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│1929年(昭和4年)3月5日夜　新聞社　 　 .│
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│編集部　 　 │
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　　l　 ! l　/／丶 | ヽ. !　　　　ｌ　　/／　　 /' /l 　 l　　 l|
　　丶.|,ィT 丶、ヽ|　ヽ.!　　 　､レ'ﾁ　　 _.厶　l/ 　 l　|　ｌ|　　　もうすぐ書き終わりますよぉ～
|　l　 N 丶!　 　丶---'＼ 　 　 |//, ｨ ´ ｣Ｌ∟Ll._　l /　/
l　丶 l | /,　-――- ､－　　　　 イ,ィチV　　/　/l j/　/
tｌ　 ｌ | Y´　_l＞ｔ:ｯ≠‐-､　　　　／ゞ--'ン｀/.イ /ﾚ|／　 　 　 　 　 ┌───────────────────┐
､ヽ　ト､ ／　ゞ.二ツ　 　 '., -‐=ト､　￣ 　 イ ／ 　 　 　 　 　 　 　 │おい！○○の写真取ってきて来てくれ！　　　.│
　丶＼/､　` ー‐　'´　　〈ﾉ　､　｀ﾞ ー---‐ｧfﾞ ＼　　　　　　　 　 　 └───────────────────┘
　　　　ゝ.'､　　 ＿ .. -‐'´　　j〉　　　　 ／　|　　 ヽ ＿＿
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　　　　　　　　l　 　 ｀＞　 二　イ　　　 　 　 ｌ　　　|　 　 　 　 ﾊ
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　　　　　　　　　　　i　　　　　　i　　i!　ヽ、 _ノ
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　　　　　　　　　　　 ゝ　　　　 ,i　　　　ー'
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　　　　　　　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜
　　　　　　　　　≧　　　　 やる夫代議士が殺害された！　　　　　 　≦
　　　　　　　　　≧　　　　 警視庁情報だ！　　　　　　　　　　　　　 　≦
　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　≦
　　　　　　　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /⌒ 　　　　　　　/⌒!
　　　　　　　　　＼　　　　　　　　 /:::::::ヽ＿＿＿＿/::::::::ヽ、
　　　　　　　　　　＼　　　　 　　丿　::.__　　.:::::::::::::　 __　 ::::ヽ_　　　　　　　／
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　　　　　　　　＼　　　　　　 ./　／￣￣√_＿＿丶 ￣￣＼　 ::;:|
　　　　　　　　　　　　　　　　|　.::::::::::　/ / ｔｰｰｰ|ヽ　　　　...::::: :: | 　　　　　――――
　　　　　―　―　　　　　　　|　.:::::.　 ..:　|　　　　|ヽ　 ＿|＿|＿ .::|.
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　　　　　　 　 　　　　 ／ ／|.　:　　 　 | |　 |:::T::::|　! 　 .| 　| 　.::|　＼　＼
　　　　　　 　 　　　　／　／ ＼　　　　ﾄ--^^^^^┤　　　　　　 丿 ＼＼＼

　　　　　　　　(ヽ、００　　∩
　　　　　　⊂ニ、ﾆ⊃　⊂　⊃
　　　　　　 ,, -‐- ＼　　　| |／⌒ヽ　 〇　 〇
　　　　　　（ ⊂ニニ　　 /　／⌒) ）
　　　　　　 ｀ｰ――'′　し∪　 （ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(ヽ、００　　∩
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⊂ニ、ﾆ⊃　⊂　⊃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,, -‐- ＼　　　| |／⌒ヽ　 〇　 〇
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ｰ――'′　し∪　 （ノ

　　　　　　　　　　　／∧　　.　 　 　 ／∧
　　　　　　 　 　 ／　/ λ　　　　 ／　/ λ
.　　　　 　 　 ／　　/　 λ　　 ／ 　 /　 λ
　　　　　　／　　　/　　 λ ／　 　 /　　 λ
　 　 　 ／　　　　/　　　 λ＿＿_./　　　 λ　　　　　　　　何だって！？今は国会開会中だぞ！？
.　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
.　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 λ　　　　　　これは重大事件だから一面は差し替えだ！
　/　　　　　　　　　 O　　　　　　　　　　O　 　 λ
./　　 |　||　| |　|∥　　　　　　　　　　　　　　　　 λ　　　　 至急、やる夫代議士の写真と経歴を持って来い。
|　　　|　||　| |　|∥　　　　　|￣￣￣|　　　　　　　 |
|　　　|　||　| |　|∥　　　　　|　 　 　 | 　 　 　 　 　 |　　　　京都・大阪にも連絡を取って、全社体制で取材しろ。
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｜　　|　||　| |　| 　 　 　 ／　　　　　|　　 　 　 　 /　　　　 明日の朝刊には間に合わせるんだ！
　 ＼_ 　||　　|　　　 　 |￣￣￣￣￣|　 　 　 　 /
　　　 ＼　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／

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　　　　　　　　　　 　 　 │おい！何でもいいからやる夫の写真を持って来い！　　　 │
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　　　　　　　　/ /　/　　　 /　 　 /　 /l　 /　l/'　!　　 　 l|｜|　　',　　　　　　 　 │京都とは連絡が取れたか！？　　.....│
　 　 　 　 　 / /　/　 　 　 　 / /　 /'｜/ | ∧l　|', 　 　 ﾘ｜|　　 l 　 　 　 　 　 └───────────────┘
　　　　　　　,　 　 l　 　 　 / /:!/|　/　 |,' ／! ∧｜',　　 /　l/　l|　|
　　　　　　　| |　　|　　　 / /　|| | l|　　j　　 | _.∧!　＼ノ､_ / | /　j
　　　　　　　| |　　| 　　,/ /l　 || Ⅵ　 '´￣￣　　　　　　　/｀// //
　　　　　　　| |　　|　　/j/ ｀V ||_Ⅸ　ｰ≠ニニミメ、　　ｨ≠ﾆ、//　　　　　　　　　　まさか・・・・
　　　　　　　ｌ |ｌ |　V /'/ﾍ　　',|l￣l￣{{ 　 弋ｿ｀　r} ＿,ﾊｿ｀!∧/
　　 　 　 　 乂Ｎ(　ﾍ!　|　　　 |　　　 ヽ　ー一　 ノ　 〈 ｰ‐ |　ﾉ
　　　　　　　　　　＼.|　丶　　　　　　　　 ￣￣　　　　 〉￣厂
　 　 　 　 　 　 　 　 jヽ＼__,、　　　u 　　 　 　 　 　 　 　 /
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　　　 　 　 　 　 　 　 |　,/ 　 　 　 丶　 　 　 　 　 ／　　　　　　│今まで集めたやる夫の情報は全てここに持ってくるんだ！　 　 │
　　　　　　　　　　　　j /　＼　　　　　　≧ｧｰ--‐'　　　　　　　　└──────────────────────────┘
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│半日前　国会議員控え室　　　..│
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.　　　　 　 　 　 ／─　 　 ─ 　＼
　　　　　 　 　 /　（●） 　（●）　　ヽ　　　　澤田正二郎の死が新聞で大々的に取り上げられてるお。
　　 　 　 　 　 |　　（__人__）　　u. 　 |
　　　　　　　　 ＼　　｀⌒ ´ 　 　__,／　　　　本当、すごいお・・・
.　　 　 　 　 　 ／　　　 　 　 　 　 ＼
　 　 　 　 |￣￣￣￣￣Ｙ￣￣￣￣￣|
　　　　　（,,)　 　 　 　 　 |　　　　　　　(,,）
　 　 　 　 | 　 　 　 　 　 |　　　　　 　　|

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│澤田正二郎は大衆演劇の大スターであり庶民に親しまれていたが　　　 .│
│公演中に病気を発症し、3月4日に亡くなったのである。　　　　　　　　　　..│
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　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　 ﾉ　＿
　　　　　,,　----vrｭ彡　　　　　　　　　　　　　 　 /　＼　　／ ./　/＼
　　　　 f―‐ﾍ彡::Vミﾉ　　　　　　　　　　　　　　 /　　 　.Y´　　',　＼／＼
　　　　 ﾊｨッ‐.}彡::｢｀＿＿＿　 　 　 　 　 　 　 /　　 　 八＿＿_＼　　　　＼
　　　　ん 　 ,ﾞ｢}ｨ|￣|､ 　 　 /￣７フ＝= ―-ｧ/　　　　　　　 　 / 　/＼
　 　 　 ﾞ(⌒Jﾉﾐ. | 　|　＿／ 　/／　　　　　　{　　　　　　　　　 { 　〈　　}＼
　　 　｢｢|厂丁ヽ | 　|　　 ﾊ.　 { {　　　　　　　ﾊ　 　 　 　 　 　 ∧ 　＼/　　＼
　　　 { { Vｸ,|　| .| 　| 　 　 ＼ﾊﾍ　　　　　　‐->　‐-　 　 >―＜∧
　　　 `ヽ　｀)　j　| 　|　　　　‐-ミ､＼　　　 　/ 　 　 　 ./ 　　〉　＼＼ ＿
　　　　　|ﾊ 　V/∧　∨ rﾍ ＿＿＿ﾐﾆ=‐-ミ{　　　　　 乂-'′　　　＼
　　　　　||ﾊ 　 ＼∧　∨∨: : : : : : : :＼　　 ﾍ　　　　　　 ＼ 　 ,'　　 　＼＿
　　　　　V∧　 　 Vﾊ　∨ : : : : : ヽ: : : :ﾍ.　　 ＼　　 　 ／¨ ＼{　　 　 　＼/
　　　　　 V∧　 　 }彡 .}: : : : : : : : :∨ : : ﾊ 　 　 ＼／￣￣ ＼＞､　　　　　}'
　　　　　　ヾﾊ＼_ノ 厂 l : : : : : : : : : ',: : : : }　　 　 |.　　　 　 　 |　　＼　 　/
　　　 　 　 　 `ｰ'／⌒ ,|: : : : : : : : : : :V: : ｲ　　 　 |　み　　逝 .|　 　　｀丁′
　　　　　　 　 ／: : : : : :|: : : : : : : : : : : }イ´　 　 　 l.　 ･　　 っ. |ヽ､＿／
　　　　　　　/ : : : : : : 八 : : : : : : : __,ノ /　　 　 　 |　て　 　･　.|
.　 　 　 　 /: : : : : : ／: :.＞｢⌒⌒｢_ﾘ　.!　　　　 　 |. 　･　　て　l
　　　　　　{: : : : : : : : : : : : :|　　　|rrr,_ﾉ　 　 　 　 .|.　ェ　 　･　.|
　　　　　　 V: : : : : : : : : : /|　 　 |￣　　　　　　 　 ＼＿＿＿／
　　　　　　　｀ー―― ―′|　　　〉
　　　　　　　　　　　　 　 　 |　 　 {
　　　　　　　　　　　　　　　 〉　　 ﾊ

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│時の総理大臣、田中義一は弔辞を送った。　 　 │
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　　　　／:::::l::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::i:::::::ヽ
　　　 /:::::::::|////////////////,l::::::::::ヽ
　　 /:::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::l:::::i::::::::|::::::::::::|
　　 l::::::::::::i::::::::::::,:':::::/:::::|::::ﾄ::::|::::::::|:::::::::::|　　　彼は庶民に親しまれてたわ。
　　 |:::::::::::l:::::/::/l:::::/|::::l |:::| l:::|､::::::|:::::::l::|
　　 |::l::::::::|::A-ムi/　|::/ l l:|__l::|-､:::|::::::::l:|　　　盛大なお葬式になるだろうから
　　 l::|:::::::|'__'___-_　　ﾚ　　ﾘ___'___ヽ:l::::::::l:}
　 　　|:::::::| 'l//ゝヽ　　　　 ｲ//ゝヽ.l::::::::l:l　　　あなたは私の代理として出席してね。
　 　　|:::::::|　ゝ-' 　　　　　 　ゝ-' 　 |::::::::l
　 　　|::::::::l　　　　　　 '　　　　　　　|::::::::|　　　「庶民の総理が庶民の役者」に弔辞を述べるのよ。
　 　　|:::::l::ゝ､　　　　 --　　　　, .イ::::::::::|
　　　 |:::::l:::l::::::::｀:i　､　__　 ...r:::'::::::::l:::::::::::|
　　　/::::::::::l:::::::::::ﾄ=-,.-.-､-'ヽ:::l:l:::/:::::::::::!
　　/::::::ヾ:::i::;;;イ;;;;;;| |;;;;| |;;;;;;ヽ!:!/::::::::::::::|
　 /::/ ヾ:ヽ::}ー―--_r-r_-----,ﾞ￣フヽ::ヽ




　　　（（ (ヽ三/)
　　　　　 (((i )　 　　ノ´⌒｀ヽ
　　　　　／　 γ⌒´　　 　　 ＼
　　　　(　　.／／ ""´ ⌒＼　　）
　　　 　|　 :i / 　⌒ 　 ⌒　 ｉ　）　　　　　　　　　わかりました！
　　　　　l　:i　　(・ ）｀ ´( ・） i,/
　　　　　　 ｌ 　　　（__人_）.　 |　 (ヽ三/) ））　　　私が民衆を感動させるような弔辞を読んできます！
　　　　　　 ＼　　 　|┬|　　/　　 ( i)))
　　.　　　　 　｀７　　`ー' 　〈＿　 /￣
　　　内閣書記官長　鳩山一郎

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　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　 　 ／_ノ　　 ヽ_　　 ＼　　　　　　ふぅ・・・もし、やる夫が殺されたりしても
　　　　　　　　　　　　 ／（●）　 （● ）　u.　ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 |　　 （__人__）　 　 　 　 |　　　　　新聞記事はたった５・６行でおしまいだお。
　　　　　　　　　　　　 ＼ 　 ｀⌒ ´　　　 　 ／
　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　 　　　 　 ＼　　　　　葬式だって、身内以外は誰も来ないお。
　　　　　　　　　　　|￣￣￣￣|~|　　　　　　　|
.　 　 　 　 　 ／　　|　 　 　 　 | .|-、　　ﾉ　　 |　ﾋｮｲｯ
. 　 　 　 　 //　　（つ 　 　 　 .|と　￣” 　 　 ﾉ

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　　　　　　　　　　　　　　　 ／　／ ／　　　　 　　 ＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　/　/　　　　　 l　　　　 ＼
　　　　　　　　 　 　 　 /　/　 /　/　／／　　l　l　 l　　　',
　　　 　 　 　 　 　 　 /　/　　,.　イ　 / l　　 /　!　 l　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　l　/　　/｣L.｣_　l　 ∨/ | /　 ,'　　 　 l　　　　　いや、やる夫先生。
　　　　　　　　　　　　|　l　 l/V ＿ ヽ|　 Tナ≠|　/l　　l 　 l
　　　　　　　　　　　　l /l　｣ ｮ'-fzし!　　 ´,ｨf￢ﾚ//l　 /　 ,'　　　　　あなたの場合は一面扱いですよ。
　　　　　　 　 　 　 　 V个､（　 ゞ=ﾍ＿ 　, lzﾁヌ[ /　/　/'
　　　　　　　　　　　　　　ヽl ｀ ー‐ 'ﾞ / ｀l　 ｀¨　 ）／l/ｲ
　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼　　　　　　｀ ¨¨¨´/ﾉ //
　　　　　　　 　 　 　 , -- ､ 　 ＼　ｰ -､ 　 　 ／ァf´
｀丶、　　　　　　　／　　　 ｀ト--个 ､＿　 イﾁレ'
　　　 ｀丶､_ 　 ／　　　　 　 l　　　＼　　 ,∧/＿
､　　　　/　/＼/´!　 　 　 　 l＼ |｀丶､ゝｲ 　＞１ ⌒ヽ
、 ｀丶､,'　,' 　 ∧ヽ　　　　　 l 　 |　　-｀TT´-　 |　 l　 ヽ
　＼　 　 ｀＼./　ヽ. ＼　　　 l　　L.　-ｰ木 ‐- .」ー」　　 ヽ
　 / ヽ-―‐-､＼　 ヽ. |　　　l　　　 /　 /l　', ヽ「l／⌒ヽ　 〉
　 ｀丶 ＿_, -┴､＼　 〉　　/'´　　/　　l l l　|　/￣丶.　 ∨


　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　 　 　 　 ／　_ノ　ヽ､＼
　　　　　 ／oﾟ(（＞）)　(（＜）)ﾟo
　　 　 ／　 　 .:ﾟ~（__人__）~ﾟ:＼　　　　　　じゃあ、いっそのこと、殺されてみるかおｗｗｗ
　　 　 | 　 　 　 　 |ｒ┬-|　 　 |
　　 　 ＼、　　 　 i⌒i‐'　 ,;／
　　　　／　 ⌒ヽ.ﾉ　ﾉ　 く
　　　/　,＿ ＼　l||l 从＼ ＼
　 　 と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.;.
　　　　　　　　　ﾍﾞｼﾍﾞｼﾍﾞｼ

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　　 　 　 / 　 　 　 /　/　l　　 ﾍ　　 ∧
　　　　 /　　　　　/　/　/　　　 ﾍ　　 ∧
　　　 /　/　/ 　 /　/l /ｲ　　　　 l　　　ﾊ
　 　 /　/　/ 　 //l/ l/　ｌ　　　ｌ /l　l　　 l
　　 ,'　/　/　 /l/　l /ｌ　 l∨ 　 / l /l　　
　　 l　,　/　　ｌ｜　|　 ＼j　＼/　 l'　l　 ｌ l　　　　なんていう時代になったの・・・
　　 l ,　 l　　 l　-――‐'　　 'ー―- ｌ　 l/
　　 V　 ﾊ　 ｌ| yz==ミ　　　　彡==x小 /
　　　∨ﾊ　Vl|　比ｔソ　　　{　 比ｿ /ﾉﾘ
　　 　 V廴._v!　　　　　 　 j〉　　　/´
　　　　　　ﾘ:.:.＼ 　 　 　 ___　 　, '
　　　　　　ハ:..r､＼　　´　　｀／　　へ
　　　　 　 　 }/ ＼　丶--r く　　 　 　 ﾍ　　　＿
　　 ＿ ＿,／　 　 ＼ーx'　　＼ ＿　 　 ﾍ /´＿　＼
　/　　｀l　 l＼, ―‐ ､./￣￣｀ヽ丶 /￣￣ヽ/r―'ｰ　ヽ
　l 　 　 l　 l /　/二２{ 　 　 　 ﾉ￣ゝ 　　 人j　r― 　 |
　l　　_　l　 / '´　--､〉｀TT T ´　　 l　￣ |　 lし{ー‐　/
　l　 　 ｀!　|　　 -― 〉　|｜ l　t―ｚl　 　 |　 ﾊ└「´ /

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┃｜　 　　　　　　衆議院議員のやる夫が暗殺されるようです　　　　　　　.｜┃
┃｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｜┃
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　　　　　　　　　　　　　　　 　　　／）／ノ '　ヽ､＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ .ｲ '（●） 　.（●）＼
　　　　　　　　　　　　　　 . 　/,'才.ﾐ).　 （__人__）　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 . 　|　≧ｼ'　　 ´ ⌒｀　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　.　＼　ヽ 　　　　　　　　　 ／



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┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
┃　　　　　　　　　　第九話　　終わりの始まり　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
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　　　　　　　 　 ,　'´￣￣｀ ｰ-､
　　　　　　　 ／　　 〃" ｀ヽ､　＼
　　　　　　 /　/　 ﾊ/　　　　 ＼ﾊﾍ
　　　　　　 |i │ ｌ |ﾘ　　　　　　 }_}ハ
　　　　　　 |i　|　从 ノ　　　 ｀ヽｌ小N　　　　ここで、日本共産党と労農党の関係について説明しますにょろ～
　　　　　　 |i （|　 |　●　　　●　lｉ|ノ
　　　　　　 | 、|　⊂⊃､_,､_, ⊂ﾉ i|　　　　　 なお、共産党は治安警察法等により
　　　　　　 |　ヽlヽ＞　､ __　,l⌒ヽ|
　　　　　　 |　／　＼ヽ::ヾ三|::ｉ 　 ｉ　　　　　結社自体が不可能の非合法政党、つまり秘密結社だったにょろ。
　　　　　　 | ,ミ_::::コ ヾ､:::∨ﾂ l

　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿＿
　　　　　　 　 　 　 　 .．ィ"::::::::::::::::｀::::..、
　　　　　　　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　日本共産党については簡単に触れておこうと思います。
.　　　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::､::::::::ヽ:::ヽ
　　　　 　 　 　 /::::::::::r一…ﾐｘ:::::::::::＼::::::ｉ::::ﾊ　　　　話の前提として、やる夫は共産党員にはなってません。
　　　　　　　　 ':::::::/::l| 　 　 　 ＼::::::::::ヽ::|:::::::.
　　　　　 　 　 |::l::::!:::{{＿＿　　　 ヾﾞﾑ从ｉ|::::::::i　　　 その組織に加盟したという記録が残ってませんし
　　 　 　 　 　 Ⅳ:::l:::ﾄ ＿＿｀　 　 ´__l川:ﾘ::::::::!
　　　　　　　 　 |ヾ:{人Τr::cﾐ　　 ィ::r::c 少:::::::.　　 　共産党自身が「党員ではなかった」と言ってます。
　　　　　　　 　 l::::::/)､.乂zｿ 　 　 乂zｿ ﾊ:ﾍ:::::ﾊ
　　　　　　　　 .'::::///）　 　 　 '　　 　 .人 〉》::::∧　
　　　 　 　 　 /:x〈〈〈. ゞ≧:． r‐y　.ｨ彡　/ /}､::::∧
.　　 　 　 　 //　|l＼　 　 　 } ￣ {　　　　 ィ':| l!ヽ∧
　　　 　 　 /::i　 ｷ!　.＞‐ 　 |､　 ,|　　 手ｷl:::| l!　i::∧
.　　 　 　 /::: | 　 Ｖ7′￣￣| ￣ |￣￣　ハ:.' ′.|::::∧
　　　 　 /:::::: !　　/` ー─‐/　　 :ゝ--:イ　 ∨　 l!::::::∧
.　　 　 /::::::::::|ｌ ∨　　　　 /　　 　ﾍ.　"´　　 ∨　|:::::::

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│日本共産党の簡単な歴史　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│1917年(大正6年)ロシアで共産主義革命　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│1919年(大正8年)コミンテルン設立　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│1922年(大正11年)非合法の「日本共産党設立」（第一次共産党）　　　 　 │
│↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│同年、コミンテルンに承認される。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│1923年(大正12年)警察によりメンバーが検挙され、事実上の解党　　　....│
│↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│1926年(大正15年)日本共産党が再建される（第二次共産党）　　　　　 　 │
└──────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│ソ連　 　 .│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│コミンテルン　　 　 .│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└────────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（一国一共産党）
　　　　┌────────┐　　　　　　　┌───────┐　　　　　　 ┌─────────┐
　　　　│ドイツ共産党　　　...│　　　　　　　│日本共産党　 　 │　　　　　　 │イタリア共産党　　　....│
　　　　└────────┘　　　　　　　└───────┘　　　　　　 └─────────┘

　　　　　　　 　 ,　'´￣￣｀ ｰ-､
　　　　　　　 ／　　 〃" ｀ヽ､　＼
　　　　　　 /　/　 ﾊ/　　　　 ＼ﾊﾍ　　　　　　　簡単に言えば、ソ連の指示を受けていた政党だったんだにょろ。
　　　　　　 |i │ ｌ |ﾘノ　　 　 ＼}_}ハ
　　　　　　 |i　|　从 ●　　　 ● ｌ小N　　　　　その主張が、あまりにも過激すぎるので危険視されてたんだにょろ。
　　　　　　 |i （|　⊂⊃　､_,､_, ⊂lｉ|ノ
　　　　　　 | i⌒ヽ j　　 （_.ノ 　 ﾉi|__／⌒)　　　
　　　　　　 | ヽ 　ヽx＞､ __,　イｌ　|::::ヽ／.
　　　　　　 |　∧__,ﾍ}::ﾍ三|:::::/ｌ|　|',:::::ﾊ
　　　　　　 |　ヾ_:::ッﾘ :::∨:／　|　| >'''´

┌─────────────────┐
│・君主制の廃止（いわゆる天皇制）　　 　 │
│・市民革命を起こす　　　　　　　　　　　 　 │
│・土地の公有化　　　　　　　　　　　　　　　.│
│・侵略戦争反対（支那への進出等）　　......│
└─────────────────┘

　　 　 　 　 　 .／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀: ..
　　　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_:_:_: : : : : : : : : : : :.＼
　　 　 　 　 ./: : : : : /: : : : : : : : :./: : : : :,ｲ:.ﾐ≦三ミﾒ､: : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　 　 ′: : : :/: : : : : : : : :./: : : ／ 　 　 　 　 　 ＼: : : : : : : ヽ: : :.:.
　　　　　　 ′: : : ,':.:.:.i: : : : : : :/: : :./　　　 　 　 　 　 　 ヽ: : : : : : : ',: : ハ　　　　共産主義と君主制は基本両立しないので
　　　　　　: : : : :.:.|: :.:.i: : :.:.:.:i: : : : :.′　　　　　　　　　　　 '.: : ',: : : : i: : : :.:
　　　　　 .i: : : : :.:i|:.:.: |: : : : :i: :|-‐.′--　.._　　　　　　　 　 ',: :.i: : : : i: : i: :.:　　　　日本政府にとっては恐ろしい政党でしたが
　　 　 　 .i: : : : :.:i|:.:.:.:|: : : : :i: :i: : {　　　　 ￣￣´ 　　　　　ー-i: : : :.': : ﾊ: :i　
　　 　 　 .|: : : : : i| , -|: : : : :i: :i: : i ｨf¨示ﾐﾒ､　　　　　　　　 }:.λ: :./: :./. i: :　　　　貧しい労働者が共産党に共感して
　　 　 　 .|: : : : : / __ |: : :.:.小:.ﾄ: :|.{ /:r':.::.小　　　　　 ,ィfてヽ.i: :./: :./　 |:.′
　　 　 　 .|: : : : :{ {:　..|: : : :.:|: ﾄi ヾｉ 'っ:.:.:. ﾘ　 　 　 　 /r':.:} }/: :/:.:., ′　ﾚ　　　　そして、シンパになっていったんですね。
　　 　 　 .|: : : : :ヽ 　 |: : : :.:i:.:| 　 　　ゞ--'　　　　　　.'っ:/ ｲ/: :.／
　　　　　 i|: : : : : : iﾒ. |: : : :.:i:.:|　　　　　　　　　　　　、￣　 /:ｲ |　　　　　　　　　　現在の共産党に結構な数の党員がいるのを
　　　　　.i:!: : : : :.:.:|: :.j: : :.:.:.|: |　　　　　　　　　　　　'　　　 ′: :i
　　　　　i |: : : : : : |: : |: :.::.:.:|:.:i　　　　　　　r‐--- ,　　　 .八: :.:.|　　　　　　　　　　ご想像していただけたら、大変分かりやすいかな？
　　　 　 i:.|: : : : : : i: :.:|: : : : |:.:|.　､　　　　　｀　ｰ ´　 　.ィ: : : :i: :|
　　　 　 | |: : : : : : |: : |: : : : |:.:| 　　　 .　　　　　　. ..:.:´.|:i: :.:.:.:i: :|　　　　　　　　　　今も「革命」って言ってますからね、あそこは。
　　　 　.i: |: : : : : : |: : |: : : : i: :i　 　 　 ｀　　 _. イi: : :.::.:|:i: :.:.:.:i: :|
　 　 　 .|: i: : : : : :.:|: : |: : : : i: :|　　　 　 　 ./､ : |:|: : : :.:|:i: :.:.:.:i: :|

┌───────────────────────────────────────────────┐
│治安警察法　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│第８条　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│第１項　安寧秩序ヲ保持スル為必要ナル場合ニ於テハ警察官ハ屋外ノ集会又ハ多衆ノ運動若ハ群集ヲ制限　 　 │
│禁止若ハ解散シ又ハ屋内ノ集会ヲ解散スルコトヲ得　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│第２項　結社ニシテ前項ニ該当スルトキハ内務大臣ハ之ヲ禁止スルコトヲ得　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│此ノ場合ニ於テ違法処分ニ由リ権利ヲ傷害セラレタリトスル者ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得　　　　　　　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│第１４条　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│秘密ノ結社ハ之ヲ禁ス　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│第２８条　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│秘密ノ結社ヲ組織シ又ハ秘密ノ結社ニ加入シタル者ハ６月以上１年以下ノ軽禁錮ニ処ス　　　　　　　　　　　　　　　.│
└───────────────────────────────────────────────┘


　　　　　　　 　 ,　'´￣￣｀ ｰ-､
　　　　　　　 ／　　 〃" ｀ヽ､　＼
　　　　　　 /　/　 ﾊ/　　　　 ＼ﾊﾍ　　　　　　政治結社（政党）は内務大臣の権限で解散できることができたので
　　　　　　 |i │ ｌ |ﾘ　　　　　　 }_}ハ
　　　　　　 |i　|　从 ＼　　　　／ｌ小N　　　　　事実上「社会主義」「共産主義」政党は作れない状態だったにょろ。
　　　　　　 |i （|　　i ●　　　 ● lｉ|ノ
　　　　　　 |　 i ⊂⊃　､_,､_, ⊂ﾉi|　　　　　　　だから共産党は「秘密結社」として日本に存在してたんだにょろ～
　　　　　　 | 　l　　x＞､ __,　イｌ　|
　　　　　　 |　 ｌくﾐヽ::::ﾍ三l:::::ﾉl　lヽ
　　　　　　 |　 l( ⌒ )..::::V::／　( ⌒ )

┌─────────────────────────┐
│警察の検挙資料による、当時の日本共産党組織図　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│【組織部長】　渡辺政之輔　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│【労働組合部長】　鍋山貞親　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│【宣伝扇動部長】　市川正一　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│【無産者新聞主筆】　佐野学　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│【事務局】　水野成夫　喜入虎太郎　　　　　　　　　　　　　　　 │
│【印刷局】　斉藤久雄　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│【【赤旗編集長】　西雅雄　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│【中央委員】　中尾勝男　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│【中央委員候補】　松尾直義　杉浦啓一　三田村四郎　　　　.│
│【レポーター】　小西茂国　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
└─────────────────────────┘


