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IQ

2013年08月21日

背景:
先天的な脳機能障害では、健康な人々とは異なる脳の発達をすることで、日常生活において障害となる症状が現れることが多い。しかし異なる脳の発達とは、常に障害として現れてしまうのだろうか。

要約:
自閉症を持つ子供には、社会的な能力が欠けておりコミュニケーションに困難が伴い、特定の物事以外への興味の喪失などが見られる。しかしこのような障害を持ちつつも、時に自閉症患者はサヴァン症候群のように、特定の事柄に対してとても高い能力を発揮する。例えば、ある人は何年の何月何日が何曜日だったのかを正確に記憶している。

この度、スタンフォード大学のVinod Menon博士らによって、自閉症を患った子供は同程度のIQを持った健康な子供に比べて高い数学力を持つことが分かった。またこの時、自閉症の子供は通常ならば顔や物などの画像処理と関わる脳の部位を活性化させ、健康な子供が使うのと異なる脳の使い方をしていることが分かった。

Menon博士によると、曜日を覚えているような能力は学業や専門技術において得になるようなことはないだろうが、数学力や解析力などの才能を伸ばしてあげることができれば、人生においてとても大きな利点になるだろうという。

Menon博士らは、7~12歳の18人の自閉症の子供と18人の健康な子供、計36人の子供を対象に実験を行った。自閉症は男性に頻発することから、対象者は14人の男児と4人の女児とした。彼らは皆、IQテストにおいて通常の人々と同程度の成績を残したが、数学テストでは自閉症の子供の方が高い成績を残した。

数学テストの後には、子供たちがどのようにして問題を解いたのかという聞き取り調査を行った。そこでは、ただ問題の答えを覚えていただけなのか、指や頭の中で数を数えて解いたのか、成分を分解して解いたのかが聞かれた。すると自閉症の子供は健康な子供と比較して、より多く分解する方法を用いていた。このことは、より解析的な方法を用いる能力が優れていることを示している。

さらに、子供たちが数学の問題を解いているときにMRIを使って脳の活動を観察した。すると、ventral temporal occipital cortexと呼ばれる映像処理を行う視覚野の一部に活性がみられた。このことから、自閉症の子供には健康な子供とは異なる脳の組織化が行われており、それが高い数学力につながっていると考えられるという。

Menon博士によると、以前までの研究では、自閉症の子供の持つ弱点へ焦点を当てることが多かった。しかしこの研究では、自閉症による通常と異なる脳の発達は障害だけではなく、特定の分野に対しての高い認知能力へと繋がる可能性が示されたという。このことは、自閉症の子供を持つ親を勇気付けるこ とになるだろうという。

実際には全ての自閉症患者が高い数学力を示すわけではないため、より大人数の対象を調査することで、個人個人の能力差を明らかにしていくようだ。そしてそれらのデータから、問題解決能力の差を神経学的に解明していくことが、将来的な課題となるだろう。

brain

元記事:
Autistic Kids Who Best Peers at Math Show Different Brain Organization
http://www.sciencedaily.com/releases/2013/08/130816130353.htm

参照:
Teresa Iuculano, Miriam Rosenberg-Lee, Kaustubh Supekar, Charles J. Lynch, Amirah Khouzam, Jennifer Phillips, Lucina Q. Uddin, Vinod Menon. Brain Organization Underlying Superior Mathematical Abilities in Children with Autism. Biological Psychiatry, 2013; DOI: 10.1016/j.biopsych.2013.06.018

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2013年06月22日

乳幼児期の環境は将来的に大きな影響を与えるため、初期の育児はとても大切であるが、母親にとっても大きな困難がつきまとう。この度、オーストラリアはアデレード大学の研究チームによって13800人の新生児を対象とした調査によって、最初の一ヶ月で体重が40%増えた子供は、15%しか増えなかった子供に比べて、6歳時でのIQが1.5ポイントも高くなることが分かった。また同様に、頭の大きさが早く成長する子供ほど、後に高いIQを示すことが分かっ た。

研究チームを率いたLisa Smithers博士によると、多くの母親は最初の数週間は授乳の仕方を学ぶのに格闘しなければならないが、まさにその時期にこそ子供の将来のIQが左右されてしまうという。そのためそのような母親のための教育プログラムが必要であるだろう。

feeding

元記事:
IQ Link to Baby's Weight Gain in First Month
http://www.sciencedaily.com/releases/2013/06/130618101141.htm

参照:
L. G. Smithers, J. W. Lynch, S. Yang, M. Dahhou, M. S. Kramer. Impact of Neonatal Growth on IQ and Behavior at Early School Age. PEDIATRICS, 2013; 132 (1): e53 DOI: 10.1542/peds.2012-3497


