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やる夫は異世界の戦士になるようです84

2016/01/13
14:22

5242 ： ◆x0SRSoJXe.：2015/12/27(日) 22:39:27 ID:3w/qDc9M0

　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::|ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　ハロー。つかただいま。アイムホーム。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
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　|::::::::::::::(___＿＿ノ´||
　|::::::::::::::(_ノ／ . . . ||
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　＼:::::::::::||￣￣￣￣
　　＼ ::::||
　　　　＼||

5244 ： ◆x0SRSoJXe.：2015/12/27(日) 22:41:02 ID:3w/qDc9M0

　　　　　　　､　- ‐‐ -,
　　　　　　 ,´: : : : : : : : :
　　　　　　ﾞｉ : : : :○　○ﾞｉ
　　　　　　 }: : : : : : : _ _ _|　　　　　　　今日は残業なしで帰らせてもらえるはずだったんだ……
　　　　　　 |: : : :-=´_　_,´
　　　　　 y' : : : : :_: : : : :i　　　　　　　　はずだったんだ……
　　　　/ : : : : : : :┌─┐
　　　　i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ　　　　　　　前の人数ですら残業してたのに、さらに減らしちゃ定時内帰宅なんて無理に決まってるよ……
　　　　ｒ : : : : :ヽ、__)一(_丿
　　　　ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ
　　　　と_ : : : : : : ノ : :ノ
　　　　　　￣￣￣　￣

5245 ： ◆x0SRSoJXe.：2015/12/27(日) 22:42:26 ID:3w/qDc9M0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　,- ‐‐ -　､
　　　　　　　　　　　　　　　ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　　　　　　　 /○　○: : : : /
　　　　　　　　　　┌─┐　　i_ _ _ : : : : : : :{
　　　　　　　　　　┃茶┃　　｀,_　_｀=-: : : :|　　　　　　　それなのに、「当人の能力不足」で片づけられて残業代も……
　　　　　　　　　　├─┤　　　i: : : : :_: : : :'
　　　　　　　　　　￣￣￣ー‐'' ｀-‐´ : : : : : :ヽ　　　　　　チミたちが望んでるのはつまらない愚痴よりも、異世界ファンタジーだったね。
　　　　　　　　　　　　ゝ __ ,..　ｲ : : : : : : : : l: : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　 { : : : : : : : : :|: :.|　　　　　　ぼちぼちはじめよっか。そんでぼちぼちなところで終わらせようか。
　　　　　　　　　　　　　　　 ,､ '" : : : : : : : : :ﾞ､:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　（ : : :‐ ､ : : : :__,. : : :Y"
　　　　　　　　　　　　　　　` ー‐┘￣‐〈＿ ,,ノ

5248 ： ◆x0SRSoJXe.：2015/12/27(日) 22:57:52 ID:3w/qDc9M0

　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　.＼
　　　　　　　　　　　　　／（●）　（● ）　＼　　　　ドラゴンと鉄の馬で並走したっておじいちゃんに言ったら、
　　　　　　　　　　　　　|.　　（_人＿）　　　　 |
　　　　　　　　　＼　｀⌒ ´　　　 ,／　　　　どんな返しされるんだろうなー。
　　　　　　　　　　　　　　/ 　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　./　l　　　,/　 /　　 i
　　　　　　　　　　　　　(＿) 　　(__ ノ　　 l
　　　　　　　　　　　　　／　　／　　　___ ,ノ
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鉄の馬の上から見る景色は、フライア村を目指している時とだいぶ違っていた。
雪が積もっているのもあったが、一番変わっていたのは、視界の端に
のっしのっしと体を震わせながら歩く飛竜の姿だろう。

