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　　　　　　　　　　この作品は、第一回普通選挙で衆議院議員に初当選し

　　　　　　　　　　1929年(昭和4年)に暗殺されたやる夫の物語です。


※当作品は、西口克己氏の小説、佐々木敏二氏の伝記等を参考に作らせていただいております。


【お断り】
・現代では使われていない、または使用を自粛をしている用語が登場するかもしれませんが
作者には差別意図等は一切ございません。
また、現代の社会事情や国際情勢から見るとおかしな描写があるかもしれませんが
当時と現代とでは全然違う事をご了承ください。

・やる夫は存命中に、現在も存在する団体、またはそれを受け継ぐ団体
多数の人々と関わりましたが
当作品と、それらの団体、それらの人々とは一切関係ございません。

・この物語はフィクションです　実在の人物が多数でてきますが
それらの人物が実際に、作中での行動・発言をしたと決して思わないでください。
実在の事件、実在の人物を元に作っておりますが、脚色しているという事を何卒ご理解ください。

・実在の人物、二次元創作のキャラクターが出てきますが
それらの人物やキャラクターを貶める意図が作者にはないことをご理解ください。

・作者には知識がないので、政治歴史論議をされても全く関与できませんし、論争の仲裁もできません。



作者的には恥ずかしいのですが、予告編はこちらになります
http://yarutra.blog72.fc2.com/blog-entry-4802.html

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│1957年（昭和32年）頃　　京都・宇治　　....│
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　　　　　　　　 ,.:.': : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : :.＼: : : : ヽ
　　　　　 　 ,.:': : : : : :.i: : i: : : : ヽ: : : : : : : : :.＼: : :ヽ: : : : ヽ　　 　　　 優しかったパパ・・・・・・私は今年で36歳になりました。
.　　　　　 ,.': : : : : : : :.|: : i: : : : : :.ヽ: : : : : : : : :ﾊ: : : ヽ: : ::.:ﾊ
.　　　　 /: /: : : : : : : :i: :.:ヽ: :､: : : :.ヽ: : : :.ﾊ: : :.ﾊ: : :i: i: : : : :',　　 　　 おばあちゃんと一緒に暮らしてます。
　　 　 /: /: : : : : : : : :iヽ: : :ヽ:ヽ: : : : ヽ: : : :.ｉ: : : :i: : :N: : : : : |　
.　　　/: /: :.i: : :i: :.i: : i　ヽ: : :＼:ヽ`ー---:､.i｀': : :i: : :.i: : : : : :.|　　　　 お兄ちゃん達は、パパより年上になっちゃったね。
　 　 |: /l: :.:i: : :i: : i: :.ｉ:　　＼: :ヽヽ:.＼:.:ヽ: :/　i: :/i: : i: : : : : :.:|
　 　 |: i l: : :i: : i: : ヽ =-─'´ ＼ヽ　｀　　　　　, i:.リ: /ヽ: : : : :.ﾊ　　　　去年ママが亡くなったけど・・・
　 　 l:.l. i: : ﾊ: :.i: : : ヽゝ　　　 　 　 　ゞ=ニ=ﾝっ:/:i/:l´｀|: : : :.i:ﾊ
　　　V.　V:.i V:.ヽ: : ﾊcゞ=r'''"　　　　 　 　 ｀ｉ | i: : : :l_ノ|: : : :i: :ﾍ　　　おばあちゃんはもうすぐ90歳なのに今も元気なのよ。
　　　 '､　 Vi　＼:.ト､: .ヽ　　　　'　　　　　　　i : i: : : :.l: :.|: : : :|: : ﾍ
　　 　 　 　 ヽ　ヽ|: l:.｀ヽ　 　 　 -‐- 　 　 　 : :i: : : : :|: :|: : : :|: : : ヽ　 私のことを今もかわいがってくれてるの。
　　　　　　　　　　|: |: :.:.ﾊ､　　　　　　　　　　 /: : : : : |:.:|: : : :|: : : : :ヽ
　　　　　　　　 　 |:.:|: : : : :|＞.､　　　　　　,.イ: : : : : : :|: |: : : :|: : : : : : ＼
　　　　　　　　　 /:.:|: : : :.:.|: : : : ｀'.‐.　, イ　/: : : : : :.::|＼: : :.:|: : : : : : : : ヽ
　 　 　 　 　 　 /: :.i: : : : : |: : : : : : : ／|　 /: : : : : : : :l　　ゝ‐-----､: : : : ヘ
　　　　　　 　 /; ; /: : : : :.:|: : : : _／　　| ./: : : : : : : :/　 ／／　／`¨'､: : : : :ﾍ

　 　 　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : ,______: : : ‐-ヽ､
　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : .r ': : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　 　 　 　 /: : : : : : : : : ／: ／: : : _: : : : r: : : : : .ヽ　　　　　パパが命がけで心配したように
　　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : : ,　/: ./: : : ,　'´: : : ./: : : ､: :ヽ:.',
.　　　　 　 　 　 　 /: : : : : : : / .,'/./: : ./: : : ,: : ,': : ,: : ｀,: ､: ﾞ､ｉ　　　　パパが死んでから、支配階級は満州事変を起こし
　　　　　　　　 　 /: : : : /. ／: .'r-ｌ.: : {: : : ./　从. /: : : .}: ｌ: }: }
　　　　　　　　 ／: : : : / /: : : 〈 r从/.ｌ: .: /./- ｌ_,ｌ _: : : /: }: }: i　　　　さらに支那事変を起こしました。
　　　　　　　／: : : : : /／: : : : ゝ! ﾞ､ｌ ﾞ､ /ｌ,ｌ.rzｪ､ .!: : :/: :/:/l/
　　　　　 ／: : : : : ／: : : : : / : /!: : : ..lⅱ　.ｌ歹／l: :/l:／l/　　　　　　そして、第二次世界大戦が始りました。
　　　　／: : : : ／: : : : _ _　', -く..l: : : : l　　　　 ヽ ﾚ
　　　/: : : ::／: , r-‐'´　 　 　 　 l: : : : ｌ　　.‐-´l´
　　/: : : ./: ／,r-- ､.　　　　　　 ｌ: : : : !｀ ´l: : : l
　 /: ,: : :{: :{/　　　　｀゛ヽ､. 　 　 l: : : : ｌ　　l: : : l
　 ｌ: ｌｌ: : l: :/　　　　 ヽ　　ヽ　 　 !: : :.:.:! 　 l : : :l

　　　　　　　　　　　　　　_....-_..ニ.._￢- .,_
　　　　　　　　　　　_,.rﾆ､/´:::::::::::::::::｀:ヽ､:｀ヽ､　　　　　戦争で、若い人たちはみんな駆り出されて
　　　　　　　　 _,.-'´::::::::::::;::::::::::::::-､::::::::::::＼:::::ヽ.
　　　　　,.-　ア;:::::::::::::;::::;:!:::::::::::::::::::｀ヽ::::::::::ヽ:::::::':,　　　多くの人が殺されたのよ！
　　　 ／　 /:;ｨ:::::::!::::/::/ l::::';:::::、::::::::::::ヽ:::::::::ﾊ::::::ﾊ
.　　　　　 ;':/,':::|:::|:::::|:;'　 ヽ::;ﾄ::::',‐､._::::::::ﾄ.::::::::::';:::::::l.　　殺されなかったとしても、私と同じような"不具者"にされたの！
　　　　　 ｌ;'　!:::|:::|:::::N__, -ヘ::',ヽ::',ーヽ- }:ヽ::::|::|:::|:::l
.　　 　 　 1　l:::|､:';::::| yﾃ=ﾐ.　ヾ　｀Y5Tヽﾊ:::l:::ﾉﾘ::::ｌ:::|、　町も工場もみんな、空襲で焼けてしまったの！
　 　 　 　 ｀　ヾlヾ:ﾄ:::l ' |ｭﾜ:!　　　　hUり' l:::ﾉ:'ﾌ:::::::';:::|::、
　　　　　　　　 ヽ ヾ｀ﾄrっ‐'　 ,　　　ｰrっ/..-'く:::::::::::ﾍ:|::ヽ
　　　　　　　　　　　l:::::l　　 rー_⌒)　／─-､.ﾍ::::::::::::::ヽ::ヽ.
　　　 　 　 　 　 　 ,'::::::｀:::t､._´　｀´_/　 　 　 ｀ﾍ::::::::::::::::＼:l
　　　　　　　　　　/::::::::::l:::l　 ｀ ﾆ ´ｌ　　　 　 　 ﾍ:::::|:::::::::::::｀ヽ､
　　　　　 　 　 　 l:::::::::::ﾊ:::ヽ､_　_,ハ　　 　 　 　 ﾍ:::lヽ::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　 　 |:::::::::l. ヽ:::::::::::/:::::ヽ　　 　 　 　 ヾ', ｀ヽ:::::::::::::::::',

::. ..,, ,,　,;:: ;;　.,;::. ..,, ,,　,;:: ;;　.,;::. ..,, ,,　,;:: ;;　.,;::..,, ,,　. ,; 　 ｀;; ::.. ,,　,;　 ,;: :: ::;; ::,,　　,,;:: :: ::;; ::..,, ,,　,;::
iﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖ　iﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖlﾖiヨ;ﾖｉﾖi'　lﾗiﾗ;ﾗ!ﾖ;ﾖ",.., ;ﾗiﾖ;ﾗiﾗiﾗ　;ﾗ;ﾗ;ﾗ!ﾖlﾖ 　 ,lﾗiﾖiﾖ!ﾖ
iﾖiﾖiﾖiﾖiﾖ;iﾖ　iﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖﾖlﾗlﾖiﾗ;ﾗiﾗi:　!ﾗ｡';'_,,;;'':: -‐‐ ‐''‐''‐-:::''::';;;,__ﾞ'､s';',　 ;ｦｉﾖｉﾖｉﾖｉﾖlヨlﾖi
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iﾖiﾖiﾖ;iﾖ　iﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiヨiﾖlZi ,.‐´.,:::: '　　　ﾞ　　　 　　　　　　　　　` :::::,.｀‐..~ ､:;ﾗiﾗ;ﾗiﾖi
iﾖiﾖiﾖiﾖ　iﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiiﾖlﾖiﾗiｦ;~,.''´ .;;: :::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::;,.ﾞ`::､~ ,; ﾗlヨ;iﾖilﾖll
iﾖiﾖi; ; 　　iﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiヨiｦ ,;3´ .;;:: ::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::;,. ヽ、)ｿ3iﾖlﾖiﾖll
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iﾖ;iﾖ; ; 　 iﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖゝ'' 3　.;;:: ::　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 :::::;;.　ﾞ:,~ iiiﾖiﾖll
iﾖ;iﾖ;iﾖ　iﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖiﾖ;: ｿ;'ﾞ　.;;:: ::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 `　:::::;;.　ﾞ;.i3iﾖiﾖll
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iﾖ;iﾖ　iﾖlヨlﾖiﾖiﾗiｦ;zヽ｀;;il|lil;, .i´,.;,;;;::::::::::::::::::::::::........｀　　　　　　　,.......:::::::::::::::::::::::::::::::;;;;`, ｌ;;:il|i|liﾞゝ"iﾖi
..,, ,,　,;:: :: ::;; ~:: ;;　　,;:ゞヾi||li;|l i;, :､;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;:　, ;.:;il||il|l|;("' ,; ::
ｉﾖlﾖ　lヨlﾗiﾖiﾗiｦ;. ﾟ　｡~･´`-;il|||i|li,.i;.,'::::;;;;;;`;;;;;;:;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:;;;;;;:;;,:;, ;:i:,;i;;ii|l|i|liﾞノ｀ﾞﾉｿiﾖiﾖ
ﾖｌﾖ　iﾖiﾖiヨlﾖiﾗ;;. ., iﾖ⇔､　~ゞゝli||llillii;; ､..:'':;;;;;;;;;;:;;;;;:;;;;::;:::::::::::::;::::;;;;;;:;;;;;;;;;`'':.;...;i;;.;iiｉlil|l|iliﾞゝノｿﾝ ｨiﾖlﾖii
ﾖiﾖ　lヨlﾖiﾖiﾗiｦ;z. 　;;¶iﾖ。~･ヾヽ,`-;il|||il|lii'i;.',..,;i...;..,:..::::';;::;;::::;: :::,i......;　.,:.,.,l;;ii|liil|ii|lilﾞｿソﾞ;;' ｦｉﾗ i
ﾖlﾖ　lﾖiﾖiヨ;ﾖｉﾖｉ; ｨｨ　iﾖiﾗiﾖiｨﾗゝ´`‰ヾ`ﾞゞili;ill|||lli|llii;ﾞ|lii||li||||l||lii|ilil||i|llilli|iｌii''J"''ソソ~;;ﾉﾗ;ﾗl

┌─────────────────────────────────┐
│最後に広島と長崎に、パパが想像すらもしなかった　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│原子爆弾という物が落とされて、一度に数10万人以上の人が死にました。　　　..│
└─────────────────────────────────┘

　　　　　　　　,／ 　　,..:::=ー,..:-=-::､
　　　　 　　　（( ､、_/ i'´ ／　_....,_　｀ヽ
　　　　　、ヽ　ミゞ ゝ ヽ/ ; ｒ','"⌒~^'ｰ::、
　　　 　　''=,ﾐ --　' ＾ ~ ＾　ﾆ　_ ^ヾｰ-:､ ミ:､
　　 　　∠./,:=ﾆﾆ　-　二 =ー::､　^ ﾐ ､　ｰ
　　,.::-=ﾆ'ﾚ,.:--‐　　　ー--::　、ヽ ヽ　ミ ヾヽ
　/　, ,.-‐i ;::::::-､　 !　 .;:::::;;;::;､　; ヽ 　ﾐ　 、ヽ､
　　〃 ./'i　,,:=:, ､　　 _　,:=::.､　 .;　　 ﾆ　 ヾミ､_
　　,!　 i　l,γ @> ﾞ:. 　.: k　@ ミ:､ .i　,:-'　　　､^ミ=-
　 ﾉ.　　!,tゞﾆ彡'ﾉ　: .　^ミ=ﾆｲ､、　 彡ｿﾍ ヾヽヽ、
／ 　　.　ﾚ　　 /　　:. '-､　　　　　:,　　/ ,ｿﾐ:､　〉 )
　　　　　|　/ /ゝ、_ノ..,)ヽ　　 、　l　　i　/ヽヾ ｊ λ
　　　　　! ﾍノ/ﾉ川 !.ﾍヾ､ミ、 i　 :l　 ﾊノ　.)ノ人 ヽ､
　　　　　 !.i＾'=ｧ～'T''⌒ﾅヾﾍ !　 i　/｀´
　　　　 　ヽ､｀l　　;　　/,／　/　./ノ
　 　 　 　　ヾ､i.　;　 〃ﾞ　　/ ,.ﾉ'´
　 　 　 　　　ヾゝi_,ノ　　 ノ／
　　　　　　 　　ヽ､＿,,..／ﾞ


┌──────────────────────────┐
│しかも、その原子爆弾のアイディアを最初に与えたのが　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│パパが会った、あのアインシュタイン博士だというのよ！　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│信じられる？パパ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
└──────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 , -‐:ク´: : : :｀: : : ､
　　　　　　　　　 　 　 ／;.'´: : : : : :ヽ: : : : : : ＼　　　　それに、パパが死んだ後に
　　　　　　　　　　　 /:/: : : : : |:ヽ: : :ヽ: :.ヽ: : : .ヽ
　　　　　　 　 　 　 /:/: : : : : /ヽ:ヽ: : :ヽ: : ヽ: : :.ﾊ　　 パパが「同志」と呼んで信頼してた人たちが
.　　　　 　 　 　 　 i: i: : : : :.i i　_ ;.＼: : :_:､: :ﾊ: : : :i
　　　　　　　 　 　 |:.:i: : :i: :,x＜ 　 丶丶､≧: :i: : iﾘ　　長い獄中生活の間に、パパを裏切りました。
　　　　 　 　 　 　 |: :!: :.:|: :.ｨf示ﾐ 　 　 f示xi |: : }
　　　　 　 　 　 　 |: :!:i:r､ヾ:ｉ弋ソ　　　弋ｼﾞ从ﾉ/　　　大阪のあの人、京都の・・・・
　　　　 　 　 　 　 |: :!,!:ゝ:ヽi　　　 　 ｀　　.ﾊ: |/
　　　　 　 　 　 　 |:/: : /: : :丶　 　´｀ , イ: : :.!　　　　これ以上は、パパに知って欲しくないから言わないわ。
　　　　　　　 　 　 / : :ｉ: : : :|__|. ｀　 .升: :|: : :∧
　　 　 　 　 　 　 /: : : !: : :.:|::〈 　 　 |_:ヽ,!: :∧∧　　　
.　　　　 　 　 　 /: :＞:{ : : ∧:.ヽ,x＜＞i::ヽ: :∧∧
　　　　　　　　 /: :,へ:.:.＼: :∧:.:ヽ＜⌒:!:.:..ヽ ∧∧

　　　　　　　　　　　　　　 ／: : : : : : : :./:.i: : : : : : ヽ: : : : : : : ＼: :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : /i: :i: : : : : : : :ヽ: : : : : : : :.ヽ: ﾊ　　　　本当にパパは立派でした。
　　　　　　　　　　　 　 ,': : : : : : : /: :/ i: :.i: : : : : : : : :`,: : : : : : : :ﾊ: :.ﾊ
　　　　　　　　　　　　 i:./: : :/: : :i: :,'　 ',: :i､: : ヽ: : : : : :',: : :i: : : : : i: :i:.i　　　「やる夫だって、もし生きていたら
　　　　　　　　　 　 　 i/i: : :i: : : :i: ,'. 　 V:i ヽ: : ヽ: : : : : N: :i: : : : : i/: :i
　　　　　　　　　　 　 　 i: : :i: : : i｀≧ト廴_ ヽ. ＼:ヽ 厶斗匕i : : : :/: : :i　　　　どうなっていたか、わかるもんか！」
　　　　　　　　　　　　　 V: : i: :.:.i/,ｨﾁ示ヽ ヽ　　`　ｨﾁ示ヽ 从: :/: : /i
　　　　　　　　　　　　 　 ヽ: :ヽ: :i　 ir'::;;:::}　 　 　 　 |r':;;::} i .i: :/:iヽ': :i　　　　という囁きを聞くたびに
　　　　　　　　　　　　　 　 ＼ヽi.ヽ 弋:少′　　　　 弋:少　/i/: i ./:.:.i
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |:.∧　　　　　　'　　　　　 　 : : : :i´: : :i　　　　この不自由な体の血が逆流するほどの
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |: :.:.ヽ　　　　 　　 　 　　　/: : : :i: : : :i',
　　　　　　　　　　　　　　　 　 .|: : : ｉィ＞. 　 ´　｀ 　 　 イ: : : : :i.i: : : :i:.',　　　怒りを感じました。
　 　 　 　 　.　　　　　　　　 　 |: : : |::::::::/. ＞　　 ＜　.〉: : : : /:.i: : : :i: :',
　　　　　　　!... /　,'.　 /　　 　 |: : : |:::::/　　 l 　 　 　 /: : : : /: : i: : : :.i: ﾊ
　　　　　　　i::: ヽﾉ::: /　 　　　.|: : : |:::,'　i 　 　 　 　 /: : : : /: : : :i: : : : : : i
　　　　　　 〈..::. ...　　`''/ ／′|: : :/::,'.i_　ヽ. 　 　 ／: : : ／:::::ヽ: :i: : : : : : i
　　　　　　　ヽ:: ::: 　 :::.　'ー'⌒)V/::/　 }　　 　 ／: : : ／:::::::::::::::ヽ i: : : : :i: |
　　　　　　　　ヽ.::: .. .:::: ..:::..::／.Vノ　　 },ｨ‐､ _/: : : ／::::::::::::::::::::::ﾊ .i: : : : iﾘ
　　　　　　　　| ＼:::.:.:::::.:::: //i /　　　　　　　 i: :.／::::::::::::::::::::::::::::::|: :i: : : i/

　　　　　　　　/　　//　 / 　 ／ ／|　｜ 　 　 　 ﾍ　　　　＼
　 　 　 　 　 /　　//　 /　　/　/　｜　|　　　|　　 ﾊ　　､.ヽ　ヽ　　　もし、できることなら、私が代わりに死んで
　　　　　　　i　　 |/|　 |　　/|_,ム‐-!- .|　　　|　　　 |　　|　l.　！
　　　　　　　|.　　　_',　|　 /´V ___　V　|＼　｜　 　 |　　|　|　　|　　　パパをよみがえらせてあげたい。
　　　　　　　|　　 /　〉 !､. | r'ﾇ:::::::}ヽヽ.!:::::＼|｀t-、 |　　|　ﾄ.　 |
　　　　　　　| 　 〈.　| ｀　ﾄl　 {:::::::/ ::::::::::::::::_,..-､',. /　 ./ ./｜/　　　そして、こんなことを言う人たちに対して
　　　　　　　|　　 ｀‐|. 　 |::::::::ｰ-'::::::::::::::::::::/::::::ｹV　／ ./　.|/
　　　　　　　|　　 　 |.　 ！::::::::::::::::::::::::::::::::{:::::/　ﾑィ　／　　　　　　 パパが何ていうか聞いたみたいとさえ思うのです。
　　　　　　　|. |　 　 !　　 ',::::::::::::::::::　..,　　 ｀　,〈. /ィ
　　　 　 　 /　|　 　 |　　　', :::::::: 　 　 　 　 _ノ.
.　　 　 　 /　 .|　 　 |　　　 ヽ＼:::: 　 :::::.r ´　__l
　　　　／　　/　　,r１　|　 　 ',　｀ 下､_　| 　 ヽ ｿ__ ｀ｰ∟
　　 ／　　　/　／　 Ｖ |　　　 ',　　ヽ＼｀!　　 l〈/ __｀　　}
　　　　　　ム＜　　　ヽﾄ.　　　 L. -─-ヽ＼.　| V ,､｀　 ∧
　　　　r,ﾆ　._｀ヽ＼ 　 　 ヽ　　 }‐　　二..',　ヽ.| ｀-ｿ 　 ﾊ }
　　　ｒ'´　　　＼ ＼＼.　　 ',.　 ﾑ‐'´　　　|　　|ヽ /　　/　ヽ

.　　　　　　　 　 　 ,. .‐: ――:-:ｧ: …: ､..._
　　　　 　 　 　 ／: : : : : : : : ／: : : : : : : : ｀ヽ
　　 　 　 　 ,.:'´: : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　でもパパ
　　　　　　/ : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : :.:l: ∧: : ∧
　 　 　 　 i: : : : : : : : : :.:./ : : : : : : : /: ,斗: : i: : :i:.ﾊ　　 戦争は10年以上前に終わりました。
　 　 　 　 |: : : : : : : : : : :|: : /: : : :.:/:.:.／|:.:./: : : |.V　
　 　 　 　 |: : : : : : : : : : :|: :.|: :.| : /|i: ｨ灯 :/: :/|/　　　　私は長い亡命生活を終えて
　　　　 　 |: : : : :|: : : : : 〈.ⅥⅥ:./:.|i　 ﾋj　レ'
　　　　　　|: : : :.:|: : : : :V:＼|: :ヽ!|:i　　 　 丶,　　　　　　アメリカから帰ってきた大山先生が
　　　　　　|: : : : i: : : : : :V : |: : : :.|!. 　 　 　/
　　　　　　|: : : :/: : : : : :.:V: !.:.: :.:.|.　　 　 ﾌ　　　　　　　パパのお墓に参られた時
　　　　　　|: : :/: : : : : : : :|:/|: : : :.|　　＿/
　　　　　 / : /: : : : : : : : :|'‐|: : : :.|: : : |　　　　　　　　　　墓石を抱いて、泣き出したのを今でも覚えています。
.　　　　 / : /: : : : : : : :／:.:.:|: : : :.|: : : |
　　　　/ ／: : : : : : ／―-､:|:.: : : |: : : |

・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━

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│1947年（昭和22年）　 　 │
└──────────┘

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼　　　　　　　やる夫！もう大丈夫だ
　|　　　（○） （O）
.　|.　　　.||　（__人__）　　　　　 平和がよみがえった！
　 |　 　 ﾉi　　! 　 | }
.　 |　　 し'　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　 もう二度と再び、こんなことは許さない！
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　約束するよ！やる夫・・・・・・
　　　/　　　 く
　　　|　　　　 ＼
　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)

