけど、もう充分じゃないかな？
　 　 　 　 ﾚl（|::::: |　 ○　　　　 j::/:/::::|
.　　　 　 　 l/|::::: |　　　　　 ○ん|/:∧|　　　　　　　　　　　　　王様に聞いてくるね。
.　　　　 　 　 lﾍ:: ﾄ､　 `‐'-'　 ﾉ::::: /
.　　　 　 　 　 _ﾑ:|-f`_r―ｧ≠!:::::/
　　　　　　　 /=､＼｢｀}ヽ/／ j／
　　 　 　 　 （ 　 ＼{: ﾘ ∧
　　　　　 　 ﾉ　 ＿,}Ｖ／　}
　　　　　 　 〉彡＝{ﾚ'＝ﾐ､{


.

　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　 . |（＄）,　 　 ､（ ＄）_.:|　＋　　　　　　　　いいや、まだまだ塩は必要だ、もっと回してくれ。
　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
　　　　. 　 |　　 ｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　+
　　　　　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　　　+
　　　　,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､.
　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜

⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、＿ノ

　　　__　 　 　 /　　 }　　　　　　　　　　　○
　　　＼ ｀ヽ.__j,　 ／_　　　　　　　　　。
　　　　 j_＿_>┴⌒: : ｀: .、
　　　／: :f'´: : : : :|: : : :､: :＼
.　　/: : : :|:.: :,!.:∧ﾄ､-､: ',:.:. :.'
　　l: :|: :..:ﾚ':/|/　!|　＼:..:l:.:. : !
　　|: :!: : :|:/　 　 l′　 ',: ! : |:|　　　　　　　　　　　　……だって～。
　　|: :|: : :|′　　　 　, __l:.|::|:|′
　　|: :|: : :|　 ,ｨｚ　 　 ￣l/| ﾚ　　　　　　　　　　　　 もっと回さないと駄目みたい。
　　|: :|: : :ﾄ 〃　 　__　　,ｲ:.|
　　|: :|:∧トヽ. _＿`_',.ィ :;ヽ!ヽ
　　|ﾊj/ |ﾊ:;ィ/|::::::'v-:〉/:::::::::::）
　　 　 　 　 /::::￣｀ヾ〃:::::::／ヽ
. 　 　 　 　 ト-──:┬<´::/／::|
　　　　　　 ト:､:_::＼::::|f>∨:::::::::|


.

　　　　　　　　　　　＿＿＿＿,i ー- ――--　､
　　　　-＝＝ニ二_,. -　 　 　 |　　　　　　　　　　｀ ヽ
　　　　　　　　 ／　　　　　　　 !　　　::..　　　　　＼　　/｀:...イ｀　､
　　 　 　 　 ／　／　　　 /　　ハ　　∧:..　　　　i:.　＼::::::::::V::::::::::::＼
　　　 　 ／ ,.-/　　　　 /　　/　 V　 ! ',＼::..　　l_j　　 ヽ:::::::ﾊ:::::::::::::::::＼
　　　／,.　´ /　　 /　　|:　 /　　　',　', ヽ　＼::..　　　 ヽ　ヽ::::::',::::::::::::::／　　　　　　　うーん、もうかなりの量が出てるんだけど、大丈夫かしら？
　 ／　　／/　　　i 　　:|　/　　　　 ヽ:',　ヽ_ ,.＼-‐　　　ﾄ　 !::::::',:::::／
　　　　/:::/　 i　　|　‐/‐V- .,　　　　　ヽ'´ ヽ_,,.-X::.　　　i::ヽ':::::::i/　　　　　　　　　　 ……まあいいわ、もう少し頑張ってから休憩しましょう。
　　　　｀ﾞ,' 　 l　　|　:/　　―-　　　　　　　'"_rｵ示斤　　 :l::::/￣li
　　　　　i:. 　ハ　| :∧<f代テミ　　　　　,イ/::::i　} ﾘ ヽ::.　 |/.::　 l',
　　　　　{　/|::::i　l i　:ﾊ　k i:::: }　　　　　　ﾄ　y‐ j　　 ri　　}.::　　|:i
　　　　　|:/　｀∧ |!　:|　i　辷 ﾝ　　　　　　ヽ廴ン　　/　l　|::.:　　! l
　　　　　!　　　i ﾊ　　|ヽl　　　　　　　　　　　"""　　　 _,| |:.::.　 ,'　|
　　　　　　　　j　 ヽ　:|:./! '""　　　　　　　　　　　 ｲ￣:/|!::.::　/.::.　l
　　　　　　　　ｌ　 ::.::.ヽ／/　､　　 ―-―‐　　ィ´　/::／.::.::　/.::.::.　 !
　　　　　　　　|　 ::.::./　/　　　 ｀ﾞ　　‐-‐　´　l　 /／　　　/:|::.::.　　l
　　　　　　　　|　 ::.::.ヽ　ゝ"´} 　_ ＿/　　　　 ヽ/　　　 ,.ハ::l::.::.:　　|
　　　　　　　　|　　::.::::{　'"´　}´∥　　　　　　 /　　　,.<　　 i:l::.::.:　　}
　　　　　　　　|　　:.::.:il　／ ヽ }∥　　　　　 /　　 ,..<　　＼ l|::.::.:　　|
　　　　　　　　|　　 .::.{ ヽ　 へ }∥　　　　 /　　／ﾘﾘ　　　　il::.::　　 !
　　　　　　　　l　　　::.i　入 　|l‐--=　 -‐/　 /≦i､/　　　　 |::.　　 /






