4941 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 21:24:40 ID:0mtj2Zg60
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鹿の肉を燻製にするなり、積み込んだ雪に突っ込んで冷蔵するなりした後で、
部隊は元メビウス南東部の村、フライア村へと進軍を再開した。
白い息を吐きながら、やる夫は手袋越しに手綱を握り、部隊の先導を切っていた。
この中で一番の実力者が隊長なのだ、是非もない。
アンゼロットから聞いたところによると、今エリヌス方面隊として行動している
この一団は、ヘルヴォル隊を筆頭に、スヴェイズ隊、スリマ隊、ソグン隊、
ゲイルドリブル隊で編成されているそうだ。
今回は会戦時とは違い、各隊が個別の戦力として展開、
戦闘を行うことになっている。つまりは、今ヘルヴォル隊を守る男性魔導士は、
自分一人ということだ。
もちろん、いい気分ではない。今まで自分は、指揮官の指示に従い、
愚直に剣を振るっていた。だが、これからの作戦ではそうはいかない。
ナノハやラピスを守る結界の前に立つのは、自分だ。
常に結界の外に放り出されて盾にされる、というわけではないが、
敵の神獣が迫った際、それを食い止める役目を負うのは自分である。
誰かを守る、という言葉は聞こえはいいが、実際にそれをするとなれば、
その重圧は自分自身の身を守る時の何倍にもなる。
それが恩人となれば、なおさらだ。
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4944 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 21:30:47 ID:0mtj2Zg60
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遭遇戦に備え、国境を超えたあたりから前面に女性魔導士たちが結界を
張ってはいるが、油断はできなかった。
4945 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 21:30:57 ID:0mtj2Zg60
広大な平原を走る鉄の馬の蹄がたてるリズミカルな音と、車輪が回る音、
そしてごうごうと唸る風の音以外何も聞こえず、見かけるものといえば
銃を構えたエリヌス兵でもなければ竜に跨ったメビウス兵でもなく、
雪を被った木々くらいのものだが、鴉は飛ばしたままだった。
鴉を上空に配置しておけば、支援魔導士がその眼を利用して周囲を警戒してくれる。
そういう意味では、警戒は支援魔導士に投げておけばいいわけなのだが、
用心に越したことはないだろう。
向かい風に身を縮こまらせながら、変わり映えしない景色に意識を向けていると、
アンゼロットから念話が入った。
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4947 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 21:42:40 ID:0mtj2Zg60
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／ ＼ 『お疲れ様です、やる夫さん。あと十分程度でフライア村に到着します』
／ ─ ─＼
／ （●） （●） ＼ お疲れ様です。馬はどこらへんで止めますか？
| （__人__） |
./ ∩ノ ⊃ ／ 『いえ、それは結構です。今からこちらの鴉を索敵に向かわせます』
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
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フライア村がどんな場所かは大体知っている。
先程アンゼロットが念話で説明してくれたのだ。
エリヌスとメビウスの国境に位置する軍事拠点の一つである寒村。
メビウス軍はここを防衛のための拠点としてエリヌスのメビウス南東部侵攻を
防いでいた他、補給所としても利用していたそうだ。
そんなところに攻め入ろうというのだから、それ相応の歓迎は待っているだろう
と思っていたのだが、アンゼロットの声色からそれはなさそうだった。
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4948 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 21:49:07 ID:0mtj2Zg60
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, ´ ＼
／ ヽ
./ -- ．.,_ ＿‘.
,' ＿＿ __´＿ ‘. 『……あら、少々想定外の事態になりました』
， ￣￣ ￣￣ ‘.
{ ∪ "' ､､ } 大丈夫なんですか？
ヽ ゝ-‐ ｰ- ' '
＼ ､ <＿ 『そうですね、一度全体に進軍中止命令を出します。
＞,7/1 _ ,r' ｀'rv////
〈/////」 V ／ l///＼ 戦闘準備もしてもらいますので、そのつもりで』
__//////ﾝ 〈,r' _〉Y// ﾄ、
{//＼｀¨7 o⌒f ＼,r'´ ､ゝ///|.:.ヽ 了解。
j,////｀7'__`] !_ ! Y´ ` ＼,r':､<
|,//////∨ ヽ_ヽ.{ {ヽﾄ j′∨ ヽ __
|//////У ヽヽ} } ヽ ｨ､ ,ﾍ | ｀fヽ ヽ
|,∧_/z＜/〉 _ lT = ‐'ー ´ | | l }
j_/_/＞ ´ﾞ´ | l 二 | | / ,r'
￣ヽ ヽヽ.二 ． ^└ `´
＼ _＿ ､ }.} ＞´
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だが、ここでアクシデントが発生したようだった。
察するに、二回目の円卓での会戦時にフライア村の兵も動員したため、
現在フライア村には最低限の戦力しか残されていないという情報が
間違っていたのだろう。
「諜報部め、いい加減な仕事を」
アンゼロットが小声で毒づくが、聞こえないふりをする。
馬を止め、飛び降りた。
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4949 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 22:01:31 ID:0mtj2Zg60
x≦7
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/ィ´/::/::::::::ﾄ､::::>｣≧:::ヽヽ::l_:__:ri＿:::::::::::::::::::::::::::
/.7:/l:::::::ヽ::ﾄ{ ｀ ペ:ﾑヽﾄ:l⊥-ｧﾉﾉ lｰ-ー´ー---
/ ./ｲ::l::::::::::l:Ｘﾑ }lヾ .l.r
./ l/|:l::l:l::::｀代:>丶 _ r‐lﾘ.|| 現在我々が向かっているフライア村にて、ごく少数ではありますが
/ ／´::f|:l::l:ﾄ:::ヽ＼ ' ﾑ .||＿ ／ ⌒ヽ､
./.イ:::::::::::l l:l:ﾄ{:{ヽ:ﾄヾ'ー―r1::/￣l| ／> ＼ 飛竜の存在を確認しました。
./:::::::::/l /{ﾙ'` }/ > /_ﾝ:::>､ ll ー'´￣￣｝
. /::::::::::/ ,∠ ﾑ／//／＼ ll / これより戦闘隊形へと移行、徒歩でフライア村に向かいます。
. /:::::::::::/ f´⌒7ヾ::l l/ / ↓ ´ -={
/:::::::::::/ l＿_{ Y､___Ｘ . ヽ | 各自、支援魔導士の指示に従ってください。
./:::::::::::/ L___lゝ__ﾉll ヾヽ ＼ ヽ
. /::::::::::/{ / ﾆ| Yll:l ヾヽ l ヽ ﾍ
..l::::|:::::::ll:l r､ /{ / l l ||:|/ ヾヽ }_＼ﾍ ﾍ._ _
.l::::ﾊ:::::l l:l /ヾ〈:::|´ ,ﾚ' | l:::l ヾlヽァ' ＞､ `´へ＼∨∨|
.l:::l l::::l ヾ.､/廴: :l:ﾍ ／ ゝ l l↓:l ⊥r' ＼//ヘヽー-／／
.l:::| l::::l / Y´: : :＼:Y { l |［］:l ./:/＼__///ヽ::l:lー-／／/
..l::l .l::::l .l : : : : : : : : / ､ノ〉r,'/ ヾｧ､l `ー‐'' ヽl_ -‐/ /
..l::l l:::::'l : : _r.､ : : /l ∧ ー' l Y |
. l:::l l::::| ｨ':､ヽl／ / ＼ヽ |_ ‐才 L -‐ i
. ﾍ:ﾍ .ﾍ:::V｣_ﾆｭ}'ﾝ ／ ヽ＞孑 / l:.. }
.＼＼｀／／:＼／ ／ }／ l::::l／ lヽ
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鉄馬車を止め、一度兵士たちを整列させると、ナノハは堅い表情で
フライア村に想定外の戦力が存在していることを告げた。
兵たちの間には、一瞬動揺の波が走ったが、それもすぐに収まり、
ナノハの言葉が終わると同時に一斉に戦闘の準備に取り掛かり始めた。
あの会戦の後だ、小規模の飛竜との戦闘くらい、どうということはないのだろう。
現に、やる夫も同じ気持ちだ。
あの地竜の群れに嬲り殺しにされかけたことに比べれば、飛竜の一騎や二騎
くらいはどうとでも対処のしようがあるように思える。
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4950 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 22:09:04 ID:0mtj2Zg60
,.:´: : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/.:::::::::::::小:､: : : :: : : : : : : : : : : : ヽ
/;.:.::.l.l.:::/i::l.:.:.ﾄ､:.:.:.:.:.:. : : : :.: : : : : : ハ
//.:.:l.:l:ﾚ' i.:ﾄ､;ﾄ､:ヽ､:.:.:.:.ヽ: : : :: : : ﾊ
l/ i.:.:l::|´￣l.:l ヽ仁lﾆﾐヽ.:.!::::::::::::::::.:.:.:.:.:|
VN:!行F::l 〒ﾃﾃﾐヽ.::!.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.! おかしいね、メビウス軍はあの会戦の後、
l:1 少'ﾘ 弋辷ｿ l:.:.:!.:.:.:.:;.::::!.:.:::l::::!
l:.l /.:/.::::::/:::/:::/:l::;′ フライアには見向きもせずにミフの方へ逃げ帰ったって
l:.ﾄ､ /,:ｲ.:.:.:./.:./.:./://
l.:l:.:ヽ ｀ ,'.:.:./.／.:./:// 聞いてたんだけど。
l.:.:.:/ ＼_ ＿ イ.:.:/l´.:.／l/
l.:.:/ i l.:./ 」.:/ ′
|:/ _,ﾑ ＿」/￣｀L_
′ _,. イｨ介:､ ＞ｭ､
ﾉ「ﾌ7 l//iﾄ､ ヽ /_ﾉ.:.:.:.ヽ
/7´ l L_//} ﾄ､ヽﾉ /_ﾉ.::::::::: ﾞ､
〃 `7/ ,} l | j 〈.::::::::::::.:.:. ',
〃′ // ,} l | j_ﾉ.::::::::::::.:.:.:. i
〃′ l/ ,ﾉ l | j_ﾉ.:::::::::::::::::.:.:.:l
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各部隊が武器を手に取り、人数やコンディションの確認をする中、
ラピスが話しかけてきた。
ミフというのは、メビウス南部にある港町のことだ。
それなりに大きい町であり、撤退したメビウスの大群はそこへ向かったと
やる夫も耳にしていた。
しかし、軍事拠点の防衛であるにもかかわらず、二騎しか飛竜を寄越さない
というのはどうなのだろうか。
数の暴力が特色の一つであるメビウス軍が、何の考えもなしに少数の戦力を
防衛に回すとは考えにくい気がした。
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4951 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 22:11:38 ID:0mtj2Zg60
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,イ´:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:―/ / ／:.:.:.:.ヽ
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. /:.:.:.:.:.:/:.:.／:.:/:.:.:.{:.:!:.:!:.:.:!ヽ:ヽ:.:.:.＼＼__:.:.:.:ヽ:./| ＼:.:.:＼:.:
,':.:.:/ ./:.:/:.:.:./:.:.:.:.:!:.:|:.:{ヽ:.ヽ＼ヽ斗 ´',:.}:.:.:.:.:.:.i:.:.:ヽ ヽ、:.:ヽ:.:
i:.:./ ,':.:/:.:.:.:{:.:.:.:.:.⊥廴', ＼孑/坏笊㍉ }:.:.:.:. : |:./:.:/ヽ､ ｀ヽ､ヽ:. では、これより進軍を再開します。
|:./ /i:.:.:i:.:.:.: i:.:.:.:.:.´{ ,ｲ示ヽ ヾ､ {:::::::ら ﾘ}:.:.:.:.:!-､/ ヽ:.:.―――:.:.:
|// |:.:.|:.:.:.:.{:.:!:.:!ヽ:.ヽ',::ら .ゞ―′ i:.:.:./ヽ } ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: 各員、気を抜かないように。
| | |:.:{.!:.:.:.:.!ヾ､:ヽ',:.ヽゞ´ , }:／:! ﾉ ＼:.:.:.:.:.:.:.