　　　　　　　 ./: /: : :/:.:.／　　　　　　 ヽ:.i: : : : ヽ: : : ハ
　　　　　　　/: /: : :/: :/ 　 　 　 　 　 　 i:i: : :ヽ:.:.i: : : : ::
　　　　　　 .′:!: : : {: :′　　　　　　　 　 i:}､: : i|: :i:.i: : : :i　　　で、「日本共産党」というのは非合法組織だったので
　　　　　　 .:/i:i: : : :|:{ ､_＿ ／　 　 ＼ _＿ ヽ:.i|ミi:.|: : :.:|
　　　　　　.i:ﾊi:{: :.:.:.i.ヽ＿　､ 　　　　 ´　　　.V |: :i.:|: : : i　　　ようは秘密組織・地下組織でした。
　　　　 　 .i:{i:iハ:.:.:.i,ｲ'示:えﾐ. 　 　 　 ィﾆ:示ヽ|:/:.:|: : : |
　　　　　　.i:{:,':i: :V小 {:r':.:.:.i　　　　　　{r':.:.:.:i i}: : :.|: : : i　　　幹部以外はその全容がわからないぐらいで
　　　　　　 λ:i: : iハ　ヽニ:'　　　 　 　 っ:.:./ .i: : : |}: : :i
　　　　　　/: /i: : |: ::.　　　 　 　 ’ 　 　 ｀¨´ ./: : :.:|: :.:i:{　　　やる夫自身も、もちろん知らなかったみたいなんですが
　　 　 　 /: /:.i: :.:|:i:八　　　　 . --､　 　 　 ./: : : :/: : :i:.:.
　　　　 ./:.ｲ:.: |: : :i|: : へ　　　　￣　　　　.ｲ: : : :./: : : : ハ　　人物を介して「中央」と連絡を取ってたみたいなんですね。
　　　　/:/..i:.:._|.:-‐|: : : i. ./:i　. 　 　 .　イ i/: : : /ヽ: : : : :ハ
　　　 ,':ｲ . |ｲ{:::{　 |: : : |. i　ﾍ　｀¨ ´　　' /: : :.;ｲ　　 }:ヽ:.:.ハ　党員も400人ぐらいしかいなかったみたいで。
　　　 {:i　/. i.|::::|　.|: : : |. |　　　　　　　 /: : :./:.|　　 i:::::|. 〉､:',
　　　 |:i { / i.|::::|　.|: : : |. |､　　　　　　/: : : / : | 　 /:::://　}:.i

　 　 　 　　　　　　　　　,　-‐ r ─― 、
　　　　　 　 　 　 　 ／　　 /　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　 /／ ,=vｼ＝=　、 ヽヽ ヽ　　　共産党は「鉄の結束」によって固められてて
　　 　 　 　 　 　 // //　　　　　ヽ ヽ !　l　l
　　　　　　　　　〃{ i{ {‐-､　　　ィ尢ﾊl　i|　|　　　軍隊のような組織だったんです。
　　　　　　 　 　 {仆　f ＿　　 　 ＿　| 　|　|
　　　　　　　　　　 |ﾊﾑ ￣　,　　 ￣　l　 |）l|!　　　「細胞」というグループに分けられていて
　　　　　　　　　　 ｌ `∧　　r‐‐v 　　li　 l l |l
.　　　　　 　 　 　 ,' 　i　ゝ､ ヽ ノ　 ｨ'l 　 ｌ　l !　　 本当、結束がすごかったんですね・・・
　　　　　　　　　 /　 ,'　 ｌ　_}>‐匕!_ /　 ,'l　l |
　　　　　　　　　/rt/ 　 ィf＜ _ _ ｀/　 /_j　| l
　　　　　　　　ノ |l/ 　 ,' llﾆﾆ二ﾆ/　 /　 ＞､|

┌──────────────────────────────────┐
│やる夫と付き合いが深い三田村四郎などは、日本共産党の幹部であった。　　　　.│
└──────────────────────────────────┘

　　　　　　　　,　　-- ── -- ､､
　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　／　　　　　　　　　　　　ヾ　＼
　　　　 /　　　 　　　　　　　　 ヾ　　　 ヽ　　
　　　　 |　 　　　　人 lヽ　　　i　 　　　　 |
　　　 ｜　　　　ノヽ　ヽ ＼　 ヽ　 i 　 　　|　
　　　　|　　 ﾉ/_,--ﾆ'､_　　 _｀ﾆﾆ-､ｿ.　　 |
　　　　ヽ　　（　<`ｰ'ﾝ　　 ´､`ｰ'´> i ノ、 l
　　　　　）　　l　　￣　 /l　　　￣　ν ﾉ/
　　　　　ノ　　 ﾌ､　　 ヽ､,　　　　　ノノ （..　　　
　　　　　ゝ　　　.ﾉ　　　---　　 　ゝ　　 〃　
　　　　　＼ 　　　ヽ., 　〝　　　λ､ 　　 ﾉ　 　
　　　　　　ヽ、厂　|-　 ―　 -|l　⌒l シ
　　　　三田村四郎（第二次共産党の設立大会に参加している中心メンバー）


　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ,,....　....,, _
　　　　　　　　　　　　　　,　'"　　　　　　 ｀ ' -.、
　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　 　 , '　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ
　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　 　 　 　 　 　 , '　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　　　　／　　　　　　　　 lﾊl l　 !l　! ヽ　　　　　　l
　　　　 _,. '´　 .／　　　,.-.l　 /ヽヾ_Ni l |l', ﾘi　　　　　 !
　　　　 ';　　／/　 ./,　i ('l. l l!.　ヽｧﾃミ ､ ' ﾉ-‐ｸﾚﾉ.ﾉ l
　　　　　', / ./ 　 〃　 ヾ.|. l ll　　 ｀　　　　r'tﾃｧ/./　 !
　　　　　 ヽ､!　　 i,'i　　 ! i、! ',､ 　 　 　 　 l　　/　　　ヽ
　　　　　　　 ＼ ,'.!i l　l .ll ,ヽ｀ヽ.　 　 ､ __''"　./ !　　　ヽヽ
　　　　　　　　　｀ヾ.,l._,,,_l,ィ'　 　 ､　　 ｰ　 ／.ヽ!. _ ,.!''"´
　　　　　　　　　 　 i=ｰ-_ ,_'ｰ-- .､ヽ_...ィｰ'=,､ .r '
　　　　　　　　　　　!　　　｀ ''￣ｰ＝,'iー‐:1r''l_,.!
　　　　　　　　　　　　妻　九津見房子

┌───────────────────────────────────┐
│やる夫と京都で一緒に行動することが多かった谷口善太郎は　　　　　　　　　　　　　 .│
│京都の共産党の一人で、これがやる夫と共産党との連絡係だったようである。　　　...│
└───────────────────────────────────┘

　　 　 　 　　　＿＿＿_
　　 　 　　　／　　　　　＼
　　 　　　／　⌒　　　⌒　＼　　　　　　　いやぁ～やる夫さんにはいつもお世話になってますよ。
　　　　／ 　 （●） 　（●）　　＼
　　 　 |　　　　　 __´___　　　　　|
　　　　＼ 　　 　 `ー'´ 　　　／
　　 　　ノ　　　　　　　　　　　＼
　　　谷口善太郎（労組評議会　京都の共産党の責任者）

┌────────────────────────┐
│「やる夫と共産党の関係」については　　　　　　　　　　　......│
│1927年(昭和2年)春に谷口とこういう会話をしている。　　　│
└────────────────────────┘

　　 　 　 　　　＿＿＿
　　 　 　　　／　　　　 ＼
　　 　　　／　ノ　　　 ヽ　＼　　　　　やる夫さん、共産党の党員になっていただけませんか？
　　　　／ 　 （●） 　（●） 　＼
　　 　 |　　　　　 　´　　　　　　|
　　　　＼ 　　 　　⌒ 　　　　／
　　 　　ノ　　　　　　　　　　　＼



　　　　　　＿＿＿
　　　　／　　 　 　 ＼　　
　　 ／　　　　　 　 　 ＼　　　　　・・・今ただちに真実の左翼戦線に投ぜよと言われても
　／　　　ノ　 ヽ､_　　　 ＼
　|　　 （ ●）　（● ）. 　 　 |　　　それはちょっと困るお。ただ、厳重なる規律を持って
　＼ ｌ^l^lｎ__人__)　 　　 ／
　 ／ヽ 　 L⌒ ´　　　　　　　　　仕事を与えてくれるなら、それは立派にやるつもりだお。
　 　 　 ゝ 　ﾉ

　　 　　　／￣￣￣＼　　　　　　　　一生の仕事と考えている生物学の仕事を
　　　　／　＿,　、＿　＼
　　 ／　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　捨てるわけにはいかないけど
　　 |　　　　（__人__）　　　　|
　 　＼　　　 ｀ ⌒´　　　 ／　　　　　左翼運動勃興の今日、それから逃げるのも避けたいお。




　　　　 　 ／￣￣￣ ＼
　　　　 ／　ノ　　　　ヽ　＼　　　　　なるほど・・・わかりました。
　 　 ／ 　 （ー） 　（ー）　　＼
　 　 |　　　 　　__´　_　　　 　 |　　　それは仕方ないですね。
　 　 ＼　　 　 　 ￣　　　　／
　　 　ノ　　　　　　　　　　　＼

┌────────────────────────────┐
│この頃からやる夫は「インテリの責任」として　　　　　　　　　　　　　　.│
│様々な無産階級の政治団体に代表や委員として関わっており　　　..│
│「頼まれたら断れない」状態になってた。　　　　　　　　　　　　　　　......│
└────────────────────────────┘

　　　　　 ／￣￣￣＼
　　　　／　ノ　　　 ヽ　＼　　　　　　こんなに無産階級の政治活動してたら
　　 ／　　（●） 　（●）　＼
　　| 　　 　　　　´　 　　　　|　　　　　共産党がやる夫さんをほっておくわけがないでしょ。
　　＼　　 　　 ｰ=‐'　　　／
　 　ノ　　　　　　　　　　　＼　　　　　いずれ、入党してもらいますよ。

┌────────────────────────────────────────┐
│労働農民党は実質は共産党傘下の合法組織であった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│労農党の党員や支持者のほとんどが、共産党と何らかのつながりを持ってたからである。　　　　.│
│そのため、労農党内部では「容共」「反共」の二派があった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
└────────────────────────────────────────┘

【やる夫などの大多数の容共派】
　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　　共産党と関わって何が悪いんだお？
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |　　　　　無産党のほとんどが共産党に何かしら関わってるお。
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼　　　　　それに、やる夫は共産党の傀儡じゃないし、党員でもないお。



【水谷などの少数の反共派】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:.:.:.:.ｲ:.:.:.:.＼:.:.}}:.::.｝＼:.寸:.:.:.川
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}:.:./从､:.:.:.:､マト､:.:.:/ﾑ:.i:.:.:/:.l:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:Ⅵ:i:.:. ﾄ､:.{:.:ミx ,x==ﾐ=}:|:./:lト､
　　共産党は革命を目指す恐ろしい政党だ。　　　　 寸:.:人ｎト､　 {{ ｎ　 >/ｲ/i:.i:.{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　寸≧¨!　　　 `￣´/ /　|:从
　　社会民主主義・民主主義を否定している。　　　　　 `　V　 _ 　 　 　 　 　 |/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ー-　　 __
　　政府にもにらまれてるから　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＼ﾆ.ィ ｀ヽ　　　　 ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽヽ{{　　i!　　 .／
　　あんなのと関わるのはやめろ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　寸 ー '　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 廴＿　ｨヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　 ＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r≠-一

┌───────────────────────────────────┐
│やる夫自身も、共産党検挙後社会復帰していた山川均や堺利彦などの　　　　　　　...│
│元第一次共産党のメンバーで「労農派」と言われる人物たちと活動していた。　　　......│
│その労農派は労農党に参加していたのである。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│前回の「議会解散請願運動」も、運動員に共産党の指導を受けた者が多数いて　 　 │
│事実上共産党の指導だった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
└───────────────────────────────────┘


　　　　　　＿＿＿＿　　
　　　　／　　⌒　　＾＼　　　　　議会請願運動に参加したくれるような人は
　　 ／　　（ ●） 　（●）　
　／　　::::::⌒（＿人__）⌒ヽ　　　共産党関係者ぐらいしかいなかったんだお。
　|　　　　　　　|r┬-|　　　|　　
　＼ 　　 　 　　`ー'´　 ／　　　まぁそういう活動してると、自然とそういう人たちと付き合うことになるお。

┌────────────────────────────┐
│労農党は中央集権体制ではなく　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│地方の組織が集まった政党であったから　　　　　　　　　　　　　　　　│
│共産党の影響が強い地方だと共産党色が強かったのである。　　　.│
└────────────────────────────┘

　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　 |　 　　( ●) （●)　　　　まぁ、共産党の影響が強いのは前からわかってたから
　　　　 .|　 　　 （___人__）
　　　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　容認するしかないな。
　　　　　.|　　　　　 　　|
　　　　　人　　　　　　丿　　　　左派の無産党だから仕方ないだろ。
　　　/⌒　 ＼ __ _ ／
　　 /　　　　　　　＼
　 ./　　人　　　 ./　ヽ
　〈　　<　 　 　 / ＼　＼

┌───────────────────┐
│そのため、無産党同士でも争っていた。　　......│
└───────────────────┘

: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|＼: : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .|:::::＼: : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : ＿＿: : : : :　＿＿_ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|:::::::::::＼: : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : :＼ 　 ＞-＜　　 ／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :・: i!:::::´ ￣`ヽi!＿；＿＿＿
: : : : : : : : : : : : : : :Y:::::::::::::::::::::Y : : : : : : : : : : : : : : :＿ : : : : : : : : : : : : : : ／::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::／ :
: : : : : : : : : : : : : : : :|::::::::::::::: ;;,;;ヽ　 　 ＿ -―＝￣:::::￣`ヽ : : : : : : : : : : i!::::::::::::::::::::::::;;::.:.､|::::::／ : : :
: : : : : : : : : : : : : :ﾉ￣￣ヽ::::三￣￣￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::　; : : :’； : : : : : '":::::::::::::::::::::::::::::::;;|／ : : : : :
: : : : : : : : : : : :／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ,;’ : : : :∴　,’　 !､_,::::::::::::::::::::::::／ : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : :/:::::::::::::::::::::::::::::::::::_＿＿ ,-―ニ二三＿'" : : : : : : :＿＿,,;；;,`-､:::::::::i!＿／ : : : : : : : : :
: : : : : : : : : :/:::::::::::::::::::::::::::::::::ノ´￣￣ : : : : : : : : : : : : : : : : : : ／´:::::::::::::::￣'；::::::::::::::::::｀ヽ : : : : : : : : :
: : : : : : : : :/::::::::::::::::::::::::::::::::/ : : : : : : : : : : : : : : : : : :,-―‐､／::::::::::::::::::::::；:::::::・:::::::::∴::::::: | : : : : : : : : :
: : : : : : : :/::::::::::::::::::::::::::::::::/: : : : : : : : : : : : : : : : : : :｢　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::；;:::::::::::::::::::::: | : : : : : : : : :
,二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二}:::::::::::|:::::::::::::::r:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. |二二二二二
: : : : : : :|::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::,/::::::::::: | : : : : : : : : :
: : : : : : :|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ : : : : : : : : : : : : : : : : :|::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::/|:::::::::::::::| : : : : : : : : :
: : : : : : :|::::::::::::::::::::::ｒ､::::::::::::::::::::＼ : : : : : : : : : : : : : : :ヽ::::::::::::::ノ:::::::::::::::::::::::::::::::/ヽ!:::::::::::: |: : : : : : : : :
: : : : : : :,}::::::::::::::::::::/ :＼::::::::::::::::::::＼ : : : : : : : : : : : : : :`ー-‐":::::::::::::::::::::::::::::::::i : : ヽ＿_,ノ: : : : : : : : :
: : : : : :/::::::::::::::::::/ : : : : ＼::::::::::::::::::::ヽ : : : : : : : : : : : : : : :/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}: : : : : : : : :: : : : : : : : :
: : : : :/::::::::::::::::::/ : : : : : : :｀ｧ:::::::::::::::::::! : : : : : : : : : : : : :／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/: : : : : : : : :: : : : : : : : :
: : :／::::::::::::::::::ノ : : : : : : : :/::::::::::::::::::/ : : : : : : : : : : :／::::::::::::::::::::::,､:::::::::::::::／: : : : : : : : :: : : : : : : : :
　　【日本共産党シンパ（容共）】　　　　　　　　　　　　【社会民主主義者（反共）】
　　　労農党　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　社会民衆党など

　　　　　　　 　 ,　'´￣￣｀ ｰ-､
　　　　　　　 ／　　 〃" ｀ヽ､　＼　　　　　　　前回紹介したとおり、無産政党内部での争いがあり
　　　　　　 /　/　 ﾊ/　　　　 ＼ﾊﾍ
　　　　　　 |i │ ｌ |ﾘノ　　 　 ＼}_}ハ　　　　　　3つぐらいの右派・左派の政党に分裂したので
　　　　　　 |i　|　从 ●　　　 ● ｌ小N
　　　　　　 |i （|　⊂⊃　､_,､_, ⊂lｉ|ノ　　　　　　こうして、労農党は左派が集まる政党になってしまったんだにょろ～
　　　　　　 | i⌒ヽ j　　 （_.ノ 　 ﾉi|__／⌒)
　　　　　　 | ヽ 　ヽx＞､ __,　イｌ　|::::ヽ／.　　　でも、「容共」「反共」の対立は少し残ってたんだにょろ。
　　　　　　 |　∧__,ﾍ}::ﾍ三|:::::/ｌ|　|',:::::ﾊ
　　　　　　 |　ヾ_:::ッﾘ :::∨:／　|　| >'''´

┌──────────────────────┐
│やる夫の周りに集まってくる連中のほとんどが　　 　 .│
│共産党シンパという状態だった。　　　　　　　　　　　.....│
└──────────────────────┘


　　　　　もう今の政府には我慢できんねぇぞ！
　　　　　俺らがどんだけ貧しい生活に耐えてると思ってるんだ！
　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　|　　　　　　|　　　 　　/
　　　　　　　　　 　　 　,ｒー ､　　 　　 　 　,ｒ ー ､
　　　 　＼ 　　 　 　 ((⌒　..:::｀)　　　 　 ((⌒　:::｀)　　　　 　 ／
　　　　　　＼　　　　　⌒ｌｌ!ｌ⌒　　　　　　 ⌒ｌｌｌｌ⌒　　　　 ／
　　　　　　　 　　　　 　 ∧ ∧　　　　 　　∧＿∧　　 .
　　 ー　　　 　　 　　 　(ﾟДﾟ#)　 　 　 　(（ ∀　#/ﾞ)　　　　　 　ー
　　 二. 　 　 　　 　 　⊂|　 U　　　　((　｀i　　　 ,ﾉ　))　　　　　二
　　　　　　　　 　　　 　　|　　|～　　　 　(⌒` ,,ノ
　　　　　　／　　　　　 　Ｕ Ｕ　　　　　　　　ヽ,_,,）　　　　　＼
　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　＼
　　　　　　　　　　　　/　　　　　|　　　　　　|　　　　　ヽ
　　　　　　革命でもなんでもいいから
　　　　　　農民と労働者のための政府を作れ！


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.

┌─────────────────────────┐
│水谷が後年指摘する「やる夫の弱さ」は　　　　　　　　　　　　 │
│人（特に弱者）に頼まれると断れない「大衆追随」で　　　　　 .│
│その弱さに共産党がつけこんだと水谷は主張してる。　　 　 .│
└─────────────────────────┘


　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／　　 　 　＼　　　　　　　　労働者は資本家や政府によって、苦しい生活をしてるんだから
　　　／　 _ノ 　ヽ､_　 ＼
　 ／　 /⌒)　　　⌒ﾟo　 ＼　　　　　共産主義者や共産党の活動に関わるのは理解できるお。
　 |　　/　/（__人__）　 　 　 |
　 ＼/　/ 　 ｀ ⌒´ 　 　 ／　　　　　やる夫も協力するお。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.

　　　　　　　 　 ,　'´￣￣｀ ｰ-､
　　　　　　　 ／　　 〃" ｀ヽ､　＼
　　　　　　 /　/　 ﾊ/　　　　 ＼ﾊﾍ
　　　　　　 |i │ ｌ |ﾘノ　　 　 ＼}_}ハ　　　　　ここでちょっと、労農党の綱領を見て欲しいにょろ～
　　　　　　 |i　|　从 ●　　　 ● ｌ小N
　　　　　　 |i （|　⊂⊃　､_,､_, ⊂lｉ|ノ
　　　　　　 | i⌒ヽ j　　 （_.ノ 　 ﾉi|__／⌒)
　　　　　　 | ヽ 　ヽx＞､ __,　イｌ　|::::ヽ／.
　　　　　　 |　∧__,ﾍ}::ﾍ三|:::::/ｌ|　|',:::::ﾊ
　　　　　　 |　ヾ_:::ッﾘ :::∨:／　|　| >'''´

┌─────────────────────────────────────────┐
│労農党の綱領　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│一、我等は、わが国の国情に即し、無産階級の政治的、経済的、社会的解放の実現を期す。　　　 │
│二、我等は、合法的手段に依り、不公正なる土地、生産、分配に関する制度の改革を期す。　　 　 .│
│三、我等は、特権階級のみの利害を代表する既成政党を打破し議会の徹底的改造を期す。　　　....│
└─────────────────────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　_.............._
　　　　　 　 　 　 _　,..:':´::::::::::::::::::::｀ヽ､
　　　　　　　 ,..:'´:::｀:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ.　　　　　　　　最近よく耳にする「既存政党」って言葉がこの時代にあったんですね・・・
.　　　　　　,:':::::::;::::::::::::::::::::::::_:::::｀ヽ､:::::::::::ヽ
　　 　 　 /:::::::/:::;::::: -一　´　｀ヽ::::::ヽ:::::::::::ﾍ　　　　　　 労農党は共産党と違って「合法主義」を取ってたので
　　　　 /:::::::/::/　　　　　　　　___ヽ:::::';::::::::::::ﾊ
　　　　;::::;:::::|:::| ,.-一-　　　　´　　ﾍ:ﾊ:l:::::::::::::ﾊ　　　　　合法的に議会に進出しようとしてたわけです。
　　 　 |:::l::::::l:::|　　 __　　　　　　,.ィ={ﾄjﾊ::::､::::::::l
　　　　ｌ::ﾄ.:::::ヾl、.ﾊ::::::ヽ　　　　 ﾄ.::::::|｀ |::::|〉:::::::|　　　　 議会から世の中を変えようとしたわけです。
　　　　ヾ: l::::::::ﾍ.　 vこﾉ　　,　　 ヽツ　ﾊ::::|:::::::::|
　　　　　 ｀ｌ:::::::::ﾍ、｀¨´　　＿..、　　　/'::::::!::::::::::、　　　　で、非合法の共産党が合法の労農党を利用してたと・・・
　　　 　 　 |::::::l::'‐ﾍ、　　｢　 ｀'| 　 ,.-'､:::::::|::::ﾍ:::ﾍ
　　　　　　 |::::::|:::::::::｀::-､_｀ ｰ '_..イ 　 l:::::::|::::::ﾍ::::ﾍ　　　　あの政党はあくまで議会外での「革命」を目指してましたから。
　　　　　　,:::::::;!::::::::::::::::;::ヽ｀¨´　 |　　|:::::::ド-､::ﾍ::::ﾍ
　　　　　 /::::::/:::l::::::_;r'　　|　　_, ﾍ　　ー-'､　 ｀‐ﾍ::::ヽ　　
　　　 　 /::::::/::::ｌ;r' /,､　/´　/　 ﾉ　　 ,　　 ｰ､　　ヽ:::::ヽ
.　　　　/::::::/::::::!　// l ∧　 | ／ 　 ／　/　 　 ヽ.　 ヽ::::ヽ
　　　 /:::::::/:::::::l.　｀　ヽヽ｀　|l　 ヽ､|　 ｒ′ ／ 　 }ヽ　ﾍ:::::ヽ
.　　 /::::::::/::::::::l　　　　/　　ハ、　　｀ヽ!　/　　/ l　ヽ　ﾍ::::::ヽ

┌───────────────────────────────────────┐
│そもそも、普通選挙法施行で無産階級に投票権が与えられたので　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│無産階級の代表者を議会に送り込める絶好の機会がやってきたのである。　　　　　　　　　 　 .│
│大山郁夫は労農党の委員長になって、無産政党を議会に進出させようとしたのである。　　 　 .│
└───────────────────────────────────────┘


　 　　 ／￣￣＼
　 　／　　 _ノ　　＼
　 　|　　　 （ ー）（ー）　　　共産党のやつらは革命とか言ってるけど
.　 　|　　　　 （__人__）
　 　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　議会に進出する機会が与えられたのに、議会に進出しないで世の中が変わるのかよ。
　 　.ｌ^l^lｎ　　　 　　}
.　　 ヽ 　 L　　　 　}　　　　無産階級の代表者が普通選挙が施行されるのに議会に進出しないなんておかしいだろ。
　 　　ゝ 　ﾉ　　　ノ
　 　／ 　/　　　 ＼　　　　 こんな機会をみすみす逃すわけにはいかないだろ、常識的に考えて。
　 ／　 /　　 　 　　＼
. /　　/　　　　　　|ヽ、二⌒)､
　ヽ＿＿ﾉ
　　　　　大山委員長
（外部から委員長になるよう労農党左派に請われた）


　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　,,,,;;::::::´:::::::::::｀::::::,,,,,
　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　 ,/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::ヽ,
　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ll::l:ヽ,　　　　共産党は非合法だから議会には進出できませんからね。
　　 .l::::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::ヽ;:::::|::::::},ｲ,l:::|
　　 {:::::::::::::::::::::::::::::::::lヾ:＼;;:_ヾ:|:::/(刈l:::|,　　　私達が代わりに合法主義で議会に進出するしかないんですよね。
　　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::| 〃,イ｀ヽ|:/　ヽ｀ll::|
.　　 l;:::::::::::::::::::::::::::::::::| /乂,;;'. ´　　　　 l:|　　　まぁ、そのせいで共産党の影響が強くなるのは否めませんが・・・
　　　ヽ;:::::::::::::::::l::::::::::::|　　　　　　 　 　 l:|
　　 　 ヽ:::::l::::::;-,;:::::::::::| 　　　　　　　´　l:|
　　　　 ゝ::::|:::::ヽ_l:::::::::::|　　　　　　　　/:::|
　　　 　 }:::::|::::::::::::l:::::::::::|｀ー-----一´:::::|
　　　　/:::::::|::::::::::/|;::::::::::|　　　/、::::::|´|::::|
　　　./::::::::::|:::::::/　|;:::::::::ﾄ--,,/〃:::::::| .|::::|-、
　　 /:::::::::::/:::／　　|;::::::::|　 〃。ll:::::::ヽ|:/--l,
.　　|::::::::::/／ lヾ、.　|:::::::|　〃彡,llヾ;:::::/ヽ,　|
　　　　　　細迫書記長
　（共産党に理解のある容共派）

　　　　　 　 　 　 　 　 ,　-‐ r ─―　、
　　　　　 　 　 　 　 ／　　 /　　　　　 ＼　　　　　作品を読む上での大前提として、やる夫は共産主義者ではなかったんですよ。
　　　　　　　　　　 /／ ,=vｼ＝=　、 ヽヽ ヽ
　　 　 　 　 　 　 // //　　　　　ヽ ヽ !　l　l　　　　共産党員は全国で400人しかいないんですが
　　　　　　　　　〃{ i{ {‐-､　　　ィ尢ﾊl　i|　|
　　　　　　 　 　 {仆　f ｨ=ﾐ 　 　 ｨ≠ﾐ 　|　|　　　　それに関係する人間が多数いたわけです。
　　　　　　　　　　 |ﾊﾑﾍr;_j　,　　jr;_ﾘl　 |）l|!
　　　　　　　　　　 ｌ `∧　　r‐‐v 　　li　 l l |l　　　　ここらへんは詳しく語るのは難しいんですが・・・
.　　　　　 　 　 　 ,' 　i　ゝ､ ヽ ノ　 ｨ'l 　 ｌ　l !
　　　　　　　　　 /　 ,'　 ｌ　_}>‐匕!_ /　 ,'l　l |　　　 またそこらへんは後で説明していくとして
　　　　　　　　　/rt/ 　 ィf＜ _ _ ｀/　 /_j　| l
　　　　　　　　ノ |l/ 　 ,' llﾆﾆ二ﾆ/　 /　 ＞､|　　　 選挙戦に物語は戻ります。