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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /_/　|_| [二　二]
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 凵　ﾛﾛ┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│ │　|　 |　└ ┴┘＿_|￣l_＿‐┐　　　　　　　　 ＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　/　　l　 ヽ＿　 ￣ |＿_　　_＿|　　 　 ＿┐　　　| 　 ||
　　　　＿_／ヽ_∠Ｌ_　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 !l |￣ __／ 　ヽ＼__ 　 | |　　　‐┘ └―i　l￣| |＿l　＿.　｜ ｜
　　 ／:::::::　　　　　''''＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣　　　　　　　　￣　　　 └┐ ┌‐┘　￣　　／ ／ 　.|＿|
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　　 ＼:::::::　　　　　　｀ﾌ
,,.....イ.ヽヽ::　　､　-─'--､.
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜






　　　　　　　　　　＿__
　　　　/　　　　/ ））））
　　　/　　　　／＿ ⊂ﾉ
　　/　　　／ ／
　/　／　＼　＼　　Λ＿Λ　　　　　　　　　　　　　た、大変でーす！！
/ ／　　　　＼　＼(； ´Д｀)
／ ／　　　　　ヽ　　　　　 ⌒＼　　　　　　　　　　 船に穴が開いて、水が流れ込んできています！
／　　　　　　　ﾉ　　　 　　／>　>
　　　　 　　　/　 　　　／　6三ﾉ　　　　　　　　　　 あふれた塩で船底が傷んでしまったみたいです！
　　　　　 　/　　/ ＼　＼ `￣
―　　　　/　　ん、　 ＼　＼
――　　（＿＿　（　　　>　 ）
⌒ヽ　　　’　・`し'　／　／
　　人,　’　’,　(￣　／
Y⌒ヽ）⌒ヽ､　）　　|
　　　　　　　　　＼＿つ


.

　　　　　　　　　　 ,　-――-　､ _ _／ヽ
　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : !-.-.‐.‐.‐. ｧ
　　　　＿＿∧': ／　　　. . . : : : : : /: :/: : : :｀: :＜
.　　／:::::::::::::::::〉: : : : : : :.／: : : :,:イ: :∧: :ｉ: : . .＼:｀ヽ　　　○
　 〈::::／:::::::::::/: : : : : : :/ : : : ／ /: /　 ',: |: : ﾊ: : ヽ 　＼
　　∨:::::::::::::/: /: : : : :/: :-∠＿/_:/　　 |: |: : :∧: : :ﾍ､ 　',　　　　　　　　　　　このままだと船が沈んじゃうわよー！
　　〈:::::::::::::/: /: : : : :/: :.Ｘ　 　/／ 　 ＼!∧: : : :',: : : ﾊ＼j
　　/＼:::::/: /|: : : : /i／ 　＼　　　　　 /｀ｰ∨: : :ｌ: : : :.!　 　　　　　　o
　 ,'.:: : :ヾ:./´ !: : : / ￣￣￣ 　 　 　 ＿＿＿∨: :ｉ:. : : :!
.　ｉ.: : : ./ｲ!　 |: : /　　　　　　__　　　 ＼　 　 /!: ;ｲ::. : :.i〉
.　!: : : : .::|:.ヽ_j: /　　　　　／:::::｀:.､　　　＼ /､|:/:.|:::. : ,'
　j: : : : : .:!:.:/ |/ ＼　 　 /::::::::::::::::::〉　　 　 !　}':.:.:|∨:/　　　　　o
　|: : : : : .:|:/　　　　＞ ､ｊ::::::::::::::::::/　　　, ｲ-<:.:.;ｲ:.Ⅳ
　|: : : : : .:|'　　　／　　 |｀ ｰrｰ-イ--‐ ' 　|:.:.:.∨:.!: |
　|: : : : : : !　　　〉 　 　 | 　/ヽ 　ヽ　　o　ｊ:.:.:.:.:. : !: |　　　　　　　　　　Ｏ
　|: : : : : : |　 ／｀ｰ ､　 |　 　 ,!　　}､　　　|:.:.:.:. : :.|: ! 　　　○
　|: : : : : : | ./　　　　ヽ |＼／,|　 / ﾊ　 　|:.:.:. : : :.|/
　|: : : : : : |/　　　　　 ｀|＼／/／ 　 |　　.|::. : : : : |