. | / !:.ｉ ',:.:.:.|:.∨ヾ、ヾ、 ｀ ／/／/´ ＿＿ ＼:.:.:.:.
/ ',:.{ ∨:.:{:.:∨{ {＼ ￣ ｀ 〃, イ ´￣ ｀ヽ､ ヽ:.:.:
ヽ∧:..',:.:∧{ ',:.:＞ /∠__ , ヽ ＼
i:.:.:.ヽ∨ ヽ ',:.∧ ＞ 、 ,. イ―---､ ',
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とにかく、今は考えても仕方がないだろう。
装備の点検を終え、隊列に加わると、アンゼロットから念話が入った。
『現在、敵飛竜はフライア村の上空に滞空しています。
徒歩であれば、三十分も歩けばフライアが見えてくるはずです。
そこでナノハには遠距離からの魔術砲撃をお願いします。
他の魔導士は結界の維持と周囲の警戒です』
合理的な作戦だった。
敵の地上戦力が見えない今、律儀に接近して斬りかかる必要もない。
遠距離からの砲撃で、まずは見えている戦力を掃討、他は伏兵の警戒というわけだ。
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4952 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 22:16:34 ID:0mtj2Zg60
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剣を握り敵と対峙するのは、これで四度目になるだろうか。
胸の底では常に小さな恐怖が渦巻いてはいるものの、最初のように
パニックを起こすほどでもなかった。
だが、恐怖に震えることはないといっても、勝利への熱意に燃えているわけでもない。
一時間後には飛竜に焼かれて死んでいてもおかしくない。もしかしたら、自分ではなく、
ナノハやラピス、アンゼロットといった恩人が死ぬかもしれない。
だが、やる夫の心は冷め切っていた。
今自分が泣いても喚いても、何も変わりはしない。
本音を言えば今すぐにでも逃げ出したいが、そうにもいかない。
できることなら、ナノハの一撃で全てが終わってくれればいいのだが。
漠然とした期待を抱きながら、やる夫は剣の柄を撫でた。
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4954 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 22:29:57 ID:0mtj2Zg60
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イ / ,. ｲ:.:|:.:.:',:.:.ヽ:.:.＼:.:.: ヽ ゞｿ }:.iヾ､｀,'ヽ ＼:', |:.:.:.:.:.:.:.:.:＼. ．＜ ＞．┘{ { {:.:.:.:.:.:.:',. / / ／
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『各員、迎撃用意！ 滞空していた飛竜の一騎が、こちらに向かってきています！』
進軍を再開してから、まだ数分も経っていなかった。
アンゼロットの念話が入った直後、ナノハが声を張り上げ、指示を出す。
どうやら、気づかれたというわけではなく、あちらが様子を見にこちらへ
来たのだろう。その証拠に、もう片方の飛竜は別方向へと飛んで行ったそうだ。
だが、これだと気づかれるのは時間の問題だろう。
やる夫も剣を抜き、すぐにでも前に出れるよう身構える。
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4955 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 22:39:03 ID:0mtj2Zg60
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.// ｉ:::::::::ｉ::::::::|:||:::|:∧i:::i .ﾍヽ:::ヽ:::::ﾍ ＼＼ヽ、.<,≠弋ﾐ、i:::i::::||:::|:::ﾍ:::::/::::::|::|
// i |::::::::::ﾏ::::`|:::ﾍ::| ヽ:| ＼::::＼:::ﾍ ＼/≠代 .ﾔ′i::|:::::|::::|::::ﾍ::/::::::/::| 砲撃用意！
/ |:::|::::::::|:＼::::|::::ﾍ:ｉ__ヽ＿＿ヽ::i＼＼ .ｲ ﾚ ノ 乂 |:ｉ::/::::::|::::||/:::::::/:::|
|∧:::::::|:::::＼|::::::ヽヽ,≠=云=ﾐ.|`` ヽ＼ ゝ‐´´ ///::|::ヽ:|::|_|＿/,,, ＜´ 目標、敵飛竜！
| ヽ::::::ヽ:::::ヽ::::::::::弋 ﾚ ﾊ ＼ /:::::::::|:::,,,x ＜´
ゝ:::::::i、:::::＼::::＼ .∨ ﾚ´沙 、 | ゝ＜´
/:.ヽ ___＼::::::＼＼`-ヽ‐´ ヽ ,,, ＜´ ,, ＞＜´
／:.:.／ `ヽ::ヽ、＼／| ,,x.＜´ ,,＞＜
＞―ヽ| ´ ヽ￣:.:.:.:.:∧ x＜´´ ヽ ,, ＞＜
/ ＼ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.|,,, ＜´ ヽ ＞＜´
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視力を強化し、空の向こうに目を凝らす。
一騎の赤い飛竜が、翼を広げ滑空していた。
どうやら既にこちらに気づいているらしく、口からは涎のように炎を滴らせている。
飛竜に意識をとられていると、ナノハの掛け声が響くと同時に周囲の雪が舞い、
地面がほんの一瞬ではあるが揺れた。
複数の光の矢が空へと伸びてゆき、そのうちの一本が
飛竜の腿のあたりへと突き刺さる。
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4956 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 22:48:06 ID:0mtj2Zg60
,，＜彡イ .∧弌_人_人／ / 人 .< ￣｀＜＞.、 /
ィ彡イ ∨人人./ /＞､_/￣＼!＼__|＼ ,_,、 _从/./ .＼＼ ｀＜＞.、 /
,.ｨ彡ｨ爻爻戈＿_∧￣ﾉ＼｀ヽ、＼｀ヽ、｀∨/丈ヽ、 ／戈／ .＼＼ ｀＜＞.、 ./
∠二戈_人_人_人_ 戈__.く/.:＼::.＼.＞く＼巛!_.!_!戈∨弋／ ∨| ｀＜＞.、 . /
ﾑ彡爻_人人人人人_≦三∨≧＼人＿戈 ＼!_|_l.人人_ノ Ⅶ ｀＜ﾆ＞く
/_人人彡イ／￣￣＼}＜二_∨.￣:.＼＿_人.:戈、｀'＜ l::| ｀＜戈＞
. ／_人/ ￣ ／! Yヾ≦_戈＜二三二 弋ｧ、/:::::＼ |::! ,，'’￣￣￣￣
./jⅣ / .＼ |ヾ戈＜￣￣｀ ｀ｰ l ._.i_i_i.|::::::::::::! .|::| ,，'’
/jⅣ / ＞ |／弋 .＼ ./ __戈,.ｨ＜爪≧ｧx､::|＿, ―＜＿＿___.|::|,，'’
. /jⅧ ∧ ／＼ ／＼ .＼./ / _／i:::∨ ｀ヾY´ ∨
/ji;Ⅳ ./ i＼./ ＼j| .＼＿ﾇ∨ i|彡!::::| ．: ::゛;．゛; r劣}
. /ji／ _/,.ィ彡个 ∨ / ＼∨ |彡|::/ ｭ升 r劣弋 ￣
/∨ .／// __| l´｀l l´ ｀l ∠_ .l | |彡|::! ´..;．∴;．｀:'寸㌢．: ::゛;．゛;
./／ ／ .|￣￣/ ｀!.l＿|__|____|∨ | .∨ |.{ ∨_リ .,..xｭｭ圭ヽ:゛∴;．゛;．: ::゛;．f心
..//／ ￣ ./￣＼| ／￣＿＿＿_.＼弋 .| 弋∨￣ .ィ升少⌒ ｭﾆﾆ
ﾉﾉﾉ ／￣＼／_/ ＼|≦二! ￣ ヽ∨＼＿ . ,..｡x≦圭才″ ィ升圭(
イ /￣￣.∨_,./＼／＜二| ￣￣￣.＼ ＿ .＼ ..㍉㌢ ∴ ）少
/￣￣ ∨,,,/＼/ /＿＿＿＿＿!／ ￣..∨弋__ .iイ
. /.￣￣.∨_./＼-=ﾆ二二! .∧二ﾆ=― ＜,.ノ
| ￣￣.:天_ ＼/ |＿＿＿＿＿＿|
.. 弋 _／ | .＼/ .∨ /
∨＿__|＞ｲ ／｀ヽ .∧
／ .／ ./＼＼
／ ＞'´|／￣￣ / ｀ｰ｀-
∠＞'´ | .∧
∨＿_./∨
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その時、やる夫はあの片羽と呼ばれる竜騎兵がどれほど滅茶苦茶だったかを
悟った。
飛竜は血を噴出させながら、みるみる高度を下げ、地面へと墜落した。
これがあの片羽であったら、ひょいと身を翻し、あの銃弾のような速さの砲撃を
回避していたことだろう。
再び場が静まり返り、空には雲が浮かぶだけになる。
後続の飛竜や地竜の気配もない。
魔術砲撃でなすすべもなく撃墜されたことから、以前のように
少数精鋭でこちらをかく乱しに来たというわけでもないだろう。
やる夫はほっと息を吐きながらも、首をひねった。
一体、どういうことだ？
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4957 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 23:06:16 ID:0mtj2Zg60
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└─┘
┌┐
└┘
□
・
4958 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 23:35:28 ID:0mtj2Zg60
_ ＿＿上ﾆニニニTR
rﾆニニiｦニｺT彡t―.王ニニニニﾆ＝､=┬┬┬-D
├──────''´￣￣￣￣￣||ﾐ:.:.: : ::┴┴┴ｦﾉ
│: : : : : ┌──┐: : : :┌┐: : : :||il───┐li /┬──┐
│┌┐: │┌┐│: : : :││: : : :||: : : : : : ::│:::/:┬┬┬ヲ
ﾌ::││: ││││: : : :││: : : :||:──┬─V:┌───､
/:::││: ││││: : : :││□: :||:──┴ ‐/∧: : : : : : : ＼
＿ /:::::││: │└┘│: : : :││: : : :||: : : : : : : //: : ＼／￣￣￣￣￣/
, ' ´,-i i-｀'､:::::└┘: │ │: : : :└┘: : : :||: : : : : : //: : : : : ／´三三三 ／
../ ハV | | .//ヽ::::: : : : │ │: : : : : : : : : : :ﾉ: : ,､: : //: : : : : /三三三三 /
｛ ﾍ V | |// >',::::::::: :│ │: : : : : : : : : //ノ/∧://＿＿／三三三三 /
i.l ＼V..|/ ／／廴､:: :│ │: : : : : : : ／／_ ././//＿_／´￣/￣ヽr――-､
|.|---｛ ヾ／＿｛i|ﾐ: ｰ┴──┴──＜_／ , -''´ ￣ ｀' ､ / //∧ ∥/ﾊヽ､
|.|_ - ''v/ソ､＿___|.|├─======-==-==-=／／ヽ | /ﾊ 'nﾆﾆﾆﾆﾆ-----|/ ／ヽ ',
' , ／/| i ＼￣ | |/i l┴──､ ､ ﾌ ┬─/ /＼ V // >､ ',三三三三三V /――＋
.V/ ./ .| .i V//ｦ┘│ ヽ.... │ 7 .ﾄ､＿＞-､／＿ ゝ',三三三r==ﾆﾆﾆ彡ﾌ ﾉ
V /. . | i ///.. . └─ ｀''---.┤ |＿__it j ｝ﾐ=､ | iﾌ＝ . ､ヽV T代 マ, '
＼ﾐー >／／ { ﾊ ／/不/ヽ｀'-i ｝ ｀' ､＿＿ ／
｀ー―''´ ヽ V ./ | ヽ V ./
＼ソ-.上_＿ｿ／
｀''ー---'''´
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飛竜が不時着した場所が自軍と近かったこともあり、鴉で竜騎兵の死亡を確認
した後に数名の男性魔導士が様子を見に行ったところ、なぜか彼らは竜騎兵の
死体を引きずってきた。
やる夫とラピスは顔を見合わせたが、手足の拘束を見て合点がいった。
まだ生きているのだ。
あの高度から落ちたことを考えると、骨の数本は駄目になっていそうだが、
一応は生きているらしく、口が利けるらしい。
彼らは一つの馬車にその竜騎兵を放り込み、見張りとして二人の男性魔導士が