いつも目にする、翼を広げ空を駆け巡る姿とは違い、翼をたたみ歩く姿は、
鳩か何かのようだった。刺々しい鱗や凶悪な口許に目を瞑れば、
ちょっとした愛嬌さえ感じられる。
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5249 ： ◆x0SRSoJXe.：2015/12/27(日) 23:08:46 ID:3w/qDc9M0

　　　　　　　　　　　　　 i＼　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　＿＿　 |＿ヽ_r／!　　 ,＞'´　　　　　　　　　　　　　　、,
　　　　　＿＿二＞'´!￣＼　ヽゝ,人フ´　＜￣￣｀ー―― ､＿　　　　＼＞=―=.､＿..　　/|
.　　　　　 ,イ＞=､　　＼　　＼　__/´　　　　　￣￣＞-――三二.,ィ＜三三三三夾夾入/ .l ./:|
　　　　／/ ＼　　＼　 .＼＿,.イ　／￣｀＜三｀ヽ￣｀ーｧ､＿＞个.杉'´: .,ｨ≦三＞､夾夾入/ ::|
. 　 ,∠＜＿＿, =―=.|￣/｀l　/ . /　　　　　　　｀弍＼三≧个彡个'´:　: /仄..灰.杉个.､夾丈入.∨|
　 / 二二／　　　　 .|／　 ∨　/　　　　　　,'　　　｀戈x、＞'´.:　:　:　,.::'.|壬王圭ノ　!＜＼夾丈.∧!
　 |ノ／｀戈_　　　　　　　　　　ノ＿＿＿＿弋＿_　　｀戈x、_: . : .,..:'.:.:.:弋三三ｲ＿∧＜ﾆ＼戈入∨!_
　 ∨ ﾑｲ／｀＞、_　　　　￣7'´￣￣￣｀ヽミxｧ､__=―- ._迅ﾐx、,'＿__ _人_＿_/: : : .:|: : :.ヽノ:从入 ∨￣＞､＿＿
　　∨／　／　　／￣|ｰ=!ー!￣.＞　　　　　　　｀'＜ミx ､_　￣ヾ｀ﾐヽ、＼: : : : : :..:.ﾉ: : : : :.＼从入＼!＞=.K三＜＿
　　　＼＜＿＿∠二∠ =―=' ￣　　　　　　　　,.イ＞､｀'＜ミｧ..、ヾ、 .＼　＼￣￣｀ヽ、: : :.＜二二フ弋___!:.Y戈:.辷＞ー.r=- 、
　　　＜二＿: : : 戈　夾｀夾＞、　 'ー＝＝-.'´　　　　ヽ　　　｀.＜ヽ、!　　＼　.｀ヽ、　 .＼: : ::￣＜フ戈介艾乂入〉:.　ﾋｧ.:|　　 |
　　　　　　￣｀ー＜＞=-丈_大夾＞=- 、　　　　　　＼　　　__｀ヾ戈ﾐヽ、＼ヽ､.＼　　 .＼: : : : :..:￣＼＼￣＜三三三/＿__.!
　　　　　　　　　　　　　　　　＞=-　炎丈欠丈≧.､＿　　　.弋ｧ､　　'ー= 、ヽミヽ｀戈ｧ个、　＼: : : : : : .//∧_,.イ≦全爻髟ｲ　|_
　　　　　　　　　　　　 /　　 _　　　｀7'=―=-丈三戎辷x､_　.ー―　___ヽ、_ヽミ夊戈>命x､　 .＼＿.／／!／￣｀三＞=―' ￣
　　　　　　　　　　　　　 /　　ノ _二、　|∠./　 ././　＼＜＞ミ戎辷ｧ､　　￣｀ヽ＿　.｀'＜!戒心　〉///|戈＿＿ノ´
　　　　　　　　　　　　 |　.,:'　./　　｀ー=./　∠ノ　　　 .＼i　　｀'＜三:ミｧ､　　　　　　　　 ).i.i.l.:弋.弋!,!.|/!
　　　　　　　　　　　　 / /　 /　　　　 ./／　　　　　　　　∨　　　 ./∠必三戈三≧≦彡:仄/　｀＞戈_＼
　　　　　　　　　　　　　∧ |　!戈　　　　　´　　　　　　　　＼く＞､二二｀￣>.川　/＼＼三＞― 、＼｀
　　　　　　　　　　　　　| .!弋 .＼｀＜＿　　　　　　　　　　　　　　｀ー<＿　 <｀戈￣!/ ￣＼.∨　　　　｀ヽ.:＼
　　　　　　　　　　　　　ヾ!　入_　＼_＿!｀>　　　　　　　　　　　　　｀￣´　　　　　　 ∨　　　　　　＼.ﾍ
　　　　　　　　　　　　　弋_＼!入＿込,く　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨
　　　　　　　　　　　　　　　￣｀　　　　　｀
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二騎の飛竜の背中には、ガルーダ隊の二人が乗っていた。
槍を肩に担ぎ、眠そうにあくびをしているのは、おそらくマーカス・ランパートだろう。
祖国を裏切ったとはいえ、前々から敵だったエリヌスへの攻撃のためか、
精神的な動揺や緊張などもあまり見られなかった。