・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━

　　　　　　　　　......-ｧ:.:.´￣￣｀ヽ、
　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀丶、　　　　　　パパ、私は最近心配してる事があるの。
　　　　　　／:.:.:／:.i:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　/:.:.:／:.:.:.:;.|:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:ヽ　　　　新聞によると原水爆の放射能を浴びた人たちは
　　　　 /:.:./:.:.:.:.:/:.八ﾄ､:.:.:.:.:.:.:.;:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽ '.
　　 　 /:.:.:.l:.:.:.:.:.l:./　 ヽヽ:.:.:.:.:.ﾊ、:.:.:.:.;:.:.:.:.:.} |　 　 いつ死ぬのかわからないし、それに・・・・
　　 　 l/:.:.:i:.:.:.:.:.:≧ｧ､　ﾄ､＼:.:.厶イ:.:.:}:.:.:.:.:.l｜
　　　　Ⅳ:.:.|:.:.:.:./ｘ=ミ､ ヽ＼＼x≠ﾐ:.ﾊ:.:.:.:Ⅳ:!　　　その子孫から私のような先天的奇形児が
　　　　 .{:.:.:ﾊ:.:.:.l灯ｨ刋 　 ＼　ﾄｨ匁ﾊﾉ:.:.ｲV:.:|
　　　　　ヽﾑ:.＼:.|ﾏtツ　　　　 ﾏt少/:／:.}):.:.:!　　　生まれるかもしれないということです。
　　　　　　l八＼ゝ、　 　 '　　　　 /イ:.:.:.ｲ:.:.:｜
　　　　　　|:.:.!:.:.∧　　　 ‐-　　 　 ..ｲ:.:.:.:{:.:.:.:.:|
　　　　　　l:.:.|:.:.:.:.:.:＞　、 ｀　　 ｨ介l|:.:.:.:.:l:.:.:.:.;
　　　　 .／:.:.j:.:.:.:.:.:.｀Y´}　ー　 ´|ヾ､ﾊ:.:.:.:|、:.:.:＼
　　 . ／:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.＼}::ヾ、 　 　 ＼::::Y:.:.:| ＼:.:.:.:ヽ
　　 /:.:.:.:.r─{:.:.:.:.:.:.:.:.＼::ヽ＿　 ,ノ }::::ヽ:.|　　ﾄi:.:.:.:.l

　　　　　　　　　　　　　　 ／: : : : : : : :./:.i: : : : : : ヽ: : : : : : : ＼: :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : /i: :i: : : : : : : :ヽ: : : : : : : :.ヽ: ﾊ　　　　
　　　　　　　　　　　 　 ,': : : : : : : /: :/ i: :.i: : : : : : : : :`,: : : : : : : :ﾊ: :.ﾊ
　　　　　　　　　　　　 i:./: : :/: : :i: :,'　 ',: :i､: : ヽ: : : : : :',: : :i: : : : : i: :i:.i　　
　　　　　　　　　 　 　 i/i: : :i: : : :i: ,'. 　 V:i ヽ: : ヽ: : : : : N: :i: : : : : i/: :i
　　　　　　　　　　 　 　 i: : :i: : : i｀≧ト廴_ ヽ. ＼:ヽ 厶斗匕i : : : :/: : :i　　　　パパ！こんなことがあっていいのでしょうか！
　　　　　　　　　　　　　 V: : i: :.:.i/,ｨﾁ示ヽ ヽ　　`　ｨﾁ示ヽ 从: :/: : /i
　　　　　　　　　　　　 　 ヽ: :ヽ: :i　 ir'::;;:::}　 　 　 　 |r':;;::} i .i: :/:iヽ': :i　　　　片輪は、生まれつきの私一人だけでたくさんです！
　　　　　　　　　　　　　 　 ＼ヽi.ヽ 弋:少′　　　　 弋:少　/i/: i ./:.:.i
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |:.∧　　　　　　'　　　　　 　 : : : :i´: : :i　　　　それなのに、日本の支配階級は共産主義国に
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |: :.:.ヽ　　　　 　　 　 　　　/: : : :i: : : :i',
　　　　　　　　　　　　　　　 　 .|: : : ｉィ＞. 　 ´　｀ 　 　 イ: : : : :i.i: : : :i:.',　　　対抗すると言って、アメリカに媚び諂って
　 　 　 　 　.　　　　　　　　 　 |: : : |::::::::/. ＞　　 ＜　.〉: : : : /:.i: : : :i: :',　
　　　　　　　!... /　,'.　 /　　 　 |: : : |:::::/　　 l 　 　 　 /: : : : /: : i: : : :.i: ﾊ　　様々な恐ろしい核兵器を日本に持ち込んでいます。
　　　　　　　i::: ヽﾉ::: /　 　　　.|: : : |:::,'　i 　 　 　 　 /: : : : /: : : :i: : : : : : i
　　　　　　 〈..::. ...　　`''/ ／′|: : :/::,'.i_　ヽ. 　 　 ／: : : ／:::::ヽ: :i: : : : : : i　　私は本当に怒りを覚えます。
　　　　　　　ヽ:: ::: 　 :::.　'ー'⌒)V/::/　 }　　 　 ／: : : ／:::::::::::::::ヽ i: : : : :i: |
　　　　　　　　ヽ.::: .. .:::: ..:::..::／.Vノ　　 },ｨ‐､ _/: : : ／::::::::::::::::::::::ﾊ .i: : : : iﾘ
　　　　　　　　| ＼:::.:.:::::.:::: //i /　　　　　　　 i: :.／::::::::::::::::::::::::::::::|: :i: : : i/

　　　　ｰｰｰｰ--- .､､,,,_
　　　　　　　　　　　　　 ~`'ｰ-.､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,>'　￣ ｀ヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ヾ,　　　　',　
　　-----------------------------------!‐‐‐‐l.i　　 　 l　
　　 ------------‐‐‐‐‐一''''''''''''''''''''''''"""""""、 　;i!　　 　.,'　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ . ＿ ..　'　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.!'"　
. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　少"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.:-'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,,,..-‐'"
　　　------------‐‐‐‐‐一'''"


┌────────────────────────────────┐
│でも、今日、ある人がやって来て話してくれたの　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│「やる夫先生の生きていた時代と違って、この地球の上には　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│戦争に反対する力が強くなっています。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│ソビエトの人工衛星をごらんなさい。中国をごらんなさい。　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│私たちもまた、何度も間違いながら、それでも、うんと強くなっています」　　 　 │
└────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧
　　　　　／|￣￣|　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　|　i　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /|￣￣￣|
　　　 　 | : | 　 　|　　　 ／ｌ　　　　　　　／|￣￣| |　|　　 　 　 　 　 　 　 　 .　 | |.:　.　.　'|
　　 　 　| . | 　 　| .　　/　/　　　　　　　| : | 　 　|..〉.:|　　　 　 　 　 ／|￣￣|　 | |　 　 : . |
　　　 　 | : | 　 　|￣|/　/　　　　　 　 　| : | 　 　| |　| 　 　 　 　 　 | : | 　 　|　 | |:..　.　　;|
＼　　　 | . | 　 　|　 |_ /　 　 　 ／|￣| :| : | 　 　| |　ｌ'w'^~^ヽ／|￣| : | 　 　|　 | | 　 . .; : |
　:|　　　:| . | 　 　|　 |/　　　 　 :| . |　 | .| : | 　 　| |　|　 　 　 | : |　 | : | 　 　|　 | |.:　'　.　.|
　:l,,r'"゛''| : | 　 　|　 | |￣￣l 　 | : | 　| :| : | 　 　l l ;";　ｌ⌒ｌ　| : | 　| : | 　 　|　 | | 　 . .. : |
　:i　　 |￣|￣￣￣i: |_|　 　 |,;''"| : |　 ||￣γ￣￣　ｌl　 |　 |　| : |　 | : | 　 　|　 | |;..　..　　|
.　l:　 |￣￣|￣￣￣| .|　 　 l 　 | : l　|￣ |_|￣￣￣|_| : |　 |　| : | |￣|￣￣￣||￣|￣￣￣|


┌───────────────────────────┐
│「実際、もし我々が負けて、大変な事が始まりそうになったら　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│今度こそ、やる夫先生が怒りをこめて　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│お墓の下からよみがえって来ますよ　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
│墓も動く・・・・・そんなことが、あっていいのでしょうか」　　　　　　.....│
└───────────────────────────┘

　　　　 　 　 |　　　　 　 ＼　　 ＼　　　　＼　 ＼.　ヽ
.　　　 　 　 /|　　　　　　　 ヽ　　　ヽ　　　　 ヽ　 ヽ　‘，
　　　　 　 / :|　　 　 　 　 　 ‘，　　 ﾍ.　　　　 ‘，　'.　:|
　　　| 　 :|　 |　　 |　　　　　　 i.　　　 |　　　　　:|　　|　|　　　その人は
　　　| 　 :|　 |　　 ﾄ､　　　　　｜ 　 __｣__　 　 　 |　　|　|
　　　| 　 :|　_|＿　|　＼　　　　|＼´　 |ヽ｀　　　 |　　l∨　　　パパが眠ってる裏山のお墓のほうを向いて
　　　|､ ,.イ´ ヽ.　 |　　 ＼　　｜　ヽ　|　‘，　　/　 /
　　 ,.|ﾍ.　|　 　 ＼!　　 　 ＼　|　,ｨ:::ﾏ:ヽ.｜　 /　 /　　　　　静かに微笑みながら、そちらを見つめていました
　　　|　ヽ ｚ＝テミ　　　　　 ヽj　 |::::::::::|　|　 /|　/
　　　|　 /ﾍl:::::::::::|　　　　　　　 　 v-;::::| / ／ ﾚ′　　　　　　・・・・私もそんな気がします。
＼　 ヽ ハ::::::::::::::|　　　　　　　　　ヾ__:ﾉ イ.!
＼＼　＼‘ｖ‐_j:::::|　　　　　　　　　　　　　| |
￣　 |￣　　ヽこ-'　　　　　 　 丶　 　 　 ﾉ |
　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　:|
　 　 |＼　　　　　　　　　 　 rァ　　 ／　　 :|
　 　 |　 ｀　._　　　　　　　　　　　／|　　 　 |
　 　 |　　　　｀　　._　　　　 　 , <　｜ 　 　 |

　　　　　／　　　　　　　 ＿＿　　　　　　　　＼
　　　 ／　　　 　　　　　　　　　¨　ヽ　 　　　＼ ＼
　 　 ,' 　　 ／ 　　　　　　　　　 　　　 ヽ　　　　ヽ ヽ　　　　　パパ、おやすみなさい！
　　 l　　　,' 　　 　 　 l　　　　　　　　　　＼　　　 l　}
　 　i　　/ 　　 　　 　 |　ヽ　　＼ 　　　　　ヽ　j　 |│　　　　 もう誰も、パパの眠っているお墓の背中を
.　　 !　 l 　 i 　 　 　 人 　＼　　`-＞=z‐'　}　|　ﾊﾉ
.　　 | 　{ 　 { 　 {　 / 　 ><　｀ ｰ--- r≠＼|　ﾊﾉ　　　　　　　石膏で塗りつぶしたりしない事を
　　　|　 l 　 ! 　 |　 ! ／ 　 ｀ ｰ‐‐　 　k:::j | lノ（
.　　　|　 ＼ ＼　＼ｲ〃テミ 　　　　 　ゞCl　 }　＼　　　　　　 私は心から信じています・・・・・
　　　 | 　　 ＼|ヽ、 ヽl K:::::}　　　　 、　　 l 　/ ￣ヾー-､
　　　 i　/ __（　|　 ¨ l　C‐'´　　 ＿,-､　 ノ／　　 　ヽ 　 ヽ
　　　// /　| l` } 　 ヽ 　　　　〈__,. -‐／ /　　　　 　│ヽ　}
　　, ' {　i 　 ! i　|　　　＼ー-----ィ´　 l　　 , 　　　　l 　 }/
　　!　 ヽ| 　 i l　|　|　　　}, =＝=ィﾐヽ 　| 　/　 　　　 ｌ 　 !
　　|　　 |　　ヽヾヽヽ/ ^ﾌ-､ ィ´l│ヽヽ {.／　　　　 　l　, '
　　ヽ 　 |　　　＼ヽ/ ／/ /| l　j ヽ ヽ } 〉 　　　　　　| ﾉ
　　　＼､l　　　　 ヽl 　　 　 ｌ　　　　　/　　 　　 　 　,' {

┌────────┐
│2012年　現在　　.....│
└────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　 　:::|
　　　　 　 　 　 　 　 　.| 　 　　や　　　::::|
　　　　　　　　　　　 　 |　 　 　る　 　::::::|
　　　　　　　　　　 　　 |　　　　夫　　.::::::|
　　　　　　　　　 　　　 |　　 　 家　　..:::::|
　　　　　　　　　 　　　 |　　　　の　　:::::::|
　　　　 　　 　 　 　 　 |　　　　墓　　:::::::|
　　　　　　 　 　 　 　 |　　　　 　　　:::::::::|
　　　　　　　 　 　 　 |　 ∬　　　 　 ∬:::|　
　　　　 　 　 　 　 　 |　　ii　,,≦≧､ :ii :::::|
　　　　　　　 　 　 _ |　　旦∥===∥旦::::::| _
　　　　　　　　　┘二二二二二二二二二└

┌─────────────────┐
│やる夫ひとり孤塁を守る　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│だが私は淋しくない　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│背後には大衆が支持してゐるから　　　　│
└─────────────────┘

　　　-大山筆によるやる夫の墓碑銘-

┏┓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ┏┓
┗╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋┛
┏╋────────────────────────────╋┓
┃｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｜┃
┃｜　 　　　　　　衆議院議員のやる夫が暗殺されるようです　　　　　　　.｜┃
┃｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｜┃
┗╋────────────────────────────╋┛
┏╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋┓
┗┛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ┗┛



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　 　　　／）／ノ '　ヽ､＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ .ｲ '（●） 　.（●）＼
　　　　　　　　　　　　　　 . 　/,'才.ﾐ).　 （__人__）　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 . 　|　≧ｼ'　　 ´ ⌒｀　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　.　＼　ヽ 　　　　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やる夫 [Yaruo]

　　　　　　　　　　　　　　　(1889年～1929年　享年39歳)


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.

　　　　　　　　　　 　 -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　 　 　 　 　 　 ／　／" ｀ヽ ヽ　　＼
　　　　　　　　　//, '/　　　　 ヽﾊ 　､　ヽ
　　　　　　　　 〃 {_{ノ　　　 ｀ヽﾘ| ｌ │ i|　　　は～い、解説役のちゅるやにょろ～
　　　　　　　　 ﾚ!小ｌ●　　　 ● 从　|、i|
　　　　　　　 　 ヽ|l⊃　､_,､_,　⊂⊃　|ﾉ│ 　　殺伐としたこの作品の解説役を誰にするかで
　 　 　 　 /⌒ヽ__|ﾍ　　 ゝ._）　 　j /⌒i !
　　　　　　＼ /:::::|　l＞,､ __,　イァ/　 /│　　　>>1は相当悩んだにょろ～
.　　　　　 　 /:::::/|　|　ヾ:::|三/::{ﾍ､__∧ |
　　　　　　　｀ヽ< |　|　　ヾ∨:::/ヾ:::彡'　|

　　　　　 　 　 　 　 　 ,　-‐ r ─―　、
　　　　　 　 　 　 　 ／　　 /　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　 /／ ,=vｼ＝=　、 ヽヽ ヽ
　　 　 　 　 　 　 // //　　　　　ヽ ヽ !　l　l　　　　　>>1は「やる夫が田中角栄になるようです」を見て
　　　　　　　　　〃{ i{ {‐-､　　　ィ尢ﾊl　i|　|
　　　　　　 　 　 {仆　f ｨ=ﾐ 　 　 ｨ≠ﾐ 　|　|　　　　　以前から、ちゅるやを解説役にしたかったみたいよ
　　　　　　　　　　 |ﾊﾑﾍr;_j　,　　jr;_ﾘl　 |）l|!
　　　　　　　　　　 ｌ `∧　　r‐‐v 　　li　 l l |l　　　　　>>1が「衆議院議員のやる夫」をやる夫作品の題材として選んだのは
.　　　　　 　 　 　 ,' 　i　ゝ､ ヽ ノ　 ｨ'l 　 ｌ　l !
　　　　　　　　　 /　 ,'　 ｌ　_}>‐匕!_ /　 ,'l　l |　　　　「誰も短編すら書いてない」って理由だそうよ
　　　　　　　　　/rt/ 　 ィf＜ _ _ ｀/　 /_j　| l
　　　　　　　　ノ |l/ 　 ,' llﾆﾆ二ﾆ/　 /　 ＞､|　　　　本人は、他の人にやってほしかったみたいだけど
　　　　　　 ／　 / 　 /. ├ ￢ｰ/　 / ／／　ヽ
.　　　　 ／　　 / 　 /　　|　　 ,/　 /´,／　　　 ヽ
　 　, イ　　　 /　　∧　　| fA./　 /／ﾚ''´　　　　＼
　 〃≠-､,.ｲ/　　∧　＼,|　 /　 /　　ハ.

　　　　　　　 　 ,　'´￣￣｀ ｰ-､
　　　　　　　 ／　　 〃" ｀ヽ､　＼
　　　　　　 /　/　 ﾊ/　　　　 ＼ﾊﾍ　　　　>>1はめんどくさがりやで、他力本願だから
　　　　　　 |i │ ｌ |ﾘ　　　　　　 }_}ハ
　　　　　　 |i　|　从 ノ　　　 ｀ヽｌ小N　　　一年以上もかかるような作品は書きたくなかったんだにょろ
　　　　　　 |i （|　 |　●　　　●　lｉ|ノ
　　　　　　 | 、|　⊂⊃､_,､_, ⊂ﾉ i|　　　　でも、考えてるうちに、やりたくなったんだにょろ
　　　　　　 |　ヽlヽ＞　､ __　,l⌒ヽ|
　　　　　　 |　／　＼ヽ::ヾ三|::ｉ 　 ｉ
　　　　　　 | ,ミ_::::コ ヾ､:::∨ﾂ l　　|

　　　　　　　 ./: /: : :/:.:.／　　　　　　 ヽ:.i: : : : ヽ: : : ハ
　　　　　　　/: /: : :/: :/ 　 　 　 　 　 　 i:i: : :ヽ:.:.i: : : : ::
　　　　　　 .′:!: : : {: :′　　　　　　　 　 i:}､: : i|: :i:.i: : : :i　　　　実は、>>1は序盤はなんとか書ける様だけど
　　　　　　 .:/i:i: : : :|:{´￣｀ヽ､　　　　　. ィ ￣:.i|ミi:.|: : :.:|
　　　　　　.i:ﾊi:{: :.:.:.i.ヽ＿　､ 　　　　 ´　　　.V |: :i.:|: : : i　　　　中盤以降は構想すら考えてないんだよ！
　　　　 　 .i:{i:iハ:.:.:.i,ｲ'示:えﾐ. 　 　 　 ィﾆ:示ヽ|:/:.:|: : : |
　　　　　　.i:{:,':i: :V小 {:r':.:.:.i　　　　　　{r':.:.:.:i i}: : :.|: : : i　　　　しかも「誰が誰だかわからねぇ！」とか
　　　　　　 λ:i: : iハ　ヽニ:'　　　 　 　 ヽニ:' .i: : : |}: : :i
　　　　　　/: /i: : |: ::.　　　 　 　 ’ 　 　 　 　 /: : :.:|: :.:i:{　　　　「やる夫は、たくさんの人と付き合いすぎなんだよ！」とか
　　 　 　 /: /:.i: :.:|:i:八　　　 「/￣ Y:i　　 　./: : : :/: : :i:.:.
　　　　 ./:.ｲ:.: |: : :i|: : へ　　 ヽ　　 ノ　　 .ｲ: : : :./: : : : ハ　　　頭がこんがらがっているんだよ。
　　　　/:/..i:.:._|.:-‐|: : : i. ./:i　. 　 　 .　イ i/: : : /ヽ: : : : :ハ
　　　 ,':ｲ . |ｲ{:::{　 |: : : |. i　ﾍ　｀¨ ´　　' /: : :.;ｲ　　 }:ヽ:.:.ハ　
　　　 {:i　/. i.|::::|　.|: : : |. |　　　　　　　 /: : :./:.|　　 i:::::|. 〉､:',
　　　 |:i { / i.|::::|　.|: : : |. |､　　　　　　/: : : / : | 　 /:::://　}:.i



　　　　　　　 　 ,　'´￣￣｀ ｰ-､
　　　　　　　 ／　　 〃" ｀ヽ､　＼　　　　　　　　やる夫は有名人では、アインシュタインにも会ってるにょろ・・・
　　　　　　 /　/　 ﾊ/　　　　 ＼ﾊﾍ
　　　　　　 |i │ ｌ |ﾘ＼　　　 ／}_}ハ.　　　　　　中盤以降は小説通りにしようとか
　　　　　　 |i　|　从 ○　　　 ○ｌ小N
　　　　　　 |i （|　⊂⊃ ､_,､_,　⊂lｉ|ノ　　　　　　 >>1は最近考えてるみたいだけど
　　　　　　 | i⌒ヽ j 　 　 　 　　ﾉi|__／⌒)
　　　　　　 | ヽ 　ヽx＞､ __,　イｌ　|::::ヽ／　　　　それでも、必死になって本を読んでるにょろ
　　　　　　 |　∧__,ﾍ}::ﾍ三|:::::/ｌ|　|',:::::ﾊ
　　　　　　 |　ヾ_:::ッﾘ :::∨:／　|　| >'''´　　　　　日○戦争物語の江●先生の気持ちがよくわかるとか言ってるにょろ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .．´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾉ ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／:.:.:.:z─y─ミ／　 ノ:.ヽ　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:.:.:/:/´　　 　 　 ＼:.:.ヽ:.:.ﾊ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 {:.:i:.l:.:!⌒ヽ　　 　 　 ﾞ:.:.:i:.:.:.:.!　　　　　　まぁ、いろいろと言っても仕方がないので
　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ:.V　 　 　 　 ⌒ヽ.}:./:. :./
　　　　　　　　　　　　　　　　　｀Ⅵ.ｨ=ﾐ　　　　　　//:.://:|　　　　　　やる夫の父と母の話からはじめましょう
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:`ﾄ　　 　 ｨ==ﾐ 彳:ノｲ:.:.|__
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .':.:.人　｀＿_　　　 /:.:バ:.:///〉
　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:./j:.:.＼ゝУ 　 彡/:.イ7'　 /〉
　　　　　　　　　 　 　 　 　 /:.:./ .':.:.:.:.. ￣ 「 /:.:./ｉ:.:/ ′　/
　　　　　　　　 　 　 　 　 , ':.:./ /:.:.:.:. ,:ｬ=イ/:.:./≧:!　 　./!
　　　　　　　　 　 　 　 ／:.:, ' ./:.:.:.:ｨ彡’ x/:.:./　 f＾ｰ一ｲ::.
　　 　 　 　 　 　 　 ／:.:.／　.':.:／　才" /:.:./　 /ゝ三三!:∧
　　　 　 　 　 　 .／:.:.／/　./:.f´￣ 　　/:.:./{ 　.!　 ｀　 ´}:.:.∧
　　　　　　 　 ／:.:.／ .:/　 ':.:. |　　 　 /:.:. ' :|　/　　　　/:.:.:.:.∧


　　　　　　　　　　　　　　　 _＿__
　　　 　 　 　 　 　 　 　　' ´　　 ｀`
　　 　 　 　 　 　 　　／　／" ゜＼.　＼
　　　　　　　　　　　/./ﾊ/　　　 　 ヽﾊ ヽ　　　　　やる夫が影も形もないところから
　　　　　　　 　 　　|/ リ'´　 　　 ｀ヽリ　|
　　 　 　 　 　 　 　|.ﾚ从●　　　 ●从.　|　　　　　物語ははじまりますにょろ～
　　　　　 　 　　　 |(|⊂⊃　､_,､_,　⊂⊃|)|
　　 　 　 　 /⌒ヽ| | ﾍ 　　　!_.ﾉ　　 ノ　| |
　　　　　　　＼ /:::::|　l ＞　.____.　＜ .l　|　|
　　　　　　 　 ./:::::/|　|　ヾ:::|三|:::〃　|　|ヽl
　　　　　　　　｀ヽ< |　|　 ヾ:::l:::l:::〃　.|　|::::::>

┏　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┓
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┃
┃　　　　　　　　　　　第一話　　　　　亀松とタネ　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .┃
┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┃
┗　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┛

┌────────────────────────┐
│亀松は1859年（安政6年）に京都四条麩屋町にある　　　....│
│金庫商「奈良忠」の三男坊として生まれた。　　　　　　　 　 │
└────────────────────────┘



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
((＿((＿((___((____((＿(＿((＿((＿((__((___((___((＿((___((＿@　((__((__((__((__((__((___(__((__((__((__((__
　 ／　 ／　 ／　 ／　 ／　 ／　 ／　 ／　 ／　 ／　 ／　 ／/ / / / / / / / / / / / / / / / / / /
／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／/ / / / / / / / / / / / / / / / / / / /
ニ@ニ@ニ@ニ@ニ@ニ@ニニ@ニ@ニ@ニ@ニ@ニ@ニl:l//_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
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＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|／|ヽλ＿Ｙ～匚乂_ゝ、イ~ヽソヽ,ﾊ__ノ乂_ゝ~ヽ
ヽλ＿Ｙ～匚乂_ゝ、イ~ヽソヽ,ﾊ__ノ乂_ゝ~ヽソヽ,ﾊ__ノ、|ｴ |匚ﾉ___~A___匚ﾉ___〉~~A(o)___匚ﾉ＼/匚乂_ゝ、