一緒に乗り込んだ。どうやら、すぐには殺さずに尋問するらしい。
それもそうだろう。
本来最低限の戦力しか残されていないはずの軍事拠点に、飛竜二騎だけで
滞在していたのだ。何か裏があると踏んで、情報を聞き出すために
連れてきたのだろう。
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4959 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 23:36:43 ID:0mtj2Zg60
、__ _,._,._
ゝ.￢'´ﾞ ヽヽ '―-._
,.ノ ,;' ‐-ｧ Σ＿
＜. ｧ'ﾞ .;:;:;'´ フ /
',Ξ´ ／ ',:; .,,., ﾄ、 〈
ヽ. 〃／ ,;:; 、 、 Z、
/ イ r ﾍ ',ヽ ! _,.ゝ
Σｨ レ i i ﾚﾊviヽVﾚﾚ/ヽ ＼
∠、 ﾘ ﾄ ﾐ ィｪヤ ﾋ 〉 了 …………。
"^Vi ﾌzｫ ﾐ、 v _ﾅ ＞
ﾚﾘヘ i u. i i从 ',
ヽ ,ﾞ' ＿ ,. / , ' ヽ7、__
）ノ丶 , . , ／ ; ／ 〉i;ヽ.,__
_,イ,'￣、 ／ / i: ; : ;i ｀'‐-- .,_
_, ィ: ;:/| i i ／ / /; : ; : !: : : : : : : ￣: ‐- 、
,. -‐': ; /; : ;i | ,.人 _」ヽ / /: ; : ; : |; : : : : : : : : :／: :ﾍ
／; : ; : ; : ;/: ; : i |;:;:;i / | /;:;＼/ ,': ; : ; : ; :|; ; , , ; ; : ; /: : : : : ',
i:',: ; : ; : ; : /: ; : i! |;:;:;i ヽノ /:;:;:;/ i /; : ; : ; : ;:|; : ; : ; : ; /: : : : : : :.',
,:': ;',: ; : ; : ;:/: ; : ;i! | ';:;i i /;:;:;:/ ,' /: ; : ; : ; : !: ; : ; : ; / ; : ; : ; : : : i
i; : ; '、: ; : ;/: ; : ;: | ':,r==く;:;／ ,' /; : ; : ; : ; ::|; : ; : ;:;/: ; : ; : ; : ; : : i
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そしてなぜか、尋問役としてアンゼロットに選出されたのは、
ナノハとやる夫だった。
今、やる夫とナノハは、手足が拘束された三十代と思しき男と馬車の中で
向かい合っていた。
頬はこけており、どこか草臥れた印象を受ける男だった。
うらぶれたサラリーマンのような風情がある。
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4960 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 23:36:56 ID:0mtj2Zg60
＿＿＿_
／ ＼
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| ＼ ,＿ |
/ ｕ ∩ノ ⊃―）／
( ＼ ／ ＿ノ | |
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＼ ／＿＿＿ ／
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やる夫はなぜ、自分がこの場にいるのかが理解できなかった。
隣でナノハが優しい声で「これからするいくつかの質問に正直に答えてくれれば、
危害は加えません」と尋問役らしからぬ言葉を投げかける中、やる夫は
何を言えばいいのか分からず、ただ男を観察する他なかった。
ナノハが尋問役なのは分かる。
彼女ならば、下手にこの竜騎兵を殺そうとしたりもしないだろうし、
暴れたとしても丸腰の竜騎兵程度なら取り押さえられるだろう。
だが、自分はなぜここにいるのだろうか？
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4961 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 23:39:42 ID:0mtj2Zg60
＿＿＿}｀丶_ﾉ＼_ﾄ､
｀ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
_,. -‐ ¨´::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞
⌒＞::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
＜:::::::::::/::::::::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::＼l
. ＜::::::::|:::|::: ∧∧::::::∨:::::::::::::::::::::::::::',
＼}:|:::|:::;' |:::::::::|:::::/::::::::::::::::::::::',_
. 厶|:::|::| __ |ﾊ:::Ｎ∨::::::::/:::::::::::::／ 『まず、名前を聞かせてもらえませんか？』
ⅥV ´f㌃ｱ}/ /⌒V:::::::::::／
/ / / ｝}::::::::::＞ …………。
└:､_ _／::::::::｢
L ｀ ／ |:::::::::::::{ 『……フライア村に残っている戦力は、あなたともう一人の
l＿ ,. '´ И/ﾊ厂
＿ / | __／ 〉 竜騎兵の二人だけですか？ それとも、他にまだいますか？』
. ＿＿,. ´／/ :| ｛ﾊ / ＼＿＿
. ´/ ／ | ／〉厂 | / ＼ /￣￣｀丶 …………。
/ ′ ／ :|/ // ／| .／ '. / ､
. / l / l／⌒Ｙ |／/ | / .
′ |: 〈 /{ },／ / :| .′ |
{ ｜ /￣￣￣/ ./⌒Ｖ /＿＿＿＿| | |
. ／ ', | ∧/ :| _/ ＼ | |
´ Ⅵ ./// |,／/ / | |
. {／ | /// :|,// / :| |
/ | ./// / / / | │
4962 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 23:45:11 ID:0mtj2Zg60
／ /:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:./:.:.:.:./:.:/:.:.:.:.:.:.:.|:|:.',:.ヽ:.:.:.ヽ ヽ:.:.:.:|
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:/:.:.:.:./:.:./:./ヽ、:.:.:.:.:.:.ヽヽ |ヽヽヽ:.:.:.:.:ヽ. ｀ヾ ',:.:.:.:}:.:.:.:.,' |:.:.:.:/
:.:.:.:.:/:.:./:./:.:.:.:.:',:.:.:.:.:.:./ヽ |:.:.:.ヽヽ＼:.:.:＼. ヽ:./|:.:.:./ ,':.:.:/ …………。
:.:.:.:/:.:./:/:.:.:.:.:.:/.',:.:.:./ .｀|:.:.:.:.|:|＼ ｀ ‐‐ヽ. ｀>/:.:/ ./:.:/
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:.:.:.:.:.:L＿ /// ｀ヽ｀ヽ_
｀ ヽ＜ ＿_ // >/
｀ヽ ヽ、｀ ‐ - 、 //､ //
｀ヽ ｀ヽ //┐ヽ .//
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男は完全に黙秘の体勢に入っていた。
視線は話しかけているナノハの方ではなく、馬車の壁に向けられている。
男が何も話す気がないのは明らかだった。
映画などであれば、苦痛を与えたりして無理やり情報を吐かせるのだが、
ナノハはそういった強硬手段に出る気配はなく、気まずそうに眉をひそめていた。
自分はどうするべきだろう。
自分が説得に参加すれば、何か変わるだろうか？
それとも、下手なことは言わずに黙ってみているべきだろうか。
下↓５☆
１．自分も説得に参加する
２．黙って見ている
３．強硬手段に出る
※☆印は、今後の展開を変化させる安価であることを表すマークです。
慎重に選択しましょう。
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4967 名前：安価のやる夫だお[sage] 投稿日：2015/11/22(日) 23:48:17 ID:sXK2qy/g0
1
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4970 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/22(日) 23:54:01 ID:0mtj2Zg60
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼ （考えろ、考えろ……）
| ／ .ｲ '（ー） （ー） u|
. /,'才.ﾐ). （__人__） ／
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
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自分には尋問の知識など一切ない。
だが、このまま黙っていては埒が明かないだろう。
痺れを切らした他の兵士が押し入ってきたりする可能性も否めない。
メビウスの竜騎兵に対して、恨みを持っているアラディアの兵士は少ないはずだ。
もう一人の竜騎兵の件もある。どのみち、悠長にしている時間はない。
下手な言葉を発する前に、思考を整理する。
まず、なんと質問すればいいだろうか。
こちらとしては、相手の戦力、伏兵などの情報、あとこの竜騎兵が
なぜ二騎だけであの村に滞在していた理由などを聞き出したいわけだが、
相手が口を割る気配はない。
腰に下げている剣を抜いて脅すなり、指を切り落としたりすれば吐くかもしれないが、
それを隣で見ているナノハが認めるとは思えなかった。
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4972 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 00:06:53 ID:jXCDQRJ20
＿
_´＿ _` ､
／‘=’ﾆ ‘=’u‘.
i └‐' ｰ' ｕ‘. ﾎﾟｸﾎﾟｸﾎﾟｸﾎﾟｸ
ヽ !
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駄目だ。考えが上手くまとまらない。
どうやれば、この竜騎兵が情報を話してくれるかさっぱり分からなかった。
一度、どう質問すればいいか、という問題については離れよう。
頭を抱えていると、ふと世話を焼いてくれていた老人の言葉が脳裏を過ぎった。
自分がある時、困ってる人に対しての声のかけ方が分からない、という相談をしたとき、
老人は「まずは相手の状態を見てみなさい。それから想像するんだ。
蒼ざめていたなら何か事件に巻き込まれているのかとか、子供が立ち尽くしながら
辺りを見回していたら誰かとはぐれてしまったのか、とかね。
それから、『何かお困りですか？』であるとか、『お父さんとはぐれたの？』と
声をかければいいのさ。難しいことではないよ」と言っていたのを覚えている。
この場合はちょっと違う気がするが、とりあえず、相手の状況を推察してみる
ことにした。
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4973 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 00:11:48 ID:jXCDQRJ20
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽへ＼
／ （ ―） （―） ヽ
.l .u ⌒（__人__）⌒ |
＼ ｀ ⌒r'.二ヽ<
／ ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
/ , ヽ._Ｈﾞ ｆﾞﾆ、|
{ { ＼｀7ｰ┘!