　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ＼　　　　　　／^!
　　　　　　　　　　　Ｏ　　 　 　 　 |　　ヽ.　　 　 / 　 |　　o
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 o　 ヽ　　 ＼　　/　　 j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　ﾉ＾Y　　　/
　　　　　　°　　　　　　　 -‐─∠二ﾆ=≠＜　　∠
　　　　　　　　　　　,　'´ 　::::／::::::::::::::／{:::::::::＼ }:: ＼　　ﾟ
.　　　　　　 　 　 ／:／:::::: /::::::::::/::／　ﾊ:::l:::::::::::ヾ:::::: ＼　　　　　O　　　　　　や、やっぱりあの時に止めておけば……
　　　　　　　　　/／/::::::::/:::::`ｧ孑/　 /　Ⅵ::::::::::::::|::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　 /::::::: ,':::::／　j/　 /　 　 |`ﾄ､_:::::l::::::::::::::: ',　　o
　　　　　 　 O 　 /::::::::: |:::/　　　　 　 　 　 |::l::::::: ,'::::::::::::::::: i
　　　 　 　 　 　 ,':::::::::::::Ⅳ　◯　　　　　 　 |∧::::/:::::::::::l ::::: |
　　　　　　　　　i:::::/:::::::ﾘ　/ /　　　　　　　◯ ∨:::::::::::::|::::::::|　　 C
　　　　　　　　　|::/! ::::: {. / /　　　　　　　/　ｉ　l::::::/::::::ﾊ ::: l
　　　　　　　　　ﾚ' | :::::: ゝrく　rー-‐- ､　j　_j /::::/l:::::/ノ::::::|
.　　　　 　 　 　 　 l:∧/ '/ /）､`_ｰ～ｰ'　fヽヽ｀Y /|::/:::::∧::|
.　　　　 　 　 　 　 |ハ{.　　 （∨::｀l ¨¨了∧　　 j'´ |/:::::/　V


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　　　　　 レ
　　　　　└ イイイイイイイイイイ
　　　　　　 　 /＼＿＿_／ヽ
　　　　　　 ／　-‐'　　'ｰ-　 ＼
　　　　　　|(（●）),(､_,)､(（●）)::|　　　　　　　　　　は、早く穴を塞ぐんだ！
　　　　　　| |||||||:/,.ｰ-‐､i|:|||||:|::|
　　　　　　| |:|:　///⌒ヽヽヽ|:|:::|
　　　　　　| 　　:|:|| |　　 | || | :::::|
　　　　　　 ＼　 ||ヽｰ-‐ノ||..::／
　　　　　　　／｀ー‐￣‐‐―´＼






　　　　　　 ／⌒＼　 　　　 ／⌒＼
　　　　　／ ／＼　`⌒ '⌒ヽ .／＼ ＼　　　　　　　　　　　だ、駄目です、水の勢いが強すぎて、とても……。
　　 　／ ／ 　 　丶　　　ヾ　 ＼ 　 ＼ ＼
　　 ノ　 」　　　　　 ＼　　　ヽ　 ＼　　L 　丶
　(((((／　　　　　 ／⌒＼ 　∧＿∧ 　／⌒＼)
　　　　　　　　 ／／＼＿⌒（；´Д｀）⌒.＿／＼＼
　　　　　　 .／／　　　　 ￣─── ￣　　　　　＼＼
　　　　　　/　ヘ⊃　　　　　　　　　　　　　　　　⊂へ ヽ
　　　　　 ```　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　''''


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　／''''''　　　　　　　＼
　　i´｀Y´｀Y｀ヽ（⌒） 　　 ／ 　（●）,　　　　　''''''＼　　　　　　　　　そんな……グロッティで無限の富を得るはずだったのに――
　　ヽ_人_.人_ノ　｀~ヽ　 ./　　　 　　ﾉ(､_, )ヽ （●） .|
　　　　＼＿＿_ 　　 ＼ |.　　　　　　/￣〉　　　　　.|
　　　　　　　　 　　＼_ 〉 ＼　　　　/ｰ-〈　 （⌒）　./
　　　　　　　 　　　　　　　　　.　　　｀ﾆﾆ´　ノ　 Ｙ`Y´｀Yヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(´￣　　　.i__人_人_ﾉ
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　　　ミューシングの船は大量の塩の重みによって、石臼と共に海中に沈んだ。
　　　海の水は、この時から塩辛くなったと言われている。

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　　　また、石臼の上部に空いた穴に海の水が流れ込み、強い水の流れが生じた。
　　　ノルウェーの海域で発生する強い潮流と渦潮――メイルストロームはこうして出来た。

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　　　海王ミューシングや、二人の女巨人がどうなったのかは語られていない。
　　　ただ一つ確かなのは、グロッティは今も海の底にあるだろうということだけだ。