┌──────────────────────────────────┐
│亀松の父は出生後、まもなく死に　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│長男が家を継ぎ、次男が支店を経営したので　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│三男の亀松は長男と次男から厄介者扱いされ、19歳の時に分家させられた。　　...│
└──────────────────────────────────┘


　　　　　　　　 ,l､::::::::::::::::::::::::::::::::::|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
　　　　　　　　,ﾊ::｀丶､:::::::::::::::::::::::|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;_,, -‐:〈
　　　　　　　　{;;;;ヽ､:::::｀丶､:::::::::::::l:;:;:;:;:;:; ィ";:;:;:;:;:;:;:}
　　　　　　　　,l;;;;;;;;;ｼ丶､:::::::｀:`:ー'‐::'':"::::::::_, ィ"´;;l
　　　　　　　fうl;;;ミミ、　 ｀`丶 ､::::::::,: - ''"´　 ﾘ;;;;;;f-､
　　　　　　　{ l l;;;;;ｯ=`　　 (三> ｀^´ (三ｼ　　ム;;;;;;ｿl}　　　　　　　
　　　　　　　t　!;;;ﾘ　 　 _,,...,,_　　　　　_,,..,,_　 　 l;;;//
　　　　　　 　ﾞl ヾ;l 　:'ｨﾃﾍ9ﾝﾐ　　 ,: ',ｼﾋ9ﾝ､　　l;//　　　　　　　　自分の好きにさせてもらうでおじゃるよ
　　　　　　　　`ｰll!　　 ｀''==ヲ'　　l:.:^''==彡'"　,!ﾘﾉ
　　　　　 　 　 　 ll　　　` '' "　　　l:.:.:` '' "　　,i;;l´
　　　　　　　　　　li,　　　　　,r　.:　:.ヽ､　　　 ,:,り
　　　　　　　　　　 t、　　　/ ﾞｰ､　,r 'ﾞヽ　　/,K′
　　　　　　　　　　　ゝ、　,:'　　　:~:　 　 }　// /ヽ、
　　　　　　　　　　　/{lヽ ,ィ＝=ﾆﾆ=＝,ﾉ,ノ7 /:.:.:.:ヾﾆヽ
　　　　　　　　 , ィ/:.:い ヽ ｀` ー一 ''"／,/,/:.:.:.:.:.:.:.:ｿ }- ､、
　　　　　　　 /　/:.:.:.:ヽヽ `' ー‐ -- '"／／:.:.:.:.:.:.:／ /　　 ｀ 丶､
　　　　　,, - {　 ヾ:.:.:.:.ヽ丶　　　　　／／:.:.:.:.:, -'" ,／　　　　　　 ｀ 丶 ､
　 ,, - ''"　　 丶､ ｀` ーゝ､ヽ.,＿,,ｨ"ェくユ- ''"　, ｨ"

┌──────────────────────────────────┐
│東京の次兄の店で丁稚奉公していたが　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│店番の時に「学問のススメ」を読んでいて、兄にソロバンで殴られたりと 　　 　　 　 │
│兄弟の差別的扱いに我慢ができず、才能を発揮できない自分を嘆いた。　　　　　..│
│その腹いせに、酒は飲みまくる、遊郭に繰り出しまくるわと　　　　　　　　　　　　　　..│
│好き放題だった亀松を皆は「泥亀」と呼んだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│亀松自身は後に「この頃の自分は極道者だった」と言っている。　　　　　　　　　　....│
└──────────────────────────────────┘


:::l:::::::'=（ﾟ__）=p:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　　　　　　　,ｨ{;:;:＼;:;:/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l
:::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　　　 　 i;/＼;:;:;X､＿＿＿＿＿＿＿__j
::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　　　 　 　 ﾘ (ﾐ､ヾL;:__;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
::::ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,ｲ　　　　　　　　 /_,, ｀´ .:　r=｀､` '' ‐r―--＝=〈
:::::::｀丶ﾐ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/┥　　　　　　　 / ﾄｭﾐy　　 ｀~´　　,ノ::::::::::::::::::::ﾉ
::::::::::::::::｀丶ミ三:::::::::::::::::::::::ノ,ｨ!　　　 　　　　,'　｀`ラ, ,ｨｴ二丶、^ヾﾐ:::::::::::::ｨﾍ
:::::::::::::::::::::::,ゞ-r-､:::::::::::::::ｯ'　ﾞi′　　 　 　 　 !　 ,.. /　.: 'ヾﾋi≧ｧﾐ　,}::::::::::ノｸﾉ
::::::::::::::::::／　　ヽJ｀~'i::ｨﾐ´　 ,'　　　　　　　　 ﾞl,/ (;'　,rぅ､、　　　　 ,':::::r'"(.イ
::::::::::_,,ノ　　　　 　 　 tｼ' 　 /　　　　　　＿_,,.ｨ'l ﾍ`ﾆ"´　ヽ　　_,.　,':::ｸ>-ﾍ-ゝ､、
―＜　　　　 /::..　　　　　／　　 　 ,r''",r‐'´　/l'! lﾄﾐ三=ァｨ` ,:" , ,ﾙｲ /:.:.:.::/ ﾘ ｀`t､ー-
:.:.:.:.:.:｀ヽ、　/　　::..　 　 /　　　　 /:::::/　　　　{i,ヽ丶-‐ '"ノ ,/,／:::://:.:.:.:.:/ /　　　 ヽ:::
-――-､ﾐv'　　　　::.. , ﾉ　　　　,ｲ:::::::ヽ　　　　ヾ.丶.,＿_,, -‐'"　 ／ﾉ:.:._／／　　　　　}::
　　　　　｀`丶--― ''"´　 　 ／f:::::::::::::丶、　　　 ゝﾐミ三ニ＝≦,,ムﾆ彡'"　　　　　 ノ::
　　　,,　-‐ '''"⌒丶､　　　 /:::::/:::::::::::::::::::::7ー-‐'"::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::丶､＿＿,,r ''":::::::
　　　　　　　　　ﾋミ､{、　 /r'i::::l:::::::::::::::::::::/:::r―=t‐- ､__::/:::;r-､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　ヽ,//　l::::l::::::::::::::::::::,r'"く二二丶<ノ⌒i'　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

┌────────────────────────────┐
│26歳の時、店の金を盗んだり、借金をしたりした亀松に対して　　　 .│
│怒った次兄は亀松を京都に追い返した。　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
│京都でも彼の放蕩ぶりは治らなかったので　　　　　　　　　　　　　　....│
│ついに厄介払いに滋賀の商家の家へ養子にやられるが　　　　　　...│
│この店から大金を盗んで、京都へ再び逃げてしまった。　　　　　　　 │
└────────────────────────────┘

　　　　　　 // /
　　　　　　// /　　　　　　　　　　　　　 ,r-、
　　　　　 // /　　　　　　　　　　　　　 /;:l;;ヽ
　　　 ("ヾ/ /_　　　　　　　　　　　　　 l;:;:l;;;;;l,
　　　 rゝﾐXｯ' ）　　　　　　　　　　　　 l;:;:;l;;;;;;;l,
　　 ,(ﾆﾐ､'^ヾ"　　　　　　　　 　 　 　 l;:;:;:l;;;;;;;;;l,
　　 f-､_)　　}、　　　　　　　　　　　　l;:;:;:;:l;;;;;;;;;;l,
　　 7ゝ<_　/ 丶 　 　　 　 　 　 　 　l;:;:;:;:;l;;;;;;;;;;;;l,
　　,lミlミﾊ'"　　丶　　 　 　 　 　 　 l;:;:;:;:;:l;;;;;;;;;;;;;;l　
　　lミlミl　i,　　　丶　　　　　　　　 ,' ､＿_l＿_;:;:;:;:j、
　 ,lミlミl　 'i,　　　 丶　　　　　　　/ゞ､,＿l＿,,. ィ彡　　　　　遊ぶための金を出すでおじゃるよ！!
　 lミlミl　　ヽ　 　 　丶　　　　　　lﾐl r＝, ,r＝､ヾﾐﾞi
　 ｀`トｲ　　丶　　　　 ＼ 　 　 　 N ,ｨoｮ! ; ｨoｭ、lﾐゝ
　　　ゞﾊ 　　丶　　 ,r',ﾆ≧､　　　l(,　 イ　t,　　　l/ｭ!
　　　 f=l 　　　＼／／'"^`｀ー-､`ｭ　/'ｰ'^ヽ　　li-'′
　　　 ヾﾄ、　　 ／／　　 ／ / ,/ィ"ﾍ =三= 　,/,久、
　　　　 {l ヽ　 / /　　　 /　/V'"/　 ,ゝ､＿_,／.:'_,:.,ィt、
　　　　　＼　/ /　　　 /　/　　/ '"´,ｨゝ-ィ":.／,r-,ﾆ`ヽ
　　　　　　　,l ,l　　　 ,'　 /　 ,/　　/{i ＿, ‐'"/ / ,.-‐-､!l丶
　　 　 　 　 l　l　　　 l　 l 　 /　　/　　　 　 / /'´　　　 ヽ ヽ
　　　　　　 l　l　　　　　 l　 /　　ｲ　　　　　　/　　　　 　 ヽ ヽ
　　　　　　ﾉ　　　　　l　 l　　　　ﾉi,　　　　　/　　　　　　　 ヽ ヽ
　　　　　 /　　　　 j ,l　,ゝ- ､、＿l＿＿,, ィ"　　 ⌒ヽ、　　lﾄ、ヽ
　　　　　,l　　　　　l ,l f　　　　　　　 ,.:　.:'"^ヽ　 ﾐ<､＿ヽ　j　ヽ l

┌────────────────────────────┐
│そんな亀松に転機が訪れる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│泥酔して、鴨川の橋の上で寝ていたところを　　　　　　　　　　　　 　 .│
│協会の牧師夫妻に介抱され、教会に連れて行かれたのである　 　 .│
└────────────────────────────┘



　　 | ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ|
　　 |丶､;;; _;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_,: ィ";_|
　　.ﾄ､;;;;;;｀ ` '' ー --- ‐ '' ";;;;;:ィ;:;!
　　{;:｀`' ､ ,_ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; , - -'ヽ;:;:;;;{
　　l;:;:;:;:;ﾐ　 ＿` '' ｰ -‐ '"　　　ﾘ;:;:l　　　　　　なんでおじゃるか！ここは！
　　|;;;;;;rﾞ　'´ﾞ゛ﾞ゛ﾞ`ヽ　　/'ﾞﾞﾞﾞ゛`ヽ';;;;|
　rヾ;;;;;| 　　r旬-､　　　ｨ旬-､　　|;;|
　|`ヽ;;;|　　　｀￣´　　　ｉ`─'ﾞ　　 };|´）
　ヽ　|::|　　 　/　r　　　'､　　u 　!:| /
　　!､ |:} し　　　弋r､_r-ﾉ　　　　|:lﾉ
　　　`'|　　　　,ｨ'　　　　ヽ　　　 /´
　　　　| 　 　　|　,ィ=＝､ `､　U/
　　　　| 　 ヽ. ヽｉ}⌒⌒}lノ　　./
　　　./|ヽ u ヽ 弋､ｪｪｪﾉﾉ /::/
　,r'ﾞ^|　| ＼　､　｀──'´ﾉ／
´　ヽ{::::::|　 ＼ヾ､　　　ノ'ﾞ/::::＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／|.￣ |＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　||　　||　|
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　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 l. _i i_　!　　 |　 　 ._i i_.　　　l 　　 | ._i i_ .|
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 l. i乂i .l／￣＼..:　i乂i　::..／￣＼l. i乂i .|
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 l | 　 | |　二　 |　 | 　 |　 .|　 二　| | 　 | !
　 　 　 　 　 　 　 n 　.n 　 .l_|_i_i_|_|　三　 |＿|_i_i_|＿.|　 三　|_|_i_i_| !　　n 　.n
　　　　　　　　　　|^|　|^l 　 |　￣　|　二　 |　 ／＼　 |　 二　|　￣　| 　 |^|　|^l
.　　　　　　 　 　 l￣l l￣l　 |　　　 |　三　 |　 |::::::::|　 |　 三　|　　　 |　 l￣l l￣l
　　　　　　　　　ｌ二二二 |三三三三三三三三三三三三三三三三三| 二二二l
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┌────────────────────────┐
│亀松が起きてみると、目の前にイエスが見えたという　　　.│
└────────────────────────┘



　　　　　　　　　　　冫----v----､
　　　　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　/’::::::::::::::::::::∧:::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　 7::::::::::::::::::::::/　ﾍ:::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　 　 　 iヽ、__:::::::::ノ　　　ヽ ＿:::::::_,..､≠
　　　 　 　_i”＋+±ﾉｧY〉;l=l=l=l=l'=ﾄ=ﾓヲ'"ﾊ
　　　　　 i　ヽ::::／｀ﾞ''-､_ 　 　 _,,.-‐''"ヽ::/ ヽ　　　　　　　　　　え？俺？
　　　　　 ヽλ　 ＜ヽナ　 　 〃tナy　 〃7/
　　　 　 　 iヾ､　　　　　 i　　　　　　　　　ノ,
　　　　 　 i:::::::i　　　　　i　　　　　　　 i'":::::i
　　 　 　 /:::::::ﾊ　　　　〈　,　　　　　　i:::::::::::ヽ
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　　　 ヽ::::::::::::::::::ヽ　　i　　　　 ,′ 　/:::::::::::::::::::::::::::::i　　＼
　　　　 ヽ::::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::/　　　 ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿
　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿／￣｀´:.:.:.:.:.i_＿_
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.: i
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ノ:.:.:.:.:.:.:.／/ /::/::/:ﾊﾍ:.八
　　 　 　 　 　 　 　 　 .:´:.:.:.:.:.:.:.イ:.:/:へ/::/:/"｀Ｖ .:.:｀ヽ　　　　やぁ、君、やっと起きたのかい
　　　　 　 　 　 　 　 /:.:.:.:.:./／!/ｉ:.从ィ芝ﾄ㍉ 　 Ⅵ:.:.:.ﾘ
　 　 　 　 　 　 　 　 ﾘ:.:.:. /ｲ⌒ﾚ' ハﾘ┴┴　　ｘｲハﾊﾉ　　　　君が寝言で住所とか言ってたから
　　　　　　　　　　　　ヽ:.:.:〈て（　ヾ:　　　 　 　 ヾｿﾉﾘ
　　　　　　　　　　　　 八:.:!ヽつ 　 :.　、＿　　　ｲ　　　　　　　 お母さんに連絡しておいたよ
　　　　　　　　　　-=彡:.:.ｲj:.:ハ:　　　 　 　 ｀ ｰ/
　 　 　 　 　 　 　 イノ:.:.:イ八:.:.ﾍ　､　　　　｀"/i　　　　　　　　すごく心配してたみたいだから、もうすぐ来るよ
　　　　　　　　　　 ｲ:.ｲ:.:.:.i:.:.:.: ﾐ彡　｀ ー　- 〈:::ト､
　　　　　　　　　　 从ﾘ:.:ﾊ!:.:.:ヽ＼ー―ｖ「￣｀ヾミ
　　　　　　　　　　　　Ⅵ￣￣￣￣|:i:i:i:i|:i:__rﾍミ=ｰ
　　 　 　 　 　 　 __ ...ｒ┘､ :::::──L:i:i:ｉ|:i:_::|:::|、
　　　　　. . ..:.:.:.::::::::::::::::::::::＼:::::::: |::::|:i:i:i:i:i:i:i:::i:::｀:::.....、__
　　　　. . ..:.:.:.:::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::|::::|:i:i:i:i:i:i: ﾍ::∨:::::::::::::::::＼
　　　 　 . . ..:.:.:.:::::::::/::::::::::::::::::::::::::i::::iヽ:i:i:i:i:i:i ﾊ::∨::::::::::::::::.:.:.:....
　　 　 　 . . . .:.:.:.:::/:::::::::::::::::::::::::::::l::::l:i:i:＼i:/:i: ﾍ::∨::::::::::::::::.:.:.:....
　　　　　　　. . .:.:/::::::::::::::::::::::::::::::::l::::l:i:i:i:i:i「i:i:i:i: ﾍ::∨:::::::::::::::.:.:.:....

┌──────────────────┐
│亀松は母親に家に連れて返されたが　　　 .│
│お礼のために再び教会にやってくる。　　......│
└──────────────────┘

　　　　　　　　　　　　 　 /㍉;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ｨ彡三三i
　　　　　　　　　 　 　 　 l三｀ｰ ､_;:;:;:;:;:;:j;:;:;:;:;:;:_;:;:;_;:〟-三三三三三l
　　　　　　　　　　　 　　 l三　 r＝ﾐ''‐--‐';二,_￣　 　 ,三三三彡彡l_
　　　　　　　　　　　　　　lﾐ′　 ￣　　　　ー-'"　　　 '＝ミﾆ彡彡/‐､ヽ　
　　　　　 　 　 　 　 　 　 l;l　 ,_-‐ 、　　　 __,,.. - ､ 　 　 　 彡彡彳､.//　　　 もう一年前になるが
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∥　`之ヽ､, i　l´ _,ｨ辷ｧ-､、　　　彡彡'r ノ/
　　　　　　　　　　　　　　 1 　 　￣ﾌ/ｌ　l::. ヽこ~￣　　　　 彡彳~´/　　　　　牧師様にはお世話になったでおじゃるよ
　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ　　　´　:l　.l:::.　　　　　　　　　彡ｨ-‐'′
　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ、　　/ :.　 :r-､　　　　　　　　彡′
　　　　　　　　　　　　　 ／ ｨ:ﾍ　　｀ヽ:__,ｨ='´　　　　　　　　彡;ヽ､
　　　　　　　　　 _,,..-‐'7　/:::::::ヽ　　　_: :_　　　 ヽ　　　 　 ｨ´.}::ヽ ヽ、
　　　　　　_,-‐'´　　　 {　 ヽ:::::::::ﾍ ｀'ｰ=＝=ｰ--　'　　　／ﾉ /::::::ﾍ, ヽｰ､
　　　 ‐'"´　　　　　 　 ヽ.　＼::::::::＼　ｰ-‐‐'　 　 　 ／　 //:::::::::::::}　 ） ｀''ｰ-､
　／　　　　　　　　　　　 ＼　＼:::::::::ゝ､＿＿_,,.. ‐ "　　 //:::::::::::::::l　,'　　　　　｀''ｰ-､
'´　　　　　　　　　　　　　　 ＼　ヽ､;:::::ﾍ ､　　　　　　 ／/::::::::::::::::ﾉ /

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　　　　　　　　　　 .レ'|　 ／　|.,!／　　 　 　 　 　 　＼!,|_ヽ　.l`,l
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　　　 /､;:;:;:;:;:;:;:;:;ｰ-:;､_;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
　　 ./ﾐﾐﾐミミ､;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ｰ-;:;､;:_;:;_:;::-‐'"´i
　　 lﾐﾐミミミミミミミｰ-::､;;;;_;:;:;:;:;:;i;:;:;:;:;:;:;:;:i
　　,!ミﾐミミミミミミﾐ　　　＿;`-､;;;!:-‐'''´|ﾐi
　//｀,ヾミミミﾐｼ‐'″　　'ー‐' 　:　 'ﾆﾌ' i;/
　l l　,rヾミミﾐ 　　　　　_,,,,,　　 ﾉ　 _,,_　l
　',ヽヾ､ヾミミ 　　　 ｨで)ヽ､ 　 r';ｨび､.ﾉ　　　　　　ん？誰かいるでおじゃるが・・・・
　 ヽ､__,, ミミ 　 　　 ｀ﾞﾞ'''"ﾌ｀　 | ｀ﾞ'''ﾌ'i
　　〃 i l ミﾐ　　　　　 ／´　 　 | ｀ｰ'´l
　　／ヾ.l ﾐﾐ　　　　　　　/'　 　 |　　/
.　/:::::',ヽヽ`　　　　　　 / ｀ `ﾞｰ-'　/
r/::::::::::',ヽヽ　　　　　　 　 　 i:i　', /
/::::::::::::::ヽヽ＼　　　　'"ｰ=＝=-'/
ヽ:::::::::::::::::ヾ､　` ､　　　ﾞ'一''ｰ'ﾉ′
､　＼:::::::::::::::ヽ　　｀ ｰ‐-t't::i´ﾞｰ-､
.｀-､　｀ｰ-:､::::::ヾ'､ 　 　 //:::l　ヽ　｀ﾞｰ- ､

┌───────────────────┐
│亀松はオルガンの前で、前かがみとなり　　.....│
│編み物をしている女性を見かける　　　　　　　.│
└───────────────────┘

　　 　 　 　 　 ＿＿
　　 　 　 ．.:.´:.:.:.:.:.:.:｀:...、
.　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.f´＼
.　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.:.:廴ﾄｲ
　 ':.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.ﾊ:| |ﾍl
　i:.:.:. |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ｿ:| ||《!
　|!:.:.:.|:.::.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. !:|:| || |
　|{:.l:.:|:.:.:|i:.:.:./:.:.:.':.:.:./ﾘ|:| || |
ｲli:i从l＼{ｲノﾚ1/ﾚｲ廴 ^|_||/
':.li:i: : : : : : : : : : ://:/　ヽ
: ｌi:i: : : : : : : : : ://:/ 　 ハ
: |i:i:_:_:_:_:_:_:_:_://:/ l.／　 {_
: |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:'/: ′{　ー‐ ∧
: : : : : : : : : : : : :{ 　 》､__.ノi:i:i}
￣ ￣￣　￣￣　／⌒ヽ-＜´＼
　　　　　　　 　 /￣￣￣￣￣￣￣|i￣￣￣￣￣￣|
====…─---ｲ{_＿＿＿＿＿＿＿|l＿＿＿＿＿＿|
:_:_{{:_:_:_{{:_:_:_:{{:_!　|　　　　　　l::::|:::::|　　 　　　 |　l::::|
: : : : : : : : : : : : : ＼__　　　 　 |　l￣|　　　　 　 |　|　|
: : : : : : : :l: : : : : : ノ: :＼.　　　|　l　 |　　　　 　 |　|　|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　　´二ゝ─‐-─‐ヘ
.　　　　　　　　　　　　　　　 ／　.／∠　──‐‐-.ﾍ.　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　／"..:／/´‐.Ｔ.丁¨ T ｰ ､　Y　',ヽ
　　　　　　　　　 　 　 ／./ .:./:./ :.:./l:.!　i.:.　 !:.:.　 ヾ..i:.　!:.:ヽ
　　　　　　　　　 　 ／　/ .:./.:/ :.:./　!:!:. ﾊ:.:　',:.:.:.　 ｀!:　l:.:.:ﾊ　　　　　　　あなた、だれ？
　　　　　 　 　 　 　 　 /.:, ｲ.:;'.:.｀:ト 、バ:.ヽ＼.:ヽ,.:.:.:.:.!:　!ﾍ:.:ﾊ
　　　　　　　　　　　　/ / ｲ.:.!.:.!:.!, --ヽ、＼　ゝ久_丈i:.　! ﾊ:.ﾊ　　　　　　 ここの信者の人？
　　　　　　　　 　 　 /:./　 !.:.!.:.i.:f ｨ´::ヾ　　　 ´f´::::ヽヾ :!ヽ l:.ﾊ
　　　　　　　 　 　 ./:./ , 　!.:.!.:.iﾊ ﾏ_;;;ﾉ　 ,　　　ﾏ_;;ﾉ j:. j/　j:.:ﾊ
　　　　　 　 　 　 /:/∧,｣　!.:.!.:.!ﾍ　"" 　r=＝ｫ　"" ,/:.ｲ!ﾊ┘:!ヾ
　　　　　　　　　//!:.ﾊﾞ:.:.:| |.:.ﾊ.:V ゝ､　 丶　 /　　ｨ/:./:.:i／^l:.!　ヽ
　　　　　　　 　 ﾚ' !:.! i.:.:.ヾ!ヽﾊ.:V.:.:.:.:＞,　 _　ィ´V.:/.:.:/　　ﾘ:|
　　　　　　　　　　 !:i　!.:.:.:.:.:.:.:{ﾊ.:V'´ ／′　 .少'／｀ｰ|　　/j/
　　　　　　　　　　 ヾ　ヽ＿,　'7//　/-､　 -／ "　 ／ﾌ 　 ﾋ=ヽ
　　　　　　　　　　　 　 ﾊ ヽ. ///　/'´￣／　　 ／／/　　,｀弋 ＼
　　　　　　　　　　　／　 {　y'//　,'---/　　 ／／- ′.Ｙ´　 ,　｀ヽ｀l
　　　　　　　　　 ／　　　ヽfl l l　 ! 　 /　 ／／〈　　`ｰ〈::....ノ　　　Ｖ
　　　　　　 　 ／　 　 　 　 !l l !.　!　./　///　　 ヽ_ｰ ､ ｀ヾ＿/　//
.　　　　　　／　　　　　　 _∧ l !　!ﾛj　///　　　　　ﾌ-､｀ｰ┴‐-〃
.　　　　 ／　　　　　　 ／　 ハヾ l　l ///　　　ヽ　 |　　`ー‐一′

