第十話 ~夜神~
やる夫ライトが魏氏韓氏の動きに怪しさを感じてキル夫に建白しましたが、自信たっぷりのキル夫は意見を退けています。兵力差と陣形からは両氏の裏切りは不可能なはず。唯一、趙軍が魏氏韓氏と連携して打って出てくれば危ういところですが、そのための予備兵力をライトが指揮していて、充分に逆襲が可能な陣立てになっています。それでも不安を抑え切れないライトが魏氏韓氏の暗殺を言い出しましたが、キル夫の逆鱗に触れてしまいました。やる夫の目前でキル夫に恥をかかされたライトがキル夫の下から出奔してしまいました。やる夫に後事を託している辺り、ライトにも心に残るものがあるようです。ですが、ライトの出奔で予備兵力の指揮官がいなくなっています。如何にもなフラグが立ちました。
やる夫ライトが魏氏韓氏の動きに怪しさを感じてキル夫に建白しましたが、自信たっぷりのキル夫は意見を退けています。兵力差と陣形からは両氏の裏切りは不可能なはず。唯一、趙軍が魏氏韓氏と連携して打って出てくれば危ういところですが、そのための予備兵力をライトが指揮していて、充分に逆襲が可能な陣立てになっています。それでも不安を抑え切れないライトが魏氏韓氏の暗殺を言い出しましたが、キル夫の逆鱗に触れてしまいました。やる夫の目前でキル夫に恥をかかされたライトがキル夫の下から出奔してしまいました。やる夫に後事を託している辺り、ライトにも心に残るものがあるようです。ですが、ライトの出奔で予備兵力の指揮官がいなくなっています。如何にもなフラグが立ちました。
第十一話 ~運命~
春秋時代最後の戦いに決着が着きました。やる夫がライトの出奔をキル夫に報告しようとしたところで趙軍の逆襲が始まりました。堤を切って水を智氏の陣に流し込み、水と共に趙軍が攻めてきます。魏氏韓氏はそれに応じて裏切りを決めて左右から智氏の陣に襲いかかります。このような時のためのライトの後軍ですが、指揮官のライトが出奔してしまったため役に立ちません。本陣を包囲されたキル夫、自ら中軍を率いて趙氏に逆襲をかけようとしますが、ふとやる夫を見ていきなり殴りつけて気絶させ、勇士ジャギにやる夫を脱出させます。カナと田舎で暮らせと、果たせなかった夢を託したのでしょう。迫りくる智氏を目にしたできない子が弓兵に射掛けさせますが勢いは止まりません。弓兵の中にできない子がいると、却って目標を与えてしまいました。できない子の軍は智氏に迫られて壊滅、それを助けに来たやらない夫を目にしながらキル夫は討ち死にしてしまいました。智氏の滅亡と趙魏韓の独立によって春秋時代が終わりました。
春秋時代最後の戦いに決着が着きました。やる夫がライトの出奔をキル夫に報告しようとしたところで趙軍の逆襲が始まりました。堤を切って水を智氏の陣に流し込み、水と共に趙軍が攻めてきます。魏氏韓氏はそれに応じて裏切りを決めて左右から智氏の陣に襲いかかります。このような時のためのライトの後軍ですが、指揮官のライトが出奔してしまったため役に立ちません。本陣を包囲されたキル夫、自ら中軍を率いて趙氏に逆襲をかけようとしますが、ふとやる夫を見ていきなり殴りつけて気絶させ、勇士ジャギにやる夫を脱出させます。カナと田舎で暮らせと、果たせなかった夢を託したのでしょう。迫りくる智氏を目にしたできない子が弓兵に射掛けさせますが勢いは止まりません。弓兵の中にできない子がいると、却って目標を与えてしまいました。できない子の軍は智氏に迫られて壊滅、それを助けに来たやらない夫を目にしながらキル夫は討ち死にしてしまいました。智氏の滅亡と趙魏韓の独立によって春秋時代が終わりました。
第十二話 ~決意~
知伯キル夫を倒した趙譲子やらない夫ですが、長年のプレッシャーから解放された途端に壊れて来ています。キル夫の頭蓋骨を盃にして酒宴を催し、智氏の臣を容赦無く追い詰めています。謀臣のできない子が重症を負って引退して相談相手がいなくなった事も響いているのでしょう。趙譲子のイカれ具合が話題になった頃にライトができない子の屋敷に逃げ込んで来ました。謀臣がいなくなったやらない夫に仕えてやるとの上から視線、さすがに自信家のライトです。これを機会に、できない子はライトを推薦すると共に智氏の臣下への追及を辞めさせました。ジャギに連れ出されて趙氏の追及を避けて山に篭っていたやる夫、これを聞いてカタキを討とうとします。自らの死に場所を捨ててまでキル夫に託されてやる夫を救い出したジャギは田舎に戻ってカナと暮らせと言いますが、やる夫の決意は揺るぎません。古代で最も壮絶な復讐劇が始まります。