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　　　　 ．.:.:´:．:´:.:.:./:.!:.',:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.ヽ｀:.:､:.:.:.ヽ
　　 ／_＿／:.:./:.:.:.':.:.ﾊ:.:',:.:. ｉ:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ヽ:.,-<::ゞ｀::::ー..
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　　　　l:.:./ l:.:l:.:.:.:ﾊ:!　　 .ヾ　 ＼_,,xzぇｧl:.:.:.:.l:::::::::::::::l:::::::::::::/
　　　　l:/　 l:.ﾊ:.:.ヾ≧.､　　ヽ,ィf::::::ひ7:.:l,:.:.:.ｉ‐．::::::::::!:::::::::/
　　　　!'　　.l:lゞ:. l:.:V心　 　 　 !ゝイ,ハ:l ',:.:ｉ　}_...:::::夲､〆
　　　　　　　!'　ヾト:､ゞ"　 　 　 ゞｰ''　 .}'　ｿ ノ:.:.:.:.:.:,':.:.l ',
　　　　　 　 　 　 }.从　 '､　,　　　　　　,夂匕/:.:.:.:.:./:.:. l:.:',
　　　　　　　　　　　.个:..．_　　　_ .．イ_/:.:.:,:':.:.:.:. ,ｲ:.:.:.:.l:.:.ｉ　　　 　 　 　 　 　 　 !｀ヽ
　　　　　　　　　　　ｉ:.:.:.:.:.:ｉ:｀Tス　　　V:.:.:/:.:.:.:.／!:!:.:.:.:.:l:. !　　　　　　　　　　　　l 　　＼___　　　 ＿＿
　　　　　　　　　 　 !:.:.:.:.:.:!r'´:／}　.／': ,.:':.:.:.:.<　 l:.:!:.:.:.:.l:.:l　　　　　　　 　 　 ,.　ﾍ　　　 ヽ:｀＞'´ 　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　 ,.:.:.:.:.:ｨ'::::/￣ソ´:/:,:.':,.::'´,.:-ヾ: l:.:!:.:.:.:.l:.:l　 　 　 　 　 　 ／: : : :.＼　　　ハ､ ＿＿＿＿_ヽ
　　　　　 　 　 　 /:.:.:.:.:/ｉ::::l　 /:::::/:/:,.:':／　　　 }l:.:.!:.:.:.:l:.:l　　　　　　　／: :　 : : : :.´ヘr.'´: ﾊ:ヽ: : : : :｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /:　　. : : : : /: : _,/:: :/　 い: : : :.',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 .: : : : : :./:ｨ'´:/ : /　　 l:.ﾄ、: : :l : : :'.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l: : : :l: : : : :l: :／/／ 　 　 l/　ヽ: :}: : : :.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |: : : l: : : : :.ｨ'ﾗ示 　 　 　 x=ﾐ }: /: : :!: :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .　 　 　 　|: : _|: : : :〈 代::ﾊ　　　　 んハ|/: : : :ﾄ. :!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l:.:.{ |: : : : l 辷ソ　 　 　 {ゝ-:ﾊ/l: : :./ '.:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｌ: :｀l:.l: : : | :;:;:;　　　 .　　 ｰ' ム!: :./ 　|l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |∧:| l: : : |、　　　‐-　　 :;:; /ｰr ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . 　 　 　 　 l/ ｀い: : :|:｀: ..､ ____,.　　 ィ ど´ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∨ヽ:.!`y'ﾉ　　ﾉrヽム,(´ 　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /:.７ﾍﾉ {　／　 r‐'/:.〉　 ｲ｀i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /l: :|　!て V　 rイ　 !/ヽ.／　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l　!:.{　!　!ｰr ｲ　ｌ　 / ／　 　 ﾄ、



.

　　　　　　　　　　　　　　●

　　　　　　　　　　　　　　●

　　　　　　　　　　　　　　●





　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　 ／ _ノ　 ヽ､_ ＼
　　　　　　　　　.　|　（ ●）（● ）　|　　　　　　　　と、こんな話だ。
　　　　　　　　　.　|　　（__人__） 　│
　　　　　　　　　　 | 　　｀⌒ ´　 　|
　　　　　　　　　.　 | 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　.　 ヽ　　 　　　　/
　　　　　　　　　　　 ヽ　 　　　 /
　　　　　　　　　　　　>　 　　 <
　　　　　　　　　　　　|　　 　　 |
　　　　　　　　　　 　 |　　　 　 |





　　　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　　　　　一個質問いい？
　　　　　／ 　　 （●） 　（●） ＼
　　　　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |
　　　　　./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
　　　　　(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
　　　　　.＼　“　　／＿＿|　 |
　　　　　　　＼ ／＿＿＿ ／



.

　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　_ノ　,ヽ＼
　　　　　　　　　　|　　　（ ●）（●）
　　　　.　＼　 　　|　　　　 （__人__）　　　　　　　　どうぞ。
　　　　　　 .＼　　.|　　　　　｀ ⌒ﾉ
　　　　　　　.　＼　ヽ　　　　　 　}
　　　　　　　　　 .＼_,ゝ　　　 　ノ
　　　　　　　　 　／, r､　　　　く
　　　　　　　　 ./　〈　 ＼　　 　i
　　　　　　　 .　ヽ､ .ヽ 　 ＼ i..｜
　　　　　　　　　 　.て_）　 　＼ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　＼







　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　／ノ　 ヽ､_ ＼
　　　　　　　 ／（●）　（●.）　＼　　　　　　　　　　なーんか、これと似たような話をどこかで聞いたような気が
　　　　　　／　　（__人＿,）　　　 ＼　　　　　　　　 するんだけど……。
　　　　　　| 　ｌ^l^lｎ ⌒ ´ 　　 　 　 |
　　　　　　＼ヽ 　 L　　 　 　 　 ,／　　　　　　　　　やる夫の気のせいかお？
　　　　　　　　 ゝ 　ﾉ
　　　　　　　／ 　 /


.