┌────────────────────┐
│明るい喋り方をし、澄んだ瞳のこの女性に　　......│
│亀松はあわてふためいた　　　　　　　　　　　　......│
└────────────────────┘


　　　　　|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|
　 　 　 .|_;:_;:_;:_;:_;_:_;:_;:_;:_;:_;:_;:i;:_;:_;:_;:_;:_;:|
　 　 　 |_;:_;:_;:_;:_;_:_;:_;:_;:_;:_;:_;:;i;:_;:_;:_;:_;:_;:;|
　　　　 |＝ﾆニﾐ 　 　 , 一,　　　､ｰ､　ヾﾐi
　　　　/ﾆ三彡ゞ,. .. u`""´　　　　`"　 ,iﾐi
　　 　,i三ﾆ彡ﾗ".: 　 , -‐‐-'. 　 .: ｰ- ､.ヾi
　　　 ゞ彡彡'. .: u　,ｨ'で入　.　'. ,ｨ'で)'､ ∥　　　
　　　,r=ﾐﾆ彡 ::　 　 ｀ﾞﾞﾞ"´ﾉ.::　 ',｀ﾞﾞﾞ"´　.|
　 　 ii ﾉ,,ゞ彡 : ::.　　　 　 ' ,::: 　 ', 　 　 .:|　　　　そ・・・その・・・麻呂はキリスト教をよくしらないでおじゃる
　　　ヽ.( 〉ヾﾘ : : ::... 　　/ゝ =､_,,r｀､ 　 ::l
　　 　ヽ　"ヾﾘ : : : :::..　,'　　　: :　　 i　.::l　　　　　ま・・・麻呂は、昨年、牧師様にお世話になって・・・
　　　　 ｀卅ヾi : : : .:::　: 　_,ｨｪｪｪｭ､ :i　::i
　　　　　' 'ヾ| ', : : .:::　i 〈-‐‐rー, i　i .:/　　　　　 それで牧師様にお礼を言いに・・・・・
　　　　　　　ヽヽ: : :::　i　ヽｚｪｪｪｭﾘ :! /
　　　　　　 ,､.|: :ヽ: ::.. ヽ　ヽﾆ二ﾉ　 /
　　　　　 /i |ﾉ: : : ヽ: :.　　　　　 　 /
　　 　 　/:ヽ＼: : : : .｀ﾞｰ- ､..,,,,,,...ノ |＼,,_
　　　_,,/::::::::ヽ ＼: : :.　:.　 ::　　 / ./:::::ヾヽ､_

　　　　　　　　　 〆　／!-‐l:::l :::::/!::::::l:::::::::::::::::::::',:::: ! :::::l::',:::::l ヽ､__/:',
　　　　　　　　　ﾄ､／/ |-‐::!::| :::::! l :::::|'i::::::::::::::::::::i:::::lﾞi:::::il::i:::: !　,>',:::: |
　　　　　　　　 /´:::ゝ､i〉 :::::!:it::､_i　i::::::i　＼::::::::::::::!:_;|-!‐!l::!:::: !ｲiヽヽ: |　　　　　
　 　 　 　 　 　i .::/ //∧ :::| ! ＼ !｀ヾ､:ヽ.　＼::::／i|ム‐|､i:/!:: | ! ', ヽヽ!
　 　 　 　 　　 | /　!/ i::::〉:::ﾄ:! ,ィ≠ﾐ:ヽ｀ 丶 　 '　ゞ;ｨ=≠ﾐゝ|::: l,.|　i::::i　|　　　　 あら、それなら私たちは
　　　　　　　　i i､_｣i　|:/∧:::ﾞi｀代〃 ::ﾊ 　 　 　 　 fヾ〃:ﾉ/ !::: !^l　|::::ソ!　
　　　　　　　　| ::i ｀'＼! | i´t､ﾞi.　ゝ- '　　　　,　　　 ゞ-‐' '　|:::ﾑ./'"::::::| |　　　　 お友達ってことね
　　　　　　　　ｌ ::| ::::::::ii､!ヽ ｀ヾ_ゝ　　 　､＿_,.._＿, 　　　　/::/´::::l:::::: :! |
　　 　 　 　 　 !:::i :::::::::i:ヾ. ｀　　｀‐ ､_　　　　　　　　　　／!:/:::::::::i::::: / |
　　　　　　　　 ! :|i :::::::ヾ ゝ　　　　　 ￣ ヽ　　　　　.イ:::/:/::::::::::/::: /:: l
　　　　　　　　 | :i l ::::::::::ヽ ＼.　　　　　　　｀i _, ＜　.|｀メ/::::::::/::::::/}: /
　　　　　　　　 ヽ.! ヽ :::::_;; ゝ;:〉=-. ,_._　　　/　　　　 メ　i:::::::/‐-､/ ﾚ
　　　　　　　　 　ｒヽr‐t´　　./:::::::::::....｀ ‐､/_　　　　__,,}　ヽ:/　 　 ￣!｀i‐､_
　　　　　　　　／ ヽ y´￣￣｀"‐-､ "ヾ:::::..〉 ｀　　´　　| 　 ｀　　　　.|　}　| ｀ヽ
　　　　　　　/　　　Y　　　　　　　 弋‐--y'_,,-‐‐- ,,＿|　　　　　　 / /　i ､　　＼
　　　　　　　!　 　 /　　　　　　　　 　｀　　} -‐‐‐--==l　　　　　　/ /　/　 ｀ ‐　 ＼

　　　　　　　,':::;;;;;;;;;;/　　｀" ー－ ､;;;;;;, :-－ー─''"i^￣j
　　　　　　　l::;;;;;;;;;;;;;ヽ 　　(三ﾐ)　　　　 (三ﾐ)　　　ﾉ;;;;;;;;|
　　　　　　 _j;;;;;;;;;;;／　u 　　　　　　　　　　　　　　く;;;;;;;;;j
　　　　　 /　l;;;;;;;;/　　　 _ﾆこ_　　　　,; 　　ｨ=　　　｀i;;;;;j､
　　　　　 丶 l;;;;;;;j　　 _ノ､ 〇ヽ　　　i 　_ノ 〇｀)　　.l;;;;;l /
　　　　　　 j .ヽ;;;l: 　　　　￣~,; 　　　|　　 ~￣ 　　　j;;;;l .l　　　　と・・・・ともだち・・・・！？
　　　　　　　}　k;;l::　　　　　,;;'　　　　.l　　　　　　　 .j;;;j /
　　　　　　　丶t;;i:::　　u 　　　　　　 　ヽ　　　　　　 l;;;/　　　　　ま・・・麻呂とあなたとでおじゃるか！
　　　　　　　　　l;|:::::　　　　　　くヽ､_,ﾝノ　　　　　　l;
　　　　　　　　　.';::::::　　　　ﾉ　　　: :　　　ヽ　　　 /
　　　　　　　　　　ヽ::::　　　l　__ｨﾆ=ﾆｭ､　　j　　　/
　　　　　　　　　　_/〉､:::　　　ﾍこニﾆ"｀　　　 .／
　　　　　　　　　/ { {:::::ヽ　　　 ー─ｰ'　　　／ﾊ-､
　　　　　　　　 /　.l l　:::;;;丶､＿　　　 ＿／ ./ /　ヽ
　　　　_ ,-ー"　　　､､　　::; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;' 　./ /　　　Y'-､
　　　 /／丶　　　　 ヽヽ　　　'''''''''''''''' 　　/ /　　　　.ヽﾉヽ_
-ー'"　^-'/^ -､　　　 ヽヽ　　　　　　　　／/　　　　　 ノ　　　ー､

　　　　　　　　 　 　 　 　_,.､-‐―――- ､__
　　　　　　　　　　　　,ィ´:.,.ィ'´￣｀`:.:ｰ-､＼｀丶､
　　　　　　　　　　 ／: :／／: '"´￣: : :＼ヽ:}＞､:.＼
.　　　　　　 　 ,r‐fーマ,ｲ : ／:／￣￣￣｀`丶 :.:＼:.:＼
　　　　　　　 く―‐-､__〉／:／-――――- ､　＼:､＼: ヽ
　　　　　,.ィ''7ﾐ_,斗＜,ｲ:.:./: : :.／: :,.ィ'"´: : } :＼　ﾍヽ:ヽ:.ﾍ
　　　 ／　 /:.く.　／/:.:.:./: ＼': :／: : : : :.／: :,'!: ＼ﾊ:ﾍ:. :ハ
.　　 /| 　 /:.:.ハﾑイ: : :/:.／!: X: : : :._,イ:.:/ / | : |: ヽ!:.:!-‐┴-､
　　ムj _,厶:/／{　,':.:. :i,ｨfテｯ､-ﾍr''"/:.／,ｲ　」_;ﾑ:.:.ﾘ:.:ﾄ､ー-､ {
　 「￣､-‐＜:.:./∨:.:.:.:.|`|ﾊ::::},ﾊ -‐''"´／ィ'"´!:/!: :/:.:.:!:|､＼ｰﾘ　　　　　　　　ええ！きっと良いお友達になれるわ！
　 ﾚ'´　,':.ﾊ:.:.:/:.:.:|:.:. : :|ヽ'=ソ　 　 　 　 /刋ミﾊ/:./: : :,':.| | 　K､
　　　　ｉ/　|: :|:.:.:.:| : : : i　　　　　　　　　{krjノ '",ｲ : : /!:.| レ'ﾄ　＼
　　　　|!　 !: :ﾊ:.:.ﾊ : : :ﾊ 　　/ヽ､ _'_ 　 ｀"´ ／ : :.／|: :.|.〈:.:.i 　 　ヽ
　　 　 　 /∨::,ﾍ: :|､: : : iﾍ.　{::::::::::ノ 　 　 ,ｲ＿,.イ:／| : |ﾍ∨　　 　 !ﾍ
.　 　 　 /　i::./ ∧:| ﾍ : ﾊ　＼`ﾆ´-‐　'"´-―‐-､:.／|: ,'／＼　　　 | ∧
　　　 ,ｲ 　 |::i ,'::.ヽ!　∧:.|､_　　／￣`Y´　　＼　∧_/i/　　　 ヽ　　ﾑ-‐'
　　／　　　|::|.! : :: :: 厶ﾊ|.::｀Y´　　 ／￣｀ヽ　ヽ 　} /　　　　　 i＼
　〃　　ヽ　|::||:: :: ::.::ﾚ､__｀`/　　／ 　 　 　 ﾍ｀ヽ.ﾉ:|　　　　　　 |/~
〈　＼　　　 |:∥: :: :: | :: ::｀7　　 {＿_ 　 　 　 ﾊ_/::.::|_
. { 　 ｀'ｰ-､ﾊ ﾊ :: :: ::! :: ::/　　 /｀`ヽ＼　　 |　}-┤:: ＼
　∨ ＼.　　V.∧:: :: ,＞'"ヽ_／　　　|:: ﾊ 　 !,ｲ　└‐ｰ-ヽ
　 ∨　 ヽ 　 ﾊ.∧::/__　　/　 　 ∠　`ｭ::|　〃
　　∨　　＞―＼ {__ ｀`く 　 ／ 　 　 〈/　| ｀>
.　 　∨　{ :: ::r==t＼｀ ｰ''tイ ＿,.､r'ﾌ　}__//ﾑ
　　　 `''ｰﾍ::く〉ｰ―v＼∠｀ヽ､__,.､-‐'"　 /:: ::ヽ

┌───────────────────────────┐
│この、はっきりと言い切った女性に、亀松は衝撃を覚えた。　　　...│
│この明るくて生き生きしている女性に一目ぼれし　　　　　　　　 　 .│
│亀松は極道を辞めようと決意した。　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
└───────────────────────────┘

　　　　　　　　 | ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|
　　　　　　　　 l､__;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l
　　　　　　　　,'三ﾆ'￣｀¨` ''ー-'-一'' "¨ﾞ´￣三三{
　　　　　　　　l三ミ　　 ∠三)　　　(三ヽ　　 ｨ三三!
　　　　　　　　l三ｼ′　 . :: .　　　　 . :: .　　 ヾ三三}
　　　　　 　 i^l三　　 _,-‐-、　　　　 , -- 、　 'ミ三ﾑ　　　　この女子、一体なに者でおじゃるか
　　　　　　　','l三 　 ,ｨ'でoゝ、:　 :. ,ｨ'でoｭ、　 '三/i ',
　　　　　　　 Yヾ'　　 ミ三ﾃ' /　 ', ヾ三彡'　　 l::/ il ,!
　　　 　 　 　 l ',;i　　　　　　.:　　 :.　　　　　　　l:lｿﾉ/
　　　　　　　 丶ｲ　　　　　,ｨ　　　 ヽ　 　 　 　 l:l　/
　　　　　　　　　li,　 　 　 / `^'ー'^'丶　　　　　l:し'
　　　　　　　　　 ',　　　　　　　し　　　　　　　 jﾉ
　　　 　 　 　 　　ヽ　　　　,r=＝=､　　　　 　 ﾊ､
　　　　　　 　 　 　 ヽ　　　K!::::::::l,}　　　　 ,ｨ' ﾘ ﾄ、
　　　　　　　　　　　,小､' , l:.L::::ノﾉ　 ,. ' ,/ l/　/:.ヽ
　　　　　　　　　, -/ ll　ヽ',ヽ'二'ﾝ　,:' ,／／　/:.:.:.:.ヽ- ､、
　　　　　　　_,／イ:.:.:ヽ　丶.,＿＿,,. ノ ／　 ,/:.:.:.:.:.:.:.:.ノ l
　　,,. -‐ ''"´{、 ヾ､:.:.:.:丶、　　　　　／　 ／:.:.:.:.:., - '" /｀ 丶､

┌─────────────────┐
│この女性は、安田タネ（多年）といい　 　 .│
│京都の足袋屋の長女であった　　　　　　 │
└─────────────────┘

　　　　　　　　　　 　 ＿_ __ _
.　　　　　　　 _ ,　'"´　 ,. _ ___｀丶、
　　　　 　 ／　｀　/　 /´-‐ｧｰ-ヽ ＼
.　　　 　 / ／下7　../／／.:.::/ .:.:ﾄ､ ヽ　　　
　 　 　 / └ｲ_j/　.://;へ、／!.:.::/:.}ヽ　',
　　 　 ,'　 ///!l　.::j.:lｲ仔くヽ/,.イ,.ム:.',　l
　　　 , 　 '〈/f`| l ::l｀' ゞゾ　'´　ｒャjﾉ::.ｌ:. |　　
　　　 |　 l:l :!:{､| l ::|　　　 　 　 ﾏｿハ: |:: |　
　　　 |　 l:ｌ::i个| l ::l! 　 　 ｌ⌒ヽ′} .:}:.ｌ:: l
　　　 |　 lﾊ:l::{::', ::::{､　　　ヽ.ノ　 /.:/::.l:: l
　　　 l　!:|:::',::',::ヽ:::ヽ＼._　 　 ／.:/::::/l::;!
. 　 　 ',::{:{､:::ヽ＼:＼;ゝ ｀「:ﾌ´!::::/;:::/ 〃
.　　 　 ヾﾊj＞''´ ヽ ﾄ､_..上くｲ::::{ {::{／　　　
　　　　／⌒ヽ､＼　｀　＼-ｰ￣＼ヾ　　
　　　/ 　 　 ヽ ＼＼　 　 ＼´￣｀ヽ､　　
.　　 ｌ　　　　　',　 ＼＼　　　＼　 __| ＼
.　　 |　　　　　 ',　　 ＼｀ヽ､　　∨ｎ|　} ﾄ､

　　　　　　　　　　 　 -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　 　 　 　 　 　 ／　／" ｀ヽ ヽ　　＼
　　　　　　　　　//, '/　　　　 ヽﾊ 　､　ヽ　　　　ドラマや映画みたいな、馴れ初め話にょろ～
　　　　　　　　 〃 {_{ノ　　　 ｀ヽﾘ| ｌ │ i|
　　　　　　　　 ﾚ!小ｌ●　　　 ● 从　|、i|　　　　これ本当の話にょろか？
　　　　　　　 　 ヽ|l　|｜､_,､_　|｜　　|ﾉ│
　 　 　 　 /⌒ヽ__|ﾍ |｜ ゝ._） |｜j /⌒i !
　　　　　　＼ /:::::|　l＞,､ __,　イァ/　 /│
.　　　　　 　 /:::::/|　|　ヾ:::|三/::{ﾍ､__∧ |
　　　　　　　｀ヽ< |　|　　ヾ∨:::/ヾ:::彡'　|



　 　 　 　　　　　　　　　,　-‐ r ─― 、
　　　　　 　 　 　 　 ／　　 /　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　 /／ ,=vｼ＝=　、 ヽヽ ヽ
　　 　 　 　 　 　 // //　　　　　ヽ ヽ !　l　l
　　　　　　　　　〃{ i{ {‐-､　　　ィ尢ﾊl　i|　|
　　　　　　 　 　 {仆　f ＿　　 　 ＿　| 　|　|　　　　多分、うそ。
　　　　　　　　　　 |ﾊﾑ ￣　,　　 ￣　l　 |）l|!
　　　　　　　　　　 ｌ `∧　　r‐‐v 　　li　 l l |l　　　　後に亀松は甥に
.　　　　　 　 　 　 ,' 　i　ゝ､ ヽ ノ　 ｨ'l 　 ｌ　l !
　　　　　　　　　 /　 ,'　 ｌ　_}>‐匕!_ /　 ,'l　l |　　　 東京時代にキリスト教に出合ったと言っているよ。
　　　　　　　　　/rt/ 　 ィf＜ _ _ ｀/　 /_j　| l
　　　　　　　　ノ |l/ 　 ,' llﾆﾆ二ﾆ/　 /　 ＞､|
　　　　　　 ／　 / 　 /. ├ ￢ｰ/　 / ／／　ヽ
.　　　　 ／　　 / 　 /　　|　　 ,/　 /´,／　　　 ヽ

　　　　　　　　　　 　 -‐ '´￣￣｀ヽ､　　て
　　 　 　 　 　 　 ／　／" ｀ヽ ヽ　　＼　て
　　　　　　　　　//, '/　　　　 ヽﾊ 　､　ヽ
　　　　　　　　 〃 {_{＼　　　 ／ﾘ| ｌ │ i|
　　　　　　　　 ﾚ!小ｌ●　　　 ● 从　|、i|　　　　ええええ？いきなり嘘話にょろか？
　　　　　　　 　 ヽ|l⊃　､_,､_,　⊂⊃　|ﾉ│
　 　 　 　 /⌒ヽ__|ﾍ　　 ゝ._）　 　j /⌒i !
　　　　　　＼ /:::::|　l＞,､ __,　イァ/　 /│
.　　　　　 　 /:::::/|　|　ヾ:::|三/::{ﾍ､__∧ |
　　　　　　　｀ヽ< |　|　　ヾ∨:::/ヾ:::彡'　|


　　　　　　　　　　　　 ＿,,,..．．...,,,＿
　　　　　　　　 _,.-ｯ≦―:::::::::::::::::::::::::::｀:ｰ､
　　　　　　,..r::´:／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ
　　　　 ,.r:::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:::::::::ヽ
　　　 ,ｲ:::::::::::{少‐"´￣｀^＜::::::::ヽ:::::::::::::::!:::::::::::',
　　,ｲ::::::::::::／^　　　　　　　 ＼:､:::ﾍ:::::､:::::i:::::::::ﾍ:',
　 ｒ:::/:::://　　　　　　　　　　　1:!､::::i:::::}::::::!:::::::::::!::,　　　　　極道で放蕩者の亀松が
　 l:::i::::::i::i　　　　　　　　　, - ¨了ﾍ:::ﾄ､::i::::::i:::::::::::i:ﾊ
　 i::!::::::ﾍ:!＿_　　　　　／　　　ｿ　 !ﾂ i::|:::::::}:::::::::::}:::!　　　　教会でタネと会って
　 t:从::::iヾ　 　｀ﾞ　　　　 　 ,.ｨf斤本ヾ}:;!:::::::i=ｪ;::::::i:::i
　　f　!::::ﾊ.　　　　 　 　 　 　 t弋り!}"|::!:::::::::ﾄ､ }::::::!:::!　　　交際しだしたってのは揺るがない事実らしいよ。
　　 !　ヾ_:::ヽ　　　　 , 　 　 　 ちｴﾝ　1j:::::::::tｲｿ:i::::i:::::i
　　　　　 ｀iムゞ=r'''" ､　　　　　　　　ﾘ:::::::::::|´:::::|::::!::::i　　　こういう出会い方をしても不思議じゃない二人だったってことよ。
　　　　　　|::::ﾊ　　　　　　　　　　　　f;:::::::::::::!::::::::|::::i:::::!
　　　　　 f:::::::::ゝ　　　 ｒ ､　_ _　　　 |i::::::::::i::|:::::::::!::::i:::::}
　　　　　 i:::::::::::↑-､_. |　 !　　　　,.イ::::::::::j::!:::::::::|:::::|:::::i
　　　　　j::::::::::::::|::::i:::|i ｌ 　!､._,,. -´ ｆ:::::::::::ﾘ:iﾄ､::::::;!:::::|:::::|
　　　　 ,{:::::::::::i:::|:::::|::!'!　 ,!;:r^! , -=､::::::::::;'::j: : ヽ:!:::::::l:::::|
　　　　 f:::::::::::j::::|:::::!_/　 .,!. 　/　 ／:::::::::;':::,': : : : :｀-､|:::::|

┌────────────────────────────┐
│タネはハイカラな女性で、思想を急進的であった。　　　　　　　　　......│
│1883年（明治16年）頃の欧化時代に　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│京都ではじめて、髪を束髪にして前髪を剃り　　　　　　　　　　　　 　 .│
│洋装をして靴も履いていたので、保守的な京都人を驚かせた。　　　│
└────────────────────────────┘

　　　　　　　　　 ／又、
　　　　　　　_　 /／　ヽ＞‐--一 二二._ ‐ ､　　　 _,
　 　 　 　 '7 ﾄ. {ｲ　,.rﾆ,.-─ ∠＿＿__　 ＼　｀ ＜ノ
　　　　r ､| ' l ﾄ,.ｘく ／ 　 　 /　 ﾊ ﾍ.　｀ヽ　', ﾍ　 ヽ.､＿＿_ノ|
　　 ,.､_ ｀、　 ｜r_ｭ' / 　 //!.　｜ヽ ＼.　 ヽ.|　|　　 ﾍ＿__ ／
　　 ｀ ー ≒ニﾆ/　/|｜,代 | 　 |　 ｀　｀ﾆーｿ　{>二ｺー--二ｰ-､
　　　　　 　 ヽｨ/|. ,| ヽ!ハ{ ﾞ| 　 |､ -t＝', ヽ＼ ハ.､＼￣ヽ.ミ､ヽ ミ
　　　　　　／/ﾑ'l/,|｜|斥ミ､V　| ＼|＼ ∨ ヽ_＼', ヾ　、　､＼　 ヽ!
.　　　　　/ｨ/|ﾊ／ ヽﾄ.ゝドり　ヽj　 'ﾁ竺ﾄ;ゝ　,ﾍ￣｀¨ﾞｰ＝ニニニｺ
　　　　　　 ／　,.ｨ/ ∧ |　｀ 　 　 　 hﾆﾜ　　/1|＼＼ ｀ｰトl.ﾊ.}ヽ ',
　　　　　 /／ｨ/ / 〉､ﾊ‘.､　 v=ｰ;.　｀ア　／イ/ヽ　トゝ丈,ｎ. jﾍ リ　　　　　　　この配役になんか文句ある～～～？
.　　　　 ///´´　! / /∧‘､＼_ｰ_'_,／ ／/／|/从ﾄ | ﾚ　 / |/　}ﾍ
　　　　 lｲ/　　　|ハトゝ ﾄ､!　 ﾉァ'_,.ィ　/'´　/ヽ、　'　／/　|　 |　|
　　　　　　 　 　 l　　 　 |　　ｆ‐´'´ｼ　　　　_,ノﾆ'ニﾆ､,.‐{　 |.　|　|　 ,､
　　　　　　　　　　　　　｜　 | 　 /　 　 ／/　　　　　/　}　 |.　|　|　ﾉ .!
　　　　　　　　　　　　　∧　 |Tリ　　／、/　　 ,r￣,/　,′ {　 j　l./　/
　　　　　　　　　　 　 　 ',.'、 |　|　／　　〈　　 /　//　 {　　　　　 '　/
　　　　　　　　　 ｊ￣二ﾆﾍヽ ヽ| /　 　 　 ヽ /、 l {　　ヽ、　　　　 ;′
　　　　　　　　　 ﾝ´、＼　＼ヽ.!ｲ　　　　　 ヽ_ヽﾊ　 　 　 　 　 　 ,!
　　　　　　　　 /　　 ＞' ,二＞/　　　　　　　　ﾉ-､'､　　　　　 　 ﾉ
　　　　　　　 ,/ ,ニ<　rく／ ／ヽ、　　　＿_／　　 ＼ー─､-- ´
.　　　　　 ／／　 　 ｀Lィ／　 |　 ヽ- '´　　ヽ　 　 　 ヽ　￣￣ヽ
　　　　／／{　　　　　//　 __.ィ　　　 　 　 　 i　　　 　 l 　 　 　 |
　　　　ヽ' ／|　　 _... i'/‐'´　ノ　　 　 　 　 　 |　 　 　 /　　ヽ.　 |
.　　　　／　└ﾍ´ 　 l.|_,.-'´　　　　　　　　　/|　　　　　　　　＼ |
　　 ／ 　 　 　 ！ ／!|　　　　 　 　 　 　 ./　|　　　　　　　　　　｀!
　　{　　　　　　　〈　　',ヽ　　　　　　　 　 /　./　　　　　　　　　 ／
.　　ヽ､＿_Ｚ二二ゝ、 ｀ｰ｀　　　　　　 ／　 /　　　　　　　　 ,.ｲ
　　　　　　　　　　　 ｀ヽ､＿　　　　　/　　 /　　　　　　_,.-'　|｣
　　　　　　　　　　　　　　/　｀ヽ､　 /‐t,. -レ一冖ァベ、　　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　/ 　 　 　 ｀ ／　　　 　 ／　 　 |　　　l.|
　　　　　　　　　　　　 /　　　 　 ／　　　　 ／　　　　　|　　　ﾘ
.　　　　　　　　　　　　′　　　 ｲ　}　　 ／　　　　　　　ヽ.　ノ/
　　　 　 　 　 　 　 　 l　　　　　　_,. -'´　　　　　　　　　　｀´
　　　　　　　　　　　　 ヽ､__ ,. -'´