┌─────────────────────────────────┐
│この補欠選挙の記録が詳細に現在も残っている。　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│これは、労農党の総選挙のための予行演習のような戦いであったから　　　　　..│
│やる夫は詳細に記録を残し、それを労農党本部に提出してたからである。　　　 │
└─────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::.ヽ
　　　 　 　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
　　　　　　　i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i　　　労農党は素人政党なんだから
　　　　　　　|: : : : : :: : : : : : : : : :.l: : : : : : : : : : :| : : : : : |
　　　　　　　|: :|: : l: : : : : : : : : ヽ:|: 从:斗:‐ｌ: : : |: : : : : ::!　　　やる夫君の選挙戦の教訓を生かして
　　　　　　　|: :|: : ﾄ: : : : :.＼: : : ::!/ ,孑㌣圷､: :l‐ ､: : : :|
　　　　　　　|: :l: : :l: ;斗ヾ: : :＼: :| / 弋z少!: : ::|､　!: : : |　　　それを総選挙での勝利に結び付けないといけないわ。
　　　　　　　}::∧: :|,ｨ孑ﾟ外＼: :ヾ!　　 　 　|: : : |｝jﾉ: : : :|!
.　　　　　　　!: : :ゞi　弋炒　　｀　　　　　　 |: : : |´: : : : : |l
　　　　　　　 }: : : : :ﾍ　　 　　,　　　　　　　|: : : |: : : : : ::,':l
.　　　　 　 　 l: : : : : ::ヽ　　　　　　 　　 　 |: : ::ﾊ: : : : :/: :!
　　　 　 　 　 !: l: : : : :|: ＼　　´ ￣　　 ／|: ::/: : : : ::/: : :',
　　　 　 　 　 |八: : : ::|: : : :＞...　__　イ＿ |: /: : : : : :|: : : ∧
　　　 　 　 　 |: : ヽ: : :!: : : : ﾊ::.::「ｒ‐=く 　 |/: : : : : : :|: : : : :ﾍ
　　　 　 　 　 |: : : ::＼|: : : /　!::ﾘ｝o＿i 　 |: : : : : : : :|: : : : : : :＼
　　　 　 　 　 |: : : : : : : : :/　 ∨ﾉ　　∧　.|: : : : : : : :|: : : : : : : : :＼
　　　 　 　 　 |: : : : : : : :/＿.ｨ'::.|/　/::.:ﾍ .|: : : : : : : :|: : : : : : : : : : :.＼
　　　　　　　r‐'´￣￣´　　　{::.::j　/::.::／｀|: : : : : : : :|｀￣￣￣｀7ー‐ ､
　　　　　　/　l　　　　　　　　〉､:ﾚ_::／　　人: : : : : : :|　　 　　 /　 / 　 i


　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）　　　　俺達は選挙戦なんて経験したことないからな
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　 　　　　 }　　　　 金持ちで被選挙権があるやる夫君が
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　 選挙戦に出てくれて本当助かったよ。
　　　.>　　　 <
　　　|　　　　 |
　 　 |　　　　 |

┌───────────────────────┐
│選挙費用については、こういう記録が残っている。　　.....│
└───────────────────────┘

　　　　　 　 　 　 　 / :..:..:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : .ﾉ : : : : : : : : : .ハ.
　　　　　　　　　　 /..:..:..:..:..:. :.:.: : : : : : ／: : ／:.}. . . . ／: : : .､
　　 　 　 　 　 　 /:..:..:..:..:.. :.: : : : : : ／: : ／ ,勹. . .／.: : : : }:.:.:
　　　　　　　　　/:..:..:..:.:.: rt ､/: : ／/ｰ ´ ｀メ､:.:.／.:.／: : :/: : i　　　　　　やる夫君はお金持ちだから
　　 　 　 　 　 /:..:..:.:..／∧ /: ／: /　{　笊ﾐ彡7: :／: : : :/: : :.:|
　　 　 　 　 ／..:..:..／:..:..レ ／: : / 　 ヽいソ　 ／: ,勹´/ :.:.:.:.ﾘ　　　　　　選挙費用を出すなんて、簡単ですよね？
　　ー─=彡 :.:.:／.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:./ｌ　 　　 ¨ 　 ´ ／ﾊぇ/ : :.:／八
　　　　／.:.:.:.／.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ}　　 　 　 　 　 ､い〃.:／:.:/
　　 ／.:.:.:.／.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:.:／ﾍ　　　　　 　 　 　 　 ,':／:/,イ
　／ :.:.:／.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.入__ 　 丶　　　 　 t_,　　 /: : :./　 |
.:.:.:.:.:／ー=彡 :.:.:.:.:.:. ／　　　＼.　 ＼　　 　 　 ／: : :./} 　ﾉ
.: :／ｰ─=＝彡─‐´--.､　　 　 ＼ 　}＞..._ ,.イ:.:.: : :./:.|／
.:".:.:.:.:.:.:.:.／　　　　 　 　 ヽ　　　　 ７7 彡".:.:.ｌ : : : / l:.|
.:.:.:.:.:.:.:.:./　　　　　 　 　 　 ﾍ.　　　 ハ／.:.:.／／／|　;ﾘ
.:.:.:.:.:.:.:.ハ 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　}　ﾊ‐‐:.／‐〈　 乂ｲ
.:.:.:.:.:.ノニﾆゝ、　　　　　　 　 　 ＼ハ７ﾊ＼　 　 ＼/ノ
.:.:.イ二二二ﾆﾍ　　　　　　　　　　ﾏニﾍｖﾍﾆﾑ　　　}

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／　 ⌒ 　 ⌒　 ＼
　　　　　　　 　 ／　　（●）　（●）　　＼　　　　　　やる夫はお金を出すつもりはないですお。。
　 　 　 　 　 　 l　 　 ⌒（__人__）⌒　 　 ｌ　
　　　　　　　 　 ＼　　 　 ｀⌒´　　 　 ／　　　　　　出すとしても小額ですお。
　　　　　　　 　 ／　　　 　 　 　 　 　 ＼




　　　　　　　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　 　 　 　 / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
　　　　　　　　　　 ' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.',
　　　　　　　　　　': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.
　　　　　　　　 　 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',　　　　　　　え？
　　　　　　　　　 {: : : : : :|: : : : : : : : :/: : : : : : : : : : :ヽ: :} : : : 八
　　　　　　　　　 |: : : : : :|: : : : : : : : ｉ : : ;ｲ:|;ﾊ.: : : : :.:.}: ﾊ_ : : : ﾐ＼　　　　　じゃあ、どうするんですか？
　　　　　　　　　 ', : : ｉ : :|: : : : : : : : | : / j:.|_,.}: : : : :.:.j/´｣_:|: :i: :ｉ　 ヽ
　　　　　　　　　　; : :i: :._|; : : : : : : : |:/￣|ﾉ_,,ﾘﾍ: : : :圻ﾘﾉ}:|: :|ﾊ|
　　　　　　　　　　i : j: :{　i: : : : : : : :代圻~ｿヽ　 ＼/`"　小:.:.|　!
　　　　　　　　　　}: ﾉ:八　i: : : : : : : |　｀¨´　　　　　 　 /:ﾉ: : :|
　　　　　　　　　　|/: : ::::ヽi::. : : : : : |　　　　　　　　,　/:::::: : : |
.　　　　　　 　 　 /: : : .::::::::::::. : : : :.:.ｉ　　 　 　 　 　 /: ::::::: :.八
　　　　　　　　　/: : : .::::::::::::::::. : : : : :ｉ､　 　 　 ´’／ : : |:: : : : :.'，
　　　　　　　　 ,: : : : ::::::::::::::::::::. : : : 八.＞　,_ .ィ:::::::: : : |､: : : : : ::.
　　　　　　　　,: {: : :.:::::::::::::::::::::::. : : : :iﾍﾞ¨7气!}:::::::::: : |.:{ﾊ : : : : : ，
　　　　　　　　{: |: : :::::::::::::::::::ハ::. : : : i. ∨=斗|::::::::::. :.| :i人: : : : : '
　　　 　 　 　 -┴──…''"＼∧:::. : :.ｉ,/｝　 j!ﾄ､:::::::. :.|: :i.　＼ : : :}

　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　 　 　 ＼　　　　　　そもそも「候補者がお金を出す」という考えが古いんですお。
　　　　　　　 ／　　 ─　　 ― ヽ
　　　　　　／ 　 　（ ●） 　（ ●）'　　　　それでは、今までのように金持ちしか代議士になれないということになるんですお。
　　　　　　|　 　 　 　 （__人__） 　　|
　　　　　　＼　 　　 　 ｀ ⌒´ 　,／　　　　やる夫は金持ちだけど、党員の「カンパ」から選挙費用を出してもらいたいですお。
　　　　　　／　　　　　　ー‐　　 ヽ




　　　　　　　　　　　　　　　　 -―‐……‐-　　 .
　　　　　　　　　　　　..:.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀.:..、
　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....＼
　　　　　　 　 　 '. ..:.:.:.:.:.:.:.:/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. . . .ヽ　　　　　　なるほど・・・
　　　　　　　　/ ...:.:.:.:.:.:.:.:.:′. .:.:.:.:.:.:..:.:/ ..:.:.:.:.:.:/:.:.:.:..　:　: ,
　　　　　　　 .′..:.:.:.:.:.:.:.:.:i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:′..:.:.:／′:.:.:.:..　:　:′　　　　候補者が多額の金を出すということになれば
　　　　　　　　　. ..:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.／　│ |:.:.:.:.:..　:　:'.
　　　　　　　. ..:.:.:.:.:.:.:.:.:/´|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|／__ ｀ヽ|: :|:.:.:.:.:.:.: ': : }ｉ　　　　労農党の候補者は金持ちのブルジョアばかりになりますよね。
　　　　　　　i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{ { |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|､]「、｀刈Ｖ|: /:.:../.:. , .:|
　　　　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.Ｖ'|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| 弋ｚソ　｝ |/ |:./:.／ ..:|　　　　労働者と農民の代弁者がブルジョアだと
　　　　　　　|..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　,}炸kﾊ ..:.:|
　　　　　　　| .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　 代z',:' |ｉ.:.:.:|　　　　ブルジョアの味方になったりするかもしれませんよね。
　　　　　　　| .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| .:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ.:|　　　　　　 {.　/ | ||.:.:.:ｌ
　　　　　　　| .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;.:.:.:.:.ｉ .:.:.:.:|.:|　　　　　　r' ,:′ｌ || : :,　　　 　そういうことを考えるあたりがさすが、やる夫君ですね。
　　　　　　　; :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|ｉ :ｉ: :| .:.:.:.:|.:|　　　-_ 、　.什1: :|| :/
　　 　 　 　 ′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:八:|: :| .:.:.:.:|.:| 　 　 　 ／ :|.|.:| : |ｌ ′
　　　　 　 / . .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/冖iﾄ､j.:.:.:.:.:|.:ト　. _ ／ | .:.:|.|.:l :.:|;
　　　　　 ′. .:.:.:.:.:.:.:.:.:/　　 |　＼ .:.:|.:|/ 　　 　 | .:.:|.l.:.:.:..|
　 　 　 /. . ..:.:.:.′.:.:.: ′　　　 　 ＼|│　　　　│: :| .:.:.:..,

┌──────────────────────────────────────┐
│新聞等で「金持ちの息子のやる夫の選挙資金は多かっただろう」と嫌味を言われたが　　　 .│
│実際、やる夫自身が出したお金は少なく、ほとんどがカンパであった。　　　　　　　　　　　　.....│
└──────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　 　 　　＿＿＿_
　　　　　　　　 　　／　　 　 　＼
　　　　　　　 　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　　　やる夫は衆議院議員にどうしてもなりたいと思ってる
　　　　　　　 ／ 　 （●） 　（●）　 ＼
　　　　　　　 |　 　 　 （__人__）　 　　 |　　　　　　「代議士病」の連中とは違うんだお。
　 　　　　　　＼　 　　 ｀ ⌒´ 　　 ,／
　r､　　　 　r､／　　　　　　　　　　ヘ　　　　　　支持者がお金を出して、選挙活動に協力してくれるから
　ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　 　　　　ヽ
　　＼>ヽ/ |｀ ｝　　　　　　　　　 　　|　|　　　　　やる夫は彼らの為に選挙戦を戦うんだお。
　　　ﾍ　lノ `'ｿ 　　　　　　　 　　　　|　|
　　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|　　　　　代議士になりたくて仕方がない連中とやる夫を
　　　　＼. ｨ 　　　　　　 　 　 　 　　|　 |
　　　 　 　 |　　　　　　　 　 　 　 　 | 　|　　　　　比較するのだけはやめてくれお。

┌─────────────────────────────┐
│今もそうか知らないが　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│この当時、代議士になりたくてたまらない連中がいたのである。　　 　 .│
│それを「代議士病」とやる夫は皮肉った。　　　　　　　　　　　　　　　　......│
└─────────────────────────────┘

　　　　 ;:;:;.
　　　　　;:;:; 　 　 　 　　　　　　　,､-ー-､　　
　　　　　;:;: 　 　　　　　　　　　,r'"´￣｀ヾ､　
　　　　　;:;:.　　　　　　 　 　　 ﾘ ,,, ﾆ ,,,_ ヾﾄ､　　　　　　　代議士（衆議院議員）になるためなら
　　　　 :;:;:;. 　　　 　 　 　 　 ,ﾊ　^7 ,^　　 !.:.＼
　　　　 ;:;:;: 　 　　　　　　　 /.:.:.V,r''''''ゞyｲ.:.:.:.:..ヽ　　　　 どんな方法も使う。
　　　　　;:;:. 　　　　　　　 ノ.:!:.:.:.:｀ゞ-＜7.:〉.:.:.:i.:.:}　
　　　　　从 ＿＿　 _,,,／.:.:/:.:.:.:.:.:| }-{/i.:/.:.:.:.:|.:/ 　　　　お金もじゃんじゃん使うぞ。
　 　 　 从从百円}と_」.:／!.:.:.:.:.:.:.! ￣　ﾘ.:.:.:.:.:り　
　　 　　　　 ￣￣ 　 ￣　 |.:.:.:.:.:./_ ：_＿ヽ.:.:.:.:＼　　　　　選挙民の買収でもなんでもやってくれ。
　　　　　　　　　　　 　 　　＼／.:.::..:.:.:.:.:.:..:＼:.::./
　　　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.「^Y.:.:.:.:.:.:|´
　　　　　　　　　　　　　　 　 {.:.:.:.:.:.:.:.|　,!.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　 　 　　 ＼.:.:.:.:.:.V.:.:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼.:.:.::|.:.:.:.:.:.:.:!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞ 'ゝ─‐ｲ､

　　　　　　　　　　 　 -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　 　 　 　 　 　 ／　／" ｀ヽ ヽ　　＼
　　　　　　　　　//, '/　　　　 ヽﾊ 　､　ヽ　　　　「頼まれたから選挙に出る」というのは
　　　　　　　　 〃 {_{'´　　　 ｀ヽﾘ| ｌ │ i|
　　　　　　　　 ﾚ!小ｌ●　　　 ● 从　|、i|　　　　やる夫らしいと言ったらやる夫らしいにょろ。
　　　　　　　 　 ヽ|l⊃　､_,､_,　⊂⊃　|ﾉ│
　　　　　　　　　　|ﾍ　　 　　　　　j. 　| , |
　　　　　　　　　　|　/⌒l,､ __,　.イァト|/ |
.　　　　　　　　　 | /　 /::|三/::/／　 ヽ |
　　　　　　　　　 | |　　l ヾ∨:::/ ヒ::::彡,




　 　 　 　　　　　　　　　,　-‐ r ─― 、
　　　　　 　 　 　 　 ／　　 /　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　 /／ ,=vｼ＝=　、 ヽヽ ヽ
　　 　 　 　 　 　 // //　　　　　ヽ ヽ !　l　l
　　　　　　　　　〃{ i{ {‐-､　　　ィ尢ﾊl　i|　|　　　　嫌な事を断れないところもやる夫らしい・・・
　　　　　　 　 　 {仆　f ＿　　 　 ＿　| 　|　|
　　　　　　　　　　 |ﾊﾑ ￣　,　　 ￣　l　 |）l|!　　　　で、また選挙に戻ります。
　　　　　　　　　　 ｌ `∧　　r‐‐v 　　li　 l l |l
.　　　　　 　 　 　 ,' 　i　ゝ､ ヽ ノ　 ｨ'l 　 ｌ　l !
　　　　　　　　　 /　 ,'　 ｌ　_}>‐匕!_ /　 ,'l　l |
　　　　　　　　　/rt/ 　 ィf＜ _ _ ｀/　 /_j　| l
　　　　　　　　ノ |l/ 　 ,' llﾆﾆ二ﾆ/　 /　 ＞､|
　　　　　　 ／　 / 　 /. ├ ￢ｰ/　 / ／／　ヽ

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 　 　 　 やる夫が選挙で掲げた政策集　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ┃
┃ 　 　 　 （長いので別に読まなくていいです）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　┃
┃ 　 　 　 【政治】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ┃
┃ 　 　 　 一、普通選挙の徹底　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
┃ 　 　 　 二、議員選挙費用の国庫道府県市町村負担　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　┃
┃ 　 　 　 三、無産階級運動抑圧諸法令の改廃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ┃
┃ 　 　 　 四、植民地に於ける差別の撤廃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
┃ 　 　 　 五、軍備の縮小と兵卒待遇の改善　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
┃ 　 　 　 六、戦争廃兵に依る本人並びに家族の窮乏に対する国家不要の実施　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ┃
┃ 　 　 　 七、税制の根本的改革、特に日用品の消費税及び関税の撤廃と財産税の効率塁審賦課　　 　 　 　 ┃
┃ 　 　 　 八、国民外交の確立　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
┃ 　 　 　 九、交通事故特別裁判機関の設立　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　┃
┃ 　 　 　 【経済】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ┃
┃ 　 　 　 一〇、団結権、罷業権、団体契約権の確立　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┃
┃ 　 　 　 一一、耕作権の確立　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
┃ 　 　 　 一二、最低賃銀法の制定　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
┃ 　 　 　 一三、少年及び婦人の夜間労働、坑内労働及び危険作業の禁止　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
┃ 　 　 　 一四、八時間労働制の確立　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
┃ 　 　 　 一五、工場法、鉱業法、海員法等の改正　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ┃
┃ 　 　 　 一六、官公吏、雇員、傭人及び下級俸給者の最低賃銀の制定　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ┃
┃ 　 　 　 失業の防止、団結権確立を基調とする服務規程の制定改廃　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　┃
┃ 　 　 　 【社会】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ┃
┃ 　 　 　 一七、封建的賤視観念に対する糺弾の達成（ようは部落解放運動）　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ┃
┃ 　 　 　 一八、女子の公法上、私法上に於ける差別の撤廃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ┃
┃ 　 　 　 一九、女子人身売買の禁止　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
┃ 　 　 　 二〇、女子教育及び職業に関する一切の制限の撤廃　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
┃ 　 　 　 二一、失業、疾病、災害保険制度並びに無産養老年金の制定　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ┃
┃ 　 　 　 二二、冤罪並びに不当拘束に対する国家の賠償　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┃
┃ 　 　 　 二三、義務教育及び職業訓練期間に於ける一妻の費用の国家支弁　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ┃
┃ 　 　 　 二四、移住権の確立　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

┌──────────────────────────────┐
│この選挙戦の最中にいわゆる「昭和金融恐慌」が発生した。　　　　　　.....│
│政権も憲政会の若槻内閣から、政友会の田中内閣へと交代した。　　　 .│
│そのため、やる夫は財閥や政府批判を繰り返した。　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────┘


　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼　　　　　　銀行救済に使われる国庫5億円は預金者のためではなく
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　銀行や株主や資本家の為に使われるんだお。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　「三菱」の憲政会・若槻内閣、「三井」の政友会・田中内閣
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　危機を利用して、金融資本の統一集中をするなんて見事すぎるお。
　　＼ ／＿＿＿ ／

┌─────────────────────┐
│一レスでわかる昭和金融恐慌の簡単な説明　　　...│
└─────────────────────┘

銀行が危ないという噂を聞いた預金者が銀行に大量にかけつけ
預金者が預金を引き出そうとした。
だが、銀行にはお金が無いので引き出せない。


　　　　 )､.＿人＿人__,.イ.､.＿人＿人＿人
　　　＜´ 銀行に預けた　　　　　　　　　＞
　　　＜´ 預金を　返　し　て　っ　！　 ＞
　　　　⌒ v'⌒ヽr -､＿　 ,r v'⌒ヽr ' ⌒
// // //／::　<　　 ＿,ノ｀' 、ヽ､＿　ノ 　;;;ヽ　 //
///// /::::　　　（y○'）｀ヽ) ( ´（y○'）　 　　;;|　　/
// //,|:::　　　　　（ (　/　　　　ヽ) ）+　　　 　;| /
/ // |:::　 　　　+　 ) ）|~￣￣~.|（ (　　 　 　 ;;;|// ////
/// :|::　　　　 　　（ (||||! i: |||! !| |) ）　 　 　 ;;;|// ///
////|::::　　　　+　　 U | |||| !! !!||| :U　　　;;; ;;;|　///
////|:::::　　　　　　　| |!!||l ll|| !! !!| | 　　　;;;;;;|　////
// / ヽ:::::　　 　 　　| !　|| |　||!!|　　　　;;;;;;/// //
// // ゝ::::::::　:　　　| ｀ー----－'　|＿_／///

　　　　　　　　　　　　 　 ∩＿
　　　　　　　　　　　　　　〈〈〈　ヽ
　　　　　　＿＿＿_　　　〈⊃　　}　　　　ブルジョア政党や新聞どもは何も真実を伝えないから
　　　　 ／⌒　　⌒＼　　 |　　 |
　　　／（ ●） 　（●）＼　 !　　 !　　　　やる夫たち、労農党に何でも聞いてくれお！
　 ／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼|　　 l
　 |　　　　　|r┬-| 　 　 　 | 　／　　　　支配階級がやろうとしてる事を全て「暴露」してやるお！
　 ＼ 　 　　｀ ー'´ 　 　 ／／
　　/　＿＿　 　　　　　　/　　　　　　　　政府は無産階級のために銀行を救済したりなんて絶対しないお。
　　(＿＿＿）　　　　　　/




　　　　　　　　　 　 ＿　　　　　 ＿
　　　　　　　　　　 /＼＼　　　/＼＼
　　　　　　　　/⌒ヽ　 ￣　/⌒ヽ　￣　　　　その話は本当ですか？
　　　　　　⊂ﾆﾆﾆﾆ⊃　⊂ﾆﾆﾆﾆ⊃
　　　　　　　（ﾟдﾟ,,　）　 　（ﾟдﾟ,,　）　　　　　にわかに信じられませんが・・・
　　　　　　　 φヽ　　ヽ　　φヽ　　ヽ
　 　 　 　 　 / 　 `ｕ-ｕ'　 / 　 `ｕ-ｕ'

┌─────────────────────────────┐
│恐慌の煽りを受けて、地方銀行が休業した。　　　　　　　　　　　　　　　.│
│本当に預金を削減された預金者がやる夫の周りに現れだした。　　　...│
└─────────────────────────────┘

やる夫先生、お金を預けていた地方銀行が休業して、預金が削減されました・・・
政府の施策で３・４割だけ返ってきました・・・

　　　　　　　　　　　　/∧＿/∧　　　　　　/∧＿/∧　ｵﾛｵﾛ
　　　　　　　　　　　（(´´ДД｀｀;;)）　　　((;;´´ДД｀｀)）　　ｵﾛｵﾛ
　　　　　　　　　　　//　　　 ＼＼　　　　//　　　＼＼ｵﾛｵﾛ
　　　　　　　　　⊂⊂((　　ヽﾉヽﾉつつ⊂⊂ヽ//　)) つつ　ｵﾛｵﾛ
　　　　　　　　　　　しし(（＿）)　　　　　　(（＿）)ＪＪ



　 　 　　　＿＿＿_　　　　　　　ほら、実際に銀行が休業して、預金が削減されたお。
　 　　　／⌒　 ー､＼
　　　／（ ●） 　（●）＼　　　　支配階級は無産階級を助けてくれたりはしないお。
　 ／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
　 |　　　　　|r┬-/ ' 　　　|　　 税金を投入して無事助けられたのは、銀行株主と資本家だけだお。
　 ＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 ／

┌───────────────────────────────────────────────┐
│この昭和恐慌の数ヵ月後、やる夫の地元では　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│与党・政友会の長田桃蔵代議士と町長が、破綻しそうな休業中の地元銀行から自分だけ100万円を引き出し　　....│
│他の小口預金者の預金が減ってしまったため問題となった。それを労農党が追求していた。　　　　　　　　　　　　　│
│預金者の預金はもちろん削減されたのである。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
└───────────────────────────────────────────────┘

　　　 　 　 　 ＿＿__
　　 　　 　 ／_ノ 　ヽ＼
　　 　 　／ （ ●）　（●）、
　　　 ／::::::::⌒（__人__）⌒＼　　　　　　ほら、全てやる夫が言ったとおりだお。
　　　 |　　 　　　|r┬-|　　　 |　
　　　 ＼ 　 　 　 `ー'´　　／　　　　　　無産階級の預金なんて、あいつらはどうでもいいんだお。
⊂⌒ヽ　〉　　　 　　　 ＜´/⌒つ
　 ＼　ヽ　 /　　 　 　 　 ヽ　/
　　　＼_,,ノ　　　　　　|､＿ノ

　　　　　　　　　　　　　　　　,　-‐―-　＿
　　　　　　　　　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ､
　　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::〃⌒ヽ_::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::{::::ﾄ､　　　 ヽ:ヽ:::::ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 / :::::::::::i::{:l::::!　＼ 　 　}:::j:::::::::}　　　昭和金融恐慌は調べるのがめんどくさかったので
　　　　　　　　　　　 / ::::::: /＾| ::l:八　/　　 ｰｧｲ:!-::/
.　　　　　　　 　 　 / ::::::::: l　 | ::| 　 / 　 　 /　}:l／　　　　「やる夫が高橋是清になるようです」さんを読んでください。
　　　　　　　　　　/ :::::::::::: `ﾆ| ::| "r‐- ､　/　/ :!　　
　　　　　　 　 　 /::::::_x=ﾆて¨| ::ｌ.　ヽ＿y>　 } :::|　　　　　http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12973/1330178789/
　 　 　 　 　 　 /=三=彳　 ヽj ::l　fkー‐┬イ ::: |
＼ ＿_, -'´三彡''　　　ﾉ　　　|::.|>' ∧ :::::ｌ::::| :::: |　　　　　大変わかりやすいです。
　/ =＝￣　　　　　_, ｨj　　　 |:::|ｰ'' ｉ |::::::|::::| :::: |
　{　　　　　　_, -'´　//　　　 /:/ .{　i |::::::|::::| :::: |
__,＞―‐一'/:::::::::∠/　ヽ 　 j:/　ﾉ　i |::::::l:::,' :::: j
　　　　 　 /::::::::://`ヽ_　　　〃rｲ　 i |::::::j/:::::::/
　　　　 　 !::/l:://　　　｀ヽ〃__{/ 　 i |::::::::::::: /


　　　　　　　 　 ,　'´￣￣｀ ｰ-､
　　　　　　　 ／　　 〃" ｀ヽ､　＼
　　　　　　 /　/　 ﾊ/　　　　 ＼ﾊﾍ
　　　　　　 |i │ ｌ |ﾘ＼　　　 ／}_}ハ.　　　　　　　うわ・・・逃げた・・・
　　　　　　 |i　|　从 ○　　　 ○ｌ小N
　　　　　　 |i （|　⊂⊃ ､_,､_,　⊂lｉ|ノ
　　　　　　 | i⌒ヽ j 　 　 　 　　ﾉi|__／⌒)
　　　　　　 | ヽ 　ヽx＞､ __,　イｌ　|::::ヽ／
　　　　　　 |　∧__,ﾍ}::ﾍ三|:::::/ｌ|　|',:::::ﾊ
　　　　　　 |　ヾ_:::ッﾘ :::∨:／　|　| >'''´

┌──────────────────────────────────────┐
│やる夫は農民や労働者と直接会って交流を持ったので　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│この選挙戦は、労農党、そしてやる夫の政治活動としては大成功を収めたのである。　　　....│
└──────────────────────────────────────┘


　　∧＿∧＿∧∧＿∧∧＿∧＿∧
　 （　´∀｀）∀｀）　´∀｀） ´∀｀）∀｀）　　　　　　　やる夫先生の話はすごくわかりやすい。
　 ∧＿∧∧＿∧＿∧＿∧∧＿∧＿∧
　（　´∀｀）　´∀｀）∀｀）∀｀） ´∀｀）∀゜）　　　　　政治に興味を持つようになりましたよ。
　（　つて ）　　　 ）　　 ）　　） つて ）　　）
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣



　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／_ノ 　 ヽ_＼
　　　／（ ＞） 　（＜）＼　　　　　　　　ようは国民に政治に関心を持ってもらう必要があるんだお。
　 ／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
　 |　　　 　|r┬-/ 　 　　　|　　　　　　その点では、やる夫の選挙戦は大成功だったんだお。
　 ＼ 　 　 `￣'´　　　 　／

┌─────────┐
│選挙戦の結果　　　.....│
│　　　　　　　　　　　　....│
│政友会　4843票　　.....│
│憲政会　2322票　　.....│
│やる夫　　489票　　　.│
└─────────┘

　　　　　　　　　　　　 　　　　 ＿＿ ＿
　　　_,rｰく´＼　 , --､　　　／⌒　　⌒ ＼　　　　　　この結果をみて、ある人はやる夫をあざけり
　,-く ヽ.＼ ヽ Y´　／ 　 ／（●）　 （●）　＼
　{　-!　l _｣_ﾉ‐′/ 　 ／ 　 　（__人__）　　　 ＼　　　 ある人は驚愕し、またある人は怯えたお。
　ヽ　ﾞｰ'´ ヽ　　/　 　|　 　 　. `Y⌒y'´　　　 　|
　　ゝ、　　ﾉ_ イ　　　 ＼ 　 　 ゛ー ′　　　,／　　　　ブルジョアどもに衝撃を与えたのは事実だお。
　　　 ヽ　　 　 |　　　 　/　　　　ー‐ 　 　 ヽ

※この選挙は制限選挙であるため、やる夫に投票したのは裕福な農民と自作農者と商人だった。

　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　, ヘｰ‐- ､　　　 ／ヽ　 ／　＼
　 -‐ノ .ヘー‐-ｨ　　／（●.） 　（● ）ヽ　　　　・・・ということで、数百人以上の労働者農民が献身的に
　''"/／ヽｰ､ 　ﾉ .／:::⌒（__人__）⌒::::::ヽ
　 /／＾＼ 　ヾ-､.|　　　　|r┬-|　　　　 |　　　やる夫のために選挙戦を闘ってくれましたお。
,ノ 　 ヽ,_　ヽノヽ_)＼　　　`ー'´　　　 ／
/　 　 <＾_,.ｲ `r‐'ﾞ ::::ヽー‐-..､　　,..-‐|、　　　　これは選挙戦の報告書ですから、これを教訓にしてくださいお。
＼＿＿_,／|　 !　　::::::l、:.:.:.:.:.ヽ /:.:.:.:.| ＼