なぜ、圧倒的な機動力を持つ飛竜を、こうしてわざわざ鳥のような姿勢で
歩かせているのかというと、目的地であるサプフィール城塞の目を掻い潜る
ためだった。

エリヌス軍には、基本的に空からの目がない。
アラディア軍には鴉が、メビウス軍には飛竜がいるものの、
彼らには狼を通した地上からの索敵しかできないのだ。

サプフィール城塞自体が森林地帯に位置するためか、近づくにつれて
通り過ぎる木々の密度も増している。

一応、飛竜や鉄馬車が通れなくもない隙間があったので、
それを利用させてもらっているわけである。
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5250 ： ◆x0SRSoJXe.：2015/12/27(日) 23:18:07 ID:3w/qDc9M0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..,,;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__　　　　　　''ﾞﾞ""ヾ.,
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　ノi:i:i:i:i:i:i＼　　　　..__..,;ﾞﾞ　　　,,.;;;::､__,,....
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　ﾉ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:｀,,､＿__　..,.,::;;;,,,,
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ﾊﾊ从'从∧::::∧::::::::::::::::::::::::::::,,;.;.''　;;;;;''":::::::::::::::::::::::::::::::::::＿＿／kkkkkkkkkﾉﾉヾ从ﾉﾉ;
ﾉﾉゞゞ"ヾハ∧从∧:::::::::::::::::::::::''''""::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／kkkkkkkkkk∧kk,',,彡ミ彡爻',
〃ﾞゞ∧ﾉﾉ',ゞ从ﾞゞソ∧,,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::__ノ¨kkkkkkkk,,∧从从ﾞゞ;:;"ゞ,,ｿゞ从
∧ﾞミ爻彡从爻"ﾊﾊ彡ゞ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,．ノkkkkk∧kk∧ミ从ミゞ',从ﾘ冫';',彡ﾝゞ,
爻Y;'ハﾘ从ｿゞミハ∧ゞﾞヽ￣￣)　冫￣￣￣￣￣￣从;爻ﾞヾ,,∧ﾞヾ彡,,"彡ゞ,,∧ゞ;,ﾞヾ"
iiiiｿヾii彡Y;;ミソハ人爻,;'ゞ',,..／　 (＿　　　　　　　　从ゞ从,,У,ヾ::爻::;人ﾝ;爻ﾊﾊﾉ爻ゞ;
||||||||||ゞ八;;";;}iiiiiゞ从ﾊゞミ';,　＿＿　￣￣¨三二ﾆ=┤ﾉﾉｿハ,;;"爻ﾝiiiiiiソiiiii',ハヾソiiiiii
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作戦としては、このままある程度の距離まで近づいた後で、左右に展開し
城塞の外壁を破壊。