┌──────────────────────────────────┐
│タネは京都の足袋屋の長女として生まれた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│実家は二つの店を持っており、そのもう一方をタネの婿に継がせようと思い　　　　.│
│勝手に番頭をタネの許婚にしたが、この許婚は詐欺にひっかかり　　　　　　　　　....│
│店の金を使い込んでしまい、琵琶湖に入水自殺をしてしまう。　　　　　　　　　　　......│
└──────────────────────────────────┘


／'　　 /::::::::::::::::/:／　 　|::::::::!:::::::::!ヽ::::::::::::::ヽ､::::::::| |::::::::::|＼:::::!:::::::::|､｀
ゝ　　　|::::::::::::::://~‐--､_ ｖ::::::| |::::::::! ＼:::::::::::::! !::::::|~~|::::::/￣ヽ:::|::::::::|＼、／
/~／ ´|::::::::::::::!/　　　　　~Ｙ､::!､.!:::::::! 　 ＼:::::::! !::::/　 |:::/　　|::::|::::::::::|、　ヽ
::::ゝ、_.|:::::::::::::|　　／´~￣`ヽ､!　＼::ヽ　　　＼:|　!/￣~|/ヽ　　|::!:::::::::|ヽ／´ヽヽ
／　／､|::::::::::::| イ､ /〇｡:::::::1＼　　＼ヽ　　　　ｲO｡::::::::::! ＼ .|ｲ:::::::::|〃ヽ　　　　　やったーー！
　／:/ ∧::::::::::|　＼ !:::::::::::::::!　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::/ |/　| |:::::::::|　ヽ　ヽ
./:::/　/::|＼::::::|　　　　 ヽ:::::'!　　　　　　　　　　　　::::::::::´　!　　|:::::::::|、　 !　　!　　　これで、あんな自殺するような気の弱い男と
::::/　/::::||!::::＼::|　　　ヽ~￣´　　　　 　,　　　　　 ~￣~｀　　　　/!:::::::/ ｝
::/ 　!:::::ヽ|:::::::::＼　　　　　　　,--――――--､　　　　　　　 /!:::::::/／　　　　　　　結婚しなくてよくなったわ！
ヽ 　!:::::::::::::!:::::从、　　　　　　|／´:::::::::::::::::｀＼|　　　　　　　/-/::::/
::::ヽ!::::::::::::::::!､:::::::ヽ　　　　　　|　　　　　　　　｜　　　　　 ノ/::::::/
. |::::!:::::ヽ:::::::::＼::::::::＼　　　　 ヽ　　　　　　　/　　　　　／ /::::/
　|:::ヽ::::::ヽ::::::::::＼::::::::::＼　　　 ＼　　　　　/　　　　／/／/::/

┌───────────────────────────────┐
│この事件もあって、タネの実家の足袋屋は危機的な状態となる。　　　　　　.│
│四条店は閉店となり、本店だけとなった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│10人以上いる兄弟のために、タネの家は困窮する事になり　　　　　　　　　..│
│タネは1886年（明治19年）17歳のときに、独立する意思を表明する。　　 　 .│
└───────────────────────────────┘


　　　　　　　　　　 　 ＿_ __ _
.　　　　　　　 _ ,　'"´　 ,. _ ___｀丶、
　　　　 　 ／　｀　/　 /´-‐ｧｰ-ヽ ＼
.　　　 　 / ／下7　../／／.:.::/ .:.:ﾄ､ ヽ　　　　　私は独立して、四条にお店を開きます。
　 　 　 / └ｲ_j/　.://;へ、／!.:.::/:.}ヽ　',
　　 　 ,'　 ///!l　.::j.:lｲ仔くヽ/,.イ,.ム:.',　l
　　　 , 　 '〈/f`| l ::l｀' ゞゾ　'´　ｒャjﾉ::.ｌ:. |　　 　 その店を繁盛させて
　　　 |　 l:l :!:{､| l ::|　　　 　 　 ﾏｿハ: |:: |　　 　 兄弟を養います！
　　　 |　 l:ｌ::i个| l ::l! 　 　 ｌ⌒ヽ′} .:}:.ｌ:: l
　　　 |　 lﾊ:l::{::', ::::{､　　　ヽ.ノ　 /.:/::.l:: l
　　　 l　!:|:::',::',::ヽ:::ヽ＼._　 　 ／.:/::::/l::;!
. 　 　 ',::{:{､:::ヽ＼:＼;ゝ ｀「:ﾌ´!::::/;:::/ 〃
.　　 　 ヾﾊj＞''´ ヽ ﾄ､_..上くｲ::::{ {::{／　　　　　　　　　　　　　　｜ヽ |　　　　 |＿　　　 ｢ 〉
　　　　／⌒ヽ､＼　｀　＼-ｰ￣＼ヾ　　　　　　　　　　　　 　 　 ⊥　人_　　＿|＿　　　 |/
　　　/ 　 　 ヽ ＼＼　 　 ＼´￣｀ヽ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 O
.　　 ｌ　　　　　',　 ＼＼　　　＼　 __| ＼
.　　 |　　　　　 ',　　 ＼｀ヽ､　　∨ｎ|　} ﾄ､

┌─────────────────────────────────────────┐
│閉店していた四条店を利用して「毛糸屋」の商売をはじめたのである。　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│両親はチョカ※相手の毛糸屋には反対をしたが反対を押し切って開業し、お店を繁盛させた。　 　 .│
│借金も1年で返すという成功ぶりであった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
└─────────────────────────────────────────┘



　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /__/　 /　 /　 '　　l 　 　 , 　 ',＼ヽ　ヽ ヽ
　　　　 　 　 　 　 /｀!　　　　／´_/　 / .／!　 !　　 ! 　 　 ',.　 l .:.l`|　 .:ト､',
　　　　 　 　 　 　 |　|　　　/ ／ ,'　 /.:./　 |　 !',　　',　　　 l　 :|..:.|.:|　 .:ﾄ、＼
　　　　 　 　 　 　 |　|　　　∨／|　 :!.:/￣｀ト､:! ',　.:.:',　 , 斗‐┼┼|　 .:|､＼　〉
　　　　 　 　 ,.-､　|　|　　　/＼_｣　.:ｌ:,'　 　 ! .:.|ヽ',　.:.l∨　.:| :l.:|.:.:|.:|　 .:| ＼У　　　　足袋屋なんて古臭いのよ。
　　　　 　 ｒ‐|　_ヽ,! ｜ 　 ,'　 / ,| .:.:!{　　　 ヽ:{.　 ヽ、', ＼.:|:ﾉ/／l |　 .:|＿_〉|
　　　　 ／!　!〈 ∨　｜　 ,　 / ,ハ .:.',　_,,.___,,二　 　 ｀｀二,,＿.,,_ノ.:|　 .:|　|､ヾ　　　　毛糸屋のように、流行に乗らないとねぇ～
　　　　 !　'､　ヾ、＼｜　 !: / // ,l＼ヽ ´¨¨´　　 ' 　 　 　 ｀¨¨｀ノ:,' .:.:.,'!　!:＼＼
.　　　　 ＼ ＼_ﾄ}　 ｀{　　|:.ｌ　ｌ l { !.:.:.＼、　 　 l二二二'､　　　　 / .:.:./:|　|.:l.:|ｌ　}　　 儲けるっていうのはこういうことよ。
　　 　 　 | ｀¨´/　　｜　｜ﾄ､j｜`!.:.:.:Λ｀　　　',　　 　 /　　　　 ' .:.:./.: |　|.:l.:|| /
　　　　　 ',　　{ 　 　 !　　|:.|　Ｎ.:ｌ:|:.:.:.ｌ:|.:＼　 　 ヽ.__／ 　 　 ,. / .:.:/ .:. レ': l.:|｀
　　　　 ┌ゝ､__　　 ﾉ、　 ',:!　|.:l.:l:|:.:.:.ｌ:|:.:.l:个 ､　　 　 　 ,.ィ'´:/ .:.:/.:.:.: /.:.　j.:|
　　　　　ト､.＿__￣__,'　　 ヾ　',.',.!:', .:.l:|.:.:{: ｌ／|｀ ー‐ '´　卜/, .:./.:.:.:, '.:.:　/}.:!
　　　　__j`ー----‐/　　　　＼ヽヽ.＼:{＞'´ /ﾉ　 　 　 　_／/／.:.／.:.:.　/ 〃
　 　 ｢　 ヽ､__ ______{　　　, ｰ厂￣´＼｀ヽ.　,' 　 　 　　　__／´/／＼:. ／／
　 　 |　　　 　 　 　 ヽ.　/　｜　 　 　 ヽ　 ,' 　 _ ＿__　　｜　'´　　　｀￢ｰ ､
.　　 j 　 　 　 　 　 　 〉′　 !　 　 　 　 }　!￣　　　　 ￣｀|　　　　　　 　 　 ｢ヽ
　　/　 　 　 　 　 　 /　　　, l　　　　　　　|　　　　　 　 　 |　　　 　 　 　 　 |　 ',



チョカ＝流行を追い求める若者を軽蔑した京都言葉

うん、これはハルヒっぽいｗ

どんな古い伝統も、始まりは新しい軽薄なものだったって奴か

┌─────────────────────────────────┐
│四条には、タネが開店する一年前に教会ができていた。　　　　　　　　　　　　 　 .│
│ここには、たくさんのチョカと揶揄された若い人たちが通っていたのである。　　　│
│そこでタネは亀松と出会うのである。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
└─────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　/＿＿;:､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||└┘||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !､､ , , , , j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 ..　..|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ､＠),.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　／／＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／,.┬.､＼＼
　　　　　　　　　　　　　　 　　／／　i_Уヽi　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　　 　 ／／　　 ヽ⊥ノ　　　＼＼
　　　　,.──────‐く／　.,:.:.;　　　　　　　　　＼,>────,
.　　　/　　:;.:,.:　　　　　,.:;　 |　 　　／ﾆ三ﾆ＼,.;:.,.　,:|
　　　i＿＿＿＿＿＿＿＿,,| 　 ／'´￣￣￣｀'＼ 　 |＿＿＿＿＿
　　　|i|　|i|　|i|　|i|　|i|　|i| 　| 　　| |　,.,＝=､_ | |　　 .|　 |i|　|i|　|i|
　　　|i|　|i|　|i|　|i|　|i|　|i| 　|　 　| | .ji|　|　|ji | | 　;:. |　 |i|　|i|　|i|
　　　|i|　|i|　|i|　|i|　|i|　|i| 　| .: 　| | tj|　|　|it.| | 　 ,;.|　 |i|　|i|　|i|
　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣├──┤￣￣￣￣￣￣￣￣

┌──────────────────────┐
│亀松はタネに片思いするようになり　　　　　　　　　 　 │
│毎週のように教会に通いつづけ、タネに会った。　　　│
│そして、この教会で洗礼を受けるのである。　　　　　...│
└──────────────────────┘

　　　　　　/"'-..,;;;;;;;;;;;;;｀''-..,,_;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;;;..|
　　　　 　 ﾄ:::::::::｀''- ..,, ;;;;;;;;;;;;｀'' -...., . .- ''´|
　　　　　 i:::::::::::::::::::三　 ｀'' - ..,,;;;;;/;;;,,..-'イ;,
　　　　 /ﾆ､::::::::::::::::三　 　 ､;;;;;; ｀"´ ,,,,,　i;;;i
　　　　{ (　_',::::::::::/　　　　　　　　　　""　|/
　　　　', '<i ヾ:::::::i　　､､,,三、　 　 　,,.-、 i　　　　教会に通えば、あの女子に会えるでおじゃる・・・
　　　　 ',､ヾヽi:::::i　　　'-ヽソヾ　　 /,'ｯﾌ､i
　　　　　ヽ__.. i::::i　　　　､ ￣ﾉ　　| ;ﾆ ノ.i
　　　　　ﾉ,.-|　i::i　　　　　　　　　 |　　　i
.　　　　　　　i,ｨ''"',　　　　／､_　 ::::　　 /
　　　　　　 /',',',　 ',　　／　　　ヽ_ノ　 /
.　　　　　 ｲ',',',',', ', ',　( ,.---::;;;;､_,. } /
　　　　　/ '',',',',',', ', ',- ､　,.__`ｰ´ノノ
　　 ,.-イ　　''',',',.',', ',:',　　　　,ノ ／､,,、
　 (　 {´　　　 ',',',',', :',.','---─ '´ﾘ　 ', ヽ
''´´ヽ((''- ..,　　',',',',', .',.',ソ　 ./ /　　　',) }ｰ..,,,

┌────────────────────────┐
│亀松とタネは次第に両思いとなり、結婚を決意する。　　　.│
└────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　- ´￣､::::_　-｀ー- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／, ::／＞ｰ───､:ﾍ:ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／／／　　 ＿＿＿__　＼ヽ:ﾍ::＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／／::/　／￣:::::::::::::::::::＼ｰ､ヽ::::l::::::ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 /://:://／:,:::::|;:::::::::::::::＼:::::ヽ:::::Y:::l:::::､:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　/:/::l::::!:|::|:::::l:::::ﾊ::::､::::､:::::::＼:::ヽ::::|:::|::::::|::ﾊ　　　　　　あなたとだったら
　　　 　 　 　 　 　 　 /〃:/!:::l::|'TｰトX､:v:::ヽ::::＼::, -‐:Tｰ!-!::::::l:::ﾊ
　 　 　 　 　 　 　 　 //,'::,'::|:::|::|:::|::|∨! ｀ヽ::::ﾍ､:´ヽ､:::::::|:!:|::|:::::/::::::l　　　　　　面白い人生を歩めそうねぇ～
　　　　　　　　　　　/'　|::l::∧:ﾍﾄ::|'ｨ≠≡､　＼ヽ＼ゝ≠=ﾐ|:::i:_/､ー〈
　 　 　 　 　 　 　 　 　 |::K ハ:〉ﾍ!ﾊﾟ::::::::}｀　 　ヽ　 ら::::::::ﾊ::|'´} ＼ 〉
　　　　　　　　　　　　　l::k'_ ｲﾍ.r乂 乏タ　 　　　　　乏汐|::::lイ|ヽ Y､
　　　　　　　　　　　　　|::|:::|∧ ヽl:ﾍ ,､,､,､　　 ,　　　　, ,､､|:::|::| ﾄｲ〉＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　|::|:/,!:::) 〉:ゝヽ　　　 ､_＿__,　 　　ｲ::/:::〉|::｀::l:| ヽ〉
　　　　　　　　　　　　　|::|./::/_/-´ ＼≧､_　 　 　 　 ∠/::/＼〈_::::ﾉﾘ　}|
　　　　　　　　　　　　　くXﾊ´ 　 __/´　　　｀ ー─＜孑二つ　　 ＞､ //
　　　 　 　 　 　 　 　 ／〉|ヽヽ/､＼　　＿＿＿ 　　＜≦＿＿／:／;ｲ
　　　 　 　 　 　 　 　 〉 | |〉ｰ〈 ヽヽ_ー'､_Y彡 　 ￣ ｀ー‐‐ｨ／∨／　!
　　　　　　　　　　　　|　| |　 　＼｀ー‐/ーァ≦─ー ｧイ_／／:∧ 　　!
　　　　　　　　　　　　| 　7　　 ／￣￣了／　ー ´　ﾄニ二´／／!-─'- ､
　　　　 　 　 　 　 　 ,'　/　　 　 　 　 /　ﾍ 　　　　 ハー─‐′　ヽ::::::::::::|

┌────────────────────────────┐
│亀松は聖書を必死で読み、すっかりキリスト教徒となっていた。　 　 │
│もちろんのこと、もう極道はやめていた。　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└────────────────────────────┘

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　　　　　　　　 l､__;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l
　　　　　　　　,'三ﾆ'￣｀¨` ''ー-'-一'' "¨ﾞ´￣三三{
　　　　　　　　l三ミ　　 ∠三)　　　(三ヽ　　 ｨ三三!
　　　　　　　　l三ｼ′　 . :: .　　　　 . :: .　　 ヾ三三}
　　　　　 　 i^l三　　 _,-‐-、　　　　 , -- 、　 'ミ三ﾑ
　　　　　　　','l三 　 ,ｨ'でoゝ、:　 :. ,ｨ'でoｭ、　 '三/i ',　　　　　　　やったでおじゃる！
　　　　　　　 Yヾ'　　 ミ三ﾃ' /　 ', ヾ三彡'　　 l::/ il ,!
　　　 　 　 　 l ',;i　　　　　　.:　　 :.　　　　　　　l:lｿﾉ/　　　　　　　やったでおじゃるよ！
　　　　　　　 丶ｲ　　　　　,ｨ　　　 ヽ　 　 　 　 l:l　/
　　　　　　　　　li,　 　 　 / `^'ー'^'丶　　　　　l:し'
　　　　　　　　　 ',　　　　　　　し　　　　　　　 jﾉ
　　　 　 　 　 　　ヽ　　　　,r=＝=､　　　　 　 ﾊ､
　　　　　　 　 　 　 ヽ　　　K!::::::::l,}　　　　 ,ｨ' ﾘ ﾄ、
　　　　　　　　　　　,小､' , l:.L::::ノﾉ　 ,. ' ,/ l/　/:.ヽ
　　　　　　　　　, -/ ll　ヽ',ヽ'二'ﾝ　,:' ,／／　/:.:.:.:.ヽ- ､、
　　　　　　　_,／イ:.:.:ヽ　丶.,＿＿,,. ノ ／　 ,/:.:.:.:.:.:.:.:.ノ l

┌───────────────────┐
│だが、両家の反対はすさまじかった。　　　　　.│
│特にすごかったので、亀松の兄である。　　　 .│
└───────────────────┘

　　　 i:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;i
　　　 i:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ｨ、
　　 /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;-彡彡、
　　 ﾐミｲﾞー-- ;:;:i;:;:;:;ｰｰ‐'"´　ヾ彡彡ｼ　　　　　あいつめ、極道を辞めたと思ったら
　　 ﾐミ´ 　 rz,､, i ｰ'''rzｯ　　　　'彡彡ｼ
　　 ﾐﾘ　 -　￣ ｀i ´　￣,,.,,　　　ﾞ彡7⌒i　　　　　耶蘇※になるとは・・・・
　　 ﾄﾞ､　'"- 二iｿ,,`ー'" 二ヾ彡 ﾞ彡;ヽ ｊ　
　　 { { 〃代ゞｲ::i ｰt‐=でｼ＞ｼ 　ﾘｼ;; /　　　　　耶蘇同士の結婚なんて誰が認めるか！
.　　 ',ヽ｀　､,,~~':::　　ヽ,,,二 ィ　 ／ ｢ {′
　　　いヽ　　 ﾉ::　　 ヾ、　　 , '´　　r '
　　　　ﾞi::.　　 ｰ=､_-=ﾍヽ　　　　 　 |
　　　　 ',:::　,彡ﾂj i　ヾﾐﾐヽ　　　,' .ノ､
　　　　　i　 (ｼ一 -ー―ﾞミ、　　 /／:ヽ
　　　 ,,,,小､'　 ｀二二´___　　,,,　ﾉ::::::::::::ﾄ､
.　 ／,:/::iヽヽ、　　　　　,,,　　／.:::::::::／,:,:,>、
／,:,:,:/ﾍ ＼＼｀三二三,,-‐'"::::::::,,ｲ´,:,:,／,:,:,:ｰ ､


耶蘇＝キリスト教のこと

┌────────────┐
│タネの家はというと・・・・　 　 .│
└────────────┘


　　　　　　 　 　 　 　 　 ／ : : ;＞'"´￣｀＼: :＼: : : : : :＼
　　　　　　　　　　 　 ／ : ,:ｨ ´ .　-―――-ヽ: : ヾﾕx―-､ヽ
　　　　　　　　　　　/ : ／:/／ : : : :＼: ＼ : : : ': : : :'，＼_ﾉ : :'，
.　　　　　 　 　 　 /: :/ : 〃 : : : ＼: : : ＼: ＼: : :ｉ: : : :'.　 〉､: : :!
　　　 　 　 　 　 / : 厂,:'ｆ: : : |:｜: : ＼ : : :／:|＼l: : : : |Ｖ{＼＼|
　　　　　　　　 /:／| /: :|:＿∧:|＼ : : | Ｘ,ｘ≠ミ､|: : : : !ヽiヽ.iヽ:ヽ　　　　　私は亀松と結婚できなかったら
　　　　　　　　ｆ: :＼|ｆ: : :|: : :|,≧ﾐ､ ＼:! 〃Ｙんｨ}》 : : : ト:||: :||: :ｉ :|
　　　　　　　 ｜: :/: !: : :N|:〃んｨ}　 　 　 弋ぅりj : }: : |j ||: :||: :| :|　　　　　一生独身を貫くわ！
　　　　　　　　| :/:|:｜:i :|: ヽ!弋:り　 　 　 　 　 /: /: :厶ｲ|: :||: :| :|
　　　　　　　　|:′|:｜:l :|: : :{　　　′　 _ノ 　 /: / : / : : !|: :ﾘ: :| :|　　　　　それでもいいの！
　　　　　　　　|l　 |:｜:|N : : |＼　　 ￣_　　 /: / : / : : く/: : : : ! :!　
　　　　　　　　||　 !八 | : ＼:!: : ｀ : . .　__　/: / ; ｲ人 : : : : : /| | :|
　　　　　　　　ヾ、　　ヾ : : : ＼: : :i: : :人/ : ／　　　 ＼/: /　!;ﾊ:|
　　 　 　 　 　 　 ＼　　 ＼{＼:{＼|／／|／,．　´￣￣｀∨　.ﾉ　:i|
　　　　　　　　　　　　 　 ,．‐≦二.._/ 　 ／　/ 　 　 　 　 :,　 　 ﾉ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　/´￣,＞′ /　／ 　 　 　 　 　 }
　　　 　 　 　 　 　 　 /　 j,＞ ´　 　 /　 {　　　　　 ＼　　 :,
　　　　　 　 　 　 　 /　／　　　　 ／　 ＼　　　　　 　 ｀ ｰ┴ 、
　　 　 　 　 　 　 ／／　 .　-‐　´　　　　　＼　　 　 　 　 ー-､}
　　　　 　 　 　 / /　 ／　　　　　　　 　 {　　　　　　　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　/ /　 / 　 　 　 ＼ｰ――‐＼__＼

　　　　　　　　　　　　, - ､
　　　　　　　　　　　 /＿, ｀二＝‐-､
　　　　　　　　　　　/／　　⌒ヽヽ　l
　　　　　　　　　　　l 　u 　　　 ｌ　l　_l　　　　　　極道で放蕩者の亀松との結婚には反対だが
　　　　　　　　　　(/ (・） 　┃　 　 6 )
　　　　　　　　　　 l　 （＿ ）　u 　　'<　　　　　　そう言われるとなぁ・・・・
　　　　　　　　　　（　 　　　　　　　 ノ_
　　　　　　　　　　　 ヽ￣｀'　,-‐´￣ <
　　　　　　　　　　　　 ￣/::::::::::::::::::::::ヽ