　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　|　　 　（ ⌒）（⌒）　　　　いや、すまないね、やる夫君。
　 　 　 　 　 |　　 　　（__人__）
　　　　　　　 |　　 　　 ｀ ⌒´ﾉ　　　　とても、助かったよ。
　 　 　 　 　 ,|　　 　　　　　 }
　　　　 　 ／ ヽ　　　　　　 }
　　　　　く 　く ヽ　　　　 ノ
　　　　 　 ＼　`' 　　　 く
　　　　　　　 ヽ、　 　 　 |
　 　 　 　 　 　 | 　 　 　 |

┌──────────────────┐
│報告書の内容は以下の通りである。　　 　 .│
└──────────────────┘

　 　　　　 ＿＿＿_
　　　　／／　 　＼＼　　　　　　　大学で社会主義や共産主義に被れた連中は
　　 ／（ ●） 　（●） ＼
　／::::::⌒　　､_!　 ⌒::::: ＼　　　　労働者の気持ちが全くわかっていないので、全然役にたちませんでしたお。
　|　　　　　'ｰ三-'　　　　　|
　＼ 　　 　 　　　 　 　 ／　　　　これだから「インテリ」は役に立たないんですお。

┌─────────────────────────────────────┐
│この当時、大学生などは「マルクス主義の理論を学べば明日にでも革命が起きる」　　　　.│
│などと言う事を本気で信じており、その理論だけを労働者などに教えようとしていた。　　.....│
└─────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　l丶　　　　/l
　　　 　 　 　 l　　ヽ＿_/　l　　　　　　　　マルクスやレーニンは・・・・
　　　　　　　 /　　＼ 　 　 ヽ
　　　　　　　l'　　 O　　　O　l　　　　　　　共産主義は・・・
　　 　 　 　 l　　　　　　　　　l
　　　　　　　l,　,,,,　(三≡-　l　　　　　　　 お前ら、理解できたか！
　　　　ﾋﾞｼｯ ヽ人　　　　　,/
　　　　　　,-‐ O （　　　　 ヽ　　　　　　　　そんなことでは革命は起こせないぞ！
　 　 　 　 {_j_j_j,) `　　　　 　丶




　　　　 　 　 　 ∧＿∧　　　　　　　　 　 　 　 ∧＿∧
　　∧＿∧　　（　　　・）　　　 　　∧＿∧　　（　　　・）
　 （　　　・）　 （　　　　）　　　　　（　　　・）　 （　　　　）　　　　　　　（何言ってんだ・・・こいつ・・・）
　 （　　　　）　　|　｜ ｜　　　 　 （　　　　）　　|　｜ ｜
　 ｜ ｜ ｜　 （＿∧＿∧　　 　 ｜ ｜ ｜　 （＿∧＿∧　　　　　　（インテリだから、俺達を馬鹿にしてるんだな）
　 （＿（＿_）　　　（　　　・）　　　 ∧＿∧_）　　　（　　　・）
　　　　　　　　　　（　　 　 ）　 　 （　　　・）　　 　（　　　　）
　　　　　　　　　　｜ ｜ ｜　　　（　　　　） 　　　｜ ｜ ｜
　　　　　　　　　　（＿（＿_）　 　 ｜ ｜ ｜　　　 （＿（＿_）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （＿（＿_）

┌─────────────────────────────────┐
│その中には、陸軍大将宇都宮太郎の息子で京大生の宇都宮徳馬がいた。　 　 │
│共産党に入党し、逮捕され、その後右翼に転向し　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│戦後自民党の大物代議士になってる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
└─────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,、　　　　　　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /｜　　　 　 ／/
　　　親父が陸軍大将だけど　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / _⊥ ＿ _ ／　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ´O r‐┐Ｏ｀ヽ/
　　　立派なマルクス主義者ですよ、私は。　　　　　　　　　　　　!　　　|　｜　｣｣_ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　 _|＿_|_　TT ﾉ
　　　いやぁ、マルクス主義は素晴らしい。　　　　　　　　　　　　(´_｀　ー─ｧ- イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ｌ　　　 し'´ l
　　　やる夫先生のお手伝いをさせてください！　　　　　　　　　　　|　　　　 　 |　_　 ,-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 　 |´-二_ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ　r─‐-、 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀´　　　 ｀′


　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／　　 　 　＼
　　　／　─　 　 ─　＼　　　　　　はぁ・・・そうなのかお・・・
　 ／ -=・=- 　　-=・=-　＼
　 |　 　 　 （__人__）　　U 　|　　　　（最近、こういうバカな学生が多すぎるお・・・）
　 ＼　　 　 ｀ ⌒´ 　　　 ／

┌────────────────────────┐
│宇都宮徳馬はこの選挙戦で労働者農民に向かって　　 　 │
│「プロレタリア革命」を叫びまくったらしい。　　　　　　　　 　 │
└────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　／∧　　.　 　 　 ／∧
　　　　　　 　 　 ／　/ λ　　　　 ／　/ λ
.　　　　 　 　 ／　　/　 λ　　 ／ 　 /　 λ
　　　　　　／　　　/　　 λ ／　 　 /　　 λ　　　　　　　　　労働者よ！
　 　 　 ／　　　　/　　　 λ＿＿_./　　　 λ
.　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　革命おこすぞぉぉぉぉぉ！
.　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 λ
　/　　　　　　　　　 O　　　　　　　　　　O　 　 λ
./　　 |　||　| |　|∥　　　　　　　　　　　　　　　　 λ
|　　　|　||　| |　|∥　　　　　|￣￣￣|　　　　　　　 |
|　　　|　||　| |　|∥　　　　　|　 　 　 | 　 　 　 　 　 |
|　　　|　||　| |　|∥　　　　　|　 　 　 |.　　　　 　 　 |
｜　　|　||　| |　| 　 　 　 ／　　　　　|　　 　 　 　 /
　 ＼_ 　||　　|　　　 　 |￣￣￣￣￣|　 　 　 　 /
　　　 ＼　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／



　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼
／ 　　　　　　　　　　＼
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |　　　　（勘弁してくれお・・・）
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

┌────────────┐
│農民からしてみれば・・・　　　│
└────────────┘

　　　　　　　　　 　 ＿　　　　　 ＿
　　　　　　　　　　 /＼＼　　　/＼＼
　　　　　　　　/⌒ヽ　 ￣　/⌒ヽ　￣　　　　革命なんかより、今の生活をなんとかしてくれよ・・・
　　　　　　⊂ﾆﾆﾆﾆ⊃　⊂ﾆﾆﾆﾆ⊃
　　　　　　　（ﾟдﾟ,,　）　 　（ﾟдﾟ,,　）　　　　　俺達は今にも飢え死にそうなんだよ・・・
　　　　　　　 φヽ　　ヽ　　φヽ　　ヽ
　 　 　 　 　 / 　 `ｕ-ｕ'　 / 　 `ｕ-ｕ'

┌─────────────────────────────────┐
│当時の大学生は、マルクス主義の講義を聞いたり、本を数冊読んだだけで　　　│
│マルクス主義に被れたのである。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│それはマルクス主義や社会主義が当時「最新の科学」だったからである。　　　...│
└─────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　,! 　＼
　 　 　 　 　　 ,!＼　 　 　 　 　　! 　 　＼
　　　　　 　 　i　　＼ 　 　 　 　 l　　 　　 ＼,,..__
　 　 　 　 　 ,i′　　,＼___,,--―l　　　 　　　＼::ﾞ'冖ｰi､、　　　　　　　　　　　　こんな素晴らしい学説があったのか・・・
　　　　 　　 i　　　　　:;＼::::::::::..l　　　 　　　　　　　　　 `'‐､、
　　　　 　 /__,..;:ｒ---―-､,..__.　 　　　,;'il:;}　　 　　　 　　　.;:::｀Ｌ_＿　　　　　　 マルクス主義は素晴らしい・・・
　　 ,.:ｆ''""ﾞﾞﾞ´　　　 　 　　　 ､￣ヽ,／／　　　　　 　　　　 ...::::::ｌ;;;:;;::::
　 _/　　　　　　　......　　、 　 ＼／／、　　　　　　　　　 　 ::::::::ﾘ;;:::::::::....　　　　俺は最新の科学を学んだ情強だぜ・・・
／/ 　 　 　 ......:;::::::::::::.　ヽ､＼　ﾞヽ　 ﾍ　 　 ●　　 　 　....:::::::::i';;;;::::::::::::
;;/　　　　::::::::::::;;;;;ﾉ￣＼::　〉　〉ﾞ'、 `ヽ_ﾉ　　　　　　 ......:::::::.;;;:ﾉ:;;;:::::::::::::
/　　　　..::::､__;;ノ;;;｀ヽ_/:　/　/⌒)メ､_ﾉ/　　 　 　 　 .....:::::;;;/;;;:::::;;:::::::::
　　　　　..:::ｲ;;.ヽ::;;;;;;;;;(__ノ　/'"..:::::::::::::/　 ...............:::::::::::;;;,;ノ;;::::::::::::::::
　　　　 :::::::l;;;;;;;;;＼;;;;;;;,.(__ノ;.;:.＼:::::::::/::::::::::::::::::::::::::::;;;;;／;:::::::::::::::::
　　　　::::::::,!::;;;;;;;;;;:.｀ﾞ'-､、　　:::　＼_/::::::::::;;;___,.;-―''"::::::::::::::::::::::::
　 　..::::::::::,!;;;;;:;;;;;:::;;;;;:::;;;;;;｀ﾞ￣'''冖''―--―'";;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::

┌──────────────────────────────────┐
│補足すると、やる夫の周りの京大生に　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│マルクス経済学やマルクス主義を教えていたのは河上肇博士であり　　　　　　　　 │
│当時は大学内での講義は自由だったので、大学生に自由に教授していた。　　　....│
│この講義を聴いて社会主義に被れたのが水谷長三郎であり　　　　　　　　　　　 　 .│
│京大の学生のほとんどが社会主義等に被れてしまった。　　　　　　　　　　　　　　.....│
└──────────────────────────────────┘
　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　 　 ,,,─:ﾞ : : : : :＼
　　　 　 /: : : : :／＾＼: :ヽ　　　　　　　　マルクス経済学とは～
.　　 　 |: : : :／一　　-＼;|
　　　　 |:__:/　<（ﾟ)　 <(ﾟ)|　　　　　　　　 マルクス・レーニン主義とは～
　　　 　（t ' 　　　　　ゝ　|
　　　　 　＾ヽ、　 ヽ_フ 丿　　　　　　　　 ドイツでは～
　ヽ∩　　　 __i`__-__┐´　　　 ∩/＾ヽ
.　 ´ |　　 /＾ ＼; ;∧;/＾ヽ　　 | ｀ヽ ﾉ　　革命が～
　ヽ／＼/ﾞ　i 　　　　D |　＼／＼／
　　　　　　河上肇博士

　　　　　　　　　・
　　　　　　　　　・
　　　　　　　　　・
　　　 　 　 　 ＿＿__
　　 　　 　 ／_ノ 　ヽ＼
　　 　 　／ （ ●）　（●）、
　　　 ／::::::::⌒（__人__）⌒＼　　　　　　　念のために言っておくけど、やる夫は理系だから
　　　 |　　 　　　|r┬-|　　　 |
　　　 ＼ 　 　 　 `ー'´　　／　　　　　　　大学でマルクス主義なんて習ってないお。
⊂⌒ヽ　〉　　　 　　　 ＜´/⌒つ
　 ＼　ヽ　 /　　 　 　 　 ヽ　/　　　　　　 東京の大隈邸時代や、カナダ留学時代に独学で本を読んだんだお。
　　　＼_,,ノ　　　　　　|､＿ノ

┌───────────────────────────────┐
│やる夫の議会解散請願運動や、社研での活動を見て来た若者たちは　　　│
│熱狂的にやる夫を支援していたようであるが・・・　　　　　　　　　　　　　　　....│
└───────────────────────────────┘

　 ＼＼　　　　　共産党万歳！マルクス主義万歳！　　　　 　 　 ／／
　　　＼＼　　　　革命起こすぞ！革命！革命！　　 　　　 　 .／／
　　　 　＼＼　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／
　　　　　　　 _　_∩. 　　　 _　_∩. 　　　 _　_∩. 　　　 _　_∩.
　　　　 　 .(　ﾟ∀ﾟ)彡　　(　ﾟ∀ﾟ)彡　　(　ﾟ∀ﾟ)彡　　(　ﾟ∀ﾟ)彡
　　　　　　(　 ⊂彡. 　　(　 ⊂彡. 　　(　 ⊂彡. 　　(　 ⊂彡.
　　　　 _　_∩. 　　　 _　_∩. 　　　 _　_∩. 　　　 _　_∩. 　　　 _　_∩.
　　　(　ﾟ∀ﾟ)彡　　(　ﾟ∀ﾟ)彡　　(　ﾟ∀ﾟ)彡　　(　ﾟ∀ﾟ)彡　　(　ﾟ∀ﾟ)彡
　　　(　 ⊂彡. 　　(　 ⊂彡. 　　(　 ⊂彡. 　　(　 ⊂彡. 　　(　 ⊂彡.
　　 　|　　　|　 　 　|　　　|　 　 　|　　　|　 　 　|　　　|　 　　|　　　|
　　 　し ⌒Ｊ.　　 　し ⌒Ｊ.　　 　し ⌒Ｊ.　　 　し ⌒Ｊ.　 　 し ⌒Ｊ
　　　　　　（当時やる夫の周りにいた若者の皆様）

┌───────────────────────────────────────┐
│やる夫の周りには、共産党員や支持者、マルクス主義に被れた左翼が多かった。　　　　　　　..│
│だが、途中で転向したりした人間が、やる夫死後に多数出てきた。　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│戦後に自民党代議士になった宇都宮、大臣になった水谷などを　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│1980年代まで生きていた安田は、それらの人物の変わり果てた姿をずっと見てきたので　　　...│
│怒り狂ったように指摘してる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
└───────────────────────────────────────┘

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, 　 ,,,.:-‐,,..... -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　, ::':ﾙ'´:ｰ''´::::≦-
　　　　　　　 　 　 　 　 　　　r''ﾆ、:::::ニ＝-:､::::二ｪｪｯ=-‐
　　　　　　　　　　　　　　　 r'::::::ﾆ-､::::::::ミﾐヽ､::::::::::::::＝ﾆ＿
　　 　 　 　 　 　 　 　　　 /:://:::::ミ､::::::::::::＼ヽ､:::::::::::::＜　　　　　　頭の中だけ赤化していた陸軍大将のバカ息子！
　 　 　 　 　 　 　 　　　　,':::,'::::iヽヽ:::ミ:::::､:::::::::＼:::::::::::::ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /::::!:::::ヽ:ヽ::::::::::`:::::::::ヽ:::ヽ::::::ヾヾ､　　　　　マルクス主義の本を数冊読んだだけの裏切り者の水谷！
　　　　 　 　　　　　　　/"i::::::::::::ｉﾞ_､:::::::::!＼vヽ、:::::::::ヾ:::＼
　　　　 　 　 　 　　　　　 i:;::::l::',:li ｏヽ`ヾi. Y'ｏﾞﾘ､:::::::::::iｰ=ヾ 　　　　流行に踊らされただけのバカ大学生！バカ運動家！
　　 　 　 　 　　　　　　　/ lﾊ::::',ｉﾞー" 　 ′ ー" i:::::::::ヾ､
　　　　　　　　　　 rｲ￣'",ﾆ､!:::::i.　 　　. . 　 　　,':j::lヾﾔ-､_　　　　　そいつらは全員逃げ出した！
　　　　　　　　　／ |　　　l　lｻ!::iヽ 　 . --､ 　,.ｲ::l!';:l　　　 ,ヽ
　　　　　　　　　|〉　!　　　|　l八ﾞ!　＼　￣ .ｨ'　/ｉ! i '!　　　i　i　　　　大金持ちになったり、大臣、自民党の大物議員になった！
　　 　 　　　　／<　';,.　　 l　| ヽゞｬ-､`＝ﾝ　_ｿ, !　i　　　 ,'　ヽ
　　　　　　　 〉ヽ-`'　i!/｀`ｉｰ',　 ｀`-ﾆ_--‐'ﾆ-' ,'　 / ｉ　 / i　i l　　　やる夫兄さんが墓の下で泣いてるぞ！（超要約）
　　　　　　　/ 　' , ,,,i'´!、 l-　ヽ=- -‐-;'''´　　　 　　 ｌ　　, ' ,' .i
　 　 　 　　/　　　ﾞl　i　 'i　j/　 ,..-‐'￣　　　　 　　　 !　/　　　|
　　　　　 /　　　　 ll､ヽt,ｹﾝｪ‐'´　　　　　　　　　　　 ,!'　　　　.|
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　 　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／⌒　　⌒＼　
　 　　　　／（ ●） 　（●）＼　　　　　　　労働者の気持ちを考えるためには大学生は
　　　　／ ::::⌒（__人__）⌒:::: ＼
　　　　|　　　　　|r┬-|　　　　　|　　　　　マルクス主義じゃなくて心理学でも学べばいいんじゃないのかお？
　　　　＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 ／
　　　　　 >　　　　　　　　　<　　　　　　　理論だけ勉強して、労働者に押し付けようなんてバカすぎるお。
　　　　　（　|　　　　　　　 / ）
　　　　　　`|　　　　　　　/'　　　　　　　　「桃栗三年柿八年」労働者の中にとけこんだ指導者がいないと
　 　 　 　 　|　　　ｒ　　/
　　　　　　　ヽ　　ヽ／　　　　　　　　　　この無産運動は成功しないお。
　　　　　　　　>__ノ;:::......

┌──────────────────────────────┐
│これは「実践主義」と呼ばれ、労働者の中にとけこむことであった。　　......│
│ただ、インテリの大学生などがそういうことは得意ではなかったので　 　 .│
│やる夫はそれを問題点として報告してる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
└──────────────────────────────┘

　 　 　　　　　　＿＿＿_
　 　　　　　　／⌒　　⌒＼
　　　　　　／（ ●） 　（●）＼　　　　　　　　　　第三話のカナダ留学をもう一度見てくれお。
　　　　 ／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
　　　　 |　　　　　|r┬-|　　　　　|　　　　　　　　やる夫は労働者の経験があるんだお！
　　　　 ＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 (⌒)
　　　　　　＞　　　　　　　 　 ﾉ ~.ﾚ-r┐､　　　　だから、やる夫は労働者と容易にコミュニケーションが取れたんだお。
　　　　　/　　　　　　　　　 ノ__　 |　.|　|　|　　　
　　　 　 |　 　 　 　 　 〈￣ 　　｀-Lλ_ﾚﾚ　　　　インテリ連中は労働者とまともに話もできないんだお。
　　　 　 |　　　　　　　　 ￣｀ー┬--‐‐´

┌───────────┐
│やる夫の場合は・・・　　　...│
└───────────┘


　 ／■＼　　　　　　／■＼
　（　´∀｀） .|　　　　（ ；´∀｀） .|　　　　　　いやぁ・・・本当に生活が苦しくて・・・
　（　　　　つ|　　　　（　　　　つ|
　｜ ｜　|ﾞ　|　　　　｜ ｜　|ﾞ　|　　　　　　このままだと生きていけませんね・・・
　（_＿）＿）匚フ　　 （_＿）＿）匚フ


　　 　　　／￣￣￣＼
　　　　／ ／ 　 　 ＼ ＼　　　　　　　なるほど・・・それは大変だお・・・
　　 ／　 （●） 　（●）　 ＼
　　 |　　　　（__人__）　　　　|　　　　　やる夫ができるかぎり協力するお
　　 ＼　　　 ｀ ⌒´　 　　／
　　 ／ 　 　 　　　　 　 　 ＼　　　　　何か困ってる事があったら、今ここで言ってくれお

┌─────────────────┐
│労働者農民の話をよく聞いたため　　 　 .│
│やる夫の評判はあがっていった。　　　　..│
└─────────────────┘

【銭湯】

|
|　やる夫って人は良い人なんだって？
＼
　 ￣￣￣￣∨￣￣￣￣￣￣　　　 |　帝大出なのに庶民の話を聞いてくれるんだってさ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣￣￣￣∨￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　|　あの人の話は庶民にもわかりやすくて、面白いよ！
　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　 ￣￣￣￣￣￣￣∨￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　∧ ∧ ／ ＿∫＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　( ﾟДﾟ) .／　　　∧（（∧ 　∫　／■＼～　 ∧目∧　∫∫
　 ／ ||||／　 　ﾟ。（　´∀｀）゜　～（´∀｀　）^~ （´∀｀　）~^ ~^ ~~^
／　　;ヾ"、～～～ ~^ ~~ ^~~。　~^~~^~~~~　　~~^~~~~～～～
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ＬＬＬＬＬＬＬＬUＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬUＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬ
_ＬＬＬＬＬＬＬＬＬUＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬUＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬ
_ＬＬＬＬＬＬＬＬＬUＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬUＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬＬ

　 　 　 　　　　　　　　　,　-‐ r ─― 、
　　　　　 　 　 　 　 ／　　 /　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　 /／ ,=vｼ＝=　、 ヽヽ ヽ　　　　この時代の左翼は
　　 　 　 　 　 　 // //　　　　　ヽ ヽ !　l　l
　　　　　　　　　〃{ i{ {‐-､　　　ィ尢ﾊl　i|　|　　　 「社会主義の理論だけを勉強する学者」
　　　　　　 　 　 {仆　f ＿　　 　 ＿　| 　|　|
　　　　　　　　　　 |ﾊﾑ ￣　,　　 ￣　l　 |）l|!　　　「流行に踊らされた学生」
　　　　　　　　　　 ｌ `∧　　r‐‐v 　　li　 l l |l
.　　　　　 　 　 　 ,' 　i　ゝ､ ヽ ノ　 ｨ'l 　 ｌ　l !　　 「過激な労働者」が多かったんですが
　　　　　　　　　 /　 ,'　 ｌ　_}>‐匕!_ /　 ,'l　l |
　　　　　　　　　/rt/ 　 ィf＜ _ _ ｀/　 /_j　| l　　 やる夫はそれらの左翼とは全く異なっていたんですよねぇ～
　　　　　　　　ノ |l/ 　 ,' llﾆﾆ二ﾆ/　 /　 ＞､|
　　　　　　 ／　 / 　 /. ├ ￢ｰ/　 / ／／　ヽ　 そのため、周囲から一目置かれてました。

　　　　　　　 ./: /: : :/:.:.／　　　　　　 ヽ:.i: : : : ヽ: : : ハ
　　　　　　　/: /: : :/: :/ 　 　 　 　 　 　 i:i: : :ヽ:.:.i: : : : ::
　　　　　　 .′:!: : : {: :′　　　　　　　 　 i:}､: : i|: :i:.i: : : :i　　 共産党を取り締まる政府側も
　　　　　　 .:/i:i: : : :|:{´￣｀ヽ､　　　　　. ィ ￣:.i|ミi:.|: : :.:|
　　　　　　.i:ﾊi:{: :.:.:.i.ヽ＿　､ 　　　　 ´　　　.V |: :i.:|: : : i　　　「共産主義に共鳴するのは新しい学説が好きな学生だけで
　　　　 　 .i:{i:iハ:.:.:.i,ｲ'示:えﾐ. 　 　 　 ィﾆ:示ヽ|:/:.:|: : : |
　　　　　　.i:{:,':i: :V小 {:r':.:.:.i　　　　　　{r':.:.:.:i i}: : :.|: : : i　　　下層民は今の生活が第一で、共産主義に走る傾向は見られない」
　　　　　　 λ:i: : iハ　ヽニ:'　　　 　 　 っ:.:./ .i: : : |}: : :i
　　　　　　/: /i: : |: ::.　　　 　 　 ’ 　 　 ｀¨´ ./: : :.:|: :.:i:{　　　と言ってるとおり、あまり庶民には広がらなかったんですね。
　　 　 　 /: /:.i: :.:|:i:八　　　　 . --､　 　 　 ./: : : :/: : :i:.:.
　　　　 ./:.ｲ:.: |: : :i|: : へ　　　　￣　　　　.ｲ: : : :./: : : : ハ
　　　　/:/..i:.:._|.:-‐|: : : i. ./:i　. 　 　 .　イ i/: : : /ヽ: : : : :ハ
　　　 ,':ｲ . |ｲ{:::{　 |: : : |. i　ﾍ　｀¨ ´　　' /: : :.;ｲ　　 }:ヽ:.:.ハ
　　　 {:i　/. i.|::::|　.|: : : |. |　　　　　　　 /: : :./:.|　　 i:::::|. 〉､:',

　　　　　　　 　 ,　'´￣￣｀ ｰ-､
　　　　　　　 ／　　 〃" ｀ヽ､　＼
　　　　　　 /　/　 ﾊ/　　　　 ＼ﾊﾍ
　　　　　　 |i │ ｌ |ﾘ　　　　　　 }_}ハ　　　つまらないと思いますが
　　　　　　 |i　|　从 ノ　　　 ｀ヽｌ小N
　　　　　　 |i （|　 |　●　　　●　lｉ|ノ　　　やる夫と労農党が選挙中に出した声明文を読んでくださいにょろ。
　　　　　　 | 、|　⊂⊃､_,､_, ⊂ﾉ i|
　　　　　　 |　ヽlヽ＞　､ __　,l⌒ヽ|　　　　作品を進める上で読んでおいたほうが良いと思ったにょろ～
　　　　　　 |　／　＼ヽ::ヾ三|::ｉ 　 ｉ
　　　　　　 | ,ミ_::::コ ヾ､:::∨ﾂ l　　|

【演説会の広告】

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　.┃
┃　普 　 議　　 　 　 　 あ　 　 　 　 　 銀　　　　　　　 民　　　内　 　 　 　 .┃
┃　選 　 会　　 　 　 　 ん　 　 　 　 　 行　　　　　　　 衆　　　閣　 　 　 　 .┃
┃　を 　 .を　　 金　　　な　 　 そ　 　 .の　 　 政　　　の　　　は　 　 　 　 .┃
┃　即 　 解　　 持　 　 不　　 .の　　　戸　　　友　　　利　　　代　 　 　 　 .┃
┃　時 　 散　　 の　 　 始　　 .説　　　が　　　、　　　 益　　　わ　 　 　 　 .┃
┃　実 　 せ　　 手　 　 末　　 .明　　　し 　 　 憲　　　を　 　 .っ　 　 　 　 ..┃
┃　施 　 よ　　..先　　　も　　　は　　　ま　 　 .政　　　裏　　　て　　　　　　.┃
┃　せ　　　　　 .の　　　皆　　 .労　　　っ　　　.、　　　 切　　　も　 　 　 　 ..┃
┃　よ　　　　 　 巣　　　金　　 .働　　　た　 　 .本　 　 っ　　　.貧　 　 　 　 .┃
┃　　　　　　 　 .た　 　 .持 　 . 農　　　　　　　 党　　　た　 　 .乏　　　　　 ..┃
┃　　　　　　 　 .る　 　 .と　 　 .民　　　　 　 　 等　　　　　　　 の　 　 　 　 .┃
┃　　　　　　 　 .議　　　　　 　 .党　　　　　　　 を　　　　 　 　 .苦　 　 　 　 .┃
┃　　　　　　 　 .会　　　　　 　 .員　　　　　　　 葬　　　　　　　 は　 　 　 　 .┃
┃　　　　　　 　 .の　　　　　 　 .に　 　 　 　 　 .れ　　　　　　　 変　 　 　 　 .┃
┃　　　　　　 　 .せ　　　　　 　 .聞　　　　　　　 ！　　　　　　　 わ　 　 　 　 .┃
┃　　　　　　 　 .い　 　 　 　 　 け　　　　　　　　　　　　　　　　 ら　 　 　 　 ..┃
┃　　　　　　 　 .だ　 　 　 　 　 ！　　　　　　　　　　　　　 　 　 ぬ　 　 　 　 .┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　.┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　.┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　.┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

┌──────────────────────────────────────────────┐
│政友会内閣反対声明書　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│我党は断乎として政友会内閣の出現に反対する。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│（一）憲政会に代わって政友会内閣が出現したが、一見憲政の常道を踏むものの如くである。　　　　　　　　　　 .│
│だが現在に於いては、憲政の常道なるものは、金融寡頭政治支配の欺瞞粉飾以外の何物でもない。　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│（二）政友会内閣が真実に民衆の意思を代表するものに非ざることは、憲政内閣と何も変わらない。　　　　　 　 │
│ひとしく金融寡頭支配の代理人として、政友会内閣は憲政内閣の延長である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│新内閣に景気挽回を期待するがごときは全く見当違いである。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│（三）政友会内閣出現の使命は、支那国民革命運動の積極的干渉と我国無産階級の徹底的弾圧である。　 　 .│
│シベリアに出兵し、多額の軍事機密費を支出し、支那侵略の急先鋒となり　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│治安維持法の制定者たりしものは政友会内閣ではなかったか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│新内閣は極端なる反動政策の遂行者として出現したのだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│我党はかくの如き反動内閣の出現にあくまで反対する。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│我等は議会の即時解散、普選の即時断行、普選に依る臨時議会の召集を要求する。　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│我国全被抑圧民衆の真実の要求は、実にここにあるのことを　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│我党は固く信ずるものだからである。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│反動内閣に断乎として反対せよ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│議会の即時解散をあくまで要求せよ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│昭和二年四月十九日　労働農民党本部　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
└──────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　 ./: /: : :/:.:.／　　　　　　 ヽ:.i: : : : ヽ: : : ハ
　　　　　　　/: /: : :/: :/ 　 　 　 　 　 　 i:i: : :ヽ:.:.i: : : : ::
　　　　　　 .′:!: : : {: :′　　　　　　　 　 i:}､: : i|: :i:.i: : : :i　　　ここから「反動」「田中反動内閣」と言う言葉が出てきます。
　　　　　　 .:/i:i: : : :|:{´￣｀ヽ､　　　　　. ィ ￣:.i|ミi:.|: : :.:|
　　　　　　.i:ﾊi:{: :.:.:.i.ヽ＿　､ 　　　　 ´　　　.V |: :i.:|: : : i　　　反動と言うのは「反社会改革」であり
　　　　 　 .i:{i:iハ:.:.:.i,ｲ'示:えﾐ. 　 　 　 ィﾆ:示ヽ|:/:.:|: : : |
　　　　　　.i:{:,':i: :V小 {:r':.:.:.i　　　　　　{r':.:.:.:i i}: : :.|: : : i　　　社会の改革に逆行したり、何もしないことを指すんですね。
　　　　　　 λ:i: : iハ　ヽニ:'　　　 　 　 っ:.:./ .i: : : |}: : :i
　　　　　　/: /i: : |: ::.　　　 　 　 ’ 　 　 ｀¨´ ./: : :.:|: :.:i:{　　　で、やる夫はこの瞬間から死ぬまでの間
　　 　 　 /: /:.i: :.:|:i:八　　　　 . --､　 　 　 ./: : : :/: : :i:.:.
　　　　 ./:.ｲ:.: |: : :i|: : へ　　　　￣　　　　.ｲ: : : :./: : : : ハ　　「田中義一反動内閣打倒」のために戦うわけなんです。
　　　　/:/..i:.:._|.:-‐|: : : i. ./:i　. 　 　 .　イ i/: : : /ヽ: : : : :ハ
　　　 ,':ｲ . |ｲ{:::{　 |: : : |. i　ﾍ　｀¨ ´　　' /: : :.;ｲ　　 }:ヽ:.:.ハ
　　　 {:i　/. i.|::::|　.|: : : |. |　　　　　　　 /: : :./:.|　　 i:::::|. 〉､:',
　　　 |:i { / i.|::::|　.|: : : |. |､　　　　　　/: : : / : | 　 /:::://　}:.i