その後ガルーダ隊による対地攻撃で注意を逸らさせ、一気に攻撃部隊が
内部へと侵入、制圧するというものだった。

内部の構造や城塞の武装など、詳しい情報は分からないのが現状だが、
ガルーダ隊の実績を鑑みてこのような作戦をとったらしい。

というのも、この作戦を立案したのはアンゼロットらしいのだ。
こういうのは、普通軍令部などがするものだと思うのだが、どうやら上からは
大雑把な指示程度しか受けていないらしい。
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5252 ： ◆x0SRSoJXe.：2015/12/27(日) 23:36:49 ID:3w/qDc9M0

　　　　　／￣￣￣＼
　　　　／　 ― 　　―　ヽ
　　　/ 　（ ●）　　（●）ヽ　　　　　　　（なんか、首都に近づくにつれて寒さが増してる気がするなあ）
　　　|　　　　（__人__）　 |
　　　γ￣￣￣/ー／￣/
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そういえば、あの鎧の中はどうなっているのだろうか？
兜から白い息がもくもくと出ているのは見えるが、寒いのだろうか。
飛竜に乗っている時の負荷も軽減してくれる、竜の骨が練り込まれた特殊な
鎧と聞いて、やる夫は少し気になっていた。

この世界に来てから、見たのは無骨な剣や槍ばかりだった。
魔法の薬や不思議な剣、黄金の鎧や呪いの指輪といった、ファンタジー作品で
よく見るものは一切ないといっても過言ではない。
せいぜい、炎を吐く飛竜がせいぜいだ。

自分もまだまだ子供な部分があるのか、そういった「不思議」「特殊」といった
言葉の響きに惹かれてしまっていた。

まあ、そういった不思議な道具があったとしても、自分には扱えないだろう。
そういうのは自分の柄ではない。
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5253 ： ◆x0SRSoJXe.：2015/12/27(日) 23:56:46 ID:3w/qDc9M0

　　　　　　　〃/　　　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　 / /　　　　　　　 i　　　　　　 i　　　}　　　　　　　 |　　　　 ,
　　　　　　 '　′　　　　　　　　 l　{　　　　　　i 　　 |　　　　　　　　 |　　　　　 ′
　　　　　　ｌ　|　　　　　　　　　 |　'　　　　　　i　|　　|　l 　 }　　　　 |
　　　　　　|　|　　　　　　{　　　 ∧ ﾍ　　　　　ﾑrﾋ　７"{｢￣|　　　　 |
　　　　　　|　| /　　　　 |　　 {/ __'　｛　　　 '_jﾉ _厶ﾆL _ |　　　　 |
　　　　　　|　|'{　　　　　 |　ィ'{｢　__｀j八　　 / ノ ;ノ乙心jﾉ| 　 /　　 r: ､
　　　　　　 |　.　　　 {　 , 　 l　ｧァぅ,　ﾊ　/　　 ‘;::::ﾀ刈　|.　/　　 ′ |
　　　　　　 {.　',　　 ∧　'.　 |〈{ {:::hﾑ　 ∨　　　ｰ '' ”　| /　　　ﾙ ) 从　　 i
.　　　　　　　　 ‘.　/ ,ハ　ヽﾑ　弋:㌣　　　　　　　　　　　j/ 　　ﾊ　/　 }　　　i
　　　　　　　　 )' /　　Ｖ{　ハ　　　〈　　　　　　　 / 　　厶ｨ´　　　　　 i
　　　　　　　　　 /　　　　　＼　',　　　　 __　　　　　 , 　　　　′│　　　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　 /　人　　　｀´　　　／　　　 .′/ | 　　　　 !
　　　　　　　　　　　　　　 /　 /　　＞　.　　　　　／　　　 /}丁厂　　 ! 　　 l
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考え事を続けていると、馬車の中のアンゼロットから念話が入った。
森の密度が増してきたため、ここからは徒歩でいくそうだ。

飛竜たちは待機させ、攻撃部隊と侵入部隊の二手に分かれろ、とのことだった。

その攻撃部隊とは、当然ヘルヴォル隊のことである。
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