　　　　　　　　　 , ─── 、
　　　　　　　　/　 / )ノ )ノ ) ）
　　　　　.　　 |　 // u ､ －､|
　　　　　　　　!__.|-| 　 ・|・　 |　　　　　　仕方ないですねぇ・・・
　　　　　　　　（ｒ　 ` － ゝ－|
　　　　　　　 ＜＼　 u　,　　ﾉ
　　　　　　　　／| ｀､─┬､´
　　　　　　 ／　 ヽ／ヽ/ | i
　　　　　　|　 ／　　　　 ﾉ |

┌────────────────────────┐
│結局、両家の説得には四条教会の牧師があたった　　　　│
└────────────────────────┘

　　　　　　　　 ／ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ
.　　　　 　 　 / .:/:.:.:／:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:/,ﾍｨ1:.:.:.:.:. 〉
　　　　　　　 { .:/.:.:/:.:.:.:.:.:/.:.:,〈:.:.:.:j !ミｼ{:.:{i:. （
　　　　　　　 ﾚ'i.:.:/:.:.:.:.:.:ﾊ:.:/ ﾊ.:.:〈〈　　}:.:!i:.:i: }
.　　　　 　 　 乂.:{ ,.へ__} |=}≧丈z}_}　 {ｨ孑ﾊﾘ　　　　　　どうでしょう
.　　　　　　-=彡 ﾚ{ - i　 刈亠ｲ`ｿｿ　il圷ﾉﾘﾉ
　　　　　=≦三:.:.:.:ヽzｿ　ﾐ　　　 　 　 i|　′　　　　　　　　亀松君は今後一切、あなたの家とは関係ないってことで。
　　　　　　 z彡:.:.:.:.:.:.:ハ　　　　　　ヽ 」ｲ
　　　　　　　/ ｨ.:}:.:.:.:.:こﾑ 　 `ー―‐'´:.:ﾐ=-
.　　　　　　 {/ !:ﾊ:.:.:.､ミ=- ＼＿___/.:i:.ヽﾐ=-
　　　 　 　 　 |￣￣￣￣}―‐┴‐1^iﾊﾉ
　　　　　　厂`: : : : : : : : |:::::::::| ::l::| :|‐、
　_　 -‐　´-: ､: ｀: :―-: :{＿_::j__j∧/ ﾑ` ‐-　. . ＿
´: : : : : : : : : : :＼: : : : : : ｜ }::ﾍ::::ヽヽ ﾊ: : : : : : : : :｀f´: ヽ
.: : : : : : : : : : : : :ﾉ: : : : : : :|i :|:::::::}::::::ヽ＼: : : : : : : : : l: : : :!
: ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : |i :|::::::::ヽ:::::::', ﾊ: : : : : : : :/: : : :l
: : : `,: : : : : : : : : : : : : : : : !i :!::::::::::::}::::/|: :|: : : : : :∨: : : : :!

　　　　i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;‐--‐;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i
　　　 /ｰ､;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_;_;_;_;_;_i
　　　 i～'/￣｀`ﾞ'''ー-､､;;::--‐‐‐''''''''''"´￣ヾ､二-‐__-‐´!
　　　 l‐-i　　 ,､､,,_　　　　　　＿,,,　　　　　　｀ﾐ-‐´_, -‐"i
　　　 |'‐i　　 ヾ三'　　 　 　 (三ツ　　　　　　　ﾐ-‐´_,,-‐┤
　　　 |-i　　　　　　　 i　､　　　　　　　 ヽ,　　　ﾐ-‐´_,-‐┤　　　　　亀松が、私の目の触れぬところに行くなら
　　　 |_i 　 '"´｀`ﾞﾞﾞｰt'___ヽ‐''''"´⌒｀ヾ､ ,　　　 ﾐ-‐´ｨ'"ニ､
　　　 Y ヾ ｨ丈Z=､　l ー i　　,r辷t-ﾐヽ三-‐ 　 ﾐﾉ´/'´　ヽ}　　　　　あいつが結婚しようが、もうどうでもいい！
　　　　{　´　-‐'''"´:/:　　ヽ､　｀ﾞ二"´｀⌒￣ 　 ﾐｿ./)　 　/
　 　 　 ',　 ｀ー‐'":/::　　 　 ヽー‐'''"´　　　　　 ﾂ' .ﾉ 　 /　　　　　　さぁ、これで話は済んだ。帰ってくれ！
　　　 　 l､　　　　/'::　　, '´ ヽ､　　　　　, : '　　　　i　　 ｌ
　　　　　|ヽ　　　｀=､　 ,＝､ノ ヽ　　　　　　　　　　ｌ __,,ﾉ
. 　 　　　l ｀ 　 ,rニ' ｀´弋､ｰ-､_'､　　　　　　　　　,'
　　 　 　 ',　　ﾉノ､＿: :＿二ヽ､ ＼　　　　　　　　,'
　　　　 　 l　 "　'`ヾﾆﾆﾆン"⌒ヽ )　　　　　　　/ﾄ､
　　　　 　 ヽ､　 　 ｀ｰ-‐‐'　　　　ヽ　　　　　　/!ﾉ::;＼
　　　　　　/r＼　　　　　　　　　　　　　　　　/'ｿ'::::::::::ヾｰ､
　　 _,, -‐7::＼ヽ'､､_　　　　　　　　　　　　／／::::::::::::::::冫 ＼
　r'´　／:::::::::::ヽ ＼ﾆ二'ｰ‐''"´´＿,,, -'"/／:::::::::::::::::::ノ　　 l｀ﾞﾞｰ-､

┌──────────────────────────────┐
│結婚の日を迎えるが　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│亀松の母や兄が来なかったため、タネの父親は激怒して欠席。　　　　　 │
│身内は、タネの母と兄弟たちだけであった。　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│だが、信者たちの多くが亀松とタネの結婚を祝うために、出席した。　　　│
└──────────────────────────────┘

|　 |　|　 |　|　 |　|　 |　|　 |　|　 |　|　 |　.|　 | 　 |　 |　|　 |　|　 |　|　 |　|　 |　|　 |　|　 |　|　 |
|＿|　|＿|　|＿|　|＿|　|＿|　|＿|　|＿|＿＿＿　|＿|　|＿|　|＿|　|＿|　|＿|　|＿|　|＿|　|＿|
─┐ 　 ┌―――――､.　　　　　 ／,l､|￣|</＼　　 　 　.┌―――――､　　　┌―――.
　　|――|　　　|￣|　 　 |―――／､/_,'.|　 |/ヽ./＼―――|　 　 |￣|　 　 |――‐|　 　 |￣|
　 ｜　　 |　 　 |　 |　 　 |　 　 　 |／_`‐ |　 |／_｀‐､|.　　　　|　 　 |　 |　 　 |. 　 　 |　 　 |　 |
　 ｜　　 |＿＿|　 |＿＿|　 　 　 | |二二 　　二二| |.　　　　|＿＿|　 |＿＿|. 　 　 |＿＿|　 |
￣|.! 　 　||＿__ 　 . ＿__l|　 　 　 |､／_/ |　 |＿／ ､|.　　　　||＿__ 　 . ＿__l|. 　 　 ||＿__
￣..|　　　| 　 　|　 |　 　 |　 　 　 |ヽ＿/ |　 |＼‐､/ |.　　　　|　 　 |　 |　 　 |. 　 　 | 　 　|　 |
　 ｜　　 | 　 　|　 |　 　 |　.A. 　 |―'､_ _|　 |―‐'_/ﾞ|　　.A　|　　　|　 |　 　 |. 　 　 | 　 　|　 |
　 ｜　　 | 　 　|＿|　 　 |　 ||　 . |＼/_/ﾞ|　 |／ﾞ―/|　　 ||　|　　　|＿|　 　 |. 　 　 |　 　 |＿|
―┘　 () () ()―――　‐==||==‐| |―/＾|＿|―'.―..|.‐==||==-――――() () ()　.└―――
　 　 　　l､.l .,l　　 　 ‐==ﾆﾆ||ﾆﾆ==‐　￣￣￣￣ ‐==ﾆﾆ||ﾆﾆ==‐　　　　 l､.l. ,l
‐―――‐||~ｰ―――――.!!ー―‐| l￣l￣l￣l￣|――‐!!――――――‐||―――
|￣|　|￣| || |￣|　|￣|　|￣|||　|￣| | l　　 　 　 　.| |￣l　|||￣|　|￣|　|￣|　|||￣|　|￣
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―――――――――┐　　|__~￣| l＿（　 　）_,,,|￣~_| 　 i―――――――――――
―――――――┐　　| _, 　レ'|ﾆﾆﾆﾆﾆ |　| ﾆﾆﾆﾆl`,l　 _| 　 ,――――――――――
　　　 　 　 　 　 　 | _,　 レ'|　.／ . ／　　　　　　＼　ヽ　l`,l　 _|
　　　　　　　　　　 .レ'|　 ／　|.,!／　　 　 　 　 　 　＼!,|_ヽ　.l`,l
　　　　　　　　　　　　　 　 ￣／　　　　　　　　　　　　.＼..!,|__

　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿....:.:´＼／｀:.:.ｰ:..、_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 「:.:.:.:__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.__:.:.:.:ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,':.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾍ:.:.:.:.',　　　　　　　
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/Vﾍ:.:.:.:.:.:.:ﾍ:.:.:.:',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:./:.:./i:.:.:i:. トｖﾍ:. i:.:.:!:.|:.ﾍ:.:.:.',　　　　　　
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /:.:.:.//:/:.:l:.:.!!:.:|　　|:.:|:.:.:i:.|:.:.ﾍ:.:.:ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/:/:.i:i:.:l:.:小八:.|　　|:.ﾊィﾑﾄ;.:}:｝:.:.:.ﾄゝ　　　　亀松、汝は夫婦の縁を結ぶ事を願うか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |从:.:l从!/千ｭヾ:!　 ﾑｨﾋュリ ﾉｿ:.:/ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヾ{ﾊ　￣ ´　 　 ｀ ￣ 　 ﾊ}:.:{　　　　　　　この女のみに添う事を願うか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｰ彡ﾍﾍ　　　　 :　　　　　ﾊﾉ:.:.ヽｰ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ミ:.ノ:.:.:ハ　　＿｀´＿　　/:!.:.:.:.:.:彡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　彡:.:.:.:i（:.:.:＼ 　 ー 　 ／:.:.}:.:.:.:ミヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 イﾊソﾊ!ヽト ヽ ___ ／彡ﾊﾘﾍ;.:.j｀ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｀!从ｒ‐┤￣￣!￣￣├‐┐ﾉﾘ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _┌'::::::|__;:;:;:;:;| ;:;:;:;:__|:::::::｀┐
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _.,....-:::::´:|::ヽ::i:::::i:;:;:;:j;:;:;:;:l:::::i::::: ノ:::|｀::::::-......,
　　　　　　　　 _....,....-:::::::´::::::::::::::::::::::|:::::::l:::::l:;:;:;:;|;:;:;:; ｌ:::::l::::::::: |::::::::::::::::::::::::｀:::::::ｰ-.....,._
　　　　　　 ﾊ´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l:::::l:;:;:;:;:|:;:;:;:; l:::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ

　　　　　　　　___|二ニｰ-､、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|;::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
　　　　　　　 /rヽ三三三三三─‐-- ､;:;:;:;:;:;:;:|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l
　　　　　　　 ',i　,-三三三三三、 　 _,.ニ､ｰ-､!;: -‐二￣彡′
　　　　　　　　',､、ヾ三三'"￣￣　　 `ー‐"　　　 ヾ-'" 　.〉′
　　　　　　　　ヽ ヽヾ三,' 　　 :::..,. -‐- ､　　　　 _,,..-‐､、,'
　　　　　　　　　｀ー',ミﾐ　 　 　::.弋ラ''ｰ､　　 i'"ｨ'之フ　l′　　　はい・・・我、これを願う
　　　　　　　　　／:l lﾐﾐ　　　　 ::::.. 二フ´　　 l　ヽ､.ノ　,'
　　　　　　,.-‐フ:::::| |,ミ　　　　　　　　　　　　 l　 　 　 /
　　　　 ／r‐'":::::::::| |ヾ　　　　　　　 ／__.　 　l　　　 /
　_,. -‐"i .|::::::::::::::::::',.',. ＼　　　　　 　 ⌒ヽ､,ノ　　 /ヽ,＿
"　　　　l ヽ:::::::::::::::::ヽヽ.　＼　　　＿,＿,.､〃　　／l　|　　｀ﾞ'ｰ-､、
　　　　 ',＼＼:::::::::::::::ヽ＼　 ＼　　､.￣⌒"￣／:::::|　|　　　　　　｀ヽ、
　　　　　＼＼＼;::::::::::::＼＼　 ｀､.__ ￣´￣／::::::::::l　|　　　　　　　　 ＼
　　　　　　 ヽ ＼｀ｰ-､::::::ヽ ヽ　　　￣フフ::::::::::::::ﾉ ./

　　　　　　　　　　 　 　 j:::::::::::::::::::::::::::::::/::ヽ/ヽ :::::::::::: ∧
　　　　　 　 　 　 　 　 /:::/:/:::/::: l:::|::ｉ:::ｉ::: ｀'" ヾ:|::|:|::i:::::∧
　　　　　　　　　　　　/:::/:/:::/:|:::::l:l:|::|:::|::: 　 　 |:|::|:|::|ﾍ:::ハ　
　　　　　 　 　 　 　 /:::/:/:::i:l::ｌ|:::::l从ﾘハ::　 　ｨ升サﾘ:::}::::ハ
　　 　 　 　 　 　 　 {:i::l:l:l::::从ﾊ:::::l_Tユゝ、　 Kエﾌ''ｲイ::::ﾉ　i　　　　　　　タネ、汝は夫婦の縁を結ぶ事を願うか。
　　 　 　 　 　 　 　 iﾊハ∨ﾍヽ::｀ヽ　　　　　i |　　 　 //´
　　 　 　 　 　 　 　 　 ヾ:::::ﾍい＼　　 　 　 」 | 　 　 ﾊ{、 　 ）　　　　　　　この男のみに添う事を願うか。
　　　　　　 　 　 　 　 　 Ⅵ::::ヽ､:.:...　　　＿_＿　　,ｲ､ヽ二ノ
　　 　 　 　 　 　 　 （.....ノﾉ::::::::八:.:.:.. 　´　ー　　 ハヾ丶彡′
　　　　　 　 　 　 ｀ヾﾆ彡:::::::::::::::::ﾄ､::.:.:...　 　 　 /::::jハ!ヽヽ
　　　　　　　　　　　 ｀>≫ィ彡ミ::_ゝｰ＿___ー‐_升彡ｲﾉハﾝ}
　　　　　 　 　 　 　 //Ⅸｉ|:::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.|;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;|:.:.:.:.|
　　　　　 　 　 　 　 {｛/Ⅵ!:::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.|;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;|:.:.:. j
　　　　　 　 　_＿........i_,ｘ≧::::::::::::::::.:.:.:.:.:.|ｰ┐〈;;;;;;┌′:.:.｀ｰ..､

┌────────────────────┐
│1888年（明治21年)、亀松とタネは結婚する　　　.│
│この時、亀松30歳、タネ20歳。　　　　　　　　　　...│
└────────────────────┘

　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　,　- ─- ､＿
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　｀丶
　 　 　 　 　 　 　 　 rー‐<::／　ﾝ-―ー- ､ 　 、 ＼
　　　　　　　　　　　｛(こ 〆.:::／　 ＿＿__　＼　ヽ..::::ヽ
　　　　　　　　　　 __/'´/　 〃7了.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ.j　::ヤ￢寸
　　　　　　　　　／,ｲ>/ .:::/,':::{:::::!:::::::::::::::::ヽ ::|:. ::::Vヽ_,ｲ
　　　　　　　　　ﾚ／,ｲ　::/ :{:ﾊ＼{ ::､::ヽ ::::::}::_|_: :::::l　>::|　　　　　　　我、これを願う！
　　　　　　　　　 {／::|　:!{.::ｨ'f坏ﾄ＼{ヽ ,>＜ﾑ:!:::::::: Ｋヽ:ﾄ､
　　　　　　　 　 　 |::::ヽ::ｉ:ヽi. r'_;ﾒ　 ヽ´ ｲ圷ﾊ|::::::::::|＼/ヽ>
　　　　　　　 　 　 |i:::::::ﾄl::ﾊ.　　 　 ,　 　 r';ﾝ´j::::::::: l: V
　　　　　　　 　 　 |i::::::::!:::: ﾍ　　{＞ーｧ　　 /:!::::::::/::/
　　　　　　　 　 　 ｌN:ヽ:ヽ::',:::ヽ､ヽ _,ノ 　,.ィ::/::::::/ /
　 　 　 　 　 　 　 ヾ ／}::}八::::ヽ＞.-‐か／7::／∨
　　　　　　　　　　r＜¨ リ＼｀ヽ､＼__ { 　〉/イ l　 )}
　　　　　　　　　　f⌒ ＼ ＼ヽ 　）' ＼ﾆﾆ∧ | |!彡ﾍ

┌───────────────────────┐
│結婚生活が始るが、タネは四条の毛糸屋を閉めて　 　 │
│新たに店を開業する事にした。　　　　　　　　　　　　　　 .│
└───────────────────────┘

　　 | ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ|
　　 |丶､;;; _;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_,: ィ";_|
　　.ﾄ､;;;;;;｀ ` '' ー --- ‐ '' ";;;;;:ィ;:;!
　　{;:｀`' ､ ,_ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; , - -'ヽ;:;:;;;{
　　l;:;:;:;:;ﾐ　 ＿` '' ｰ -‐ '"　　　ﾘ;:;:l　　　　女子が一人で経営できるような毛糸屋を続けたら
　　|;;;;;;rﾞ　'´ﾞ゛ﾞ゛ﾞ`ヽ　　/'ﾞﾞﾞﾞ゛`ヽ';;;;|
　rヾ;;;;;| 　　r旬-､　　　ｨ旬-､　　|;;|　　　　麻呂が嫁のヒモになってるようで、男の面子が潰れるでおじゃるよ。
　|`ヽ;;;|　　　｀￣´　　　ｉ`─'ﾞ　　 };|´）
　ヽ　|::|　　 　/　r　　　'､　　u 　!:| /　　　 二人で店を開業して、大きな商売をしたいでおじゃる。
　　!､ |:} し　　　弋r､_r-ﾉ　　　　|:lﾉ
　　　`'|　　　　,ｨ'　　　　ヽ　　　 /´
　　　　| 　 　　|　,ィ=＝､ `､　U/
　　　　| 　 ヽ. ヽｉ}⌒⌒}lノ　　./
　　　./|ヽ u ヽ 弋､ｪｪｪﾉﾉ /::/
　,r'ﾞ^|　| ＼　､　｀──'´ﾉ／
´　ヽ{::::::|　 ＼ヾ､　　　ノ'ﾞ/::::＼

┌───────────────────────────────┐
│新京極に小さな店を借り聖書やキリスト教関係の商品　　　　　　　　　　　　..│
│女学生向けの雑誌を販売する雑貨屋をはじめたが、さっぱり売れず　　　....│
│半年間、お粥をすする生活をした。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
└───────────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　/､_:;:;:;:;:;:;:;:;:;|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|
　　　　　 　 　 　 　 　 |:;:;:;:`:;――┼-----------{
　　　　　　　　　　　　/互7―-　､__|＿＿＿＿＿＿|
　　　　　　　　　　 　 {三,ゝ <三)　　 (三>　　,ﾉ三ヾ　　　　そろそろ、貯金が底をつくでおじゃる・・・
　　　　　 　 　 　 　 r!ミ´ _,. .. 、　　 _ ､,..,_　 ｀ヾ三ﾐ!
　 　 　 　 　 　 　 　|{ﾐ' .:'ｲでiﾝ'､ :　' ｨ'でi)>.:.:.　}三ﾑ　　　信者の人たちが、麻呂たちを心配して
　　　　　　　 　 　 　ﾞﾄ{, 　｀三ｼ' .:　:::.｀三彡:.:.:. lｼ/り
　　　　　　　 　 　 　 {j!　 　　 ,r'.:　:ﾍ,:.　　　　 fﾐ/､ﾘ　　　 買いに来てくれるだけでおじゃるのぉ・・・
　　　 　 　 　 　　　　｀! 　　 / `^ｰ '^'ヽ　　　　liにｿ
　　　　　　　　　　　　　、　　 ,. -ti､_　　',　 　 /朴
　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ. 　'､ﾓｪｪｯｿ､ ﾉ　　ｲ〉ヽ、
　　　　　　　　　　　 ,. -‐代、 ｀ ￣´ , '　 ／ /:.:.:.:.｀ト､
　　　　　　　　,. -‐/ /:.:.:.l ヽ丶 ＿__,' ィ´／/:.:.:.:.:.:ノ /‐- ､、
　　　 　 , 　'´　　〈{、'､:.:.:ヽ ヽ　　,-、 ／／:.:.:.:,. '´／　　　 ｀丶、

　　　　　　　　　　_,...-‐:::::::￣:::::::ｰ-..、
　　 　 　 　 　 ／::::::::::::_;:. -一ー- ､::::｀ヽ､
　　　　　 ,..-::':::::::::::;／　　　_,.......-‐-..ヽ::ヽ:ヽ、
　　　　,.:':::::::::;:::/::::'　 ,..-:'::´::::::::::::::::::::ヽ:ヽ::ヽ:ヽ
　　　 /::::::::::::l:;'::::::|／:|:::ｌ:::::';:::::::::::::::::::::::ヽ:ヽ::ﾍ::ﾍ
:　　 /::::::::;:.-ｄ:::::::|:::::::|::::';::::::':;:::::::::::::ヽ::::;;ゝﾍ:::ﾍ::ﾊ　　　　あんた、よく考えたら聖書なんて
　　 ::::::ｒ'´　/'|:::::::|::::::ﾊ:::::ﾄ､:::::ヽ､:::::::::rく::::::l:::|:::::l::ﾊ
　　 ::::::ヽ,ノ,　|:::::::|::‐ト-､:｣_ ヽ､::＼ｰ/:::_ヽ:::Ｎ';::::|::::l　　　生涯に一つ買ったら十分でしょう。
　　 :::::::/ ./7r|::::::::ﾄ:::| 　 ヽ､｀ヽ｀¨ｰ　　,.-‐｀|::|::::|l:::|
　　 ::::/　/,'｜|:::::::::lヾ　,..-‐-､　　　　、　　　|::l:::;'||::|　　　そんなもの売ったって無駄よ。
　　 ::ヽ_/::l　rﾍ::::::::::l　′　　　　　　　　　 　 |::lｲ::||::|
　　 :::::|::::::｀‐!　l:::､:::::',　　　　 ､... -‐　￣! 　 ,!::||::| l:|
　　 ｌ::::|::::::::l:::ヽ｣;:::';:::::'.,　　 　 ヽﾆ　　 ノ　 ,i':::;',:/　′
.　　 l::::|､::::::l:::::::::ﾄ:::lヽ:::ヽ　　　　　￣　　,.:'/!:〃
　　　ゝH::::::::';::::::::l:ヽ',_ヽ::ヽ_ｰ-　､...__ ／:::ｌ l/
.　　　 ':;lヽ::::::ヽ::::::l:::l.＼｀ -＼￣二ニ二ニ＝ュ_



　　　　　　　　　　　　 　 /㍉;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ｨ彡三三i
　　　　　　　　　 　 　 　 l三｀ｰ ､_;:;:;:;:;:;:j;:;:;:;:;:;:_;:;:;_;:〟-三三三三三l
　　　　　　　　　　　 　　 l三　 r＝ﾐ''‐--‐';二,_￣　 　 ,三三三彡彡l_　　　いや、麻呂たちを夫婦にしてくれたのも
　　　　　　　　　　　　　　lﾐ′　 ￣　　　　ー-'"　　　 '＝ミﾆ彡彡/‐､ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 l;l　 ,_-‐ 、　　　 __,,.. - ､ 　 　 　 彡彡彳､.//　　キリスト教のおかげだから
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∥　`之ヽ､, i　l´ _,ｨ辷ｧ-､、　　　彡彡'r ノ/
　　　　　　　　　　　　　　 1 　 　￣ﾌ/ｌ　l::. ヽこ~￣　　　　 彡彳~´/　　　　もっと多くの人にキリスト教を知ってもらえれば・・・
　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ　　　´　:l　.l:::.　　　　　　　　　彡ｨ-‐'′
　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ、　　/ :.　 :r-､　　　　　　　　彡′
　　　　　　　　　　　　　 ／ ｨ:ﾍ　　｀ヽ:__,ｨ='´　　　　　　　　彡;ヽ､
　　　　　　　　　 _,,..-‐'7　/:::::::ヽ　　　_: :_　　　 ヽ　　　 　 ｨ´.}::ヽ ヽ、
　　　　　　_,-‐'´　　　 {　 ヽ:::::::::ﾍ ｀'ｰ=＝=ｰ--　'　　　／ﾉ /::::::ﾍ, ヽｰ､
　　　 ‐'"´　　　　　 　 ヽ.　＼::::::::＼　ｰ-‐‐'　 　 　 ／　 //:::::::::::::}　 ） ｀''ｰ-､
　／　　　　　　　　　　　 ＼　＼:::::::::ゝ､＿＿_,,.. ‐ "　　 //:::::::::::::::l　,'　　　　　｀''ｰ-､
'´　　　　　　　　　　　　　　 ＼　ヽ､;:::::ﾍ ､　　　　　　 ／/::::::::::::::::ﾉ /　　　　　　　　　ヽ