知伯キル夫を倒した趙譲子やらない夫ですが、長年のプレッシャーから解放された途端に壊れて来ています。キル夫の頭蓋骨を盃にして酒宴を催し、智氏の臣を容赦無く追い詰めています。謀臣のできない子が重症を負って引退して相談相手がいなくなった事も響いているのでしょう。趙譲子のイカれ具合が話題になった頃にライトができない子の屋敷に逃げ込んで来ました。謀臣がいなくなったやらない夫に仕えてやるとの上から視線、さすがに自信家のライトです。これを機会に、できない子はライトを推薦すると共に智氏の臣下への追及を辞めさせました。ジャギに連れ出されて趙氏の追及を避けて山に篭っていたやる夫、これを聞いてカタキを討とうとします。自らの死に場所を捨ててまでキル夫に託されてやる夫を救い出したジャギは田舎に戻ってカナと暮らせと言いますが、やる夫の決意は揺るぎません。古代で最も壮絶な復讐劇が始まります。
第十三話 ~それぞれの思い~
ライトが趙氏に仕えることになり、智氏重臣への追及も取り止めになって、趙氏の下世の中が落ち着いて来ましたが、そんな中でただ一人、趙譲子だけが壊れて来ています。智氏に成り代わって晋のトップに立った趙譲子ですが、権力者のプレッシャーに潰れそうになって、智氏キル夫の髑髏に話し掛ける日々を過ごしています。そして心安らかに過ごせない人がもう一人、こちらはやる夫予譲。趙譲子が失業対策に屋敷を新築すると聞いて潜り込もうとしています。知伯の臣下への追及は取り止められたとは言っても一番の危険人物、元同僚のライトも行方を追っていたようですが、金糸雀の下に姿を現さないことから晋陽の戦いで討ち死にしたと判断していました。知伯関係者にはやる夫の愛妻ぶりは共通認識、妻に会いに来なければ死んだと判断するのも無理のないところです。
復讐に立ち上がるやる夫予譲が、権力者の孤独を噛み締めるやらない夫趙譲子の救いになるのですか。こういう方向に話を持って来るとは以外でした。でも、やる夫予譲のキル夫知氏の国士の恩、それを認めて後世に名を残すことになる趙譲子の三者をまとめて救い上げるには、こういう構成が一番に思えて来ました。
ライトが趙氏に仕えることになり、智氏重臣への追及も取り止めになって、趙氏の下世の中が落ち着いて来ましたが、そんな中でただ一人、趙譲子だけが壊れて来ています。智氏に成り代わって晋のトップに立った趙譲子ですが、権力者のプレッシャーに潰れそうになって、智氏キル夫の髑髏に話し掛ける日々を過ごしています。そして心安らかに過ごせない人がもう一人、こちらはやる夫予譲。趙譲子が失業対策に屋敷を新築すると聞いて潜り込もうとしています。知伯の臣下への追及は取り止められたとは言っても一番の危険人物、元同僚のライトも行方を追っていたようですが、金糸雀の下に姿を現さないことから晋陽の戦いで討ち死にしたと判断していました。知伯関係者にはやる夫の愛妻ぶりは共通認識、妻に会いに来なければ死んだと判断するのも無理のないところです。
復讐に立ち上がるやる夫予譲が、権力者の孤独を噛み締めるやらない夫趙譲子の救いになるのですか。こういう方向に話を持って来るとは以外でした。でも、やる夫予譲のキル夫知氏の国士の恩、それを認めて後世に名を残すことになる趙譲子の三者をまとめて救い上げるには、こういう構成が一番に思えて来ました。
第十四話 ~復讐~