┌────────────────────┐
│1927年(昭和2年)8月10日　　　　　　　　　　　　......│
│選挙戦が終わって、残務処理をしている中　　.....│
│やる夫の父の亀松が亡くなる。　　　　　　　　　.....│
└────────────────────┘

　　　 　 　 　 　　 　 ＼===========［_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_］===========／
　　　　　　　　　　　 ／三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三＼　
　 　 　 　 　 　 　 　 　 0　│ |∞∞∞ |::|∞∞田田∞∞|::|∞∞∞ | ::|　 0
　　　　　　　　　　　　［二］ | ::| 　 　 　 |::|┏━━━━┓|::| 　 　 　 | ::l ［二］
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┌────────────────────────────┐
│様々な困難を乗り越えて、立派な料亭を作った亀松であったが　 　 │
│病気により68歳で亡くなる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
└────────────────────────────┘

　　　　　　　 |:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|
　 　 　 　 　 |;:;:_:;:_:;:_:;:_;:;_:;:l:;_;:_:;:_:;:_:;:_;:_;|
　　　　　　　|＿＿＿＿＿_|＿＿＿＿＿|
　　　　　　　|　三|　　＿ 　 　 ＿　　 |三 !
　　　　　　　|　三|　 三ｼ　　　ヾ三　 |三 |　　　あのバカが今後どうなるか心配でおじゃる・・・
　　　　　　　|　三′　 .._　　　　 _,,..　 i三 |
　　　　　　　ト､ﾆ|　<でiﾝヽ　 ;'i"ｨでiﾝ |三.|
　　　　　　　', iヽ!　 ､　‐' /　 !､　ーシ |ｼ,ｲ
　　　　　　　 i,ヽﾘ　　　　,' :　 !.　　　　 |ｆ ﾉ
　　　　　　　　ヾ!　　　　i ,､　,..､ヽ　　　lノ
　　　　　　　　　|　　　　　 _　_　　　 ｲ l
　　　　　　 　 　 l　　　 ,ｨﾁ‐-‐ヽ　　i /、
　　　　　 　 　 　 ﾞi､　　 ゝ､二ﾌ′ ﾉ/'"＼
　　　　 　 　 　 　 | ＼　　ｰ一 ／ /　　 _,ﾝ'ﾞ＼
　　　　　　　　　,ィ|､　 ＼　　　　 /_,､-'" _,.-''´ ｀丶､＿_
　　　　　 ＿, イ　 | ヽ＿ 二＝''"　_,. -''´　　"""""´´　 ｀`ｰ

　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.|ヽ
.　　,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.|_,ﾊ
　　,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: 「＞|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　とうとう、亡くなっちゃったわね・・・
.　 ,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::∠__/|:.:.:.:.:/:.:.:.i:/
　/:.:./:.:.:.:.:.:／／/ ハ:.:.:/イノ{
　１/|:.:.:.:.:<／:.:/ /:.:.:.V 　 /
　 |　|:.:.:, ｨ:.:.:.:.:｀ン/:.:.{.__, ′
　　 /イ/￣/＜＿_/ヽ|
　　 , イ　　　　　　 ｀ヽ
　　.| /　　　　/_二二ﾆ＼
,.　´|.ト ､　　// 厂￣￣ヽ!
　　ヽ|_＼｀´/ /　　　　　.{
,　´￣} ｀ヽ´_ｲ　　　　　_,ﾊ



　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　＼　
　 ｏ ○ o´　 _ノ 　ヽ､_　`ｏ ○ o　　　　　　　　　　やる夫は結局、親孝行できなかったお。
.。ﾟ 　 ／ oﾟ/⌒)　 (（＜）)ﾟo＼ 　 ﾟ 。
　　　 |　0 /　/（__人__）'　　0　|　　　　　　　　　　　迷惑ばっかりかけまくったお。
　　　 ＼ /　/　 `― '　 　 　／

　　　　　　 　 .厶／　l:.:.:/:.:./、:.:.:.:.:.:.:.:':.:.:.:.:/:!:.:.:.: ト:.:ヽ
　　　　　　　 /:.:/∧ｲ:.:.:.{:.:/:.:.X:.:.:.:.:./:.:.:.:.ｲ./l:.:.|:.:.|＼ハ
.　　　　　　 /:.://://:.:.:.:.|/_ﾚ1:.:ヽ:ﾙ':.:.／/厶斗|:.:.|ヽ/.:.:.
　　　　　　 i:.:〈/://ﾞ|:.:.:.:.ＫＹf刈｀　}／　´＿ )/ }:.:.|片.:.:.:i
　　　　　　 |:.ｉ.:.〈/「ｌ|:.:.:.:.|　込ｿ　　　　 ｲf刈了/:. 1 l V:.:|　　・・・で、この花やしきをどうするつもりなの？
　　　　　　 |:.|:.:.:.:人|:.:.:.:.|　　　　__　、　込ｿ　/:.ｲ:.| |ｌ_|:.:.|
　　　　　　 |:.|:.:.:.|:.:.:|:.:.:.:.|　 　 /　 ｀7　　 　 ｲ:.:/:.:.!_!:.:.l:.:|　　お父さんが亡くなったら、普通は息子が継ぐんだけど？
　　　　　　 Ⅵ:.:. ! 从:.:.:.:|､ 　 乂＿.′　 　 /:./:.:.:.:/:.:.ﾘ:.:!
　　　　　　　{ﾊ:.:.|:.:.:.:.＼:{:.〕ﾄ　　　　　　.イ/:.ｲ :.:.:/:.:.:/l:.:′　わかってんの？
　　　　　　　 .∧:!:.:.:.:.:.:.:.ヾ|　　 ￣　{:.:.:.:.ｲ:.':.:.:.: /:.:.:/　/
　　　　　　 　 　 ＼:.:.:ノ:/ j　　　 ／: : 彳:.:.:.: イ):.:./　/
　　　　　　　 .イi:ｉ: : : : 厶　　　_/: : : : /:.:.／〕ト:＜_
　　　　 　 /　/:i:ｉ: : 厂　　＼　/ : : : : {:イi:i: : ／　 ハ
　 　 　 ／　 ｉ: i:i: : に二二.Ｖ/: : : : : : xi:i: ／　 　 　 }__
　 　 イ　 　 .|: i:i: : |　　　　 /: : : : : :.xi:ｉ: /　　 ー─　　}



　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　　（さっそく、ややこしい問題がでてきたお・・・）
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |　　　　　いや、経営は全て山中君に任せてるから心配ないお。
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼

┌─────────────────────────────────────┐
│料亭花やしきの経営は、やる夫の義弟山中平治が支配人として取り仕切っていた。　　　..│
│しかし、やる夫は名目上は当主である　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
└─────────────────────────────────────┘


　　　　　 イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞､
　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヘ
.　　〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ
.　 /:.:.:.:.:.:.:.:.イ:.:.:／.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.ｨ:.ｚ､:.:.:.:.:.:.ﾍ　　　　いや、僕が支配人・マネージャーと言っても
　/:.:.:.:.:.:.:./＿_,ｲ_:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:./jﾘ　 !.:.:.:.:.:.:.ﾊ
　!/:.:.:.:__:.:.:.:.／　￣｀ ＜:.:.:.:.:.:.ｲ〃　 .ll:.:.:.:.:.i:.:.:l　　　この花やしきはお兄さんの物でしょ？
　Vｨ/7ﾍヽｲ　　　´　,.z.､t＜イ /　　 .ﾊ!:.:.:.:.l:.:.:l
　 ﾔ! 　r'　　　　 　 ､ｳｿ.'　　　　　_ /ｲ:.:.:.:.:.i:.:.:l!　　　ちゃんとわかってるんですか？
　　ヾ､ｲ　　　　　　　　　 　 　 　, z≦〈:.:.:.:.ﾉ:.:.ﾘ
ｨz＝ﾔy 　 　 　 　 　 　 　 　 　 仍 j ./ヽｲ:.:.:/　　　　政治活動や生物学の研究で
ヾz、 l/　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ./:.:./_,.イ
::::ヾz/　　､　　　　　　　　 　 ´　　 rj￣　　　　　　　　大変なのはわかるんですがねぇ・・・
:::::::::ヾヘ　ヘ　　 　 　 ￣ ヽ　 　 /´
ﾍ:::::::::::::Yﾍ　　　　　　　　　　　イ､　　　　　　　　　　　こっちのことも考えてくれますか？
:::::Y:::::::::::l::}　 　 ＞　_ 　 ＜　 　.ヾz､
:::::::}::::::::::j::i　　　 　 /、　　 　 　 　 ヾz､


　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　 ／　　 _ノ　 ヽへ＼
　 　 ／　　　（ ―）　（―） ヽ　　　　　わかったお・・・
　　 .l　 .u 　 ⌒（__人__）⌒　|
　 　 ＼　　　　　｀ ⌒r'.二ヽ<　　　　　とりあえず、挨拶状だけは書いておくお。
　 　 ／　　　　 　 　ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
　　/　　　,　　　　　ヽ._Ｈﾞ ｆﾞﾆ、|
　　{　　　{　　 　 　 　 ＼｀7ｰ┘!

┌──────────────────────────────────────┐
│山城宇治花やしき浮舟園主人亀松　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│去る8月18日永眠、14日に告別式を執り行いました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│これまで生前中故人に対して、又死後家族一同に対して　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│皆様から与えられたご厚情のほど、この際深くお礼申します。　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│なお故人一生苦心の創作たる花屋敷は妻多年と長男やる夫の両名が受け継ぎ　　　　　 　 .│
│さらに故人の行ない残したところを補い　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　.│
│事業を通じて故人の霊魂不滅の証拠を実地に現したい決心ですから　　　　　　　　　　　　　 .│
│故人存生中に倍する貴下の御後援御鞭撻をお頼み申します。　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│稀に新園主やる夫は先代の偏屈にさらに近代科学の"シンニウ"を掛けた変人ですが　　　 .│
│何卒この偏屈二世にも「蛙の子は蛙」と先代なみにご了承を仰ぎ　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│幾重にも御許しお引き立てをお願い申します。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│1927年8月　多年　やる夫　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
└──────────────────────────────────────┘

　-､
（　 ヽ
　ヽ,_　＼
　/ﾞi､｀ﾞ""ﾞヽ　 　　　　　　　　 -‐ '´￣￣｀ヽ､
/　　 ｀'i　　 ﾞ､　　　　　　　／　／" ｀ヽ ヽ　　＼
l,　　_／ヽ　 .入　 　　　　//, '/　　　　 ヽﾊ 　､　ヽ　　　何故こんなことを書いたかと言うと
　ヾ､　　 ／　.ﾉ　　 　　 〃 {_{＼　　　 ／ﾘ| ｌ │ i|
　　 ｀ｰ'く　／.＼. 　 　　ﾚ!小ｌ●　　　 ● 从　|、i|　　　警察に家宅捜査受けて大学クビになったことで有名な
　　　 　 　　　＼＼＿.　ヽ|l⊃　､_,､_,　⊂⊃　 |ﾉ│
　　 　 　　 　　　 ( __ノヽ__|ﾍ　　 ゝ._）　 　j /⌒i　!　　　「アカ」のやる夫が当主になったことでお客が減り
.　 　　 　　　　 　　 ＼＼::|　l＞,､ __,　イァ/　 / │
　 　　　 　　　 　　　 /＼＼ |　ヾ:::|三/::{ﾍ､__∧. |　　　　料亭の経営が悪くなったら困るという意図があったんだお。
.　　　　　 　　　 　　 ｀ヽ<＼＼　 ヾ∨:::/ヾ:::彡'　|

　 　 　 　　　　　　　　　,　-‐ r ─― 、
　　　　　 　 　 　 　 ／　　 /　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　 /／ ,=vｼ＝=　、 ヽヽ ヽ　　　まぁ、ネタバレになっちゃうけど
　　 　 　 　 　 　 // //　　　　　ヽ ヽ !　l　l
　　　　　　　　　〃{ i{ {‐-､　　　ィ尢ﾊl　i|　|　　 やる夫が死んだ後、アカの店だって言われて
　　　　　　 　 　 {仆　f ＿　　 　 ＿　| 　|　|
　　　　　　　　　　 |ﾊﾑ ￣　,　　 ￣　l　 |）l|!　　政友会系の企業がボイコットしたりして
　　　　　　　　　　 ｌ `∧　　r‐‐v 　　li　 l l |l
.　　　　　 　 　 　 ,' 　i　ゝ､ ヽ ノ　 ｨ'l 　 ｌ　l !　　経営が一時期行き詰ったんだよね。
　　　　　　　　　 /　 ,'　 ｌ　_}>‐匕!_ /　 ,'l　l |
　　　　　　　　　/rt/ 　 ィf＜ _ _ ｀/　 /_j　| l
　　　　　　　　ノ |l/ 　 ,' llﾆﾆ二ﾆ/　 /　 ＞､|
　　　　　　 ／　 / 　 /. ├ ￢ｰ/　 / ／／　ヽ



　　　　　　　 　 ,　'´￣￣｀ ｰ-､
　　　　　　　 ／　　 〃" ｀ヽ､　＼
　　　　　　 /　/　 ﾊ/　　　　 ＼ﾊﾍ　　　　でも、今も花やしきは
　　　　　　 |i │ ｌ |ﾘ　　　　　　 }_}ハ
　　　　　　 |i　|　从 ノ　　　 ｀ヽｌ小N　　　やる夫の孫の4代目が継いで
　　　　　　 |i （|　 |　●　　　●　lｉ|ノ
　　　　　　 | 、|　⊂⊃､_,､_, ⊂ﾉ i|　　　　 今も残ってるんだからすごいにょろ・・・
　　　　　　 |　ヽlヽ＞　､ __　,l⌒ヽ|
　　　　　　 |　／　＼ヽ::ヾ三|::ｉ 　 ｉ
　　　　　　 | ,ミ_::::コ ヾ､:::∨ﾂ l

┌─────────────┐
│1927年(昭和2年)8月24日　　　 │
└─────────────┘

　　　　　　　　　　　　　 ヾミﾐﾐﾐﾐy彡　　｀`ji彡: .:. :. :. :
　　　　　　　　　　　　　 　 　｀`ji'´　　　　ji´. :. :. :. :::::
　　　　　　　　　　　ヾミミミミﾐ斗彡彡　〃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾミﾐﾐﾐﾐy彡
　　　 . :;:;..,"'`',:'':'`::;:　　 　 ｀`j!´　　　_〃彡彡　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`ji'´
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ,',　,'ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ,;;;;,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾミミミミﾐ斗彡彡
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'`',:'':'`::;:;..,"ヾヽ､(_)~ﾞ~ﾞ(_)::::l!(_)~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ(_)~ﾞ´ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .:. ,.　 -‐ ── ─── ─── ─‐- ､;;;;:;:;;:;:;;;:;:;;:;:;;:;;:;:;:;:;;;:;
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;;;;;;;ij!::.::::〃:'`',:'':'`'`',:'':`::､;;;;;;;;;;;;;;;;;;.:.:..　,, .:.:'',, .:.:'',, .:.:'':.:.､`',:'':'`',:'':',:　　　　　　　 　 　- -　_ ‐ _　,,,.州州洲>ｷ'''´ｷ'''´-‐'''"
::::::::::.:.::〃;;;;:::.:..:.:.､,, .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',, .､ﾆﾆiﾆﾆiﾆﾆiﾆﾆii!┼┼' 'ﾞﾞ　　　　　　　　- _‐ - .._ ‐,,,.州州洲r'"´　　　　　,, .:.:.:. ,::
::::..:::::..:::::.｀`ヽ､;;;;;::.:.:.:..､ﾆiﾆﾆiﾆﾆiﾆﾆiﾆﾆii!　_ - _ - 　.. 　 　‐ _ - 　..　 　　　　　　_ ‐. ,,.州州洲r'"´　　,r'"´　,, .:.:.:. ,, '' ,, ::
::::...:::::...:::::....:::::..｀`ヽ､;;;;:.:.:.､ﾞﾞﾞ """ﾞﾞﾞﾞ"""´_- 　　_ .. -　　　　　 　 　　　　 　 　 ,,,.州州洲iﾆﾆiﾆﾆiﾆﾆiﾌ´　,, .:.:.:. ,, '' ,, .,, '' ,,
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ;;,,,:::::::;;;,,,　￣￣`―､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゞ二”;;;;,,::::::;;;;;,,,,,,,,,,＿::::　`i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 `i i"　　 `‐-‐"　　`i　i　_　　　　　　あ～やる夫さん。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |　　　.::.. ..::.　　　i　|//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i~ｿ　＝=､::::=＝= `ir‐y　　　　　　　ちょっと、警察署まで来てもらえないですか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i"」. r' ･ ｿ　 r"･`> it" i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝi　　 ~ .ﾉ　ヽ ~　 .i kﾉ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／"`ﾄ　,;　 ` ―"　 ノi~"　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　,,ﾍ　'　ー―― , ﾍﾄ ,　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 /　 ＼`'''　　　(／i　i　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　 i　 　ゝ `――''',,,;;''　 i　　　　　 >
　　　　　　　　　　　　 ／＼　　　　 i　 　 /ヽ　　　∧.　　 ﾉ 　 　 ／＼
　　　　　　　　　　　／　　　へ　　 iii. 　 /　 i ヽ 　i　 i 　 /i　　／　　　~＼
　　　　 　　 　 ／"~　　　,,;;;;;;;;,,ヽ　iii　 /､　　i.　 i"　ﾉi　/ iii　 ヽ　　　　　 ~`i;;,,__
　　　 　　　 ／　i　　　　;;;;;;;;;;;／　iiiii　i　｀ヽ. i　 i　 ｿ ゝ" iiii　　 ＼　　　　　　　 |~ヽ
　 　 　　 i"~　 　 i　　　　　／ 　　iiiii`~｀ヾ. ヽi＿i,;'" ／ 　iiiii,　　　 ＼　　　　　 i　 　`i


　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼　　　　・・・一体、何のようだお？
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼

　　　　　　　　　　　　　　　,,,__
　　　　　 　 　 　 　 　 ._＿＼,｀'-､__,,,,,,,,,_
　　　　　　　　　　　　___''､,~''｀`　　__.　　｀`ヽ,
　　　　　　　　　　　　`'ｰ二_ .,rｰ'''´ ｀`ｰ､　　｀i,　　　　　　　上司は「インターナショナル」がどうとか
　　　　　　　　　　　　　　 ,l,,,｀　, ,､,,,,,,,_ ._,l____　.ｌ
　　　　　　　　 　 　 　 　 .l,-`i. `.'ｰ;;;;;-``''i‐r,ﾆ`i=､　　　　　って言ってるっすね。
　　　　　　　　　　　　　 　 ｌi~i'　 ､'l,,･),　＃.ﾐ `χ' |　'i､
　　　　　　　　　　　　　　 .l （_ ､, 　 　 ./`'‐､´~/i　 .ヽ　　　　とりあえず、来てもらえますか？
　　　　　　　　　　　　　　　i_,,,',,,__　　　.`'‐､,|''´｀|`i,　 ｀i、
　　　　　　　　 　 　 　 　.,r'!ー　 `'　　_`､-r_,r''´　l|,　　'i'i,
　　　　　　　　　　　　 ,r'´　'iN/i'ヽ ,,,‐''_,,,r‐''　　 /|　 　`i｀`‐-､
　　　　　 　 　 　 　 ／ 　.r'｀`'i'''''´ ,､'´　　　　 ,ｲ .|　　　.ヽ、　 ｀`ー-､,,
　　　　　　　　　　／ 　　 .l |、,,| i'　 | ﾞ'i,　　 　,i,|　|　　 .,,r'´　　　　.,,r´ ｀`'‐､,
　　　　　　　　 .,r'　　 　 .,rl l.`i,! ﾞ　 ,|,r'`i,　　 /.|　l　　,r'　　　　　,ｒ´　　　　　.`i､
　　 　 　 　 　 ,,r｀`''>　.//|ﾉ| i l　 .,,l'´,r´'i　./ ,l　.!　く,,,___　 　　,l　 　　　　　　 .ヽ



　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　 　 　 ＼
　　　　　　　 ／　　　　　 ― 　　‐　　　　インターナショナル・・・
　　　　　　／ 　 　　　　 （ ●）　　）
　　　　　　|　 　 　 　　　　 　（__ﾉ､_）
　　　　　　＼　 　　 　　　　 　｀_⌒
　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼

┌────────────────────────────────────┐
│共産党の外部機関（野坂参三が責任者）が発行していた　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│「インターナショナル」の発行人がやる夫だったのである。　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│共産党が合法的雑誌を出そうとするために、やる夫の名前を利用したのである。　　　 .│
└────────────────────────────────────┘

..　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　―　　-＼　　
.　　.　／　 （●） 　（●）　　　　　インターナショナルの件は
　　／　　　　 （__人__）　＼
　　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　　引き受けた時から覚悟してたお・・・
.　　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　　ノ　　　　　　　　　＼
　／´　 　　　　　　　　　　ヽ

┌─────┐
│警察署　 　 │
└─────┘

　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　{三三三}
　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　 　 |
　　　　　　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿＿＿_[警]＿[察]＿[署]＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　 ／＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_＼
　　　　　　　　　　 ＼┌―――――――――――――――――――― ┐ ／
　　　　　　　　　　 　 ｜|￣|￣|　|￣|￣|　TニニニニT　　　 |￣|￣|　|￣|￣|｜
　　　　　　　　　　 　 ｜|＿|＿|　|＿|＿|　.|:{工}: :{工}:| 　 ロ |＿|＿|　|＿|＿|｜
　　　　　　　　　　 　 ｜　　　　 　 　 　 　 |: : : :　: : : :|　　　　 　 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　 　 ｜　　　　 　 　 　 　 |: : : :　: : : :|　　　　 　 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　 　 ｜|￣|￣|　|￣|￣|　.|: : : :　: : : :|. 　 　 |￣|￣|　|￣|￣|｜
　　　　　　　　　　 　 ｜|＿|＿|　|＿|＿|　.|: : : :　: : : :| 　 ロ |＿|＿|　|＿|＿|｜
　　　　　　　　　　 　 ｜　　　　 　 　 　 　 |: : : :　: : : :|　　　　 　 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　 　 ｜　　　　 　 　 　 　 |: : : ☆.: : .:|　　　　 　 　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　 　　 ｜|￣|￣|　|￣|￣| {三三三三三}　 　 |￣|￣|　|￣|￣| .|――┐
　　　　　　　　　　 　 ｜|＿|＿|　|＿|＿|　||:::∥:::::∥:::||　　　|＿|＿|　|＿|＿| .|　　　 |
　　　　 　 ========================||:::∥:::::∥:::||===========================
　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿_＿_＿_||／￣￣＼jj＿_＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／ 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　 ／　 ⌒ 　 ⌒　 ＼　　　　　　　　で、インターナショナルの件でお話があるとか。
　　　　　　　 　 ／　　（●）　（●）　　＼
　 　 　 　 　 　 l　 　 ⌒（__人__）⌒　 　 ｌ　　　　　　 何でも話すから、早く解放してくださいお。
　　　　　　　 　 ＼　　 　 ｀⌒´　　 　 ／
　　　　　　　 　 ／　　　 　 　 　 　 　 ＼



　　　　　　 ,　------────　､
　　　　　／　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　
　　　　/　r ──-- 、,, ---─ヽ 　　ヽ、
　　　 / /　　,,__　　　　　　 ,__ 　ヽ　　　| 　　　　インターナショナル？なんですかな、それは？
　　　γ　　/　　＼ 　　 ／　　ヽ ヽ　　　| 　
　　　 | 　 / /⌒＼,ﾊ　ﾊ,／⌒ヽi　!_ 　　 |　　　　とりあえず、留置所に入ってもらいましょうか。
　　　　| 　"" ⌒o　/　　o⌒ヽ　　　| |⌒ヽ　
　　　 i`|　　　￣　〈 　　 ￣　　　　 | |γ |
　　　 ヽ| 　　　　　く 　〉　　　　　　　"__丿　
　　　 　ヽ　　／　　 llll 　＿　＼　　 i~　
　　　　　 | 　| 　,-─'´￣ 　ヽ　| 　 /　
　　　　　　| 　　 i~￣　 "￣ /　　 / |
　　　　　　　l　　`~￣"~￣´　　／ /
　　　　　　ヽ, `----────'　/
　　　　　　　警察署長

　　 　　　／￣￣￣＼
　　　　／　＿,　、＿　＼　　　　　　　　え？インターナショナルじゃない？
　　 ／　 （●） 　（●）　 ＼
　　 |　　　　（__人__）　　　　|　　　　　　取り調べもせずに留置所ってなんだお？
　 　＼　　　 ｀ ⌒´　　　 ／

／ || || || ,／ .|| |;　:　"　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;";ﾞ|; ; :: 　: :;:　;": :"#
| |l || ||,／|| || || |; ::ﾞ .:;　 : 　 ;:ﾞ: :; ; ;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　ﾞ;　 |:　: 　;; |＼　::　ﾞ::
| |l ||,／|| || || || |　;　 : 　 ;:ﾞ:#　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　 |　::　　 | ||.＼ ; ;"
| |l／.|| || || || || |;　:　"　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;"ﾞ;|　;; "　.| || || ＼ ;
／..|| || || || || || |　;;:　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; ﾞ|;; ;　ﾞ 　＼ || || |
| || || || || || || || |; ::ﾞ .:;　 : 　 ;:ﾞ: :; ; ;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　ﾞ;　 |: :　; ; ":　＼.|| |;
| || || || || || || || |;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :;:　;": :; 　;　;:: .: 　"　;; ﾞ:::|　::　;　::;　.; ﾞ＼! :
| || || || |ﾚ|| || || |　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　# |;;";;ﾞ　;;　"　::　;　::
| || || |ﾚ|ﾚ|| || || |　;;:　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; ﾞ|　::　;: :;:　;": :;　; ;
| || |ﾚ|ﾚ||_|| || || |;;　:　 " ;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : ": :; 　ﾞ;　|:: :;:　　::　;
| |ﾚ|ﾚ||_|| || || || |　;;:　;　,; 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;　;": :; 　 | : :;:　;": :
ﾚ|ﾚ||_|| || || || ||　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼　 :　;": :;
ﾚ||_|| || || || ||　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼: :;:　;　;; ":
|_|| || || || ||　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼: :;:: :; 　;

┌─────────────────────────────┐
│こうして、やる夫は一週間、警察の留置所ですごす事になった。　　　　│
└─────────────────────────────┘

　　　　　 　　　＿＿＿_
　　　　　　　／　　　u　＼
　　　　 　／　　＼　 　 ／＼　　　　　取り調べもなしだお。
　　　　／ 　し （○） 　（○） ＼
　　 　 |　∪　 　 （__人__）　 J |　　 　一体、なんなんだお？
　　　　＼　　u　　 ｀⌒´　 　／

　　　　　　　 /::::l:::l::､:::::､:::::ヽ::､::::::::::::＼:::＼::::::::ヽヽ::::::ヽ
　　　　　　 /:::!::::i:::!:::ヽ:::ヽ::::::ヽ::ヽ､::::::::::＼:::ヽ:::::::ヽヽ::::::',
　　　　 　 /:l::::!::::ヽ!::ヽ:::::::ヽ:::::::＼:::ヽ､::::::::ヽ:::ヽ::::::::!::i:::::::!
　　 　 　 ﾊ:::ｌ:::::、::::ヽ::::＼:::::＼:::::::＼:::｀ヽ、:::ヽ::ヽ:::::!:::!:::::ｌ 　　　　やる夫君、大丈夫かね。
..　　　　/:::::::l::::::!ヽ:ヽ::::､:::::ヽ:::､:＼::::: ＼::::::＼::::!::::ヽ:!:::i:::l:l
　　 　　!:/!:::::!::::::!::ヽ:ヽ{:::＼:::ヽ::::＼:::＼::ヽ:::::::ヽ!:::::::}!::::l::li|　　　　警察のやってる事は違法だから
....　　　j/:::ｌ:::::!:､:::!::ﾄ､:､:ヽ:::::｀ヽ{､::::::＼::::＼{､::::::::::::::::i::!::l:l !
.　　　 　 l:i:ｌ::::i::i:､:l::lﾃ=-､:ヽ､_､::＼_,≧ｪｭ､_､＼:::::::::i::li::!::ﾘ　　　　　すぐに出られるよ。
　　 　 　 !ﾊﾄ:{:!:ｉ:ﾄN{､ﾋ_ﾗﾍ､{　＞､{ 'ｲ ﾋ_ﾗ　》＼::l::!:ﾄ!!:l::l!
　　　　　 ヽ i､ヽ:ﾄ{､ヾ￣"´ l!＼　　　｀"￣"´　 |::!:l::! j:ll:!　　　　　　ほら、布団と弁当だよ。
.　　　　 　 　 !::､::::i　　　 　 ｌ 　 　 　 　 　 　 u |:::/lj/l:!ﾘ
　　　　　　　　ヾﾄ､:!u 　 　 　 　 　　　　　　　　ｊ!/ j|:::ﾘ
　　　　　　　　　　ヾ! 　　　ヽ　 ‐　　 　 　 ｕ　/ｲ´ｌﾊ/
　　　　　　　　　 　 }ﾄ.、　 -､ｰ-- ､__　 　 　 /'　!:://
　　　　　　 　 　 　 ﾘl::l゛､　　｀二¨´　　　 ／　　|/:/
　　　　　　　　 ｒｰ''"´ﾄ!::i{＼　　　　 　 ／　　/　!:/



　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　 ／　　 _ノ　 ヽへ＼　　　　　水谷君、一体なにがあったんだお？
　 　 ／　　　（ ―）　（―） ヽ
　　 .l　 .u 　 ⌒（__人__）⌒　|　　　　よくわからないお。
　 　 ＼　　　　　｀ ⌒r'.二ヽ<
　 　 ／　　　　 　 　ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
　　/　　　,　　　　　ヽ._Ｈﾞ ｆﾞﾆ、|
　　{　　　{　　 　 　 　 ＼｀7ｰ┘!