　　 　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　／　ノ　 ヽ、.＼
　　　　　　　　　　　　　|　 （●）（●）　|　　　　　　　　　　　　　そうでもないぞ。
　　 　 　 　 　 　 /￣￣￣ 丶人__）.　 |
　　　　　　　　　/　　　　　　　　＼ .＿|＿＿＿__　　　　　　　　というのも、日本の民話の一つ「塩ふき臼」が、この話と
　　　　　　 , --'､ 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　 　 ｀〉　　　　　　 とても似ているんだ。
　 　 　 　 /　⌒ ）　　　　　　　　/　　　　　　　　 /
　　 　 　 ,′　　ﾉ　　　 　 　 　 /　　 　 　 　 　 /　　　　　　　 小さい頃に本で読んだりした人は多いんじゃないか？
　　 　 　 l　　T´ ..＿　　　　　./　　　　　　　r'´￣ヽ
　　　　 　ヽ ノ　　 .／丶､　　/　　　　　　　（ ￣　　l
　　　 　　 　 ｀'ー'´　　 | .｀'ｰ'――┬― --､/ 　 _.ﾉ








　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　 ／⌒　　⌒＼
　　　　　　　　　　　／　（⌒）　（⌒）＼　　　　　　　　　　　　おっおっ、思い出したお！
　　　　　　　　　 ／　 ::⌒（__人__）⌒::: ＼
　　　　　　　　 　|　 　 　　　|::::::|　　　,---、　　　　　　　　　貧しいけど働き者の男が、何でも出てくる魔法の石臼を手に入れて、
　　　　　　　　　 ＼ 　 　 　 `ｰ'　　　しＥ　|　　　　　　　　 　 裕福になるんだお。
　　　　　　　　 　／　　　　　　 　　　 l､Ｅ ﾉ
　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　 ｜　|
　　　　　　　 （　　 丶- 、　　　　　　 ヽ_／
　　　　　　　　　`ー､＿ﾉ

.

　　　　　　　＿∩
　　　　　　/　〉〉〉
　　　　　　{　　⊂〉 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　 |　　 | 　　 ／⌒　 ⌒ ＼　　　　　　　　　　　　 男には欲張りな兄がいて、急に裕福になった弟を怪しんで、
　　　　　　 |　　 |　 ／(●)　 (● )　＼　　　　　　　　　　　石臼を盗み出すんだお。
　　　　　　 |　　 |／:::⌒(__人__.)⌒:::　 ＼
　　　　　　 ヽ 　 |　　 　 |,┬‐ |　　 　 　 |　　　　　　　　 　 兄は石臼を持って船で海に出て、試しに塩を出すんだけど、
　　　　　　　　＼.＼　 　｀ー ´　　　　 ／　　　　　　　　　　止め方がわからないせいで、船が沈んじゃうんだお。
　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　＿＿　ヽ
　　　　　　　　　　　ヽ　　　 　 (＿＿＿_/







　　　　　　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　　　　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　　　　　　　で、魔法の石臼は今も海の底で塩を出しているから、
　　　　　　　　／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　　　　　　 海の水は塩辛いんだお。
　　　　　　　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |
　　　　　　　　./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　……あれ、やらない夫がしてくれた話とほとんど同じだお。
　　　　　　　　(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
　　　　　　　　.＼　“　　／＿＿|　 |
　　　　　　　　　　＼ ／＿＿＿ ／


.

　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　／ 　 ⌒　　 ＼
　　　　　　　　（ ●）（ ●）　 　 |　　　　　　　　　　　　　塩を出して沈むのは塩買い商人だったりと、いくつかの
　　　　　　　　.（__人__）　 　 　 .|　　　　　　　　　　　　　バリエーションがあるみたいだ。
　　　　　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　 　 |
　　　　　　　　　{　　　　　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　いずれも石臼が塩を出し、海の水が塩辛い理由に繋がるところは
　　　　　　　　　{　　　　　 　＿ |　　　　　　　　　　　　　共通しているな。
　　　　　　　　（ヽ、ヽ　　　/ 　）|
　　　　　　　　 |　｀`ー―‐'|　..ヽ|
　　　　　　　　 ゝ　ノ　　 　ヽ　 ノ
　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣







　　　　　　　　　　　　　 　／￣￣＼
　　　　　　　　　　 　 　_ノ　　ヽ、　　＼　　　　　　　　　　　　で、グロッティの歌と似ている理由だが。
　　　　　　　　　　　　（ ●）（ ●）　　　|
　　　　　　　　　　　　（__人__） 　　　　 | ..／}　　　　　　　　　ずばり、日本の「塩ふき臼」はヨーロッパ発祥の物語が
　　　　　 _　 　　　 　ヽ｀⌒ ´　　　　　| /　/ 　　　__　　　　　大陸から伝わったものが起源なんだ。
　　 (＾ヽ{　ヽ　　　　　 {　　　　　　　　./　/　 .　／ .ﾉ
　(￣ ヽ ヽ　i　　　　　　ヽ　　　　　　/　厶-　´ ／
.(二 ヽ　i　i　|,r‐i　　　　ﾉ.　　　ヽ /　　　　 ／
　　ヽ　　 ／　 ノ　　／　　 　r一'´　ー ､　　￣￣￣）
　　 i 　 {　　 ｲ―イ　/　 　.`ー―.　､＿_　.〈￣￣
　　　ヽ.　`ｰ '/　　　/　　　　　　　　　 　/＼ ＼
　　　　　 `ー ' ￣￣!　 　　　　　　　　　|　　ヽノ


.