冒頭はやる夫拾って趙氏の屋敷の建築現場に引っ張ってきたモブの黒沢さんとやる夫の会話。黒沢さん、モブといいながらも渋い役回りでのす。某スレでも熱いモブ役で活躍していた黒沢さん、いかにも名脇役といった風情です。さて、まだ白目のままの趙譲子やらない夫、朝議が早々と終わったので新築の屋敷を見に行きます。馬車の中でもキル夫の髑髏に話し続けるやらない夫、もう壊れています。屋敷の出来栄えにご満悦のやらない夫、ついにトイレに向かいますが、そこには匕首を抱えたやる夫が待ち受けています。殺気が立ち込めているのに壊れかけたやらない夫は気付きません。でもさすがのライトが気付きました。トイレから引き摺り出されて来たのはやる夫です。何をしようとしていたかは言うまでもありません。ライトがやる夫を斬ろうとしましたが、なぜかやらない夫が引き止めます。おお、いつの間にか目に光が戻っています。義士であると言って許しキル夫の髑髏をやる夫に委ねました。カタキと狙われたことで逆に権力者の孤独から解放されたのかも知れません。これで終われば義士と心の広い領主の話になったのですが、予譲、趙譲子の関係はそんなに温いものではありません。予譲の復讐劇はまだまだ続きます。
冒頭はやる夫拾って趙氏の屋敷の建築現場に引っ張ってきたモブの黒沢さんとやる夫の会話。黒沢さん、モブといいながらも渋い役回りでのす。某スレでも熱いモブ役で活躍していた黒沢さん、いかにも名脇役といった風情です。さて、まだ白目のままの趙譲子やらない夫、朝議が早々と終わったので新築の屋敷を見に行きます。馬車の中でもキル夫の髑髏に話し続けるやらない夫、もう壊れています。屋敷の出来栄えにご満悦のやらない夫、ついにトイレに向かいますが、そこには匕首を抱えたやる夫が待ち受けています。殺気が立ち込めているのに壊れかけたやらない夫は気付きません。でもさすがのライトが気付きました。トイレから引き摺り出されて来たのはやる夫です。何をしようとしていたかは言うまでもありません。ライトがやる夫を斬ろうとしましたが、なぜかやらない夫が引き止めます。おお、いつの間にか目に光が戻っています。義士であると言って許しキル夫の髑髏をやる夫に委ねました。カタキと狙われたことで逆に権力者の孤独から解放されたのかも知れません。これで終われば義士と心の広い領主の話になったのですが、予譲、趙譲子の関係はそんなに温いものではありません。予譲の復讐劇はまだまだ続きます。
第十五話 ~別れ~
冒頭はキル夫の髑髏を埋葬するシーンから。やる夫にも趙譲子の大器ぶりが伝わっていますが、恨みは晴れても義としての仇討ちを辞める気は無いようです。いつものけいおん!のお店もできない子から晋国名義で報奨を受けて趙氏関係者の出入り禁止を解除、やらない夫趙譲子の治世が受け入れられて来ています。
ひたすら義のために仇討ちを志すやる夫予譲ですが、先の暗殺未遂で顔が知られてしまい、迂闊には近づけません。そのため漆を浴びて姿を変え、炭を飲んで声を変えて趙譲子を付け狙います。変貌ぶりを確かめるために、以前の住まいの近くの市場で乞食として姿を晒しています。乞食に恵む人が大勢いるのは趙譲子の治世が優れている証拠、それでもやる夫の心は折れません。最初に見つけた知り合いはけいおん!の澪、あまりの変貌にやる夫とは気付きませんが、趙譲子が用意したという兵士の療養所を紹介して来ました。ここでも趙譲子の名領主ぶりを見せつけられています。そして、ついに金糸雀と遭遇、妻にもその姿が判らなかったというのが原作史記刺客列伝の記述ですが、金糸雀の最後の台詞、あれはやる夫に伝える言葉でしょう。やる夫にはしなければならないことがあるのを知った上でのあの台詞、金糸雀の愛が伝わってきます。
本編の後でスレ主がネタバレ内輪話を暴露していますが、才能ある人はすごいですね。原作刺客列伝の一言、「其妻不識也」が気に入らなくて作ったのがこのスレなのだそうです。そのため原作では存在感のなかった妻金糸雀が強烈に表に出して来たのだそうです。物語を書く人はすごいものです。そういえば、宮城谷昌光は「車」 の一文字から湯王伊尹の小説を一本書き上げたとか言っていました。スレ主、勝負できますね。
冒頭はキル夫の髑髏を埋葬するシーンから。やる夫にも趙譲子の大器ぶりが伝わっていますが、恨みは晴れても義としての仇討ちを辞める気は無いようです。いつものけいおん!のお店もできない子から晋国名義で報奨を受けて趙氏関係者の出入り禁止を解除、やらない夫趙譲子の治世が受け入れられて来ています。