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数日前にロンドブル平原でアラディアとメビウスが大規模な会戦を行った後、
戦線を崩され撤退したメビウス軍本隊はメビウス南部に向かったはずだ。
そして、その中には元々フライア村に滞在していた兵も含まれていた。
それらが壊滅したか、はたまた残っているかは分からないが、
生き残っていたとしても本隊と一緒にメビウス南部の港町に向かったので、
フライアはもぬけの殻、というのが事前に与えられていた情報だった。
では、なぜ竜騎兵が二人、あの村に残っていたのだろうか。
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4975 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 00:16:10 ID:jXCDQRJ20
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼ え、ええと、もしかして、あの村に取り残されていたんですかお？
| u. （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
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至った結論はそれだった。
会戦時には怪我か何かで参加できず、あの村に二人取り残された、
思いつく限りではそんなところだろうか。
男の眉がぴくりと動いた。
当たりか？ とにかく、見当違いなことを言ったわけではないらしい。
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4976 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 00:19:33 ID:jXCDQRJ20
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／ ＼
／ ─ ─＼
／ （●） （●） ＼
| u. （__人__） |
./ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
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しかし、それだけでは男の口を割るには足りない。
男は一瞬だけ動揺を見せたように思えたが、口を開くことはなく
すぐに壁を見つめる姿勢に戻ってしまった。
下↓3 ☆
1．趣旨を変えて降伏を提案してみる
2．何か他に上手い揺さぶりがないか考えてみる
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4979 名前：安価のやる夫だお[sage] 投稿日：2015/11/23(月) 00:24:53 ID:UpiYLBCM0
2
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4981 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 00:33:25 ID:jXCDQRJ20
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. '" U ｀丶、
／ ＼ ＼
/ ｀¨″ `'ｰ'"￣｀
{ 三三 三三 }
'. Ｊ /
＼ ｕ ﾞ'ー'^'ー'ﾞ ／
｀¨７ ￣ ‘,
/ ‘,
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とりあえず、先ほどの「取り残されたのでは」という質問に反応を示したことから、
彼ら以外にフライアには戦力はいないと仮定してみよう。
竜騎兵二人がいる以外はほとんど丸腰といっていい村。
彼らは村の上空で分かれ、片方は別方向へ、片方はこちらに気づいたが攻撃を
仕掛ける前に撃墜された。
ここでやる夫は、何かが引っかかった。
もう一度考察をやり直してみる。
なぜ、彼らはわざわざ、こちらに攻撃をしてきたのだ？
飛竜があるのであれば、さっさと逃げて本隊に合流すればよいではないか。
何かフライア村に固執する理由でもあるのだろうか。
下↓3 ☆
1．情報と引き換えに村の安全の保証を約束してみる
2．情報と引き換えに男の身の安全の保証を約束してみる
3．情報と引き換えに男の解放を約束してみる
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4984 名前：安価のやる夫だお[sage] 投稿日：2015/11/23(月) 00:34:58 ID:64W9kp/k0
３
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4985 名前：安価のやる夫だお[sage] 投稿日：2015/11/23(月) 00:35:59 ID:UpiYLBCM0
1
4987 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 00:38:41 ID:jXCDQRJ20
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| ＼ ,＿ |
/ ｕ ∩ノ ⊃―）／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
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┃system message
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情報を渡すなら、代わりに拘束を外して解放しよう、と提案してみたが、
男は無反応だった。どうやら、それではだめらしい。
ナノハが肘で脇腹を小突いてくる。
下手に解放する、などと言ったことに対して怒っているのかもしれない。
下↓3 ☆
1．情報と引き換えに村の安全の保証を約束してみる
2．情報と引き換えに男の身の安全の保証を約束してみる
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
4990 名前：安価のやる夫だお[sage] 投稿日：2015/11/23(月) 00:40:50 ID:64W9kp/k0
１
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4991 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 00:44:33 ID:jXCDQRJ20
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'.::::::::::::::::::::/⌒∨ .|/ ∨ .|/￣切`'ｰ|/ _| :/ ::::: ＜⌒
__＼:::::::::::::｛ -‐ //|/ ::::,. '"
＼:::::::::::::::::. ＼ ∨__＜ ……それは本当か？
／ .:::::::::::::::::: /￣'. '.
/:／:／／..::::::::| '. ＿ ´
. /´|／／/ :／＼|. ＼ __`'ｰr'
／777ｧ．. ∨ ｀ . , ′
／⌒ﾞ'＜/////＼ ::.::.::. ＼ /
／/////// ｀ﾞ'＜'//,＼ ::.::.::. ＼ ／￣￣￣
. ／ .．ｧァ77777７７７＼ /∧::.::.::.::.::.＼ノ ＼
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. ／／ ///////////////////∧∧ :.／ .:/::.::/7
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村の安全の保証を口にした途端、男は食いついてきた。
どうやら、彼らは村を守るために二人で残っていたらしい。
推察は概ね当たりといっていいだろう。
男の死んだ魚のような濁った目はみるみるうちに生気を取り戻してゆき、
前屈みになりながらやる夫に迫った。
のけぞりそうになりながらも、やる夫は説得、といっても、もはや交渉だが、
話をつづけた。
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4992 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 00:51:03 ID:jXCDQRJ20
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リ ￣／ :} ｀ヽ ￣ /ｨ .:.: |:::ﾊ´
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「は、はい。占領こそしますけど、略奪は一切する気はありません」
そう説明すると、男は「……そうか。先程、君は僕たちが取り残された、
と言ったが、あれは違う。僕たちは脱走兵なんだ」と端を切ったよう喋りだした。
先程までの沈黙は、既に消え去っている。
ナノハも交渉はやる夫に任せ、男の言葉に耳を傾けていた。
「メビウス軍は、フライアを放棄したんだ。円卓が君たちに制圧された今、
あそこを防衛する気はなくなったらしい。だが、あそこには僕の妻と娘がいる。
生まれ故郷なんだ」
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4994 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 00:55:02 ID:jXCDQRJ20
／ ￣￣ ＼
／ノ ヽ__ ＼
／（―） （― ） ＼ そ、それならちょうどいいんじゃないですかお？
|. （_人＿） u |
＼ ｀⌒ ´ ,／ アラディアが占領するってことは、フライアがアラディアの拠点に
/ ヽ
./ l ,/ / i なるってことだから、結果的にエリヌスからの攻撃からあの村を守る
(＿) (__ ノ l
／ ／ ___ ,ノ ことにもなるだろうし……
!､＿__!､＿_＿＿_つ
{､、
ヽ､、_＿ ,ゝ＼ _...,..イ
,.ィ＞::::::::｀ヽ::::::V:::::::∠...__＿
_,ィ彡:::::::::::::::::::｀ヽ｝:::::::::::::::::二＝ー
ィ彡ﾞヽｰ──:::":::::::::::::::::::::::::::::＜｀ヽ、
ヾ≦::::::::::::＞ー:::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ､::::::::::::::::＞
＞ミ::::::::::::::ﾉ::ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::＜、
ヾ:::::::::::::::::彡ｲ::::::::::::::/ﾄ､::: ;ｲ:::::::::::::::::::::｀:ー::＼
＼:::ｰ=彡::::::::: /:::::!: !ヾﾉﾍ!: |!::::::::i:::::ミ＼::::::::::＞
∠:::::::::::７:/: ｲ::::/:!:::! ｜:|i!:|::! |::∠::::::::彡"´
. /::::::::::/:/ / |::/|::|ﾊ! ｜从乂ﾘﾉ:::::｀ヽヾ
/イ::::i:::|/ ムィぇｫﾉハ ィﾘ弌升ｲﾘ::;ﾍ:::ハ＼ ……その言葉に、嘘はないな？
|ｲ::∨ﾍﾍ!`┴'' ノ ヽ｀￣´ ﾉ!/ }ﾘ
|ハ{ ハ : ﾘ ﾉｲ 「はい、誓って」
ノｲヽ、 :. ム:::ミ､
/イ::ヽ. __`´ ,ｲ:::::ネヾ そうか、なら話は別だ。
/ｲ::::::＼ ｀´￣｀ ,ｲ i::::バヽ
j从:::| ;.;.、,、 ,.､,.;.' |仆 一つ、頼まれてくれないか？
〉:| :.':!i:!:i:i:!i:!′ |｀ヽ、
／ j : .: y ＼ 拘束はこのままでいい。僕を飛竜の元まで
. イ ｛ : .: / Vヽ､、_
, . ＜´:::::::l l .: .: / |::::::::::::::::＞ .., 連れていってくれ。念話で仲間にこのことを伝えたい。
. ィ::´::::::::::::::::: : l l .: ／ |::::::::::::::::::::::::: : ｀＞ ..., _
.:.:.:´::::::::::::::::::::::::::::: :l l ／ |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::: l ／ｰ､ <´__ |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:
: : :.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::ｌ ,.ｲ;､ :l _｝ >､、 |:::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:
:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::: ｌ ,／ ﾏ∧ ..:l l ∠才 ＼. |:::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::l/ / ﾏ∧..::l ,j∠才 :| ＼ :!::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:::::::::::::::::::::: / ﾏУ⌒ヾ才 |::: : ヽ:j:::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.
4995 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:00:30 ID:jXCDQRJ20
､、 ノ)ノj_＿____
｀ヾ三≧ゞﾑム彡三≦､、
__..,,､＜≧ミヾ彡ミ彡ミ彡ミ彡ｲ
＞彡彡彡ミﾐミﾐミﾐミﾐミﾐミｲｿ
∠彡彳爪爪从从ミ彡ミ彡ミ彡′
_,ノﾊ从ﾉ爪!ﾍ川i|i|i|i|トミミﾐミﾐえ
ノﾉ爪从ハ Ⅵﾘ川i|/＾ヾﾉﾉﾉﾉ）､、 ……ああ、そういえば、名前を言ってなかったね。
｀`＜≦ﾉ从ﾒくア リﾉﾊ ,ﾉﾉ巛巛《く
∠≦ﾙﾊヾ ﾉ从巛《ヾ、
｀" ﾉ__ __ .:′ノﾊⅣハ!
｀´、 ..,:/／ ...,,,ノﾊﾍﾄ,、
ｰ'ﾞ´/,／//////∧/≧;,､_
_.,､イ/ﾑ/////////∧////≧;,、
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,.イ;ｲl///////////l//////l///i!/////!
,.ィ≦彡",ｲl///////////〉,/////l///l!/////l
,.ィ≦彡"´ ノイl///////////∧/////l///l!/////l
∠彡ｲ才 {｛ }ｌ//////////〈//////////il./////l
∠彡ｲ才 }｝ ////////////∧/////l////i./////l
|彡ｲ才 ｛{///////////////〉////!////!/////:!
|才´ Ⅵ//////////////////////ｲ//////:!