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2013年01月15日

背景:
嗜好品には健康に悪影響を及ぼすと考えられているものもあるが、その影響を明確に特定することは難しい。統計的な研究を行う場合、他の様々な要因を排除しなければならず、そこに誤りが生じると正確な解析ができなくなってしまう。

要約:
大麻は脳機能を低下させてしまうのだろうか。昨年、論文誌であるProceedings of the National Academy of Sciences (PNAS)上で、青年期に大麻を多く吸うことで中年期にIQが低くなってしまうことを示した研究結果が発表された。しかし今日、同様にPNAS上で大麻とIQには直接の相関関係はないという研究が発表された。そこでNatureはそれらを比較することとなった。

IQの低下には他の要因が関わっている可能性はないのだろうか。ノルウェーはオスロに位置するラグナル・フリッシュ経済研究所のOle Rogeberg博士らは様々なシミュレーションによって、大麻がIQを低くするという研究結果は、社会経済学的な状態に関連する様々な要因によって説明できることを示した。例えば、貧困層の人々は教育レベルが低くなり、同時に大麻の利用に躊躇がなくなる傾向にある。

大麻は原因なのかただ関連があるだけなのか。IQの低下と大麻の使用に関係があることを指摘した先の論文は、1972~1973年に生まれた1000人以上のニュージーランド人を対象に、38歳かそれ以上まで追跡して調査が行われた。このような長期的な研究では、ある要素と他の要素との関連から導き出される原因によって不具合が生じてしまうことがある。

この研究では、貧困層にある人々ほど青年期に大麻を吸い始める確率が高くなり、同時に依存する確率も大きくなっていた。Rogeberg博士によると、これらによる効果は、教育レベルの低下と合わさることで、大麻とIQ低下の関係を意図せず造りだしてしまうことになる。

Rogenberg博士によると、貧困層にある人々は平均して加齢と共にIQが落ちていく傾向にあり、自然と知的な競争の場から排斥されてしまう傾向にある。例えば、裕福層にある人々に比べて大学へ進学する割合は低下し、肉体労働をする割合が増加する。

他に大麻によってIQが低下することを指摘した論文はあったのだろうか。Rogenberg博士は論文中で、IQの低下と大麻使用に直接の相関関係はないとした3つの研究を参照した。それらの論文では、タバコを多く吸う人々には明確にIQの低下が見られているが、それらは永久的なものではなく、禁煙によってIQの低下が防がれている。

先の論文の著者はRogenberg博士の論文についてどのように考えているのだろうか。共同研究者であったデューク・トランスディシプリナリー・プリベンション研究センターのMadeline Meier博士は、Rogenberg博士の観点は興味深いものだという。しかし、先の研究では中流階級に生まれた個人に制限して研究を行っているため、IQの低下が社会経済学的な要因のみで説明することはできないだろうという。

Meier博士によると、彼女らの行った研究では、社会経済学的な状態も考慮に入れて解析を行っており、どのような背景を持った人々も、大麻を青年期に多く吸わなかった人々には成年期でのIQの低下は見られなかった。そのため、社会経済学的な状態がIQの低下に影響を及ぼしているわけではないだろうという。

果たしてどちらが正しいのだろうか。それは明確に断言できるものではない。両者は同じデータから違った方法で解析を行っており、両者ともにそれぞれの利点がある。

ではこの疑問を解決することはできるのだろうか。そのためには他の国で行われた同様の調査と比べることが有効となる。このような比較は以前にも行われていた。例えばイギリスで行われたUnited Kingdom’s Avon Longitudinal Study of Parents and Children (両親と子供に関するイギリス・アボンにおける長期研究、ALSPAC)では、母乳を与えられていた子供は高いIQを持ち、血圧や体重は低くなる傾向にあった。またこの研究では母乳での育児と社会経済学的に高い地位には関係があった。しかしブラジルでの同様の研究では母乳での育児と高いIQには関係があったが、社会的な地位との関連性や他の効果は見つからなかった。

他の研究者はどのように考えているのだろうか。ニューヨーク州立大学オールバニ校のMitch Earleywine博士によると、この研究は青年期の大麻使用とIQ低下の関連性は偽物であり、薬学的な原因ではなく社会経済学的な原因によって起こっているという説を、明確に補強することになったという。ALSPACに参加していたブリストル大学のJohn Macleod博士によると、Meier博士らは自身の論文内でも、先の結果は様々な要因が原因となっている可能性にも言及している。またRogeberg博士の論文は様々な合理的な仮定から成っているため、可能性は確かにあるだろうという。

drug free

元記事:
Pot smokers might not turn into dopes after all
http://www.nature.com/news/pot-smokers-might-not-turn-into-dopes-after-all-1.12207

