ねらう緒は聖杯戦争でなんかするようです
(やる夫AGE さん まとめ)

とある魔術師が始めた、根源には届かない規模の聖杯戦争。
願いを叶える願望器として聖杯を使う戦いが、某所で行われようとしていた。
ねらう緒はある目的のため、参加者予定の一人を強襲、サーヴァントを召喚する。

リンク先同ページの聖杯戦争シリーズのうち、
通称中聖杯戦争「○○はサーヴァントとして戦うようです」及び
「ねらう緒は、聖杯戦争に乱入するようです」と関係性が深いので、
そちらから読むと一段と物語を楽しめるだろう。むしろ読破は必須。
未読ならせっかくだから、小聖杯戦争の一番最初から読むのをお勧めする。
腹筋の替えは準備しておくこと。(小聖杯戦争など含む感想)
連載時間軸を追うならば、「ねらう緒は、聖杯戦争に乱入するようです」の後日談から
再構築されたものなので、こちらもお忘れなく。

男爵さん作品のうちでも人気の高い、
「ねらう緒は、聖杯戦争に乱入するようです」の主人公ねらう緒、
通称パルクル緒の続編。中編。安価スレ。
主人公の相棒、サーヴァントはFate/Zeroより、ディルムッド。(但し原作本人ではない)
いつも通り、Fate/stay night などのFateシリーズを下地にしているが、
この連作を読んできた方々は既にわかっているだろう。
男爵さんの聖杯戦争ものは別の混沌を呼ぶ何かであると。
原作シリーズ知識は、あるとより楽しめるかもしれないが、必須ではないと感じた。

前々作からは実時間で半年、前作からは五ヶ月が経過しての続編であり、
男爵さんの作風にもかなりの変化が見られるものとなった。
関連作品だけ追っていくだけでも、その変化は見て取れるものとなっている。
具体的に言えば。あらぶるダイスへの対応力が見て解るほどに上がった。
キャラはそれぞれ、ダイスのプロット崩しにも少々では揺るがなくなった。
…そしてそれらの対応力を見て納得したかのように、今作、ダイスの女神は本気を出した。
「ハハハ、女神の本気ってなんだよ、これまでだって充分あらぶってたじゃないか」
そういう方は読むといい。自分の発言がフラグ建てにしか聞こえなくなるから。


以下はネタバレ感想込み。いつもどおり、作品未読の場合はここまでで戻ってください。
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英霊に「織田信長に似ている」とまで言われた、徹底した合理主義の男、
パルクールねらう緒がついに帰ってきた!
続編を切望する声は高かったのだが、男爵さん自身が乗り気ではなかったようで、
嘘予告に登場するまでが長かった。実に長かった。
そして満を持しての再登場。その最初の登場から彼はキレッキレであった。

よし、目的は達成した。焼肉を食いに行こう。
からの飯テロレベルの畳み掛けるように焼肉。拠点も焼肉屋、同盟相手の霊地も焼肉屋。
ナンデ!?ナンデ強力に焼肉推し!?(大体初期安価台詞のせい)
アサシン組とシナリオ途中からはセキャスバーを交えて、
おまえら若いな肉飽きないかとつっこみたくなるほどの連日の焼肉パーティ。
グラハムとねらう緒も相性の良さを見せ、
段々と焼肉コミュニケーションで深まる仲は実に妙であった。
ランサーが染まって(緒染)いくのも何ともいい味。ケルトって焼肉文化っぽいしな!(偏見?)

そんな焼肉の中でも、マジ話を挟んではすぐに焼肉に引き戻されるところや、
真名を看破する知識量を垣間見せるシーンが好き。
前作よりも二枚目半な、シリアスが長続きしない部分と、
黒幕が彼の逆鱗に触れた瞬間からの本気モードとのギャップも実に。

そして魂の双子、再会。
再開の時点で、主人公の手にかかる前に首狩り将軍、瀕死。
トミーさん大戦犯説爆誕。全部電磁朗のせい。
最後の最後に男爵さんに語られたネタばらしでも、
プロット破壊に定評のある電磁朗。
そんなGMに対しては無敵な彼であっても、
ねらう緒の看破能力にはわずかに敵わないあたりや、
敵に回すと厄介だなぁと心の底から思っている所がイカス。

他NPCでは、意思疎通が図れないはずのバーサーカーが可愛い。
男爵さんの「話せないキャラ」は、今回もラブリーで実にいいね!
物語後半からチェイサーになり、意思疎通もできるようになったけれども
話せずに顔文字だけで会話している姿のほうが、可愛らしさは上のような気がする。

セイバー「10%に賭ける!」電「10%引きました」
今作の悪役はこの一言に尽きる。
電磁朗は女神の使徒だから、ダイスの祝福は当然だと思ってたけど、
これには爆笑せざるを得ない。
首狩り将軍が電磁朗とアサシン組にボッコボコにされていき、
全てを使い切った後の将軍の、ショボーンとした表情まで完璧だった。
そしてラストのこれ!しかもやったのが電磁朗。
偶然瀕死のボスを撤退中に横殴り、完全にとどめをさした上聖杯奪取。
いやあ、今回の女神様物凄いですね。
物語が転がりすぎて裏の作者間話し合いで急調整されるほどにあらぶった上、
そこからもまだ容赦しないなんて。

今回の個人的ベストシーンは、黒のアーチャーとの戦いの後の
弱った電磁朗とアサシン組、パルクル緒の焼肉シーン。
しれっと嘘をつく電磁朗と、拾える公開情報で嘘を暴いた安価と、
「隠している内容には興味も無いのでガンバ★」という結論どれをとっても格好良すぎる。
ベストバウトはもちろんラストの電磁朗対ディルムッド。
なによりヒロインムーブを初手からラストシーンまで完遂したレミリアと、
不思議なダイス神の導きでヒロイン化した黒アーチャーが見守る中の
聖杯戦争関係のない男同士の戦い。うむ。…うむ!素晴らしい!

感想とは関係ないが、黒のアーチャーはKUMOさん作とか。
…「具体的には寄せて上げてる」の文章に、
KUMOさんの今連載中のWizスレの主人公を思い出してしまった。
KUMOさんはやっぱり乳好きであったか…。

総評。
今回もダイス神、やっぱり大暴れ。
ダイス神に愛されたねらう緒と電磁朗の、予想外のドラマは実に読み応えがありました。
そしてこの次の作品にも、ねらう緒が関連するということで、
そちらが完結したとお聞きしてこの感想に取り掛かりました。
あまり彼が関連する隙のある戦いではなかったですが。
…ねらう緒の出番とかより、もっと恐ろしい何かがそこに居た。
ダイス神の神主たる男爵さんが、「ダイスに愛された者」を顕現させたという
ふっきれた作品で…おっと、感想はあちらに書こう。また次回。

電磁朗初登場→電磁朗第二作にパルクル緒初登場
パル緒初登場→パル緒第二作にグラハム初登場
グラハム初登場→グラハム第二作に摩登場
と、女神の感染経路がよくわかる一作でありました。
…だんだんあらぶり方が強化されてる…。

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