　　　　/::::i::::､:::ヽ､:::::＼:ヽ:＼::::::ヽ:::､::ヽ::､:',
　 　　/::i|::l::ﾄ､ヽ::､:::ヽ:､::::::＼::ヽ::::l::::ヽ::i:::i:::!
　　　/:/:!:::!:|::ヽ:＼ヽ::::､:＼::::ヽ:::ヽ!::::::i::|:::!::!　　　それが、捕まった人間が他にいないか調べたんだが
　　　!ﾊ::|::::i::l:|心､:ヽ::＼:ヽ_＼､＼:::ヽ:::|!::|:|i
　　　　i､:!:|:､N{､ﾋjヽゝ＼ヾｲ ﾋｊ　>､ヽi:､|!:|:l　　　　捕まったのはやる夫君、君しかいないんだよ。
　　　　　ヽ:!::ﾄヽ￣　l! `　　｀￣´　|::l::|:|j:,!:!
　　　　　　ﾄ､::! u　　　　　　　　　ｊ |::/lj:::!ﾘ　　　　こっちも意味がわからないんだ。
　　　　　　　 ヾ、　 丶 -　　　　u　ﾘｲ:|ﾘ　
　　　　　　　　ﾘヽ　‐､ｰ- ､_　　 ／ｲ:::i　　　　　　まぁ、明日にでも出られると思うから、我慢してくれ。
　　　　　　 rｰ'"ﾄ:lﾞ､ 　￣ 　 .／　 , |::!
　　　　　　/ ﾍ　ヾ　ヽ､ _,.　'　　 /　|:'

┌──────────────────────────────┐
│で、釈放されたが、ある文書を書くように言われた。　　 　　　　　　　　 　 .│
└──────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　,,,__
　　　　　 　 　 　 　 　 ._＿＼,｀'-､__,,,,,,,,,_
　　　　　　　　　　　　___''､,~''｀`　　__.　　｀`ヽ,
　　　　　　　　　　　　`'ｰ二_ .,rｰ'''´ ｀`ｰ､　　｀i,　　　　　　　「私は支那には行きません」
　　　　　　　　　　　　　　 ,l,,,｀　, ,､,,,,,,,_ ._,l____　.ｌ
　　　　　　　　 　 　 　 　 .l,-`i. `.'ｰ;;;;;-``''i‐r,ﾆ`i=､　　　　　って書いてくれませんかね？
　　　　　　　　　　　　　 　 ｌi~i'　 ､'l,,･),　＃.ﾐ `χ' |　'i､　　
　　　　　　　　　　　　　　 .l （_ ､, 　 　 ./`'‐､´~/i　 .ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　i_,,,',,,__　　　.`'‐､,|''´｀|`i,　 ｀i、
　　　　　　　　 　 　 　 　.,r'!ー　 `'　　_`､-r_,r''´　l|,　　'i'i,
　　　　　　　　　　　　 ,r'´　'iN/i'ヽ ,,,‐''_,,,r‐''　　 /|　 　`i｀`‐-､
　　　　　 　 　 　 　 ／ 　.r'｀`'i'''''´ ,､'´　　　　 ,ｲ .|　　　.ヽ、　 ｀`ー-､,,
　　　　　　　　　　／ 　　 .l |、,,| i'　 | ﾞ'i,　　 　,i,|　|　　 .,,r'´　　　　.,,r´ ｀`'‐､,
　　　　　　　　 .,r'　　 　 .,rl l.`i,! ﾞ　 ,|,r'`i,　　 /.|　l　　,r'　　　　　,ｒ´　　　　　.`i､



　　 　　　／￣￣￣＼
　　　　／　＿,　、＿　＼　　　　　　　・・・なるほど、これでやっと意味がわかったお。
　　 ／　 （●） 　（●）　 ＼
　　 |　　　　（__人__）　　　　|
　 　＼　　　 ｀ ⌒´　　　 ／

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌────────────────────────────────────┐
│田中内閣は5月に、支那の山東省に陸軍を出兵させた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│いわゆる「第一次山東出兵」である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│これは蒋介石の国民革命軍が満州の張作霖軍閥を倒すための「北伐」が起こり　　 　 .│
│山東省の日本人居留民と権益を守るための出兵であった。　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　 ,.....:::::::￣￣::::::.....､
　　 　 　 　 　 ,..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...
　　　　　　　,.:::::::::::::::,//7//7//7､:::::::::::::::.
　　　　　　/:::::::::::/::´::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ,::::::::::.　　　　日本人の居留民の安全を守ることは当然のことよ。
　　　　　 ,::::::::::::/:::::::/:::::::::::::::::::::::::::､::::':,::::::::::.
　　　　　,::::::::::::/::::::ｲ::l::::::::l:::::::::ﾄ､::::::l:::::l:::::::::::l　　　今まで、やってこなかった事自体がおかしいわ。
　　　 　 i::::::::::::l:::::/ !:::l,:::::::!::::::::|　ヽ::l:::::|:::::|::::l
　　　 　 |::::::::::::l"7ーl--､:::| ､:七''´ ヽ:::::! :::|::::|　　　どれだけ日本が支那に投資してると思ってるの。
　　　 　 |::::i:::::下云ﾆtｫ　ヽ!　,ィﾆ云アl::l:::::|::::|
　　　 　 |::::l:::::::| 弋zソ　 　 　 弋zソ /ｲ::::::|::::!
　　　 　 |::::|:::::::|:,　　 　 　 　 　 　 　 ,':|:::::::|::::|
　　　　 ,::::::|:::::::|:::.､　　　　 '　　　　, ｲ::|:::::::|::::|
　　 　 /::::::::,::::::',::::::＞_ .　´｀　. _＜::::::,:::::::,'::::::.
.　　　/:::::::::::',::::::',:::::{//ﾊ ｀¨´ ﾊ//}:::/::::::/::::::::::.
　　 /::::::::::::::::',::::::l／ ////Y ////｀/::::::/:::::::::::::::.
.　 /:::::::::::::::／l::::::l//////,.| l/////::::イ//｀ヽ_:::::::.
　/:::::::::://///',:::::l///／ /|∧､ ヽl／///////r-,:::::..
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────────────────────────┐
│出兵が起こる前の2月　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│東京にいた中華民国（蒋介石政権）東京代表部の代表が　 　 .│
│労農党を含む無産政党に対して以下の要求を行なった。　　　 │
└──────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　∧　　 ∧
　　　　　　　　　　 /　ﾞｉ─/ ,ヽ 　　　　　　　　　　日本軍は出兵しないで欲しいアル
　　　　　　　　　／　　　支　　 ＼
　　　　　　､.‐'`´_＿＿＿＿＿＿_｀゛'‐　, 　　　　 蒋介石政権を国として承認して欲しいアル
　　　　　　　￣／　 ─　　　─　 ＼￣￣
　　　　　　　／　o ﾟ＼　　　　／ﾟ o　＼ 　　　　　不平等条約は撤廃して欲しいアル
　　　　　　 |　　O　┏（__人__）┓ O　　|
　　　　　　　＼○ ┃　 ｀⌒ ´　┃○／ 　　　　　この三つ、お願いアルヨ
　　　　　　 ／　　 ┃　　　　　　┃　 ＼
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────────────────────────────────────┐
│労農党の三月の声明文　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│日本帝国主義政府は再三対支非干渉を声明し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│軍隊の派遣も既得利権と在留邦人の安全を保障するに止まる旨を　　　　　　　　　　　　　　...│
│強調力説せるに拘らず、いまや英米と協同して　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│革命軍（蒋介石国民党軍）に対抗せんが為に　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│長江各地に巡洋艦砲艦駆逐艦並みに多数の陸船体を派遣するも以って足れりとせず　　　..│
│さらに第二第三派遣艦隊の出場準備に狂奔しつつある。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│我等はこれに対して徹底的に闘う。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
└──────────────────────────────────────┘

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌────────────────────────┐
│5月、政権が変わり、政友会田中内閣になったことで　　　 │
│第一次山東出兵が行なわれた。　　　　　　　　　　　　　　　.│
└────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　 ''';;';';;'';;;,.,　　　　　　　　　　　　　　　　　　ザッ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　''';;';'';';''';;'';;;,.,　　　ザッ
　　　　　ザッ　　　　　　　　　　　　;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.～＾,.～＾,.～＾..～＾ 　　　　　ザッ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒vv⌒yv⌒vv⌒yv⌒vv、
　　　　　　　　　　　　　　　　, '´￣｀ヽ －＾, '´￣｀ヽ －＾, '´￣｀ヽ
ザッ　　　　　　　　　　　,‐ '´￣｀ヽ　,‐ '´￣｀ヽ　,‐ '´￣｀ヽ　,‐ '´￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　,‐ '´￣￣｀ヽ＿＿‐ '´￣￣｀ヽ　＿‐ '´￣￣｀ヽ　　　　ザッ

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌─────────────────────────────────────┐
│対支絶対非干渉に関する声明書　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│田中内閣はその組閣当初より対支積極苦政策を表明し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│陰険なる手段を以て之を「中国革命」弾圧せんとしつつあることは言うまでもない。　　　......│
│今や満蒙―日本帝国主義の牙城―の危機に孕むに至って　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│北支に二千の陸兵は派遣されんとし、さらに数隻の軍艦は幾百の陸戦隊をのせて　　　　.│
│支那民衆弾圧の為に送られんとしている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│今や支配階級は失業に賃銀低下に物価高騰に重税　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│塗炭の苦しみをなめている我が無産大衆の血税を以て　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│さらに増兵を断行せんとしつつある。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
└─────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::.ヽ
　　　 　 　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
　　　　　　　i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i　　　労農党は支那と
　　　　　　　|: : : : : :: : : : : : : : : :.l: : : : : : : : : : :| : : : : : |
　　　　　　　|: :|: : l: : : : : : : : : ヽ:|: 从:斗:‐ｌ: : : |: : : : : ::! 　　そして日本の無産階級を苦しめるだけの
　　　　　　　|: :|: : ﾄ: : : : :.＼: : : ::!/ ,孑㌣圷､: :l‐ ､: : : :|
　　　　　　　|: :l: : :l: ;斗ヾ: : :＼: :| / 弋z少!: : ::|､　!: : : |　　 出兵や支那への干渉には絶対反対です。
　　　　　　　}::∧: :|,ｨ孑ﾟ外＼: :ヾ!　　 　 　|: : : |｝jﾉ: : : :|!
.　　　　　　　!: : :ゞi　弋炒　　｀　　　　　　 |: : : |´: : : : : |l　　支配階級が儲かるだけで、苦しむのは民衆だけです。
　　　　　　　 }: : : : :ﾍ　　 　　,　　　　　　　|: : : |: : : : : ::,':l
.　　　　 　 　 l: : : : : ::ヽ　　　　　　 　　 　 |: : ::ﾊ: : : : :/: :!
　　　 　 　 　 !: l: : : : :|: ＼　　´ ￣　　 ／|: ::/: : : : ::/: : :',
　　　 　 　 　 |八: : : ::|: : : :＞...　__　イ＿ |: /: : : : : :|: : : ∧
　　　 　 　 　 |: : ヽ: : :!: : : : ﾊ::.::「ｒ‐=く 　 |/: : : : : : :|: : : : :ﾍ
　　　 　 　 　 |: : : ::＼|: : : /　!::ﾘ｝o＿i 　 |: : : : : : : :|: : : : : : :＼
　　　 　 　 　 |: : : : : : : : :/　 ∨ﾉ　　∧　.|: : : : : : : :|: : : : : : : : :＼
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┌───────────────────────────────────────────┐
│無産者新聞6月25日号（共産党系新聞）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│日本軍閥は今やアジアの反動の主柱である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│日本軍閥はかの張作霖を中心に満州を完全なる反動的軍事的専制政治で固めようとしている。　　　　 .│
│日本軍閥はそのため「満蒙の利権は害さぬ」という一札を蒋介石に入れさせ　　　　　　　　　　　　　　　......│
│搦め手からは社会民衆党をして此のことを国民党に泣きつけさせている※　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│之は日本帝国主義資本家の要求であって、今は軍閥が此の要求貫徹の為　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│買収威嚇のありとあらゆる外交を一人でキリまわしている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│27日から開かれる当方会議は軍閥を中心に今後の反動的対支外交策を確立せんとするものだ。　　 　 │
│かかる国際政治の軍閥化が戦争の危機をもたらし、出兵、軍費負担の続出となって　　　　　　　　　　　　│
│民衆を苦しめるのは明らかである。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│軍閥政治に対する直接的闘争として、出兵反対、対支非干渉の要求運動を　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│軍閥外交反対へと発展させなければいけない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│之こそアジアの反動支柱であり、わが言政治支配の専制的操縦者たる　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│軍閥を駆逐すべき第一歩である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
└───────────────────────────────────────────┘


※労農党の関係者が支那へ訪問し準備を進めていたが
若槻から田中へと政権交代が起こり対支干渉的政権となった。
そのため政権は関係者を全員検挙したが、社会民衆党だけは許可した。
なお、共産党は事前にわかってたらしく、共産党関係者だけは支那へと密航した。

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┌───────────────────────────────────┐
│七月になって、労働者・農民・青年・婦人・水平者（部落民）・朝鮮人の代表者が　　.....│
│支那の実態を調べるために「支那視察団」を派遣しようとして　　　　　　　　　　　　　　.│
│勝手にやる夫の知らないところで、やる夫を代表団の団長として選んだ。　　　　　　....│
│日本各地で演説会を開いて、その後に支那へ行こうとした。　　　　　　　　　　　　　 　 │
└───────────────────────────────────┘


　　　　支那の民衆は俺達部落民と同程度に苦しめられてるんだぜ。
　　　　　　　　　　 ∧,,∧　　　　　　　　　　　　 ∧,,∧
　　　　　　　　　　(´・ω・)　　　　　　　 　　　　(・ω・｀)　　　　　　　　　　やる夫先生なら代表になってくれるんじゃね？
　　　 ∧,,∧　　　/つ_ _O　(二;;;;二二;二;;二)　O _ とヽ　　 ∧,,∧
　　　( ´・ω)　　　ゝﾉｕ.ｕ　　（(;;;;;;/;;/;;;;＠）　　 ｕ'ｕ'、ソ　　(ω・｀ )　　　
　　　/　　つ　　　　　　　　 (二二;;二;;;二二)　　　　　　　　　と　　ヽ
　　　ゝ＿人)　　　∧,,∧　　（＠）;;;;;;;;;;（＠）　　∧,,∧　　　　(人＿ノ
　　　　　　　　　　( 　´・)　　　　　　　　　　　　 (・｀　 )　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　/　　　)　　　　　　　　　　　　(　　　ヽ
　　　　　　　　　　ゝ＿　）　　　　　　　　　　　　（　＿ノ
　　　　やる夫先生なら頭が良いから、支那に行って、支那の現状を観察してくれるよ。

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┌──────────────────────────────────┐
│だが、全員検挙されてしまった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│そのため、やる夫自身、自分が代表に選ばれたなど知らなかったのである。　　　..│
└──────────────────────────────────┘

　 　 　 　 　 (⌒ヾ｀
　　　　　　　ゝ´　,）)
　　(（ ⌒ゝ 　 lij　　　　ﾌﾟｽﾝﾌﾟｽﾝ
　 　 　ｰ" ミ　 ＿＿＿
　　　　　 　 ノ(_　　　　 ＼
　　　　　 ／"＼,, ､／"｀` ＼　　　　　警察はやる夫を支那へ行かせたくなかったんだお！
　　　　／ （ ●）´｀（● ）　　＼
　　 　 | 　 '" （__人__） "'　　　 |　　　 そこまで田中内閣は支那へ干渉する事を続けたいのかお！
　 　 　 ＼　　` ⌒ ´ 　　　　／
　 　 　 ／ ゝ　 ｀`　　　　 ィヽ

┌────────────────────────────────────┐
│この検挙の事は、やる夫が衆議院議員になった時に政府に対して質問しているが　　....│
│戦後、警察の職務に関する法律の審議の時に　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│共産党も質問している。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
└────────────────────────────────────┘
【戦後】
　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　 ／:::::::::::＼
　　　　　　　　　　／:::/⌒Ｙ⌒ ＼
　　　　　　　　　　|::::/　（ ●）（●）　　　我々は警察の権限強化には反対である。
　　　　　　　　　　|::::>　　 （__人__）
　　 　 　 　 　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　私がやる夫さんから聞いた話では・・・
　　 　 　 　 　 　　 |　　　　　　 　 }
　　 　 　 　 　　 　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　ノ
　　　　　　　　　　　 _,,ゝ　　　 (,_
　　　　　　　　　　/´　 `ー-一´｀
　　　　　　　　　　共産党の議員

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┌─────┐
│警察署　 　 │
└─────┘

　　　　　　　　　　　　　　　,,,__
　　　　　 　 　 　 　 　 ._＿＼,｀'-､__,,,,,,,,,_
　　　　　　　　　　　　___''､,~''｀`　　__.　　｀`ヽ,　　　　　　　　では、やる夫さん、この文書に署名してくださいね。
　　　　　　　　　　　　`'ｰ二_ .,rｰ'''´ ｀`ｰ､　　｀i,　　
　　　　　　　　　　　　　　 ,l,,,｀　, ,､,,,,,,,_ ._,l____　.ｌ　　　　　　　うっ・・・ちょっと小便したくなったので
　　　　　　　　 　 　 　 　 .l,-`i. `.'ｰ;;;;;-``''i‐r,ﾆ`i=､　　
　　　　　　　　　　　　　 　 ｌi~i'　 ､'l,,･),　＃.ﾐ `χ' |　'i､　　　本官は便所にいってくるっす。
　　　　　　　　　　　　　　 .l （_ ､, 　 　 ./`'‐､´~/i　 .ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　i_,,,',,,__　　　.`'‐､,|''´｀|`i,　 ｀i、
　　　　　　　　 　 　 　 　.,r'!ー　 `'　　_`､-r_,r''´　l|,　　'i'i,
　　　　　　　　　　　　 ,r'´　'iN/i'ヽ ,,,‐''_,,,r‐''　　 /|　 　`i｀`‐-､
　　　　　 　 　 　 　 ／ 　.r'｀`'i'''''´ ,､'´　　　　 ,ｲ .|　　　.ヽ、　 ｀`ー-､,,
　　　　　　　　　　／ 　　 .l |、,,| i'　 | ﾞ'i,　　 　,i,|　|　　 .,,r'´　　　　.,,r´ ｀`'‐､,
　　　　　　　　 .,r'　　 　 .,rl l.`i,! ﾞ　 ,|,r'`i,　　 /.|　l　　,r'　　　　　,ｒ´　　　　　.`i､


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　　　ん？
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |　　　　　　なんか机の上に文章が置かれてるお。
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┌─────────────────────────────────┐
│８月○日やる夫、宇治町塔の島附近を徘徊し、公安を害する行動あり検束　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│８月○日やる夫、県神社の社内を徘徊し・・・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│８月○日やる夫、宇治町の公園を徘徊し・・・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
└─────────────────────────────────┘

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　　 　 　　＿＿＿_
　 　　　／_ノ　 ヽ､_＼
　 　 ／（ ─）／)（─）＼　　　　　なるほど、検束は原則一日しかできないから
　 ／::::::⌒／／／)⌒::::: ＼
　 |　　 ／,.=ﾞ''"／　　　　　 |　　　毎日やる夫が徘徊してたということにして
　 ＼.　i f ,.r='"-‐'つ　　 ／
　 ／　ｉ　 　 _,.-‐'~　　　 ＼　　　 検挙したのかお・・・
　　　　i　　　,二ﾆ⊃

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　 　 　 　　　　　　　　　,　-‐ r ─― 、
　　　　　 　 　 　 　 ／　　 /　　　　　 ＼　　　　 戦前に行政執行法というのがありまして
　　　　　　　　　　 /／ ,=vｼ＝=　、 ヽヽ ヽ
　　 　 　 　 　 　 // //　　　　　ヽ ヽ !　l　l　　　警察は一日かぎり「浮浪者」「自殺者」を「保護する」目的で
　　　　　　　　　〃{ i{ {‐-､　　　ィ尢ﾊl　i|　|
　　　　　　 　 　 {仆　f ＿　　 　 ＿　| 　|　|　　　警察官の職務権限で保護検束できる法律があったんですね。
　　　　　　　　　　 |ﾊﾑ ￣　,　　 ￣　l　 |）l|!
　　　　　　　　　　 ｌ `∧　　r‐‐v 　　li　 l l |l　　 今は警察官職務執行法という名前になっています。
.　　　　　 　 　 　 ,' 　i　ゝ､ ヽ ノ　 ｨ'l 　 ｌ　l !
　　　　　　　　　 /　 ,'　 ｌ　_}>‐匕!_ /　 ,'l　l |　　実際は、浮浪者以外の国民がたくさん検束されたんです。
　　　　　　　　　/rt/ 　 ィf＜ _ _ ｀/　 /_j　| l
　　　　　　　　ノ |l/ 　 ,' llﾆﾆ二ﾆ/　 /　 ＞､|
　　　　　　 ／　 / 　 /. ├ ￢ｰ/　 / ／／　ヽ

┌──────────────────────────────────┐
│こうした事があった後、労農党初の本格選挙が行なわれた。　　　　　　　　　　　　　│
│1927年(昭和2年)10月、普通選挙法の下で府議会議員選挙が実施された。　　　　.│
└──────────────────────────────────┘
　　　　　　　／|￣￣￣∧,,∧
　　　　　 ／|￣￣￣|..（ω・｀ ）
　　　　／|￣￣￣|....|φ　∪ ）　　　　　　　 ∧,,∧
　　　　|￣￣￣|....|／　｀u-ｕ´　　　　　　　（ 　　　）
　　　　|＿＿＿|／ ∧,,∧　　　　　　　　　 （ ｏ　∪
　　　　|| 　　　|| 　(´・ω・)　∧,,∧　　　 　 ｀ｕ-ｕ´
　　　　　　　　　　（ つﾛと） (´・ω・)
　　　　　　　　　　 ｀ｕ-ｕ´　（∪　　つﾛ＿＿＿__
　　　　　　 　 　　　　　　　　｀ｕ-ｕ／　=　=　 ／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|￣￣￣￣|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 投票箱　|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＿＿＿＿|／


労農党の府県議会選挙結果
香川4人
京都・新潟2人
秋田・愛知・三重・兵庫・福岡・鹿児島1人
合計12人
得票数11万4082票


【参考】
社会民衆党6人　得票数3万8000票
日本労農党3人　得票数3万7000票
日本農民党4人　得票数3万2000票

┌────────────────────────────┐
│京都からは、京都市内で奥村甚之助・神田兵三が当選した。　　　　│
└────────────────────────────┘
　　　　,　 ---　 ､
　　　/ {.M } 　 　 ＼
　 ∠二＞--　､_＿_j
　　r'i 仔} {刈　Zﾉ^Y
　　ﾋ{/⌒ヽ__r1　 _'ﾉ
　　从=‐='＿/　,仆､
　　x个r‐--　イ j　ハ
　　ﾄ化ﾄ---化i　Ｙ　 i
　　圦　　　　　　 仁ス
　　匕}　　 　 　 ,化j__」
　　　 ト---,. ---ﾘ
　　　 {　　 {　　　 }
奥村甚之助（やる夫に近い人物）


　　　　　　　　　　　 ..::::::::::::::::::::::...
　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　//////::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　 　 |////::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　 　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::ヽ::::::::::::|
　　　　　 　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::::|｀¨'''|:::::::::::|
　　　　　 　 |:|:::::::::从人ﾙﾘ从ﾘ　___|::::::::::j
　　　　　 　 ﾄ|:::::::::Y弋“≧　 ≦”ﾇﾙ|:::::/
　　　　　　　 ヾミ ﾄﾍ　　　　　　　　 ﾉ::/
　 　 　 　 　 　 ﾊ:|､　　　 t _j　　　彡'､
　　　 　 _,　＜　 |　＼　 -─- 　.,ｲ　　　＞ ､_
　 　＜　　　l　　 |.　　＼　ﾞﾞﾞ　／　|　　　　　　＞
　　　　　 　 |　　 ',　　 　 ー‐.　 　 |
　　　　　 　 |　 　 ',.　　,イ:::::::〉,　　j
　　　　　　　|　　 　',　/　{::::::j　',　/
　　　　　 　 |　 　 　∨　./:::::|　 ∨|
神田兵三（水谷に近い人物）

┌──────────────────────────────────┐
│この選挙戦の結果は、無産党では労農党が一番支持を受けている証であり　　　 .│
│この勢いにのり、ますます衆議院総選挙への準備を進めて行った。　　　　　　　　...│
│そのため、京都では盛んに講演会などが行なわれ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│府議会選挙で警察が選挙妨害したことなどを民衆に訴えた。　　　　　　　　　　　　...│
└──────────────────────────────────┘

　　 　　　＿＿＿_
　　　　／:::::::::　 u＼　　　　　　　　　　　　　選挙の自由を保障しろお！
　 　／ﾉ└ ＼,三_ノ＼　 　,∩__
　／:::::⌒（ ●）三（●）＼ fつuu　　　　　　 演説会すらまともに開けないなんて
　|::::::::::::::::⌒（__人__）⌒　| | 　 |
　＼:::::::::　　 ｀ ⌒´ 　 ,／_ | 　 |　　　　　　　政府の弾圧はどうかしてるお！
　　 ヽ　　　 　 　　 　 i　　　　丿
　 /(⌒)　　　　　 　　/￣￣´
　/　／　　　　　　　/

┌───────────────────────────┐
│以前書いたとおり「治安警察法」により　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│選挙の演説会であっても、警察官の中止命令が出た場合は　　　│
│弁士は演説を中止しなければならないのである。　　　　　　　　　 .│
│最悪の場合、演説会そのものが解散できた。　　　　　　　　　　 　 │
└───────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　.　-―‐-ミ
　　 　 　 　 　 　 ,: ::, -‐-ﾐ: :: ::｀　、
　　　　　　　　　/ 〃[i∨i］ Y: :: :: ::＼
　　　　　　 〃´￣ ‐-ミ　､_ﾉ: :: :: :: :: :丶
　　　　　　 {: :: :: :: :: :: : ＼＼:: :: :: :: :: :: ::、　　　　　　ムッソリーニが・・・
　　　　　　　、: : _＿＿ ｨ__＼ ＼:: :: :: :: :: :.
　　　 　 　 　 Y入　､,ノﾉ-ﾐ￣＼_ヽ: :: :: :: :}
　　　　　　　　　泝ﾄ ｀Yか　'.　　　ﾄ､: :: :: ::ゝ-､
　　　　　　　 j_｣_Uj 　 |Ｕﾉ ,ﾉﾘ　 ノニヽ :: :: :: :: :.
　　　　　 　 r〃⌒｀　'´￣　ィ （ﾆﾆﾆﾆﾉ⌒ヽ　 ﾉ
　 　 　 　 （ﾆ乂　　ノ-‐=ﾆニ）、て_ノ⌒　厶イ
　　　　　　 辷_ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆィﾍ　）　 _＿_,ノ
　　　　　＿ 丶`ｰく辷^-ﾁ┴ '´ﾉｧチ…―‐-､
　　　 _〃　 ｀ヾヽ≧=‐ｧ…=≠ﾆ{: :: :: :: :: :: :: :ヽ
　　 〃　　｀ヽﾉ　}∠ｱ: : : : /=ニ{　-､―z: :: :: :: ',
　　 {　` ｰ-ｲ､_ノう7ﾆﾆニ7f⌒Yト==ﾍ　 }: :: :: :: :',


　　　　　　　　　　　　　　　　　 __＿__
　　　　　　　　　　　　 　 　 ／::::::::::::::::::::::.:.:.:.:...... _
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::::/ｲ
　　　　　　　　　 　 　 //:::::::::::::::::::::ミ'ｉ|｀ヾﾍi､、ﾉノハ:::/　　　　　　　　弁士中止！
　　　　　　　.,,__　 　 //::/ヽ:::::ミ才"　i! 　　i| ヾ"ﾍⅥ/ヽ.
　　　 　 　 　ニL,___ /:://ヽⅥﾐ 　ヽ:/ ﾐ　　i! 　　,;;∨　　ヽ.　　　　　　今、「共産国家の独裁者」の名前を言ったな！
　　　　 　 　:￣￣ヾ:/ハヽくミﾐ　　 /＼､ミ /　_,;;∠;∧　 　 i
　　　　 　 　:::::::::::／Ⅵ:i!ヽ ﾍ::: ',　/ヽﾟ ＞ムノィﾟノ,ハ:!　 　 l
　 　 　 　 　∨／::::::::Ⅵ! 　ｰ､::::∨ 　 　 /　∨:./:/　 |!　 　 !
　　　　 　 　ムﾍ:::::::::::::ヽ::::::::::! :/　　　 /　 　∨/　　 !　　　|
　　　　　　　::::: ∧::::::::::::::ヽ:: ／、　　 /　　､___ヽ　　 ,'　　　,'
　 　 　 　 　::::::::::∧:::::::::::::::::ヽ:: ヽ　 / -―ー/　 　 / 　　 /
　　　　 　 　:::::::: : ∧:::::::::::::::::: ヽ: ＼　　 `"/ 　　 /
　　　　　　　:::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::ヽ､＼___/
　　　　 　 　::__＿＿:::::::｝＞ｰ--:::::::／
　 　 　 　 　:::::::::::::::::::￣￣＼´￣￣｀ヽ､、

※中止の例をあげるとたくさんでてくるが、大体こんな感じでむちゃくちゃだった。
つまり、自由に選挙演説などできなかったのである。
説明するまでもないが、警官はムッソリーニとスターリンを勘違いしてたのである。

┌───────────────────────────┐
│もちろん、選挙の自由を保障しろという演説も中止された。　　　　│
└───────────────────────────┘

　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／＼:::::::::／＼.
　　　 ／:::<◎>:::<◎>:::＼　　　　　政府は選挙干渉をやめろ！
　　／::::::::⌒（__人__）⌒::::::＼
　　|　　　　　｀ ー'´　　u 　　|
　　＼　　u 　　:::::　　　　　／
　　／　　　::::::::::::::::::: 　：巛￣ヽ
　 /　　,　　　　　　　 ：〈⊃￣( .}：


　　　　　　　　　＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜
　　　　　　　　　≧　　　　 弁士中止！演説会は解散だ！　　　　　 　≦
　　　　　　　　　≧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　≦
　　　　　　　　／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.