ひたすら義のために仇討ちを志すやる夫予譲ですが、先の暗殺未遂で顔が知られてしまい、迂闊には近づけません。そのため漆を浴びて姿を変え、炭を飲んで声を変えて趙譲子を付け狙います。変貌ぶりを確かめるために、以前の住まいの近くの市場で乞食として姿を晒しています。乞食に恵む人が大勢いるのは趙譲子の治世が優れている証拠、それでもやる夫の心は折れません。最初に見つけた知り合いはけいおん!の澪、あまりの変貌にやる夫とは気付きませんが、趙譲子が用意したという兵士の療養所を紹介して来ました。ここでも趙譲子の名領主ぶりを見せつけられています。そして、ついに金糸雀と遭遇、妻にもその姿が判らなかったというのが原作史記刺客列伝の記述ですが、金糸雀の最後の台詞、あれはやる夫に伝える言葉でしょう。やる夫にはしなければならないことがあるのを知った上でのあの台詞、金糸雀の愛が伝わってきます。
本編の後でスレ主がネタバレ内輪話を暴露していますが、才能ある人はすごいですね。原作刺客列伝の一言、「其妻不識也」が気に入らなくて作ったのがこのスレなのだそうです。そのため原作では存在感のなかった妻金糸雀が強烈に表に出して来たのだそうです。物語を書く人はすごいものです。そういえば、宮城谷昌光は「車」 の一文字から湯王伊尹の小説を一本書き上げたとか言っていました。スレ主、勝負できますね。
ついに最終回、と思ったら最終回の予告編でした。内容はAAカット集、懐かしのAAに混ざって見たことのない新しいAAも入っています。黒沢さんが置いてきたと言っていた村一番の娘さんは翠星石でしたか。やる夫に言われた通りに村に戻って翠星石と暮らすことになったのですね。せめてのハッピーエンドでしょう。
最終話 ~士は己を知る者の為に死す~
市場から立ち去ろうとするやる夫に声が掛り思わず反応してしまいました。声を掛けてきたのは友人のできる夫、妻にもバレなかった(?)のにできる夫にはバレてしまいました。義のためにやらない夫を討つというやる夫を見送るしかありません。やる夫がやらない夫の屋敷の近くで乞食をしてやらない夫の行動予定を聞き込みます。そして新領の見回りに行く事を聞きつけると、堺の橋でやらない夫を待ち受けます。心静かにその時を待ち受けるやる夫ですが、馬車の馬がその異様な気配に気付いて歩みを止めてしまいました。橋を調べると見つかったのは皮膚病に侵されたような異様な姿の人物、それでも趙襄子一行にはやる夫だと判ったようです。やらない夫の前に引きずり出されたやる夫に、やらない夫趙襄子が范氏と中行氏を見捨てたのに何故キル夫だけには義を貫こうとするのか問い質します。その答えが国士の恩、国士として扱ってくれたからには身命をなげうって報恩しなければならないのだと。
しかし今回も暗殺に失敗、せめて趙襄子の衣に斬りつけて義を果たしたいというやる夫予譲に趙襄子は衣を与えます。ライトが衣を与える役を買って出ます。近づいたところに切りつけられるのを恐れたのでしょう。月にとってはその能力を見込んでくれた趙襄子に国士の恩を思っているのでしょうね。やる夫は衣に斬りつけてから自刃してしまいます。これこそが二千年の時を越えて残る仇討の物語というものです。これを聞きつけた志のある人々はみなその行状を惜しむのでした。黒沢さんと翠星石のAAがここで出てきました。モブのはずの黒沢さん、最後まで良い役でした。当時の人ばかりではなく、後の世にも予譲の生き様に共感した人は多いかと、「豈不憚艱險,深懷國士恩」のお方もきっと予譲に思い入れがあったのでしょう。
感想を読み返してみたら始まったところでやる夫であの壮絶ぶりが表現できるのだろうかと心配していましたが、とんでもない、見事なまでに表現されていましたね。本来のやる夫は金糸雀といちゃラブするのが本性だったのでしょうが、そういうやる夫が国士の恩に報いるために変貌していく様子が見事に書き上げられていました。スレ主の腕に脱帽です。
感想を読み返してみたら始まったところでやる夫であの壮絶ぶりが表現できるのだろうかと心配していましたが、とんでもない、見事なまでに表現されていましたね。本来のやる夫は金糸雀といちゃラブするのが本性だったのでしょうが、そういうやる夫が国士の恩に報いるために変貌していく様子が見事に書き上げられていました。スレ主の腕に脱帽です。