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j//////////////ｲ//////く Ⅵ!/////j
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ナノハを見ると、彼女は黙って頷いた。
「構いませんが、見張りとしてわたしが同行します」
その辺りは抜かりがない。
男は苦笑を作って見せると、拘束された両手を上げて無抵抗の意を表した。
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4996 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:01:41 ID:jXCDQRJ20
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/ ∠:::::ﾘﾘヽ {::::∨:.:' ! 〈.:ｨ¨{/:::7`l::/ ﾘ/ |:::::::::／ マーカス・ランパート。階級は中尉だ。
リ ￣／ :} ｀ヽ ￣ /ｨ .:.: |:::ﾊ´
| :′ r.:.:.: ｲ:ﾄ:::ﾍ 軍ではガルーダ隊という部隊に所属していた。
l :′ / '´ ／:::::ﾊ ｀ヾ
'. :/ /¨l:::::::::::::ﾄﾍ よろしくたのむ。
:, ヽ:.:.:.:. ｲ |:::::::::::::!
i:, __ ／ /jﾉ:::ノjﾉ
|:ﾊ __ ~¨` ／ /ｲ￣'，
ィ::∧ ／ ／.:.:.:.:.:.|l＼
,，r≦l// :∧ ｨ ／.:.:.:.:.:.:.:.:.j///ヽ
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4997 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:01:59 ID:jXCDQRJ20
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4999 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:10:58 ID:jXCDQRJ20
＿＿,，＜三/＿_ノ
,，'’三＞―＜.／
＿ ／三＞'’ /
＿ ＿ ＼＼∧∧∧∧,，＜_,r＜ .／￣ ./
｀ヽ＼ ＿ ＼＼ ∨!_.!∨三＞'´ ! ∨ /
＼＼/i/! ,､ ＿ ＼ ＼＼＼|爻爻＜ ￣￣|. .∧ .|
＼|｀ヽ＼爻|/:|/|／| ／ ／ ＼_/´:爻.／￣｀ー＞== ､.弋ノ ￣＼ .|
∧ ∧.＼爻｀ヽ_/／ ／ |三.∧∧ ＿ ｀≧ﾆヽ､ .|
｀´ ｀´＿＿,＞ﾐ爻爻<´ ,..イ |ミ/ !Ⅵ ∨￣￣| ｀'＜:＞､ |
／￣￣￣￣＼!ﾐ三ﾐ| ＿＿∧_∠.／ ./∨ ! |:∧ 弋＿／￣|＿ ｀'ヾ_＞=-.､
_i´｀ヽ／ /∧三| ＼／￣,.イ_＞ /ミ.! ! _,ｨ=-,､ . / ＞―､_ﾉ
／｀ヽ、 ヽ .// .|ﾐ∧ Σ! ／＞ .|三.! .ﾑ/////＼ ..＞'’￣
Y´.// ∧三! .∧/ﾘ＼! |ミ∧ l ｀ ｰマ/,＼ .／
|_| i! .|三| .|∧i. ＿_ ､-.､iヽ、/∧:::! .|! ∨! ｀ﾞヾ77,Y/,)
｀ヽ、 |_| i! .|三|、 . |_.∧...＼.人〉ノ＼!＼i!∨ !＞-､ Ⅵ ..,.ィ////´/ア
. ＼ ./_| .! .∨爻＼＿|＿,.イ下＼｀ヽ≧＼ ∨|. ,i ii ..,.ィ'ｱ"´// .//
＼ |ﾐ:| /＼ ＼爻≦ヾj＜二二ｽ}》＞}ｧ弋ｧ-〈 /:i ..._ ,.ィ'／ヾゝ､ ﾞ'ﾞ `ﾞ
. ∨ﾐ:| || .＼ ｀＜爻.|≦ノ｀ー<ﾘ戈二＞＼/￣ﾉ .マﾑ´ ヾム､
|三| ./＼. 戈仝/! ./ ii.＼》 ￣｀! _＞'´￣￣￣＼_|
|∧|,，´￣｀'＜ .＼ .∨ | .|! .! ∨ _＞'´
|::::| ＼.:ヽ| |! ! 弋、 /／¨＼ ,．､
. ∨ ＼| ', .＼ / ,.ｲ人从人 ﾑ'//＞,.､_
__弋 ＼,.∨ヽ,..|从从从从 ,ｨ=,､_`"''"''='
,.＜入人＼ 弋i i .|从人人,.ｲ ｀ﾞｰ-―＝‐ ,_ィ,ゝ
人_人_ノ ￣＼. ヽ .从人人人| _,.．=-ィァ'''"´
>､人/ ＿＿＿＞＜从人人人ﾉ ﾏ//'／''",,
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´ . ＿_/￣ .:／ |三|__ `'ﾞ l{ 'ﾞ,ｨ.n ，
∠∧_／_,.-､ ＼. _/∧∧＼ ヾソ
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ナノハ、やる夫を含めた五人の見張りと共に、マーカス・ランパートは
撃墜された飛竜に駆け寄ると、首筋に触れて押し黙った。
しばらくすると、空から巨大な翼がはためく音が聞こえ、
彼の相棒、ガルーダ1と呼ばれる竜騎兵が乗った飛竜が自分たちの前に
着地した。口にはゆらめく炎は見えず、足の黒光りしている爪も引っ込んでいる。
あちらからすれば、味方が人質に取られているようなものなのだから、
うかつに武器を見せることはしないようにしているのだろう。
着地の瞬間に振動が生じ、辺りを突風が駆け抜ける。
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5000 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:15:20 ID:jXCDQRJ20
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人i:i:i:i:｀r〈/ 厂〉､≦i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＞ .,_
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. r‐r／ ∧ ∧ ／个=-=抓{___ー=ﾆ二￣￣￣￣￣｀ ＜i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i
{ 人 {i__}{i__} {乂j{i ___j＞ }__ -‐ ￣ ｀ ､ ｀ｰ=ﾆ__i:i:i:i
人 ＞―‐ 〈∧〈∧ゝ ﾉ {____＞ ´(￣＞‐ｧ. ＼ ￣
＞‐r―‐ /乂} ゞ'､ -‐ ｀r≦ )(___／ ヽ__
/ / } } / ￣￣{ ｀ .,_＿＿＿__,. ィ´￣)
. ,辷___;′ ﾉ' { ゝ .,_＿＿＿＿＿__,,.イ/
廴＿乂____／ /ﾊ ＼ ／/ i厂￣￣￣{￣￣
厂￣￣ {r≦´ rv ＼ ＞‐==彡' ノﾊ＿＿＿__,〉
〈､＿＿_ノヽ__／人ヽ ＞ ｀ ､ ／ ゞ´￣￣＼
/＞辷==彡八{i ＞ マ ＞‐'´ }__,ノ＞==ヽ __
/′ ｀ー》 {i 个ｰ'´ Yi｀ヽ´ ＼ ＞''´ /}
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. /′ .: ,. 〈人 ＼ 丶__／ ／／∨/ ∧ _／! } .,:ﾞ:/ ￣ )
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翼をたたんだ飛竜の背中から姿を見せた白い鎧姿の竜騎兵は、
拘束されたマーカス・ランパートを一瞥すると、
「こちらに寄越せ、と言っても聞かんだろうな」と口調に反して若々しい声で言った。
もちろん、そのつもりだ。
相手はあの飛竜だ。この男を放した途端に、口から火球を放ってくる可能性もある。
そうなれば、さすがにこの距離では防ぎようがない。
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5001 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:17:22 ID:jXCDQRJ20
＿＿ ヽヽ _
￣――-- ｀ヽヽヽ ／:.',
_ ￣￣￣:.ヽ／/:.:.:.:ｉ＿＿＿ ／:.＼
／ ---:.￣／:.:./:.:./:.:.:.:.:.}＿:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､ ／:.:.:.:.:.:.:ｉ
／ ／ :.／:_ -/:.:./:.:.:.:.:.:.:ｉ＿_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.r{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
/:.／／ /:.:.／:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{ヽ 、:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉヽ､
.〃,イ /〃:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ヽ ',:.:.:.:.:.:.:.:. | ヽ
/,ｲ //:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ }:.:.:.:.:.:.:.:.| ……話は彼から聞いているのでしょう？
/ , /:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./、.|:.:.:.:.:.:.:.:.|､
/ ＞´ 〃:.:.:.:.:.:. ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:./ / .|:.:.:.:.:.:.:.:.| ｀ヽ 我々は……
〃´ ,ｲ／:.:.:.:.:.:／ ',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:/／ |:.:.:.:.:.:.:.:|ヽ
/ /／:.:.:.:.:.／ /====≠ __:.:.:.:人:.:.:.:.／/ !:.:.:.:.:.:.: | ｉ 『とりあえず、遠くから狙ってる奴らを下げてもらおうか』
./:.:.:.:.:.／ , r// ニニ-/／ ∧:.:.:.:.:.:.ｉ |
./:.:.:.:.:. / / ヽ､ ｀ヽ二} .∧:.:.:.:.:.:.:.ヽ |