┌────────────────────────────┐
│きたる総選挙に向けて、労農党は選挙戦の準備をしていたが　　......│
│京都では立候補者の問題で内紛が起きていた。　　　　　　　　　　　..│
└────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　 ..::::::::::::::::::::::...
　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　//////::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',　　　　　京都第一区は水谷君
　　　　　 　 |////::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　 　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::ヽ::::::::::::|　　　 　 京都第二区はやる夫君でいこう！
　　　　　 　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::::|｀¨'''|:::::::::::|
　　　　　 　 |:|:::::::::从人ﾙﾘ从ﾘ　___|::::::::::j　　　　　やる夫君なら、二区でも当選してくれる！
　　　　　 　 ﾄ|:::::::::Y弋“≧　 ≦”ﾇﾙ|:::::/
　　　　　　　 ヾミ ﾄﾍ　　　　　　　　 ﾉ::/
　 　 　 　 　 　 ﾊ:|､　　　 t _j　　　彡'､
　　　 　 _,　＜　 |　＼　 -─- 　.,ｲ　　　＞ ､_
　 　＜　　　l　　 |.　　＼　ﾞﾞﾞ　／　|　　　　　　＞
　　　　　 　 |　　 ',　　 　 ー‐.　 　 |
　　　　　 　 |　 　 ',.　　,イ:::::::〉,　　j
　　　　　　　|　　 　',　/　{::::::j　',　/
　　　　　 　 |　 　 　∨　./:::::|　 ∨|
　　　　　　　神田府議会議員（右派・水谷派）

┌──────────────────────────────────┐
│立候補者問題の前に、水谷は労農党左派から攻撃を受けて　　　　　　　　　　　 　 │
│京都支部の代表を辞任に追い込まれ、かわりにやる夫が代表となっていた。　　　.│
│左派としては、やる夫に第一区の候補者になってほしかったのである。　　　　　 　 │
└──────────────────────────────────┘


　　　　l＼　　　　　　　 　 ／|
　　　　|　 ＼　　　　 　 ／ 　|　　　　　　　　京都一区は京都市内を選挙区にしていて
　　　　|　　　＼ 　 　／ 　 　|
　　　　|　　　──／ 　 　 　|　　　　　　　　労農党の支持者が多いから当選するだろ。
　　　　| 　 　 　 　 　 　　　　|　　／
　　　　|＿＿　　　＿＿_　　 |　　　＿　　　 しかし、京都二区はやる夫君の地元宇治が含んでるとはいえ
　　　　|　l＿l　　　　l＿_l　u｜
　　　　|　　＿＿＿＿ 　 　　|　　＼　　　　 かなりの激戦区だぞ！やる夫君を第一区から立候補させろ！
　　　　＼　|/＿＿＿ ヽ　　/
　　　　　 ＞　　　　　　　＜
　　　　／　　　　　　　　　　＼
　　　　　　【左派】

┌─────────────────────────────┐
│普通選挙法下の選挙区割り（中選挙区制）　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│京都第一区（京都市内）議員定数5名　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│選挙区域：京都市内　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│京都第二区（京都南部）議員定数3名　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│選挙区域：山城地域（宇治・城陽・八幡・京田辺・久世郡・綴喜郡）　 　 │
│　　　　　　 乙訓地域（向日・長岡京・乙訓郡）　　　　　　　　　　　　　　.....│
│　　　　　　 相楽地域(木津川・相楽郡）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
└─────────────────────────────┘

┌───────────┐
│肝心のやる夫は・・・　　　...│
└───────────┘

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／　　　　　＼
　　　／_ノ 　ヽ､_　　　＼　　　　　　だ・か・ら　立候補しないって言ってるんだお！
　 ／（●）三（●）)　　　.＼
　 |　　 （__人__）　　　　　　|　　　　 代議士になる予定なんて、やる夫にはないお！
　 ＼　ヽ|r┬-|　/　　　／
　 ／ 　 ｀ー'´　　　　　 ＼　　　　　それに、こういうことは家族と相談しないと決められないお。

┌─────────────────────────┐
│困った水谷派の神田が花やしきを訪れて直談判した。　　......│
└─────────────────────────┘

　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i　
.　i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::iヾ〃Y:::::::::ヽ　　　　私はどうしても水谷を第一区から立候補させたいんです。
　 !:::::::::::::::::::::::li::::i升:::i::::::､::::l ⌒ヽl::::::::::::::i　
　i:::::::::::::::::::从:!込ヒヾ､ﾄ､:i`ｰk_ 　 l::::::::::::::l! 　　　どうにかしてもらえませんか？
　{::::::::::::::::太 Y´ｏ｀ヽ　`　`〃o｀ｉ ,ﾘ::::::::::::!
　 !:Yヽ::::::!　　　　　　　　　　　　　ｿ:::::::::ﾘ　　　　やる夫さんがもし立候補するなら、第二区から出馬すると
‐''ﾊl 桃Y:l!　　/ // 　 　,　j　 l ｌ l　1:::ｿ' 　
::::::::ヽ.ｰ iヾ　　 　 　　　　 　 　　　 i:ﾉ　　　　　 　表明してもらえませんか？
:::::l|::::::`=ﾊ,....、　　 .　-‐―-､　　 ./':､　
-'⌒ｰ'´　　､ ｀` ､( 　 　 　　ﾉ 　,ｲ:::::::ヽ....._
　 ヽ、 ＼､　ヽ、　!` ー‐‐ '　.／::l|:::::::::::::j::::ヽ
`ヽ r-､　ヽヽ _ｉl　..i￣￣ﾞ`'≦-...ﾉl::::::::::::::l::::::ﾘ!
::::::::ﾞ:ｰ'ヽ{_」:k{_」廴〉:::::::::::::::::::::::::`-､_::_:_:!:::::j:::　
:::::::::::::::::ー:::ー-::::ー':::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ_ﾞ＼/::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}　 /:::::::|　
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,ｒ'　ﾂ`i:::::

　　　　 　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　 　 　 ＼　　　　　　やる夫の使命は生物学の研究と性の研究で
　　 　　／ 　＿,　 、＿　＼
　　　／ 　（ ―）三（― ）　.＼　　　 大著述を完成させて、世界の学会に発表したいんだお。
　　　|　　 '"　（__人__）"'　　　|
　　　＼　　　　` ⌒ ´ 　 　／　　　　やる夫の残りの人生を全て生物学に注ぎたいので
　　　／ゝ　 　 "`　　　　　｀ヽ.
　 ／　　　　　　　　　　　　　　＼　　代議士にはなりたくないんだお。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼　　　　水谷君が委員長を辞めたから臨時で就いただけなんだお。
／ 　　　　　　　　　　＼
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |　　　労農党の支部委員長は1年限定で辞めるつもりで
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　後は「相談役」「顧問」という形で党の活動に参加するつもりだったんだお。
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／　　　　この事は誰にも話した事がないけど、これがやる夫の真意だお。

┌───────────────────────────────────────┐
│神田はやる夫から言質をとるべく行動した。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│どうしても水谷を京都一区から出馬させたかったのである。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│花やしきで、やる夫と母親のタネ、神田ともう一人を含めた四者の間で話が行なわれた。　　　 │
│その結果「やる夫が出馬するときは第二区からする」と決められたようである。　　　　　　　　　 .│
└───────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　／￣￣￣￣
　　 　 　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　__　　　,...､-‐--.､、l
　　 　 　ノ､_ヾ／:::::::::::::::::::::::::i　　　お母さん・・・
. 　| 　r''_rァy'::::::::::::::::::::::::::::::::i　　　
　､ヽ、l　 ヽ,':::::::::::::::::::::::::::::∠ 　　　やる夫君には是非第二区から出馬してもらいたいんですが
　 ＼｀ i. 　i::::::::::::､:､::::从`"i:::i　　
　　　　 l.　l:::::::::r仝ヽ`tヾ-ﾊ::l　　　ご了承してもらえませんかね？
　　　 　,|.　i:::::ヾ､・ 　 　 ・　i i!
　 　 ,.:ｲ廴.ｯ､:::ﾞ、　 　　　　 u i　　（って、なんで俺、やる夫君の母親に喋ってんだ？）
　　　l`k､.....-'i:::ヽ　 ___　　　 人
　 　 |:.l:. :. :. :.l.ヾﾐヽ ー'''　／／ｯヽ、
　 　l:..ﾘ:. :. :. i :. :.i｀:.`iー'ﾆ-'´　 i:. :. :iヽ.､ ＿＿＿ ,
　　/. i:. :. :. :l :. :.i､:. ,:.i　/:::ヽ　/i:.＜~. :. :.i :. :., :. l
　 /:. :.i:. :. :..iヽi :. :ﾌ:. :V｀i::::i´V.i:. :. :.>:. :.! :. /:. : i
　,':. :. :.i:. :. ili .:li :〈:. :. : i. l:::::i.　i:. :. :/:. :. :. :/. :. :. i
. i:. :. :. 〉:. :.l:.| .:::l :.ヽ :. :i l::::::l　l:. :../:. :. ',.i:/.:. :. :.:. i
　',:. :.´:. :. :ノ..:/::l :. :ヽ:. i!:::::::l. l.: /:､:. :. :.ly .: へ:. :.l
　 ヽ:. :. ／'''´~ .｀l :. :. !i. l:::::::::il./:. :.',. :. ｲ.i:. :. :. :.ヽl
　　　ｰ '　 　 　　 l :. :. :!i:i::::::::::|:. :. :..', :. |::i :. :. :. :. :.i


　　　　　　　　　　　　 ＿＿_
　　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.〕iト
　　　　　　　　 　 ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._:_/厶
　　　　　　　　　 i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:廴_ｌ:.:.:ﾊ　　　難しい話はよくわからないので・・・
　　　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.: // |:.:l:.ﾘ
　　　　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.〈〈/(|:.:|′　　　やる夫さん、水谷先生に第一区から出馬してもらったら？
　　　　　　　　　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.爪:.:|
　　　　　　　　　 ﾚﾍ/∨/从ｌ .イV　　　　　あなたが出馬するかどうかは、後で決めたらいいでしょ？
　　　　　　　　　／: : : : : : : : : :＼
　　　　　　 　 ./　|i:i: : : : : : : :i:i/ハ　　　　　（って、なんで私が・・・）
　　　　　　　　′ |i:i: : : : : : : :i:| 　 :
　　　　　　　に.ｌ　≧======≦　　|

┌───────────────────────────────┐
│だが、こんなことでは問題は収まらず労農党中央でも問題になった。　　 　 │
│最終的には「第一区水谷・第二区やる夫」となった。　　　　　　　　　　　　　　│
│だが、この時点でやる夫は立候補の意思を示していない。　　　　　　　　　　│
└───────────────────────────────┘

　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::|:::::::::::::::::..ヽ::::::::::::..＼
　　　　 　 　 　 /::::::::::: |::::::|＞ ､|:::::::::::::::. :::::::::::::::::.
　　　　　　　　 :::::::::::::::::l::::/＞彳|:::::::::::::::|ﾊ:::::::::::::::i　　　　　やる夫さん～
　 　 　 　 　 　|::::|::::::.V／ｵｯﾉ　 |:::::::::::::::|ｿ|::::::::::::::|
　 　 　 　 　 　|:::::＼::::.＼　　　　|:::::::::::::::|ｲ:::::::::::::::|　　　　　選挙に出馬してくださいよ～
　　　　　 　 　 |:::::::::《ｯ)j￣ 　　　|:::::::::::::::| |::::::::::::: |
　　　　　　　　 |:::::: ∧　`　　　　 |::::::::::::: |｜::::::::::: |　　　　　お願いしますよ～
　　　　　　　　 |__r-ﾊﾍ　　 っ　　|::::::::::::::|　|:::::::::::: |
　　　　　　 　 ,.ﾍ､〉ﾊﾉ　＼　　 　ｲ|i::::::::::|___|::::::::::::ﾊ　　　　　党の決定ですよ～
　 　 　 　 　　|Tﾉ'／＼ _／＞＜ |:ﾄ|:::::::,'￣|:::::::::::::∧
　　　　　　　／／ 　　（ {:::::::::::::::::|:|:::::::/　　|:::::::::::::ﾄ:::.＼
　　 　 　 　 ＼＼／／ /:::::::::::::::::|:|::::/||　　i::::::::::::::|￣￣
　　　　 　 　 :| ヽ／ ／:::::::::::::::::ノ|:::/　ヾ　 !::::::::::::ﾉ
　　　　　　／|　　　/:::::::::＞／ 　j/／／V/::::::::::::/
　　 　 　 :||　|　　　ﾚ〉:::/∠_ 　ｲ|/／ 　 /:::::::::::::/
　　　　　 |＼| 　　/ |::/ |￣　/ 「 7　 　:l:::::::::::: /　Y
　 　 　 　 }　ヽ_／ ﾉ|:|　| 　 /　|_/　　 /!:::::::::::/　　|ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿|
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━|口|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |田|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


　　　　　　　　　 ／￣￣￣＼
　　　　　　　　／　　─　　 ─＼＿　　　　　　　　いや、お断りしますお・・・
　　　 　　　／　　 （●） 　（●） ＼|l(^)
　　 　　　　|　　　　　（__人__）　　　l(_ ）
　　　　　　 ＼　　　　 ｀ ⌒´ 　　／⊂)
　　　　 　　／ 　 　 　　　　　 　 ヽ　ﾉ

┌───────────────────┐
│細迫書記長の攻勢はすさまじかった・・・　　　..│
└───────────────────┘

　　　　　　　　/: : : :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
.　　　　 　 　/:./: : /.|: : : : : : : ∧: :.|: : : :|: : : : '.
　　　　　　　: /: : /ヽ|: : : : : : /.,へ､|: : : :|: : : : :|
　　　　　　　|:|i: :卞ミ｀､: : : :./-‐¨T.|: : : :|: : : : :|　　　ちょっと！本当に困るんで出馬してもらえませんか！
　　　　　　　|八/{　┃|＼／| ┃　} | : : ∧: : : :
　　　　　　　|:! : :|ヽ__,ﾉ　　　 ‐-‐'　|: : : | }: : : :|　　　 了解いただくまで、何度も連絡しますからね！
　　　　　　　|:ｉ: : |/////´/////// | : : i|ﾉ: j : :|
　　　　　　　八: :|　u.|￣￣￣`} 　 /: : :ﾘ: : /: :　　　　やる夫さんに出馬してもらわないと、困るんですよ！
　　　　　　　　|＼ゝ　ヽ､＿_ .ノ 　/: :／: : /: : :|
　　　　　　　　|: : ヾ!: ≧=‐-‐= イ／: : : :/: : : :|　　　　選挙まで時間がないんですよ！
　　　　　　　　|: : : : :∧-‐{￣}‐-|: : : : :./: : : : :|
　　　 　 　 .___|: :,.-‐'／　∧ﾟ |ヽ.| : : : /:/‐- . ｉ|　　　　決めてくれるまで、何度でも同じ事を言い続けますからね！
　　　　　　 {　｀Y .／ 　 /.-─- .|: : : ﾙ' |　　　｀ヽ
　　　　　　 |　　｀ｰ‐┐〃　 　 　.ヽ : ｉ|　l　　 　 ﾚﾍ　　あ、もう私、東京から京都に行きます！
　　　　　　/　　　　　|.<　　　 　 　 ＼|ノ 　 　 /　　}
　　 　 　 /　 　 　 　.|　ﾄ､ 　 　 　 　 ヽ.　 　 /　　 i|
. 　 　 　/　　　 　 　 l　l::l＼ 　 　 　 　 ＼　/ 　 　 |
　　　　 {　　　　　 　 l　l::l　 ＼ 　 　 　 　 ＼. 　 　 |

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／電話中＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼／￣＼／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／　　　　　＼
　　　／:::::::::::::::: 　　　＼ ＿
　 ／::::::::::::::::　　　　　　 ||　|　　　　　　　　 やる夫は喀血したりして体調がすぐれないんですお・・・
　 |:::::::::::::::::::::::: 　 　　∩!　,ヽ　　　　　　
　 ＼:::::::::::::::: 　 　 　　|　ｰ ﾉ　　　　　　　　 え？嘘？そんな都合の良い事は起きない？
　　 |　:::::::::::::::　　　 |　i　ｊ　￣￣￣|
　　 |　 :::::::::::::　　　 ゝ__/＿＿＿＿i　　　　いや、本当なんですって・・・信じてくださいお・・・
　　 |　　::::::::::　　　　　/　　　　　 ／
　　（＿＿（＿＿　　　ヽ⌒⌒⌒ヽ
　 /　 ,＿/　 ＿＿＿ノ 　　　／
　 `ー'　　`ー'　　　　　　　／

┌──────────────────────────────┐
│書記長の細迫兼光は委員長の大山に継ぐNo.2であったが　　　　　　　　..│
│事実上、労農党を仕切ってたのはこの人だと言って過言ではない。　　　.│
│やる夫の七歳下である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
└──────────────────────────────┘

　│　　　　＿＿＿＿_
　│　. : :´: : : : : : : : : : : : : .
　│´: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　│: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　やる夫さん～
　│: : : /: : : イ: : : : : : : : : : : : : : :.
　│: : /:,＜　 |: |: : : : : : : : : : : : : :l　　　　　京都に来ちゃいました～
　│: :イTrzﾐ｀l: :{: : : : : : ;ｲ: : : : : : !
　│:/　 弋c外V V: : ／ /: : : : : : l　　　　　いいかげん、選挙に出てくださいよ～
　│'　xx 　 　 　 /イr云K |: : : : : ;
　│　　　　　　　′ 弋c不l: : : : : '
　│　　　　　　'　　　xx 　.: : : : : ′
　│　　 　 ､__　　　　　／!: : : : /
　│ ヽ　　　　　　　 イ-イ: : : :/
　│､　　ー‐ェ : ´: : : : /: : : :/
　│/ヽ＿_ノ /|: : : : : /: : : :/
　│ o　/　 /　! : : : /: : : :/
　│｀ Y　　|　. : : : /: : : :/
　│/　! 　 | / : : /: : : :/
　│　/!／ |.: : : /: : :ノ'＼
　│/　　 /: : : /: :/　　　 }



　　　　　　　　　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　／_ノ　　　ヽ､_　＼
　　　　　　 ／　（●） 　（●）　　 ＼
　　　　　　 | 　 　 （__人__）　　 u 　 |　　　ないない、選挙に出馬なんてないお。
r､　　　 　r､＼　 　 ｀ ⌒´　　 　 ,／
ヽヾ　三　|:l1　>　　 ー‐　　 　 ヘ　　　　 本当、困るからやめてくれお・・・
　＼>ヽ/ |｀ ｝　　　　　　　　 　 　 ヽ
　 　ﾍ　lノ `'ｿ　ｲ　 　 　 　 　 　 | 　|
　　　 /´　 / ./ |　　　　　　　　　| 　|
　　　 ＼. ｨ_ノ　.|　　　　　　　　　|　 |
　　　　　　　　　|　　　　　　　　　| 　|

　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿＿
　　　　　　 　 　 　 　 .．ィ"::::::::::::::::｀::::..、
　　　　　　　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
.　　　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::､::::::::ヽ:::ヽ　　　　　　細迫書記長の事は時間がないから調べられなかったけど
　　　　 　 　 　 /::::::::::r一…ﾐｘ:::::::::::＼::::::ｉ::::ﾊ
　　　　　　　　 ':::::::/::l| 　 　 　 ＼::::::::::ヽ::|:::::::.　　　　　 ちょっと調べただけですごい香ばしい人と思いました・・・
　　　　　 　 　 |::l::::!:::{{＿＿　　　 ヾﾞﾑ从ｉ|::::::::i
　　 　 　 　 　 Ⅳ:::l:::ﾄ ＿＿｀　 　 ´__l川:ﾘ::::::::!　　　　　そこらへんは、終盤にでも紹介できればと・・・
　　　　　　　 　 |ヾ:{人Τr::cﾐ　　 ィ::r::c 少:::::::.
　　　　　　　 　 l::::::/)､.乂zｿ 　 　 乂zｿ ﾊ:ﾍ:::::ﾊ　　　　
　　　　　　　　 .'::::///）　 　 　 '　　 　 .人 〉》::::∧
　　　 　 　 　 /:x〈〈〈. ゞ≧:． r‐y　.ｨ彡　/ /}､::::∧　　　
.　　 　 　 　 //　|l＼　 　 　 } ￣ {　　　　 ィ':| l!ヽ∧
　　　 　 　 /::i　 ｷ!　.＞‐ 　 |､　 ,|　　 手ｷl:::| l!　i::∧　　
.　　 　 　 /::: | 　 Ｖ7′￣￣| ￣ |￣￣　ハ:.' ′.|::::∧
　　　 　 /:::::: !　　/` ー─‐/　　 :ゝ--:イ　 ∨　 l!::::::∧
.　　 　 /::::::::::|ｌ ∨　　　　 /　　 　ﾍ.　"´　　 ∨　|::::::: ∧

┌───────────────────────────────────────┐
│やる夫は実際、数ヶ月前に喀血しており　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│医師の安田から安静にするように言われたのである。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│やる夫に出馬するように要請してくる連中が帰った後に、やる夫は安田にこう言ってる。　　 　 .│
└───────────────────────────────────────┘

　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　／　　　　　＼　　　　　　　あいつらはやる夫を担ぎ上げて、代議士にしようとしているお。
　　　　 ／ _ノ　　ヽ__　　.＼
　　　／　（○）!i!i（○）　　　＼　　　　やる夫は生物学の専門家として労農党に参加してるだけで
　　　|　　　（__人__） 　u　　　 |
　　　.＼　　　）t-ﾂ　　　　　／　　　　代議士になるなど、やる夫のプログラムには絶対ないんだお。
　　　　/　　　⌒´　　　　　　＼
　　　　＼＿（__）　　　　　　i＼(__)　　
　　　　　|　　　　　　　　　　|


　　　　　　　　　　 ／!/ヽ::::＼::ヽ＼ヽ､::::::＼ヽ:::::::::::ミ./
　　　 　 　 　 　　/::::!i::::',ヽ::iヽ＼:＼!::＼ヽ::ヽ`::::::::::ヽi
　　　　　　　　　//:::::i:::::::'.,ヽ:i:::::::`::ヽ::::ヽ＼:＼:::::::::ヽi 　　　　　兄さんも大変ですね・・・
　　　　　　　　 /::::::::::l:::∧:､::､:!::iヽ_::::::ヽ:::ヽ＼:ヾ:::::≦
　　　　　　　 　iｿ:::::::::!:i{:)ヾヾヽ::i {:ｿヽ､::::::::ヽ＼::＼::::::i
　　　　　　　　ﾘ i!:::i:::::!ﾞ＝ﾂ` ｀ヾ!＝"　 i::::::::｀::ヽ:::::::ヾ'
　　　　　　　　!　i:::!i::::ｉ　ヽ　､　　　　　　i::::::::::::::::`:::､::ヽ
　　　　　　　　　 リ i!'i:',　 ｀　　　　　　　i::::::::::::::::::::::::＼ﾐ､
　　　 　 　　　　　!　 ! ﾊ. ヾﾆ= 　 　 　　!:へ:::､:::::::::ヽ＼`
　　　　　　　　　　　　　i:i 　ー　　 　 ,..ｨﾘ　　ヾ､ｼｧヾﾐ､
　　　　　　 　 　　　　　 ﾘヽ 　 　,..::'" 　! :　　／'"／　 ｀ｰｪ､
　　　　　　　　　　　　　　　｀""´ヽ　　　 :. ／/ ／　 　 r'´　 ｀- ､._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､　 :／ /ﾝ　　　　i　 　　　　　`

┌──────────────────────────┐
│戦後、日本共産党の京都代表になってる谷口善太郎は　　　　.│
│「やる夫は共産党の要請で立候補した」と言っている。　　　　　.│
│真偽については判断できない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
└──────────────────────────┘

【京都市内のミルクホール（戦前あった飲食店）】

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼　　　　　　やる夫は政治の専門家ではなくて、生物学者だお。
　 ／　　　　 　 　　＼
／ 　　　　　　　　　　＼　　　それに、体が弱いから、議会活動なんてできないお。
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／　　　 やる夫は党の命令には従いたいので
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　細迫書記長の要請には答えたいんだおが・・・
　　＼ ／＿＿＿ ／


　　 　 　 　　　＿＿＿
　　 　 　　　／　　　　 ＼
　　 　　　／　ノ　　　 ヽ　＼
　　　　／ 　 （●） 　（●） 　＼　　　　　はぁ・・・
　　 　 |　　　　　 　´　　　　　　|
　　　　＼ 　　 　　⌒ 　　　　／
　　 　　ノ　　　　　　　　　　　＼

　　 　 　 　　　＿＿＿_
　　 　 　　　／　　　　　＼　　　　　　　実は今日はやる夫さんにお願いがあって来ました。
　　 　　　／　＼　　　／　＼
　　 　 ／ 　 （●） 　（●）　　＼　　　　日本共産党はやる夫さんに出馬して欲しいと要請してます。
　 　 　|　　　　 　__´___　　　　　|
　　　　＼ 　　 　 `ー'´ 　　　／





　　 　　　／￣￣￣＼　　　　　　　　　　日本共産党が・・・
　　　　／ ／ 　 　 ＼ ＼　
　　 ／　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　　　やる夫は谷口君に悩み相談をしたつもりが
　　 |　　　　（__人__）　　　　|
　　 ＼　　　 ｀ ⌒´　 　　／　　　　　　　逆に出馬要請されてしまったお・・・
　　 ／ 　 　 　　　　 　 　 ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｶﾞﾊﾞｯ
　 　 　 　 　 ..:::::::::::::／￣￣∨￣￣＼::::::::::::::::　　　　　　　　　　お願いします！
　 　 ::::::::::::::::::::::::::::::|　 ／￣￣￣＼　 |:::::::::::::::::::::::::　
　 　　::::::::::::::::::＿＿|／　 _ノ 　ヽ､_ ＼|＿＿::::::::::::::::　 　　　　　共産党の候補者としても立候補してもらえませんか！
　　　::::::::::::::／　　／　(（○）) (（○）) ＼　　＼::::::::::::::::
　　:::::::::::::::::|　　　|　　　　　　´　　　　u |　　　 |::::::::::::::::::::::::　　　やる夫さんしかいないんですよ！
　:::::::::::::::::(⊥_⊥）＼＿＿_⊂つ＿＿_／（⊥_⊥）:::::::::::::::::
　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


　　　 　 　 　 ＿＿__
　　 　　 　 ／_ノ 　ヽ＼
　　 　 　／ （ ●）　（●）、
　　　 ／::::::::⌒（__人__）⌒＼　　　　・・・そこまで言われたら断れないお。
　　　 |　　 　　　|r┬-|　　　 |
　　　 ＼ 　 　 　 `ー'´　　／　　　　労農党の細迫書記長からも要請されてるし
⊂⌒ヽ　〉　　　 　　　 ＜´/⌒つ
　 ＼　ヽ　 /　　 　 　 　 ヽ　/　　　そんなに頼まれたら、断れないお。
　　　＼_,,ノ　　　　　　|､＿ノ

┌─────────────────────────┐
│>>1の妄想に過ぎないが　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│やる夫と産児制限運動などで関わってた三田村四郎が　　....│
│共産党の幹部と話し合って、要請したのでは？と思う。　　　..│
└─────────────────────────┘

　　　　　＿＿＿＿　　＿＿＿＿
　　　 　 |＼ 　　　　＼|＼ 　　　　＼　＿
　　　 　 |＿|￣￣￣￣|　|￣￣￣￣|＼ ＼
　　　　|＼　＼Sound...|　|　Sound　|　 ＼ ＼　　
　　　　|　 |￣ | Only.　|　l 　Onlｙ　 .|　　　|￣|　　　やる夫は共産党に理解がある・・・
　　　　|　 | 　 ||＼￣￣￣＼|＼￣￣￣＼|　 |
　　　　|　 | 　 ||　|￣￣￣￣||　|￣￣￣￣|　.|　　　彼に我々の代弁者となってもらおう・・・
　　　　|　 | 　 ||　|　 　 　 　 ||　|　 　 　 　 |　.|
　　　　|　 | 　 ||　|　 　 　 　 ||　|　 　 　 　 |　.|
.　　 　 ＼.l 　 ||　|　 　 　 　 ||　|　 　 　 　 |　.|
.　　　　　　 ￣.|　|　 　 　 　 ||　|　 　 　 　 |￣
　　　　　 　 　 ＼|　 　 　 　 l＼|　 　 　 　 |
　　　　　　　共産党の中央の人たち