参照:
Meier, M. H. et al. Proc. Natl Acad. Sci. USA 109, E2657–E2664 (2012).
Rogeberg, O. Proc. Natl Acad. Sci. USA http://dx.doi.org/10.1073/pnas.1215678110 (2013).
Moffitt, T. E., Caspi, A., Rutter, M. & Silva, P. A. Sex Differences in Antisocial Behaviour (Cambridge Univ. Press, 2001).
Farmer, M. E., Kittner, S. J., Rae, D. S., Bartko, J. J. & Regier, D. A. Ann. Epidemiol. 5, 1–7 (1995).
Fried, P., Watkinson, B., James, D. & Gray, R. Can. Med. Assoc. J. 166, 887–891 (2002).
Lyketsos, C. G., Garrett, E., Liang, K.-Y. & Anthony, J. C. Am. J. Epidemiol. 149, 794–800 (1999).
Brion, M.-J. A. et al. Int. J. Epidemiol. 40, 670–680 (2011).

mixiチェック

2012年12月20日

背景:
生物は同じ種であっても個体差が生まれ、それはヒトの知能も例外ではない。そのような差を測るには共通したテストを利用するべきではあるが、ヒトの複雑で数ある認知能力をたった1つのテストで測ることは適切なのだろうか。

要約:
IQ(知能指数)は知能検査の結果を標準偏差を用いて表したものであり、例えばウェクスラー式と呼ばれるものでは、平均100、標準偏差15とな るように作られているため、ほとんどの人々が70~130のスコアを出し、そこから逸脱する人々の場合は異常値として認識される。しかしヒトの知能は単一のテス トによって正確に測ることはできるのだろうか。

ウェスタンオンタリオ大学のAdrian M. Owen博士らによってインターネットを利用して行われた研究によって、正確な知能を測るには少なくとも3種類のテストを行わなければならないことが分かった。

この研究には誰もが参加できるようになっており、世界中から老若男女10万人以上が参加した。参加者は記憶・推論・注意・計画など様々な能力を測るための12種類のテストを受け、同時に文化的背景やライフスタイルについての質問を受けた。

すると広範囲の認知能力を測るには、IQテストのように1つの要素だけを使うことはできず、短期記憶・推論・言語など最低でも3つの違った要素を考慮に入れなければ、その能力の変動を説明することはできないことが分かった。

研究チームによると、人々の認知能力に何が影響するのかも同時に解析され、脳のトレーニングなどは認知能力に好影響を及ぼすことはなく、加齢が記憶や推論に対して悪影響を与えていたという。また日常的にゲームをしている人々は短期記憶や推論においてよい成績を残し、喫煙者は短期記憶や言語において 悪い成績を残し、不安障害は特に短期記憶に悪影響を与えていることも分かった。

math

元記事:
Scientists Debunk the IQ Myth: Notion of Measuring One's Intelligence Quotient by Singular, Standardized Test Is Highly Misleading
http://www.sciencedaily.com/releases/2012/12/121219133334.htm

参照;
Adam Hampshire, Roger R. Highfield, Beth L. Parkin, Adrian M. Owen. Fractionating Human Intelligence. Neuron, 2012; 76 (6): 1225 DOI: 10.1016/j.neuron.2012.06.022

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2012年03月21日

人の知能は個々の生活環境に大きく依存しており、特に乳幼児や子供の時期の育て方に大きく左右される。この度、イングランドにあるエセックス大学やオックスフォード大学の研究チームによって、母親が母乳を与えるとき、一定のスケジュールで与えるよりも必要に応じて与える方が、子供のIQが高くなることが分かった。

Maria Iacovou博士率いる研究チームは、1990年代初期に産まれた1万人の子供たちを対象に研究を行った。両親の教育レベル、家族収入、子供の性や年齢、母親の健康状態、育て方などの影響を排除した結果、必要に応じて母乳を与えられた子供は8歳児の段階で、スケジュールに沿って与えられた子供よりも、 4~5ポイント高いIQを示した。また学力を測る試験でも、5、7、11、14歳時に措いてそれぞれよい成績であった。

Iacovou博士によると、この段階では授乳方法とIQの関係を論じるには慎重にならなければならない。この差は明確なものであり、なぜ差が現れるのかといういくつかの仮説を立てることはできるが、まだ理由を確定できる段階ではないという。またこの種の調査は初めて行われたものであるため、より長期の影響に関しては今後の研究を待たなければならないという。

feeding

元記事:
Feeding Your Baby On Demand 'May Contribute to Higher IQ'
http://www.sciencedaily.com/releases/2012/03/120320115142.htm

参照:
M. Iacovou, A. Sevilla. Infant feeding: the effects of scheduled vs. on-demand feeding on mothers' wellbeing and children's cognitive development. The European Journal of Public Health, 2012; DOI: 10.1093/eurpub/cks012

mixiチェック



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