　　　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　　　　　　　　おお、意外な事実だお。
　　　　　／ 　　 （●） 　（●） ＼
　　　　　|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　　　　　　　 あの「塩ふき臼」はもともとヨーロッパで生まれたのかお。
　　　　　/　　　　 ∩ノ ⊃　　／/　∩ノ ⊃
　　　　　(　 ＼　／ ＿ノ　 　 ＼／ ＿ノ　　　　　　　 それじゃあ、もしかして今回の話が大本の起源？
　　　　　.＼　“　　／　　.　＼　“　　／
　　　　　　　＼ ／　　　　　　/＼／
　　　　　　　　 ＼　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　＼　　　　＼　　＼
　　　　　　　　　　　　>　　　　　> 　　>
　　　　　　　 　 　 ／　　　　／　　／






　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　 ／ _ノ　 ヽ､_ ＼
　　　　　　.　|　（ ●）（● ）　|　　　　　　　　　　　　うーん、はっきりしたことはわからないな。
　　　　　　.　|　　（__人__） 　│
　　　　　　　 | 　　｀⌒ ´　 　|　　　　　　　　　　　　 今回紹介した話は、「詩語法」が出典なんだが、古エッダのほうにも
　　　　　　.　 | 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　 「グロッティの歌」という短い話がある。
　　　　　　.　 ヽ　　 　　　　/
　　　　　　　　 ヽ　 　　　 /　　　　　　　　　　　　　 この歌は10世紀ごろに出来たものらしい。
　　　　　　　　　>　 　　 <
　　　　　　　　　|　　 　　 |
　　　　　　　 　 |　　　 　 |


.

　　　　　　　 　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 　／　 ヽ､_　　＼
　　　　　　　　 （●）（● ）　　　|　　　　　　　　　　　　「グロッティの歌」ではフロージ王がフェニヤとメニヤを連れてきて、
　　　　　　　　 （__人__）　　　　 |　　　　　　　　　　　　石臼グロッティを回させるところまでは同じだ。（>>839）
　　　　　　 　　（　　　　　 　 　 |
　　　　　.　　　　{　　　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　その後は、二人の女巨人が予言を行ったのち、石臼を力任せに
　　　　　　　　 ⊂ ヽ∩　　 　 く　　　　　　　　　　　　 回して壊したところで終わっている。
　　　　　　　 　 | '､＿ ＼　／　 )
　　　　　　 　 　|　 |_＼　 “　.／
　　　　　　　 　 ヽ､ ＿_＼_／







　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　 　／　─　 　 ─　＼　　　　　　　　　　　　元々は海が塩辛い理由とは関係なかったのかお……。
　　　　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼
　　　　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |　　　　　　　　　　 スノリが詩語法を書いた時に付け加えたのかお？
　　　　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　　　　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　　 　　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　　　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　　　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|


.

　　 /:::/:::: /::::::::::::l::::::::|:::::::l:::::::::l:::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::i::::::
　　/::;ｲ::::i::::::::::::::| ::::::l|;::::::li;::::::::|､;::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::l:::::
　 .l::/ l:::::|::::::::::::/!::::::| li::::::lヽ::::::l. ヽ;:::::::::::::::::l::::::::::::::::::::l::::::
　 |::l　| ::::|::::::::-i-L;;_l .|!i:::::l ヽ::::l　　ヽ､__;;;;::::| :::::::::::::::::l::::
　 |:!　.|::::::l::__;;;|_　l:::l｀ヽヽ;:::l　ヾ;ﾚ‐'''ﾞﾞ´＼ :::::| ::::::::::::::::l:::::　　　　　　　　　中世ヨーロッパでは、塩は「白い黄金」と呼ばれるほど
　 l! 　.|:::／ ___ノ,ｨ'ﾄ|''=ﾐ､ ヾ!　　,r-=fニﾐ;;弍;;| :::::::::::::::l~ﾞ'i　　　　　　　　　高い価値を持っていた。
　　　　l/　,/ﾄ､::lﾞ__ﾞヾ::ii::|ヽ　　,/　　.|:::illi:::ﾞii/ |:::::::::::::::j¨ﾞ l
　　　/⌒ヾ､|/`fﾄ l　ﾞK);j .l'⌒''h.　　 K);;;;ｯﾘ　l:::::::::::::/　.ﾉ　　　　　　　　　 およそ12世紀頃のこと……。
　　/‐-､ `iﾉ　/'ヽ|､　　 ノ 　　 ヾ､ 　 　　,/　 |:::::::::::/=7ﾞ
　./　､. ヽ |ﾞV,_ 　l:::i､￣　丶 　　　ﾞ''ｰ-‐''　　,l::::::::::/|:;/
　i　 'ﾞヽ_j-'　　　.|::::|.＼　　　‐- 　　　 　 　,,ｲ::::::::/ ,l/
　ヽ　　　 ヽ　　 jl:::::l. 　 ヽ､　　　　　 ,　''ﾞ　/:::::::/ﾞ｀ヽ､
　　ヽ､.　　　　 /ヽ::::|　　　 ,,｀=ｰ '''i´　 　 /:;/ﾚ'〉;:;:;:;:,.,＼
　　　/　　　　/.　 ヽ:|　,,r''ﾞ,.;:;:;r''ﾞ~ﾉ　　　/ｲ　 /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;