　　　　　　　 　 ,　'´￣￣｀ ｰ-､
　　　　　　　 ／　　 〃" ｀ヽ､　＼
　　　　　　 /　/　 ﾊ/　　　　 ＼ﾊﾍ
　　　　　　 |i │ ｌ |ﾘ　　　　　　 }_}ハ　　　出馬したくなかったのに
　　　　　　 |i　|　从 ノ　　　　＼ｌ小N
　　　　　　 |i （|　　i ●　　　 ● lｉ|ノ　　　選挙に出馬する事になったにょろか・・・
　　　　　　 |　 i ⊂⊃　､_,､_, ⊂ﾉi|
　　　　　　 | 　l　　x＞､ __,　イｌ　|
　　　　　　 |　 ｌくﾐヽ::::ﾍ三l:::::ﾉl　lヽ
　　　　　　 |　 l( ⌒ )..::::V::／　( ⌒


　　　　　　　 ./: /: : :/:.:.／　　　　　　 ヽ:.i: : : : ヽ: : : ハ
　　　　　　　/: /: : :/: :/ 　 　 　 　 　 　 i:i: : :ヽ:.:.i: : : : ::
　　　　　　 .′:!: : : {: :' _ 　 　 　 　 　 　 i:}､:_: i|: :i:.i: : : :i　　　この一連の立候補するしないの騒動から
　　　　　　 .:/i:i: : : :|:{ 　 ｀ヽ、 　 　 　 . ィ　'. :.i|ミi:.|: : :.:|
　　　　　　.i:ﾊi:{: :.:.:.i.ヽ＿　、＼　　 ／　 　 .V |: :i.:|: : : i　　　やる夫の伝記の著者の佐々木氏は
　　　　 　 .i:{i:iハ:.:.:.i,ｲ'示:えﾐ. 　 　 　 ィﾆ:示ヽ|:/:.:|: : : |
　　　　　　.i:{:,':i: :V小 {:r':.:.:.i　　　　　　{r':.:.:.:i i}: : :.|: : : i　　　やる夫と水谷の違いを明確に書いてるんです。
　　　　　　 λ:i: : iハ　ヽニ:'　　　 　 　 っ:.:./ .i: : : |}: : :i
　　　　　　/: /i: : |: ::.　　　 　 　 ’ 　 　 ｀¨´ ./: : :.:|: :.:i:{
　　 　 　 /: /:.i: :.:|:i:八　　　　 . --､　 　 　 ./: : : :/: : :i:.:.
　　　　 ./:.ｲ:.: |: : :i|: : へ　　　　　　　　　 .ｲ: : : :./: : : : ハ
　　　　/:/..i:.:._|.:-‐|: : : i. ./:i　. 　 　 .　イ i/: : : /ヽ: : : : :ハ
　　　 ,':ｲ . |ｲ{:::{　 |: : : |. i　ﾍ　｀¨ ´　　' /: : :.;ｲ　　 }:ヽ:.:.ハ
　　　 {:i　/. i.|::::|　.|: : : |. |　　　　　　　 /: : :./:.|　　 i:::::|. 〉､:',
　　　 |:i { / i.|::::|　.|: : : |. |､　　　　　　/: : : / : | 　 /:::://　}:.i

┌───────────────────┐
│水谷はどうしても代議士になりたかった。　　　│
└───────────────────┘

　　/::::::::::::://::://::::::::/:::/::::::/::／::::丿:::::::::/::::ヽ
　./::::::/:::::∥::/:::::/::::/::/:::::::/:::::::::/::/::::::::/:::／::ﾊ
../:::::丨::::::l::l::ﾚ'::/::::::::ｿ::::::::::/:::::::::::/::::::::/／::/::::∧
.|:::::::: l:::::::::::l::/::l:::::/::/::::/::::l:::::::::／:::::／:::/::/::::/:::ﾊ　　　　僕こそ、労農党の代議士にふさわしい。
.|:::::::: l:::::::::::ﾚ::::::::/::l:::::/:l:::::':::／='弋z;ｿ/ ﾚ':／l::::l::::l
.|:::::::: l::::::::::l::/ ﾚ':i:j:l:::/:::l:::l:/　｀　　¨　/　　、fz:/ : :l　　　　無産階級の代表であり、指導者だ。
.|:::::::: l:::::::: l/んl:/:i:l/:::/:l::/　　　　　　　　　　ヽ,.://l
.ヽ:::::::l::::::l　 て l | lﾉl::/　l　　　　　　　　　　.:　ﾉ ./ ;　　　　僕こそ代議士に適任だろ。
　　、:::::::::ヽ　ｰ　ヽ ﾚ'　　｀　　　　 　 　 　 　 　 |
　　∨:::::::::::｀ー .　　　　　　　　 　　｀　ー　=='　|
　　l:::i:::::::::::ゝl::ゝ: :.　　　　　　　　　　　　 ｰ　　/
　　l:::::::::::::::l: l ｀　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　ﾚ'::::::::::/:/　　　　 ＼　　　　　　　　　　　 .
　　 ' VⅣ.l　　　　　、　　 ‐ . . .　　　　　　/
　 　 .'　　 |　　　　　　　　　　　: : : : :　ー'
　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　|

┌──────────────┐
│やる夫はなりたくなかった。　　 　 │
└──────────────┘

　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／　　 ヽ､_ ＼
　　　 ／（● ） （● ）　＼　　　　　　やる夫は自分の上に「労農党」があるんだお。
　　／:::⌒（__人__）⌒:::::　＼
　　| 　ｌ^l^lｎー'´　　　　　　 |　　　　 労農党が出馬しろと言うのなら、出馬するお。
　　＼ヽ 　 L　　　　　　　 ／
　　　　 ゝ 　ﾉ　　　　　　　　　　　　　だけどやる夫は指導者として、そして代議士としては不適任だお。
　　　／ 　 /

┌─────────────────────────┐
│共産党の谷口は戦後にこの時のやる夫をこう評した。　　　...│
└─────────────────────────┘


　　 　 　 　　　＿＿＿_
　　 　 　　　／　　　　　＼　　　　　　　やる夫君は左翼陣営の活動分子ではあった。
　　 　　　／　―　　　―　＼
　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　 ＼　　　　しかし、議会解散請求運動・労農党京都支部の委員長などは歴任したが
　　 　 |　　 　 　 　 ' 　 　 　 　 |
　　　　＼　　　 　 ￣ 　　　　／　　　　それは「人に担がれて」なったのであって、厳密に言えば指導者ではなかった。
　　 　　ノ　　　　　　　　　　　＼

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　　　　＿＿＿　
　　　　　／　　 ヽ､_ ＼
　　　 ／（● ） （● ）　＼　　　　　　やる夫は政治学者じゃなくて生物学者だお。
　　／:::⌒（__人__）⌒:::::　＼
　　| 　ｌ^l^lｎー'´　　　　　　 |　　　　 やる夫は頼まれたから運動をしてるんだお。
　　＼ヽ 　 L　　　　　　　 ／
　　　　 ゝ 　ﾉ　　　　　　　　　　　　　
　　　／ 　 /
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



　　　　　 ／￣￣￣＼　　　　　　　それは著名なインテリ生物学者として左翼運動に貢献したかったからである。
　　　　／　ノ　　　 ヽ　＼
　　 ／　　（●） 　（●）　＼　　　　「自分は左翼組織の一員ではない」「左翼指導者として振舞ってはならない」
　　| 　　 　　　　´　 　　　　|
　　＼　　 　　 ｰ=‐'　　　／　　　　という、やる夫君の生物学者としての意識によるものだ。
　 　ノ　　　　　　　　　　　＼

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　　　＿＿＿
　　　　／　　 　 　 ＼　　
　　 ／　　　　　 　 　 ＼　　　　　・・・今ただちに真実の左翼戦線に投ぜよと言われても
　／　　　ノ　 ヽ､_　　　 ＼
　|　　 （ ●）　（● ）. 　 　 |　　　それはちょっと困るお。ただ、厳重なる規律を持って
　＼ ｌ^l^lｎ__人__)　 　　 ／
　 ／ヽ 　 L⌒ ´　　　　　　　　　仕事を与えてくれるなら、それは立派にやるつもりだお。
　 　 　 ゝ 　ﾉ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／　　 　 　＼　　　　　　　やる夫君は左翼に担がれ、運動に貢献した。
　　　　 　／　─　 　 ─　＼
　　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　そして、「担がれたやる夫君」に左翼は命令した。
　　　　|　　　　　___'___　　 　　 |
　　　　 ＼　 　　`ー'´　　　 ,／　　　　その命令をやる夫君は忠実に実行して運動に貢献したのである。
　　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　 　　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |　　　　　それなのに・・・・あの・・・
　　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|

┌────────────────┐
│最後は水谷への批判になった。　　　　│
└────────────────┘

　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　 ／　　 ＼ ,　, ／＼　　　　　大学で河上教授の講義を聞き
　　　　／　 　 （●）:::::（●） ＼
　　 　 |　　 　 　　___´__　　　　|　　　　マルクス主義の本を５・６冊読んだだけで
　 　 　 ＼　 　 　 |r┬-|　　,／､
　　　　　, -‐ (_).ヽ`ー'´　 　ｨヽ　　　　左翼のりっぱな指導者面をしてる水谷の輩！
　　　 　 ｌ_ｊ_ｊ_ｊ と)　　　　　 　　　i
　　　　　 ￣`ヽ　　　　　　　　|　l　　　あいつの思い上がった態度とやる夫君の態度を比較せよ！

　　　　　　　　　　　　 ＿,,,..．．...,,,＿
　　　　　　　　 _,.-ｯ≦―:::::::::::::::::::::::::::｀:ｰ､
　　　　　　,..r::´:／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ
　　　　 ,.r:::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:::::::::ヽ　　　　　　　　何故、谷口が水谷に激怒してるのかは
　　　 ,ｲ:::::::::::{少‐"´￣｀^＜::::::::ヽ:::::::::::::::!:::::::::::',
　　,ｲ::::::::::::／^　　　　　　　 ＼:､:::ﾍ:::::､:::::i:::::::::ﾍ:',　　　　　　　後に明らかになるのでお待ちください。
　 ｒ:::/:::://　　　　　　　　　　　1:!､::::i:::::}::::::!:::::::::::!::,
　 l:::i::::::i::i　　　　　　　　　, - ¨了ﾍ:::ﾄ､::i::::::i:::::::::::i:ﾊ　　　　　　やる夫と水谷は、この時点から違いがでてきたんですね。
　 i::!::::::ﾍ:!＿_　　　　　／　　　ｿ　 !ﾂ i::|:::::::}:::::::::::}:::!
　 t:从::::iヾ　 　｀ﾞ　　　　 　 ,.ｨf斤本ヾ}:;!:::::::i=ｪ;::::::i:::　　　　　　やる夫派は左派に担がれ、水谷は右派に担がれてたんです。
　　f　!::::ﾊ.　　　　 　 　 　 　 t弋り!}"|::!:::::::::ﾄ､ }::::::!:::!
　　 !　ヾ_:::ヽ　　　　 , 　 　 　 ちｴﾝ　1j:::::::::tｲｿ:i::::i:::::i　　　　　「やる夫は政治家に適任ではない」というのは
　　　　　 ｀iムゞ=r'''" ､　　　　　　　　ﾘ:::::::::::|´:::::|::::!::::i
　　　　　　|::::ﾊ　　　　　　　　　　　　f;:::::::::::::!::::::::|::::i:::::!　　　 　やる夫を調べていく上で本当よくわかりました。
　　　　　 f:::::::::ゝ　　　 ｒ ､　_ _　　　 |i::::::::::i::|:::::::::!::::i:::::}
　　　　　 i:::::::::::↑-､_. |　 !　　　　,.イ::::::::::j::!:::::::::|:::::|:::::i　　　　では、続きはいよいよ・・・
　　　　　j::::::::::::::|::::i:::|i ｌ 　!､._,,. -´ ｆ:::::::::::ﾘ:iﾄ､::::::;!:::::|:::::|
　　　　 ,{:::::::::::i:::|:::::|::!'!　 ,!;:r^! , -=､::::::::::;'::j: : ヽ:!:::::::l:::::|
　　　　 f:::::::::::j::::|:::::!_/　 .,!. 　/　 ／:::::::::;':::,': : : : :｀-､|:::::|

┌───────────────────────────┐
│1928年(昭和3年)1月21日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│民政党が政友会の田中内閣不信任案を国会に提出した。　　　....│
└───────────────────────────┘

　　　　　　　 ∧＿,,,,　　 　　　　　　　　∧∧
　　　　　　　（　・∀・）　　 　　　　　　 (ﾟдﾟ,,) 　 　 　 　　 　 　∧,,∧
　　　　_＿〔（　　　　）〕　　　　　　　〔　(|　　|)　〕　　　　　　 〔ﾐ,・∀・,,ミ〕
　　　　|＼￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　＼∧_∧　　 　　　　__＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　 （　 　・）　　　　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　[＼|　 　つ＼　 　　　 　＼　　　　　　　　　　　　　｜|
　　　||＼[| 　 |＼ ＼　　　　　 　＼　　　　　　　　　　.　｜|
　　　||＼||　　 ⌒＼ ＼　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　 ´
　　　|| 　||￣￣|| 　　∧_∧　　　　　 ＼___＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　´ 　||　 　 ||　　（　 　・）
　　　　　　　　　　[＼|　 　つ＼ 　　 　　 ∧∧ 　 　　　　　　￥円￥
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┌────┐
│宮中　 　 │
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　　　{}={}={}={}={}={}={}={}={}个{}={}={}={}={}={}={}={}={}
　　　.｀{}={}={}´｀{}={}={}´｀{}={}={}´｀{}={}={}´｀{}={}={}´
　　)'ゝ　 .： {}={}={}.：.{}={}={}´｀{}={}={} ：.{}={}={} ：　)'ゝ;
　 .(　 .） 〈〉／：{}=〈〉={}：{}=)'ゝ{} ：{}=〈〉={}：＼〈〉(　 .）:
　.riｪｪｪiｭ／　〈〉　 ：　 〈〉 (　 .） 〈〉　 ：　 〈〉 ＼riｪｪｪiｭ
　└回┘ 　 　　　〈〉　　 riｪｪｪiｭ　　.〈〉　　　　 └回┘
　　　　　　　　　　　　　　└回┘

　　　　　　　　　　　　　_,.............._
　　　　　　　　　 ,..::::::::::::::＿＿::::::､:::...
　　　　　　　　 /:::／,-―――-､:::::､:::::...
　　　 　 　 　 /:::/::/:ｲ:::::::::l:::l,:::::::､::::ヽ::::::::.
　　　　　　　 ,:::::l::/l:::| ､:::::::l,::lヽ__::':,::::::､:::::::::.　　　　　　　　　　　　　陛下
　 　 　 　 　 l:::::l::l--､!-＼::l´':､　､::::､:::::､:::::::::＼
　 　 　 　 　 |:::::l:/,.ｨﾆｫ､　＼ ,ｨﾆｪ､＼､:::',:::､＼::＼　　　　　　　　 　衆議院解散の詔勅をお願いします。
　 　 　 　 　 |:::::|{.　込ﾘ　 ,　 　込ﾘ　l,r':､:::､:::-=,ヽ､:.､
　 　 　 　 　 |:::::ゞ!　　 　 　 　 　 　 ,_ﾝ::∧::::､l∧'ノ!-,ヽ　　　　　　　
　 　 　 　 　 |:::::l ､:..､ 　　´ ｀　　 , ｲ:::::::::::/ヽ::＼l '_ノ､::::＼
　　　　　　　 ',::::l　ヽ:::＞, .._.. , イ:::::::::::::::::l///ｰ-ﾆ=-彡'､::::､
　　　　　　　　',:::! 　 l::::,∧Yl|///ヽ:::::::::,ｨ￣￣ l:::::::､　 　 ＼:＼
　　　　　　　　 ',:::.,ｨ- ､,////!////∧::::l　　　　l:::::::::::.　　　 ヽ:::.
　　　　　　 ／:.:.:､::.,ー､_{_}二二}///:￣|　　　 ,':::/:::::::::.　　　　 :::::.
　　　　 　/:.:.:.:.:.:.:.l///,//l l/l////:.:.:.:.:.|　　 　l/ｲ:::::::::::::.　　　　ヽ::::.
　　　 　 〈:.:.:.:.:.:.:.:l// /-､´l l l///:.:.:.:.:.:l　 　 /ｲ´:::::::::::::::::.　　　　 ',:::::､



　　　　　　　r:､ 　 /ハ　 　 　 　 　 {ミ:、
　　　　　 　 j:{＼、{{ }:}＿ 　 　 ＿　j} }:}　, イ}
　　　　　　. {:にﾆン'´. . . .｀/´. . . . .｀ヽ}//ﾆ}:}､
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　　 ／. -=彡.／. . /. . . . l. . . . . . . . . . . . ヽ. . . . ＼
　／/ . . . .//. . . . . . . . . .|. . . |. . . . ヽ. . . . .',ヽ. ＼ｰ-
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　/ ｲ../| .{. . .｜ ./. '.ｲ ∧| ' . j　＼｀ヽ| . |.j .ハ.￤ . . ,　　　　　　うん、わかった。
　l/ | . .| . . . . l . {. ./ｨァﾐ 　 V　ｨァﾐ:､.| . |､/. . .｜. .i .|
　　 |. . l. .j. . .∧ .Vノ し　　　　　)しハ|. ｉj }､ . .} | . !|.ﾘ
　　　 . . .ﾊ . ﾊ|. ヾ　ゝ ′　　 　 ゝ ' /|. ﾚi ﾊ. .ﾊj . |j/
　　　' . /　Ｖ　l. .| 、 ""　　′ 　 ""　,|./ j'　V　 ∨
　　　 V　　　　ヽ|　｀　　._ `　´ _.　イ/j′　　 　 /
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│衆議院本会議場　 　 │
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 | 　 '`ｰﾟ 」　 L`ﾟ‐'＾　|　　　　　　「朕帝国憲法第七条により衆議院の解散を命ず」
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│同日　京都・宇治　　　....│
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　　　　　　　 ／　　 ─　　 ― ヽ　　　　　　　　　ふぅ～家で飲む紅茶はうまいお。
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　　　　　　|　 　 　 　 （__人__） 　　|　　　　　　　 いつもありがとうだお。
　　　　　　＼　 　　 　 ｀ ⌒´ 　,／ 　 (　::)
　　　　　　／　　　　　　ー‐　　 ヽ　( ::)
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　　　　　|　　 i　　 /　　 　ﾉ、＿__ノ
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　　　　ｊ l　｜　: ::　 .:i: l! .::／-!.:/|　　　.::::::/ /-―　 「:::::::::::::::::::::::::',
　　　　lｲ　｜　:::::.　::lV ∨　　l/　!　　.::::::/´￣￣｀ヽ.ｌｲ:::::::::::::::::::::}:|
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　　　　　ヽ　|ヽ:::::ヽ::::{　{､_ノ::::}｀ 丶　:::/　-;＝=;ミ;、　l::::::::::::::::::::;':|
　　　　　　ヽ|　ヽ:::::ヽ:|｀`ー一'‐　　丶/　　{､_,ノ::::八　}/::::::::::::::/:::|　　　　あら？今日はどうされたんですか？
　　　　　　　　　/＼:| `　　 　 　 　 i　　　 ｀`‐--く_　 /::::::::::::::ノi::::{
　　　　　　 _....イ　:∧　　　　 　 　 ,　　　　　　　　　ノ:::::;ｨ:::／:::::ﾄ､:',　　　 いやにご機嫌で・・・
　 _. -＜￣ 　 ,'　::l　ヽ. 　 　 　 　 '　　　　　　　 ∠ ;-'"::l'´::::::::::{　ﾞヽ.
　 ,､　　 ﾌ　　.l l :::|　 　ﾄ、　　｀` _　‐-　　　　　　／　 ::::!- ､_::::::ヽ
　ノ　　/ 　　 ｊ l :::l　　　ヽ＼　　　｀ﾞ`　　　　　. ｲ　　.　:::|　　 ｀丶_ヽ
　　 ／　　　 l l　:∧　 　 ヽヽヽ､　　　　_ .ィ　／ｌ　　 :　::l　　　　　 ｀丶､
　／ 　 　 　 |.l　:|ﾍﾍ　　　ﾍヽ　｀ 一 '´／／　/ｌ　　::: ::::|　　　　　　「￣

　　γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
　　 |　　臨時ニュースを申し上げます。　　　　　　　　　 　　..|
　　 |　　本日、民政党の不信任上程に先立ち　　　　　 　 　|
　　 |　　政府は衆議院の解散を断行いたしました。　 　 　 .|
　　 |　　時に午後3時20分・・・　　　　　　　　　　　　　　 　 　..|
　　 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ

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　　　　　　　 　 >　　 　 　 　＜　　　　　　　　　　 　 　 　|_|　　　<
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　　　　　　　　　　|　【-i工!-------】　　　 　　 , -┬- ､　　　｜
　　　　　　　　　　|┌┬┬┬┬┬┬┐　　　／＼　|　,/ ヽ;'　｜
　 　 　 ＿「￣　　|├┼┼┼┼┼┼┤　　 /ヽ／´￣｀ヽ<'i 　 |
　　　　　　　　　　|├┼┼┼┼┼┼┤　　 |,-l【121Ghz】l┤::｜￣Z＿
　　　　　　　　　　|├┼┼┼┼┼┼┤　　 ヽ,ゝ＿＿＿X/ 　｜
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　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼　　・・・
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
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　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼

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　　　　　　　 ／　　 ─　　 　 ―　　　　おい千代。
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::{:::::::::::::::::::::::::::::::::i¨∨:|¨ﾘ　　V:::::::::::::/::/ィ≠ ﾐ|::::::::::ﾊ　　　　どうしたんです？急に・・・
::|::i::::::::::::::::{::::::::::::|　zN≠ﾃ㍉ ∨::::::::ﾊ/ 'ﾄ-'::} |::::::::::}
::N|＼:::::::::::＼:::::::{〃　 し'´::}　　ヽ:::::l　　 `¨¨７::::ィ/
:{　　 |＼:::::::ﾊ＼::ヽ ─┴…'´　　 ヽl　ヽ、 ∠..ィ::く
:ヽ　 .|::::::｀¨＼＼｀ `　　　　　　　　　　　　ヽ 　.,::::::::＼
､＿､_|::::::::::::::::＼ヽ、　　　　　　　　　　　　 , ' ∧:::::::::::
∠:::::::|::|:::::::::::::::＼｀ヽ　　　　 　　 　　　 　　 ∧:::::::::::::
　/:／|:从:::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　_.. -‐ ' ／　ヽ＼:::::
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　　|､: :＼{ﾊ:::::::.:.:.:.:.:.::ヽ､＿ 　 　　 　 /

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　　　　　　　　 （　　平穏な日々が今日で 　 　 　 　 　 　 　 ）
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　　　　　　　　 （　　終わるような気がするんだお・・・　　　　）
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　　　　　　　　　ヽ、_ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒~

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ｰ-'　　ｒ１　　　　　　　　∨　　　 　 　 　 　 .Ｖ　　　　　　 ＼/〉　　　　 ∧
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　　　　 ／　ヽ　 L..._　i　　　　　　　ｒ―￢　　　　　 　 　 　 　 　 　 '´　 Ｌ..l

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│日本で初の衆議院議員の普通選挙が始った。　　 　 │
│第16回衆議院議員総選挙である。　　　　　　　　　　....│
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　　　 ///|/////|//ハ////l//l//////! l,:::::::::,､:::::::l:::::::::l:::::l
　　　 l//,!/////|/,/-‐l///-l/ﾊ/////ﾘ-､:::::ﾘ-',::::::|:::::::::l:::::l
　　　 |//|/////|//:::::::l//:::::l/l　,//// 　 l::::/　 ヽ:::!:::::::::l::::!
　　　 l//|/////|/ｨ 云ﾆ=-,､:::::　 ,/,/　ｨ -ﾆ云,-､l:::|:::::::::|:::l
　　 　 ,/|/////,|　 辷z__ｿ　 　 　∨ 　　辷z__ｿ　 l::|:::::::: |::,　　　　さぁて・・・
　　　　}/|/////|::::::::::::::::::..　　..::::::'　 　 　 　 　 　 l:|::::::::::|:,
　　　 ,//!/////l::::::::::::::::::::::::::::::::::: 　 　 　 　 　 　 l:!:::::::: |::,　　　　いろいろと忙しくなりそうね・・・
　　　,//,l/////,l:::::::::::::::::::::::::::::::,_-_､　　　　　　　 l:l:::::::::::!::.
　　　///|/////,ﾄ､:::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　 /:!:::::::::,:::::.　　　 選挙後の事も考えないとね。
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　　,/////,/////l//////,ｭ::::.::::::::::.　　 . ,.＜::::::::::,:::::::::::::,:::::::::.
　 ///////,//// l////,-┴―-､=, -´- '-､::::::::::,::::::::::::/:::::::::::.
　////////:,////l////三三/,ﾆYﾆl l三三|::::::::,:::::::::::/:::::::::::::::.
,//////////,////l///三三l l三 | ﾆ!|三三|::::::/:::::::::/:::::::::::::::::::.

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　　　　　　　└‐￢ | 　　　└‐￢ |　　　　　く..く　
　　　　　　　　 l二ノ .　　　　 l二ノ.　　　　　　＼）



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ここまでの年表

1889年(明治22年)0歳　やる夫誕生

1894年(明治27年)5歳　宇治の花屋敷に移り住む

1901年(明治34年)12歳　神戸中学に入学、半年で中退

1904年(明治37年)15歳　東京で三ヶ月の園芸修行

1906年(明治39年)17歳　大隈重信邸で半年間園芸修行

1907年(明治40年)18歳　カナダへ渡航

1908年(明治41年)19歳　カナダで農地開拓　漁業をする

1909年(明治42年)20歳　小学校入学　　ユニテリアン教会に入会

1910年(明治43年)21歳　ハイスクール入学　生物学者を志す

1911年(明治44年)22歳　12月　日本へ帰る

1912年(明治45年)23歳　4月　同志社普通学校4年に編入学
　　　　（大正元年）　　　12月　竹久夢二と会う。正月、花屋敷に逗留させる。

1913年(大正2年)24歳　7月　丸上千代と結ばれる

1914年(大正3年)25歳　3月　同志社普通学校を卒業
　　　　　　　　　　　　　　 6月　丸上千代と結婚
　　　　　　　　　　　　　　 9月　第三高等学校入学（現：京都大学教養学部）
　　　　　　　　　　　　　　 11月 長男・英治が生まれる

1915年(大正4年)26歳　7月-9月　南洋修学旅行（トラック・グアム・パラオ・アンガウル）

1916年(大正5年)27歳　11月 次男・浩治が生まれる

1917年(大正6年)28歳　7月　第三高等学校卒業
　　　　　　　　　　　　　　 9月　東京帝国大学動物学科入学

1919年(大正8年)30歳　3月　三男・繁治が生まれる（生後七ヶ月で養子に出される）

1920年(大正9年)31歳　7月　東京帝国大学卒業
　　　　　　　　　　　　　　 9月　京都帝国大学大学院に籍を置く（翌年、講師兼務）
　　　　　　　　　　　　　　 　　　 同志社大学予科の講師になり「人生生物学」を教える。
　　　　　　　　　　　　　　12月　腸チフスで翌年1月まで入院

1921年(大正10年)32歳　4月　長女・治子が生まれる

1922年(大正11年)33歳　3月　マーガレット・サンガー来日
　　　　　　　　　　　　　　　4月　「山峨女史家族制限法批判」出版
　　　　　　　　　　　　　　 10月　次女・美代が生まれる
　　　　　　　　　　　　　　 11月　三田村四郎・九津見房子と出会う

1923年(大正12年)34歳　1月　大阪産児制限研究会を発足させる

1924年(大正13年)35歳　1月　大阪労働学校講師になる
　　　　　　　　　　　　　　　3月　京都労働学校を設立。校長になる
　　　　　　　　　　　　　　　5月　講演での事件のため、京都帝国大学を退職
　　　　　　　　　　　　　　 10月　京大社研の資金集めのために、性教育講義をする

1925年(大正14年)36歳　4月　政治研究京都支部第一回会合の代表者に選ばれる

1926年(大正15年)37歳　1月　京都学連事件で自宅が家宅捜査を受ける
　　　　　　　　　　　　　　　3月　同志社大学を退職
　　　　　　　　　　　　　　　3月　京都地方全国無産党期成同盟に参加
　　　　　　　　　　　　　　　5月　労働農民党京滋支部に参加
　　　　　　　　　　　　　　　6月　小作争議
　　　　　　　　　　　　　　 10月　議会解散請願運動全国代表になる
　　　　　　　　　　　　　　 12月　労働農民党が分裂し、大山郁夫体制になる

1927年(昭和2年)38歳　4月　衆議院補欠選挙で京都第五区から出馬する
　　　　　　 　 　　 　 　 　4月　田中義一内閣成立
　　　　　　 　 　　 　 　 　6月　京都5区から出馬するも489票で落選
　　　　　　 　 　　 　 　 　8月　父亀松死去
　　　　　　 　 　　 　 　 　8月　対支非干渉運動のため、警察に一週間検束される
　　　　　　 　 　 　 　 　 10月　普選初の府議会議員選挙で労農党が健闘
　　　　　　 　 　 　 　 　 12月　労農党京都支部の委員長になる

1928年(昭和3年)39歳　1月　衆議院解散、総選挙へ


1929年(昭和4年)39歳　3月　暗殺

今日もご鑑賞ありがとうございました。
さて次回、炸裂するほむほむ無双にやる夫はどう立ち向かうのか！
こうご期待・・・？

＞平穏な日々
ああ……