それに対し、
パチンコはパチスロが落ち込んでいた時期にこそ盛り上がったものの「客が付くのは一部機種だけ、ほかは最初だけは客付きがよくても数週間もすれば空き台だらけだよ」とは、都内某店長の嘆き。
こんな嘆きがそこかしこから聞こえるくらい、
パチンコは元気がありません。そうなってしまう最大の要因はホールの使い方があまりにも悪く、抜けるだけ抜こうとして、とてもじゃないけど打つに耐えないくらいにしか回せないから……と、筆者は思ったりします。そういう意味では自業自得だなと思わざるを得ませんが、ただ機械的、スペック的にも迷走している面も否定できません。
◆スマスロとくらべて地味な改変
スマート遊技機として好調のスマスロと同時に発表されたスマパチは、ホール導入はスマスロから半年ほど遅れはしましたが、2023年のゴールデンウィーク直前という絶好のタイミングで登場しました。その遊技性やスペックに期待していたホールもファンも多かったはず。
スペック的な改変点としては、ラッシュの引き戻しチャンスであるCタイムを搭載し、ラッシュの爆発力はパワーアップしており、「地味ながらもツボにはまったときの爆発力は期待できるのでは……」と期待されていました。とはいえ、有利区間のゲーム数が撤廃という目玉があったスマスロと比べると、どうしても地味感は否めませんでしたが……。
そして、これが業界関係者の誰もが口を揃えるほどの大コケに。スマート遊技機導入当初は専用ユニットが足らないという問題があったものの、これでスマパチ用のユニットがだぶ付き、結果としてスマスロの導入を加速させたという皮肉な結果にもなったわけです。
◆スマパチの普及を願うホール事情
ファンにとっては引き戻しが期待できるといっても、そこまで期待できるほどではない。それなのに初当りだけが重くなったという印象になってしまい、スマパチとP機で同時に導入されたタイトルなどは、P機ばかりに人気が集中するほど。
では、ホール関係者はスマパチの普及にNOを突きつけているかというと、そうでもないようです。あるホールの店長は「スペック面など問題は多いが、本音を言えばスマパチも普及してほしい。なぜなら玉の補給や回収などにおけるトラブルがなくなり、人件費も削減できるから」と、スマパチのメリットもあると話します。
パチンコ島はその裏側に玉を下から上へと運んだり、その途中で玉を磨いたりなどの補給や循環の設備があり、経年劣化でトラブルが多発。玉が出なくなって店員さんを呼んだら、上の幕板を開けてガサゴソするのを見たことは誰にでも経験があると思いますが、スマパチではそんなトラブルが一層されます。しかもトラブル対応に割く人員も不要となり、客が付かないこと以外はスマパチの利点は大。しかしながらホールにとって客が付くかどうかが一番大事ですから、現時点ではP機を優先せざるを得ないということです。
◆尻すぼみな新スペック
思えば実質的な天井である遊タイム、また通常時にいきなり時短に突入するC時短と、2018年の規則改正、CR機からP機への過渡期前後から相次いでメーカー団体は内規を改めてきました。
しかし、現在の主力機種のほとんどには、それらの機能は搭載されていません。スペックの変化や進化は続いているものの、目玉として出された新機能が尻すぼみになっているというのは、まるで今のスマパチを見ているようです……。