/:.:.:.:./ / / ｀ヽ ､ ＿ 〃 ∧:.:.:.:.:.:.:.,' ヽ}
/:.:.:.:.:/ ,イ/ ./ ＼ ∧:.:.:.:.:.:.:.:,' ヽ
./:.:.:.:./ {|:| ｉ ｉ --ヽ∧:.:.:.:.:.:.∨
∧:.:.∨ | |:| { ／ ∧:.:.:.:.:.:.∨
∧:.:.∨ .!ヾ::､ | ｉ .∧:.:.:.:.:.:.∨
/:.:.:.:./ ヽ ヽヽ | | ∧:.:.:.:.:.: ∨ヽ
. /:.:.:.:./ .{＼｀ヽヽ | ∧:.:.:.:.:.:.:.∨ ',
ｉ:.:.:.:.:.ｉ ｌ ｀ヽ | ＼ | ∧:.:.:.:.:.:.:.∨ ＼
5002 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:20:45 ID:jXCDQRJ20
,'ニニ/二二ニニニ／ニニニニニニ／ﾆ/ /}
{i{ニﾆ/ニニニニ=／ニニニニニニ／ニﾆ∨/､
{ﾊニi{,ニニニﾆ／ニニニニニ＞''´ニニニ=/ﾆ}
人ニ人ニニﾆ,‘ニニニﾆ＞''´二二ニニﾆﾆ/ﾆ/
＿ ＼ニ＼ﾆYニニﾆﾆ／ニニニニニニニﾆﾆ/
. __ ´ ｀ ､ _r7´/ ｀ ､__iニニニニニニニニニ/
/ ′ ､‐‐ﾊ} ′ /ノ}_ﾆニニニニニニニﾆ,{
. ′i ,,ヽ{､{i i ,ｨ ´ '´人__,.ィﾆﾆニニニニニ｀＞‐
. ｉ :| ﾊ／{〈ヾi__,.ィ7´}{(__,＞]､‐ ､ニニニニニニニ
. | :| ﾊ'.} } 八ﾄ､｀¨´ ≧7／ )__ヽ＿＜ﾆﾆニニニニ 少しでもおかしな動きをしてみろ。
. 人 乂＿＿／{〈 乂 ∧ ｀¨¨´ 厂 .／',. ´￣￣｀ ､ー―=≦
｀ r――‐ 'i乂〉ゝ' ヾｰ===〈＿／/ / ヽ その瞬間、白装束、お前を殺す。
. ヾ､＿＿_{{ / ＿_r―､__i__r ､ ∧
/ /￣￣/{＼＿ﾉi ／ 二＞==≫￣ ＿_ ﾆ=-‐
/ヾ===彳 ＼｀´/_乂_ ≧=-‐=ﾆ二￣＿-=ﾆ三三ﾆ=‐
／￣＞―=ﾆ二￣ ＿-=ﾆ三三ﾆ=‐ }_
. / / ＿-=ﾆ三三ﾆ=‐＜＿＿＿__,／ﾉ
i ′ ＿-=ﾆ三三ﾆ=‐￣ {`ー―――r‐ '
| .八 _＿_-=ﾆ三三ﾆ=‐￣ {__r― /ﾊ＼_____i____,ﾉ
. 八 ＼三ﾆ=-‐/ ／/) __r / { ' ∧{_____i____}. ,.ィ
＼＿__＞'､ {＼ V;′ ／ ./ i{ ' i. ∧＿_i＿i -‐≦ /}
／ {{ ＼ゝ' {i___,ノ ./,ﾞ ∧{/＼／￣￣ ,:ﾞ/
__ ／{/ 人､ {ハ ￣ ／{,ﾞ , / i / .／:/
／{/{／ {i ＼＼＼ // ∨＼ / Ⅵ ／: :/
У {i ＼ゞゞ=―{,{ /{ / .／: :／
∨/ ゞ､ /￣／‐‐Ⅵ' ﾚ' ,. ＜: :／
. }' ｰ=≧=―一'´Y ／ ,. ＜ ＞''´￣＼
. 人､__r――≦´ Y´ _,. ＜ ＞≦￣￣￣￣
-――＜´ 人. _,. ＜＞≦ー―r r｀
ヽ--‐≦ ＞ r―一｀ ﾏﾑ
｀ー＜ ∨ﾑ ﾏﾑ
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これはどういうことだ。話が違う。
マーカス・ランパートを見ると、彼は元の冷たい目に戻っていた。
口許が微かに歪んでいる気がする。完全には信用されていなかった、ということか。
竜騎兵は飛竜から降りる気配はない。
閉じられた口からは、時折炎が噴出していた。
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5003 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:22:44 ID:jXCDQRJ20
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／:.:.:.',:.:{ |:| !:.:.:.:ｉ {:.|:.!:.:.',--ｉ､|_| |:.:.| ﾘ ＼:.:.:.:.＼斗 ‐:´!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:!:.|_/ |:.:.:.:.:.:.:.:＼ あなたが攻撃すれば、この男は……
:.:.:.:.:.:.:',:|:.:|:.:.:',:.:.:.{ ',|:.',:.:.ヽ:.| ,≠≦ム ,才芋冬廴/:.:.:./:.:.:.:./:/ ヽ. |:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.Ⅵ:.:./ ∨:.ｉ |:.:.∨:.ヾ《.ら::::::::| .ト′::::::} 》:.: /:.:.:.: //} } |:.:.:.:.:.:.:. 「構わん、撃墜された時点で死んでいた
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ∨| |:.:.:.:∨:.', 辷zシ 辷zzシ /:.／/:.:.／ } / !:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ヽ |:.:.:.:./|:.､:ヽ 〃 /／:.:.:,' / |:.:.:.:.:.:. かもしれない命だ」
:.:.:.:.:.:.:.:./ // |:.:.:.,' {:.:＼＼ , / /:.:.:.:.:./／ |:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.,' // |:.: ｉ |:.:. 人＼ ｀ ＿ /:.:.:.:.:/-- __ |:.:.:.:.:. ……こちらも反撃はします。
:.:.:.:.:.:.:.| //. |:.:{ !:.:.:. !_ヘ、 ヽ--' /:.:.:.r----------≠_.|:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:. | 〃. |:.:| r＝┐ヽ. ヘ、 イ:.:.:.:.!: : : : : : : : : : : : : : /:.:.:. 「やってみろ。あの距離なら避けられる」
:.:.:.:.:.:.:| / |:. | |＿: |:.:.:＼ ヘ、 イ /:.: : /: : : /￣￣￣￣￣ |:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:| / !:.| | | |＼:.:. ', r--≧≦--- ./:.:.:.://: : :/ |:.:.:.:.
:.:.:.:.:./ ﾘ |:.| | |: | ｀ヽ .|-┐| _--/:.:.／/: : :/ |:.:.:.:.
:.:.:.:/ . リ . | |: | | | | | /／:::/: : :/ |:.:.:.:.:
5006 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:26:48 ID:jXCDQRJ20
ヽ､￣ ― ､////ヽ ヾヽ l'//////ﾊ ////// ﾊ
//////ヽ､ ヽ///ヽ i//ヽl///////ﾊ /////// /ﾊ
///////////ヽ､ ヽ///ヽl//‐ ､//／ ヽ､////////////l ///ﾊ
///////////////////// : ｰ l l ｰ ､///////l /////ﾊ
､ //////////// ￣ l : l l l ヽ///// '///////
ヽ ＼｀ ､ /////ﾊ: ヽ : l l: l ﾞ､'/// ////////
ヽ ＼ ｀ ヽ ヽ.ﾍ lヽ. l .l .l : l;/, , ,/////////
ヽ ＼ l ﾄ. l ﾞ､ l : l;lﾞl////////／
ﾍィ ⌒ ､ ノ ./ ヽ ヽ : ,l;l l//////／
ヾ ヽ /'l ,､ﾍ. l;l l;l / 〃ヽ//／ ……こちらも完全にそちらを信用していないわけではない。
ﾍ ゝ _ ノ l l/ハ l;l l;l / //"
.l ﾞ､ ＼ l lハ_,ﾍ l;l l;l ,' //メ' 最初から殺す気なら、俺が着地した時点で撃っていた
l ヽヽ ｀ l ヾ'///,､ l;l ,' /////
.li l､ ﾞｰ､､ ヽ ＼'//＼＼ / 〃"／ だろうからな。
l.ヽ. ﾞｰ､ ヽ､ ＼/// ､＿ _ ィ' /､
l .＼ヽ / ＼ `―― ｀"／ ＼
ヽ l l ﾞ ヽ ｰ―''', -' ― ＿
ヾ l l lヽ ＿ , -‐ ´ ヽ.ヽ. ＿ _
ヽ l l ,' ／ ,l ヽ ヽ ￣ - _
l / l ,' '"´ l ﾞ, ﾞ, ｀ - _
ヽ / ,' ,' l / / ＼
＼ / l ,' l ／.／ ＼
＿＿＿}｀丶_ﾉ＼_ﾄ､
｀ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
_,. -‐ ¨´::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞
⌒＞::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
＜:::::::::::/::::::::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::＼l
. ＜::::::::|:::|::: ∧∧::::::∨:::::::::::::::::::::::::::',
＼}:|:::|:::;' |:::::::::|:::::/::::::::::::::::::::::',_
. 厶|:::|::| __ |ﾊ:::Ｎ∨::::::::/:::::::::::::／
ⅥV ´f㌃ｱ}/ /⌒V:::::::::::／ ……そういうわけだ。
/ / / ｝}::::::::::＞
└:､_ _／::::::::｢ こちらとしても、フライアが守れるならそれに越したことはない。
L ｀ ／ |:::::::::::::{
l＿ ,. '´ И/ﾊ厂 だが、君たちを信用するには、まずはそちらの僕たちに
＿ / | __／ 〉
. ＿＿,. ´／/ :| ｛ﾊ / ＼＿＿ 対する信用を示してもらわねば話にならない。そうだろう？
. ´/ ／ | ／〉厂 | / ＼ /￣￣｀丶
/ ′ ／ :|/ // ／| .／ '. / ､
. / l / l／⌒Ｙ |／/ | / .