　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
.　　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ィ7ｵ:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　/　{/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. !　　　　それは牧師様の仕事でしょう。
　　　':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ:.{ 　}l　 〉:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ｨ:.:.:.:.l
　　 ｉ:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:. |:.:｀7「ｌｲ!:.:.:.:.:.: |:.:.、／ }:.:.:. ′　　　私たちの仕事は、もっと大きな商売をして
　　 ｌ:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:ｉ:.:.:.:.:|:.:.:.} |l　|:.:.:.:.:.:.:l:.／ヽ /:.:.:/
　　 |:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:ｌ:.:.:.:.:l:.:.:.l_.|/ |:.:.:.:.:.:.:|芹ﾄ､/:.:.:/　　　　　他の商売人に負けない商売をしましょうよ。
　　 |:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.{　l:.:.:.:.:.:.:払ﾙ/ｨ／
　　 |:.:.:.:.:.:.:.|l:.:.|:.:.:.:.:|l:.:.:.:.:.ゝ|:.:.:.:.:.:.:|　 　 {　　　　　　　耶蘇の夫婦がチョカ相手の商売をして成功して
　　 |i:.:.:.:.:.:.:|l:.:.|:.:.:.:.:|l:.:.:.:.::.:.:|:.:.:.:.:.:.:|　　　 ,　
　　 }ﾄ :.:.:.:.:八:.ｌ:.:.:.:.从:.:.:.:.:从:.:.:.:.:.:.|　 　 ｲ　　　　　　それを世間に見せ付ければいいのよ
　　 |:.:ﾊ:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:ト :.:.:.ハ:.:.:.:. | 　 /:.!
　　 }:/ィi〔: : : : :＼{＼:ｌ: : ＼:.:.}:.:.:.:.:トイ_:,ﾘ
ィi〔 i:i:i:i|: : : : : : : : : : : : : : : : ∧:.:.:.:|: : : :〕iト ．
　}: :i:i:i:i|: : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾟ，:.|: : : :i:i:i:|: |＼
　|: :i:i:i:i|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :V}: : : :i:i:i:|: | .ハ
　|: :i:i:i:i|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i:i:i:|: |


　　　　　　　 ト､、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_,. -‐ '":;:;:;:;:;:;:;_,.ノﾐ'、
　　　　　　　 |:;:;:;:｀`'ー:;:;:;:''"´:;:;:;:;:;:;:_,. -‐='二三ｼﾊ
　　　　　　　 ト､＿:;:;:;;l:;:;:;:;:;__,. - '"´ 三三三三彡ﾉ!
　　　　　　　 l:::l　 二、― 'r―-,_ 　 _三三三彡彡ﾆヽ
　　　　 　 　 ヾi　 `ｰ′:.　`""´　　 ｀￣'三三彡片ヽl|
　　　　　　　　 '、 , - ､、　　 __,.. .. ,、_,　　'三彡'^> ﾉﾘ　　　　そ・・・そうでおじゃるな
　　　　　　　　　l ｲで>､ヽ　 ':,ｨ'で'＞'"　　 三ｼ' f ﾉ /
　　　　　　　　　l ヾ二ﾌ ,!　　ヽ二彡'´　　　}ﾂﾘ ,､_ノ　　　　　では、そうするとしようかのぉ・・・
　　　　　　　　　'､　　　 l　 　 ,.、　　　　　 i 川 ├ミ'、
　　　　　　　　　 ヽ　　 ,'　　 '__)ヽ、　　　 /｀`7>、
　　　　 　 　 　 　 ヽ　/`ー'i´　　　＼ 　 /　 ///>、
　　　　　　　　　　　ヽ'､ ､_,=＝ァ=-､_,｝ / /./////ﾄ､
　　　　　　　　　　　　＼ヾ二"´_,. ‐-.:.:/ /.//////:.:ヽ
　　　　　　　　　　　,. -/ゝ､':､_:' :、_ _:/ / //////:.:.:.:.ヽ‐- 、
　　　　　　　　　 ／　/:.:.'､ ヾ"ﾞ´￣ / / /////'′:.:.:.:.:.ｿ ﾉ ）
　　　　　　,. -―{　､/:.:.:.:.:ヽ ヽ.　　/ / /////:.:.:_,. - '"　／￣｀`丶、
　_,. -‐ '"´　　　ヽ ｀丶､r―--`'-/ / /////''"´　　　／　　　　　　 ｀

┌─────────────────────────┐
│亀松は新京極の店を偵察に行ったり　　　　　　　　　　　　　....│
│牧師に相談したりと、店を建て直す方法を考え出した。　　　 │
└─────────────────────────┘

　　　　　　　 /:;:;:｀`丶､、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l
　　　　　　　 |:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;｀`T;:;:ー――;:;:'';:";:´￣;:;|
　　　　　　　/三'ー- ､:;:;:;:;:;|:;:;:;:;:＿＿＿;:;ｮ――彳
　　　　　　　!三、　r=ぅ｀￣￣,二、　　　 _Z三三ミ'、
　　　　　　 ,'ミ'^　　￣　 　 　 ﾞー'　　　-ﾆ,三三三;}　　　　負けぬ！あいつらには絶対に負けぬでおじゃる！
　　　　　　 lﾐ,! '´￣｀ﾞヾr'_ ､_,-' " ﾞﾞ " '　　'ヾ三三ﾑ、
　　　　　　 {ﾐ!　｀､二ﾆ'`　=ｷ ー‐--_;彡'　　｝三ｼT'i|　　　 麻呂たちにしかできない商売をするでおじゃるよ！
　　　　　　 ヾ!　　　　,ｨ:　　 :.､｀￣´　　　　 ,}三/i Y/
　　　　　　　l !　 　／(_　　,,..ﾉヽ　　　　　　}三ﾘ ﾚ/
　　　　　　　{ l, 　/　 　｀"´　　 ヽ　　　　　}三､_ノ
　　　　　　　｀'､　'　 fｴェｪｪz､、　',　　　　 彡z‐ミ、
　　　　　　　　 ヽ 　 ﾞﾄﾐ二二≧)　;　 i　 　 ｼ｝ ヽ、
　　　　　　　　　 ヽ　 `'ｰ'-'-'‐'′ﾉ　,'　 ／ /　/:.ヽ
　　　　　　　 　 　 ゝ.丶￣￣´ '"　ノィ"　 /　/:.:.:.:.ヽｰ ､
　　　　　　　　　／ｲ｀i ､ ＿＿_,. ィﾞ´ヽ',／ ／:.:.:.:.:.:.:.）　,}、
　　　　_,. -―ｧ' /:.:.l 丶　　 :.:.:.:hj.　 ／ ／:.:.:.:.:.:.:.／ ／　丶、
_,. - '´　　　 ｛　ヽ:.:.:ヽ ヽ、　　　} ／ ／:.:.:.:.:._,.:-'ﾞ ／　　　　 ＼

　　　　　　　　|_:::::::::::::::::::::::::::::l:..l;;;:::.:.:::::::::::::::;:;:;:;:;:;:;|
　　　　　　　 .l..:￣'''' ー-''':::___i_i___,,...､､､'ｪ´''''---‐|
　　　　　　　 ,L,,,_＿_　　　 ..':';i i'' ::.:..　　　　　:.:.::;:;:;|
　　　　　　　{rミﾐ::l　 ｀'‐---　!_!,,,､ ----‐‐‐-i'￣;;:i
　　　　　　　|ミﾐ:::l　　 r‐‐ｧ　　　　r‐‐ｩ　　 _」　 三|　　　　　負けぬ・・・負けぬ・・・まけぬ・・・・！？
　　　　 　 　|ミﾐゝ'　　 .￣　　　　　 ￣　　　{,,,､　三|
　　　　　　i´lﾐ: ! 　 _,,.-_-　　　　　　 .-_､　　　:i　三|　　　　　そうか、その手があったでおじゃる！
　　　　　　|:|ﾐ::ﾉ　 .,,ｨ'r｡ｧ`ｭ　　　　ｨ"r｡ｧヽ, 　 | :ﾆ/i｀l
　　　　　　.!ヽ:l　 　. ｀'''''"´~ / ::.　弋''-‐.'｀　　 |. ﾉi !;ﾉ
　　　　　　 i 'ゞl:::.　　 　　　./　::　　 .ﾞ‐-　　　　i::l,,i /
　　 　 　 　 l ..|:i:::.　　 　　;〃　::　 i,　　　　　　 | |';.ﾉ
　　　　　　　 ~ゞ::::::::...　　''〈〟 _〟}::　　.......　　|├'
　　　　　　　　 |:::::::::::::..　　　 ) (　　　　.::::::::.　ﾉ:ﾉ
　　　　　　　 　 !::::::::::::::...._,,...____　　　..:::.:::.　 ﾉ/_
　　　　　　　　　｀ヽ,::::::::::..{〉ﾍ,__,ﾞiq　　　　　／!1l
　　　　　　 　 　 　 l::::::::::.八｀-''ﾌ~i　　　　/ ;;r' .i ヽ
　　　　　　　　　　/|ヽ:::::: i :^‐‐' .ﾉ　　　/　/　 /　 ｀!_
　 　 　 　 　 .,ィ'ﾌ .i　;;'､::　ﾞー-‐′　 ／ .ﾉ　./　　　 -〒ヽ

　　　　　　　 ト､、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_,. -‐ '":;:;:;:;:;:;:;_,.ノﾐ'、
　　　　　　　 |:;:;:;:｀`'ー:;:;:;:''"´:;:;:;:;:;:;:_,. -‐='二三ｼﾊ　　　　タネよ、牧師様から西洋の商売方法を聞いてきたでおじゃる。
　　　　　　　 ト､＿:;:;:;;l:;:;:;:;:;__,. - '"´ 三三三三彡ﾉ!
　　　　　　　 l:::l　 二、― 'r―-,_ 　 _三三三彡彡ﾆヽ　　 日本では、商売人が高く値段設定をして
　　　　 　 　 ヾi　 `ｰ′:.　`""´　　 ｀￣'三三彡片ヽl|　
　　　　　　　　 '、 , - ､、　　 __,.. .. ,、_,　　'三彡'^> ﾉﾘ　　 客が安く値切って、交渉によって物の売買をしている。
　　　　　　　　　l ｲで>､ヽ　 ':,ｨ'で'＞'"　　 三ｼ' f ﾉ /
　　　　　　　　　l ヾ二ﾌ ,!　　ヽ二彡'´　　　}ﾂﾘ ,､_ノ　　　 それに現金取引が少なく、客が踏み倒すこともある。
　　　　　　　　　'､　　　 l　 　 ,.、　　　　　 i 川 ├ミ'、
　　　　　　　　　 ヽ　　 ,'　　 '__)ヽ、　　　 /｀`7>、　　　　　これは店と客の「だましあい」でおじゃるよ。
　　　　 　 　 　 　 ヽ　/`ー'i´　　　＼ 　 /　 ///>、
　　　　　　　　　　　ヽ'､ ､_,=＝ァ=-､_,｝ / /./////ﾄ､　　　 クリスチャンの我々は正直に商売をするのがいいでおじゃるよ。
　　　　　　　　　　　　＼ヾ二"´_,. ‐-.:.:/ /.//////:.:ヽ
　　　　　　　　　　　,. -/ゝ､':､_:' :、_ _:/ / //////:.:.:.:.ヽ‐- 、
　　　　　　　　　 ／　/:.:.'､ ヾ"ﾞ´￣ / / /////'′:.:.:.:.:.ｿ ﾉ ）
　　　　　　,. -―{　､/:.:.:.:.:ヽ ヽ.　　/ / /////:.:.:_,. - '"　／￣｀`丶、
　_,. -‐ '"´　　　ヽ ｀丶､r―--`'-/ / /////''"´　　　／　　　　　　 ｀丶、
'´　　　　　　　　　 丶､＿｀￣￣ / / ////'′　_,. - '′　　　　　　　　　 ｀丶、

　　　　　　　 ／:::::::::;'::::::::::;'´　,.-'7´:::::l::::ヽ:ヽヽヽ＼
　　　　　　 /:::/:::::ｌ::|::::::::::i' ,.:':::::/::::::::::::!::|:::';:::';:ヽヽ::ヽ.
　　　　　　'::::/:::::::|::|::::::::::|'::l:::::::l:::::::::::::j::::|::::l､::}::::l:::'t::::',　　　　　じゃあ、さっそく西洋の品物を輸入して
.　　　　　,::::;':::::::;:-rl::::::::::|:::|::::::j;::::::::::/|::;'|:::ハ:ﾊ::|:::::l::::::',
. 　 　 　 |::::l:::::/　 ﾊ::::::::::|:::|ーH-､::/ ,!/ |:;'　,l'-lｲ:::::ﾄ､::::l.　　　 それを新装開店したお店で売りましょう！
　　　　　l::::|:::ヽ. ,ｲ |:::::::::::l::lヽ::| !::;:'｀ /　/　伝:l !|::::;ﾊ.';::::l.
　　　 　 l::::|::::::::l 1_ !:::::::::::１ ,:状六ﾞi`　　　　'砂 ,!:;ﾊ::V:::::|
.　　　　 l::::|:::::::;',':l　|f,:::::::::::',ヽ.ヽ无_l　　　　丶　'イ::::!:::|::::|
　　　　 ｌ:::::|:::::;','::l　|l. ';:::::::::::',　 ｀¨´　　,..... ､１　 /:::::|:::|l::r ￢､
.　　　　l:|::::|::::|/::|　|ヽﾍ:::::､:::::'、　　　　l.　　 |　 /::::::;!:::|｣._　厂二ヽ､
　　　　ｌﾊ::::|::::::l::ヽ｣:::::::ヽ::::＼:::ヽへ、　,.ヽ -' ,/::::::::;':::/ 　 ヽ､l　 ,.-ヽ､
.　　　 || |:::::l::::::ヽ::::ヽ:::::::ヽ::::::::y′／｀ヽ｣__..ノﾊ::::::;'::::l　ヽ､＿.) ,'　　　l.
. 　 　 |l　!::::';:::::::::ヽ::::ヽ::::::::ﾄ､/ ／ _,.-'´　ヽ|::ト|:::::!_::∧ ´　　 ト{.__仁　|
.　　　 ||　ｌ:::::';::;.-'´ ヽ::ｌヽ:::::|〈　　 ´　 -一´T| ヽ:::|::',ヽ､',　　　l　　 　 /
　　 　 1　ゝ'二￢-､　ﾘ　';::;'　ヽ　　　　　 fツ　 ヽﾄ;::|　l　ヽ　　　　　/

┌───────────────────────────────────┐
│新装開店したのが「わんぷらいすしょっぷ」である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
│「正価販売」「現金払い」で、他の店よりも値段設定を安くした商売をはじめた。　　 　 │
└───────────────────────────────────┘



　　　　　　　　　　　ーーーーーーーーーーーー─-─-‐ー─
　　　　　　　　　　.|　　 O N E　　P R I C E　　S H O P　　 　 |
　　　　　　　　　　.| 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　.|　　堂ぬけまにまんほらたっいとぬけま　 .|
　　　　　　　　　　.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
───────| 　ぷ　っ　ょ　し　す　い　ら　ぷ　ん　わ　│───
:: : :|　|;;| :::: :::: :＿｀ーーーーーーーーーーーー─-─-‐ー─┘
　　|　|;;|　　　::||三三三|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|三三三||:　　　　|　|;;|
　　|　|;;|　　　::||三三三|＿＿|＿_,,ﾉ＿__,ﾉ＿__,,|三三三||:　　　　|　|;;|
　　|　|;;|　　　::||三三三三||::::: :::::::: :: ::: ::::: ::||三三三三||:　　　　|　|;;|
　　|　|;;|　　　::||三三三三||:::::: ::: :: :::::::: :::: ::||三三三三||:　　　　|　|;;|
　　|　|;;|::::　／||三三三三||:::::: ::: :: :::::::: :::: ::||三三三 ／:: :::::::::::::|　|;;|:::::
|￣￣|￣￣|.　||三三三三||:::::: ::: :: :::::::: :::: ::||三三三||￣|￣￣|￣￣|￣
|　 　 |　 　 |.　||三三三三||::::: :::::::: :: ::: ::::: ::||三三三||　 |　 　 |　 　 |
|　 　 |　 　 |.　||三三三三||::::: :::::::: :: ::: ::::: ::||三三三||　 |　 　 |　 　 |
|＿＿|＿＿|／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;||＿|＿＿|＿＿|＿

┌───────────────────────────┐
│色彩鮮やかな花かんざしやリボン　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│金メッキをした可愛い蝶々の止めがね　　　　　　　　　　　　　　　....│
│輸入した化粧品などを売る商売を始めた。　　　　　　　　　　　　　..│
│店内はきらびやかで、新京極の店のなかで一際目立った。　　　...│
└───────────────────────────┘


　　|￣￣￣|
　　|　 　 　 |
　　|　 　 　 |　　 ／⌒ヽー、　　 ／￣￣ヽ、
､ーlﾆﾆﾆﾆﾆl一,（＿＿＿＿）-､E三三三ヨ |　＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|￣|| . ||　　　　　　　　T. C.
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|　 || . ||　　In this style
　 , ´￣ヽ 　 γ´￣ヽ γ´￣｀ヽ|　　　 | 　l|.　||10 shilling 6 pence／）_
　l　　　　|　　!　　　　l　)　　　,ﾘ.| 　　　| 　|| . || 　 ＿Ω＿.___,., イ;;;;;;;;:〈
　 ゝ､　 ﾝ.　　ゝ､＿ソ　ヽ＿ノ ｌ..|　　　 | 　l.|　||__7　　　　 ,ヽiiii;;;;;､;;;;;;r')
　__ﾉゝ7L_　　__ﾉ　|__ 　 　ﾉ 　 | |　　　 | 　lゝ､ . i'　　　　　l ﾘllll､;;;;;`メ,'
二二二二二二二二二二二二二二二ｌ　 |ﾉﾊ　ゝ　,、　.ノ 7薔ｲイ'ｌ
？　　　 　＿　　 ＿　　＿__　 ＿＿_.....| 　|~~~ 　 |　　　　/ヾ|l.　　ﾘ
(-)⌒ヽ、o^) ｀Y´:::r^o.'´　(w)ｉ――‐l　| 　|＿ 　 ﾉ　　　 （＿ﾉ≧<´
V　)＿__＼)VVVVV(（＿,＜二).ニニﾌ..| 　|(0|/)i　　　　　ヽ 二二二|￣|
ﾆ.。_。_。_.二二二二二二二二二二二ｌ 　| .X´.(!＿Y＿＿ﾉ　 .(ﾆ)　|　 |
　,|-/x'　　　　　r'⌒＞ ､_.　　 　|　　　 | 　//l|　 　 　 _| |____＿＿＿|　 |
（,,'',,'',,''）Ⅲ￣￣ー＜（()）￣￣￣￣￣￣)V..lj￣￣￣＼|____＿＿＿|＿|
二二二二二二二二二二二ヽ　￣　　 /二二二二二二l
|:::::::::::::::｛{=―=}｝:::::::::::::::|　　|::|　　＿ ノ―=}｝:::::::::::::|　 ||
|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |　　|::し'´::::::::::::::::::::::::::::::::::: | 　||ー

┌──────────────────────────┐
│評判は京都中に広まり、わんぷらいすしょっぷは繁盛した　　....│
└──────────────────────────┘

.　　　　　 　 ,　´ ... -――--...､｀ .､
.　　 　 　 ／　/´.. - ―― --､ﾍ.　 ヽ
.　　　　 / 　 /´　　　 | i　　　　:.ﾊ　 　',
.　　 　 ,'　　 | 　 !　　 | |　 i|　　.:.:|　 　 :.
　　　　i　 　 i:.: ∧,-‐'　￣ ｀ヽ! : :!　　　.!
　　　　|:　　 |/´ 　ノ 　 　 ゝ　｀ヽ|　 !　 |ヘ.
.　 .へ..|i　　 !　　 　 　 　 　 　 　 |: ｜.| |　　>　　　　まぁ、このお店のものはどれも美しいわ。
. く　　 || :　｜　_＿､　　　　 ,＿　|;　| ﾉ ! ／
　 ｀ ー|l_i　N ,〃⌒　　　　 ´￣｀ﾒイﾊ､ i´
　　　　| {｀ﾄ!　:::::::::::　　 '　　:::::::::　 / ノ |
　　　　|:.:.ヽ、_　 　 ､__ ... __, 　 　 ,'イ∧.|
　　　　|:.:.:.:i　{ﾍ　　　　　 　 　 ／　.!:.:.:.:|
　　　　|:.:.:.ﾊ__∨｀ト...　　　 ..イ:::.}___|:.:.:.:.!
　　　　|:.:.:.ハ　∨.:.:） ｀　 _ .{ !::.,'　 ,'.:.:.:.:|
　　　/へ￣｀i　 {7´,.く｀ｰ'｡∨｀7　/￣￣ﾄ､
.　　/　　 ヽ　! /´三ﾐ､===彡三∨　 　 ,'　ヽ
　　{　　　　∨!|　　i´川ﾒﾒﾒ７　 /　 　 /　 　!
　　|　　　　 |.:i.! 　ﾉ:ﾒﾒﾒﾒﾒﾒ{　 .!　　 ./　　 ｜

┌──────────────────────────┐
│亀松が仕入れをし、タネが接客をしていた。　　　　　　　　　　　..│
│タネはどんな客に対しても頭を下げる事を忘れなかった。　　.....│
└──────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　〆　　　　　　　　``へ,　＼
　　　　　　　　　　　　_-"＝-<イ　／￣＝－ヾ　　＼
　　　　　　　　　　__/ 《〆 ／ ／￣￣￣＞￢ゞ　　　ヾ
　　　　　　　　 ／　｀ヽｿ／　/| 《 /| / ﾍ 斗　　＼｝　 }　　　　　どうも、おおきに！
　　　　　　__=>{　　　　 ﾍ |{/ {nNI |/{ /ヾﾍ　　　｝ │》ゝ
　　　　　/　　ｿ{　　　　　 }||　/ｒ=じﾐヾ|　ヾゞゞ ィ　}} }ｿ　　　　　「ワンプライ」を忘れずに、また来てね！
　　__==`ヾ　　　　　　　　 }　｛　ゞミｿ　　　 ,ｿ=ヾ| ィﾉ|ﾐ、
　,{'　　　　ゞ=_　　　　　　ﾉ‘-=-,_￣　　　　 じｿ/ｿｿﾉ||｜
　 |　　　　　　ゝ=_　　　 /　 ソ 　｀＼ｒ--,‘ ￣/　　　ﾉ　|
,,/丶　　　　　　＼=-ン_=フ　　　　　)_ン　 ／　　　/　　|
　　　＼　　　　　　＼　 ／　　　　 /＿＜'´　　　 / 　　/
,ﾐ　　　 `＼　　　　　 `/　　　　 ／＜￣=、　　 ｿ ／/ｿ
,/　　　　　 ＼　　　　｛へ　　／ぐ`=＞ッ´ｿ　ヘ　　ｿ

┌─────────────────────────────┐
│また、人々を驚かせたのは、一番お客が来るであろう日曜日に　　 　 .│
│「店主、使用人一同で教会に行くためお店は定休」　　　　　　　　　　　 .│
│という、当時では考えられない事をしたことである。　　　　　　　　　　　 .│
└─────────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　/＿＿;:､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||└┘||
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !､､ , , , , j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 ..　..|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ､＠),.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　／／＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／,.┬.､＼＼
　　　　　　　　　　　　　　 　　／／　i_Уヽi　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　　 　 ／／　　 ヽ⊥ノ　　　＼＼
　　　　,.──────‐く／　.,:.:.;　　　　　　　　　＼,>────,
.　　　/　　:;.:,.:　　　　　,.:;　 |　 　　／ﾆ三ﾆ＼,.;:.,.　,:|
　　　i＿＿＿＿＿＿＿＿,,| 　 ／'´￣￣￣｀'＼ 　 |＿＿＿＿＿
　　　|i|　|i|　|i|　|i|　|i|　|i| 　| 　　| |　,.,＝=､_ | |　　 .|　 |i|　|i|　|i|
　　　|i|　|i|　|i|　|i|　|i|　|i| 　|　 　| | .ji|　|　|ji | | 　;:. |　 |i|　|i|　|i|
　　　|i|　|i|　|i|　|i|　|i|　|i| 　| .: 　| | tj|　|　|it.| | 　 ,;.|　 |i|　|i|　|i|
　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣├──┤￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　λλ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　λ

