人気講談師・神田伯山、海外映画賞アニメ主演声優をつとめるも「自分じゃなく人気声優のほうがよかった」
人気講談師・神田伯山、海外映画賞アニメ主演声優をつとめるも「自分じゃなく人気声優のほうがよかった」
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その主人公・荘太郎役を演じるのは、今“もっともチケットの取れない講談師”と言われる六代目・神田伯山さん。声優をつとめた感想を聞きました。
◆講談師は声だけで感情を入れることはほとんどないので真逆
――今回、声優初主演ということで終えてみていかがでしたでしょうか?
――声だけで主人公の探偵・荘太郎を演じたことの楽しさ、難しさはいかがでしたか?
伯山:声優さんは120%声だけで表現するお仕事で、我々講談師は実は声だけで感情を入れることはほとんどないんですね。お客様に想像させる余地も残すので、感情を完全に入れる作業とは真逆だったりするんです。
なのでその辺りは技術的に難しかったのですが、塚原監督がたくさん先導してくれてなんとかなったのかなと思っています。ですから声優さんのことを非常に尊敬するに至ると言いますか、改めて難しいものだなと。つくづく声優の皆様方の凄さが改めて分かったという感じですね。
◆「(主人公の声は)僕じゃなくてもいいですよ」
――監督の忘れられない一言など、収録時の一番の思い出は何ですか?
伯山:これ、僕もひどいのですが、途中やりながら「(主人公の声は)僕じゃなくてもいいですよ」って言っちゃったんですよ(苦笑)。
――それはどういう意味合いで???
伯山:単純に終わらないんじゃないかなと(苦笑)。いやそれ「お前降りるのか!?」っていう話なんですけれども、本当にナチュラルに僕じゃなくていいと思ったんですよね。
ちょうどSNSの公式アカウントのキャンペーンでは短いものを公開して「荘太郎の声優は誰だ!?」という問いかけをやっていて、世の中の反響も“誰だろうこの声は?”みたいな感じだったんです。その中には、声優で大変に有名な中島ヨシキさんじゃないのかという声も。だから僕も中島さんでいいんじゃないかと言いまして(笑)。
中島さんも、主演が僕だと発表されたのちに、SNSでフォローのコメントを丁寧に投稿してくれたのですが、優しくて素敵な方だなと思いました。なのでいまだに僕は中島ヨシキさんでよかったのではと思っています(笑)。
だからむしろ監督に言われた一言より、「中島ヨシキさんのほうがいいじゃないか」という僕の一言を塚原監督が覚えていると思います(笑)。
◆「声優もやんのかい!」という感じが出なければいいと思う
――この作品、伯山さんのファンの人々には何と言って届けたいですか?
伯山:「映画できたよー!」ということですかね(笑)。僕のことを応援してくれるお客さんたちは、素直に喜んでくれるはずなのですが…「声優もやんのかい!」という感じが出なければいいと思いますね。あと何よりアニメの邪魔にはなりたくない。
そのために一生懸命やっていて、もちろん足りていない部分も多いのですが、ハマっていたらいいと思います。自分のラジオ(『問わず語りの神田伯山』TBSラジオ)でどれだけアフレコが大変だったのかをこれまで話してきたので、そういう面も含めて楽しみに来てくれると思っています。
実はお客様って面白くて、僕が講談じゃない仕事をやっていると喜んでくれるんですよ。僕はそういうスタンスではないのですが、目新しいことをやってると楽しいんでしょうね。
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