′ |: 〈 /{ },／ / :| .′ |
{ ｜ /￣￣￣/ ./⌒Ｖ /＿＿＿＿| | |
. ／ ', | ∧/ :| _/ ＼ | |
´ Ⅵ ./// |,／/ / | |
. {／ | /// :|,// / :| |
/ | ./// / / / | │
5009 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:30:50 ID:jXCDQRJ20
l i'//// /////////／／//////////////////////＞"
.l .l'/// '///////// /////／"-―ニ二二ﾆヽ､ ＞
l l/// l'//////// /／／´/////////////／
/ ｀ｰ'/ ￣ ヽ＿ ― l／ / l///////／､///／
/ / ／ ／.l / .l'////／ ／
,' ,i' /l , ' ,l / l'//／ , '
,i' /l / l / ／ / lヽ' /
/l /. l / l l l 〈 ,l/ /
l l/ l./ l ﾉ ﾄ ｀ ´/ /
l ／ィ ノ ヾ､ / / 白装束。
.l /l ／／､/ `ｰ-/ l
l i'i l l //､ l ／/ l 武器を捨て、一人でこの飛竜の目の前で跪いてみせろ。
l .l l l,l ////ｰ / ／ ,./ l
.l l l ﾞ/'///// ' イ.,' l ／/ それをこちらへの信用の証としよう。
.l ll l l'//// ／,' l/ ,' ,
l , l l'/// ￣l､ / ,' ／ /
､ l / / , l､ .ヽ l, ' /
ヽ" '――- ' ´ l ＼ / 〉､ l' .l
l ＼ / / l l l
l＼ ヽ l l ヽﾞ､ .l
ﾄ､ ヽ l l l /ヽ .l
l `;､ヽ.l/l l / ／l ヽl
┏━━━━━━━━
┃system message
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
むちゃくちゃだ。
やる夫は抗議しようとしたが、ナノハはこちらに背を向けたまま手で静止した。
だが、あれは明らかに罠だ。
あの飛竜は今にも炎を吐き、こちらを焼き殺そうとしているではないか。
しかし、やる夫には上手い抗議の言葉も思いつかなかった。
完全に場の空気を掴まれている。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
5010 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:34:20 ID:jXCDQRJ20
/:::::::::::::::::::_,,..-‐￣::::::::::_,,.. -‐...￣:::_,,.. -‐__￣二
〈:::::::::::::::::::::::＿__,,..-‐￣:::_,,.. -‐...￣::::::::::::::::::::::::::::
＼::::::::::￣:::::::::::::-‐:::￣::::::::::::::::::::::::_,,.. -‐ ￣￣
＞ _::::::::::::::::::::::::::::::::_,,.. -‐ ￣
_ -――- _ ／ ￣￣￣￣￣ ＼ _ -――- _
´ ＿＿｀ヾ _ -‐… ニﾆ}ニニﾆ= <´ ＿_
／ ＼ 〉｀ヾ __ -‐ ￣￣￣ヽ￣￣￣ >､ __r <´ _ﾉ
／ ｀¨¨´｀ヽ __ﾉ_｀ヽ, , ／ ヽ _ﾉ-‐´＿
__／ ＼￣￣ ｉー―‐┬＜ ,i ∠ ＿_,,.ィ´__r<´ ／ もちろん、相応の対価は用意する。
. r''´＼__ ＼__ ﾉ＿＿_ ﾉ＿__＼ i ＜￣￣ 〉___ﾉ-´
. ＼__ ヽ ／,／ ,/⌒ヽ ,i, / ￣ ヽ ヽ ここにいる二騎の飛竜と、我々自身だ。
ヽ ＼＿＿＿＿＿＿__,,..イ ／ / /∧ ,i i ,└- ＿
. ＼__ ＿＿＿＿＿_,,..イ ' / ∧ ＿＿j＿ ｜ __ i三ニ=-- お前たちが村の安全を本当に
｀フ´ ,/ニニニ=ハ / i __ 〉´=ニ二二∧｜ ,/三} | __
／ｉ 〉､ / i! ∨ i! .,_'三〉/ﾆﾆ / ∧| / i! i ／ﾆ 保証するのであれば、
／ ｜ ノ ｀ー―‐_┬ ' 〈 ､ | / 〃ﾆ= / ∧i / ,ｲ＼_／ﾆ‐
. ／ ,/ ,〉､／/ニニニ|i 人 ＼_ 人{ //、 ／ゝ-ｲ´丿 八 ／ 我々は無条件で降伏し、
. ／ / ノ ｀ー‐- ､_,ﾉ ＼__￣_ニ=' ' , ／ ,ｲ ＼＿_,.イﾆ‐
. ' { ヽ／/ﾆニニｉ| 〉､ li / ／ { ／ 今後はお前に従おう。
/ ∧ i´ 〉､＿＿_ ﾉ ＼＼ 人 ,人＿_,ｲ ＞┬i´ _ﾆ
. / / / ∧ﾉ 人ﾆニﾆ／ {ヽ ｀¨´￣二ﾆ‐―ﾆ二＿ ノ ／ 〈 人ﾆﾆ
〈 ,/ ' , ｀¨¨´￣￣} 〉 ｀¨´￣ 〃 ／＿ 〈 ,ハ ､ ￣
. ∨ ／ i! ／ , -‐ ､ ノ ､ 《 〈_〈 ｀ ､ ﾊ {ｉ 〉_＼_
. | ／ / ／ ,／ ヽｲ / ヾ､ }} }/ ヽ ヽ, ＼/ i ﾊi /ﾆニﾆ
. |／ ,/ .' .' }}､{ }} }} 〃 i! }､,/ヽ. ＼.∨∧ニニニ
. 人 / / / ,八,＼ ﾉ ﾉi/ 〉 ヽ＼ ＼ニニ
5012 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:37:01 ID:jXCDQRJ20
/:.:.:.:.／ {:.:.:./ }_:.:-‐≠ ´ ｀ヽ、 ‘，
. /:.:.:.:./ !:.:.八 //:/l__{＿ -- 、 ヽ .
. 八:.:〃 ゝ' /《 lゝ-≠ ヽ ｀ヽ、 ', il
i:.:./ ／ /ﾉ } } ＼ ', i |
',:.:{ x≦ ｀ ｀ ヽ ヽ |
ヽｉ ／ ‘， ', l l
｀ / ＿_ == --- rー T ‘， l
,′ ｀ ヽ ≠- T:.:.| i| i| ‘， |
〃 ≧ L:.:.l r-- ､:l l i l
ヽ、 》 ／ ＜￣ ヽ‘， l
¨ ≦- ＿ / // ／:.r-‘， l
', ¨¨ ≦ 、 i 〃 〃/:.:.:.:.:.:} l
ゝ l Tl i i iLL＿＿ll l
＼ il l:.¨:.＜ゝ、 ｌ:.:.:.:.:.{ il l
ヽ l l:.:.:.:. l l l l:.:.:.:.:.:l l l
＼l l:.:.:.:.:.l 》 |:.:.:.:.:.:.', l l
ゝ⌒ ＼ ／ ヽ〃:----} l l
{ ／:.:.:.:.:.: ﾉ l l
ゝ／:.:.:.:.:.:.:／| | l
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┃system message
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
竜騎兵が更に言葉を続けようとしたとき、ナノハが動いた。
杖を放り投げ、飛竜の口の前へとずんずん歩き出したのだ。
止める間もなく、やる夫は慌てふためいて剣を抜こうとするが、
その前にナノハが飛竜の前に跪くのが先だった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
5014 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:40:09 ID:jXCDQRJ20
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ヽ:::::::､〃,: ,ィi:.:＞ィ::: :} ,ィ /::::
＞イ／;:;;//={i´:.:＞／:/ _..,,＜} {:::::
i:ヽ ,, /: /;':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣:.:.:.:.:｀´;;;:.:.:.:.:{_,,,,,,,==,,,,,,,, ,.:＜::
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. V:ヽ--{i:.:}:.:.:/::／/:/:.'／:.:.:.:.:ト、..:.:.:.:.:.:i'´￣＝＜´三====ゞ＝>三三三三三
__}:;:;.:.i:､::l:.:i:;;/:/ｉ;ﾞ〃／};;:;:;＞{;,.）.;,,;,:.＞‐‐ﾞ-三='三三三}─-}壬三三三三三三
<i:.ヾ:::>i:i:.:}:;､ヾ〃;:/::::ｱ´:.:.:..／し'.ゞ'二三､三三三三三三三三三三三三三:::
V:.:,ヽi:i:.:y:.:;:;ゞく;;;;/ﾌ::ﾌ=./::::ﾄ（,,,,,:.:.:.:.:.:.::::::ヽ三三三三三三三三三三三.::::::
,<:;:;::::i:i:.:>;':;::ii{ﾉ,,,,<彡':.lJ:::::::)｀ｽ ィヽｲ:.Y/ﾐ､三三三三三三三三三三:.:::.:.:
＜:.｀}:.i}:{､:.ィｨｧ:/;.;:.:.:.::..ヽ::/´.'::.:./´､:.:}､:.:.:i:.:.:.ヽ三三三三三三三三三三.:.:.:
/:::}:i:.:.}....::::ﾞﾞ":.:.:{::::::>i-‐|:l、 .' ⌒ヽ' ヽ'＼､:.:}三三三三ｵ:.:.:.:.:ヽヾ:.:.:.:.:.:V:.:
}:.:{::::V{;;::::::i:.:.:.:.ﾉ..＿,.ｨ ｀ﾞﾞ ｀ヾ .ヽ｀´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞≧''''´:.:.:>､::::::}:.:
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.i:.::::/ヽ､:.:{､:.:.:::::.:..（＿:i:,':.,' /｀ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞壬二:.:.:.:.:ヽ: :
V/ ヽ>'∧:.::::::.i::::<;i:.:.,' ／;.;.;.;.;.}:.:.:.:.:.:.:.:/::::::::::::}:.:.:.:.:.:ｲ:.:.:
｀ﾞV>:.／:.:</::/ ,:＜;.;.;.;.:::::::::i､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}::::/:.:.:〃:i::: : :
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V{:.:ﾝ:.:.:>＞ ,/:.:.::::.:.;;;;;:.:.:.:.:.:.:;;;;V:::.:.:.:,': : :{i: : i: ､: V:.:::::
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` ヾ/｀＜;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.i: :入: : : i:.:.:.:.:;,;,;,;,〃:.:.
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
飛竜は依然として口に炎を蓄えたままだ。
あの地上を焼き尽くし、辺りを火の海にする恐ろしい火球が、
今まさにナノハの目の前で炸裂しようとしていた。
辺りに緊張と動揺が走る。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
5016 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:45:43 ID:jXCDQRJ20
＼丶､
_. -‐:::::::￣:::＼:::＼ }ヽ
--==ニ::-‐::::::::::::::::::::::::::::::_:::ヾ::::}
..:::´:::::::::::::::::::::::::::::_:::::::::´::::ﾚ1::ﾉ――‐-
／::::::::::::::::::::::_.:.-‐::::´:::::::::::::::::::::|´:::＼::::＼ｰ-ヽ
/:::::::::::::::::::::::／:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::: ﾉ::::::::::;}＼:::ヽ
/:::/:::::::::::::／:.:.::::::::／:.:::::::::::::::::／:::::::::::〃::::ヽｿ
/／:::/::::／:::ﾉ::::::／:::::::／:::::::／::/:::.:.:::://:ヽ::::::.