　　　　　　　　　　　　　　　,..　--- ..
　　　　　　　　　　 ,..-.:.￣.:..:..:.. : : : : ｀丶、
　　　　　　　 　 ／:..:..:.　..: : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　/:ﾍ=､､:.＿: : : : ＿＿:ヽ:_:　-^,.ﾄ､
　　　　　　　ノ:..:..:./:.. ￣: :７´:―― : :|‐: :´､: ヽヽ
　　　　　　ｰ-/:..:.i:../:. : : ,/:..:.:ｲ:.ﾊ:.. : j:.. :}:.､ヽ:. ﾄヽ
　　　　　　　 !:..:..:|:.{/:..ィ_jz≦ﾉ '　}:.／_}_ｲ:. } |:.｜||　　　　　　　　ノルウェーはドイツから岩塩を買い、船で運んでいた。
　　　　　　　 Vl:.:.|:. Vl´｢＿　､｀　ﾉ′ ＿ﾉ:ｿ:ｲ: ﾘ ﾉ
　　　　.　 　 　 }:ハ: : l f7｢::｀ﾊ　　　/:::7}7ｲ:/}/　　　　　　　　　　塩を積んだ船は塩分によって傷みやすく、そのため
　　　　　　　　 ﾉﾍｰl､: :!VZﾂ　　 　 ﾋ:ﾉ/:.//　　　　　　　　　　　　沈没してしまうことも少なくなかったと言う。
　　　　　　　 　 　 ｀ｨﾍ:ﾄ､ _　　　_ 　 ノ:ｲ/
　　　　　　　　　 rく､＼｀ ヽ二コ:千:|K、′　　　　　　　　　　　 　 「グロッティの歌」と当時の時代背景が結びついて、「塩ふき臼」の
　　　　　　　　　 |:..:ヽヽ＼: :Yﾆ|: :!:/j!:.l　　　　　　　　　　　　　　　原型となったのではないだろうか。
　　　　　　　　　 ﾄ:..:..:.＼ヽ＼!r|┴＝ミ!r ァ７
　　　　　　　　　｜!::.:..:.ヽ＼ヽ|!　　　 /７　/
　　　　　　　　　 j::.l::..:..:.⌒ｰｧ⌒} 　 / / /^}
　　　　　　　　　 |::.:.＼::..::.::.::>ｰ'―-L∠_¨´
　　　　　　　　　 l::.::.:..:.￣￣ト ､, --､―弋i
　　　　　　　　 　 ヽ::.:..:..:.::..∧/　　　 ヽ　 i _ ..　-―
　　　　　　　　　　 ｀｀ｰニ´／ー-､　　 |　_|
　　　　　　　　　　　_.　-―　￣　 ト―.:｢:.:l


.

　　 ／￣￣＼
　／　ノ　　ヽ /＼'ｰ､　　　　　　　,, ..,､
　|　 （ ●）（ /　　.＼` ､　　 .　／／ /　　　　　　　　　ふむ。1200年くらいとすると、スノリが生きていた頃と
.　|　　（__人/　　 　　＼ヽ､,.／／　../　　　　　　　　　 ちょうど重なるな。
　 | 　　 ｀ /　　　　　　　｀`７７　 　/
.　 ヽ　　 /　　　　　 　 　 / /　　 /
　　 ヽ.. /　　　　　　ｆヽ、/ / , -,./
　　　/./　　　 　r-､ ヽ　∨,ノ　/
　　　|. ＼　　　〈＼.＼,〉　｀,　 ｆ
　 　 |　.　＼　　(ヽ ヽ ｀..　　　|
　 　 |　　 　.＼　＼　　　　 　ﾉ







　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　／　　⌒　　＾＼　　　　　　　　　　　　　　なるほどー。前回、やらない夫が伝承は変化してるって言ったのを思い出したお。
　　　　　 ／　　（ ●） 　（●）
　　　　／　　::::::⌒（＿人__）⌒ヽ　　　　　　　　　　　　「グロッティの歌」も時代に合わせて、変化していったのかお。
　　　　|　　　　　　　|r┬-|　　　|
　　　　＼ 　　 　 　　`ー'´　 ／


.

　　　　　　　　　 ／￣￣￣＼
　　　　　　　　／　　　　　　　 ＼
　　　　　　　/　　　 ─　　　─　ヽ　　　　　　　　　　そういえば、このお話には神様は出てこないんだおね。
　　　　　　　|　　　 （●） 　（●）　|
　　　　　　　＼　　∩（__人/777／　　　　　　　　　 神話といえば神様……と思ってたから、意外だお。
　　　　　　　／　　（丶＿//// ＼







　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　|　　　 （ ●）（●）　　　　　　　　　　　 基本的には複数の伝承の集まりだからな。
　　　　　　.　|　　　　 （__人__）
　　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　 　 英雄伝説の断片など、人間が主役の詩もいくつかあるぞ。
　　　　　　.　 |　　　 　　　　 }
　　　　　　.　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　　　 ヽ　　　　　ノ
　　　　　　　　　.>　　　 <
　　　　　　　　　|　　　　 |
　　　　　　　 　 |　　　　 |


.