┌──────────────────────┐
│商売が軌道に乗り、結婚した1年後のことである　 　 .│
└──────────────────────┘

　　 / 　 　 /:/　 /　　　│　|　　 ＼ヽ　　 ヽ 丶　＼
i　 ,′　 　 |/　 /　 　 　 !　 j　　 　 !　! 　　 !　 ',　　ヽ
i.　|　　　　 |　 /　　　　 ,′ ハ　　　|　|ヽ/´ ! 　 !　　!ﾊ
ヽ |　　　　 l　 l　　　　 /　/　│　　i|　l ハ　j　　|　　| ﾘ
　N　　　　┼‐|ｰ─ -/t /-　､|　　 j| / { _jzﾑ　∧　│
/　|　　　　 ',　ｌ　 　 / 〃 　_　lヽ / j/　,ｲ仏}//　}　∧　　　　あんた、私、子供ができたみたいよ
＼_|　　　　 ヽ {　／,ｨ≠テ女､j／　　　 V_;;|　{　 j / ハ
丁∧. 　 　 　 ∨ 〃{か;;;;小　　　　　　　ちj_　!　ｲｌ　　|
│|仏　　　　 ハ ヾﾊ圦_:::jハ　　　　　　 `ｧ　　',　 ﾄ、　l
│|/∧　　　　　ヽ　　ヽ^)::ン‐　　　　　　　　　 }i　|ハ　!
│|.厂 ヽ　　　 　 ＼　　｀´　　　 　 　 __ ノ 　 厶 ﾘ　 ', |
└‐ゝ. ｰヽ　　　 ヽ　＼　 　 　 　 ｀￣　　 　 /　 /　　ｌ |
　ヽ､ `'ー‐＼　 　 ＼　＼　　 　 　 　 　 　 /　 /　 　 ｌ.|
　　　＼　　 ｀＼　　　＼　＼　　　　 　 　 /　 /　 　 　ﾘ
ﾍ　　　 ` ｰ- ､　＼　　　' ｰ=＞ーx‐‐ｧ￢′ ,′
　＼　　　　 　 ヽ　｀ミ=-　...__Ｘテ‐ゝ_{__八　｛


　　 | ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ|
　　 |丶､;;; _;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_,: ィ";_|
　　.ﾄ､;;;;;;｀ ` '' ー --- ‐ '' ";;;;;:ィ;:;!
　　{;:｀`' ､ ,_ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; , - -'ヽ;:;:;;;{
　　l;:;:;:;:;ﾐ　 ＿` '' ｰ -‐ '"　　　ﾘ;:;:l　　　　ほ・・・・本当でおじゃるか！
　　|;;;;;;rﾞ　'´ﾞ゛ﾞ゛ﾞ`ヽ　　/'ﾞﾞﾞﾞ゛`ヽ';;;;|
　rヾ;;;;;| 　　r旬-､　　　ｨ旬-､　　|;;|
　|`ヽ;;;|　　　｀￣´　　　ｉ`─'ﾞ　　 };|´）
　ヽ　|::|　　 　/　r　　　'､　　u 　!:| /
　　!､ |:} し　　　弋r､_r-ﾉ　　　　|:lﾉ
　　　`'|　　　　,ｨ'　　　　ヽ　　　 /´
　　　　| 　 　　|　,ィ=＝､ `､　U/
　　　　| 　 ヽ. ヽｉ}⌒⌒}lノ　　./
　　　./|ヽ u ヽ 弋､ｪｪｪﾉﾉ /::/
　,r'ﾞ^|　| ＼　､　｀──'´ﾉ／
´　ヽ{::::::|　 ＼ヾ､　　　ノ'ﾞ/::::＼

┌───────────────────────────┐
│1889年(明治22年)5月28日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
│亀松とタネの間に子供が生まれる。　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│この子供は、亀松とタネにとって、たった一人の子供となる。　　....│
└───────────────────────────┘



　　　　　　　　　 　 / (≧ ≦）ヽ　　ｵｷﾞｬｰ!!
　　　　　　　　　　 (ヽ （_人_）/^)　　　ｵｷﾞｬｰ!!
　　　　　　　　　 　 ヽ　　u　　 /
　　　　　　　　. 　 　 | 　　 　 　|
　　　　　　　　　 　　.し　(u)　.Ｊ

　　　　　　　　!::::::／´　　 ﾉ三三三三三三三二:::
　　　　　　　　 ゝ'rｧ　　　'‐-､_三三三三三三三:::
　　　　　 　 　 /　　　　　　　 ＼三三三ﾆ::: イニ.､
　　　　　　　　i　　:::rｪ､_　　　　 1三二::::／::ヽ　､　　　　これが、神様からの貰い物でおじゃるか・・・・
　　　　　　　　ゝ,　 .|ﾂ'´　　　　　i三ニ::/　 t_ヽ　｀
　　　　　　　　 ./ 　 !;;:'　　　　　　i三ﾆ::i　　い　ﾌ　　　　まるで梅干みたいな顔でおじゃるよ
　　　　　　　　/　　　:　　　　　　　|三:::::!:::＿_,,／
　　　　　　　 /　__ :.　　　　　　　　ヽニ::!:::]ヽ_:-'"　　　　ははっははっはははは・・・
　　　　　　　 ヽれ;　　　　　　　　　 '_=ノ　::::): : : ::;
　　　　　　　　　i　　　　　　　　　　　　::;:;:;;:/　　::;;
　 　 　 　 　 　 c,,,,,___　　　　　　 ::::::::::::;;;:;;/　　::;::
　　　　　　　　　　冫゛　　　　　　:::::::::::;;.／ ＼　 ,,..
　　　　　　　　　　ヽ_::::.　　　　::::::::;;:;;::/ .／　／ __
　　　　　　　　　　　 ｀i　　　:::::::::::;;;;;/ ／ ／ ／__,,
　　　　　　　　　　　　ヽ＿ﾉ;;;::l:::;;:;/／ ／..-'‐"

　　　　　　　　　　　　-───-
　　　　　　　　ィi〔:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..､
　　　　　　／:/:.:/二二二二二ス:.:.:.:.:..＼
　　 　 _.ィ─ｧ:.:/:.:.:./:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.:.ト-- 、
　　　 {　　_ ':.:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.:.:. l:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|　　　〉
　　 　 ７′!: |:.:.:.:厶イ､:.:.:.:.ト--:.:ｌ:.|:.:.:.:.:.|＼才
　　　く　　 |:.:l:.:./　　　 ＼:.:!　 ヽ刈:.:.:.:.:.|　　 、
　　　 .|＼ｨ:.:.:∨　　　　 　 　 　 　 |:.:.:.:.:.|、__ノ　　　　　　　あんた、この子の名前は決めたの？
　　　 .|:.:,:.|:.:.:.:| ===ミ　　　 ィ===ｚ|:.:.:.:.:.|:.:.:.|
　　　 ﾊ:.i:.|:.:.:.:|/i/i/　　 '　　 /i/i/i|:.:.:.:.:从:.:|
　　 /　}:V|:.:.:.:{　　　 ､＿_ _　　　　|:.:.:./:.: :.:.|
　　 、　　 乂:父ト　　＿＿＿　　ィ|:.:ｲ:.:./レ
　　　＼ /: :/　　　　{: :{ 　 /: :/ /イヽ!: ′
　　　　　､:/　　　 　 ゝ: ￣ : ｲ　　　 ！

　　　　　　　 ト､、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_,. -‐ '":;:;:;:;:;:;:;_,.ノﾐ'、
　　　　　　　 |:;:;:;:｀`'ー:;:;:;:''"´:;:;:;:;:;:;:_,. -‐='二三ｼﾊ
　　　　　　　 ト､＿:;:;:;;l:;:;:;:;:;__,. - '"´ 三三三三彡ﾉ!
　　　　　　　 l:::l　 二、― 'r―-,_ 　 _三三三彡彡ﾆヽ　　　　　キリスト教のおかげで夫婦になれたんでおじゃるから　
　　　　 　 　 ヾi　 `ｰ′:.　`""´　　 ｀￣'三三彡片ヽl|
　　　　　　　　 '、 , - ､、　　 __,.. .. ,、_,　　'三彡'^> ﾉﾘ　　　　　宣教師の「やる（宣）」に
　　　　　　　　　l ｲで>､ヽ　 ':,ｨ'で'＞'"　　 三ｼ' f ﾉ /
　　　　　　　　　l ヾ二ﾌ ,!　　ヽ二彡'´　　　}ﾂﾘ ,､_ノ　　　　　　明治の「夫（治）」で
　　　　　　　　　'､　　　 l　 　 ,.、　　　　　 i 川 ├ミ'、
　　　　　　　　　 ヽ　　 ,'　　 '__)ヽ、　　　 /｀`7>、　　　　　　　「やる夫」ってのはどうでおじゃるか
　　　　 　 　 　 　 ヽ　/`ー'i´　　　＼ 　 /　 ///>、
　　　　　　　　　　　ヽ'､ ､_,=＝ァ=-､_,｝ / /./////ﾄ､
　　　　　　　　　　　　＼ヾ二"´_,. ‐-.:.:/ /.//////:.:ヽ
　　　　　　　　　　　,. -/ゝ､':､_:' :、_ _:/ / //////:.:.:.:.ヽ‐- 、
　　　　　　　　　 ／　/:.:.'､ ヾ"ﾞ´￣ / / /////'′:.:.:.:.:.ｿ ﾉ ）
　　　　　　,. -―{　､/:.:.:.:.:ヽ ヽ.　　/ / /////:.:.:_,. - '"　／￣｀`丶、
　_,. -‐ '"´　　　ヽ ｀丶､r―--`'-/ / /////''"´　　　／　　　　　　 ｀丶、

　　　　　　　　　 __　　　┌<.＾ヽ::／:::::／￣￣￣￣｀ヽ:::::::::::＼
.　　　　　　　 ／　　ヽ. ,.ヘ⊥／:::::／＿＿＿　　　　　 ﾏ::::::::::::ヽ
　　　　　 　 /　　　 　 ﾏ´ ／::::::::::::::::;ｨ::::/:::::::::::::￣ヽ.　 |:::::::::::|:::ﾍ
　　 　 　 　 |　　　　　　ﾄ/::::::::::＼:／ !::::l::::::::!::::::::::ヽ::＼|:::ヽ::/::::::| ＿_
　　 　 　 　 |　　　　　　|′:::::;ｲ::/ヽ　l::::ﾊ::::::|:::::::::::::|:::::::::::::::}'￣￣ 　 {
.　　　　　 ,r1　　　　 　 l::::::::::l |::|　 ﾍ.|:::| l::::::ﾄ:::::::::::ﾊ::::|:::|:::::| ヽ＜二ﾌ　　　　　いい名前だわ！
　　　 　 /'_ｺ　　　　　　|、::::::| V　　　ヾ| ヽ:::|_,ゝ‐:T'|:::ル::::::|　 ﾍ｀ ｰ-､
　　　　　i´ ！　　 　 　 l ヽ::::| ﾆミ:.､　　 　 ベ　_,ゞ'=ﾚ､l:::::::::|　　_〉ト､　　　　　 この子の名前は「やる夫」ね！
.　 　 　 ﾉ　　＼　　　　　　 l:::ヽ　　｀　　　　　 'f rﾍ, ﾊ.ヽ:::::::{Tﾏ:::::ヽ ｀
　　　 ｒ´　　　　ヽ、　　　　 |ヽ｀　　 ､ ' 　 　 　 ﾋこソｲ'´::::::/}:|. ';:::::::l
　 　 ！　ﾍ　　　　T　_,　j　ヽ. }､　　}'｀ ー､　　　｀´/:::::::::::/:::::|　ヾ::::!
　　　ﾉ　　 ',　　　　Y_,-〈　　 V､:＼　､__ ノ　　　 ／::::::/::/::::::∧　ヾ!|
　 　 {　 _　 ヽ　　 　 ,｀-'　 　 | lヾ:/ヽ ＿.　- ァ':::::::／／::::::/:/:７Ｔﾞ:|
　 　 ヽ.　＼　＼__／　　　　　| |　'　|ヽ､ 　 ／::ィ ﾌ:／:::: ィヽｲ::/ｌ:j l:|
　　 　 |｀ - ､＞´ !'´　_.　--r ’.l.　　|＼.｀ ー‐/ イ1;r7´/　/￢ /'　'′
　　　　ヽ､_　 ｀ ｰゝ-'rｲ　　 ! :l l.　　|ヽ 二..ア　　´{!'　/　/ | ∧
　　　　　　　￣ ´　　.ゝ　　｜:| ﾏ　/　　 ／　　 ／ ／／ ／　 ヽ

┌───────────────────┐
│やる夫は教会で洗礼を受ける事になる　　 　 .│
└───────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　 ,.rﾍ
　　　　　　　　　_i￣ ７´　 ir ´^!　　　　　　　　　　　　　神と聖霊の名によりて
　　　　　　 r‐'´/　　/　/ ﾍﾍ　 ヽ、
　　　　　　 i　 /　　 iVL__i　 ヽヽ　〉　　　　　　　　　　　やる夫に洗礼をさずく、アーメン・・・・
　　　　　　 l　　　　/　マぅ　　r_レﾞ
　　　　　　 ii　 r‐v´　　　　　 Y',　　　　　　　　　　,.,.,_r―‐‐- 、　　　　　　
　　　　　　 ｀}　ト、j　　　 - 一/　　　　　 __,.---.イ_,. ――　　 ＼
　　　　　　ノﾉ　i　ヽ,'　. 　　　,iﾞﾐ　　　　 { r.,:.::_.／ ゝ二 ―‐　　｀　｀丶
　　　　　 "ｲ　iヽヽ.,＜ ｀'┬‐iﾘﾐ　　　　　；￣　　　　 ヽ.二__　　｀　　　 ＼
　　　　　　ﾘ ハヽヽ=＝┐￣「V___　　　　　　　　　　　　　　｀'　.,__　　　　|
　　　　　　ﾞ" 「´　ヾﾞ　　 i;:;:;:;く　　￣￣￣',ヽ　　　　　　　　　　　i;ヽ.,__　 iゝ、
　　　　　 _,.ノ　￣￣ ｀;　 i |;:;:;:;ヽ,　　',　　 :　 ＼　　　　　　　　　|ヽ; ; ; ;￣ ト、
　　　 ／　　　　　　　　' ,　i:|;:;:;:;:;:;i　,　' ,　 :　　　Y　　　　　　　　|　`ー――‐1
　　／　　　　　　;,　　 　　ヽ,'ヽ;:;:;:;:ヽ　　｀, :　　_ _」__ 　 　 　 　　| ;　　ヽ 　　 |
　　i　 ｀　　,　　　 i　　i　　　 ヽ'ト、| ヽ',　 ヽ!　　　　ヽ._ 　 　 　　| ',　　　ヽ.　 !
　　|　　　　 ｀'　,　 i　 !　　　　　i i;:;ﾍ :;:ii　　 'i　　　　　 ＼ 　 　　|　;　　　　 　|
　　l　　　　　　　 ヽ」/　　　　　 ', ',-'T ;:i i　　',　　　　　　　`'‐-.,」　 ,　　　　;! |
　 　!　　　　　　　　 '!　　　　　　 ヽ',:;:ﾍ;:;i i　　ヽ　　　　　　　　 ﾉ　　　　　　 ,.'

┌───────────────────────┐
│この生まれてきた赤子が、どういう人生を歩むか　　 　 .│
│それはこのとき、誰も予想はつかなかった。　　　　　　....│
└───────────────────────┘


　　　　　　　　　 　 / (≧ ≦）ヽ　　ｵｷﾞｬｰ!!
　　　　　　　　　　 (ヽ （_人_）/^)　　　ｵｷﾞｬｰ!!
　　　　　　　　　 　 ヽ　　u　　 /
　　　　　　　　. 　 　 | 　　 　 　|
　　　　　　　　　 　　.し　(u)　.Ｊ

　　　　　　　　＿＿　　　　　______,00　　　　　,勹
　　　　　　　└‐￢ | 　　　└‐￢ |　　　　　く..く　
　　　　　　　　 l二ノ .　　　　 l二ノ.　　　　　　＼）



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.

　　　　　　　　　　, -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　　　　　　　 ／:::::／" ｀ヽ ヽ:::::::＼
　　　　　　　 /:::::::::/　　　　 ヽ ヽ:::::::::ヽ
　　　　　　　 l:::::::{:::l ,　　 　ｰ-j从:ヽ::::.ヽ　　　
　　　　　　　 | ::i::ﾙ{ﾚ'　　 　 ●｀ ｌi!:: ﾄ､:::.',
　　　　 　　 ／⌒)i"●　　　　 ⊂ｌ|:: ||ノ:::.ｌ　　　　やる夫、最後にちょっと出てきただけで終わったにょろ
　　　　　　/ 　 ｙi ﾍ⊃ 　　,__,　 　l|:: | :::::::.ｌ
　　　　　 （　 ／ｽ､,ゝ､_ ｀´　　 ィ<|:: |_:::::::.ｌ
　　　　　　 '<／　|l:::: i　"Tーイ'＾ｧレ'ｌ_::::::.ｌ
　　　　　　　 ＼,,ｔ|ｌ:::: ｌ'ヾ::|三/::/／l/ ヽ、'i
　　　　　　　　　|::|ｌ:::: l　ヾ∨:::/ ヒ::::彡, | :ji


　　　 　 　 　 　 　 　 ,. . . : : : : : : : : : : : :. .
　　　　 　 　 　 　 .／／: : : /:/: : : : : : : : : :＼
　　　　　 　 　 　 /: /: /: :., ;:/_:.≦;:ミ、: : : ヽ:.ヽ
　　　　 　 　 　 ./: /: /: :/　　　　　　　ヽ: : : : :ハ
　　　　　　　　 /: /:/:{: /　　　　 　 　 　 i: :i: :.i: : :.　　　　あの父、あの母ありてやる夫あり
　　　　　　　　 .:.:': :i: :ﾄi‐‐- ..　　　 　 　 i:.λ:.ｉ:|: :i
　　 　 　 　 　 ':.:':.:.ヽ:| ｀　　 ｀　　　 ´￣ﾚ'ミ/: i:.:.i　　　　この両親の存在そのものが、やる夫の人生を決めたのかもね。
　　　　　　　　i: |: :i: : ﾄ. ＿_ヾ 　　　,.　　　ｲ: i: |: :|　
　　　　　　　　i: |: :i: : |.ゞ'⌒ヾ　　　 z=ﾆミ |: :!:.|: :|　　　　そう考えると、この二人の話は物語上かかせないのよ。
　　　　　　 　 i:.:|: :i: :ﾊ　　　　　’ 　 　 　 /:.:.i: i: ::　
　　　 　 　 　 ｉ:.:|: :i: :.|ﾍ　　　‘　一　　　/: :.:.i:.′i
　　　　　　　 .i: :|: :i: :.|:.:.:へ　　　　　. ィ/i: : : |:i: : |
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　　　　　　/、i:i |: : :.:.|　i ´　　　　　 i 　 i: : : |::7ヽi
　　 　 　 /　i i:i i: : :.:.|　| ‐-､＿,..--.|　./: : :/:/ / ヽ

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　　　　　　　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
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　　　　 　 　 　 /::::::::::r一…ﾐｘ:::::::::::＼::::::ｉ::::ﾊ　　　　正直なところ、お母さんがいなかったら
　　　　　　　　 ':::::::/::l| 　 　 　 ＼::::::::::ヽ::|:::::::.
　　　　　 　 　 |::l::::!:::{{＿＿　　　 ヾﾞﾑ从ｉ|::::::::i　　　 幼少時代のやる夫に関する事なんて、表に出てこなかったかもね。
　　 　 　 　 　 Ⅳ:::l:::ﾄ ＿＿｀　 　 ´__l川:ﾘ::::::::!
　　　　　　　 　 |ヾ:{人Τr::cﾐ　　 ィ::r::c 少:::::::.　　　
　　　　　　　 　 l::::::/)､.乂zｿ 　 　 乂zｿ ﾊ:ﾍ:::::ﾊ
　　　　　　　　 .'::::///）　 　 　 '　　 　 .人 〉》::::∧
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　　　 , 　 '〈/f`| l ::l｀' ゞゾ　'´　ｒャjﾉ::.ｌ:. |　　　　　　　　　あることないこと・・・・
　　　 |　 l:l :!:{､| l ::|　　　 　 　 ﾏｿハ: |:: |　　
　　　 |　 l:ｌ::i个| l ::l! 　 　 ｌ⌒ヽ′} .:}:.ｌ:: l　　　　　　　　　ないことあること・・・・
　　　 |　 lﾊ:l::{::', ::::{､　　　ヽ.ノ　 /.:/::.l:: l
　　　 l　!:|:::',::',::ヽ:::ヽ＼._　 　 ／.:/::::/l::;!
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　　　　　　　　　　 　 　 　 　 {:.:i:.l:.:!⌒ヽ　　 　 　 ﾞ:.:.:i:.:.:.:.!
　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ:.V　 　 　 　 ⌒ヽ.}:./:. :./　　　　　ま、ってことで今回は以上！
　　　　　　　　　　　　　　　　　｀Ⅵ.ｨ=ﾐ　　　　　　//:.://:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:`ﾄ　　 　 ｨ==ﾐ 彳:ノｲ:.:.|__　　　　月１・２ぐらいで、ゆっくりやりますよっと。
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .':.:.人　｀＿_　　　 /:.:バ:.:///〉
　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:./j:.:.＼ゝУ 　 彡/:.イ7'　 /〉
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　　　　　　　　 　 　 　 　 , ':.:./ /:.:.:.:. ,:ｬ=イ/:.:./≧:!　 　./!
　　　　　　　　 　 　 　 ／:.:, ' ./:.:.:.:ｨ彡’ x/:.:./　 f＾ｰ一ｲ::.
　　 　 　 　 　 　 　 ／:.:.／　.':.:／　才" /:.:./　 /ゝ三三!:∧
　　　 　 　 　 　 .／:.:.／/　./:.f´￣ 　　/:.:./{ 　.!　 ｀　 ´}:.:.∧
　　　　　　 　 ／:.:.／ .:/　 ':.:. |　　 　 /:.:. ' :|　/　　　　/:.:.:.:.∧


　　　　　　　　　　 　 -‐ '´￣￣｀ヽ､
　　 　 　 　 　 　 ／　／" ｀ヽ ヽ　　＼
　　　　　　　　　//, '/　　　　 ヽﾊ 　､　ヽ　　　　　>>1がやる夫関係の書籍を読んで
　　　　　　　　 〃 {_{ノ　　　 ｀ヽﾘ| ｌ │ i|
　　　　 |~~＼　ﾚ!小ｌ●　　　 ● 从　|、i|　　　　　勉強する時間にょろ～
　　　　 |　　ノ　.ヽ|l⊃　､_,､_,　⊂⊃　|ﾉ│
　　　　 ￣/⌒ヽ__|ﾍ　　 　　 　 　j /⌒i !　　　　　みんな、我慢してにょろ～
　　　　　　＼ /:::::|　l＞,､ __,　イァ/　 /│
.　　　　　 　 /:::::/|　|　ヾ:::|三/::{ﾍ､__∧ |　　　　　では～～～～
　　　　　　　｀ヽ< |　|　　ヾ∨:::/ヾ:::彡'　|

追伸：やる夫の書籍を借りてる方、すぐ返してください

おつー
自分の無知を晒すけどこういう自分の知らない人物の物語はワクワクするね

乙
正直まるでしらないことなのですごい期待

皆様、ありがとうございます。
コメントの数だけ、私は元気になります。
これからもよろしくおねがいいたします。

>>1自身も、やる夫については詳しいことは良く知りませんでしたが
断片的に情報を得ていくにつれて、やる夫の事を知りたいと思い、書籍を買いました。
ご興味がありましたら、一冊是非・・・・

乙　追わせてもらいます。
山宣を扱ったものは確かに初めてかも。

ありがとうございます

2009年に生誕120年没後80年ということで、かなりの書籍が販売・再販されたようですね
おかげで、大きな書店でやる夫の書籍は売ってますね。
そのとき、どなたかが短編でやってたたんじゃ？と思いましたが、調べた限りなかったですね。

あ、今気がつきました。

「嗚呼！　やる夫道」様において当作品がまとめられました！
ありがとうございました！（すごくてびびった）

http://gokumonan.blog87.fc2.com/blog-entry-3615.html