／/::::/:::::::::／::／::::／::/::::::／::::::/:.:.:.:.:/:/ヽ:::::;:::i::,
/::::/::::::／::／/:::::/:::::/::／/__.ｨ/..:..:..:/:/ﾊ::::';:::ｉ::ﾄ:::、
l:::/:::::ｲ/::/ /:::::/::::/´/ャテﾐ ｌｯ:/:,ｲ:/ｊｿ ｌ ;::i:::|ﾘ ｀
|∧::::::ヽ/ /:/::/:::::ｌ:::/ 込ソ |::// ﾚ{´ | リｿ
_. -┐ rﾊ:::::/:＼!/:::ｲ::::/ﾚ' l〃 ヽ l ……セガール・ソウスキー大尉だ。
! VＬ Vヽ::::::ヽﾍl::/ _.ﾝ/
ヽゝ ｀7} ';:::::i::ﾊ ヾ ´_. / メビウス軍ではガルーダ隊の指揮を執っていた。
ヾ:､ヽ {､ヽ ___ハ/ｿ } ＼ '" 二 /
＿￣ ＼ / ＼ 丶 /l これより貴官の指揮下に入る。
／ ヽ }∧ 丶.＿_ ｀ ｰr---‐ } |
/ / ヾ-∧ ヽ ￣￣￣｢|// 〉
/ ／ ＼ ＼ l | ／
┏━━━━━━━━
┃system message
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
もうだめだ、ナノハを見殺しにはできない。
剣を抜き、半分まで刃が露出したところで、竜騎兵が兜を脱いだ。
頬に十字状の深い傷跡があるが、精悍な顔つきをした若い青年だった。
竜騎兵は飛竜から降りると、兜を脇に抱えたまま敬礼した。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
5017 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:48:59 ID:jXCDQRJ20
／ ／:.:.:ァ:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ< ／
_ ‐ ´ _ ./:.:.,〃:.:.:／:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽヽ―――<_
ニニ_ --‐‐ ´ ￣ ‐‐/:././:.:.:./:.:./:/:.:.:.:.:.:.:/:./:.:|:.:./:|:.:.:.:ヽ:.:.:､:.:.:ヽ:', ｀ヽ
〃/ /:.:.:./:.:./:.,':.:.:.:.|:.:.:|:.:|:.:.|:./ |:ヽ:.|:.:.',:.:.:.',:.:.:.:ｉ:}ヽ、 ヽ
／// ./:.:.:/|:.:.:ｉ:.:ｉ:.|:.:.:|:.:.:|:.:|､:,'|:| ',:ヽヽ:._|__:.ｉ:.:.:.:||:.、｀:.:‐-- ___ ヽ
／. / /|:.:.:,':.|:.:.:.|:.|:|:.|┼､7≦冬廾 廾,ニ冬|:.:|:.:.:.,' ∨:.:.:.:.:.:.:.:∧｀ヽ ヽ
／ __／/:/|:.:.ｉ:.:|:.:.:.|:.:||:.ヽヽr行::::j｀ヽ. ´{::::::う.刈:.:./ ∨ヽ:.:.:.:.:.:∧ ｀ヽヽ フィンブルヴェート騎士団第3魔導師団
／-‐‐´ /:./:.:|:.:.|/:|:.:.:|',:.|ヽ:.ヽ｀ 込シ . 込シ,´:.:./.7 ∨:.ヽ:.:.:.:.:∧ ヽ
/:./:.:.:.:.',:|/∧｜',:.:.:.|ヽヽ_ , .／／|´. ∨:.:.ヽ:.:.:.:.∧ 第6魔導部隊ヘルヴォル隊長、
/:./:.:.:.:.:.:/||/. ',:| ヽ:.|:.∧. ＿ ￣∧:.:|＿＿___∨:.:.:.:＼:.:.:∧
/:./:.:.:.／:.:/| _＞ ニニ､':,＼ ｀.‐´ ／|:.:.:.||――, / ∨:.ヽ:.:.:ヽ:.:∧ ナノハ・ハイグリーズです。
/:./:.／:.:.:./:/ .ヽ ´ | .|',|-≧ ､ _ ,イ7_.//:./ //､_ ∨:.:ヽ:.:.:.ヽ:∧
. /:/:／:.:.:.:/:./ . | .| |､｀::ヽニ､T´´ｌ､/// // .｀ヽ、:.:.ヽ:.:.:ヽ∧ 階級は……ありません。
//:.:.:.:.:.:.:./:/‐ ￣ ｀ ‐｀、＿ .| |ヽ::::::::::|_t-┐|/ | ／/ ｀ ‐‐= ､:.:ヽ∧
. /:.:.:.:.:.:.:.:.:// ｀ヽ ｀ ‐ Lヽ＿::::ヽ-tヒ::|_ |_´,＜´＿_ r==＝´ ´.|、:.:.∧
/:.:.:.:.:.:.:.:.// ヽ、 ｀ ‐-｀_ヽ､､ヽ､｀::|ニニ´--ヽ |.| |ヽ:.:.:.∧
. /:.:.:.:.:.:.:.:.／ , --- ､ ｀ヽ、. | .| ヽ ヽ:::ヽ、 .ヽヽ.|.| .|:.:.ヽ:.:.:∧
/:.:.:.:.:.:.:.:/ / /￣ ヽ.ヽ ｀ヽ . | .|､ ヽヽ::::::ヽ、 ヽ|.,' .|:.:.:.:.ヽ:.:∧
/:.:.:.:.:.:.:..:.／:.:.:.:.:／::.:..:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;':.:.:.:.:.:ヽ:.:∧
/:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:／:.:.:.:.:〃:.:.:.:.:.:.:/:.:./: /:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ:.:.∧
〃:.:.:.:.:.:.: /＿:.:/:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.;.:':.//从:.:.:.:.:.:.:.:.:..i:.:}､_＼
／ イ:.:/:.:.:´￣¨=≧x､_:/:.:.:.:.:.:／/x≦ｲ下:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:ハ ￣
/ィ:.:.:.:.::.::／/忙ﾃY;:.:.:.:.／≧ｲ忙ﾃYﾃ ';.:|:.:.从ﾊ:.:.:.:i
|:.:./:.::/V∧ゞzﾝｨ:.:.〃 /ゝ弋zﾝノ .}:.i:.:.:ﾊﾘ }ﾊ: |
| /|:./ i ￣ /／.}: ￣ j:∧/ / ハ! 了解した。
|{ !' .ゝ.', / :! i' / ｨ1
. , {:.. _ rvｲ/ これよりガルーダ隊はあなたのものだ。
从 /:.:/
{}ﾄ. ´￣￣` i/ ..ｲ:// よろしく頼む。
|ヽ ￣ ／／ ,'/
/￣ﾘ ＼ ., ｨ ﾊ＞．
／ {! `ー‐ '' {::i .∧
,．＜ ＼ У. ∧
5018 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:53:48 ID:jXCDQRJ20
,イ
, ― 、 ／:./ ___
, イ .＼ /:.:.:/ , イ￣:.:.:.:.二ニﾆ―
イ ヽ , ------- ､ ｌ:.:./,ｲ:.:.:.:.＞´ ＿＿＿＿
´￣￣￣￣￣￣ ヽ ! ,イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:≧ｭ､{::.l/::::::／,イ ￣ ≧-- __
. .:.:.:.:.＼ ｌ | ／－:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ ＿＿ ――￣
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／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ゞ:.|:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ヽ＼:.:ヽ
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／ ｉ:.:l:.: /:.:.:.:.:.:.:.廴_:.:lヽ:.:.:l',:.:l:.:.:.:.l:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.‘，ヽ:.:.:.:.:.へ、
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／ /:::::::/:.:.i:.:.才´＼:.:｀ヽ',:.:l }:.:l:.:.:. ｉ:.:.:.:.:.}:.:.＼＼:.ヽ:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヘ、
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／ / l:ｌ＾7｀l:.:.|:.:.斥示云､ ‘，l/リ⌒ヽ }:.:.:.:.i:.:.:.:.:.', ヽヽ:.:.:.:‘，:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:≧ｭ､
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞／ ／ ./ ｉ ! }:.:l:.:i ら::: 刈 ヾ / ｲ㍉´ ｉ:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:lヽ ヽ:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧ｭ､
,′:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞ ／ ／ kイゝ´',:.ヽ:.:辷zシ /::ら》 /l:.:..!:.:.ﾄ:. : l ＼ ‘，:.l ・＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧ｭ､
∧:.:.:.:.:.:.:.＞ ／ イ´ ゝﾍ:::ｉ::::＼＼＼ 《::ノ ∧:.:/:.:./‘，:.:! ヽ }:.! ・＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
∧:.:.:.:.:.;イ /≧´ !丶:::::::::::::i::::＼', , /:.:.ヘ:.:./ ヽ:.‘， ヽ ﾘ ・ ＜.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
ｉ:.:.:.:.／:.‘， ／¨≧ｭ､::::::::::::}:', r－ , 八＼:.:.:＼ ＼ ＜ ﾍ
ｌ:.:.:/:.:.:.:.:.:.＼ .＿＿/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧ｭ､::ｉ:.:} ｀ . ＼:. ‘， ｀ヽ
‘，,':.:.:.:.:.:.:.:.:.:≧ｭ､ ／ /、:.:.＿:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼/_ イ≧ｭ ､ _ ヽ }
ゞ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./, ._ /ヽ.∨-‐‐＞:.:.:.:.:.:.: .ヘ ┘ 7 ﾍ リ
. ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./r:y ／ ﾍ {::::ｉ┌、＜:.:_＞――‐ 、}l::＼ __// ＼_
＼:.:.:.:.:.:./ ¨／／ {::ﾉ ﾉ:.:.:イ´ﾋ＜:.:￣￣｀┌┐l;;;＼// ´ ゝ'、
＼:.:.:{ニ´／ {イ:.:／／:.:―――:.:.:.:.: } ┘ゝ':∧＝＝－ ＿＼
￣l l:.／／／, .ニニニニヽ:ｉゝ',:::::::::::::‘，￣l | ／, ＝≧ー:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
‘， ／l／:./ //__―― ==､｀/ l´ヽ｀.:::::::::::∧ | |∨／ i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／
. /;;; /|:.:/ // / /ゝ ll ヽヽ:::::::::::∧ |.| ＼ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／
＼ {;;;;;;,'; ﾚ´ﾚ´/ /.＼＼ゝl l::::::;イ≦',|.| ∧ /:.:.:.:.:.:.＞・
ゝｉ;;;;ｉ;;;;;;;,'| / ,' } ｉヽ､:,'／´ .ｌ.ｌ ∧〃￣￣
5019 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:53:58 ID:jXCDQRJ20
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セガールと名乗った青年と握手を交わすと、ナノハはやる夫の方を見て、
溢れんばかりの笑顔を向けた。
女性から満面の笑顔を向けられるのはナノハで慣れていたはずだったが、
この時ばかりは心臓が止まりそうになった。
ここまで嬉しそうに微笑むナノハは、初めてだったからだ。
ナノハの笑顔を見ているとこちらも明るい気持ちになってくる。
自分がやったのか？
自分が、この竜騎兵たちを仲間に引き入れることに一役買ったというのだろうか。
事実を上手く呑み込めないまま、やる夫たちは鉄馬車に戻ると、
フライア村へと入っていった。
二騎の飛竜と共に。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
5021 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:57:16 ID:jXCDQRJ20
, -‐ ‐- ､
／: : : : : : : : : : ::',
, ': : : : : : : : : : : : : : :',
/: : : : : : : : : : : : : : :○:', なんか途中から逆転裁判みたいになってたね。
ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
. ｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _ 安価に付き合ってくれたみんなにスペシャルサンクス。
i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ
| : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
| : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ
_ _ _
／: : : : : : ｀i
. i: : : : : : : : : :!
､: :○: : ○: :! ちなみに、強硬手段に出た場合は即アウト、
i: : : : : : : : : i
l: : :,, --_ｯ: :', 選択肢を二回以上間違えたら拘束したまま扱いは保留になるけど
丶 ｀‐'´: : : :ﾉ
/ ´: : : : : : : : ｀ヽ 夜にガルーダ2が殺されていた。
. /: : : : : : : : : : : : : ヽ
, -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ コングラッチュレーションだね。
／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､
ｒ⌒ ,／ /: : : : : : : : i i: : : : i
` ‐ ' /: : : : : : : : : | ! : : : |
i: : : : , _ -‐ ´,) ｀ ヽ _|
(_ _i￣(_ -‐'´i
| :|`‐´i : : : : |
|: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
|: : : : : |: : : : : !
5024 名前： ◆x0SRSoJXe.[] 投稿日：2015/11/23(月) 01:59:47 ID:jXCDQRJ20
_ _____＿
´.: : : : : : : : : : :｀
l: : : : : : : : : : : : :i
i: : :○ : : : ○: :.| これでガルーダ隊が味方になるルートに突入、
|: : : : : : : : : : : |
j: : : -=＝=- : :.i 同時にナノハ、アンゼロットととの交流の機会が増えるよ。
r―--┐ i: : : : : : : : : : : :l
i: : : : : ', ゝ : : : : : : : : :t´ あ、ラピスは演劇を一緒に観た時点で機会が増えてるから
',: : : : : i , f: : : : : : : : : : : : : :ヽ
＼: : : :y: : : :Υ: : : : : : : : : : :y: : '.., これで全員増えてることになるね。
',_: :: :／ i: : : : : : : : : : : :l丶 : : :ヽ
￣ l: : : : : : : : : : : .i ＼ : : :丶 ……ま、いっか。ナイスガイは細かいことを気にしないのさ。
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