　　　　　　　　,r'ﾆﾆﾆﾞヽ、
　　　　　　　（"´￣￣ヾ））　　＿＿＿
　　　　　　　|　　 rｰ< ﾉと)／ ノ ′＾ヽ＼　　　　　　　　　　　そうなのかお。そっちも面白そうだけど……やっぱり、
　　　　　　　| 　　｀ﾌ"ﾉ /　 （●）　 （●)＼　　　　　　　　　　まずは神様のお話が聞きたいお。
　　　　　　　ヽ、　 ' （　ｌ　:::⌒（__人__）⌒ﾞ::l
　　　　　　　　 ＼　　＼|　　　`i-┬y'´　　|　　　　　　　　　　今度はそういうお話を教えて欲しいお～。
　　　　　　　　　　 ＼ 　＼　 　｀'ー' 　 ／
　　　　　　　　　　　　 ＼ 　ヽ　ー─ィヽ







　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　／　　 　　　 ＼
　　　　　　|　　　 ⌒　　　⌒　　　　　　　　　　　　　　　　　　ああ、わかった。
　　　　　.　|　　　　 （__人__）
　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　次回を楽しみにしてるだろ。
　　　　　.　 |　　　　　　 　 }
　　　　　.　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼
　　　　　　　　/　　　 く　　＼　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　|　　　　 ＼ 　 ＼ 　 　　　　　　＼
　　　　　　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　 　 　　　　　 ＼


.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　ｌ⌒ｌ　　　　 　ｌ⌒ ｌ 　 　 　 |　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｌ＼　 　 ｌ　 ｌ　 　　　　| 　 |　　 　　 |　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　ヽ.　　ｌ 　ｌ 　 　 　　ｌ　　.ｌ　　 　　.ｌ　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ 　 ヽ　 ｌ　 ｌ 　 　 ＿_」　　.ｌ　 　 　 ｌ　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　ｌ　 ｌ _.」- ´ニニ　ｌ　　 ｌ｀ヽ､. 　ｌ　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 ヽ 　ｌ／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ;:;:ｌ　　 ｌｌヽ;:;:;:;;ｌ　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｙ.':;:;_;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ｌ;:;:|;:;:;ｌ　　 ｌ　ヽ;:;:ｌ　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／;:;:／,;:;:;:;:;:;/;:;:;:;:;ｌ;:;:ｌ;:;:;:;ｌ　　 ｌ　ヽ;:ｌ　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　/／/;:;/;:;:∧;:ｌ;:ｌ;:;:;:;:;ｌ;:;:ｌヽ;:;:ヽ　 ｌ　　|　 ﾉ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　/;:;:ｌ;:;:;/ ｌ;:;ｌ ｌ;:;:;:;:∧;:ｌ　ｌ;:;:;ヽ　　　　く┌-ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;:;:/ｌ;:;:ｌ　∨　ヽ:;/　ﾘ　 ｌ;:;:ｌ:;,ゝ　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ｌ:;:;ｌ ┯┯i　ｿ　┯┯､∨;ｌ　　・　 ・　ｌ　　　　　　　　（ネットは偉大……）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　ｌ;:;ｌ　ｌ;:;:少　　 　ｌ;:;:;少　ｌｌ　　　　　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼.ｌ;:;ｌ 弋:::ｿ 　 　弋:::::ｿ　ｌ;＼＿＿__ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ;:;ｌ　　　　　 　 　　 　 ｌ;:;| ＼ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　ｌ;::｀　-　_＿＿, 　 .イ ｌ;:;ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　　　/ｌ　ｌ 　 /　/: |/ : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　/: ｌ　ｌ　/　/: : : ヽ: : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ: :ｌ　∨　./: : : : :ｌ: : : :.ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : ｌ　||　/: : : : : ｌ: : : : ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　┌─────┐　人: :二廾/: : : : : : ｌ: : : : ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　│ 　 　 　 　 　│ /: : : :lｌ /(: : : : : : : :ｌ : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　│ 　 FMV　 　│ ｀ｌ: : : ｌﾚ　ｌ: : : : : ／: : : : : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　│ 　 　 　 　 　│　ゝ ○弋ｌ(＿)／┬　　┬　-ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　├─────┤　≦(＿_人＿_Y　.ｌ　　　ｌ　__　＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　└─────┴─=＝　　　　　￣￣￣￣

　　～ 次回に続く ～


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今回の投下は以上です。

Q.何で神様が出てこない微妙な話が最初なの？
A.平行して作ってた2回目分が先に完成した＆1回目分が今月中に完成しそうにないから

来月中には1～2回投下したいです…（´・ω・｀）


「塩ふき臼」はアニメのまんが日本昔ばなしでも放送されたようですね。
そう言えば知名度はどのくらいなのかな。知らない人ばかりだったらどうしよう

おつ

ジャポニカ学習帳に載ってた昔話コーナーで臼と塩と海水の話は読んだな
どこの国Verが載ってたかは忘れた

おつ
こういう話は面白いよね

同感
小難しい話で無いから読みやすくて親しみやすい
ありがとでした～

乙～。

懐かしい話だな。